(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134055
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/20 20060101AFI20230920BHJP
E03C 1/042 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
A47K3/20
E03C1/042 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039390
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】井上 賢治
(72)【発明者】
【氏名】川上 将
(72)【発明者】
【氏名】松下 圭太
【テーマコード(参考)】
2D060
2D132
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BE04
2D132FA02
2D132FB02
2D132FC01
2D132FD04
2D132FG01
2D132FJ16
2D132FJ17
2D132FK02
2D132FK04
(57)【要約】
【課題】意図した吐水状態を達成し易くする。
【解決手段】吐水装置1Aは、ボディ28と、ボディ28の内側に形成される流路90と、を有する。流路90は、上流側から順に、湯水Wが流れ込む貯留室91と、貯留室91よりも流路断面積が小さい絞り流路92と、湯水Wを浴槽に向けて吐出する吐出口93と、を有する。ボディ28は、1以上の上流部材30,40と1以上の下流部材50とに分割形成されている。1以上の上流部材30,40は、少なくとも貯留室91の一部の壁部を構成する。1以上の下流部材50は、少なくとも吐出口93の全壁部を構成する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディと、前記ボディの内側に形成される流路と、を有し、
前記流路は、上流側から順に、湯水が流れ込む貯留室と、前記貯留室よりも流路断面積が小さい絞り流路と、湯水を浴槽に向けて吐出する吐出口と、を有し、
前記ボディは、1以上の上流部材と1以上の下流部材とに分割形成されており、
前記1以上の上流部材は、少なくとも前記貯留室の一部の壁部を構成し、
前記1以上の下流部材は、少なくとも前記吐出口の全壁部を構成する、
吐水装置。
【請求項2】
前記ボディは、前記1以上の上流部材と1の下流部材とに分割形成されており、
前記1の下流部材は、少なくとも前記吐出口の全壁部を構成する、
請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記1の下流部材は、さらに前記絞り流路の全壁部を構成する、請求項2に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記1の下流部材は、さらに前記貯留室の一部の壁部を構成する、請求項3に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記ボディは、複数の前記上流部材と前記1以上の下流部材とに分割形成されており、
各前記上流部材が、前記貯留室の一部ずつの壁部を構成する、請求項1~4のいずれか1つに記載の吐水装置。
【請求項6】
前記ボディは、1の前記上流部材と前記1以上の下流部材とに分割形成されており、
1の前記上流部材が、前記ボディにおける前記下流部材以外の全部分を構成する、請求項1~4のいずれか1つに記載の吐水装置。
【請求項7】
前記ボディは、1の前記上流部材と1の前記下流部材との2部材に分割形成されており、
前記2部材が、前記貯留室と前記絞り流路と前記吐出口との全壁部を構成する、請求項6に記載の吐水装置。
【請求項8】
前記貯留室に湯水を供給する給水管が接続されるベースプレートに、前記上流部材が一体形成されている、請求項1~7のいずれか1つに記載の吐水装置。
【請求項9】
前記浴槽に、前記上流部材が一体形成されている、請求項1~8のいずれか1つに記載の吐水装置。
【請求項10】
