(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134051
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】改札機および改札プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230920BHJP
【FI】
G07B15/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039385
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 竜三
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA17
3E127BA45
3E127CA02
3E127DA02
3E127DA16
3E127DA22
3E127DA33
3E127FA16
3E127FA43
3E127FA53
(57)【要約】
【課題】同一媒体の2度読みを防止すること。
【解決手段】実施形態に係る改札機であって、第1の旅客が所持する第1の媒体の第1の媒体情報に基づいて第1の旅客の通行を許可した後、第2の旅客が所持する第2の媒体を検知したことを示す媒体検知情報を受信し、第2の媒体の第2の媒体情報を読み込めなかったことを示す媒体情報不取得情報を受信する媒体情報取得制御部と、媒体情報不取得情報に基づいて第2の旅客についての旅客情報を取得し、旅客情報に基づいて第2の媒体が第1の媒体と同一であるかどうかを判定する通行可否判定部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の旅客が所持する第1の媒体の第1の媒体情報に基づいて前記第1の旅客の通行を許可した後、第2の旅客が所持する第2の媒体を検知したことを示す媒体検知情報を受信し、前記第2の媒体の第2の媒体情報を読み込めなかったことを示す媒体情報不取得情報を受信する媒体情報取得制御部と、
媒体情報不取得情報に基づいて前記第2の旅客についての旅客情報を取得し、前記旅客情報に基づいて前記第2の媒体が前記第1の媒体と同一であるかどうかを判定する通行可否判定部と、
を備える、改札機。
【請求項2】
前記通行可否判定部は、前記第2の媒体が前記第1の媒体と同一であると判定した場合、前記第2の旅客が前記第1の旅客であるとして通行を許可する、請求項1に記載の改札機。
【請求項3】
複数の通行センサからの情報に基づいて前記第1の旅客が前記改札機の通路内のいずれにいるかを判定するセンサ制御部をさらに備え、前記旅客情報は、前記第1の旅客の位置を備える、請求項2に記載の改札機。
【請求項4】
前記媒体情報取得制御部は、前記第1の媒体を検知した時刻を示す第1の時刻情報と、前記第2の媒体を検知した時刻を示す第2の時刻情報をさらに取得し、
前記第1の時刻情報が示す時刻から前記第2の時刻情報が示す時刻までの間、前記第1の旅客の位置が通路内の所定の領域に留まっていることを示す場合、前記通行可否判定部は、第2の媒体が第1の媒体と同じであると判定する、請求項3に記載の改札機。
【請求項5】
前記第2の媒体が前記第1の媒体と同一でないと判定した場合、前記通行可否判定部は、前記第2の旅客が前記第1の旅客と同一でないと判定し、前記第2の旅客の通行を許可しない、請求項1に記載の改札機。
【請求項6】
複数の通行センサからの情報に基づいて前記第1の旅客の位置を判定するセンサ制御部をさらに備え、前記第1の旅客の位置が前記改札機の通路から出ていないことを示す場合、前記改札機のドアを閉じないように制御する通行制御部をさらに備える、請求項5に記載の改札機。
【請求項7】
前記通行可否判定部は、第1のモードである場合に前記第2の媒体が前記第1の媒体と同一であるかどうかを判定し、第2のモードである場合、前記第2の旅客の通行を許可しない、請求項1に記載の改札機。
【請求項8】
前記第1の旅客および前記第2の旅客の撮影画像を取得し、前記撮影画像から前記第1の旅客の顔データおよび前記第2の旅客の顔データを取得する顔データ取得部をさらに備え、前記通行可否判定部は、前記第2の旅客の顔データが前記第1の旅客の顔データと対応するかどうかに基づいて前記第2の媒体が前記第1の媒体と同じであるかどうかを判定する、請求項1に記載の改札機。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記改札機の各部としてプロセッサを機能させる改札プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、改札機および改札プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
改札機は、2次元コードを備える媒体から媒体情報を読み取って旅客の通行の可否を判断することができる。媒体情報を読み取る前に媒体が媒体情報読み取り部から外されてしまった場合、改札機は、旅客の通行を許可しない。また、1度通行を許可した際に使用した媒体が一定時間内に再度翳された場合、改札機は、同じ媒体情報を読み取ることになるため反応しない(2度読み防止)。
【0003】
