(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134020
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】センサシステムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230920BHJP
G01S 7/497 20060101ALI20230920BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20230920BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G01S7/497
G01S17/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039336
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5H301
5J084
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG14
5H301GG17
5H301LL01
5H301LL02
5H301LL11
5H301LL14
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084AC02
5J084AC07
5J084AD01
5J084AD03
5J084AD07
5J084BA03
5J084BA49
5J084BB26
5J084CA23
5J084CA34
5J084CA70
5J084EA01
5J084EA29
(57)【要約】
【課題】ロボットの移動範囲内に存在する高反射体の有無やその影響範囲を簡単かつ客観的に把握することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】センサシステムが、対象エリア内を移動しながら、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサによって測定し;前記センサによって測定された測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成し;前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定し;高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報を重畳した前記地図データを表示装置に表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサと、
対象エリア内を移動する前記センサによって測定された測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成可能な処理装置と、
前記処理装置によって生成された前記地図データを表示可能な表示装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定する高反射体検出部と、
前記高反射体検出部により高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報を、前記表示装置に表示された前記地図データ上に重畳表示可能な情報表示部と、を有する
センサシステム。
【請求項2】
前記センサは、
光源と、
前記光源から出力される光を複数の方位に照射するための走査部と、
物体で反射された反射光を受光する受光部と、を備える
請求項1に記載のセンサシステム
【請求項3】
前記地図データは、反射型センサで周囲を測定し自己位置を推定することにより自律走行するロボット、に利用される地図データである
請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記高反射体情報は、前記地図データにおける前記高反射体の位置の情報を含む
請求項3に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記高反射体情報は、前記高反射体の影響により前記ロボットの前記反射型センサの測定精度が低下する可能性のある範囲である注意エリアの情報を含む
請求項3又は4に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記高反射体を中心とする所定の幅の範囲が前記注意エリアに設定される
請求項5に記載のセンサシステム。
【請求項7】
反射強度が前記所定の基準以下である通常物体が前記高反射体に隣接している場合に、前記高反射体の前記通常物体側の範囲が前記注意エリアから除外される
請求項6に記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記情報表示部は、前記高反射体情報の表示のオン/オフを切り替え可能なユーザーインターフェイスを有する
請求項1~7のうちいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項9】
対象エリア内を移動しながら、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサによって測定するステップと、
前記センサによって測定された測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成するステップと、
