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  • 特開-欠陥分類装置 図1
  • 特開-欠陥分類装置 図2
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  • 特開-欠陥分類装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133939
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】欠陥分類装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20230920BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230920BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20230920BHJP
   G01N 21/956 20060101ALN20230920BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G06T7/00 350B
G06V10/70
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039210
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301014904
【氏名又は名称】東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大▲美▼ 英一
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
5L096
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB01
2G051AB02
2G051EC01
4M106AA01
4M106CA39
4M106DJ27
4M106DJ28
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096HA09
5L096HA11
5L096JA22
(57)【要約】
【課題】被検査対象に発生した欠陥パターンを精度よく分類する。
【解決手段】自動欠陥分類装置1は、被検査対象Wに発生した欠陥パターンPを分類する。自動欠陥分類装置1は、欠陥パターンPを分類して一次分類結果Rを得る複数の欠陥分類部10と、複数の欠陥分類部10により得られる複数の一次分類結果Rに基づいて、欠陥パターンPを再分類して再分類結果Tを得る欠陥再分類部20と、欠陥再分類部20による再分類条件Vを登録する再分類登録部30と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査対象に発生した欠陥パターンを分類する欠陥分類装置であって、
前記欠陥パターンを分類して一次分類結果を得る複数の欠陥分類部と、
前記複数の欠陥分類部により得られる複数の前記一次分類結果に基づいて、前記欠陥パターンを再分類して再分類結果を得る欠陥再分類部と、
前記欠陥再分類部による再分類条件を登録する再分類登録部と、を備える、欠陥分類装置。
【請求項2】
請求項1に記載の欠陥分類装置であって、
前記再分類条件は、
前記複数の一次分類結果が互いに異なるときに、前記再分類結果を、所定の優先度に基づいて前記複数の一次分類結果のうちのいずれか1つとする優先度モードと、
前記複数の一次分類結果が互いに異なるときに、前記再分類結果を、前記複数の一次分類結果のうちの同じ前記一次分類結果が多数あった方とする多数決モードと、
前記複数の一次分類結果が互いに異なるときに、前記再分類結果を、所定のアルゴリズムに基づいて前記複数の一次分類結果の組合せパターンによって決定する組合せパターンモードと、のうちの少なくとも1つを含む、欠陥分類装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の欠陥分類装置であって、
前記複数の欠陥分類部は、上流側から下流側へと順に、前記欠陥パターンを分類しており、
下流側の前記欠陥分類部は、上流側の前記欠陥分類部では分類が決定しなかった前記被検査対象の前記欠陥パターンのみを分類する、欠陥分類装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の欠陥分類装置であって、
