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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134084
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】電子回路、モジュール及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230920BHJP
   H04B 1/38 20150101ALI20230920BHJP
【FI】
H02J7/00 302D
H04B1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039433
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005038
【氏名又は名称】セイコーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】吉田 宜史
(72)【発明者】
【氏名】川合 昇
【テーマコード(参考)】
5G503
5K011
【Fターム(参考)】
5G503BB04
5G503DA02
5G503DA13
5G503DB01
5K011DA29
(57)【要約】
【課題】小型デバイスが使用されている時に電源と電子回路とが誤って遮断されてしまうことを回避すること。
【解決手段】電子回路は、負荷と、電源と負荷との接続状態を導通状態と非導通状態とのいずれかに切り替える負荷用スイッチと、第1アンテナにより受信された第1電波により得られる第1電力に基づいて第1直流電力を出力する第1電力変換回路と、第2アンテナにより受信された第2電波により得られる第2電力に基づいて第2直流電力を出力する第2電力変換回路と、第1入力端子と、第2入力端子と、第1直流電力が第1入力端子に入力された場合、負荷用スイッチを導通状態とし、第2直流電力が第2入力端子に入力された場合、負荷用スイッチを非導通状態とする出力端子とを有する制御回路とを備える。負荷用スイッチは、導通状態となっている時に第2アンテナにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から供給される電力により駆動される負荷と、
前記電源と前記負荷との間に接続され、前記電源と前記負荷との接続状態を、前記電源から前記負荷へ電力の供給をする導通状態と、前記電源から前記負荷への電力の供給を遮断する非導通状態とのいずれか一方に切り替える負荷用スイッチと、
第1アンテナにより受信された第1電波により得られる第1電力に基づいて第1直流電力を出力する第1電力変換回路と、
第2アンテナにより受信された第2電波により得られる第2電力に基づいて第2直流電力を出力する第2電力変換回路と、
前記第1電力変換回路と接続される第1入力端子と、前記第2電力変換回路と接続される第2入力端子と、前記第1直流電力が前記第1入力端子に入力された場合、前記負荷用スイッチを導通状態とし、前記第2直流電力が前記第2入力端子に入力された場合、前記負荷用スイッチを非導通状態とする出力端子とを有する制御回路と、
を備え、
前記負荷用スイッチは、導通状態となっている時に前記第2アンテナにより前記第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される、
電子回路。
【請求項2】
前記負荷用スイッチは、前記第2アンテナから前記第2入力端子までの経路が前記出力端子からの出力又は前記負荷からの出力に基づいて遮断されることにより、導通状態を維持するように制御される、
請求項1に記載の電子回路。
【請求項3】
前記負荷用スイッチは、前記経路に設けられている遮断用スイッチが前記出力端子からの出力又は前記負荷からの出力に基づいて前記経路を非導通状態とすることにより、導通状態を維持するように制御される、
請求項2に記載の電子回路。
【請求項4】
前記遮断用スイッチは、前記経路に設けられている整合回路を構成している、
請求項3に記載の電子回路。
【請求項5】
前記負荷用スイッチは、前記経路に設けられている整合回路に接続されている抵抗器に前記出力端子からの出力又は前記負荷からの出力が導入され、前記整合回路のマッチング定数が変化することにより、導通状態を維持するように制御される、
請求項2に記載の電子回路。
【請求項6】
前記負荷用スイッチが少なくとも二つ設けられており、
前記制御回路は、前記電源から供給される直流電力により駆動され、
前記負荷用スイッチの少なくとも一つは、前記電源から前記制御回路までの経路が前記負荷からの出力に基づいて遮断されたとしても、前記負荷用スイッチは導通状態を維持するように制御される、
請求項1に記載の電子回路。
【請求項7】
前記負荷用スイッチが少なくとも二つ設けられており、
前記制御回路は、前記電源から供給される直流電力により駆動され、
前記負荷用スイッチの少なくとも一つは、前記制御回路から前記負荷用スイッチまでの経路が前記負荷からの出力に基づいて遮断されたとしても、前記負荷用スイッチは導通状態を維持するように制御される、
請求項1に記載の電子回路。
【請求項8】
前記制御回路は、フリップフロップ又は超低消費電流微弱信号検出器である、
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の電子回路。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の電子回路と、
直流電力を出力する電源と、
を備えるモジュール。
【請求項10】
前記電子回路及び前記電源が防水性能を有する筐体に収容されている、
請求項9に記載のモジュール。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載のモジュールと、
前記モジュールに所定の電波を発信する発信機と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路、モジュール及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代では、電池等の電源が基板に実装されている小型デバイスが様々な分野で活用されている。このような小型デバイスとして、例えば、人体の内部で使用される医療用デバイス、特許文献1に開示されている電子キーが挙げられる。これらの小型デバイスは、在庫として保管されている期間、動作していない期間等を考慮し、待機電力を出来る限り低減させ、電源の寿命を延ばすことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-024332号公報