前記貯留室と前記絞り流路と前記吐出口とのそれぞれが、湯水の流れ方向に直交する水平方向としての横方向に延在している、請求項1~9のいずれか1つに記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽の上縁部に吐水装置を設け、吐水装置から入浴者に向けて湯水を吐出する技術が知られている。吐水装置の流路は、上流側から順に、湯水が流れ込む貯留室と、貯留室よりも流路断面積が小さい絞り流路と、湯水を吐出する吐出口と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示者らは、吐水装置のボディを、貯留室、絞り流路および吐出口の一部ずつの壁部を構成する第1の部材と、貯留室、絞り流路および吐出口の残りの壁部を構成する第2の部材と、に分割形成することを考えた。この場合、2部材のみで、貯留室、絞り流路および吐出口を効率的に形成できる。しかしながら、この場合、第1の部材に対する第2の部材の取り付け次第で、吐出口の寸法や形状が変わってしまい、意図した吐水状態を達成できないおそれがある点に、本開示者らは着目した。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、意図した吐水状態を達成し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
ボディと、前記ボディの内側に形成される流路と、を有し、
前記流路は、上流側から順に、湯水が流れ込む貯留室と、前記貯留室よりも流路断面積が小さい絞り流路と、湯水を浴槽に向けて吐出する吐出口と、を有し、
前記ボディは、1以上の上流部材と1以上の下流部材とに分割形成されており、
前記1以上の上流部材は、少なくとも前記貯留室の一部の壁部を構成し、
前記1以上の下流部材は、少なくとも前記吐出口の全壁部を構成する、
吐水装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の吐水装置および浴槽の斜視図である。
【
図21】第8実施形態の吐水装置の側面断面図である。
【
図22】第9実施形態の吐水装置の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱ない範囲内で適宜変更して実施できる。
【0009】
[第1実施形態]
図1に示すように、浴槽200は、上側から見た平面視において、長方形状の形状をしている。吐水装置1Aは、浴槽200における短辺を構成する部分の上縁部210の上に取り付けられるボディ28と、ボディ28の内側に形成される流路90とを有する。以下、流路90における湯水Wの流れ方向に直交する水平方向を「横方向」といい、横方向に延在する形状を「横長」という。
【0010】
吐水装置1Aは、横長の扁平であり、流路90の下流側の端部は、横長の吐出口93を構成している。吐出口93からは、浴槽200に向けて、具体的には、入浴者の肩に向けて、湯水Wが横長の膜状に吐出される。
【0011】
図2に示すように、浴槽200と吐水装置1Aとの間には、浴槽200の湯水Wを吐水装置1Aに供給するための給水系300が設けられている。給水系300は、上流側から順に、吸入口301と第1給水管302とポンプ303と第2給水管304とを有する。吸入口301は、浴槽200の下部の内側面に設けられている。第1給水管302は、吸入口301とポンプ303とを接続している。第2給水管304は、ポンプ303と吐水装置1Aとを接続している。ポンプ303は、浴槽200の湯水Wを、第1給水管302を通して吸引して、第2給水管304を通して吐水装置1Aに圧送する。
【0012】
図3に示すように、吐水装置1Aのボディ28は、横長の第1上流部材30と、横長の第2上流部材40と、横長の下流部材50とに、分割形成されている。
【0013】
図4に示すように、第1上流部材30は、下方に突出する筒状の導入部31を有する。本実施形態では、導入部31は2つであるが、1つであっても、3つ以上であってもよい。筒状の各導入部31の内側は、導入孔90hを構成している。第2給水管304の下流側部分は、2つに分岐しており、各下流側部分の端部は、円筒状の接続部材10を介して導入部31に接続される。これにより、各導入孔90hに、給水系300が接続される。
【0014】
第2上流部材40には、横長の照明装置60と、横長の照明カバー70と、が取り付けられる。第2上流部材40は、上流部材30に対して、上から組み合わされると共に、螺子等により結合される。
【0015】
第1上流部材30と第2上流部材40との間には、横長の貯留室91と横長の絞り流路92とが形成される。貯留室91の底面には、導入孔90hが連通している。第1上流部材30には、前述の螺子を通すための支柱34が、貯留室91内を通過する形で突設されている。貯留室91における浴槽200側の側面には、絞り流路92が連通している。絞り流路92は、貯留室91よりも流路断面積が小さい。
【0016】
以下、第1上流部材30および第2上流部材40を、まとめて「上流部材30,40」という。下流部材50は、上流部材30,40に対して、浴槽200側から組み合わされると共に螺子等により結合される。下流部材50には、絞り流路92に連通する吐出口93が、横長の貫通孔状に形成されている。