前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定するステップと、
高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報を重畳し
た前記地図データを表示装置に表示するステップと、を有する
センサシステムの制御方法。
【請求項10】
処理装置のプロセッサに、
対象エリア内を移動しながら、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサによって測定された測定データを取得するステップ、
前記測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成するステップ、
前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定するステップ、
高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報を重畳した前記地図データを表示装置に表示するステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行するロボットにより利用される地図データを作成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光や電波などの電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することによって、物体までの距離を測定する方式の反射型センサが知られている。このような反射型センサは、環境によって測定精度が変動しやすいという課題がある(例えば特許文献1参照)。特に、測定対象のすぐ背後に高反射体がある場合(すなわち、センサから視たときに高反射体からなる背景(以後「高反射背景」と称する。)の手前に測定対象が存在する場合)には、測定対象と高反射背景とを分離することが検出処理上困難になり、多くのアルゴリズムにおいて測定対象の位置が誤認されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、製造や物流の現場において、自律走行するロボットを導入する例が増えている。この種のロボットは、AMR(Autonomous Mobile Robot)もしくは単にモバイルロボッ
トと呼ばれ、周辺環境を測定するセンサによって地図上の自己位置を推定することにより、適切な経路を自動的に選択し自律走行することが可能である。
【0005】
モバイルロボットを新規に導入する際には、まず初めに、モバイルロボットを走行させる対象エリアの地図データを作成する作業が必須である。例えば、訓練者がモバイルロボットを手で押しながら対象エリア内の走行可能場所を網羅するように歩き廻り、モバイルロボット自身に対象エリア内の環境を学習させる(すなわち、センサによる周辺環境の測定と、その測定結果に基づく環境地図の作成を実施する)のが一般的である。あるいは、初期値として精度の低い地図データを与え、モバイルロボットに対象エリア内を自由に走行させて、環境を学習(地図データ更新)させる方法も採られる。
【0006】
このようなモバイルロボットでも、周辺環境を測定するためのセンサとして、反射型センサが利用されることが多い。そのため、対象エリア内に高反射体が存在すると、モバイルロボットが高反射体に近づいたときにセンサの測定精度が特異的に悪化する可能性がある。測定精度の悪化は、自己位置推定の精度低下を招き、経路選択の失敗によるタクトタイムの悪化や、停止すべき位置で停止できないなどの動作不具合を引き起こすおそれがある。
【0007】
反射型センサの原理上、この問題を解決することは困難であるため、使い方(運用ルール)でリスク回避をしているのが現状である。例えば、モバイルロボットの経路外へ高反射体を移動する、高反射体の前面に遮蔽物を追加する、などの対策が採られる。
【0008】
このような対策は、測定に影響を与え得る高反射体が経路上のどこに存在するかを正しく把握しなければ、適切な対応をとることはできない。しかし、従来は、高反射体の有無やその影響範囲を客観的に把握する術が無かったため、トライアンドエラーを繰り返すか、熟練者や有識者の経験ないし勘により対策を実施せざるを得なかった。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ロボットの移動範囲内に存在する高反射体の有無やその影響範囲を簡単かつ客観的に把握することを可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサと、対象エリア内を移動する前記センサによって測定された測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成可能な処理装置と、前記処理装置によって生成された前記地図データを表示可能な表示装置と、を備えるセンサシステムを含む。前記処理装置は、前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定する高反射体検出部と、前記高反射体検出部により高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報を、前記表示装置に表示された前記地図データ上に重畳表示可能な情報表示部と、を有してもよい。
