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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134030
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】物品管理システム及び物品管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20230920BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039349
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】紅山 史子
(72)【発明者】
【氏名】宇都木 契
(72)【発明者】
【氏名】工藤 文也
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB06
3F522CC07
3F522GG03
3F522GG07
3F522LL11
3F522LL57
5L049CC52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より適切かつ効率的に保管物品の配置変更が可能な物品管理システムを提供する。
【解決手段】物品の入庫と出庫が行われる保管エリアの保管物品の配置変更を行う物品管理システムであって、入庫物品配置計画部151は、物品の入庫作業情報と保管エリア内の保管物品の配置情報を用いて物品の入庫の作業リストを作成する。保管物品配置変更計画部152は、保管物品の配置情報を用いて、入庫の作業中に行われる保管物品の配置変更作業の追加作業リストを作成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の入庫と出庫が行われる保管エリアの保管物品の配置変更を行う物品管理システムであって、
物品の入庫作業情報と保管エリア内の保管物品の配置情報を用いて物品の入庫の作業リストを作成する入庫物品配置計画部と、
前記保管物品の配置情報を用いて保管物品の配置変更作業の追加作業リストを作成する保管物品配置変更計画部と
を備え、
前記配置変更作業は前記入庫の作業中に行われることを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
前記入庫の作業リストに記載された入庫先の近傍で行われる保管物品の配置変更作業を、前記追加作業リストから抽出する入庫先近傍作業探索部を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の物品管理システムにおいて、
前記近傍は、物品を保管する棚の位置又は移動距離をふまえた、あらかじめ定めた範囲内であることを特徴とする物品管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の物品管理システムにおいて、
前記作業リストと前記追加作業リストに基づいて追加作業の実施可否を判定する追加作業実施可否判定部と、
前記実施可否に基づいて前記作業リストを更新する作業リスト更新部とを備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の物品管理システムにおいて、
前記作業リスト更新部は、前記入庫先近傍作業探索部で抽出された配置変更作業の中から、入庫先が近傍の入庫作業に連続する作業として前記作業リストに追加することを特徴とする物品管理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の物品管理システムにおいて、
前記作業リスト更新部は、前記入庫先近傍作業探索部で抽出された配置変更作業の中からあらかじめ定めた優先度に応じて前記作業リストに追加することを特徴とする物品管理システム。
【請求項7】
請求項4に記載の物品管理システムにおいて、
前記追加作業実施可否判定部は、今回の入庫作業全体の必須終了時刻から、前記入庫の作業リストによる今回の入庫作業全体の終了予定時刻を引いた時間が、一定の閾値を超える場合は、追加作業を実施しない判定を行うことを特徴とする物品管理システム。
【請求項8】
請求項4に記載の物品管理システムにおいて、
前記追加作業実施可否判定部は、1件の配置変更作業を追加することによる追加時間が一定の閾値を超える場合は、追加作業を実施しない判定を行うことを特徴とする物品管理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
前記保管物品配置変更計画部は、前記作業リストの物品の入庫先の場所を予約し、予約された場所は配置変更の変更先の場所としないように前記追加作業リストを作成することを特徴とする物品管理システム。
【請求項10】
請求項4に記載の物品管理システムにおいて、
前記物品管理システムは入力装置及び表示装置に接続され、
前記保管物品配置変更計画部は、追加作業リストを前記表示装置に出力し、
前記作業リスト更新部は、前記入力装置から受け付けた前記追加作業リストについての入力に基づいて配置変更作業を前記作業リストに追加することを特徴とする物品管理システム。
【請求項11】
物品の入庫と出庫が行われる保管エリアの保管物品の配置変更を行う物品管理方法であって、
物品の入庫作業情報と保管エリア内の保管物品の配置情報を用いて物品の入庫の作業リストを作成するステップと、
前記保管物品の配置情報を用いて保管物品の配置変更作業の追加作業リストを作成するステップとを有し、
前記配置変更作業は前記入庫の作業中に行われることを特徴とする物品管理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の物品管理方法において、
前記入庫の作業リストに記載された入庫先の近傍で行われる保管物品の配置変更作業を、前記追加作業リストから抽出するステップを有することを特徴とする物品管理方法。
【請求項13】
物品の入庫と出庫が行われる保管エリアの保管物品の配置変更を行う物品管理方法であって、
物品の出庫作業情報と保管エリア内の保管物品の配置情報を用いて物品の出庫の作業リストを作成するステップと、
前記保管物品の配置情報を用いて保管物品の配置変更作業の追加作業リストを作成するステップとを有し、
前記配置変更作業は前記出庫の作業中に行われることを特徴とする物品管理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の物品管理方法において、
前記出庫の作業リストに記載された出庫の運搬元の近傍で行われる保管物品の配置変更作業を、前記追加作業リストから抽出するステップを有することを特徴とする物品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理システム及び物品管理方法に関し、特に、保管物品の配置変更を行うことが可能な物品管理システム及び物品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、物流倉庫等では、入荷された商品は、検品の後、保管エリアに入庫される。そして、保管エリアに格納された商品は、注文を受け取り後、保管エリアから出庫され、検品の後、出荷される。
【0003】
出庫作業は、一般的にフォークリフトなどを用いてパレットごと商品を運搬したり、人が台車と共に棚間を歩き必要な商品を集めたりする方法等で行われる。その時、出庫頻度の高い商品を、作業開始場所や出庫口付近などアクセス容易な場所に配置されていると、出庫時の作業動線が短縮化され、作業効率が向上する。
【0004】
一方で、保管エリアに格納された荷物の出荷頻度は一定ではない。例えば、季節やセール、宣伝口コミ状況などによって、出荷頻度が変動する場合も多数存在する。このため、商品配置は定期的に見直すことにより効率化を図れる。商品配置の入れ替えは、出荷商品の頻度が変わるタイミングで行われることが多く、その頻度は1ヶ月ごとや四半期ごととなることが多い。
【0005】