【0004】
電源の寿命を延ばす技術の一例として、電源と電子回路とを遮断し、小型デバイスの使用が開始される際に、スイッチにより電源と電子回路とを接続する技術が挙げられる。しかし、上述したスイッチは、機械的な機構を有するため、正常に動作しなくなってしまうことがある。また、上述したスイッチは、小型デバイスに樹脂による封止等の防水構造を必要とする場合、スイッチと連動し、防水構造の外部に突出する部材が必要となるため、防水構造の防水性能を低下させてしまうことがある。
【0005】
或いは、電源の寿命を延ばす技術の一例として、上述した電子キーのように、小型デバイスに無線を使用して電力を伝送し、当該電力を利用して電源と電子回路とを接続する技術が挙げられる。しかし、この技術は、電源と電子回路とを接続した後に、電源と電子回路とを再び遮断し得ないことがある。また、仮に、電源と電子回路とを接続した後に、電源と電子回路とを再び遮断し得る技術を小型デバイスに採用した場合、小型デバイスが意図しない電波を受信し、小型デバイスが使用されているにも関わらず、電源と電子回路とが遮断されてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、小型デバイスが使用されている時に電源と電子回路とが誤って遮断されてしまうことを回避することができる電子回路、モジュール及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電子回路は、電源から供給される電力により駆動される負荷と、前記電源と前記負荷との間に接続され、前記電源と前記負荷との接続状態を、前記電源から前記負荷へ電力の供給をする導通状態と、前記電源から前記負荷への電力の供給を遮断する非導通状態とのいずれか一方に切り替える負荷用スイッチと、第1アンテナにより受信された第1電波により得られる第1電力に基づいて第1直流電力を出力する第1電力変換回路と、第2アンテナにより受信された第2電波により得られる第2電力に基づいて第2直流電力を出力する第2電力変換回路と、前記第1電力変換回路と接続される第1入力端子と、前記第2電力変換回路と接続される第2入力端子と、前記第1直流電力が前記第1入力端子に入力された場合、前記負荷用スイッチを導通状態とし、前記第2直流電力が前記第2入力端子に入力された場合、前記負荷用スイッチを非導通状態とする出力端子とを有する制御回路と、を備え、前記負荷用スイッチは、導通状態となっている時に前記第2アンテナにより前記第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。
【0008】
また、本発明の一態様に係る電子回路において、前記負荷用スイッチは、前記第2アンテナから前記第2入力端子までの経路が前記出力端子からの出力又は前記負荷からの出力に基づいて遮断されることにより、導通状態を維持するように制御される。
【0009】
また、本発明の一態様に係る電子回路において、前記負荷用スイッチは、前記経路に設けられている遮断用スイッチが前記出力端子からの出力又は前記負荷からの出力に基づいて前記経路を非導通状態とすることにより、導通状態を維持するように制御される。
【0010】
また、本発明の一態様に係る電子回路において、前記遮断用スイッチは、前記経路に設けられている整合回路を構成している。
【0011】
また、本発明の一態様に係る電子回路において、前記負荷用スイッチは、前記経路に設けられている整合回路に接続されている抵抗器に前記出力端子からの出力又は前記負荷からの出力が導入され、前記整合回路のマッチング定数が変化することにより、導通状態を維持するように制御される。
【0012】
また、本発明の一態様に係る電子回路において、前記負荷用スイッチが少なくとも二つ設けられており、前記制御回路は、前記電源から供給される直流電力により駆動され、前記負荷用スイッチの少なくとも一つは、前記電源から前記制御回路までの経路が前記負荷からの出力に基づいて遮断されたとしても、前記負荷用スイッチは導通状態を維持するように制御される。
【0013】
また、本発明の一態様に係る電子回路において、前記負荷用スイッチが少なくとも二つ設けられており、前記制御回路は、前記電源から供給される直流電力により駆動され、前記負荷用スイッチの少なくとも一つは、前記制御回路から前記負荷用スイッチまでの経路が前記負荷からの出力に基づいて遮断されたとしても、前記負荷用スイッチは導通状態を維持するように制御される。
【0014】
また、本発明の一態様に係る電子回路において、前記制御回路は、フリップフロップ又は超低消費電流微弱信号検出器である。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るモジュールは、上述した電子回路のいずれか一つと、直流電力を出力する電源と、を備える。
【0016】
また、本発明の一態様に係るモジュールは、前記電子回路及び前記電源が防水性能を有する筐体に収容されている。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るシステムは、上述したモジュールのいずれか一つと、前記モジュールに所定の電波を発信する発信機とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小型デバイスが使用されている時に電源と電子回路とが誤って遮断されてしまうことを回避することができる電子回路、モジュール及びシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。
図2】第1実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。
図3】第2実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。
図4】第2実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。
図5】第3実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。
