(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133989
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】定着部材固定装置、固定桁固定装置及び定着部材固定方法
(51)【国際特許分類】
E04G 15/04 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
E04G15/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039289
(22)【出願日】2022-03-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】515256729
【氏名又は名称】ゲートアップ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 泰夫
【テーマコード(参考)】
2E150
【Fターム(参考)】
2E150HF05
2E150HF25
2E150MA02X
2E150MA02Z
2E150MA11X
2E150MA11Z
(57)【要約】
【課題】横断勾配が変化するコンクリート路盤に、Pca部材を連続にアンカー定着するため、予めコンクリート打設前に定着部材を路盤鉄筋内に固定する場合の、定着部材の固定の位置精度、設置効率を向上させる。
【解決手段】定着部材のコンクリート非定着部を拘束して定着部材を固定する定着部材固定装置は、2列の平行な溝形鋼のウエブ面同士が繋ぎ材を介し一体に接合される態様の、当該溝形鋼の両方のフランジの縁端に欠円状に解放されかつ互いに連通するコンクリート非定着部を拘束するための拘束孔を有する拘束ユニットと、当該拘束ユニットを路盤鉄筋の上方にて固定する固定桁とから構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Pca部材を打設後のコンクリート路盤にアンカー定着するため、路盤鉄筋内に配するコンクリート定着部と当該コンクリート定着部に連続する部分で路盤鉄筋上に配するコンクリート非定着部とから成る定着部材を基盤上の路盤鉄筋に固定する場合において、
2列の平行な溝形鋼の形状を有する形状体のウエブ面同士が繋ぎ材を介し背合せに一体に接合され、当該2列の平行な溝形鋼の形状を有する形状体の個々が、両方のフランジの縁端に欠円状に解放されかつ当該両方のフランジ同士で互いに連通する複数の拘束孔を有する態様の、拘束ユニットと、
前記拘束ユニットの前記ウエブ面を概鉛直にする前記2列の平行な溝形鋼の形状を有する形状体の間に沿って配され、前記拘束ユニットを前記路盤鉄筋の上にて固定する固定桁と、
から構成され、
前記コンクリート非定着部を前記拘束ユニットの前記連通する複数の拘束孔に拘束しつつ前記拘束ユニットを前記固定桁に固定し、前記定着部材を前記路盤鉄筋に固定する態様である、
ことを特徴とする、前記定着部材固定装置。
【請求項2】
Pca部材を打設後のコンクリート路盤にアンカー定着するため、路盤鉄筋内に配するコンクリート定着部と当該コンクリート定着部に連続する部分で路盤鉄筋上に配するコンクリート非定着部とから成る定着部材を基盤上の路盤鉄筋に固定する場合の、
前記コンクリート非定着部を拘束するための前記拘束ユニットを固定する前記固定桁を前記路盤鉄筋上に固定する場合において、
前記基盤上の前記路盤鉄筋内に配し複数の貫通孔を有する概矩形の固定フレームと、
前記固定フレームに前記複数の貫通孔の上方から自らの下端を貫通させて立脚する複数の漏斗状の脚と、
前記複数の漏斗状の脚に下側から支持され上側には弧状の接面を有する固定台座と、
から構成され、
前記固定桁を前記弧状の接面の上で当接させつつ回転させ所定の設計勾配角に合わせ固定する態様である、
ことを特徴とする、前記固定桁固定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の定着部材固定装置と、請求項2に記載の固定桁固定装置を用いて、前記定着部材を前記路盤鉄筋内に固定する定着部材固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打設後のRC構造のコンクリート路盤に、線形方向に連続に配置するPca部材をアンカー定着するため、予めコンクリート打設前に定着部材を路盤鉄筋内に固定する場合においての、定着部材固定装置、固定桁固定装置及び定着部材固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