また、特許文献1には、移動可能な複数の棚に保管された物品の棚からの取出を管理する物品取出管理装置について、変更前の取出時間が、変更後の取出時間と棚配置変更時間との和を超えている場合に、配置の変更要の表示を行う物品取出管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-100386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のように、1ヶ月ごとや四半期ごとに変更する場合は、出荷頻度の変動状況によっては、商品配置の変更のタイミングまで見直しを行うことができない。それにより、配置変更が行われるまでの間、徐々に出庫時の作業効率が低下していく。さらに従来のやり方であると、商品配置の入れ替えのためのスケジュールを専用に確保しておく必要がある。この間は、商品の入庫や出庫作業ができない可能性が高い。
【0008】
さらに、特許文献1における配置変更では、変更前の取出時間が、変更後の取出時間と棚配置変更時間との和を超えている場合のみ実施される。このため、配置変更はこの条件を満たす以外の場合は対応できない。例えば、この条件以外での細やかな日々の配置変更や配置変更のタイミングを調整して行う場合等には対応はできない可能性が高い。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて、より適切かつ効率的に保管物品の配置変更が可能な物品管理システム及び物品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の物品管理システムの一つは、物品の入庫と出庫が行われる保管エリアの保管物品の配置変更を行う物品管理システムであって、物品の入庫作業情報と保管エリア内の保管物品の配置情報を用いて物品の入庫の作業リストを作成する入庫物品配置計画部と、前記保管物品の配置情報を用いて保管物品の配置変更作業の追加作業リストを作成する保管物品配置変更計画部とを備え、前記配置変更作業は前記入庫の作業中に行われることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の物品管理方法の一つは、物品の入庫と出庫が行われる保管エリアの保管物品の配置変更を行う物品管理方法であって、物品の入庫作業情報と保管エリア内の保管物品の配置情報を用いて物品の入庫の作業リストを作成するステップと、前記保管物品の配置情報を用いて保管物品の配置変更作業の追加作業リストを作成するステップとを有し、前記配置変更作業は前記入庫の作業中に行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、物品管理システム及び物品管理方法において、より適切かつ効率的に保管物品の配置変更ができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステムのブロック図である。
図2図2は、本発明の物品管理システムを適用する一般的な入庫の手順を説明する図である。
図3図3は、本発明の物品管理システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
図4図4は、本発明の物品管理システムの一実施形態を示す機能ブロック図である。
図5図5は、本発明の物品管理システムの一実施形態を示すシーケンス図である。
図6図6は、本発明の物品管理システムの商品配置変更システムにおける処理のフローチャートの一例を示す図である。
図7図7は、本発明の物品管理システムで利用する保管場所IDの一例を示す図である。
図8図8は、本発明の物品管理システムにおける入力端末の表示の第1の例を示す。
図9図9は、本発明の物品管理システムにおける入力端末の表示の第2の例を示す。
図10図10は、本発明の物品管理システムにおける入庫作業情報の一例を示す。
図11図11は、本発明の物品管理システムにおける作業リストの一例を示す。
図12図12は、本発明の物品管理システムにおける追加作業リストの一例を示す。
図13図13は、本発明の物品管理システムにおける入庫先近傍作業リストの一例を示す。
図14図14は、本発明の物品管理システムにおける更新後の作業リストの一例を示す。
図15図15は、本発明の物品管理システムにおける作業前の商品配置の例を説明する図である。
図16図16は、本発明の物品管理システムにおける入庫商品を反映した商品配置の例を説明する図である。
図17図17は、本発明の物品管理システムにおける保管商品を配置変更した商品配置の例を説明する図である。
図18図18は、本発明の物品管理システムの別実施形態における処理のフローチャートの一例を示す図である。
図19図19は、本発明の物品管理システムの別実施形態における、(A)出庫作業情報、(B)商品の倉庫内配置情報、(C)出庫商品置場情報、(D)出庫作業リスト、の一例を示す。
図20図20は、本発明の物品管理システムの別実施形態における、(A)追加作業リスト、(B)更新後の出庫作業リスト、の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステム1のブロック図である。本明細書で開示される様々な実施形態の機構及び装置は、任意の適切なコンピューティングシステムに適用されてもよい。
【0016】
コンピュータシステム1の主要コンポーネントは、1つ以上のプロセッサ2、メモリ4、端末インターフェースユニット12、ストレージインターフェースユニット14、I/O(入出力)デバイスインターフェースユニット16、及びネットワークインターフェース18を含む。これらのコンポーネントは、メモリバス6、I/Oバス8、バスインターフェースユニット9、及びI/Oバスインターフェースユニット10を介して、相互的に接続されてもよい。
【0017】
コンピュータシステム1は、プロセッサ2と総称される1つ又は複数の処理装置2A及び2Bを含んでもよい。各プロセッサ2は、メモリ4に格納された命令を実行し、オンボードキャッシュを含んでもよい。ある実施形態では、コンピュータシステム1は複数のプロセッサを備えてもよく、また別の実施形態では、コンピュータシステム1は単一の処理装置によるシステムであってもよい。処理装置としては、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processong Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を適用できる。
【0018】
ある実施形態では、メモリ4は、データ及びプログラムを記憶するためのランダムアクセス半導体メモリ、記憶装置、又は記憶媒体(揮発性又は不揮発性のいずれか)を含んでもよい。ある実施形態では、メモリ4は、コンピュータシステム1の仮想メモリ全体を表しており、ネットワークを介してコンピュータシステム1に接続された他のコンピュータシステムの仮想メモリを含んでもよい。メモリ4は、概念的には単一のものとみなされてもよいが、他の実施形態では、メモリ4は、キャッシュおよび他のメモリデバイスの階層など、より複雑な構成となる場合がある。例えば、メモリは複数のレベルのキャッシュとして存在し、これらのキャッシュは機能毎に分割されてもよい。その結果、1つのキャッシュは命令を保持し、他のキャッシュはプロセッサによって使用される非命令データを保持する構成であってもよい。メモリは、いわゆるNUMA(Non-Uniform Memory Access)コンピュータアーキテクチャのように、分散され、種々の異なる処理装置に関連付けられてもよい。
【0019】