図6】第3実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。
図7】第4実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。
図8】第5実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。
図9】第6実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。
図10】第6実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。
図11】第7実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。
図12】第1実施形態に係る電子回路を含むシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1を参照しながら第1実施形態に係る電子回路について説明する。図1は、第1実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。図1に示すように、電子回路1aは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF(Radio Frequency)‐DC(Direct Current)変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22aと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、遮断用スイッチ25aと、制御回路30aと、負荷40aと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0021】
第1アンテナ11aは、負荷用スイッチ41aを導通状態にする起点となる第1電波を受信し、第1電波を第1電力に変換する。整合回路12a、RF‐DC変換回路13a及び昇圧回路14aは、第1電力に基づいて第1直流電力を出力する第1電力変換回路を構成している。整合回路12aは、第1アンテナ11aとRF‐DC変換回路13aとの間のインピーダンス整合を実現させる。RF‐DC変換回路13aは、整合回路12aから出力された交流電力を直流電力に変換する。昇圧回路14aは、RF‐DC変換回路13aから出力された直流電力を所望の電圧まで昇圧して第1直流電力を生成して出力する。
【0022】
第2アンテナ21aは、負荷用スイッチ41aを非導通状態にする起点となる第2電波を受信し、第2電波を第2電力に変換する。整合回路22a、RF‐DC変換回路23a及び昇圧回路24aは、第2電力に基づいて第2直流電力を出力する第2電力変換回路を構成している。整合回路22aは、第2アンテナ21aとRF‐DC変換回路23aとの間のインピーダンス整合を実現させる。RF‐DC変換回路23aは、整合回路22aから出力された交流電力を直流電力に変換する。昇圧回路24aは、RF‐DC変換回路23aから出力された直流電力を所望の電圧まで昇圧して第2直流電力を生成して出力する。遮断用スイッチ25aは、昇圧回路24aから制御回路30aまでの経路に設けられているスイッチであり、制御回路30aからの出力に基づいて導通状態から非導通状態に切り替えられる。
【0023】
また、第1アンテナ11a及び第2アンテナ21aは、相互に干渉することを抑制する措置が講じられていることが好ましい。例えば、第1アンテナ11a及び第2アンテナ21aは、一方が電界検出型アンテナであり、他方が磁界検出型アンテナであることが好ましい。或いは、第1アンテナ11a及び第2アンテナ21aは、設置されている位置が互いに異なっていることが好ましい。或いは、第1アンテナ11a及び第2アンテナ21aは、設置されている位置が互いに90度ずれていることが好ましい。或いは、第1アンテナ11a及び第2アンテナ21aは、周波数指向性が互いに異なっていることが好ましい。
【0024】
制御回路30aは、例えば、JKフリップフロップである。制御回路30aは、電源50aから供給される電力により動作する。制御回路30aは、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子とを備える。第1入力端子は、昇圧回路14aと接続され、第1直流電力が入力される。第2入力端子は、昇圧回路24aと接続され、第2直流電力が入力される。出力端子は、第1直流電力が第1入力端子に入力された場合、負荷用スイッチ41aを導通状態とする。出力端子は、第2直流電力が第2入力端子に入力された場合、負荷用スイッチ41aを非導通状態とする。
【0025】
また、出力端子は、第1入力端子に入力した第1直流電力が極めて微弱であることにより所定の第1閾値未満であり、第2入力端子に入力した第2直流電力が極めて微弱であることにより所定の第2閾値未満である場合、負荷用スイッチ41aの現在の状態を維持する。一方、出力端子は、第1入力端子に所定の第1閾値以上の第1直流電力が入力し、第2入力端子に所定の第2閾値以上の第2直流電力が入力し、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている場合、負荷用スイッチ41aを非導通状態とする。また、出力端子は、第1入力端子に所定の第1閾値以上の第1直流電力が入力し、第2入力端子に所定の第2閾値以上の第2直流電力が入力し、負荷用スイッチ41aが非導通状態となっている場合、負荷用スイッチ41aを導通状態とする。なお、第1入力端子に所定の第1閾値以上の第1直流電力が入力し、第2入力端子に所定の第2閾値以上の第2直流電力が入力する場合としては、次のような場合が挙げられる。例えば、このような場合として、第1アンテナ11a及び第2アンテナ21aから十分に遠く離れた場所から送信されていることにより、平面波と捉えて問題無い電波が第1アンテナ11a及び第2アンテナ21aにより受信され、第1直流電力が所定の第1閾値以上となり、第2直流電力が所定の第2閾値以上となった場合が挙げられる。
【0026】
負荷40aは、電子回路1aが搭載された小型デバイス等の装置が有する機能を実現させるために実装された回路である。負荷40aは、負荷用スイッチ41aが導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けて動作する。一方、負荷40aは、負荷用スイッチ41aが非導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けないため、動作しない。電源50aは、例えば、電池である。