【0011】
前記センサは、光源と、前記光源から出力される光を複数の方位に照射するための走査部と、物体で反射された反射光を受光する受光部と、を備えてもよい。
【0012】
前記地図データは、反射型センサで周囲を測定し自己位置を推定することにより自律走行するロボット、に利用される地図データであってもよい。
【0013】
前記高反射体情報は、前記地図データにおける前記高反射体の位置の情報を含んでもよい。
【0014】
前記高反射体情報は、前記高反射体の影響により前記ロボットの前記反射型センサの測定精度が低下する可能性のある範囲である注意エリアの情報を含んでもよい。
【0015】
前記高反射体を中心とする所定の幅の範囲が前記注意エリアに設定されてもよい。
【0016】
反射強度が前記所定の基準以下である通常物体が前記高反射体に隣接している場合に、前記高反射体の前記通常物体側の範囲が前記注意エリアから除外されてもよい。
【0017】
前記情報表示部は、前記高反射体情報の表示のオン/オフを切り替え可能なユーザーインターフェイスを有してもよい。
【0018】
本開示は、対象エリア内を移動しながら、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサによって測定するステップと、前記センサによって測定された測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成するステップと、前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定するステップと、高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報を重畳した前記地図データを表示装置に表示するステップと、を有するセンサシステムの制御方法を含む。
【0019】
本開示は、処理装置のプロセッサに、対象エリア内を移動しながら、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサによって測定された測定データを取得するステップ、前記測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成するステップ、前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定するステップ、高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報を
重畳した前記地図データを表示装置に表示するステップ、を実行させるためのプログラムを含む。
【0020】
本発明は、上記手段ないし機能の少なくとも一部を有するセンサシステムとして捉えてもよいし、このセンサシステムを有するモバイルロボットやセーフティシステムやFAシステムとして捉えてもよい。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含むセンサシステムの制御方法や設定方法として捉えてもよいし、地図データの生成方法や高反射体の表示方法として捉えてもよい。さらに、本発明は、かかる方法を実現するためのプログラムやそのプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。なお、上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ロボットの移動範囲内に存在する高反射体の有無やその影響範囲を簡単かつ客観的に把握することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、センサシステムの適用例を示す図である。
【
図2】
図2は、センサシステムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、センサシステムの機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、地図更新処理のフローチャートである。
【
図5】
図5は、処理例1の表示更新処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は、測定データと高反射体検出結果の例である。
【
図8】
図8は、処理例1の地図情報画面の例である。
【
図9】
図9は、地図情報画面に高反射体を表示した例である。
【
図11】
図11は、処理例2の表示更新処理のフローチャートである。
【
図12】
図12は、処理例2の注意エリア表示シーケンスのフローチャートである。
【
図14】
図14は、地図情報画面に高反射体と注意エリアを表示した例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<適用例>
図1を参照して、本発明の適用例の一つについて説明する。
【0024】
センサシステム1は、反射型のセンサ10、処理装置11、及び、表示装置12を有する。センサシステム1は、センサ10、処理装置11、及び、表示装置12を一つの筐体内に備える一体型の構成でもよいし、別個の装置であるセンサ10と処理装置11と表示装置12を有線又は無線で接続した構成でもよいし、処理装置11及び表示装置12として機能するコンピュータ(PC、タブレット端末、ペンダント端末、コントローラなど)とセンサ10を有線又は無線で接続した構成でもよい。
【0025】
