(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134081
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】照明具および該照明具を備える照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230920BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20230920BHJP
F21V 29/505 20150101ALI20230920BHJP
F21V 29/67 20150101ALI20230920BHJP
F21V 29/65 20150101ALI20230920BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20230920BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20230920BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20230920BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230920BHJP
F21Y 107/30 20160101ALN20230920BHJP
【FI】
F21S2/00 377
F21S2/00 375
F21V29/503
F21V29/505
F21V29/67 200
F21V29/65
F21V29/77
F21V29/83
F21V15/01 330
F21Y115:10
F21Y107:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039427
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】506095456
【氏名又は名称】APSジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 秀満
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 泰之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 剛文
(57)【要約】
【課題】光量を増やしても温度上昇を効果的に抑制できる照明具、それを備える照明装置を提供する。
【解決手段】筐体の側壁部2bに、外方に向けて光を照射する光源部31が設けられ、側壁部2bの光源部31に対応する位置の内面に、筐体2の軸方向に長い板状の放熱フィン6が、筐体2内方に向けて放射状に複数突設され、筐体2の光源部31よりも先端側の壁部に、外部から内部に気体を取り込む吸気口41が設けられ、筐体2の光源部31よりも基端側の壁部に、内部から外部に気体を排出する排気口42が設けられ、筐体2の内部に、吸気口41から排気口42に向けて気体を流動させる電動ファン5が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の側壁部に、外方に向けて光を照射する光源部が設けられ、
前記側壁部の前記光源部に対応する位置の内面に、筐体の軸方向に長い板状の放熱フィンが、筐体内方に向けて放射状に複数突設され、
前記筐体の前記光源部よりも先端側の壁部に、外部から内部に気体を取り込む吸気口が設けられ、
前記筐体の前記光源部よりも基端側の壁部に、内部から外部に気体を排出する排気口が設けられ、
前記筐体の内部に、前記吸気口から排気口に向けて気体を流動させる電動ファンが設けられている、照明具。
【請求項2】
前記筐体の側壁部が、筐体の軸方向に長い良熱伝導性の板状部を、前記筐体の周方向に沿って複数並べて構成されており、
該板状部の外面側に前記光源部が取り付けられ、
前記板状部の内面側に、前記放熱フィンが設けられる、請求項1記載の照明具。
【請求項3】
前記板状部の内面側に固定される板状のベース部と、該ベース部の前記周方向の一方又は双方の端部の位置から筐体内方に屈曲して延びる屈曲片とを有し、
該屈曲片が前記放熱フィンである放熱フィン体が設けられている、請求項1又は2記載の照明具。
【請求項4】
前記電動ファンとして、取り込み口から軸方向に気体を取り込んで径方向外方へ排気するブロア方式電動ファンが、前記筐体内部の前記排気口に対応する位置に、取り込み口を前記筐体の先端側を向けて該筐体と同軸状に設けられている、請求項1~3の何れか1項に記載の照明具。
【請求項5】