【0027】
負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。具体的には、負荷用スイッチ41aは、第2アンテナ21aから第2入力端子までの経路に設けられている遮断用スイッチ25aが出力端子からの出力に基づいて非導通状態とされることにより、導通状態が維持されるように制御される。遮断用スイッチ25aは、一度、出力端子からの出力に基づいて非導通状態とされた場合、出力端子からの出力に基づいて再び導通状態とされ得ない。
【0028】
以上、第1実施形態に係る電子回路1aについて説明した。電子回路1aは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1aは、負荷40aが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40aが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。
【0029】
[第1実施形態の変形例]
図2を参照しながら第1実施形態の変形例に係る電子回路について説明する。第1実施形態の変形例の説明では、上述した実施形態と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図2は、第1実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。図2に示すように、電子回路1bは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22aと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、遮断用スイッチ25aと、制御回路30bと、負荷40bと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0030】
制御回路30bは、例えば、JKフリップフロップである。制御回路30bは、電源50aから供給される電力により動作する。制御回路30bは、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子とを備える。第1入力端子は、昇圧回路14aと接続され、第1直流電力が入力される。第2入力端子は、昇圧回路24aと接続され、第2直流電力が入力される。出力端子は、第1直流電力が第1入力端子に入力された場合、負荷用スイッチ41aを導通状態とする。出力端子は、第2直流電力が第2入力端子に入力された場合、負荷用スイッチ41aを非導通状態とする。
【0031】
また、出力端子は、第1入力端子に入力した第1直流電力が極めて微弱であることにより所定の第1閾値未満であり、第2入力端子に入力した第2直流電力が極めて微弱であることにより所定の第2閾値未満である場合、負荷用スイッチ41aの現在の状態を維持する。一方、出力端子は、第1入力端子に所定の第1閾値以上の第1直流電力が入力し、第2入力端子に所定の第2閾値以上の第2直流電力が入力し、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている場合、負荷用スイッチ41aを非導通状態とする。また、出力端子は、第1入力端子に所定の第1閾値以上の第1直流電力が入力し、第2入力端子に所定の第2閾値以上の第2直流電力が入力し、負荷用スイッチ41aが非導通状態となっている場合、負荷用スイッチ41aを導通状態とする。
【0032】
負荷40bは、電子回路1bが搭載された小型デバイス等の装置が有する機能を実現させるために実装された回路である。負荷40bは、負荷用スイッチ41aが導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けて動作する。一方、負荷40bは、負荷用スイッチ41bが非導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けないため、動作しない。負荷40bは、負荷用スイッチ41aが導通状態となり、動作を開始する時又は動作を開始した後に、遮断用スイッチ25aを非導通状態とする。これにより、負荷用スイッチ41aは、自身が導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。また、遮断用スイッチ25aは、一度、負荷40bからの出力に基づいて非導通状態とされた場合、負荷40bからの出力に基づいて再び導通状態とされ得る。
【0033】
以上、第1実施形態の変形例に係る電子回路1bについて説明した。電子回路1bは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1bは、負荷40bが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40bが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。また、電子回路1bは、一度、遮断用スイッチ25aを非導通状態とした後に、負荷40bからの出力に基づいて再び遮断用スイッチ25aを導通状態とすることができる。
【0034】
[第2実施形態]
図3を参照しながら第2実施形態に係る電子回路について説明する。第2実施形態の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図3は、第2実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。図3に示すように、電子回路1cは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22cと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、制御回路30cと、負荷40aと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0035】