打設後のRC(Reinforced Concrete)構造のコンクリート路盤に、線形方向に連続に配置する側壁や支柱などのPca部材(Precast concreat部材)をアンカー定着するためには、予めコンクリート打設前に定着部材を基盤上の路盤鉄筋内に固定しなければならない。
図23に示すように、一般に、路盤鉄筋内に定着部材を固定する方法には、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」と「定着部材がアンカー鉄筋による方法」が知られている。
【0003】
「定着部材が円筒箱抜き材による方法」とは具体的には、Pca部材101の下面から列を成して突出するアンカー鉄筋102を、予め円筒箱抜き材23を路盤鉄筋内に組立てることでコンクリート打設したら形成される円筒箱抜き孔に、Pca部材101もろとも位置調整しつつ突き立ててモルタル充填しコンクリート路盤11にアンカー定着する方法である(
図23の上半の図を参照)。
【0004】
また、「定着部材がアンカー鉄筋による方法」とは具体的には、Pca部材101の下面に列を成して口を開けるモルタル充填式継手103を、予め、路盤鉄筋内にアンカーフレームにて組立てることでコンクリート打設したらコンクリート路盤11面から列を成して突出するアンカー鉄筋24に、Pca部材101もろとも位置調整しつつ突き合わせてモルタル充填しコンクリート路盤11にアンカー定着する方法である(
図23の下半の図を参照)。
【0005】
前者は、後者に比べ、高価なアンカーフレームとモルタル充填式継手103が不要な分材料費において安価であり、Pca部材101の下面から突出するアンカー鉄筋102を円筒箱抜き孔105に突き立てる関係から円筒箱抜き材23の設置時の許容誤差も大きく施工が簡便である。したがって、設計上路盤鉄筋とPca部材101の内部鉄筋とが、相互に重ね継手としてラップ定着することが求められない限り、前者の「定着部材が円筒箱抜き材による方法」が用いられることが多い(
図23を参照)。
【0006】
ここで、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」における円筒箱抜き材は、多くは鋼製のシース管もしくはコルゲート管が用いられ、設計上の考え方により、硬化後のコンクリート路盤から、円筒箱抜き材自体を撤去する場合もあればそのまま存置する場合もある。
【0007】
特許文献1の第1図には、予めコンクリート路盤の位置に円筒箱抜き材を路盤鉄筋内に組立てる技術が示されている。このような、円筒箱抜き材を路盤鉄筋内に組立てる場合、路盤コンクリート打設時の締固めによる流動や、浮力にての浮き上がりにより、位置ずれをおこす問題があった。
【0008】
特許文献2の
図1(A)には、円筒箱抜き材が位置ずれをおこさぬよう、鉄筋から反力をとる保持具を用いる案が示されている。しかし、保持具は、コンクリート路盤に埋め殺しとなり、不経済であった。そして、路盤鉄筋には保持具を溶接固定することは構造筋の強度低下の問題からできず、精々、焼なまし鉄線によるルーズな結束固定しかできない。したがって、位置ずれをおこす問題は解決しない。
【0009】
一方、特許文献3の
図5(B)に、「定着部材がアンカー鉄筋による方法」における特許文献2の
図1(A)の保持具に相当する、アンカーフレームの技術がある。この方法においては、アンカーフレームがコンクリート路盤に埋め殺しとなり、不経済となった。
【0010】
そして、鉄道や道路のコンクリート路盤など、路盤面自体が横断勾配を持ち線形方向に変化し、これに合わせてPca部材を、コンクリート路盤にアンカー定着させる場合の、効率的な定着部材の固定方法は、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」及び「定着部材がアンカー鉄筋による方法」のいずれの方法においても先行技術には見当たらないようである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開昭61-108752号公報
【特許文献2】特許第6865883号公報
【特許文献3】特開2004-107947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上では、RC構造のコンクリート路盤に、線形方向に連続に配置するPca部材をアンカー定着するため、予めコンクリート打設前に定着部材を路盤鉄筋内に固定する場合において、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」に関する課題を主に、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を例にして説示した。
【0013】