センサシステム1の全部又は一部が、モバイルロボットに搭載されていてもよい。例えば、モバイルロボットに搭載されたセンサ10と、モバイルロボットとは別の処理装置11及び表示装置12とで、センサシステム1が構成されてもよい。さらには、モバイルロボットに搭載されたプロセッサが、処理装置11の機能の全部又は一部を担当してもよい。なお、モバイルロボットと外部の装置とは直接通信可能であってもよいが、サーバのような中継装置をあいだに介して測定データなどの情報の受け渡しを行ってもよい。
【0026】
反射型のセンサ10は、その原理上、高反射体HRがある場所では、その手前に存在する物体Oの測定精度が低下する可能性がある。それゆえ、モバイルロボットを導入する際には、モバイルロボットが移動する範囲(以下「対象エリア」と称する。)内の高反射体HRの有無やそれによる影響が生じる範囲を把握し、必要な対策を講じる必要がある。しかしながら、センサ10の測定に影響を及ぼし得る高反射体を見分けたり、その影響範囲をヒトが正確に把握したりすることは難しい。
【0027】
そこで、センサシステム1では、処理装置11が、センサ10によって測定された測定データを基に、対象エリアの地図データ13を生成し、その地図データ13を表示装置12に表示する。さらに処理装置11は、測定データに基づいて高反射体HRが対象エリア内に存在するか否かを判定し、高反射体HRが検出された場合には、その高反射体HRに関する情報(例えば、高反射体HRの地図上の位置、高反射体HRの影響によりモバイルロボットの反射型センサの測定精度が低下する可能性のある範囲(この範囲を「注意エリア」と称する。)など)を地図データ13上に重畳表示する。
【0028】
このような情報表示により、対象エリア内の高反射体HRの有無やその位置、高反射体HRの影響範囲である注意エリアCAなどが可視化されるので、ユーザーは、高反射体HRの対策の要否や対策すべき箇所を簡単かつ客観的に把握することができる。したがって、誰でもモバイルロボットの適切な運用が可能となる。
【0029】
なお、本明細書において、「反射型のセンサ」は、物体で反射された電磁波を観測することにより物体までの距離を測定可能なセンサを意味し、例えば、レーザ光を用いた測距センサ(LiDARなど)、電波を用いた測距センサ(ミリ波レーダーなど)が含まれる。反射型のセンサの測定方式はいずれでもよく、例えば、ToF(Time of Flight)方式、三角測距方式などがある。複数の方位の物体を測定するため、2次元の測定エリア(視野)又は3次元の測定エリア(視野)をもつエリアセンサが利用される。
【0030】
「高反射体」は、反射強度が所定の基準よりも高い物体である。「所定の基準」はセンサの方式や性能、電磁波の送信強度などに依存するため、センサに応じて適宜設定すればよい。例えば、センサを用いて、測定精度が有意に悪化する反射強度を実験的に求め、その反射強度に基づいて所定の基準を設定してもよい。なお、工場に存在する高反射体の例としては、アクリル板、ステンレス製の装置、反射テープ、鏡などが挙げられる。
【0031】
<実施形態>
図2を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0032】
本実施形態のセンサシステム1は、モバイルロボットMRと、外部の情報端末ITとを有して構成される。モバイルロボットMR(以下単に「ロボット」とも称する。)と情報端末ITとは、有線又は無線により接続されており、互いにデータを送受信可能である。本実施形態の構成では、『モバイルロボットMRに搭載されているセーフティレーザスキャナ』が
図1の「センサ10」に対応し、『モバイルロボットMRに搭載されている処理ユニット』と『情報端末IT』との協働により
図1の『処理装置11』が構成され、『情報端末ITのディスプレイ』が
図1の『表示装置12』に対応している。
【0033】
モバイルロボットMRは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と呼
ばれる技術を利用して自律走行可能なロボットである。SLAMでは、モバイルロボットMRが予め保持している『地図データ』とセンサによりリアルタイムに測定された『周辺環境の情報』とから、モバイルロボットMRの地図上の位置(自己位置)を推定し、自己位置から目的地(ゴール)までの最適な経路を決定する処理が行われる。したがって、モ
バイルロボットMRの運用を開始する前の事前準備として、モバイルロボットMRが走行するエリア(対象エリア)の地図データを作成し、モバイルロボットMRに与える必要がある。
【0034】
モバイルロボットMRは、車両型のロボットであり、走行に関わる構成として、モータ及び減速機、モータドライバ、駆動輪、補助輪、走行制御ユニットなどを備える。走行制御ユニットから発せられる制御信号に基づいてモータドライバから駆動信号が出力される。この駆動信号を受けてモータが駆動輪を回転させることで、モバイルロボットMRが走行する。このとき、左右の駆動輪の回転速度(回転量)や回転方向を独立に制御することで、前進、後退、左折、右折、超信地旋回が可能である。また、モバイルロボットMRは、SLAMに関わる構成として、セーフティレーザスキャナを含む複数のセンサと処理ユニットとを備える。複数のセンサは、セーフティレーザスキャナの他に、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)、駆動輪のエンコーダ、照度センサなどを含むと