整合回路22c、RF‐DC変換回路23a及び昇圧回路24aは、第2電力に基づいて第2直流電力を出力する第2電力変換回路を構成している。整合回路22cは、整合素子221c及び遮断用スイッチ222cを含んでいる。整合素子221c及び遮断用スイッチ222cは、第2アンテナ21aとRF‐DC変換回路23aとの間のインピーダンス整合を実現させる。遮断用スイッチ222cは、例えば、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)である。また、遮断用スイッチ222cは制御回路30cからの出力に基づいて導通状態から非導通状態に切り替えられる。
【0036】
制御回路30cは、例えば、JKフリップフロップである。制御回路30cは、電源50aから供給される電力により動作する。制御回路30cは、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子とを備える。
【0037】
負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。具体的には、負荷用スイッチ41aは、第2アンテナ21aから第2入力端子までの経路に設けられている遮断用スイッチ222cが出力端子からの出力に基づいて非導通状態とされることにより、導通状態が維持されるように制御される。遮断用スイッチ222cは、一度、出力端子からの出力に基づいて非導通状態とされた場合、出力端子からの出力に基づいて再び導通状態とされ得ない。
【0038】
以上、第2実施形態に係る電子回路1cについて説明した。電子回路1cは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1cは、負荷40aが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40aが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。また、電子回路1cは、遮断用スイッチ222cが整合回路22cを構成している要素であるため、上述した遮断用スイッチ25aを備えておく必要が無く、より少ない数の部品で実現することができるという利点を有する。
【0039】
[第2実施形態の変形例]
図4を参照しながら第2実施形態の変形例に係る電子回路について説明する。第2実施形態の変形例の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図4は、第2実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。図4に示すように、電子回路1dは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22cと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、制御回路30bと、負荷40dと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0040】
負荷40dは、電子回路1dが搭載された小型デバイス等の装置が有する機能を実現させるために実装された回路である。負荷40dは、負荷用スイッチ41aが導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けて動作する。一方、負荷40dは、負荷用スイッチ41aが非導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けないため、動作しない。負荷40dは、負荷用スイッチ41aが導通状態となり、動作を開始する時又は動作を開始した後に、遮断用スイッチ222cを非導通状態とする。これにより、負荷用スイッチ41aは、自身が導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。また、遮断用スイッチ222cは、一度、負荷40dからの出力に基づいて非導通状態とされた場合、負荷40dからの出力に基づいて再び導通状態とされ得る。
【0041】
以上、第2実施形態の変形例に係る電子回路1dについて説明した。電子回路1dは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1dは、負荷40dが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40dが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。また、電子回路1dは、遮断用スイッチ222cが整合回路22cを構成している要素であるため、上述した遮断用スイッチ25aを備えておく必要が無く、より少ない数の部品で実現することができるという利点を有する。さらに、電子回路1dは、非導通状態となっている遮断用スイッチ25aを負荷40dの出力に基づいて再び導通状態とすることができる。
【0042】
[第3実施形態]
図5を参照しながら第3実施形態に係る電子回路について説明する。第3実施形態の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図5は、第3実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。図5に示すように、電子回路1eは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22eと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、抵抗器25eと、制御回路30eと、負荷40aと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0043】
整合回路22e、RF‐DC変換回路23a及び昇圧回路24aは、第2電力に基づいて第2直流電力を出力する第2電力変換回路を構成している。整合回路22eは、整合素子221eを含んでいる。整合素子221eは、第2アンテナ21aとRF‐DC変換回路23aとの間のインピーダンス整合を実現させる。また、整合素子221eは、接地されている抵抗器25eと接続されている。整合回路22eのマッチング定数は、抵抗器25eの両端の電位差に応じて変化する。
【0044】
制御回路30eは、例えば、JKフリップフロップである。制御回路30eは、電源50aから供給される電力により動作する。制御回路30eは、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子とを備える。