また、例えば、特許文献1では、媒体を翳している旅客が同一であるかどうかを判定する際、改札機に設置された通行センサを用いる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1度通行を許可した旅客が媒体を媒体情報読み取り部に再度翳したがすぐに外した場合、改札機は、媒体を検知したが媒体情報を読み取れていない場合がある。同様に、1度通行を許可した旅客が媒体を翳し続けていたがその後に媒体情報読み取り部から媒体を外した場合、改札機は、媒体を検知したが媒体情報を読み取れていない場合がある。これらの場合、再度翳された媒体の媒体情報が読み取れていないため、改札機は、通行を許可した媒体と検知した媒体が同じであるか判定できない。そのため、改札機が通行を許可しないため、1度通行を許可した旅客が通行不可となるという問題がある。
【0006】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、2度目に翳された媒体の媒体情報が読み取れていない場合であっても1度目に翳された媒体と同じであると判定して反応しない、すなわち2度読みを防止することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る改札機は、第1の旅客が所持する第1の媒体の第1の媒体情報に基づいて前記第1の旅客の通行を許可した後、第2の旅客が所持する第2の媒体を検知したことを示す媒体検知情報を受信し、前記第2の媒体の第2の媒体情報を読み込めなかったことを示す媒体情報不取得情報を受信する媒体情報取得制御部と、媒体情報不取得情報に基づいて前記第2の旅客についての旅客情報を取得し、前記旅客情報に基づいて前記第2の媒体が前記第1の媒体と同一であるかどうかを判定する通行可否判定部と、を備えるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る改札システムの構成例を示す概念図である。
【
図2】
図2は、改札機を上部から見た場合の構成例を示す概念図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る改札機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態における改札機のソフトウェア構成を、
図3に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図5】
図5は、
図1に示される改札機における旅客の通行認証手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図1に示される改札機における旅客の通行認証手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態における改札機のハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、
図7に示される改札機における旅客の通行認証手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら改札機および改札プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0010】
図1は、実施形態に係る改札システム1の構成例を示す概念図である。
改札システム1は例えば、鉄道またはバス等の交通機関における改札機での入出場の制御を行うためのシステムである。また、改札システム1は、ライブ会場等の入出場等にも適用可能なのは勿論である。
【0011】
図1に示すように、改札システム1は、改札機2、媒体情報読み取り部31、ドア32等を有する。
【0012】
改札機2は、通路を通過(入場または出場)しようとする旅客(利用者)に対して通行を許可するかどうかを制御する。改札機2は、駅等の改札口に1台または複数台設置されていてよい。そして、これらの改札機2はそれぞれ、旅客を通行させる通路を形成する。また、改札機2は、ネットワークを介して有線または無線で中央サーバ等の他の装置と接続可能であってよい。
【0013】
媒体情報読み取り部31は、例えば、旅客が所持する媒体(例えば、ICカード乗車券、2次元コード、バーコード等)を用いて入出場処理を実行する改札機2上に設置される。そして、媒体情報読み取り部31は、旅客の媒体を検知し、媒体に記憶された情報を読み取る。例えば、旅客が2次元コード乗車券を媒体情報読み取り部31に翳した場合、媒体情報読み取り部31は、2次元コードのフレームパターンを検知(媒体を検知)し、その後、2次元コード乗車券の媒体情報を読み取る。また、媒体情報読み取り部31は、媒体から媒体情報を読み取った時刻を示す時刻情報を取得してもよい。
【0014】
ドア32は、改札機2に設置され、旅客の通行を許可しない場合、物理的に旅客の通行を阻止する。
【0015】
図2は、改札機2を上部から見た場合の構成例を示す概念図である。
改札機2は、媒体情報読み取り部31およびドア32に加えて、第1の通行センサ33、第2の通行センサ34および通知部35を備える。
【0016】
第1の通行センサ33および第2の通行センサ34は、例えば改札機2の側面に配置される。そして、第1の通行センサ33は、通路内の区間Aに旅客がいるかどうかを検知可能であり、第2の通行センサ34は、通路内の区間Bに旅客がいるかどうかを検知可能である。また、
図2では、第1の通行センサ33および第2の通行センサ34が1つである例を示しているが、これらはそれぞれ、複数の通行センサを備えてよいのは勿論である。
【0017】
通知部35は、改札機2の上部に配置されるディスプレイ等であってよい。また、通知部35は、スピーカ、ランプ等を備えていてもよい。通知部35は、旅客に通行の可否を知らせるため使用することができる。例えば、旅客の通行を許可する信号を受信した場合、通知部35は、ディスプレイに通行を許可する情報を表示させるようにしてよい。一方、旅客の通行を許可しない信号を受信した場合、通知部35は、スピーカで旅客に対して通行を許可しない旨をアナウンスし、ランプを赤色に点灯させるようにしてよい。