よい。さらに、モバイルロボットMRは、バッテリ、無線通信ユニット、非常停止ボタン、障害物検知センサなどを備える。
【0035】
セーフティレーザスキャナ(以下単に「レーザスキャナ」又は「センサ」とも称する。)は、ISO13849-1などの安全規格に準拠した安全センサである。レーザスキャナは、モバイルロボットMRの周囲に存在する物体までの距離を測定するための反射型センサであり、床面から所定の高さh(例えば、h=150~300mm程度)の水平面をスキャンするような配置でモバイルロボットMRに搭載されている。レーザスキャナは、光源、光学系、受光部、制御回路などを有しており、光源から出力されるレーザ光を高速回転するポリゴンミラー(走査部)にて反射することにより複数の方位にレーザ光を照射可能である。物体で反射された反射光は光学系を介して受光部に導かれ、光電変換される。スキャン範囲(測定エリア)は、例えば、モバイルロボットMRの前方を中心とする約270度の方位である。
図2の破線はレーザ光のスキャン範囲を示している。
【0036】
処理ユニットは、モバイルロボットMRに内蔵されたコンピュータであり、プロセッサ(CPU、GPU)、メモリ、ストレージ、通信I/Fなどのハードウェア資源を備えている。後述する機能は、ストレージに格納されたプログラムをメモリに展開しプロセッサによって実行することにより実現される。
【0037】
情報端末ITは、専用の機器により構成してもよいし、汎用のコンピュータにより構成してもよい。本実施形態では、一般的なパーソナルコンピュータに、モバイルロボットMR用のソフトウェアプログラムをインストールすることにより、情報端末ITが構成される。この場合、情報端末ITは、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信I/F、入力装置、表示装置などのハードウェア資源を備えており、後述する機能は、ストレージに格納されたプログラムをメモリに展開しプロセッサによって実行することにより実現される。
【0038】
なお、処理ユニットと情報端末ITの構成は本実施形態のものに限られない。例えば、機能の全部又は一部をASICやFPGAなどの回路で構成してもよいし、あるいは、機能の全部又は一部をクラウドサーバや他の装置で実行してもよい。あるいは、処理ユニットと情報端末ITの両方の機能をモバイルロボットMRに搭載し、モバイルロボットMR単体でセンサシステム1を構成してもよい。あるいは、処理ユニットの機能を情報端末ITが担ってもよい。
【0039】
【0040】
モバイルロボットMTはレーザスキャナ20と処理ユニット21を有する。処理ユニット21は、主な機能として、測定データ取得部30と、地図データ生成部31と、高反射
体検出部32と、データ記憶部33と、データ送信部34と、を有する。また、情報端末ITは、主な機能として、地図データ取得部36と、高反射体情報生成部37と、情報表示部38と、を有する。
【0041】
測定データ取得部30は、レーザスキャナ20から測定データを取得する機能を有する。地図データ生成部31は、測定データに基づいて対象エリアの地図データを生成する機能を有する。高反射体検出部32は、測定データに基づいて高反射体が対象エリア内に存在するか否かを判定する機能を有する。データ記憶部33は、測定データ、高反射体の検出結果、地図データ、などを記憶する機能を有する。データ送信部34は、地図データを高反射体の検出結果とともに情報端末ITに提供する機能を有する。地図データ取得部36は、地図データを取得する機能を有する。高反射体情報生成部37は、高反射体に関する情報である高反射体情報を生成する機能を有する。情報表示部38は、地図データ、高反射体情報、その他モバイルロボットMRに関する各種情報など、様々な情報を表示装置に出力する機能を有する。また、情報表示部38は、情報を提示しつつ、ユーザーからの情報入力を受け付けるためのグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を提供する機能を有する。これらの機能に基づく情報処理の詳細を次に述べる。
【0042】
<処理例1>
図4及び
図5は、センサシステム1の処理例1を示すフローチャートである。
図4は、モバイルロボットMRの処理ユニット21による地図更新処理であり、
図5は、情報端末ITによる表示更新処理である。
【0043】
(地図の更新)
地図データを作成する際には、モバイルロボットMRをヒトが押すか自走させることにより、対象エリア内を実際に移動させながら、レーザスキャナ20によって所定のサイクル(例えば数十ミリ秒から数秒毎)で測定を行い、SLAM処理によって地図データを逐次更新していく。
図4は、処理ユニット21により実行される1サイクル分の地図更新処理を示している。
【0044】
ステップS40では、処理ユニット21の測定データ取得部30が、レーザスキャナ20から1スキャン分の測定データを取得する。測定データは、方位ごと(角度ごと)の物体(最近接の反射体)までの距離の情報と、レーザ光の反射強度の情報とを含むとよい。例えば、測定エリアが約270度、角度分解能が約0.4度という性能のレーザスキャナ20であれば、1回のスキャンで約670点の測定データが得られる。取り込まれた測定データは、方位(角度)の情報と対応付けられ、データ記憶部33に格納される(ステップS41)。なお、地図データの生成には、レーザスキャナ20以外のセンサ(IMU、エンコーダ、照度センサ)の測定データを利用してもよいが、ここでは詳しい説明は割愛する。