メモリ4は、本明細書で説明する機能を実施するプログラム、モジュール、及びデータ構造のすべて又は一部を格納してもよい。例えば、メモリ4は、潜在因子特定アプリケーション50を格納していてもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション50は、後述する機能をプロセッサ2上で実行する命令又は記述を含んでもよく、あるいは別の命令又は記述によって解釈される命令又は記述を含んでもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション50は、プロセッサベースのシステムの代わりに、またはプロセッサベースのシステムに加えて、半導体デバイス、チップ、論理ゲート、回路、回路カード、および/または他の物理ハードウェアデバイスを介してハードウェアで実施されてもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション50は、命令又は記述以外のデータを含んでもよい。ある実施形態では、カメラ、センサ、または他のデータ入力デバイス(図示せず)が、バスインターフェースユニット9、プロセッサ2、またはコンピュータシステム1の他のハードウェアと直接通信するように提供されてもよい。このような構成では、プロセッサ2がメモリ4及び潜在因子識別アプリケーションにアクセスする必要性が低減する可能性がある。
【0020】
コンピュータシステム1は、プロセッサ2、メモリ4、表示システム24、及びI/Oバスインターフェースユニット10間の通信を行うバスインターフェースユニット9を含んでもよい。I/Oバスインターフェースユニット10は、様々なI/Oユニットとの間でデータを転送するためのI/Oバス8と連結していてもよい。I/Oバスインターフェースユニット10は、I/Oバス8を介して、I/Oプロセッサ(IOP)又はI/Oアダプタ(IOA)としても知られる複数のI/Oインターフェースユニット12、14、16、及び18と通信してもよい。表示システム24は、表示コントローラ、表示メモリ、又はその両方を含んでもよい。表示コントローラは、ビデオ、オーディオ、又はその両方のデータを表示装置26に提供することができる。また、コンピュータシステム1は、データを収集し、プロセッサ2に当該データを提供するように構成された1つまたは複数のセンサ等のデバイスを含んでもよい。例えば、コンピュータシステム1は、湿度データ、温度データ、圧力データ等を収集する環境センサ、及び加速度データ、運動データ等を収集するモーションセンサ等を含んでもよい。これ以外のタイプのセンサも使用可能である。表示メモリは、ビデオデータをバッファするための専用メモリであってもよい。表示システム24は、単独のディスプレイ画面、テレビ、タブレット、又は携帯型デバイスなどの表示装置26に接続されてもよい。ある実施形態では、表示装置26は、オーディオをレンダリングするためスピーカを含んでもよい。あるいは、オーディオをレンダリングするためのスピーカは、I/Oインターフェースユニットと接続されてもよい。他の実施形態では、表示システム24が提供する機能は、プロセッサ2を含む集積回路によって実現されてもよい。同様に、バスインターフェースユニット9が提供する機能は、プロセッサ2を含む集積回路によって実現されてもよい。
【0021】
I/Oインターフェースユニットは、様々なストレージ又はI/Oデバイスと通信する機能を備える。例えば、端末インターフェースユニット12は、ビデオ表示装置、スピーカテレビ等のユーザ出力デバイスや、キーボード、マウス、キーパッド、タッチパッド、トラックボール、ボタン、ライトペン、又は他のポインティングデバイス等のユーザ入力デバイスのようなユーザI/Oデバイス20の取り付けが可能である。ユーザは、ユーザインターフェースを使用して、ユーザ入力デバイスを操作することで、ユーザI/Oデバイス20及びコンピュータシステム1に対して入力データや指示を入力し、コンピュータシステム1からの出力データを受け取ってもよい。ユーザインターフェースは例えば、ユーザI/Oデバイス20を介して、表示装置に表示されたり、スピーカによって再生されたり、プリンタを介して印刷されたりしてもよい。
【0022】
ストレージインターフェースユニット14は、1つ又は複数のディスクドライブや直接アクセスストレージ装置22(通常は磁気ディスクドライブストレージ装置であるが、単一のディスクドライブとして見えるように構成されたディスクドライブのアレイ又は他のストレージ装置であってもよい)の取り付けが可能である。ある実施形態では、ストレージ装置22は、任意の二次記憶装置として実装されてもよい。メモリ4の内容は、ストレージ装置22に記憶され、必要に応じてストレージ装置22から読み出されてもよい。I/Oデバイスインターフェースユニット16は、プリンタ、ファックスマシン等の他のI/Oデバイスに対するインターフェースを提供してもよい。ネットワークインターフェース18は、コンピュータシステム1と他のデバイスが相互的に通信できるように、通信経路を提供してもよい。この通信経路は、例えば、ネットワーク30であってもよい。
【0023】
図1に示されるコンピュータシステム1は、プロセッサ2、メモリ4、バスインターフェースユニット9、表示システム24、及びI/Oバスインターフェースユニット10の間の直接通信経路を提供するバス構造を備えているが、他の実施形態では、コンピュータシステム1は、階層構成、スター構成、又はウェブ構成のポイントツーポイントリンク、複数の階層バス、平行又は冗長の通信経路を含んでもよい。さらに、I/Oバスインターフェースユニット10及びI/Oバス8が単一のユニットとして示されているが、実際には、コンピュータシステム1は複数のI/Oバスインターフェースユニット10又は複数のI/Oバス8を備えてもよい。また、I/Oバス8を様々なI/Oデバイスに繋がる各種通信経路から分離するための複数のI/Oインターフェースユニットが示されているが、他の実施形態では、I/Oデバイスの一部または全部が、1つのシステムI/Oバスに直接接続されてもよい。
【0024】
ある実施形態では、コンピュータシステム1は、マルチユーザメインフレームコンピュータシステム、シングルユーザシステム、又はサーバコンピュータ等の、直接的ユーザインターフェースを有しない、他のコンピュータシステム(クライアント)からの要求を受信するデバイスであってもよい。他の実施形態では、コンピュータシステム1は、デスクトップコンピュータ、携帯型コンピュータ、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、ポケットコンピュータ、電話、スマートフォン、又は任意の他の適切な電子機器であってもよい。
【0025】
図2は、本発明の物品管理システムを適用する一般的な入庫の手順を説明する図である。トラックなどの輸送手段T1で運ばれた物品は入荷A1を行う。入荷A1は物品を輸送手段T1から下ろして入荷エリアに仮置きする作業である。そこで物品は検品A2が行われ、入庫A3が行われる。入庫A3は、入荷エリアに置かれた物品を運び、倉庫内等の保管エリアBの所定の場所へ保管する作業である。一方、出庫C1は、保管エリアBの所定の場所から物品を出荷エリアに運ばれる作業である。そこで検品C2が行われ、出荷エリアからトラックなどの輸送手段T2に載せられ、出荷C3が行われる。
【0026】
図3は、本発明の物品管理システムの一実施形態を示すシステム構成図である。ここでは、主に各機能の構成要素を含む物品管理システムについて説明する。
【0027】
図3で示す物品管理システムは、商品配置変更システム100、入力端末200、作業車300を備えている。これらは、ネットワーク400と接続され、情報のやりとりが可能である。作業車300は複数備えることができる。
【0028】
商品配置変更システム100は、中央制御装置110、入力装置120、出力装置130、通信装置140、処理部150、記録部180を備えている。
【0029】
中央制御装置110は、全体を制御するための処理を行う。
【0030】
入力装置120は、商品配置変更システム100に必要な入力を行う装置であり、後述する入力端末200と同等の機能を有していてもよい。
【0031】
出力装置130は、商品配置変更システム100の出力を行い、必要に応じて設けられる装置である。
【0032】
通信装置140は、ネットワーク400を介して他の機器と通信を行う装置である。
【0033】
処理部150は、入庫商品配置計画部151、保管商品配置変更計画部152、入庫先近傍作業探索部153、追加作業時間計算部154、追加作業実施可否判定部155、作業リスト更新部156、作業車状況確認部157、作業割当部158、作業指示部159
作業結果受信部160、作業進捗更新部161の各機能を備えており、これらの処理を行う。
【0034】