【0018】
図3は、実施形態に係る改札機2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
改札機2は、制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、通信インタフェース24、および入出力インタフェース25を備える。制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、通信インタフェース24、および入出力インタフェース25は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0019】
改札機2は、PC(Personal Computer)などのコンピュータによって各種動作を実現することが可能である。
【0020】
制御部21は、改札機2を制御する。制御部21は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。
【0021】
プログラム記憶部22は、例えば、記憶媒体としてSSD(Solid State Drive)等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なアプリケーション・プログラムを格納する。なお、以後OSと各アプリケーション・プログラムとをまとめてプログラムと称する。
【0022】
データ記憶部23は、例えば、記憶媒体として、SSD等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたものあってよい。
【0023】
通信インタフェース24は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース24は、ネットワークを介して他の装置と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース24は、制御部21の制御の下、他の装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースでよい。
【0024】
入出力インタフェース25は、媒体情報読み取り部31、ドア32、第1の通行センサ33、第2の通行センサ34、通知部35等と接続される。入出力インタフェース25は、媒体情報読み取り部31、ドア32、第1の通行センサ33、第2の通行センサ34、通知部35との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース25は、有線または無線の通信インタフェースを備えてもよい。例えば、改札機2と、媒体情報読み取り部31、ドア32、第1の通行センサ33、第2の通行センサ34、通知部35の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて情報の送受信を行ってもよい。
【0025】
図4は、実施形態における改札機2のソフトウェア構成を、
図3に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
データ記憶部23は、媒体情報記憶部231およびセンサ情報記憶部232を備える。
【0026】
媒体情報記憶部231は、後述する媒体情報取得制御部211が媒体情報読み取り部31で取得した媒体情報を記憶するために使用される。
【0027】
センサ情報記憶部232は、後述するセンサ制御部214が第1の通行センサ33および第2の通行センサ34から取得したセンサ情報を記憶するために使用される。
【0028】
制御部21は、媒体情報取得制御部211、通行可否判定部212、通行制御部213、およびセンサ制御部214を備える。
【0029】
媒体情報取得制御部211は、媒体情報読み取り部31から、媒体を検知したことを示す媒体検知情報を受信する。さらに媒体情報取得制御部211は、媒体情報読み取り部31から媒体情報を受信する。なお、媒体情報取得制御部211は、媒体情報と共に媒体情報を読み取った時刻を示す時刻情報を受信してよい。媒体情報取得制御部211は、受信した媒体情報および時刻情報を媒体情報記憶部231に記憶させる。さらに媒体情報取得制御部211は、通行可否判定部212に受信した媒体情報および時刻情報を出力してよい。また、媒体情報取得制御部211は、媒体情報読み取り部31が媒体情報を読み取れなかったことを示す媒体情報不取得情報を受信する。媒体情報不取得情報を受信した媒体情報取得制御部211は、旅客位置確認信号を後述するセンサ制御部214に出力してよい。
【0030】
通行可否判定部212は、媒体情報に基づいて旅客の通行の可否を判定する。例えば、媒体情報に含まれる媒体発行駅、運賃、発行時間、時刻情報等に基づいて旅客の通行の可否を判定してよい。通行可否判定部212は、判定結果を通行制御部213および媒体情報取得制御部211に出力する。また、媒体情報不取得情報を受信した通行可否判定部212は、旅客についての旅客情報を取得し、旅客情報に基づいて前に翳した媒体と媒体情報を読み取れなかった媒体が同一であるかどうかを判定する。旅客情報は、例えば、旅客の通路内の位置であってよい。なお、具体的な判定方法は、後述する。
【0031】