前記吸気口が、前記筐体の先端壁における所定の中心領域を除く外側の領域の前記放熱フィンの筐体先端側の端辺を臨む対応した位置に、周方向に沿って間隔をあけて複数開設されている、請求項1~4の何れか1項に記載の照明具。
【請求項6】
前記先端壁の前記中心領域に、外方に向けて光を照射する第2の光源部が設けられている、請求項5記載の照明具。
【請求項7】
前記光源部を含む筐体の側壁部を覆う筒状の透光性カバーを備える請求項1~6の何れか1項に記載の照明具。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の照明具と、
前記照明具が電気接続されるソケット部と、
該ソケット部の先端側に前記照明具を囲むように設けられ、内側面に反射面を有する良熱伝導性の反射傘と、
該反射傘の先端開口に取り付けられる透光性のカバーとを備え、
前記反射傘及びカバーにより前記照明具が密閉状態に覆われる照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の側壁部に外方に向けて光を照射する光源部が設けられた照明具、及びこれを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明用あるいは装飾用としてLED素子からなる光源部を有する照明具が種々提供されている。これら照明具は、筐体の先端側に複数のLED素子が面実装された光源部と、該光源部を覆う透光性のカバーとを備えている。LED素子は90℃以上に温度上昇することにより光出力が低下するとともに、寿命が短くなるという欠点があるため、その温度を50℃以下に抑えることが好ましいとされている。そこで、従来の照明具では、光源部のLED素子から発生した熱を吸収して放出するための放熱フィンが光源支持台の光源部と反対側の面に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、筐体の側壁部に多くの光源を設け、光量を増すとともに広角に照射できる照明具を提供する場合には、発生する熱も増え、素子の劣化の虞が生じる。このような照明具の冷却構造として、本出願人はすでに、外気を流通させる筒状体を周方向に沿って複数設け、各筒状体の外周面に光源を取り付けるものを提案している(特許文献2参照)。しかしながら、これら筒状体の周囲は冷えるものの、筒状体の間のとくに筐体中心部分に熱が籠りやすく、冷却性能に一定の限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-108590号公報
【特許文献2】特開2014-99397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、光量を増やしても温度上昇を効果的に抑制できる照明具、それを備える照明装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 筐体の側壁部に、外方に向けて光を照射する光源部が設けられ、前記側壁部の前記光源部に対応する位置の内面に、筐体の軸方向に長い板状の放熱フィンが、筐体内方に向けて放射状に複数突設され、前記筐体の前記光源部よりも先端側の壁部に、外部から内部に気体を取り込む吸気口が設けられ、前記筐体の前記光源部よりも基端側の壁部に、内部から外部に気体を排出する排気口が設けられ、前記筐体の内部に、前記吸気口から排気口に向けて気体を流動させる電動ファンが設けられている、照明具。
【0007】
(2) 前記筐体の側壁部が、筐体の軸方向に長い良熱伝導性の板状部を、前記筐体の周方向に沿って複数並べて構成されており、該板状部の外面側に前記光源部が取り付けられ、前記板状部の内面側に、前記放熱フィンが設けられる、(1)記載の照明具。
【0008】
(3) 前記板状部の内面側に固定される板状のベース部と、該ベース部の前記周方向の一方又は双方の端部の位置から筐体内方に屈曲して延びる屈曲片とを有し、該屈曲片が前記放熱フィンである放熱フィン体が設けられている、(1)又は(2)記載の照明具。
【0009】
(4) 前記電動ファンとして、取り込み口から軸方向に気体を取り込んで径方向外方へ排気するブロア方式電動ファンが、前記筐体内部の前記排気口に対応する位置に、取り込み口を前記筐体の先端側を向けて該筐体と同軸状に設けられている、(1)~(3)のいずれかに記載の照明具。
【0010】
(5) 前記吸気口が、前記筐体の先端壁における所定の中心領域を除く外側の領域の前記放熱フィンの筐体先端側の端辺を臨む対応した位置に、周方向に沿って間隔をあけて複数開設されている、(1)~(4)の何れかに記載の照明具。
【0011】