【0045】
負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。具体的には、負荷用スイッチ41aは、抵抗器25eに出力端子からの出力が導入されて電位差が発生し、整合回路22eのマッチング定数が変化することにより、インピーダンス整合を実現し得なくし、第2電力がRF‐DC変換回路23aに伝送されないようにすることにより、導通状態が維持されるように制御される。
【0046】
以上、第3実施形態に係る電子回路1eについて説明した。電子回路1eは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1eは、負荷40aが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40aが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。
【0047】
[第3実施形態の変形例]
図6を参照しながら第3実施形態の変形例に係る電子回路について説明する。第3実施形態の変形例の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図6は、第3実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。図6に示すように、電子回路1fは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22eと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、抵抗器25eと、制御回路30bと、負荷40fと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0048】
負荷40fは、電子回路1fが搭載された小型デバイス等の装置が有する機能を実現させるために実装された回路である。負荷40fは、負荷用スイッチ41aが導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けて動作する。一方、負荷40fは、負荷用スイッチ41aが非導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けないため、動作しない。負荷40fは、負荷用スイッチ41aが導通状態となり、動作を開始する時又は動作を開始した後に、自身の出力を抵抗器25eに導入する。これにより、負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。また、整合回路22eは、一度、負荷40fからの出力に基づいてインピーダンス整合を実現し得なくされても、負荷40fからの出力の導入を停止させることにより再びインピーダンス整合を実現し得るようになる。
【0049】
以上、第3実施形態の変形例に係る電子回路1fについて説明した。電子回路1fは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1fは、負荷40fが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40fが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。また、電子回路1fは、整合回路22eがインピーダンス整合を実現し得なくなっていても、負荷40fの出力に基づいて整合回路22eが再びインピーダンス整合を実現し得るようにすることができる。
【0050】
[第4実施形態]
図7を参照しながら第4実施形態に係る電子回路について説明する。第4実施形態の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図7は、第4実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。図7に示すように、電子回路1gは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21gと、整合回路22gと、RF‐DC変換回路23gと、昇圧回路24gと、制御回路30gと、負荷40gと、負荷用スイッチ41aと、負荷用スイッチ42g、制御回路用スイッチ43a、電源50aとを備える。
【0051】
制御回路30gは、例えば、JKフリップフロップである。制御回路30gは、電源50aから供給される電力により動作する。制御回路30gは、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子とを備える。
【0052】
負荷40gは、電子回路1gが搭載された小型デバイス等の装置が有する機能を実現させるために実装された回路である。負荷40gは、負荷用スイッチ41aが制御回路30gにより導通状態とされた後、負荷用スイッチ42gを導通状態とする。負荷40gは、負荷用スイッチ41a及び負荷用スイッチ42gの少なくとも一方を介して電源50aから電力の供給を受けて動作する。一方、負荷40gは、負荷用スイッチ41a及び負荷用スイッチ42gが非導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けないため、動作しない。
【0053】
負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21gにより第2電波が受信されると非導通となり、負荷40gの電源供給が遮断される恐れがある。この状態を回避するため、負荷用スイッチ42gを導通状態とする。また、上記第2電波による影響を回避するため制御回路用スイッチ43gを非導通として制御回路30gへの電源供給を遮断することで負荷用スイッチ41aが非導通状態となった場合でも、負荷40gは負荷用スイッチ42gが導通状態であるため、動作を継続することが可能となる。
【0054】
また、制御回路用スイッチ43gは、一度、負荷40gからの出力に基づいて当該経路を非導通状態とされた後、負荷40gからの出力に基づいて再び導通状態とされ得る。そして、この場合、負荷用スイッチ41aは、制御回路用スイッチ43gを介して電源50aから電力の供給を受けて動作する制御回路30gにより、再び導通状態、非導通状態の制御が可能とされ得る。
【0055】