通行制御部213は、通行可否判定部212から受信した判定結果に基づいてドア32の開閉を制御してよい。さらに通行制御部213は、通知部35に通行の可否についての情報を出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいてディスプレイ等に通行の可否を表示する。
【0032】
センサ制御部214は、第1の通行センサ33および第2の通行センサ34が取得した情報に基づいて旅客が通路の区間Aにいるか、区間Bにいるか、または通路を通行し終えているのか等を判定する。そして、センサ制御部214は、当該情報を通行可否判定部212に出力してよい。
【0033】
(動作)
図5は、
図1に示される改札機2における旅客の通行認証手順の一例を示すフローチャートである。
改札機2の制御部21がプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。例えば、ラッシュ時等の利用者数が多い時間帯、すなわち所定の日時の間、制御部21は、第1のモード(ラッシュ時モード)として動作してよい。以下で説明する動作では、制御部21は、第1のモードで動作しているとする。
【0034】
媒体情報取得制御部211は、第1の媒体検知情報を受信する(ステップST101)。旅客が媒体情報読み取り部31に第1の媒体を翳すと、媒体情報読み取り部31は、第1の媒体を検知する。例えば、第1の媒体が2次元コードであった場合、媒体情報読み取り部31は、2次元コードのファインダパターンを検出し、第1の媒体が媒体情報読み取り部31に翳されたことを検知する。そして、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第1の媒体が検知されたことを示す第1の媒体検知情報を媒体情報取得制御部211に出力する。
【0035】
媒体情報取得制御部211は、第1の媒体情報を受信する(ステップST102)。媒体情報読み取り部31は、第1の媒体を検知した後、第1の媒体に記憶(印刷)された第1の媒体情報を読み取る。媒体情報読み取り部31は、第1の媒体情報を読み取った時刻を示す第1の時刻情報を取得する。そして、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第1の媒体情報および第1の時刻情報を媒体情報取得制御部211に出力する。媒体情報取得制御部211は、受信した第1の媒体情報および第1の時刻情報を媒体情報記憶部231に記憶させる。さらに媒体情報取得制御部211は、第1の媒体情報および第1の時刻情報を通行可否判定部212に出力する。
【0036】
通行可否判定部212は、旅客の通行を許可するかどうかを判定する(ステップST103)。通行可否判定部212は、媒体情報取得制御部211から受信した第1の媒体情報および第1の時刻情報に基づいて旅客の通行の可否を判定する。例えば、通行可否判定部212は、第1の媒体情報に含まれる媒体発行駅、運賃、発行時間、時刻情報等に基づいて旅客の通行の可否を判定してよい。
【0037】
通行可否判定部212は、通行不可を通知する(ステップST104)。旅客の通行を許可できないと判定した場合、通行可否判定部212は、通行不可情報を通行制御部213に通知する。通行不可情報を受信した通行制御部213は、ドア32を閉じる信号をドア32に出力してよい。ドア32は、当該信号に基づいてドア32を閉じることになる。さらに通行制御部213は、通知部35に旅客が通行することができない理由を示す情報を出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいて旅客に対して通行できない理由をディスプレイに表示し、スピーカ等で案内を行ってもよい。
【0038】
通行可否判定部212は、通行許可を通知する(ステップST105)。旅客の通行を許可すると判定した場合、通行可否判定部212は、通行許可情報を媒体情報取得制御部211および通行制御部213に通知する。通行許可情報を受信した媒体情報取得制御部211は、次の旅客が所持する媒体の検知を可能にする次客信号を媒体情報読み取り部31に出力する。媒体情報読み取り部31は、次客信号を受信すると、次の媒体を検知することを可能にする。さらに、通行許可情報を受信した通行制御部213は、ドア32を開ける信号をドア32に出力してよい。さらに、通行制御部213は、通知部35に旅客が通行可能であることを示す情報を出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいて旅客に対して通行ができることを示す情報をディスプレイに表示してよい。
【0039】
媒体情報取得制御部211は、第2の媒体検知情報を受信する(ステップST106)。旅客が媒体情報読み取り部31に第2の媒体を翳すと、媒体情報読み取り部31は、第2の媒体を検知する。例えば、第2の媒体は、第1の媒体と同じであってもよい。或いは、旅客が第1の媒体を媒体情報読み取り部31に翳し続けていた結果、第1の媒体を第2の媒体として検知してもよい。なお、次の旅客が第1の媒体と異なる第2の媒体を媒体情報読み取り部31に翳してもよいのは勿論である。そして、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第2の媒体が検知されたことを示す第2の媒体検知情報を媒体情報取得制御部211に出力する。
【0040】