以下に、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」及び「定着部材がアンカー鉄筋による方法」の共通の課題を総括する。
1)定着部材は、コンクリート打設時、側方流動や締固めにより位置ずれする。
2)定着部材が位置ずれを起こさぬよう、必要となる保持具やアンカーフレームは、路盤鉄筋内に埋め殺しとなるから、コストアップする。
3)定着部材は、Pca部材ひとつ毎に対し、ひとつ毎の群体として相互の位置精度の確保が必要となる。しかし、先行技術には適当な方法が見当たらないようである。
4)線形を成すコンクリート路盤に、線形方向に連続性を持つPca部材複数に対しては、複数の群体の連続体として相互かつ連続の位置精度の確保が必要となる。しかし、先行技術には適当な方法が見当たらないようである。
5)コンクリート路盤面自体が勾配を持ち線形方向に連続に変化する場合、これに合わせてPca部材を、コンクリート路盤に連続にアンカー定着する総合的な方法は、先行技術には見当たらないようである。
【0014】
以下に、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」に固有の課題を総括する。
6)円筒箱抜き材は、コンクリート打設時、側方流動や締固めに加え、浮力にて浮き上がり位置ずれを起こす。
7)円筒箱抜き材の浮き上がり防止のために、浮力がかからぬようアンカー定着に必要な長さを超え基盤から立ち上げると、著しく不経済になる。
【0015】
以下に、「定着部材がアンカー鉄筋による方法」に固有の課題を総括する。
8)Pca部材の下面に列を成すモルタル充填式継手と、予め、路盤鉄筋内に組立てるアンカー鉄筋を接合するには、アンカーフレームと継手の分、工費が嵩んだ。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係る第一の発明は、
Pca部材を打設後のコンクリート路盤にアンカー定着するため、路盤鉄筋内に配するコンクリート定着部と当該コンクリート定着部に連続する部分で路盤鉄筋上に配するコンクリート非定着部とから成る定着部材を基盤上の路盤鉄筋に固定する場合において、
2列の平行な溝形鋼の形状体のウエブ面同士が繋ぎ材を介し背合せに一体に接合され、当該2列の平行な溝形鋼の形状体の個々が、両方のフランジの縁端に欠円状に解放されかつ当該両方のフランジ同士で互いに連通する複数の拘束孔を有する態様の、拘束ユニットと、
前記拘束ユニットの前記ウエブ面を概鉛直にする前記2列の平行な溝形鋼の形状体の間に沿って配され、前記拘束ユニットを前記路盤鉄筋の上にて固定する固定桁と、
から構成され、"
前記コンクリート非定着部を前記拘束ユニットの前記連通する複数の拘束孔に拘束しつつ前記拘束ユニットを前記固定桁に固定し、前記定着部材を前記路盤鉄筋に固定する態様である、
ことを特徴とする、前記定着部材固定装置、を提供する。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明に係る第二の発明は、
Pca部材を打設後のコンクリート路盤にアンカー定着するため、路盤鉄筋内に配するコンクリート定着部と当該コンクリート定着部に連続する部分で路盤鉄筋上に配するコンクリート非定着部とから成る定着部材を基盤上の路盤鉄筋に固定する場合の、
前記コンクリート非定着部を拘束するための前記拘束ユニットを固定する前記固定桁を前記路盤鉄筋上に固定する場合において、
前記基盤上の前記路盤鉄筋内に配し複数の貫通孔を有する概矩形の固定フレームと、
前記固定フレームに前記複数の貫通孔の上方から自らの下端を貫通させて立脚する複数の漏斗状の脚と、
前記複数の漏斗状の脚に下側から支持され上側には弧状の接面を有する固定台座と、
から構成され、
前記固定桁を前記弧状の接面の上で当接させつつ回転させ所定の設計勾配角に合わせ固定する態様である、
ことを特徴とする、前記固定桁固定装置、を提供する。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明に係る、第三の発明は、
本発明に係る、第一の発明の定着部材固定装置と、第二の発明の固定桁固定装置を用いて、前記定着部材を前記基盤上の前記路盤鉄筋内に固定する定着部材固定方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る第一の発明の「定着部材固定装置」による、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」及び「定着部材がアンカー鉄筋による方法」の共通の効果について、以下に説示する。
【0020】
1)定着部材は、コンクリート定着部ではない上部に、コンクリート非定着部を連続して有し、コンクリート非定着部を拘束ユニットで拘束する。このため、以下の効果を奏することができる。