(6) 前記先端壁の前記中心領域に、外方に向けて光を照射する第2の光源部が設けられている、(5)記載の照明具。
【0012】
(7) 前記光源部を含む筐体の側壁部を覆う筒状の透光性カバーを備える(1)~(6)の何れかに記載の照明具。
【0013】
(8) (1)~(7)の何れかに記載の照明具と、前記照明具が電気接続されるソケット部と、該ソケット部の先端側に前記照明具を囲むように設けられ、内側面に反射面を有する良熱伝導性の反射傘と、該反射傘の先端開口に取り付けられる透光性のカバーとを備え、前記反射傘及びカバーにより前記照明具が密閉状態に覆われる照明装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、筐体の側壁部に設けられた光源部で発生する熱が、放熱フィンに吸熱され、該放熱フィンが延びている筐体内方に導かれ、その過程で、電動ファンにより吸気口から取り込まれて基端側の排気口へ流れる気体中に、放熱フィンから効率よく放熱され、気体とともに筐体外に排出される。したがって、筐体の中心部に熱が溜まることを防止でき、温度上昇を効果的に抑制する。
【0015】
ここで、筐体の側壁部が、筐体の軸方向に長い良熱伝導性の板状部を、前記筐体の周方向に沿って複数並べて構成されており、該板状部の外面側に前記光源部が取り付けられ、前記板状部の内面側に、前記放熱フィンが設けられるものでは、筐体の側壁部を光源部を支持する上記板状部により必要最小限の材料で構成でき、且つ当該板状部が受ける光源部の熱を上記のとおり効率よく排熱できるので、全体重量を大幅に削減しつつ光量を増やすことができる。
【0016】
また、板状部の内面側に固定される板状のベース部と、該ベース部の前記周方向の一方又は双方の端部の位置から筐体内方に屈曲して延びる屈曲片とを有し、該屈曲片が前記放熱フィンである放熱フィン体が設けられているものでは、このようなベース部と屈曲片を有する板状部材は板材をプレス加工することで容易に実現でき、効率良く製造できる。
【0017】
また、電動ファンとして、取り込み口から軸方向に気体を取り込んで径方向外方へ排気するブロア方式電動ファンが、筐体内部の排気口に対応する位置に、取り込み口を前記筐体の先端側を向けて該筐体と同軸状に設けられているものでは、効率良く上記筐体内の気体の流れを実現可能となる。
【0018】
また、吸気口が、筐体の先端壁における所定の中心領域を除く外側の領域の前記放熱フィンの筐体先端側の端辺を臨む対応した位置に、周方向に沿って間隔をあけて複数開設されているものでは、取り込んだ気体を前記端辺の間から放熱フィンの間に効率よく導き、放熱フィンの熱を効率よく放熱させることができる。
【0019】
また、先端壁の中心領域に、外方に向けて光を照射する第2の光源部が設けられているものでは、周囲だけでなく先端方向にも光を照射でき、全方向への均一照射が可能な照明具を提供できる。
【0020】
また、前記光源部を含む筐体の側壁部を覆う筒状の透光性カバーを備えるものでは、光源部を保護することができると同時に、上記のとおり、発生した熱は内側の放熱フィンを通じて内部を流通する気体中に放熱でき、熱の籠りを防止することができる。
【0021】
また、上記本発明にかかる照明具と、該照明具が電気接続されるソケット部と、該ソケット部の先端側に前記照明具を囲むように設けられ、内側面に反射面を有する良熱伝導性の反射傘と、該反射傘の先端開口に取り付けられる透光性のカバーとを備え、前記反射傘及びカバーにより前記照明具が密閉状態に覆われる照明装置を構成したものでは、照明具が密閉状態であっても、照明具の排気口から出た熱を帯びた気体は、良熱伝導性の反射傘の内面に沿ってカバーのある先端側に移動することとなり、その過程で、反射傘が気体から熱を奪い、反射傘の外部に熱を放出する。
【0022】
そして、熱を奪われた冷えた気体は、カバーに当たって照明具の先端側に流れ、照明具の吸気口から照明具の筐体内部に取り込まれ、再び、照明具内の放熱フィンから光源部の熱を受け取り、再度、照明具の排気口から排出されて、反射傘の内面に導かれる。このような過程を繰り返すことで、照明具の光源部に発生した熱が、気体を通じて反射傘に効率よく渡され、照明装置の外部に放熱されることになる。したがって、密閉状態で外部環境から保護された状態にあるにもかかわらず、照明具の内部に熱が籠ってしまうことを防止でき、照明具の光源部の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る照明装置の代表的実施形態を示す縦断面図。
【
図2】同じく照明装置に用いる照明具の代表的実施形態を示す側面図。
【
図3】同じく照明具の筐体側からカバーを分離した分解斜視図。
【