以上、第4実施形態に係る電子回路1gについて説明した。電子回路1gは、負荷用スイッチ41aが非導通状態となっても、負荷用スイッチ42gを導通状態とし、負荷40gを動作させ続ける。これにより、電子回路1gは、負荷40gが使用されている時に第2アンテナ21gにより第2電波が受信されても、負荷40gが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。
【0056】
[第5実施形態]
図8を参照しながら第5実施形態に係る電子回路について説明する。第5実施形態の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図8は、第5実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。図8に示すように、電子回路1hは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22aと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、制御回路30gと、負荷40hと、負荷用スイッチ41aと、負荷用スイッチ42g、制御用スイッチ44hと、電源50aとを備える。
【0057】
負荷40hは、電子回路1hが搭載された小型デバイス等の装置が有する機能を実現させるために実装された回路である。負荷40hは、負荷用スイッチ41aが制御回路30gにより導通状態とされた後、負荷用スイッチ42gを導通状態とする。負荷40hは、負荷用スイッチ41a及び負荷用スイッチ42gの少なくとも一方を介して電源50aから電力の供給を受けて動作する。一方、負荷40hは、負荷用スイッチ41a及び負荷用スイッチ42gが非導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けないため、動作しない。
【0058】
負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されると非導通となり、負荷40hの電源供給が遮断される恐れがある。この状態を回避するため、負荷用スイッチ42gを導通状態とする。また、上記第2電波による影響を回避するため制御用スイッチ44hを非導通として負荷用スイッチ41aが非導通状態となっても、負荷40hは負荷用スイッチ42gが導通状態であるため、動作を継続することが可能となる。
【0059】
また、制御用スイッチ44hは、一度、負荷40hからの出力に基づいて制御回路30hから負荷用スイッチ41aまでの経路を非導通状態とされた後、負荷40hからの出力に基づいて再び導通状態とされ得る。そして、この場合、負荷用スイッチ41aは、制御用スイッチ44hを介して電源50aから電力の供給を受けて動作する制御回路30gにより、再び導通状態、非導通状態の制御が可能とされ得る。
【0060】
以上、第5実施形態に係る電子回路1hについて説明した。電子回路1hは、負荷用スイッチ41aが非導通状態となっても、負荷用スイッチ42gを導通状態とし、負荷40hを動作させ続ける。これにより、電子回路1hは、負荷40hが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40hが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。
【0061】
[第6実施形態]
図9を参照しながら第6実施形態に係る電子回路について説明する。第6実施形態の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図9は、第6実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。図9に示すように、電子回路1iは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22aと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、遮断用スイッチ25aと、制御回路30iと、抵抗器35iと、負荷40aと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0062】
制御回路30iは、例えば、超低消費電流微弱信号検出器である。超低消費電流微弱信号検出器は、動作に要する電力がナノアンペア(nA)のレベルであり、実質的に電源50aの寿命を考慮する必要が無い程に小さい。制御回路30iは、第1入力端子と、第2入力端子と、出力端子とを備える。抵抗器35iは、出力端子から出力された信号を第1入力端子にフィードバックすることで導通状態を保持する役目を持つ。
【0063】
負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。具体的には、負荷用スイッチ41aは、第2アンテナ21aから第2入力端子までの経路に設けられている遮断用スイッチ25aが出力端子からの出力に基づいて非導通状態とされることにより、導通状態が維持されるように制御される。また、遮断用スイッチ25aは、一度、出力端子からの出力に基づいて当該経路を非導通状態とされた場合、出力端子からの出力に基づいて再び導通状態とされ得ない。
【0064】
以上、第6実施形態に係る電子回路1iについて説明した。電子回路1iは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1iは、負荷40aが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40aが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。また、電子回路1iは、制御回路30iが超低消費電流微弱信号検出器であるため、より少ない電力で当該効果を奏することができる。
【0065】
[第6実施形態の変形例]
図10を参照しながら第6実施形態の変形例に係る電子回路について説明する。第6実施形態の変形例の説明では、上述した実施形態又は変形例と同じ構成要素に同じ符号を付し、上述した実施形態又は変形例と重複する内容に関する説明を適宜省略する。図10は、第6実施形態の変形例に係る電子回路の一例を示す図である。図10に示すように、電子回路1jは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22aと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、遮断用スイッチ25aと、制御回路30iと、抵抗器35iと、負荷40jと、負荷用スイッチ41aと、電源50aとを備える。