前記複数の欠陥分類部として、
前記被検査対象の検査画像に対して所定の特徴量に基づいて、前記欠陥パターンを分類する特徴量欠陥分類部と、
前記検査画像に対してAI学習により生成された分類条件に基づいて、前記欠陥パターンを分類するAI欠陥分類部と、
前記AI欠陥分類部における前記検査画像よりも高解像度で取得したレビュー画像に対してAI学習により生成された分類条件に基づいて、前記欠陥パターンを分類するレビューAI欠陥分類部と、を備える、欠陥分類装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の欠陥分類装置であって、
前記再分類条件をユーザが入力し且つ入力された前記再分類条件を表示するインターフェース部を備える、欠陥分類装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被検査対象に発生した欠陥パターンを分類する欠陥分類装置に、関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイスの製造工程では、半導体ウエハ(基板)の表面に露光、現像、エッチング等の処理を行うことによって、半導体ウエハ表面に多数の回路パターンを形成する。そして、多数の回路パターンが形成された半導体ウエハを、複数のチップ部品として個片化する。個片化されたチップ部品は、パッケージングされた後、電子部品単体として出荷されたり、電気製品に組み込まれたりする。
【0003】
ここで、半導体ウエハが複数のチップ部品として個片化される前に、半導体ウエハ表面に対して、欠陥の検出が行われる。欠陥の検出は、例えば、光学顕微鏡や走査電子顕微鏡により撮像された検査画像に基づいて、行われる。
【0004】
そして、欠陥の検出された半導体ウエハに対して、欠陥のサイズや色などの特徴量に基づいて、欠陥パターンの分類が行われる。欠陥パターンとして、例えば、異物や傷などがある。
【0005】
従来、欠陥パターンの分類は、作業者による目視検査によって行われてきた。しかしながら、目視検査では、作業者の主観に応じて、欠陥パターンの分類結果にばらつきが生じ得るので、欠陥パターンを精度よく分類することができなかった。
【0006】
そこで、特許文献1に示すように、半導体ウエハ表面に発生した欠陥パターンを自動的分類する自動欠陥分類装置(Automatic Defect Classification:ADC)が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-47939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に係る自動欠陥分類装置を用いて、作業者の主観を排して欠陥パターンを分類したとしても、依然として、欠陥パターンの分類精度に課題がある。
【0009】
上記課題は、半導体ウエハ以外の他の被検査対象にも、当てはまる。
【0010】
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被検査対象に発生した欠陥パターンを精度よく分類することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係る欠陥分類装置は、被検査対象に発生した欠陥パターンを分類する欠陥分類装置であって、上記欠陥パターンを分類して一次分類結果を得る複数の欠陥分類部と、上記複数の欠陥分類部により得られる複数の上記一次分類結果に基づいて、上記欠陥パターンを再分類して再分類結果を得る欠陥再分類部と、上記欠陥再分類部による再分類条件を登録する再分類登録部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、被検査対象に発生した欠陥パターンを精度よく分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る自動欠陥分類装置の概略構成図である。
図2図2は、インターフェース部の設定画面を示す。
図3図3は、欠陥パターンの分類フローを示すフローチャートである。
図4図4は、その他の実施形態に係る図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0015】