【0045】
ステップS42では、高反射体検出部32が、測定データを基に高反射体を検出する。具体的には、高反射体検出部32は、測定データに含まれる反射強度を所定の基準と比較し、反射強度が所定の基準よりも高い場合に、その方位に高反射体が存在する(すなわち、その方位の反射点は、高反射体からなる反射点(以下「高反射点」とも称する。)である)と判定する。高反射体検出結果は、データ記憶部33に格納される(ステップS43)。
図6は、データ記憶部33に格納された測定データと高反射体検出結果の一例である。測定時のレーザスキャナ20の視点位置情報(xy座標と向き)、反射点の角度情報(レーザスキャナ20の視点前方を0度とした場合の方位角)、反射点の距離情報(レーザスキャナ20の視点から反射点までの距離)、反射点でのレーザ光の反射強度情報、高反射体か否かの判定結果、などが対応付けられている。
【0046】
ステップS44では、地図データ生成部31が、測定データに基づくSLAM処理を実施して、モバイルロボットMRの自己位置を推定するとともに、地図データを更新する。SLAM処理は公知の技術を利用してよいため、ここでは詳しい説明を割愛する。
【0047】
ステップS45では、地図データ生成部31が、ステップS44で更新された自己位置及び地図データに基づいて、ステップS42で検出された高反射点の地図上の位置座標を計算する。そして、地図データ生成部31は、高反射点の情報を地図データに記録する。
図7Aは、地図データに記録される高反射点の情報の一例である。検出された高反射点それぞれに付した識別番号と、高反射点のxy座標とが対応付けられている。
図7Bは高反射点の情報の別の例である。高反射点のxy座標に加え、反射強度の情報が記録されている。
【0048】
なお、地図更新処理は、モバイルロボットMRを少しずつ移動させながら繰り返し実行されるものであるため、同じ高反射体が何度も測定されることになる。したがって、ステップS45では、同じ座標(もしくは近い座標)の高反射点がすでに記録済みの場合に処理をスキップし、同じ高反射体に由来する情報が重複記録されないようにしてもよい。あるいは、すでに記録済みの高反射点の情報と今回の高反射点の情報とを統合(平均など)してもよい。複数回の測定結果を統合することにより、高反射点の情報の信頼性(SN比)を向上することができる。
【0049】
以上の地図更新処理を繰り返すことにより、対象エリア全体の地図データが生成される。地図データは、データ送信部34によって情報端末IT又はサーバに送信される。データ送信部34は、地図データを更新するたびに地図データを情報端末IT又はサーバに送信してもよいし、対象エリア全体の地図データの更新が完了した後に、地図データを情報端末IT又はサーバに送信してもよい。
【0050】
(地図の表示)
モバイルロボットMRにより生成された地図データは、情報端末ITにおいて表示・確認することができる。
図8は、情報端末ITの表示装置に表示される地図情報画面の一例である。地図情報画面は、地図データが表示される地図表示部80と、高反射体情報の表示のオン/オフを切り替え可能なユーザーインターフェイスである高反射体表示ボタン81とを有する。この地図情報画面は、モバイルロボットMRが地図更新処理を実行しているときにリアルタイムで地図データをモニタする目的(オンライン表示とも称する。)に利用してもよいし、生成済みの地図データを読み込んで確認する目的(オフライン表示とも称する。)に利用してもよい。
【0051】
図5は、地図情報画面の表示中に情報端末ITにより実行される1サイクル分の表示更新処理を示している。
【0052】
ステップS50では、地図データ取得部36が地図データを取得する。地図データ取得部36は、モバイルロボットMR又はサーバから都度地図データを受信してもよいし、情報端末ITのメモリやストレージから地図データを読み込んでもよい。次に、情報表示部38が、地図データを基に表示用の地図画像を生成し、地図画像を地図表示部80に表示する(ステップS51)。地図画像は、例えば、対象エリアの水平面に相当するxy平面上に反射点をプロットした画像である。
図8に示されるように、壁や装置などの物体が存在する箇所には反射点群が形成されるため、モバイルロボットMRが走行する際の通路や障害物などが確認できる。
【0053】
ステップS52では、情報表示部38が、高反射体表示ボタン81のオン/オフ状態を確認する。オンの場合、情報表示部38は、地図表示部80に表示された地図画像の上に
、高反射体の情報を重畳表示する(ステップS53)。例えば、
図9に示すように、地図データに含まれる高反射点のxy座標(
図7A参照)に、高反射体を表すマーク90(
図9の白丸)を表示するとよい。このとき、マーク90を他とは異なる色で描画したり、点滅させたりすることで、高反射体の位置を強調表示してもよい。なお、高反射体表示ボタン81がオフの場合は、高反射体の情報は表示されない。
【0054】
このような地図情報画面を提供することによって、対象エリア内の高反射体の有無やその位置などが可視化されるので、ユーザーは、高反射体の対策の要否や対策すべき箇所を簡単かつ客観的に把握することができる。したがって、誰でもモバイルロボットの適切な運用が可能となる。
【0055】
<処理例2>