【0066】
負荷40jは、電子回路1jが搭載された小型デバイス等の装置が有する機能を実現させるために実装された回路である。負荷40jは、負荷用スイッチ41aが導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けて動作する。一方、負荷40jは、負荷用スイッチ41aが非導通状態である場合、電源50aから電力の供給を受けないため、動作しない。
【0067】
負荷用スイッチ41aは、導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、導通状態を維持するように制御される。具体的には、負荷用スイッチ41aは、第2アンテナ21aから第2入力端子までの経路に設けられている遮断用スイッチ25aが負荷40jからの出力に基づいて非導通状態とされることにより、導通状態が維持されるように制御される。また、遮断用スイッチ25aは、一度、負荷40jからの出力に基づいて当該経路を非導通状態とされた場合、負荷40jからの出力に基づいて再び導通状態とされ得る。
【0068】
以上、第6実施形態の変形例に係る電子回路1jについて説明した。電子回路1jは、負荷用スイッチ41aが導通状態となっている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信された場合であっても、負荷用スイッチ41aが導通状態を維持するように制御される。これにより、電子回路1jは、負荷40jが使用されている時に第2アンテナ21aにより第2電波が受信されても、負荷40jが電源50aからの電源供給を誤って遮断されてしまうことを回避することができる。また、電子回路1jは、制御回路30iが超低消費電流微弱信号検出器であるため、より少ない電力で当該効果を奏することができる。
【0069】
[第7実施形態]
図11を参照しながら第7実施形態に係る電子回路について説明する。図11は、第7実施形態に係る電子回路の一例を示す図である。図11に示すように、電子回路1kは、第1アンテナ11aと、整合回路12aと、RF‐DC変換回路13aと、昇圧回路14aと、第2アンテナ21aと、整合回路22aと、RF‐DC変換回路23aと、昇圧回路24aと、遮断用スイッチ25aと、制御回路30aと、負荷40aと、負荷用スイッチ41aと、電源50aと、防水構造60kとを備えるモジュールである。電子回路1kは、防水構造60kを有していることを除き、第一実施形態に係る電子回路1aと同様である。防水構造60kは、例えば、電子回路1a全体を隙間無く覆っている樹脂である。
【0070】
以上、第7実施形態に係る電子回路1kについて説明した。電子回路1kは、防水構造60kを備えているため、水分の侵入により発生する不具合を回避しつつ、第1実施形態に係る電子回路1aと同じ効果を奏することができる。
【0071】
なお、上述した実施形態又は変形例では、制御回路30a、制御回路30b、制御回路30c、制御回路30e及び制御回路30gがJKフリップフロップである場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。制御回路30a、制御回路30b、制御回路30c、制御回路30e及び制御回路30gの少なくとも一つは、他の種類のフリップフロップ、例えば、RSフリップフロップまたは超低消費電流微弱信号検出器であってもよい。
【0072】
また、上述した実施形態に係る電子回路は、直流電源を出力する電源を含むモジュールをとして構成されてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態に係る電子回路は、所定の電波を発信する発信機と組み合わされてシステムを構成してもよい。ここで言う所定の電波は、例えば、上述した第1電波及び第2電波である。
【0074】
図12は、第1実施形態に係る電子回路を含むシステムの一例を示す図である。システム100aは、電子回路1aと、発信機200aとを備える。発信機200aは、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC、タブレットPC等の無線通信が可能な携帯情報処理端末である。発信機70は、携帯情報処理端末に限定されず、他の情報処理端末であってもよい。発信機200aは、例えば、電波Wを第1電波又は第2電波として電子回路1aに送信する。電波Wは、ブルートゥース(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信の際に送信側デバイスが発信する電波である。ただし、電波Wは、ブルートゥース(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格に限定されず、種々の通信方式を採用可能であり、既定の通信規格に当てはまらない独自の規格による通信であってもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、電子回路は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、組み合わせ及び設計変更の少なくとも一つを加えることができる。
【0076】
また、上述した本発明の実施形態の効果は、一例として説明した効果である。したがって、本発明の実施形態は、上述した効果以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の効果も奏し得る。
【符号の説明】
【0077】
1a,…,1k…電子回路、11a…第1アンテナ、12a…整合回路、13a…RF‐DC変換回路、14a…昇圧回路、21a…第2アンテナ、22a,22c,22e…整合回路、221c,221e…整合素子、23a…RF‐DC変換回路、24a…昇圧回路、25a,222c…遮断用スイッチ、25e…抵抗器、30a,30b,30c,30e,30g,30i…制御回路、35i…抵抗器、40a,40b,40d,40f,40g,40h,40j…負荷、41a,42g…負荷用スイッチ、43g…制御回路用スイッチ、44h…制御用スイッチ、50a…電源、60k…防水構造、100a…システム、200a…発信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12