(自動欠陥分類装置の構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る自動欠陥分類装置1の概略構成図である。自動欠陥分類装置1は、被検査対象Wに発生した欠陥パターンPを、分類する。本実施形態では、被検査対象Wは、半導体製造工程における半導体ウエハ(基板)の表面である。
【0016】
自動欠陥分類装置1による欠陥パターンPの分類工程の前工程において、欠陥検出装置(図示せず)による欠陥の検出が行われる。欠陥の検出は、光学顕微鏡や走査電子顕微鏡により撮像された検査画像Iに基づいて、行われる。具体的には、欠陥の検出は、例えば、撮像された検査画像Iを、事前に設定されたフィッティング画像(統計的良品画像)に重ね合わせることによって、行われる。フィッティング画像は、例えば、良品判定された被検査対象Wの画像を平均化することによって、得られる。
【0017】
自動欠陥分類装置1は、欠陥検出装置により欠陥が検出された被検査対象Wについてのみ、欠陥パターンPを分類する。ここで、欠陥パターンPとして、例えば、異物、傷、エッジリンス不良、スルーホール異常、塗膜ムラ、剥がれ、スクラッチ、ボンディングパッド異常、色ムラ、パターン異常、染み、変色、変形、などがある。
【0018】
自動欠陥分類装置1は、複数の欠陥分類部10と、欠陥再分類部20と、再分類登録部30と、インターフェース部40と、を備える。自動欠陥分類装置1は、例えば、マイコン及びプログラムで構成されている。
【0019】
複数の欠陥分類部10は、被検査対象Wに発生した欠陥パターンPを分類して、一次分類結果Rを得る。複数の欠陥分類部10として、特徴量欠陥分類部11と、AI欠陥分類部12と、レビューAI欠陥分類部13と、がある。
【0020】
特徴量欠陥分類部11は、被検査対象Wの検査画像Iに対して、欠陥における所定の特徴量Xに基づいて、欠陥パターンPを分類して、特徴量一次分類結果R1を得る。欠陥の特徴量Xとして、例えば、面積、明るさ、色、輝度、形状、鮮明さ、長さ、幅、幅/長さ、角度、透明度、などがある。特徴量欠陥分類部11には、欠陥の特徴量Xが、事前に登録されている。
【0021】
AI欠陥分類部12は、被検査対象Wの検査画像Iに対して、AI(Artificial Intelligence)学習により生成された分類条件Yに基づいて、欠陥パターンPを分類して、AI一次分類結果R2を得る。詳細には、AI欠陥分類部12は、被検査対象Wの検査画像Iに対して、最適な分類条件Yを、AI学習によって自動生成する。そして、AI欠陥分類部12は、撮像された検査画像Iを、生成された分類条件Yに比較して、欠陥パターンPを分類する。分類条件Yの自動生成は、被検査対象M毎に、都度行われる。
【0022】
このため、AI欠陥分類部12による欠陥パターンPの分類は、特徴量欠陥分類部11による欠陥パターンPの分類に比較して、時間がかかる。一方、AI欠陥分類部12は、特徴量欠陥分類部11に比較して、欠陥パターンPを、高精度で分類することができる。
【0023】
AI学習として、例えば、機械学習やディープラーニング等がある。また、機械学習として、「教師有り学習」、「教師無し学習」及び「強化学習」等がある。
【0024】
例えば、任意の検査画像I及び当該検査画像Iに対する目視検査による欠陥パターンPの分類結果を、AI欠陥分類部12に、データとして予め大量に入力する。AI欠陥分類部12は、大量に入力されたこれらのデータに基づいて、欠陥分類の傾向を発見することによって、撮像された検査画像Iに対する欠陥パターンPの分類条件Yを、都度、自動生成する。
【0025】
レビューAI欠陥分類部13は、AI欠陥分類部12における検査画像Iよりも高解像度で取得したレビュー画像Jに対して、AI学習により生成された分類条件Zに基づいて、欠陥パターンPを分類して、レビューAI一次分類結果R3を得る。レビューAI欠陥分類部13の構成は、通常の検査画像Iではなくレビュー画像Jを用いること以外、AI欠陥分類部12と同様である。
【0026】
ここで、レビュー画像Jは、被検査対象Wを、(特徴量欠陥分類部11及びAI欠陥分類部12で用いられる)通常の検査画像Iよりも、高解像度(高倍率)で撮像することによって、得られる。レビュー画像Jは、通常の検査画像Iよりも、撮像範囲(画角)が狭い。すなわち、レビューAI欠陥分類部13では、1つの被検査対象Wに対して、複数のレビュー画像Jを取得する必要がある。
【0027】
このため、レビューAI欠陥分類部13による欠陥パターンPの分類は、AI欠陥分類部12による欠陥パターンPの分類に比較して、時間がかかる。一方、レビューAI欠陥分類部13は、AI欠陥分類部12に比較して、欠陥パターンPを、高精度で分類することができる。