・定着部材は、コンクリート非定着部を路盤鉄筋の上方で、拘束ユニットで拘束できる。したがって、コンクリートに埋め殺しとなる保持具やアンカーフレームを必要とせずコストダウンする。
・定着部材は、コンクリート非定着部に拡径する上端拡径部備えれば、拘束ユニットの拘束孔から脱落することがない。
・上端拡径部は、拘束ユニットのいずれかのウエブの拘束孔に引っ掛かるようコンクリート非定着部の上端付近に設ければよい。
【0021】
2)拘束ユニットは路盤鉄筋の上方で、定着部材を拘束しつつ固定桁に固定される。このため、以下の効果を奏することができる。
・定着部材にかかるコンクリート打設時の横ずれ荷重は、大きな剛性の有る固定桁が拘束ユニットを介し耐荷する。このため、定着部材は横ずれを起こさない。
・横断勾配が線形方向に連続に変化し線形方向に連続にPca部材複数を固定する場合、定着部材は、複数の群体の連続体として相互かつ連続の位置精度が確保できる。
【0022】
3)定着部材を拘束する拘束ユニットは、2列の溝形鋼の形状体のウエブ面同士が繋ぎ材を介し平行かつ一体に接合される。このため、以下の効果を奏することができる。
・2列の溝形鋼の形状体の形状上、拘束ユニットは過酷使用においても平行性を失わず構造的に強固となる。
・2列の溝形鋼の形状体の形状上、両サイドの上下のフランジの縁端に、拘束孔を正確に設けることができ、拘束ユニットはバランスがよく安定する。
・2列の溝形鋼の形状体の形状上、可搬性や作業性がよい。
・たとえ、2列の平行な溝形鋼の形状体に、溝形鋼を用いず、軽量溝形鋼、もしくは山形鋼で同様の形状体を構成しても、樹脂製で同様の形状体を構成しても、同様の効果が得られる。
【0023】
4)定着部材を拘束する拘束ユニットは、溝形鋼の形状体の両方のフランジの縁端に欠円状に解放されかつ互いに両方に連通する定着部材のコンクリート非定着部を拘束する拘束孔を有する。このため、以下の効果を奏することができる。
・定着部材は、上側の拘束孔及び下側の拘束孔の上下2点で確実に拘束できる。したがって、正しい位置と勾配に保持でき、コンクリート打設時に位置ずれを起こさない。
・定着部材は、縁端の欠円状に解放する拘束孔に、横から簡易に脱着できる。このことで、コンクリート打設前の設置、硬化後の撤去などの作業を簡便化する。
・拘束孔は定着部材のコンクリート非定着部の支配的な部材の径より拡径かつここの上端拡径部より縮径とするので、定着部材は拘束ユニットから脱落することがない。
【0024】
5)2列の溝形鋼の形状体から成る拘束ユニットはウエブ面を概鉛直にして固定桁に固定する。このため、以下の効果を奏することができる。
・平面視で横幅が狭くなり、狭隘な2列の定着部材の間に収めることができる。このため、繋ぎ材の寸法調整にて、定着部材の配置の適用範囲が拡大する。
・平面視で占有幅が狭くなり、コンクリート打設時の表面仕上げにおいて障害とならない。このことで、コンクリートの品質劣化を招かない。
【0025】
6)拘束ユニットはクランプにて調整材を挟み固定桁に固定する。このため、以下の効果を奏することができる。
・固定桁を凡そ設計線形に固定し、その上でクランプにて所定の設計位置に合致するよう調整材を組み合わせて挟み位置調整する。そうすると、定着部材設置の測量精度を段階的かつ合理的に向上できる。
【0026】
続いて、本発明に係る第二の発明の「H形状の桁用の固定桁固定装置」による効果について説示する。
【0027】
7)固定台座は、複数の漏斗状の脚を有し、漏斗状の脚を固定フレームの複数の貫通孔に貫通させて立脚させる。このため、以下の効果を奏することができる。
・漏斗状の脚は形状上、路盤コンクリートが硬化したら、埋め殺しとなる固定フレームから容易に引き抜き転用できる。
・固定フレームの設置精度を確保すれば、ここに立脚する漏斗状の脚の上の固定台座の設置精度も同様に確保できる。
・漏斗状の脚は、全域に芯材として棒状鋼と、これを外包し全体に漏斗状に成型する漏斗状樹脂成型部から構成する。そうすると、鋼材よりコンクリート付着力の低減する樹脂の効果により、硬化後のコンクリートから容易に離脱転用できる。
・漏斗状の脚の下端は、棒状鋼の下端を丸くしつつむき出しに漏斗状樹脂成型部から突出する。そうすると、棒状鋼の下端は、固定フレームの貫通孔に貫通させつつ立脚、固定でき、離脱時にもここは支障とならない。
【0028】
8)固定桁の下側に当接する固定台座は、弧状の接面を有し、H形状の固定桁を弧状の接面の上で回転させ設計勾配角に合わせ固定する。このため、以下の効果を奏することができる。
・固定桁は、所定の位置と高さに固定する固定台座の弧状の接面の上で回転させ設計勾配角に合わせる。この方法により、固定桁を設計上の位置と高さと勾配角に精度よくかつ効率よく設置できる。