【0017】
本実施形態では、下流部材50は、吐出口93が一体形成された樹脂等の成型品であるが、それ以外であってもよい。具体的には、例えば、吐出口93を有しない板状の部材に、吐出口93を切削することにより、吐出口93を有する下流部材50が形成してもよい。また例えば、複数の分割体を溶着することにより、吐出口93を有する下流部材50を形成してもよい。また例えば、下流部材50の材質は、金属等であってもよい。これらと同様に、第1上流部材30および第2上流部材40についても、樹脂等の成型品であってもよいし、それ以外であってもよい。
【0018】
図5に示すように、流路90は、上流側から順に、導入孔90hと貯留室91と絞り流路92と吐出口93とを有する。以下、絞り流路92および吐出口93における流れ方向を「前」といい、前を向いた状態における左側、右側、後側を、それぞれ「左」「右」「後」という。
【0019】
本実施形態では、上流部材30,40が、導入孔90hの全壁部と、貯留室91の全壁部と、絞り流路92の全壁部と、を構成している。
【0020】
「導入孔90hの全壁部」とは、導入孔90hの流れ方向全区間における流れ方向回りの内周面全周である。つまり、導入孔90hの流れ方向は、上方であるため、「導入孔90hの全壁部」とは、導入孔90hの上下方向全区間における上下方向回りの内周面全周である。
【0021】
「貯留室91の全壁部」とは、貯留室91の底面、天井面、左内側面、右内側面、前側内側面、後側内側面の全てである。
【0022】
「絞り流路92の全壁部」とは、絞り流路92の流れ方向全区間における流れ方向回りの内周面全周である。つまり、絞り流路92の流れ方向は、前方であるため、「絞り流路92の全壁部」とは、絞り流路92の底面、左内側面、天井面、右内側面の全てである。
【0023】
上流部材30,40のうちの第1上流部材30は、導入孔90hの全壁部と、貯留室91の下部の壁部と、絞り流路92の下部の壁部と、を構成している。第2上流部材40は、貯留室91の上部の壁部と、絞り流路92の上部の壁部と、を構成している。例えば、「貯留室91の下部の壁部」は、貯留室91の底面の全部と、貯留室91の左内側面、右内側面、前側内側面、後側内側面のそれぞれの下部とからなる。
【0024】
下流部材50は、吐出口93の全壁部を構成している。「吐出口93の全壁部」とは、吐出口93の流れ方向全区間における流れ方向回りの内周面全周である。つまり、吐出口93の流れ方向は、前方であるため、「吐出口93の全壁部」とは、吐出口93の底面、左内側面、天井面、右内側面の全てである。なお、吐出口93の流れ方向の大きさは、任意である。そのため、少なくとも流路90の下流側の端の開口の全周を含んでいれば、「吐出口93の全壁部」との条件を満たすことができる。
【0025】
給水系300から導入孔90hに湯水Wが供給されると、当該湯水Wは、導入孔90hから横長の貯留室91に流入して横方向に広がる。その後、当該湯水Wは、横長の絞り流路92を通過して、横長の吐出口93から横長の膜状に吐出される。
【0026】
図6に示すように、第1上流部材30と第2上流部材40との間には、止水用のパッキンPが設けられている。これと同様に、上流部材30,40と下流部材50との間にも、図示略の止水用のパッキンが設けられている。照明装置60は、吐出口93から吐出される湯水Wを照らす。
【0027】
浴槽200の上縁部には、上下方向に貫通する貫通孔211が設けられている。貫通孔211には、接続部材10が挿入されている。接続部材10の外周面には雄螺子10aが設けられており、雄螺子10aにナット11が下から螺合することにより、浴槽200の上縁部210に対して、吐水装置1Aが取り付けられる。
【0028】
以下に、本実施形態の構成および効果をまとめる。
【0029】
ボディ28が、上流部材30,40と下流部材50とに分割形成されており、下流部材50が、吐出口93の全壁部を構成する。そのため、上流部材30,40から独立して、下流部材50のみで吐出口93の寸法を調整できる。そのため、吐出口93の寸法を調整し易く、意図した吐水状態を達成し易い。
【0030】
下流部材50が1つであり、当該1の下流部材50が、吐出口93の全壁部を構成している。そのため、複数の下流部材50が共働で、吐出口93の全壁部を構成する場合と違い、1の下流部材に対する他の下流部材の取り付け次第で吐出口93の寸法や形状が変わってしまう心配がない。そのため、当該1の下流部材50の製造時に、吐出口93の寸法を正しく調整しておけば、吐水装置1Aの組み立て時や、浴槽200に対する吐水装置1Aの取り付け時等に、吐出口93の寸法や形状がずれてしまう心配がない。