入庫商品配置計画部151は、商品を入荷エリアから保管エリアBに入庫する際に、どこにどの商品を配置するかを計画する。
【0035】
保管商品配置変更計画部152は、入庫済みで保管エリアBに保管された商品の配置変更計画を立てる。このとき商品の出庫の効率が改善される配置変更計画を立てるとよい。
【0036】
入庫先近傍作業探索部153は、入庫する場所の近傍に保管商品の配置変更の候補があるかを検索する。例えば、同じ通路を使うものを近傍とするとか、その場所に行くまでの時間を計算して、指定時間以内であるかどうか等を考慮して近傍かどうかを判定できる。
【0037】
追加作業時間計算部154は、保管商品配置変更に伴う追加作業の時間がどれだけかかるかを算出する。
【0038】
追加作業実施可否判定部155は、保管商品の配置変更に伴う追加作業の時間に基づいて、追加作業を実施するかどうかを判定する。具体例は後述する。
【0039】
作業リスト更新部156は、後述する作業リストを更新する。また、必要に応じて後述する追加作業リストを更新する等、各種の作業リストを更新してもよい。
【0040】
作業車状況確認部157は、作業車300の状況を確認する。ここで作業車300の状況は、位置や作業の進捗等である。
【0041】
作業割当部158は、どの作業車300がどの作業を行うかの割り当てを行う。
【0042】
作業指示部159は、該当する作業車300に割り当てた作業の指示を行う。
【0043】
作業結果受信部160は、作業車300の作業が終わったら、その報告を受信する。このとき、どの作業車300がどの作業を終了したかの情報を受信する。
【0044】
作業進捗更新部161は、作業車300の作業の進捗に合わせて、作業リストに記載された作業の進捗を更新する。
【0045】
記録部180は、入庫作業情報181、出荷頻度182、配置条件183、倉庫内配置情報184、作業リスト185、追加作業リスト186、作業進捗187、入庫先近傍作業リスト188を含む情報を記録する。記録部180は、これらの情報を記録するための装置で構成される。
【0046】
入庫作業情報181は、入庫作業が必要な入荷エリアに入ってくる商品の情報である。具体例は後述する。
【0047】
出荷頻度182は、各商品に対する出荷頻度を記録した情報である。
【0048】
配置条件183は、出庫作業を効率的に行うための条件である。例えば、出荷頻度の高い商品を、アクセス容易な場所に配置する等である。それによって、作業動線を短縮することができる。また、集荷頻度の高い商品を分散して配置するようにして、作業車300の渋滞を軽減してもよい。
【0049】
倉庫内配置情報184は、保管エリアB等の倉庫内のどこに何の商品が配置されているかの情報である。
【0050】
作業リスト185は、入荷エリアから保管エリアBへ入庫を行う入庫作業の一覧であり、配置変更の追加作業が追加されて更新される。さらに、作業の進捗によっても更新されていく。具体例は後述する。
【0051】
追加作業リスト186は、保管エリアB内において配置変更を行う追加作業の一覧である。具体例は後述する。
【0052】
作業進捗187は、更新後の作業リスト185等に対して、どこまで作業が進捗しているかを示す。
【0053】
入庫先近傍作業リスト188は、入庫作業に対して、その入庫先近傍で行う配置変更作業(追加作業)を抽出してリスト化したものである。具体例は後述する。
【0054】
入力端末200は、入力装置210、通信装置220、表示装置230、記録部240を備えている。入力端末200は、管理者が使用することを想定している。
【0055】
入力装置210は、管理者が情報を入力するための装置であり、表示装置230は、必要な情報を画面(例えば、液晶や有機EL等)に表示する。入力装置210と表示装置230は一体に構成してもよく、この場合は、例えば、タッチパネルで構成することが可能である。通信装置220は、ネットワーク400を介して他の機器と通信を行う装置である。記録部240は、追加作業リスト241や追加可能時間242等の情報が格納され、これらの情報を記録するための装置で構成される。
【0056】
表示装置230の表示例としては、追加作業候補表示部231や作業進捗表示部232があげられる。追加作業候補表示部231は、追加作業の候補を表示する。この際、管理者に入力装置210からの入力により選択させてもよい。作業進捗表示部232は、作業リスト185や追加作業リスト186の作業がどこまで進捗しているかを表示することができる。
【0057】
作業車300は、通信装置310、駆動部320、作業指示受信部330、作業結果報告部340、倉庫内地図350を備えている。ここでの作業車300は、商品配置変更システム100からの指示に基づき、自動運転により作業(入庫作業や配置変更作業)を行える作業車を適用できる。例えば、自動運転のフォークリフト等である。
【0058】
通信装置310は、ネットワーク400を介して他の機器と通信を行う装置である。駆動部320は、作業車300を駆動する例えばモータなどの駆動装置の構成である。
【0059】
作業指示受信部330は、商品配置変更システム100の作業指示部159からの指示信号を受信する。作業車300は、この指示に基づき作業車300の駆動部320を駆動させて実際の作業を行う。
【0060】
作業結果報告部340は、1件の作業(例えば、作業ID毎の作業)が終わったら、その結果を商品配置変更システム100の作業結果受信部160へ送信する。
【0061】
倉庫内地図350は、作業車300内に設けられた記憶装置に格納される入荷エリアや保管エリアの地図情報である。この情報を参照して作業車300が作業指示に基づく作業を行う。
【0062】
ここで、作業車300は、人(作業者)でもよい、この場合は、作業者ごとにタブレット等の作業者用端末を使用する。作業者用端末には、作業指示や地図などの情報を表示する。また、作業車300は、人が運転する作業車であってもよい。この場合は、作業指示や地図などの情報に基づき人が作業車300を運転する。作業指示や地図などの情報は、タブレット等の運転者が携帯できる端末に表示させてもよい。
【0063】
<機能ブロック図>
図4は、本発明の物品管理システムの一実施形態を示す機能ブロック図である。図3で示した商品配置変更システム100における実際の機能の流れを説明する。
【0064】
入庫商品配置計画部151では、入庫作業情報181、出荷頻度182、配置条件183、倉庫内配置情報184の情報を用いて、保管エリアBのどこにどの商品を配置(入庫)するかを計画して、作業リスト185を作成する。ここでの計画は、その商品にとって適した場所に入庫されるように場所を特定する。
【0065】
保管商品配置変更計画部152では、出荷頻度182、配置条件183、倉庫内配置情報184の情報を用いて、保管エリアB内の保管商品の配置変更の計画を作成して、追加作業リスト186を作成する。ここでの配置変更の計画は、変更後の商品の配置が現在の状態(例えば現在の出荷頻度等)に対応する適した場所となるようにする。
【0066】
入庫先近傍作業探索部153では、作業リスト185、追加作業リスト186の情報を用いて、入庫先近傍の追加作業について検索を行い、入庫先近傍作業リスト188を作成する。ここでの検索は、作業リスト185で行う入庫作業の入庫先近傍に、追加作業リストの配置変更元が存在するかどうかで検索できる。ここで、近傍は、例えば、向かい合う棚の同じ通路を使用する範囲の場合や、移動距離が事前に設定した閾値以下の場合とすることができる。
【0067】
次に、追加作業実施可否判定部[1]155-1は、第1の追加作業実施可否判定を行う。ここでの判定は、追加作業全体の追加可能時間242-1の情報に基づいて、追加作業が実施可能かどうかを判定する。詳細は図6図8で後述する。
【0068】
次に、追加作業時間計算部では、追加作業リスト186の内容に基づく追加作業時間を計算する。運搬の移動距離や作業の工程にかかる時間などを考慮して計算することが可能である。
【0069】