媒体情報取得制御部211は、第2の媒体情報不取得情報を受信する(ステップST107)。媒体情報読み取り部31が第2の媒体から第2の媒体情報を読み取る前に旅客が第2の媒体を媒体情報読み取り部31から外してしまった場合、媒体情報読み取り部31は、第2の媒体情報を読み取ることができない。そこで、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第2の媒体情報が読み取ることができなかったことを示す第2の媒体情報不取得情報および第2の媒体情報を取得できなかった時刻を示す第2の時刻情報を媒体情報取得制御部211に出力する。
【0041】
第2の媒体情報不取得情報を受信した媒体情報取得制御部211は、直近に取得した媒体情報である第1の媒体情報および第1の時刻情報を媒体情報記憶部231から取得する。そして、媒体情報取得制御部211は、第1の時刻情報が示す第1の時刻から第2の時刻情報が示す第2の時刻までの間の時間における旅客の位置を確認するための旅客位置確認信号をセンサ制御部214に出力する。
【0042】
センサ制御部214は、旅客の位置を判定する(ステップST108)。旅客位置確認信号を受信したセンサ制御部214は、第1の時刻から第2の時刻において、改札機2の通路内のいずれに第2の旅客がいるかを判定する。すなわち、センサ制御部214は、第2の媒体情報不取得情報に基づいて第2の旅客の位置を判定する。例えば、センサ制御部214は、第1の通行センサ33および第2の通行センサ34それぞれから取得した情報に基づいて旅客の位置を判定する。そして、センサ制御部214は、判定した旅客の位置を示す旅客位置情報を通行可否判定部212に出力する。
【0043】
通行可否判定部212は、第1の媒体と第2の媒体が同じであるかどうかを判定する(ステップST109)。通行可否判定部212は、第2の旅客についての旅客情報である旅客位置情報に基づいて、第2の媒体が第1の媒体と同一であるかどうかを判定する。例えば、旅客位置情報が第1の時刻から第2の時刻まで旅客が所定の領域である区間Aに留まっていることを示す場合、通行可否判定部212は、第2の媒体が第1の媒体と同一であると判定する。すなわち、通行可否判定部212は、第1の媒体を翳した第1の旅客と第2の媒体を翳した第2の旅客が同一であると判定する。この場合、処理は、ステップST110に進む。一方、旅客位置情報が上記の条件以外、例えば、第1の旅客が区間Bにいることを示すまたは区間Bを通り過ぎている場合、通行可否判定部212は、第1の媒体を媒体情報読み取り部31に翳した旅客と第2の媒体を媒体情報読み取り部31に翳した旅客が異なると判定する。この場合、処理は、ステップST111に進む。
【0044】
通行可否判定部212は、同一媒体情報を通知する(ステップST110)。第1の媒体と第2の媒体が同一であると判定した場合、通行可否判定部212は、同一媒体情報を媒体情報取得制御部211および通行制御部213に通知する。同一媒体情報を受信した媒体情報取得制御部211は、次の旅客が所持する媒体の検知を可能にする次客信号を媒体情報読み取り部31に出力する。媒体情報読み取り部31は、次客信号を受信すると、次の媒体を検知することを可能にする。また、センサ制御部214は、第1の旅客の位置を判定し、第1の旅客が区間Bを通り過ぎたことを示す通過信号を通行可否判定部212に出力してよい。そして、通行可否判定部212は、当該通過信号を受信するまで通行制御部213にドア32を開け続けるための指示を出力してよい。通行制御部213は、当該指示に応じてドア32を開け、第1の旅客の通過を待つことになる。
【0045】
通行可否判定部212は、通行不可を通知する(ステップST111)。第1の媒体と第2の媒体が同一ではない、すなわち、第1の旅客と第2の旅客が同一ではないと判定した場合、通行可否判定部212は、第2の旅客の通行を許可しないことを示す通行不可情報を通行制御部213に通知する。
【0046】
通行不可情報を受信した通行可否判定部212は、センサ制御部214から第1の旅客の位置についての情報を受信する。そして、第1の旅客の位置が区間Bを通過していないことを示す場合、通行可否判定部212は、ドア32を開け続けるが第2の旅客の通行を許可しない指示を通行制御部213に出力してよい。通行制御部213は、ドア32を開け続けるように制御する一方、第2の旅客が通行することができない情報を通知部35に出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいて旅客に対して通行できない理由をディスプレイに表示し、スピーカ等で案内を行ってもよい。
【0047】
一方、第1の旅客の位置が区間Bを通過していることを示す場合、ドア32を閉じる信号をドア32に出力してよい。通行可否判定部212は、ドア32を閉め、且つ第2の旅客の通行を許可しない指示を通行制御部213に出力してよい。通行制御部213は、ドア32を閉めるように制御し、第2の旅客が通行することができない情報を通知部35に出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいて旅客に対して通行できない理由をディスプレイに表示し、スピーカ等で案内を行ってもよい。
【0048】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、通行を許可した第1の旅客が媒体情報読み取り部31に再度媒体を翳して外したまたは媒体を翳し続けていたが外した場合であり、且つ再度翳した媒体の媒体情報を読み取れない場合であっても、改札機2の制御部21は、旅客についての旅客情報(旅客位置)に基づいて再度翳した媒体が同一の媒体(同一の旅客)であると判定することができる。すなわち、改札機2は、同一媒体の2度読みを防止することができる。これにより、改札機2は、旅客に媒体を再度翳してもらう必要なく、通行を許可することができる。