図7】同じく照明具の筐体側から一枚の板状部、光源部および放熱フィンを分離した分解斜視図。
【
図8】同じく照明装置における空気の流動状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
本発明にかかる照明装置1は、
図1の縦断面図に示すように、本発明に係る照明具10と、照明具10が電気接続されるソケット部11と、該ソケット部11の先端側に照明具10を囲むように設けられ、内側面に反射面120を有する良熱伝導性の反射傘12と、該反射傘12の先端開口に取り付けられる透光性のカバー13とを備えており、照明具10は、反射傘12及びカバー13により密閉状態に覆われている。照明装置1は、このように照明具10を密閉状態に覆って外部環境から保護しつつ、光源部31が生じる熱により照明具10内部に熱が籠ってしまうことを防止し、光源部31の劣化を防止できることを特徴としている。
【0026】
反射傘12は、ソケット部11に固定されるベース傘121と、その先端側に着脱可能に取付けられ、内側面に上記反射面120が形成される反射用傘122とより構成され、カバー13が反射用傘122の先端縁部に固定されている。反射用傘122をベース傘121から取り外すことで、照明具10の取り換えが可能である。
【0027】
照明具10は、
図2~
図6に示すように、筐体2の側壁部2bに、外方に向けて光を照射する光源部31が設けられている。光源部31は、LED素子からなるものを例示するが、これに限られず、蛍光灯やフィラメントよりなるハロゲン灯、高輝度放電灯(高圧ナトリウム灯、メタルハロイドランプ、水銀灯)など、従来から照明装置の光源として公知のものを広く採用可能である。
【0028】
側壁部2bの光源部31に対応する位置の内面には、筐体2の軸方向に長い板状の放熱フィン6が、筐体2内方に向けて放射状に複数突設されている。より具体的には、筐体2は、基端部に口金201が設けられ、内部に電源回路等の必要部品111を内蔵する基端側のケース体20と、先端に設けられる先端フレーム21と、筐体2の周方向に沿って複数並べて構成され、ケース体20と先端フレーム21とを連結する軸方向に長い複数の良熱伝導性の板状部22とより構成されており、先端フレーム21及び複数の板状部22の外側には、透光性のカバー7が装着されている。
【0029】
このように、各板状部22が筐体2の側壁部2bを構成しており、各板状部22の内側面に放熱フィン6が取り付けられ、且つ、各板状部22の外側面に前記光源部31が取り付けられている。したがって、筐体2の側壁部2bを光源部31を支持する上記板状部22により必要最小限の材料で構成でき、且つ当該板状部22が受ける光源部31の熱を効率よく排熱できるので、全体重量を大幅に削減しつつ光量を増やすことができる。
【0030】
板状部22は、一定の幅寸法を有する比較的軽量で良熱伝導性の金属、たとえば銅やアルミニウム等からなる金属製の板状体からなり、
図6及び
図7にも示すように、先端側の端部31aは、先端フレーム21の外周部の支持片21cにリベット止め、ビス止め、カシメ、溶接等により固定される。板状部22の基端側の端部22bは、ケース体20の先端部にリベット止め、ビス止め、カシメ、溶接等により固定される。固定は、放熱フィン体62や光源部31を取り付けた状態で行われるが、光源部31は固定後に取り付けることもできる。相隣接する板状部22は、周方向にそれぞれ一定の距離を置いて配設されている。
【0031】
放熱フィン6は、板状部22の内面側に固定される板状のベース部60と、該ベース部60の周方向の一方又は双方(本例では双方)の端部の位置から筐体内方に屈曲して延びる屈曲片61、61とを有する断面視略コ字状の放熱フィン体62の各屈曲片61として構成されている。そして、ベース部60が板状部22の内面にビス止め、接着、カシメ又はハトメ加工等の手段で固定されることにより、放熱フィン6としての屈曲片61、61がそれぞれ一定間隔を置いて中心軸方向に突出する。
【0032】
放熱フィン体62の材質は、良熱伝導率の素材であれば、特に限定されないが、比較的軽量の銅やアルミニウム等からなる金属製の板材を使用することが好ましい。このような放熱フィン6を有する放熱フィン体62は、板材をプレス加工することで容易に実現でき、効率良く製造できる。
【0033】
光源部31は、基板モジュール310とその外面に取り付けられた複数のLED素子である光源311とを有し、基板モジュール310が板状部22の表面にビス止め等の手段で固定される。
【0034】
筐体2の光源部31よりも先端側の壁部には、
図3及び