・固定桁を固定台座にクランプまたは締め付け具(図示せず)にて固定すれば、基盤との位置関係においてもはや動くことはない。
・H形状の固定桁には、例えばH形鋼やI形鋼などを剛性の異なる部材を適宜、選定する。そうすると、スパンや荷重条件に対し、最適な構造とできる。
・H形鋼やI形鋼などH形状の固定桁は形状特性上、断面が矩形である。したがって、下側のフランジを固定台座の弧状の接面に2点で当接でき、回転させつつ所定の勾配角に合わせることができる。
・固定台座を必要頻度で配し、個々の位置にてH形状の固定桁を捩じるようにしてクランプまたは締め付け具(図示せず)にて固定する。そうすると、連続に変化する設計上の勾配角に追随させることができる。
【0029】
続いて、本発明に係る第三の発明の、第一の発明の定着部材固定装置と、第二の発明のH形状の桁用の固定桁固定装置を用いて、定着部材を基盤上の路盤鉄筋内に固定する方法による効果について、説示する。
9)定着部材は、定着部材固定装置にて、まず1基のPca部材と一対一に対応する拘束ユニットにて固定桁に保持される。そして、固定桁は、固定桁固定装置にて、設計上の位置と高さと勾配角に精度よく基盤に固定されている。このため、以下の効果を奏することができる。
・定着部材は、1基の拘束ユニット毎に群体として、所定の精度で定まり、固定桁に沿って連続して配する複数の拘束ユニットにおいて群体の連続体として、所定の精度で定まる。
・Pca部材の定着部材は、横断勾配が線形方向に連続に変化する場合でも、所定の平面位置と高さ、勾配に精度よく固定できる。
・第一の発明の定着部材固定装置には拘束ユニットを固定する固定桁が必要となり、固定桁を固定する第二の発明の固定桁固定装置と用いれば、両者の相乗効果が出てくる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】定着部材固定装置(円筒箱抜き材用)の構成を示す図である。
【
図2】定着部材固定装置(アンカー鉄筋用)の構成を示す図である。
【
図3】H形状の桁用の固定桁固定装置の構成を示す図である。
【
図6】拘束ユニット(円筒箱抜き材用)の構造を示す三面図である。
【
図7】拘束ユニット(アンカー鉄筋用)の構造を示す三面図である。
【
図10】定着部材(円筒箱抜き材用)と拘束孔の寸法関係を示す図である。
【
図11】定着部材(アンカー鉄筋用)と拘束孔の寸法関係を示す図である。
【
図12】実施例1のステップ1からステップ4をV-V’断面に示す図である。
【
図13】実施例1のステップ1をW-W’断面に示す図である。
【
図14】H形状の桁用の固定桁固定装置の使用手順を示す図である。
【
図15】実施例2のステップ1からステップ4をX-X’断面に示す図である。
【
図16】実施例2のステップ1をY-Y’断面に示す図である。
【
図17】実施例3のステップ1をア-ア’断面及びイ-イ’断面に示す図である。
【
図18】実施例3のステップ1をウ-ウ’断面に示す図である。
【
図19】管状の桁用の固定桁固定装置の構成と手順を示す図である。
【
図20】フック体89の構造を拡大して示す三面図である。
【
図21】Pca部材固定装置の配置状況を示す三面図である。
【
図23】一般に知られている、Pca部材をアンカー定着するために路盤鉄筋内に定着部材を固定する方法を示す図である。
【
図24】先行技術に対する本発明の効果を象徴する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
【0032】
図1は、円筒箱抜き材用の場合の、定着部材固定装置20の構成を示す図である。左側に、定着部材固定装置20の設置状況を示し、右側に、その構成要素の、定着部材22、円筒箱抜き材23、挿入棒状体35、拘束ユニット27、固定桁26、を順に示す。
図2は、アンカー鉄筋用の場合の、定着部材固定装置21の構成を示す図である。左側に、定着部材固定装置21の設置状況を示し、右側に、その構成要素の、アンカー鉄筋24、拘束ユニット28、固定桁26、を順に示す。(
図1、
図2を参照)
【0033】
尚、両者の定着部材固定装置の共通の目的は、Pca部材を打設後のコンクリート路盤にアンカー定着するため、予めコンクリート定着部とコンクリート非定着部から成る定着部材を、基盤上の路盤鉄筋内に固定する場合の、コンクリート非定着部を拘束して定着部材を設計位置に固定することである。そして、コンクリート路盤の設計勾配角の勾配面に直交するよう、定着部材並びにPca部材を設置する。
【0034】
図1、
図2において、円筒箱抜き材用の場合、コンクリート定着部33は円筒箱抜き材であり、コンクリート非定着部29は、円筒箱抜き材の上端から内部に挿入し一体に保持する棒状の挿入棒状体35の上部が該当する。