【0049】
[第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態に係る構成は、
図1~
図4を参照して説明した第1の実施形態と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0050】
(動作)
図6は、
図1に示される改札機2における旅客の通行認証手順の一例を示すフローチャートである。
改札機2の制御部21がプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。例えば、通常時のような利用者数がラッシュ時等と比較して少ない時間帯、すなわち、第1の実施形態で説明した所定の日時以外の時間帯の間、制御部21は、第2のモード(通常時モード)として動作してよい。以下で説明する動作では、制御部21は、第2のモードで動作しているとする。すなわち、制御部21、日時(ラッシュ時とそうではない時間)に応じて第1のモードと第2のモードを切り替えることが可能であってよい。
【0051】
ここで、ステップST201~ステップST206は、
図4を参照して説明したステップST101~ステップST106と同じであるため、これらのステップにおける説明を省略する。
【0052】
媒体情報取得制御部211は、第2の媒体情報不取得情報を受信する(ステップST207)。媒体情報読み取り部31が第2の媒体から第2の媒体情報を読み取る前に旅客が第2の媒体を媒体情報読み取り部31から外してしまった場合、媒体情報読み取り部31は、第2の媒体情報を読み取ることができない。そこで、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第2の媒体情報が読み取ることができなかったことを示す第2の媒体情報不取得情報および第2の媒体情報を取得できなかった時刻を示す第2の時刻情報を媒体情報取得制御部211に出力する。そして、媒体情報取得制御部211は、受信した第2の媒体情報不取得情報を通行可否判定部212に出力する。
【0053】
通行可否判定部212は、通行不可を通知する(ステップST208)。媒体情報不取得情報を受信した通行可否判定部212は、通行不可情報を通行制御部213に通知する。通行不可情報を受信した通行制御部213は、ドア32を閉じる信号をドア32に出力してよい。ドア32は、当該信号に基づいてドア32を閉じることになる。さらに通行制御部213は、通知部35に旅客が通行することができない理由を示す情報を出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいて旅客に対して通行できない理由をディスプレイに表示し、スピーカ等で案内を行ってもよい。
【0054】
第2の実施形態のように制御部21が第2のモードで動作している場合、旅客の媒体を検知したが媒体情報を読み込めない場合、改札機2の制御部21は、旅客の通行を許可しない。この場合、第2の旅客は、再度媒体を媒体情報読み取り部31に翳すことになる。
【0055】
媒体情報読み取り部31は、第2の媒体情報検知情報を受信する(ステップST209)。旅客が媒体情報読み取り部31に第2の媒体を翳すと、媒体情報読み取り部31は、第2の媒体を検知する。例えば、第2の媒体は、第1の媒体と同じであってもよいし異なってもよい。そして、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第2の媒体が検知されたことを示す第2の媒体検知情報を媒体情報取得制御部211に出力する。
【0056】
媒体情報取得制御部211は、第2の媒体情報を受信する(ステップST210)。媒体情報読み取り部31は、第2の媒体を検知した後、第2の媒体に記憶(印刷)された第2の媒体情報を読み取る。媒体情報読み取り部31は、第2の媒体情報を読み取った時刻を示す第3の時刻情報を取得する。そして、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第2の媒体情報および第2の時刻情報を媒体情報取得制御部211に出力する。媒体情報取得制御部211は、第2の媒体情報の直前に受信した第1の媒体情報および第1の時刻情報を媒体情報記憶部231から取得する。そして、媒体情報取得制御部211は、第1の媒体情報、第1の時刻情報、第2の媒体情報、および第3の時刻情報を通行可否判定部212に出力する。
【0057】
通行可否判定部212は、旅客の通行を許可するかどうかを判定する(ステップST211)。通行可否判定部212は、媒体情報取得制御部211から受信した第1の媒体情報、第1の時刻情報、第2の媒体情報、第2の時刻情報に基づいて旅客の通行の可否を判定する。例えば、第1の媒体情報と第2の媒体情報が同じであり、且つ第1の時刻情報と第3の時刻情報との間の時間差が所定の時間以内である場合、通行可否判定部212は、旅客が第1の媒体を再度翳したと判定し、通行を許可する。また、第1の媒体情報と第2の媒体情報が異なる場合、通行可否判定部212は、第1の旅客と異なる旅客が第2の媒体を媒体情報読み取り部31に翳したとして、第2の媒体情報に基づいて通行の可否を判定してよい。
【0058】