次に、追加作業実施可否判定部[2]155-2は、第2の追加作業実施可否判定を行う。ここでの判定は、追加作業の1件ごとの追加可能時間242-2の情報に基づいて、追加作業が実施可能かどうかを判定する。詳細は図6図8で後述する。なお、追加作業実施可否判定部[1]155-1と追加作業実施可否判定部[2]155-2は、図3、4で示した追加作業実施可否判定部155に相当する。
【0070】
次に、作業リスト更新部156は、追加作業を含む作業リストの更新を行う。
【0071】
次に、作業車状況確認部157は、各作業車300の状況を確認する。
【0072】
次に、作業割当部158は、各作業車300の作業状況に応じた作業の割り当てを行う。すなわち、前の作業が終わった作業車300に作業を割り当て等を行っていく。
【0073】
次に、作業指示部159は、作業車300に対して、その作業車300に割り当てを行った作業を指示する。
【0074】
次に、作業結果受信部160は、作業車300から作業結果の報告を受信する。例えば、割り当てた作業が終わっているなどである。
【0075】
次に、作業進捗更新部161では、作業進捗187の情報を更新する。例えば、終了した作業に対しては、作業が終わったことを示す情報を付記する等である。
【0076】
<シーケンス図>
図5は、本発明の物品管理システムの一実施形態を示すシーケンス図である。ここでは、入力端末200、商品配置変更システム100、作業車300の各処理を示す。
【0077】
まず、入力端末200では、最初にパラメータが入力される(S201)。ここでは、トータルの追加可能時間や一件ごとの追加可能時間等である。
【0078】
商品配置変更システム100では、入庫商品配置計画部151により入庫商品配置計画を立て(S101)、作業リスト作成を行う(S102)。次に、保管商品配置変更計画部152により保管商品配置変更計画を立て(S103)、追加作業リスト作成を行う(S104)。その後、商品配置変更システム100から入力端末200に追加作業リストが送付される。また、入力端末200から商品配置変更システム100には入力パラメータが送付される。ここでの入力パラメータは、S201で入力されたパラメータ等である。
【0079】
次に、商品配置変更システム100では、入庫先近傍作業探索部153により入庫先近傍作業探索が行われる(S105)。次に追加作業時間計算部154により追加作業時間計算が行われる(S106)。次に追加作業実施可否判定部155により追加作業実施可否判定が行われる(S107)。
【0080】
次に、商品配置変更システム100では、追加作業候補が有るか否かが判定される(S108)。追加作業候補がある場合は、入力端末200へ追加作業候補が送付される。追加作業候補は、S105~S107の処理により追加作業候補が抽出されているか否かで判定される。
【0081】
入力端末200では、追加作業候補が商品配置変更システム100から送信されると追加作業候補表示が行われる(S202)。追加作業候補表示は、追加作業候補表示部231で表示される。次に、追加作業選択が行われる(S203)。追加作業選択は、手動でも自動もよい。手動の場合は、追加作業候補表示部231で表示された追加作業一覧の中から行うべき作業を管理者等が選択する。この場合は、追加作業候補表示部231には、追加作業一覧の中から操作により選択できる機能を有している。自動の場合は、あらかじめ定められた条件に従って追加作業が選択される。選択された追加作業は、商品配置変更システム100へ送信される。
【0082】
商品配置変更システム100では、入力端末200から追加作業が送付されたら、作業リスト更新を行う(S109)。作業リスト更新は、今まで作成された作業リストに送付された追加作業を追加する。
【0083】
次に、商品配置変更システム100は、作業車300へ作業指示を送信する。ここでの送信は、追加作業を割り当てられた作業車300に作業指示を送る。
【0084】
作業指示を受信した作業車300は、作業実施S301を行い、作業が終了したら作業終了報告を商品配置変更システム100に送信する。ここで、作業指示を受信は作業指示受信部330で、作業終了報告は作業結果報告部340で行われる。
【0085】
商品配置変更システム100では、作業車300から作業終了報告を受信したら、その内容をふまえて作業進捗更新を行う(S110)。作業進捗は、作業リストなどに記載できる。さらに、作業終了報告を入力端末200にも送る。ここで、作業終了報告の受信は作業結果受信部160で行い、作業進捗更新は作業進捗更新部161で行う。
【0086】
作業終了報告を受信した入力端末200では、作業終了報告の内容を反映した作業進捗表示を行う(S204)。ここでの表示は作業進捗表示部232で行う。
【0087】
図5の中で、二点鎖線で囲まれた部分は入庫作業が完了するまで作業ID毎に繰り返し実施する。すなわち、S105~S110、S202~S204、S301が繰り返される。
【0088】
<商品配置変更システムのフローチャート>
図6は、本発明の物品管理システムの商品配置変更システム100における処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0089】
最初に、S501では、現在の配置情報(空きがある場所の情報も含む)、配置条件、入庫作業情報、入庫商品の出荷頻度から、入庫商品をどこに配置するか決定し、作業リストを作成する。ここでの処理は、図4の入庫商品配置計画部151による作業リスト185の作成の処理や図5のS101やS102の処理に相当する。
【0090】
次に、S502では、入庫商品を含む配置情報(空きがある場所の情報も含む)、配置条件、保管商品の出荷頻度から、保管商品の配置変更を決定し、追加作業リストを作成する。ここでの処理は、図4の保管商品配置変更計画部152による追加作業リスト186の作成の処理や図5のS103やS104の処理に相当する。
【0091】
次に、S503では、作業ID=1とする処理を行う。ここでは、作業リスト185の1件目の作業に作業IDの「1」を割り当てる。
【0092】
次に、S504では、作業IDが規定される。最初であれば作業IDは「1」となる。また、S512から戻ってきた場合は、次の作業に対して作業IDを割り当てる。例えばN番目の作業であれば、作業IDは「N」となる。
【0093】
次に、S505では、入庫先近傍作業探索S505を行う。ここでの処理は、図4の入庫先近傍作業探索部153による入庫先近傍作業リスト188の作成の処理や図5のS105の処理に相当する。
【0094】
次に、S506では、全体(トータル)の時間から追加作業が可能か否かを判定する。ここでの処理は、図4の追加作業実施可否判定部[1]155-1の処理や図5のS107の処理に相当する。ここでの判定は、現在の作業進捗をふまえて、追加作業が可能か否かを全体の時間から判定する。例えば、必須終了時刻から残りの入庫作業全体の終了予定時刻を引いた値が、事前に定めた閾値以上であれば、追加作業を可能と判断する。追加作業可能であればS507へ進み、追加作業可能でなければS509へ進む。
【0095】
S507では、1件ごとの時間から追加作業が可能か否かを判定する。ここでの処理は、図4の追加作業実施可否判定部[2]155-2の処理や図5のS107の処理に相当する。ここでの判定は、入庫先近傍作業リスト188に記載(格納)された作業について、追加作業が可能か判断する。例えば、1件の追加作業にかかる予測時間を算出し、事前に定めた閾値以下であれば、追加作業を可能と判断する。作業対象が複数ある場合は、事前に定めた優先パラメータに応じて作業を自動選択する、又は、入力端末(入力装置)から作業を手動選択する。作業対象が複数ある場合の選択の具体例は図8に示す。追加作業可能であればS508へ進み、追加作業可能でなければS509へ進む。
【0096】
S508では、選択された追加作業を、作業リストに追加する。ここでの処理は、図4の作業リスト更新部156による作業リスト185の更新の処理や図5のS109の処理に相当する。
【0097】
次に、S509では、作業指示を行う。作業指示は作業車300へ行う。ここでの処理は、図4の作業指示部159による作業指示の処理や図5の商品配置変更システム100から作業車300へ行う作業指示の処理に相当する。
【0098】