【0031】
上流部材30,40が複数あり、各上流部材30,40が、貯留室91の一部ずつの壁部を構成している。そのため、1の上流部材が貯留室91の全壁部を構成する場合に比べて、上流部材30,40を成形し易い。
【0032】
貯留室91と絞り流路92と吐出口93とのそれぞれが、横方向に延在している。そのため、膜状の湯水Wを効率的に形成できる。
【0033】
以下、他の実施形態について説明する。以下の実施形態については、指定する実施形態をベースにこれと異なる点を中心に説明し、当該指定の実施形態と同一又は類似の点については、適宜説明を省略する。
【0034】
[第2実施形態]
第2実施形態の吐水装置1Bについて、第1実施形態をベースに説明する。
図7,
図8に示すように、本実施形態では、絞り流路92の壁部を構成する部分が、上流部材30,40ではなく、下流部材50に属している。そのため、下流部材50は、吐出口93の全壁部に加えて、絞り流路92の全壁部を構成している。
【0035】
本実施形態は、例えば、上流部材30,40よりも下流部材50の方が絞り流路92を一体成形し易い場合や、上流部材30,40と下流部材50との分割面を、貯留室91と絞り流路92との間に設定したい場合等に、好適に採用できる。
【0036】
[第3実施形態]
第3実施形態の吐水装置1Cについて、1つ前の第2実施形態をベースに説明する。
図9,
図10に示すように、本実施形態では、第2実施形態でいう第1上流部材30と第2上流部材40とが、一の上流部材29に統合されると共に、第2実施形態でいう第2上流部材40の一部が、下流部材50に属している。具体的には、貯留室91の下流側部分の天井壁が、下流部材50に属している。そのため、下流部材50は、吐出口93および絞り流路92の全壁部に加えて、貯留室91の一部の壁部を構成している。
【0037】
以上のことから、本実施形態では、ボディ28は、1の上流部材29と1の下流部材50との2部材に分割形成されており、当該2部材が、貯留室91と絞り流路92と吐出口93との全壁部を構成している。
【0038】
本実施形態によれば、上流部材29が1つであり、1の上流部材29が、ボディ28における下流部材50以外の全部分を構成している。そのため、上流部材29が2つである場合に比べて、吐水装置1Cの部品点数を削減できると共に、第1上流部材30と第2上流部材40とを螺子等で結合する必要性をなくして、
図4に示す支柱34を省略できる。そのため、上流部材29の構成をシンプルにできる。
【0039】
このように上流部材29が1つであっても、下流部材50が貯留室91の一部の壁部を構成するため、上流部材29の成形が極端に困難になることはない。
【0040】
ボディ28が、1の上流部材29と1の下流部材50との2部材に分割形成されているため、3部材以上に分割形成されている場合に比べて、吐水装置1Cの部品点数を削減することができる。
【0041】
[第4実施形態]
第4実施形態の吐水装置2Aについて、最初の第1実施形態をベースに説明する。
図11,
図12に示すように、本実施形態では、導入部31が1つである。ただし、これに代えて、2つ以上にしてもよい。吐水装置2Aは、横長のベースプレート20と、横長の整流こま35とを有する。
【0042】
ベースプレート20は、浴槽200の上縁部210と第1上流部材30との間に介装される。詳しくは、ベースプレート20は、第1上流部材30の導入部31に外嵌される筒状のベース突起21を有し、ベース突起21に、接続部材10を介して第2給水管304の下流側の端部が接続される。これにより、導入孔90hに、ベースプレート20および接続部材10を介して、給水系300が接続される。
【0043】
整流こま35は、貯留室91に設置される。以下、貯留室91における整流こま35よりも下方に位置する部分を、「貯留室91の下室」といい、貯留室91における整流こま35よりも上方に位置する部分を、「貯留室91の上室」という。整流こま35は、上下方向に貫通する整流孔36を横方向に並べて有する。
【0044】
図13,
図14に示すように、貯留室91の下室には、導入孔90hが連通しており、貯留室91の上室には、絞り流路92が連通している。導入孔90hから貯留室91の下室に供給された湯水Wは、横方向に広がりつつ、横方向に並設されている整流孔36を通過することにより、整流されつつ貯留室91の上室に供給される。これにより、本実施形態では、湯水Wが均等に横方向に行き渡り易くなる。
【0045】
[第5実施形態]