次に、センサシステム1の処理例2について説明する。処理例1では、地図データに高反射体の位置の情報を重畳表示したが、処理例2では、さらに、高反射体の影響範囲である注意エリアの情報を重畳表示する。地図更新処理(
図4)は処理例1と同じでよいため、説明を省略する。以下、情報端末IT側での処理について、処理例1と違う部分を中心に説明する。
【0056】
(地図の表示)
図10は、情報端末ITの表示装置に表示される地図情報画面の一例である。地図情報画面は、地図データが表示される地図表示部80と、高反射体情報の表示のオン/オフを切り替え可能なユーザーインターフェイスである高反射体表示ボタン81及び注意エリア表示ボタン82を有する。
【0057】
図11は、地図情報画面の表示中に情報端末ITにより実行される1サイクル分の表示更新処理を示している。
図11のフローチャート中、
図5と同じ処理に対しては同じステップ符号を付している。
【0058】
ステップS50では、地図データ取得部36が地図データを取得する。次に、情報表示部38が、地図データを基に表示用の地図画像を生成し、地図画像を地図表示部80に表示する(ステップS51)。ステップS52では、情報表示部38が、高反射体表示ボタン81のオン/オフ状態を確認し、オンの場合、情報表示部38は、地図表示部80に表示された地図画像の上に、高反射体の情報を重畳表示する(ステップS53)。ステップS54では、情報表示部38が、注意エリア表示ボタン82のオン/オフ状態を確認し、オンの場合、情報表示部38は、注意エリア表示シーケンスを実行する(ステップS55)。
【0059】
図12は、注意エリア表示シーケンスのフローチャートである。以降の説明において、高反射点でない反射点を「通常反射点」と称する。すなわち、地図データに含まれる複数の反射点は、「高反射点」か「通常反射点」のいずれかに分類されるものとする。
【0060】
ステップS120において、情報表示部38は、地図データの中から処理対象の高反射点(以下「高反射点Pi」と称する。)を1つ選択する。ステップS121では、情報表示部38は、高反射点Piを中心に所定の半径rの円を計算し、この円を、高反射点Piについての最新の注意エリアとしてメモリに保存する。
【0061】
半径rは自由に設計できる。例えば、半径rをユーザーに設定させてもよい。熟練者や有識者が、現場の状況やモバイルロボットの性能に応じた適切な安全距離を設定できる場合には、このようなユーザー設定オプションが有用である。安全距離とは、例えば、センサシステム1が人や障害物などを検出したときに、それらに接触するまでにモバイルロボ
ットMRが安全な状態に移行できる距離である。あるいは、モバイルロボットやレーザスキャナのメーカーが推奨する値を自動的に適用するようにしてもよい。熟練者や有識者がいない場合、精度よりも安全性を重視する場合、簡便に設定したい場合などは、このような推奨値設定オプションが有用である。あるいは、固定値ではなく、半径rを動的に変更してもよい。例えば、地図データに高反射点Piの反射強度の情報が含まれている場合(
図7B参照)には、反射強度に応じて半径rを適応的に決定してもよい。反射強度が強いほど(高反射体表面の反射率が高いほど)測定誤差は大きくなる傾向にあるので、例えば、反射強度に応じて半径rが単調増加するように設計されたルックアップテーブル(LUT)や関数を用いて、高反射点Piに対応する半径rを計算してもよい。
【0062】
ステップS122では、情報表示部38は、地図データ内のすべての高反射点を処理したかを確認し、完了していたら注意エリア結合処理(ステップS123~S125)に進み、未処理の高反射点が残っていたらステップS120に戻る。
【0063】
ステップS123では、情報表示部38は、メモリ内に保存された複数の注意エリアの中から処理対象の注意エリア(以下「注意エリアCAi」と称する。)を1つ選択する。ステップS124では、情報表示部38は、この注意エリアCAiとそれ以外の注意エリアとを比較し、注意エリアCAiと重なりをもつ他の注意エリアを抽出し、それらを結合(和集合)したものを新たな注意エリアCAiとして保存する。結合に用いた複数の注意エリアはメモリから削除する。
【0064】
ステップS125では、情報表示部38は、メモリ内に未処理の注意エリアが残っているかを確認し、完了していたら表示最適化処理(ステップS126~ステップS128)に進み、未処理の注意エリアが残っていたらステップS123に戻る。なお、地図データの中に高反射点が1つしか含まれていなかった場合には、注意エリア結合処理はスキップすればよい。
【0065】
ステップS126では、情報表示部38は、メモリ内に残っている複数の注意エリアの中から処理対象の注意エリア(以下「注意エリアCAj」と称する。)を1つ選択する。ステップS127では、情報表示部38は、この注意エリアCAjの中に含まれている通常反射点を抽出する。
【0066】
注意エリアCAjの中に通常反射点が含まれているという状況は、例えば、対象エリア内に設置された衝立の一方の面が高反射材料からなり、他方の面が反射率の低い材料からなる、というように、高反射点と通常反射点が近くに存在する場合に起こり得る。この例の場合、衝立の高反射面側ではモバイルロボットMRの測定精度が低下する可能性があるが、反対側ではそのような心配はない。したがって、地図表示画面上でも、衝立の高反射面側にのみ注意エリアを表示することが望ましい。
【0067】
そこで、ステップS127において注意エリアCAj内の通常反射点(以下「通常反射点Pj」と称する。)が抽出された場合、情報表示部38は、通常反射点Pjが見える範囲を注意エリアCAjから除去する(ステップS128)。