次に、S510では、作業結果報告を受信する。作業車300からの作業結果報告を受信する。ここでの処理は、図4の作業結果受信部160による作業結果受信の処理や図5の商品配置変更システム100が作業車300から作業終了報告を受信する処理に相当する。
【0099】
次に、S511では、「作業ID=作業ID+1」の処理を行う。すなわち、次の作業に対して作業IDに「1」を追加する処理を行う。
【0100】
次に、S512では、「作業ID>最終作業のID」であるか否かを判定する。「作業ID>最終作業のID」でなければS504へ戻る。「作業ID>最終作業のID」であればすべての作業が終了する。すなわち、あらかじめ定めた最終作業のIDまで達しているか否かを判定して、達していれば作業を終了する処理である。
【0101】
ここで、S512からS504に戻った場合は、「1」が追加されたIDを作業リストの次の作業のIDとして規定する。1つの作業IDでは、1件の入庫作業、又は、1件の入庫作業+その入庫作業に関連づけられる配置変更作業、と捉えることができる。
【0102】
なお、全ての作業が終了した後、現時刻と必須終了時刻との差分(必須終了時刻-現時刻)が、一定の閾値以上か否かを判断し、一定の閾値以上の場合、追加作業リスト186に記載された追加作業のみの作業を行ってもよい。この場合、例えば、追加作業の中で優先度の高いものから順に、配置変更作業のみを実施する等、あらかじめ定めた順序に沿って行うことができる。また、追加作業時間が予測できるように、作業前に配置変更時間をシミュレーション等で追加作業時間を予測し、必須終了時刻前に追加作業が終了となることが算出できた場合にのみ、実行されるようにするとよい。
【0103】
<保管場所IDの一例>
図7は、本発明の物品管理システムで利用する保管場所IDの一例を示す図である。入庫先である保管エリアB(図2参照)は、例えば図7に示すような棚に商品を保管できる。図7の例では棚ID-列ID-段IDの順に表示する。棚IDは棚ごとのIDである。列IDは1つの棚内の横方向の列の位置を示す。段IDは1つの棚内の高さ方向の段を示す。例えば「10-02-3」であれば、IDが10の棚で、列が2番目、段が下から3段目を示す。ここで、棚IDが同じならば同じ棚内に商品が保管されていることになる。また、通路を挟んで向かい合う隣の棚を登録しておけば、同じ通路を利用する近傍の棚を検索できるようになる。
【0104】
<入力端末の表示例>
図8は、本発明の物品管理システムにおける入力端末の表示の第1の例を示す。ここでは、入力端末200の追加作業候補表示部231の表示例を示している。図5であれば、S202、S203に相当する。
【0105】
時刻表示610には、「必須終了時刻」、「終了予定時刻」、「残り時間」が表示されている。必須終了時刻は、今回の全体の作業(例えばその日に行う作業)が、完全に終了しなければいけない時刻である。図8では8:00と設定されている。終了予定時刻は、作業リストに基づく全体の終了予定時刻である。ここでの終了予定時刻は、各作業時間を予測して(例えば、各作業による移動距離や作業の工程からかかる時間を算出するなどして)、商品配置変更システム100で算出できる。図8では7:00と設定されている。残り時間は、「必須終了時刻-終了予定時刻」で算出される。図8では残り時間は60分となる。
【0106】
追加可能時間(トータル)表示620は、今回の全体(トータル)の作業における追加可能時間が表示されている。残り時間が閾値となる追加可能時間(トータル)を超えると追加作業(配置変更作業)を行わない。つまり、全体の時間に閾値以上の余裕がある場合に配置変更作業を行うことになる。図8では、20分と設定されている。この時間は、管理者が事前に入力する等してあらかじめ定めておくことができる。また、終了予定時刻までの時間に応じて変更するなど、あらかじめ定めた関数で定義することもできる。
【0107】
追加可能時間(/件)表示630は、1件あたりの配置変更にかけてもよい時間が表示される。1件あたりの追加作業の時間が閾値となる追加可能時間(/件)を超えると追加作業を行わない。追加作業の時間の算出は、商品配置変更システム100で、例えば、追加作業の移動距離や作業の工程からかかる時間を算出する等できる。これにより、1件あたりどの程度まで時間がかかる作業を行うかを決めることができる。この時間は、管理者が事前に入力する等してあらかじめ定めておくことができる。また、時刻表示610の残り時間に応じて変更するなど、あらかじめ定めた関数で定義することもできる。
【0108】
配置変更判断表示650は、追加作業(配置変更作業)を選択する表示である。「自動」か「手動」かを選択できるようになっている。
【0109】
「自動」を選択する操作をした場合、自動表示660がON(入)である表示が行われる。また、優先パラメータ表示に、どの優先パラメータで選択するかの方法が表示される。図8では、「優先度」と「変更時間」が表示されている。例えば、「優先度」であれば、配置変更の効果が高いものが選択される。具体的には、出荷頻度が急に上がり始めた商品を、検品のエリアや出荷のエリアの近くにする等である。また、配置変更によって、どのぐらい時間が短縮されるのかというのを予測して、それを優先度として決めることもできる。一方、「変更時間」であれば、配置変更にかかる時間が短いものから順に選択される。
【0110】
「手動」を選択する場合は、追加可能時間(トータル)表示620、追加可能時間(/件)表示630で説明した要件を満たした追加作業(配置変更作業)候補が表示される。管理者は、このうち一つ選択すると、選択されたことが分かる選択表示672の印が表示され、確定ボタンを押すことでこの選択が確定される。
【0111】
図9は、本発明の物品管理システムにおける入力端末の表示の第2の例を示す。ここでは、入力端末200の作業進捗表示部232の表示例を示している。図5であれば、S204に相当する。
【0112】
図9の配置変更進捗表示710は、「商品ID」、「運搬元」、「運搬先」、「優先度」、「完了」の項目が表示されている。配置変更進捗表示710は、配置変更作業の一覧が表示されるとともに、各配置変更の作業がどの程度進捗しているかを示すものである。配置変更作業が完了した場合は、その項目に完了した旨の表示がなされる。図9では、「完了」欄に「○」が表示される。
【0113】
<データ例>
図10は、本発明の物品管理システムにおける入庫作業情報の一例を示す。ここでは、図3、4で示された入庫作業情報181の一例を示している。
【0114】
図10の入庫作業情報は、「商品ID」、「運搬元」の項目が表示されている。ここでの「運搬元」は、入荷エリアにある商品が該当しているため、入荷エリアの配置場所の情報となる。
【0115】
図11は、本発明の物品管理システムにおける作業リストの一例を示す。ここでは、図3、4で示された作業リスト185の一例を示している。
【0116】
図11の作業リストは、更新前の初期リストを示すものであり、入庫作業のみの作業一覧が示されている。図11の作業リストは、「作業ID」、「商品ID」、「運搬元」、「運搬先」、「作業車(者)」の項目が表示されている。「作業ID」は、図6に示した処理によりIDが作成される。「運搬元」は、入庫作業のため、入荷エリアの配置場所の情報となる。「商品ID」、「運搬元」は、図10と同様である。「運搬先」は、入庫商品配置計画部151で決定された保管エリアB内の運搬先となる。「作業車(者)」は、当該運搬を担当する作業車300である。ただし、各作業車300の実際の作業状況に応じて割り当てを変更していってもよい。図11では、3種類の作業車300(W01、W02、W03)が表示されている。
【0117】
図12は、本発明の物品管理システムにおける追加作業リストの一例を示す。ここでは、図3、4で示された追加作業リスト186の一例を示している。
【0118】
図12の追加作業リストは、「商品ID」、「運搬元」、「運搬先」、「優先度」の項目が表示されている。ここでの追加作業リストは、保管商品配置変更計画部152で作成されたものであり、保管商品の配置変更作業が示されている。保管エリアB内での商品の配置を変更するため、「運搬元」も「運搬先」も保管エリアB内の特定の保管場所を示している。「優先度」は、図8等で説明した優先度が示されており、優先度が高い順に、A、B、Cの順となっている。