通行可否判定部212は、通行不可を通知する(ステップST212)。旅客の通行を許可できないと判定した場合、通行可否判定部212は、通行不可情報を通行制御部213に通知する。通行不可情報を受信した通行制御部213は、ドア32を閉じる信号をドア32に出力してよい。ドア32は、当該信号に基づいてドア32を閉じることになる。さらに通行制御部213は、通知部35に旅客が通行することができない理由を示す情報を出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいて旅客に対して通行できない理由をディスプレイに表示し、スピーカ等で案内を行ってもよい。
【0059】
通行可否判定部212は、通行許可を通知する(ステップST213)。旅客の通行を許可すると判定した場合、通行可否判定部212は、通行許可情報を媒体情報取得制御部211および通行制御部213に通知する。例えば、第1の媒体と第2の媒体が同じであり、且つ第1の時刻と第2の時刻との差が所定の時間であった場合、通行可否判定部212は、通行許可を媒体情報取得制御部211および通行制御部213に通知する。通行許可情報を受信した媒体情報取得制御部211は、次の旅客が所持する媒体の検知を可能にする次客信号を媒体情報読み取り部31に出力する。媒体情報読み取り部31は、次客信号を受信すると、次の媒体を検知することを可能にする。さらに、通行許可情報を受信した通行制御部213は、ドア32を開ける信号をドア32に出力してよい。
【0060】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、通行を許可した第1の旅客が媒体情報読み取り部31に再度媒体を翳して外したまたは媒体を翳し続けていたが外した場合であり、且つ再度翳した媒体の媒体情報を読み取れない場合、再度媒体を翳すように要求する。このように再度媒体情報を読込むことでより確実に第1の旅客と再度媒体を翳した旅客が同一であること判定することができる。
【0061】
[第3の実施形態]
(構成)
図7は、実施形態における改札機2のハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
第3の実施形態の改札機2のハードウェア構成は、カメラ36を備える点で第1の実施形態と異なる。また、第3の実施形態のソフトウェア構成は、制御部21が顔データ取得部215を備え、データ記憶部23が顔データ記憶部233を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0062】
カメラ36は、通路内を通過する旅客の顔が撮影可能になるような撮影範囲を確保できるように設置される。そのため、カメラ36は、改札機2上に設置されていてもよいし、改札機2とは別の場所に設置されていてもよい。ここで、
図7に示す例では、カメラ36は、改札機2に配置される例を示している。また、カメラ36は、改札機2が起動、すなわち、制御部21が旅客を通行させるかどうか判断が可能な状態になると、撮影を開始する。カメラ36は、入出力インタフェース25を通じて、後述する顔データ取得部215に出力する。
【0063】
顔データ取得部215は、カメラ36から受信した撮影画像に基づいて顔データを取得する。また、顔データ取得部215は、取得した顔データを後述する顔データ記憶部233に記憶させてよい。さらに顔データ取得部215は、通行可否判定部212に取得した顔データを出力してよい。
【0064】
通行可否判定部212は、受信した顔データおよび顔データ記憶部233に記憶されたデータに基づいて顔認証を行ってよい。例えば、通行可否判定部212は、顔データ取得部215から受信した顔データが顔データ記憶部233に記憶されているかどうかを判定する。
【0065】
顔データ記憶部233は、改札機2を利用する旅客の顔データを記憶している。例えば、顔データ取得部215から受信した顔データを記憶してよい。さらに顔データ記憶部233は、事前に登録された顔データを記憶してもよい。例えば、制御部21は、券売機に設置されたカメラによって撮影された顔画像から顔データを取得し、顔データ記憶部233に記憶させる。或いは、制御部21は、通信インタフェース24を通じて、旅客が持つ携帯端末等で利用者自身の顔を撮影した顔画像を受信し、取得した顔画像に基づいて顔データを取得し、顔データ記憶部233に記憶させてもよい。
【0066】
(動作)
図8は、
図7に示される改札機2における旅客の通行認証手順の一例を示すフローチャートである。
改札機2の制御部21がプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。なお、制御部21は、第1のモードまたは第2のモードのいずれであってもよい。
【0067】
ステップST301は、
図5を参照して説明したステップST101と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0068】
媒体情報取得制御部211は、第1の媒体情報を受信する(ステップST302)。媒体情報取得制御部211、媒体情報読み取り部31が行う動作は、以下に記載する事項を除いて
図5を参照して説明したステップST102と同じであるためここでの説明を省略する。媒体情報取得制御部211は、媒体情報を受信したことを示す信号を顔データ取得部215に出力してよい。
【0069】
媒体情報を受信したことを示す信号を受信した顔データ取得部215は、カメラ36からの撮影画像に基づいて第1の旅客を検知し、第1の旅客の顔データを取得してよい。そして、顔データ取得部215は、取得した第1の顔データを顔データ記憶部233に記憶させてよい。なお、顔データ取得部215は、第1の顔データと第1の媒体情報とを関連付けて顔データ記憶部233に記憶させてもよい。
【0070】
ステップST303~ステップST306は、