一方、アンカー鉄筋用の場合、コンクリート定着部34もコンクリート非定着部30も一連のアンカー鉄筋24である。(
図1、
図2を参照)
【0035】
また
図1、
図2において、アンカー鉄筋用の場合、固定桁26は、円筒箱抜き材用の場合より、桁高が低い。これは、路盤コンクリート打設に伴う横ずれや浮き上がりに伴う荷重が、アンカー鉄筋24は円筒箱抜き材23より少ないからである(
図1、
図2を参照)。
【0036】
続いて、
図6、
図7において、説示する。
図6は、円筒箱抜き材用の場合の、拘束ユニット27の構造を示す三面図である。
図7は、アンカー鉄筋用の場合の、拘束ユニット28の構造を示す三面図である。両者とも、2列の平行な溝形鋼の形状体38のウエブ41面同士が複数の繋ぎ材43,44を介し背合せに一体に接合される態様である。(
図6、
図7を参照)
【0037】
図6、
図7において、円筒箱抜き材用の場合、拘束ユニット27の拘束孔が、アンカー鉄筋用の場合の拘束ユニット28の拘束孔45より大きい。これは、拘束するコンクリート非定着部29,30において、円筒箱抜き材用の場合の挿入棒状体35が、アンカー鉄筋用の場合のアンカー鉄筋24より拡径であるからである。そして、両者の両フランジ40の拘束孔45,46はフランジ40の縁端に欠円状に解放されかつ前記両方のフランジ40同士で互いに同径で連通するから、それぞれのコンクリート非定着部29,30を横から迎えて拘束できる。
拘束ユニット27,28の離脱の場合は、円筒箱抜き材用の場合、挿入棒状体35を上方へ引き抜けば支障になるものはない。また、アンカー鉄筋用の場合は、アンカー鉄筋24を欠円状の解放側へ曲げて押しやれば、拘束ユニットを容易に離脱でき支障になるものはない。(
図6、
図7を参照)
【0038】
さらに、
図10、
図11において、順に説示する。
図10は、円筒箱抜き材用の場合の、定着部材と拘束孔の寸法関係を拡大して示す図である。
図11は、アンカー鉄筋用の場合の、定着部材と拘束孔の寸法関係を拡大して示す図である。(
図10、
図11を参照)
【0039】
図10において、円筒箱抜き材用の場合の、挿入棒状体35及びこれと定着部材として一体の円筒箱抜き材23と、拘束孔45、46の寸法関係を各断面毎に説示する。
・P断面において、上端拡径部31は、拘束孔45,46より拡径である。
・Q断面において、コンクリート非定着部29の支配的な部材である、挿入棒状体35の棒状部分は、拘束孔より縮径である。また、幅狭の欠円状の縁端に僅かに支障する
・R1、R2断面において、挿入棒状体35の棒状部分に全周ではなく向かい合うよう局部的に貼るクッションテープ36は、拘束孔45、46より拡径で支障するが、拘束孔拡幅範囲49を通過できる。また、円筒箱抜き材23の内径よりやや拡径とするクッション効果にて、円筒箱抜き材23を挿入棒状体35と一体に保持する。
・S断面及びT断面において、下端拡径部39は、拘束孔45,46より縮径であるがここに貼る目張りテープ37は、円筒箱抜き材23の内径と概同径である。
・U断面において、円筒箱抜き材23の内外径は、拘束孔より拡径である。そして、下側のフランジ40に密着時に設計上の位置に拘束する。(
図10を参照)
【0040】
以上、
図10において、円筒箱抜き材用の場合の、挿入棒状体35及びこれと一体の円筒箱抜き材23と、拘束孔45、46の寸法関係から、以下の効果を奏することができる。
・円筒箱抜き材23は、一体の上端拡径部31により拘束孔45、46から脱落しない。
・円筒箱抜き材23は、下側のフランジに密着時に設計上の位置に拘束する。したがって、下端面を閉塞する円筒箱抜き材23はコンクリート打設時の浮力にて下側のフランジに密着し、設計位置に拘束できる。(
図10を参照)
【0041】
・挿入棒状体35の棒状部分は、欠円状の縁端に僅かに支障するものの、弾性変形できる中空の樹脂管とする。そうすると、拘束ユニットの横から簡易に押し込んで脱着でき、かつ脱落しない。(
図10を参照)
【0042】
・クッションテープ36は、円筒箱抜き材23の内径よりやや拡径であり、このクッション効果にて円筒箱抜き材23を挿入棒状体35と一体に保持する。
・挿入棒状体35に貼るクッションテープ36は、拘束孔45、46より拡径であるが、全周ではなく向かい合うよう局部的に貼る。そうすると、ウエブ側の拘束孔拡幅範囲49を通過できる。したがって、挿入棒状体35はコンクリート硬化後上方へ抜き上げる際、クッションテープ36は支障しない。(
図10を参照)
【0043】
・目張りテープ37は、円筒箱抜き材23の内径と概同径であり、コンクリート打設時のセメントペーストの円筒箱抜き材23内への侵入を抑止する。(
図10を参照)
【0044】