【0119】
図13は、本発明の物品管理システムにおける入庫先近傍作業リストの一例を示す。ここでは、図3、4で示された入庫先近傍作業リスト188の一例を示している。
【0120】
図13の入庫先近傍作業リストは、「商品ID」、「運搬元」、「運搬先」、「優先度」の項目が表示されている。図13の入庫先近傍作業リストは、図11の作業リストの運搬先(入庫先)と、図12の追加作業リストの運搬元(配置変更元)を比較し、これらの位置が近傍の作業を追加作業リストの中から選択するものである。図13では、図12の商品ID「116」と「110」が選択されている。これについて説明する。図11の作業リストにおいて作業ID「3」の運搬先(入庫先)が「01-02-3」であり、棚IDが最初の「01」となる。これは、図12の商品ID「116」と「110」の運搬元(「01-10-1」、「01-11-1」)の棚IDの「01」と同じとなる。すなわち同じ棚のため、これらが近傍にあると判定される。
【0121】
図14は、本発明の物品管理システムにおける更新後の作業リストの一例を示す。ここでは、図3、4で示された作業リスト更新部156で更新された更新後の作業リスト185の一例である。
【0122】
図14の更新後の作業リストは、「作業ID」、「商品ID」、「運搬元」、「運搬先」、「作業車(者)」の項目が記載されている。図14の更新後の作業リストは、図11の入庫作業のみの作業が記載された作業リストに対して、配置変更作業を加えたものである。ここでの配置変更作業は、図13の入庫先近傍作業リストから選択された配置変更作業が追加される。この選択は、図5で示したS202やS203の処理や図8で説明した処理により行われる。配置変更作業の追加は、図13の入庫先近傍作業リストで抽出した作業に対応する入庫作業の作業ID内に追加される。図14の例の場合は、作業ID「3」に対して、図13の優先度「A」の商品ID「110」の配置変更作業が選択されて、作業ID「3-1」として追加される。この作業ID「3-1」は、作業ID「3」内の作業として認識され、入庫作業に連続する作業として追加される。作業車は、作業ID3と同じ作業車「W003」が担当する。
【0123】
この表に従って作業車「W03」が作業した場合、まず作業ID「3」の「B-01」の場所から「01-02-3」の場所へ商品ID「003」を運搬して入庫作業を行う。次に同じ棚の「01-11-1」の場所から「01-01-2」の場所へ商品ID「110」を運搬して配置変更作業を行う。このように入庫先の近くの場所のため移動が少なく追加作業(配置変更作業)を行うことが可能となる。これらが作業ID「3」の一連の作業となり、作業が終わったら作業終了報告を商品配置変更システム100に行う。
【0124】
なお、作業ID「1-1」に対応する入庫先近傍作業リストの説明は省略している。
【0125】
<商品配置の具体例>
図15は、本発明の物品管理システムにおける作業前の商品配置の例を説明する図である。図16は、本発明の物品管理システムにおける入庫商品を反映した商品配置の例を説明する図である。図17は、本発明の物品管理システムにおける保管商品を配置変更した商品配置の例を説明する図である。
【0126】
図15図17では、上側に商品配置例を示し、下側に配置情報例を示す。上側の商品配置例では、段IDが「1」の場合の例を示しており、通路Gを挟んで棚ID「01」の棚と、棚ID「02」の棚が向かい合って配置されている。下側の配置情報例では、棚ID「01」で段ID「1」の場合の列IDが「01」~「04」までを示しており、それ以外は記載を省略している。
【0127】
上側の商品配置例では、「保」は、保管商品の格納場所を示す。「空」は、その棚が空いていることを示す。「入」は、入庫商品が配置されることを示す。ここで「保1」ならば、商品ID「001」の商品が格納されていることを示している。
【0128】
下側の配置情報例では、「棚ID」、「列ID」、「段ID」、「状態」、「商品ID」の項目の情報を保持している。ここで、「状態」について、「有」は、商品が格納されている状態を示し、「空」は、その棚が空いている状態を示し、「予」は、予約の状態を示している。予約の状態では、他の商品は入れることはできず、作業終了後には、「有」か「空」に変更される。
【0129】
図15は、作業前の商品配置の例を示す。上側の商品配置例において、棚ID「01」では、列ID「01」~「07」において、「保1」、「空」、「保2」、「空」、「空」、「空」、「保3」の状態となっている。棚ID「02」では、列ID「01」から「07」において、「空」、「空」、「保4」、「保5」、「空」、「空」、「保6」の状態となっている。下側の配置情報例では、棚ID「01」の列ID「01」~「04」の状態が示されている。
【0130】
図16は、入庫商品を反映した商品配置の例を示す。上側の商品配置例において、下線を引いた箇所が図15との変更点である。棚ID「01」の列ID「02」が、「空」から「入1」に変更されている。棚ID「01」の列ID「05」が、「空」から「入2」に変更されている。棚ID「02」の列ID「01」が、「空」から「入3」に変更されている。棚ID「02」の列ID「05」が、「空」から「入4」に変更されている。これら「入」へ変更された位置は、商品が入庫される位置となる。
【0131】
図16の下側の配置情報例では、棚ID「01」の列ID「01」~「04」の状態が示されている。この中で、棚ID「01」では、列ID「02」では、「予」となり、入庫商品「101」がこの後入庫されるためこの場所が予約されていることを示す。
【0132】
図17は、保管商品を配置変更した商品配置の例を示す。上側の商品配置例において、下線を引いた箇所が図16との変更点である。棚ID「01」の列ID「01」が、「保1」から「保1b」に変更されている。棚ID「01」の列ID「06」が、「空」から「保1a」に変更されている。棚ID「01」の列ID「07」が、「保3」から「保3b」に変更されている。棚ID「02」の列ID「02」が、「空」から「保3a」に変更されている。ここでの配置変更は、「b」から「a」の位置に変更することを示している。このため、「保1b」は、保管された商品ID「001」の変更前の位置を示し、「保1a」は、商品ID「001」の変更後の位置を示す。今回の作業IDの作業において、変更前と変更後の場所を確保することで、確実な移動を可能とする。
【0133】
図17の下側の配置情報例では、棚ID「01」の列ID「01」では、「状態」が「有」の状態から「予」の状態に変更されている。これは、商品ID「001」が格納されていた状態から配置変更の対象となり、変更前の場所を確保するためである。なお、その作業IDの作業が終了したら、「予」を、「有」又は「空」に変更する。また、全ての作業が終了し、配置変更作業ができなかったものは、「予」を「空」に変更する。
【0134】
図15~17で示す予約等の処理方法は、図3、4で示した保管商品配置変更計画部152や図5のS103の処理等の際に反映することができる。すなわち、配置変更する場合、入庫予定の運搬先(入庫先)を予約により確保する。配置変更は、これ以外の場所で行い、配置変更の運搬先の場所は、入庫先以外の場所とする。このことで適切な入庫と配置変更の処理が可能となる。
【0135】
以上説明した実施形態では、入庫の作業時において配置変更作業を行うことで商品配置の入れ替えのためのスケジュールを専用に確保しておく必要がなく、また配置変更のための作業動線を短縮化させることができ、より効率的に商品の配置変更が可能となる。これにより出庫作業の効率が向上する。さらに、入庫時の運搬先の近傍で行われる配置変更作業を選択することで、より効率的な配置変更を行うことができる。さらに、追加作業候補を優先度により自動で選択することで、優先度の高い配置変更作業を先に行うことができる。さらに、追加作業候補を手動で選択することで汎用性の高いシステムを構築できる。さらに、閾値を設け、入庫作業の時間が余るときに配置変更作業ができるため、入庫作業への影響を及ばさないようにできる。さらに、全体の追加可能時間と1件ごとの追加可能時間をふまえた構成とすることで、時間の管理をより適切に行うことが可能となる。さらに、入庫先、配置変更元、配置変更先のそれぞれの場所を予約することで、確実な配置変更作業を可能とする。