図5を参照して説明したステップST103~ステップST106と同じであるためここでの説明を省略する。
【0071】
媒体情報取得制御部211は、第2の媒体情報不取得情報を受信する(ステップST307)。媒体情報読み取り部31が第2の媒体から第2の媒体情報を読み取る前に旅客が第2の媒体を媒体情報読み取り部31から外してしまった場合、媒体情報読み取り部31は、第2の媒体情報を読み取ることができない。そこで、媒体情報読み取り部31は、入出力インタフェース25を通じて、第2の媒体情報が読み取ることができなかったことを示す第2の媒体情報不取得情報および第2の媒体情報を取得できなかった時刻を示す第2の時刻情報を媒体情報取得制御部211に出力する。
【0072】
第2の媒体情報不取得情報を受信した媒体情報取得制御部211は、直近に取得した媒体情報である第1の媒体情報および第1の時刻情報を媒体情報記憶部231から取得する。そして、媒体情報取得制御部211は、第1の媒体情報、第1の時刻情報、および第2の時刻情報を通行可否判定部212に出力する。さらに媒体情報取得制御部211は、第2の旅客の顔データを取得する指示を顔データ取得部215に出力する。
【0073】
顔データ取得部215は、第2の旅客の顔データを取得する(ステップST308)。媒体情報取得制御部211からの指示を受信した顔データ取得部215は、カメラ36からの撮影画像に基づいて第2の旅客を検知し、第2の旅客の顔データを取得する。そして、顔データ取得部215は、第2の顔データを通行可否判定部212に出力する。
【0074】
通行可否判定部212は、第2の旅客の顔データを認証可能かどうか判定する(ステップST309)。通行可否判定部212は、第2の顔データが第1の顔データに対応するかどうかを判定する。すなわち、通行可否判定部212は、第2の顔データの顔認証を実行する。例えば、通行可否判定部212は、第2の顔データに対応するデータが顔データ記憶部233に記憶されているかどうかを判定する。第2の顔データに対応する顔データが顔データ記憶部233に記憶されている、すなわち、第2の顔データが認証可能であると判定した場合、通行可否判定部212は、第1の媒体と第2の媒体が同じであると判定する。その後、処理は、ステップST310に進む。一方、第2の旅客の顔データが認証できない場合、通行可否判定部212は、第1の媒体と第2の媒体は同じでないと判定する。その後、処理は、ステップST311に進む。
【0075】
通行可否判定部212は、同一媒体情報を通知する(ステップST110)。第2の顔データが認証可能である、すなわち、第1の媒体と第2の媒体が同一であると判定した場合、通行可否判定部212は、同一媒体情報を媒体情報取得制御部211および通行制御部213に通知する。同一媒体情報を受信した媒体情報取得制御部211は、次の旅客が所持する媒体の検知を可能にする次客信号を媒体情報読み取り部31に出力する。媒体情報読み取り部31は、次客信号を受信すると、次の媒体を検知することを可能にする。さらに、同一媒体情報を受信した通行制御部213は、ドア32を開け続ける信号をドア32に出力してよい。
【0076】
通行可否判定部212は、通行不可を通知する(ステップST111)。第2のデータが認証可能でない、すなわち第1の媒体と第2の媒体が同一ではないと判定した場合、通行可否判定部212は、通行不可情報を通行制御部213に通知する。通行不可情報を受信した通行制御部213は、ドア32を閉じる信号をドア32に出力してよい。ドア32は、当該信号に基づいてドア32を閉じることになる。さらに通行制御部213は、通知部35に旅客が通行することができない理由を示す情報を出力してよい。通知部35は、当該情報に基づいて旅客に対して通行できない理由をディスプレイに表示し、スピーカ等で案内を行ってもよい。
【0077】
(第3の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、通行を許可した第1の旅客が媒体情報読み取り部31に再度媒体を翳して外したまたは媒体を翳し続けていたが外した場合であり、且つ再度翳した媒体の媒体情報を読み取れない場合であっても、改札機2の制御部21は、旅客についての旅客情報(顔認証)に基づいて再度翳した媒体が同一の媒体であると判定することができる。すなわち、改札機2は、同一媒体の2度読みを防止することができる。これにより、改札機2は、旅客に媒体を再度翳してもらう必要なく、通行を許可することができる。
【0078】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態および第3の実施形態を組み合わせてもよい。制御部21は、旅客の通路内での位置および旅客の顔データに基づいて旅客が同一であるかどうかを判定してよい。
【0079】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良く、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0080】
1…改札システム
2…改札機
21…制御部
211…媒体情報取得制御部
212…通行可否判定部
213…通行制御部
214…センサ制御部
215…顔データ取得部
22…プログラム記憶部
23…データ記憶部
231…媒体情報記憶部
232…センサ情報記憶部
233…顔データ記憶部
24…通信インタフェース
25…入出力インタフェース
31…媒体情報読み取り部
32…ドア
33…第1の通行センサ
34…第2の通行センサ
35…通知部
36…カメラ