図13に具体的な処理例を示す。
図13中の白丸が高反射点、黒丸が通常反射点を示している。3つの高反射点の注意エリアが結合されて長円形の注意エリアCAjが形成されており、その注意エリアCAjの中に3つの通常反射点Pjが含まれている。情報表示部38は、通常反射点Pjと注意エリアCAjの輪郭との最近接点NPjを計算し、点Pjと点NPjを結ぶ線を中心とした±θの範囲を除去範囲Rj(=通常反射点Pjが見える範囲)と定義する。例えば、通常反射点Pjと最近傍の高反射点Piとを通る直線と、点Pjと点NPjとを結ぶ線分とのなす角度をθとしてもよい。あるいは、通常反射点Pjと最近傍の高反射点Piとの距離に応じてθの値を設定してもよい(例えば、点Pjと点Piの距離とθが正の相関をも
つように設定するとよい)。あるいは、θを固定値にしてもよい。注意エリアCAj内に複数の通常反射点Pjが含まれる場合は、それぞれの通常反射点Pjについて同様の計算を行う。そして、複数の通常反射点Pjを順に結んだ線分Lと、それぞれの通常反射点Pjから計算した除去範囲Rjとで囲まれる範囲を、注意エリアCAjから除去し、メモリ内の注意エリアCAjの情報を更新する。
【0068】
ステップS129では、情報表示部38は、メモリ内に未処理の注意エリアが残っているかを確認し、完了していたらステップS130に進み、未処理の注意エリアが残っていたらステップS126に戻る。ステップS130では、情報表示部38は、地図表示部80に表示された地図画像の上に、注意エリアの情報を重畳表示する。
図14は、高反射体90と注意エリア91の情報を表示したときの地図情報画面の例である。
【0069】
このような地図情報画面を提供することによって、対象エリア内の高反射体の有無やその位置に加え、高反射体により測定精度が低下する可能性のある範囲も可視化されるので、ユーザーは、高反射体の対策の要否や対策すべき箇所を簡単かつ客観的に把握することができる。したがって、誰でもモバイルロボットの適切な運用が可能となる。
【0070】
<その他>
上記実施形態は、本発明の構成例を例示的に説明するものに過ぎない。本発明は上記の具体的な形態には限定されることはなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では車両タイプのモバイルロボットを例示したが、地図データを利用して自律走行可能なロボットであればあらゆるタイプのモバイルロボットに本発明を適用可能である。
【0071】
<付記>
1.電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサ(10;20)と、
対象エリア内を移動する前記センサ(10;20)によって測定された測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成可能な処理装置(11;21,IT)と、
前記処理装置(11;21,IT)によって生成された前記地図データを表示可能な表示装置(12;IT)と、を備え、
前記処理装置(11;21,IT)は、
前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定する高反射体検出部(32)と、
前記高反射体検出部(32)により高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報(90,91)を、前記表示装置(12;IT)に表示された前記地図データ上に重畳表示可能な情報表示部(38)と、を有する
センサシステム(1)。
【0072】
2.対象エリア内を移動しながら、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサ(10;20)によって測定するステップと、
前記センサ(10;20)によって測定された測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成するステップと、
前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定するステップと、
高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報(90,91)を重畳した前記地図データを表示装置(12;IT)に表示するステップと、を有する
センサシステム(1)の制御方法。
【0073】
3.処理装置(11;21,IT)のプロセッサに、
対象エリア内を移動しながら、電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより前記物体までの距離を測定可能なセンサ(10;20)によって測定された測定データを取得するステップ、
前記測定データを基に、前記対象エリアの地図データを生成するステップ、
前記測定データに基づいて、反射強度が所定の基準よりも高い物体である高反射体が、前記対象エリア内に存在するか否かを判定するステップ、
高反射体が検出された場合に、前記高反射体に関する情報である高反射体情報(90,91)を重畳した前記地図データを表示装置(12;IT)に表示するステップ、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0074】
1:センサシステム
10:センサ
11:処理装置
12:表示装置