【0028】
複数の欠陥分類部10は、上流側から下流側へと、特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13の順に、被検査対象Wの欠陥パターンPを、段階的に分類する。下流側の欠陥分類部10は、上流側の欠陥分類部10では分類が決定(確定)しなかった被検査対象Wの欠陥パターンPのみを、分類する。
【0029】
具体的には、AI欠陥分類部12は、特徴量欠陥分類部11では分類が決定せずに未決定となった被検査対象Wの欠陥パターンPのみを、分類する。レビューAI欠陥分類部13は、AI欠陥分類部12では分類が決定せずに未決定となった被検査対象Wの欠陥パターンPのみを、分類する。
【0030】
欠陥再分類部20は、複数の欠陥分類部10(特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13)により得られる複数の一次分類結果R(特徴量一次分類結果R1、AI一次分類結果R2及びレビューAI一次分類結果R3)に基づいて、欠陥パターンPを再分類して、再分類結果Tを得る。
【0031】
再分類登録部30は、欠陥再分類部20による再分類条件Vを、登録する。また、再分類登録部30は、再分類条件Vを、保持・記憶する。再分類条件Vは、優先度モードM1と、多数決モードM2と、組合せパターンモードM3と、を含む。
【0032】
優先度モードM1は、複数の欠陥分類部10(特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13)により得られる複数の一次分類結果R(特徴量一次分類結果R1、AI一次分類結果R2及びレビューAI一次分類結果R3)が互いに異なるときに、欠陥再分類部20による再分類結果Tを、所定の優先度に基づいて複数の一次分類結果Rのうちのいずれか1つとする。
【0033】
例えば、優先度モードM1において、欠陥パターンPとして、予め「異物」を優先したとする。そして、特徴量一次分類結果R1が「傷」、AI一次分類結果R2が「異物」、レビューAI一次分類結果R3が「傷」だったとする。
【0034】
この場合、「傷」が2つ、「異物」が1つと、「傷」の方が多いが、予め優先した「異物」が優先される。すなわち、欠陥再分類部20による再分類結果Tは、「異物」となる。
【0035】
多数決モードM2は、複数の欠陥分類部10(特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13)により得られる複数の一次分類結果R(特徴量一次分類結果R1、AI一次分類結果R2及びレビューAI一次分類結果R3)が互いに異なるときに、欠陥再分類部20による再分類結果Tを、複数の一次分類結果Rのうちの同じ一次分類結果Rが多数あった方とする。
【0036】
例えば、特徴量一次分類結果R1が「傷」、AI一次分類結果R2が「異物」、レビューAI一次分類結果R3が「傷」だったとする。この場合、「傷」が2つ、「異物」が1つであり、同じ一次分類結果Rとして、「傷」の方が多数である。すなわち、欠陥再分類部20による再分類結果Tは、「傷」となる。
【0037】
組合せパターンモードM3は、複数の欠陥分類部10(特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13)により得られる複数の一次分類結果R(特徴量一次分類結果R1、AI一次分類結果R2及びレビューAI一次分類結果R3)が互いに異なるときに、欠陥再分類部20による再分類結果Tを、所定のアルゴリズムに基づいて複数の一次分類結果Rの組合せパターンによって決定する。組合せパターンモードM3の詳細については、後述する。
【0038】
インターフェース部40は、再分類条件Vを、ユーザUが入力する。また、インターフェース部40は、入力された再分類条件Vを、ユーザUに対して表示する。
【0039】
図2は、インターフェース部40の設定画面41を示す。設定画面41では、先ず、ユーザUによって、再分類条件Vとして、優先度モードM1、多数決モードM2及び組合せパターンモードM3のうちのいずれか1つが、選択される。
【0040】
再分類条件Vとして組合せパターンモードM3が選択された場合、具体的な組合せパターンを設定する。例えば、第1判定条件H1では、特徴量一次分類結果R1が「黒色欠陥」、AI一次分類結果R2が「円形欠陥」、且つレビューAI一次分類結果R3が「異物」だった場合、再分類結果Tを「黒色異物欠陥」とする。なお、このときの論理式Kは、「AND」である。