第5実施形態の吐水装置2Bについて、1つ前の第4実施形態をベースに説明する。第2実施形態の場合と同様、
図15,
図16に示すように、下流部材50が、さらに絞り流路92の全壁部を構成している。
【0046】
本実施形態によれば、湯水Wが横方向に行き渡り易くなる等の第4実施形態の構成および効果に加えて、下流部材50が吐出口93および絞り流路92の全壁部を構成する等の第2実施形態の構成および効果を実現できる。
【0047】
[第6実施形態]
第6実施形態の吐水装置2Cについて、1つ前の第5実施形態をベースに説明する。第3実施形態の場合と同様、
図17,
図18に示すように、上流部材29が1つ統合されると共に、下流部材50が、さらに貯留室91の一部の壁部を構成している。
【0048】
本実施形態によれば、湯水Wが横方向に行き渡り易くなる等の第4実施形態の構成および効果に加えて、上流部材29を1つにできる等の第3実施形態の構成および効果を実現できる。
【0049】
[第7実施形態]
第7実施形態の吐水装置3Aについて、3つ前の第4実施形態をベースに説明する。
図19に示すように、吐水装置3Aは、2つの首湯部材80を左右方向に並べて有する。各首湯部材80は、内側に第2流路89を有すると共に、下方に突出する筒状の第2導入部を有する。第2導入部の内側は、第2流路89の上流側部分を構成している。第2給水管304の下流側部分は3つに分岐しており、そのうちの2つは、第2接続部材18を介して、第2導入部に接続される。これにより、各第2流路89に給水系300が接続される。第2流路89の下流側の端部は、第2吐出口を構成している。第2導入部に湯水が供給されると、第2吐出口から入浴者の首元に向けて湯水Wが吐出される。
【0050】
図20に示すように、本実施形態では、整流こま35が、湯水Wを貯留室91の上室における上部まで導くように構成されている。これにより、湯水Wは、上室の上部にまで一端に導かれてから、上室の下部に戻るように構成されている。それにより、流路90を長くして整流性能を向上させると共に、流路90と第2流路89との干渉を回避している。
【0051】
本実施形態によれば、整流性能を向上できるのに加え、入浴者の首元に湯水を吐出できる。
【0052】
[第8実施形態]
第8実施形態の整流装置3Bについて、1つ前の第7実施形態をベースに説明する。第2実施形態の場合と同様、
図21に示すように、下流部材50が、さらに絞り流路92の全壁部を構成している。
【0053】
本実施形態によれば、入浴者の首元に向けて湯水を吐出できる等の第7実施形態の構成および効果に加えて、下流部材50が吐出口93および絞り流路92の全壁部を構成する等の第2実施形態の構成および効果を実現できる。
【0054】
[第9実施形態]
第9実施形態の整流装置3Cについて、1つ前の第8実施形態をベースに説明する。第3実施形態の場合と同様、
図22に示すように、上流部材29が1つ統合されると共に、下流部材50が、さらに貯留室91の壁部の一部を構成している。
【0055】
本実施形態によれば、入浴者の首元に向けて湯水を吐出できる等の第7実施形態の構成および効果に加えて、上流部材29を1つにできる等の第3実施形態の構成および効果を実現できる。
【0056】
[変更形態]
以上の実施形態は、例えば以下ように変更して実施できる。下流部材50が、複数の下流部材に分割形成されており、各下流部材が、吐出口93の一部ずつの壁部を構成していてもよい。この場合においては、下流部材50を上下に分割してもよいし、横方向に分割してもよい。本構成によれば、吐出口93の形状を調整しつつ、複数の下流部材を組み合わせる必要があるものの、吐出口93の形状が複雑な場合に対応し易い。
【0057】
上流部材30,40が、2つではなく、3つ以上に分割されていてもよい。上流部材30,40が、上下方向でなく横方向に分割されていてもよい。
【0058】
ベースプレート20に、第1上流部材30が一体形成されていてもよい。浴槽200に、第1上流部材30が一体形成されていてもよい。これらの構成によれば、浴槽200と吐出装置とを有するシステム全体の部品点数を削減できる。
【符号の説明】
【0059】
1A 第1実施形態の吐水装置、1B 第2実施形態の吐水装置、1C 第3実施形態の吐水装置、2A 第4実施形態の吐水装置、2B 第5実施形態の吐水装置、2C 第6実施形態の吐水装置、3A 第7実施形態の吐水装置、3B 第8実施形態の吐水装置、3C 第9実施形態の吐水装置、20 ベースプレート、28 ボディ、29 上流部材、30 第1上流部材、40 第2上流部材、50 下流部材、90 流路、91 貯留室、92 絞り流路、93 吐出口、200 浴槽、210 浴槽の上縁部、W 湯水