図11において、アンカー鉄筋用の場合の、アンカー鉄筋24である定着部材と拘束孔45,46の寸法関係を各断面毎に説示する。
・アンカー鉄筋上端のネジ部19に配する上端ナットとなる上端拡径部32は、拘束孔45,46より拡径である。
・アンカー鉄筋24は、拘束孔より縮径である。(
図11を参照)
【0045】
以上、
図11において、アンカー鉄筋用の場合の、アンカー鉄筋24である定着部材と拘束孔45,46の寸法関係から、以下の効果を奏することができる。
・アンカー鉄筋24は、上端ナットである上端拡径部32により、拘束孔45,46から脱落しない。
・アンカー鉄筋24は、拘束ユニット28の欠円状の縁端から簡易に装着できる。
・アンカー鉄筋24は、ネジ部19に配し上端ナットとなる上端拡径部32と下ナット25とで、拘束ユニット28のフランジ40を挟み、脱落を防止できる。(
図11を参照)
【0046】
続いて、第二の発明の「H形状の桁用の固定桁固定装置」を実施するための形態について、「
図3」「
図4、
図5」「
図8、
図9」をもとに順に説示する。
【0047】
図3は、H形状の桁用の場合の、固定桁固定装置51の構成を示す図である。左側に、固定桁固定装置51の設置状況を示し、中央に、その構成要素の、固定フレーム全体部52、固定台座全体部53を順に示す。
そして、固定フレーム全体部52の右側に、さらにその下位の構成要素の、棒状鋼61、固定フレーム54、を順に示す。また、固定台座全体部53の右側に、さらにその下位の構成要素の、漏斗状の脚67、固定台座63、を順に示す。(
図3を参照)
【0048】
尚、固定桁固定装置の目的は、Pca部材を打設後のコンクリート路盤にアンカー定着するため、予め定着部材を基盤上の路盤鉄筋内に固定する場合の、定着部材固定装置を固定する固定桁を基盤上の設計位置に固定することである。
【0049】
図3において、固定桁固定装置51が、固定フレーム全体部52、と、固定台座全体部53に分かれるのは、路盤鉄筋内に埋め殺しが前提となる固定フレーム全体部52と、転用を前提とする固定台座全体部53とが、互いの分離形態を必要とするからである(
図3を参照)。
【0050】
加えて、
図4、
図5において、説示する。
図4は、固定フレーム全体部52の構造を示す図である。
図3の中央の固定フレーム全体
図52と同じ正面図をI-I’断面に示し、G-G’断面とH-H’断面に、固定フレーム54の上側と下側におけるそれぞれの平面視の断面を示す。
図5は、固定台座全体部53の構造を示す図である。
図3の中央の固定台座全体部53と同じ正面図をM-M’断面に示し、K-K’断面とL-L’断面に、固定台座63の上側と下側におけるそれぞれの平面視の断面を示す。(
図4、
図5を参照)
【0051】
固定フレーム全体部は、路盤コンクリートに埋め殺しが前提で、固定桁などの上載荷重に耐荷し、固定桁及び固定台座全体部を設計上の平面位置と高さに定めるフレームとなる。したがって、所定の位置精度を持って固定台座全体部を支持し、鋼材量が最小な強固な構造が求められる。
【0052】
このため、固定フレーム全体部52は、路盤鉄筋内の基盤15上に基盤アンカー部57でアンカー固定される複数の棒状鋼61と、複数の棒状鋼61の上端のネジ部62(
図3の右上の図)に配する自らの上側ナット59と自らの下側ナット60にて自らに挟み込み組立てる固定フレーム54であって、漏斗状の脚67を貫通させる複数の貫通孔55を有する概矩形の固定フレーム54とから構成する。(
図4、
図5を参照)
【0053】
以上の構成により固定フレーム全体部52は、以下の効果を奏することができる。
・複数の棒状鋼61は、上端は固定フレーム54に、下端は基盤15に拘束され、強固な支持構造となる。
・複数の棒状鋼61は、基盤15上に設計上の平面位置に概矩形状の配置で立設し、固定フレーム54は、設計上の高さに合わせた下側ナット60に対し上側ナット59で挟み込み組立てる。そうすると、固定フレーム54は設計上の平面位置と高さに固定できる。
・複数の棒状鋼61に、必要なだけ矩形のフープ筋(図示せず)を巻き込む。これにより、必要な剛性にまで補強でき、固定桁及び固定台座63を強固に支える。(
図4、
図5を参照)
【0054】
一方、固定台座全体部は、硬化後の路盤コンクリートから離脱、転用が前提で、固定桁及び固定台座の上載荷重に耐荷し、固定桁を設計上の平面位置と高さに加え勾配角に定める台座となる。したがって、固定桁を設計上の勾配角に合わすことができ、離脱せしめる構造が求められる。
【0055】
このため、固定台座全体部53は、全域の芯材としての棒状鋼68とこれを外包し漏斗状に成型する漏斗状樹脂成型部70から成る漏斗状の脚67であって、前記固定フレーム54の複数の貫通孔55に自らの下端を貫通させ立脚する複数の漏斗状の脚67と、その上端のネジ部71(