【0041】
第2判定条件H2では、特徴量一次分類結果R1が「白色欠陥」、AI一次分類結果R2が「矩形欠陥」、且つレビューAI一次分類結果R3が「傷」だった場合、再分類結果Tを「白色傷欠陥」とする。なお、このときの論理式Kは、「AND」である。
【0042】
第3判定条件H3以降でも、上記と同様に、任意の組合せパターンを設定する。また、論理式Kは、「OR」でもよい。
【0043】
(欠陥パターンの分類フロー)
図3は、欠陥パターンP1の分類フローを示すフローチャートである。なお、後述する「分類A」~「分類G」は、「異物」や「傷」等のような欠陥パターンPの分類を示す。
【0044】
先ず、ステップS1において、ユーザUは、欠陥再分類部20による再分類条件Vを、再分類登録部30に登録する。本例では、再分類条件Vとして、組合せパターンモードM3が採用される。ユーザUは、具体的な組合せパターンを、再分類登録部30に登録する(図2参照)。なお、再分類条件Vの再分類登録部30への登録は、後述するステップ6の後に行ってもよい。
【0045】
次に、ステップS2において、被検査対象Wの検査画像Iが取得される。
【0046】
次に、ステップS3において、特徴量欠陥分類部11は、被検査対象Wの欠陥パターンPを、所定の特徴量Xに基づいて、分類する。具体的には、特徴量欠陥分類部11は、欠陥パターンPを、特徴量一次分類結果R1として、「分類A」、「分類B」及び「分類C」に分類する。「分類A」は、決定(確定)される。「分類B」及び「分類C」は、未決定(未確定)とされる。
【0047】
次に、ステップS4において、AI欠陥分類部12は、特徴量欠陥分類部11では分類が決定せずに未決定となった「分類B」及び「分類C」に係る被検査対象Wの欠陥パターンPのみを、検査画像Iに対してAI学習により生成された分類条件Yに基づいて、分類する。具体的には、AI欠陥分類部12は、欠陥パターンPを、AI一次分類結果R2として、「分類B」、「分類C」、「分類D」及び「分類E」に分類する。「分類B」及び「分類C」は、決定(確定)される。「分類D」及び「分類E」は、未決定(未確定)とされる。
【0048】
次に、ステップS5において、AI欠陥分類部12では分類が決定せずに未決定となった「分類D」及び「分類E」に係る被検査対象Wのレビュー画像Jのみを、取得する。レビュー画像Jは、検査画像Iよりも高解像度である。
【0049】
次に、ステップS6において、レビューAI欠陥分類部13は、AI欠陥分類部12では分類が決定せずに未決定となった「分類D」及び「分類E」に係る被検査対象Wの欠陥パターンPのみを、レビュー画像Jに対してAI学習により生成された分類条件Zに基づいて、分類する。具体的には、レビューAI欠陥分類部13は、欠陥パターンPを、レビューAI一次分類結果R3として、「分類D」、「分類E」及び「分類F」に分類する。「分類D」及び「分類E」は、決定(確定)される。「分類F」は、未決定(未確定)とされる。
【0050】
次に、ステップS7において、欠陥再分類部20は、レビューAI欠陥分類部13では分類が決定せずに未決定となった「分類F」に係る被検査対象Wの欠陥パターンPのみを、再分類して、再分類結果Tを得る。
【0051】
具体的には、欠陥再分類部20は、特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13により得られる特徴量一次分類結果R1、AI一次分類結果R2及びレビューAI一次分類結果R3(分類履歴)に基づいて、未決定の「分類F」に係る被検査対象Wの欠陥パターンPを再分類して、再分類結果Tを得る。
【0052】
上述したように、欠陥再分類部20は、再分類条件Vとして、組合せパターンモードM3を採用している。欠陥再分類部20は、再分類条件Vとしての組合せパターンモードM3に基づいて、被検査対象Wの欠陥パターンPを再分類して、再分類結果Tを得る。
具体的には、欠陥再分類部20は、特徴量一次分類結果R1が「分類B」、AI一次分類結果R2が「分類D」、レビューAI一次分類結果R3が「分類F」である場合、再分類結果Tを「分類G」とする。一方、欠陥再分類部20は、上記以外の場合、再分類結果Tを「分類F」とする。「分類F」は、決定(確定)される。「分類G」は、未決定(未確定)とされる。
【0053】