【0136】
<別実施形態>
図18は、本発明の物品管理システムの別実施形態における処理のフローチャートの一例を示す図である。図19は、本発明の物品管理システムの別実施形態における、(A)出庫作業情報、(B)商品の倉庫内配置情報、(C)出庫商品置場情報、(D)出庫作業リスト、の一例を示す。図20は、本発明の物品管理システムの別実施形態における、(A)追加作業リスト、(B)更新後の出庫作業リスト、の一例を示す。図18~20の別実施形態では、図3~17で示した実施形態に対して異なる点について主に説明し、同一の箇所には同一の符号を付してあり、特に説明がない部分は同じ説明を省略している。
【0137】
図3~17で示した上記の実施形態では、入庫作業時において配置変更作業を行う方法を説明したが、入庫作業時に限定せず、出庫作業時に配置変更作業を行ってもよい。このため図18~20で示す別実施形態では、出庫作業時における配置変更作業の一例を示す。図18~20で示す出庫作業中の別実施形態では、図3~17で示した入庫作業中の実施形態に対して、「入庫」を「出庫」に置き換えて適用することができる。この場合、配置変更作業は出庫作業の前に行われ、配置変更先が出庫作業の運搬元の近傍となる配置変更作業が追加作業として選択されることになる。
【0138】
図18は、商品配置変更システム100において、出庫作業と同時に配置変更を行う場合の処理のフローチャートの一例を示す図である。図6で説明したフローチャートに対して、入庫作業中に配置変更を行う場合を出庫作業中に配置変更を行う場合に置き換えることができる。図18のフローチャートは、図6のフローチャートとほぼ同じであるが、S501の作業リストの作成とS505の近傍作業探索が図6とは異なる。図18では、S501が501’、S505がS505’となっている。
【0139】
図18のS501’では、出庫作業の作業リストの作成を行う。具体的には商品の注文リストと、商品の倉庫内配置情報より、注文商品の搬送元、搬送先などの情報を記載した、作業リストを作成する。
【0140】
出庫作業の作業リストの具体例は、図19(D)に示すように、「作業ID」、「商品ID」、「運搬元」、「運搬先」、「作業車(者)」の項目が記載されている。これらの情報は、図19(A)に示す「注文ID」、「商品ID」、「出荷先」、「締切時間」の項目が表示される商品の注文リストと、図19(B)に示す「商品ID」、「ロケーション」の項目が表示される商品の倉庫内配置情報と、図19(C)に示す「出荷先」、「ロケーション」の項目が表示される出庫商品置場情報から、作成する。
【0141】
図19(A)の「出荷先」は、具体的な出荷先の名称(例えば店舗名)やそれに対応するID等で表示できる。図19(B)の「ロケーション」は、「商品ID」に対応する、図2で説明した保管エリアBのロケーション(配置場所)である。また、図19(C)の「ロケーション」は、図19(A)の「出荷先」に対応する、図2で説明した検品C2等を行う出荷エリアにおけるロケーション(配置場所)である。このため、図19(D)で示した作業リストにおいて、「運搬元」は、出庫時における保管エリアBの配置場所が示され、「運搬先」は、出庫時における出荷エリアの配置場所が示される。
【0142】
図18のS505’では、出庫元近傍作業探索を行う。ここでは、出庫作業時において配置変更作業を行う場合は、図20(A)に示す追加作業リストから追加作業を選択して、図19(D)の作業リストに追加を行う。このとき、出庫作業の前に配置変更作業を行う。ここで、図20(A)の追加作業リストは、図12の追加作業リストと同じである。追加作業の選択は、図20(A)に示す追加作業リストの「運搬先」が、図19(D)に示す出庫作業リストの「運搬元」の近傍にある配置変更作業を選択する。ここでの近傍は図3~17で説明した実施形態と同様である。そして、追加作業として選択された配置変更作業は、図19(D)の作業リスト中の、上記近傍に該当する出庫作業の前に挿入され、図20(B)に示すような更新後の作業リストを作成する。
【0143】
具体的には、図20(A)の追加作業リストの商品ID「110」の運搬先「01-11-1」が、図19(D)の出庫作業リストの商品ID「203」の運搬元「01-02-4」と近傍である。このため、図20(A)の商品ID「110」の配置変更作業を、図19(D)の商品ID「203」の出庫作業(作業ID「3」)の前に作業ID「3-1」として追加する。すると更新後の作業リスト図20(B)が作成される。
【0144】
作業車(者)は、上記により作成された更新後の作業リストに基づき、作業を行うことで、出庫作業時に、配置変更作業を行うことが出来る。図20(B)であれば、作業ID「3-1」で配置変更作業を行い、続いてその近傍の作業ID「3」の出庫作業を行う。これらは同じ作業車(者)が行う。こうすることで、出庫作業時においても、図3~17で示した入庫作業時における配置変更作業に準じた効果を有することができる。
【0145】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0146】
例えば、上記は商品を例に説明したが、商品でない物品にも適用可能である。この場合上記「商品」を「物品」に置き換えて適用することができる。
【0147】
また、上記の実施形態では、図6で示した通り、入庫の一作業ごとに追加の配置変更が可能かどうか確認し、可能であれば配置変更作業を行う方法を説明した。しかし、予め作業時間に十分な余裕があることが判っている場合においては、最初の作業計画時に、入庫作業に配置変更作業を組み込んだ作業計画を立ててもよい。これは、上記の別実施形態における出庫作業でも同様にすることができる。
【0148】
また、図3~17で示した入庫作業時における配置変更作業と、図18~20で示した出庫作業時における配置変更作業は、組み合わせて適用してもよい。
【符号の説明】
【0149】
1…コンピュータシステム、2…プロセッサ、2A…処理装置、4…メモリ、6…メモリバス、8…I/Oバス、9…バスインターフェースユニット、10…I/Oバスインターフェースユニット、12…端末インターフェースユニット、14…ストレージインターフェースユニット、16…I/Oデバイスインターフェースユニット、18…ネットワークインターフェース、22…ストレージ装置、24…表示システム、26…表示装置、30…ネットワーク、50…潜在因子特定アプリケーション、、100…商品配置変更システム、110…中央制御装置、120…入力装置、130…出力装置、140…通信装置、150…処理部、151…入庫商品配置計画部、152…保管商品配置変更計画部、153…入庫先近傍作業探索部、154…追加作業時間計算部、155…追加作業実施可否判定部、156…作業リスト更新部、157…作業車状況確認部、158…作業割当部、159…作業指示部、160…作業結果受信部、161…作業進捗更新部、180…記録部、181…入庫作業情報、182…出荷頻度、183…配置条件、184…倉庫内配置情報、185…作業リスト、186…追加作業リスト、187…作業進捗、188…入庫先近傍作業リスト、200…入力端末、210…入力装置、220…通信装置、230…表示装置、231…追加作業候補表示部、232…作業進捗表示部、240…記録部、241…追加作業リスト、242…追加可能時間、300…作業車、310…通信装置、320…駆動部、330…作業指示受信部、340…作業結果報告部、350…倉庫内地図、400…ネットワーク、610…時刻表示、650…配置変更判断表示、660…自動表示、672…選択表示、710…配置変更進捗表示、A1…入荷、A2…検品、A3…入庫、B…保管エリア、C1…出庫、C2…検品、C3…出荷、G…通路、T1…輸送手段、T2…輸送手段
図1
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