図4に示すように、外部から内部に気体を取り込む吸気口41が設けられ、光源部31よりも基端側の壁部には、内部から外部に気体を排出する排気口42が設けられている。また、筐体2の内部の適所には、吸気口41から排気口42に向けて気体を流動させる電動ファン5が設けられている。
【0035】
筐体2の側壁部2bに設けられた光源部31で発生した熱は、放熱フィン6に吸熱され、該放熱フィン6が延びている筐体2内方に導かれ、その過程で、電動ファン5により吸気口41から取り込まれて基端側の排気口42へ流れる気体中に、放熱フィン6から効率よく放熱され、気体とともに筐体2外に排出される。これにより、筐体2の中心部に熱が溜まることが防止され、温度上昇を効果的に抑制する。
【0036】
吸気口41は、具体的には、筐体2の先端壁を構成する先端フレーム21における所定の中心領域R1を除く外側の領域の放熱フィン6(屈曲片61)の筐体先端側の端辺6aを臨む対応した位置に、周方向に沿って間隔をあけて複数開設された開口410により構成されている。このように端辺6aを臨む位置に空気が供給され、放熱フィン6の間に取り込んだ気体を導き、放熱フィン6の熱を効率よく放出することができる。
【0037】
中心領域R1には、外方(先端側)に向けて光を照射する第2の光源部32が設けられている。第2の光源部32は、光源部31と同様、基板モジュール320とその外面に取り付けられた複数のLED素子である光源321とを有し、基板モジュール320が先端フレーム21の中心領域R1の表面にビス止め等の手段で固定される。
【0038】
このように第2の光源部32を先端に設けることで、周囲だけでなく先端方向にも光を照射でき、全方向への均一照射が可能な照明具を提供できる。光源部32が設けられる先端フレーム21の中心領域R1の内面側(基端側の面)には、光源部32の熱を放熱するための第2の放熱フィン63が複数突設されている。
【0039】
電動ファン5は、取り込み口から軸方向に気体を取り込んで径方向外方へ排気するブロア方式電動ファンが効率的である。
図1及び
図2に示すように、このような電動ファン5が、筐体2内部の前記排気口42に対応する位置に、取り込み口を筐体2の先端側を向けて該筐体2と同軸状に設けられている。
【0040】
電動ファン5は、中心部にファンを回転させる電動モータが内蔵され、軸方向に気体を取り込んで外方へ排気するものとされており、これにより筐体内には電動ファン5に向かう強力な回転乱気流が形成される。このような電動ファン5の取り込み口に効率よく空気を送り込むために、当該取り込み口に空気を送り込むための気流を形成する円錐状の気流制御板を筐体内の電動ファンの先端側に付設してもよい。
【0041】
カバー7は、光源部31、32を保護しており、前記先端フレーム21の開口410に対応する位置には、内外連通して該開口410とともに吸気口41を構成する開口70が設けられている。
【0042】
このような本発明にかかる照明具10を備える照明装置1は、
図8に示すように、照明具10が密閉状態であっても、照明具10の排気口42から出た熱を帯びた気体91は、良熱伝導性の反射傘12の内面12bに沿ってカバー13のある先端側に移動することとなり、その過程で、反射傘が気体から熱を奪い、反射傘12の外部に熱を放出する。
【0043】
また、熱を奪われた冷えた気体90は、カバー13に当たって照明具10の先端側に流れ、照明具10の吸気口41から照明具10の筐体2内部に取り込まれ、再び、照明具10の筐体2内の放熱フィン6から光源部31の熱を受け取り、再度、照明具10の排気口42から排出されて、反射傘12の内面12bに導かれる。このような過程を繰り返すことで、照明具10の光源部31に発生した熱が、気体90/91を通じて反射傘12に効率よく渡され、照明装置1の外部に放熱されることになる。
【0044】
反射傘12は、良熱伝導率の素材であれば、特に限定されないが、比較的軽量の銅やアルミニウム等からなる金属製の板材を使用することが好ましい。カバー13は、例えばポリカーボネート等の透光性を有する素材で形成されている。
【符号の説明】
【0045】
1 照明装置
2 筐体
2b 側壁部
5 電動ファン
6 放熱フィン
6a 端辺
7 カバー
10 照明具
11 ソケット部
12 反射傘
12b 内面
13 カバー
20 ケース体
21 先端フレーム
21c 支持片
22 板状部
22b 端部
31 光源部
31a 端部
32 光源部
41 吸気口
42 排気口
60 ベース部
61 屈曲片
62 放熱フィン体
63 放熱フィン
70 開口
90、91 気体
111 部品
120 反射面
121 ベース傘
122 反射用傘
201 口金
310 基板モジュール
311 光源
320 基板モジュール
321 光源
410 開口
R1 中心領域