図3の右下の図)をナット66と漏斗状樹脂成型部70にて自らに挟み込み下側から前記複数の漏斗状の脚67に支持させ、上側には弧状の接面74を有する固定台座63とから構成する。(
図4、
図5を参照)
【0056】
以上の構成により固定台座全体部53は、以下の効果を奏することができる。
・漏斗状の脚67は、上端は固定台座63に、下端は固定フレーム54拘束され、強固な支持構造を形成する。
・漏斗状の脚67は、棒状鋼の下端69を丸くしつつむき出しに漏斗状樹脂成型部70から突出し、固定フレーム54の貫通孔55に貫通しつつ支持される。このため、位置が正しく定まり、ずれることがない。
・漏斗状の脚67は、漏斗状に成型する漏斗状樹脂成型部70に外包される。このため、硬化後のコンクリートから容易に離脱できる。
・固定桁は、弧状の接面74の上で回転させ所定の設計勾配角に合わせることができる。(
図4、
図5を参照)
【0057】
さらに、
図8、
図9において、説示する。
図8は、固定フレーム54の構造を示す三面図である。
図9は、固定台座63の構造を示す三面図である。
【0058】
図8において、固定フレーム54は、複数の固定孔56と、複数の貫通孔55を備える。複数の固定孔56にて、複数の棒状鋼61の先端のネジ部62を通し、固定フレームの下のナット60と固定フレームの上のナット59にて固定する(
図3の右上の図を併せて参照)。また、複数の貫通孔55にて、漏斗状の脚67の芯材の棒状鋼の下端69の貫通を受け、漏斗状の脚67を支持し立脚させる(
図8と
図3の右下の図を併せて参照)。
【0059】
図9において、固定台座63は、2列の平行な側部用の溝形鋼72のウエブ面同士が、自らのウエブ外面を上方に向ける中央部の溝形鋼73の両フランジを介し、背合せに一体に接合され、中央部の溝形鋼73のウエブ外面の上方に弧状の接面74を備える態様である。(
図9を参照)
【0060】
そして、
図9において、固定台座63の上側の複数の固定孔64と、固定台座63の下側の複数の固定孔65を備える。複数の固定孔64と複数の固定孔65の上下に連通する固定孔同士毎に、漏斗状の脚67の上端の棒状鋼68を通し最上端ネジ部71にて固定台座63の上のナット66にて固定する(
図9と
図3の右下の図を併せて参照)。
【実施例0061】
本発明の実施例について、以下の順に説示する。
1)実施例1として、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」かつ「固定桁がH形状桁」の場合。
2)実施例2として、「定着部材がアンカー鉄筋による方法」かつ「固定桁がH形状桁」の場合。
3)実施例3として、「定着部材が円筒箱抜き材による方法」かつ「固定桁が管状の桁」の場合。
ここで、定着部材固定装置の構成について、実施例1及び実施例3は「定着部材が円筒箱抜き材による方法」であるのに対し、実施例2は「定着部材がアンカー鉄筋による方法」である。したがって、両者は概ね同じ構成であるものの、細部は異なる。そして、固定桁固定装置の構成について、実施例1及び実施例2では「固定桁がH形状桁」であるのに対し、実施例3では「固定桁が管状の桁」である点で、両者は構成を異にする。また、実施例3では、Pca部材を固定するためのPca部材固定装置を詳述する。
以上を踏まえ、実施例1の構築工程の各ステップの、ステップ1(鉄筋組立)、ステップ2(コンクリート打設及び打設設備撤去)、ステップ3(打設設備撤去完了)、ステップ4(Pca部材固定)に対し、各図を参照しながら、ア)定着部材固定装置、イ)固定桁固定装置、ウ)Pca部材固定装置、を順に説示する。
・円筒箱抜き材用の場合、コンクリート定着部33は円筒箱抜き材自体である。そして、コンクリート非定着部29には、円筒箱抜き材の上端から内部に挿入し一体に保持する棒状の挿入棒状体35の上部が該当する。
・固定台座全体部は、所定の設計位置の固定フレーム54に漏斗状の脚67を貫通させて立脚させる。設置誤差がある場合は、路盤鉄筋より保持材等で微調整する(図示せず)。
・固定桁26は、所定の位置と高さに固定する固定台座63の弧状の接面74の上で回転させ所定の設計勾配角16に合わせる。この方法により、固定桁26を設計上の位置と高さと勾配角16に精度よくかつ効率よく設置できる。
・漏斗状の脚67は、全域に芯材として棒状鋼68と、これを外包し全体に漏斗状に成型する漏斗状樹脂成型部70から成る。このため、硬化後のコンクリートから容易に離脱できる。
・漏斗状の脚67は、その下端となる棒状鋼の下端69は棒状鋼68がその先端を丸くしつつむき出しに漏斗状樹脂成型部70から突出する。このため、棒状鋼の下端69は、固定フレームの貫通孔に貫通させて固定でき、離脱時にも支障とならない。