最後に、ステップS8において、未決定の「分類G」に係る被検査対象Wの欠陥パターンPを、作業者による目視検査によって、再々分類する。
【0054】
(作用効果)
本実施形態によれば、欠陥再分類部20が、複数の欠陥分類部10による一次分類結果Rに基づいて、欠陥パターンPを再分類して再分類結果Tを得ることによって、被検査対象Wに発生した欠陥パターンPを、精度よく分類することができる。
【0055】
また、目視検査による欠陥パターンPの分類を、最小限に減らすことができる。
【0056】
欠陥再分類部20による再分類条件Vを、優先度モードM1、多数決モードM2及び組合せパターンモードM3の中から選択できるので、再分類条件Vを、製造条件等に応じて柔軟に変更することができる。
【0057】
下流側の欠陥分類部10は、上流側の欠陥分類部10で既に分類が決定した被検査対象Wの欠陥パターンPを、分類しなくてよい。このため、自動欠陥分類装置1による欠陥パターンPの分類処理速度を、向上させることができる。
【0058】
複数の欠陥分類部10として、特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13を組み合わせることによって、自動欠陥分類装置1による欠陥パターンPの分類処理速度と分類精度との両立を図ることができる。
【0059】
インターフェース部40の設定画面41を通じて、ユーザUは、欠陥再分類部20による再分類条件Vを、容易に設定することができる。
【0060】
(その他の実施形態)
以上、本開示を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
【0061】
上記実施形態では、複数の欠陥分類部10は、上流側から下流側へ順に、被検査対象Wの欠陥パターンPを段階的に分類したが、これに限定されない。
【0062】
図4に示すように、特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13は、互いに並行して、任意の被検査対象Wの欠陥パターンPを分類してもよい。
【0063】
例えば、特徴量欠陥分類部11は、任意の被検査対象Wの欠陥パターンPを、特徴量一次分類結果R1としての「傷」に分類する。AI欠陥分類部12は、当該任意の被検査対象Wの欠陥パターンPを、AI一次分類結果R2としての「異物」に分類する。レビューAI欠陥分類部13は、当該任意の被検査対象Wの欠陥パターンPを、レビューAI一次分類結果R3としての「傷」に分類する。
【0064】
再分類条件Vを優先度モードM1として、予め「異物」を優先したとする。この場合、欠陥再分類部20は、再分類結果Tとしての「異物」を得る。再分類条件Vを多数決モードM2としたとする。この場合、欠陥再分類部20は、再分類結果Tとしての「傷」を得る。再分類条件Vを組合せパターンモードM3としたとする。この場合、欠陥再分類部20は、所定のアルゴリズムに基づいて、再分類結果Tを得る(図2,3参照)。
【0065】
検査画像IをRGBの各色成分画像に変換して、どの色成分画像にて欠陥パターンPの検査を行ったのか(色成分画像条件)を、欠陥パターンPの再分類に利用してもよい。
【0066】
検査対象Wは、半導体ウエハに限定されず、自動欠陥分類装置1で分類可能な、種々の対象が考えられ得る。検査対象Wは、例えば、ガラス基板や電線等でもよい。
【0067】
複数の欠陥分類部10の組合せは、特徴量欠陥分類部11、AI欠陥分類部12及びレビューAI欠陥分類部13に、限定されない。例えば、自動欠陥分類装置1は、複数の欠陥分類部10として、互いに異なる特徴量を分類基準とした2つの特徴量欠陥分類部のみを、備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示は、自動欠陥分類装置1に適用できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0069】
W 被検査対象
P 欠陥パターン
I 検査画像
J レビュー画像
R 一次分類結果
R1 特徴量一次分類結果
R2 AI一次分類結果
R3 レビューAI一次分類結果
X 特徴量
Y 分類条件
Z 分類条件
T 再分類結果
V 再分類条件
U ユーザ
M1 優先度モード
M2 多数決モード
M3 組合せパターンモード
1 自動欠陥分類装置
10 欠陥分類部
11 特徴量欠陥分類部
12 AI欠陥分類部
13 レビューAI欠陥分類部
20 欠陥再分類部
30 再分類登録部
40 インターフェース部
図1
図2
図3
図4