(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134090
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/40 20060101AFI20230920BHJP
G07D 11/16 20190101ALI20230920BHJP
【FI】
B65H29/40
G07D11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039440
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】久永 淳
【テーマコード(参考)】
3E141
3F106
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA05
3E141FF04
3F106EA04
3F106EA05
3F106LA08
3F106LA09
3F106LA10
3F106LB04
(57)【要約】
【課題】紙葉類叩き回転体が紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制した紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置を提供すること。
【解決手段】回転中心軸Xの周りに回転して紙葉類を叩く紙葉類叩き回転体3であって、回転中心軸Xから離れる方向に延び紙葉類に接触可能な複数の接触部32を備え、接触部32は、複数の毛状部材32aを束ねて形成されており、毛状部材32aの直径は、0.15mm以下である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心軸の周りに回転して紙葉類を叩く紙葉類叩き回転体であって、
前記回転中心軸から離れる方向に延び前記紙葉類に接触可能な複数の接触部を備え、
前記接触部は、複数の毛状部材を束ねて形成されており、
前記毛状部材の直径は、0.15mm以下である紙葉類叩き回転体。
【請求項2】
前記毛状部材の直径は、0.132mm以下である請求項1に記載の紙葉類叩き回転体。
【請求項3】
前記毛状部材の直径は、0.07mm以上である請求項1または2に記載の紙葉類叩き回転体。
【請求項4】
前記毛状部材の直径は、0.1mm以上である請求項1または2に記載の紙葉類叩き回転体。
【請求項5】
前記毛状部材は、ナイロン樹脂によって構成された請求項1から4の何れか一項に記載の紙葉類叩き回転体。
【請求項6】
8つの前記接触部が前記回転中心軸の周りに均等な間隔で配置されている請求項1から5の何れか一項に記載の紙葉類叩き回転体。
【請求項7】
4つの前記接触部が前記回転中心軸の周りに均等な間隔で配置されている請求項1から5の何れか一項に記載の紙葉類叩き回転体。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の紙葉類叩き回転体を備える紙葉類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来としては、紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置として、特許文献1及び特許文献2に記載のものがあった。特許文献1の紙葉類叩き回転体(札叩きゴム)は、ゴム製の板状の部材である。特許文献2の紙葉類叩き回転体(叩きローラ)は、放射状に突出するブラシ形状又はフィン形状の叩き部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6532662号公報
【特許文献2】特開2004-269156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された札叩きゴムは、ゴム製の部材であるから、札(紙幣)を叩く際に発生する打撃音が比較的大きい。そうすると、特許文献1の紙幣処理装置が店舗の窓口など人に近い位置で使用される場合に、札叩きゴムの打撃音が騒音となる可能性がある。
【0005】
特許文献2の叩きローラにおいて、叩き部がブラシ形状である場合には、フィン形状やゴム部材である場合に比べて打撃音が小さくなる可能性がある。しかし、特許文献2には、ブラシ形状の詳細な開示は存在しない。
【0006】
本発明の目的は、紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制した紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る紙葉類叩き回転体の特徴は、回転中心軸の周りに回転して紙葉類を叩く紙葉類叩き回転体であって、前記回転中心軸から離れる方向に延び前記紙葉類に接触可能な複数の接触部を備え、前記接触部は、複数の毛状部材を束ねて形成されており、前記毛状部材の直径は、0.15mm以下である点にある。
【0008】
発明者は鋭意検討の末に、接触部を複数の毛状部材を束ねて形成し、毛状部材の直径を0.15mm以下とすることで、従来のゴム製の部材よりも打撃音を小さくできることを見いだした。すなわち本構成によると、紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制した紙葉類叩き回転体を実現することが可能となる。
【0009】
本発明においては、前記毛状部材の直径は、0.132mm以下であると好適である。
【0010】
本構成によると、接触部がより小さな直径の毛状部材で構成されることで、紙葉類を叩く打撃音をより小さくすることができる。
【0011】
本発明においては、前記毛状部材の直径は、0.07mm以上であると好適である。
【0012】
毛状部材の直径が小さくなると紙葉類を叩き落しにくくなる。発明者は、毛状部材の直径が0.07mm以上であれば、紙葉類の集積処理が適切に行われることを実験で確認した。本構成によると、毛状部材の直径を0.07mm以上とすることで、紙葉類を叩き落しやすくしつつ、紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制することができる。
【0013】
本発明においては、前記毛状部材の直径は、0.1mm以上であると好適である。
【0014】
本構成によると、毛状部材の直径を0.1mm以上とすることで、さらに紙葉類を叩き落しやすくすることができる。
【0015】
本発明においては、前記毛状部材は、ナイロン樹脂によって構成されると好適である。
【0016】
本構成によると、コスト性と耐摩耗性に優れた毛状部材により、紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制することができる。
【0017】
本発明においては、8つの前記接触部が前記回転中心軸の周りに均等な間隔で配置されていると好適である。
【0018】
本構成によると、8つの接触部によって、紙葉類を叩き落しやすくしつつ、紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制することができる。
【0019】
本発明においては、4つの前記接触部が前記回転中心軸の周りに均等な間隔で配置されていると好適である。
【0020】
本構成によると4つの接触部によって、紙葉類を叩き落しやすくしつつ、紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制することができる。
【0021】
本発明に係る紙葉類処理装置の特徴は、請求項1から6の何れか一項に記載の紙葉類叩き回転体を備える点にある。
【0022】
本構成によれば、紙葉類処理装置からの騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、紙葉類処理装置の構成を示す紙葉類処理装置の縦断面右側面図である。
【
図2】
図2は、紙葉類処理装置の要部を示す縦断面側面図である。
【
図4】
図4は、別実施形態における紙葉類叩き回転体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置について、図面に基づいて説明する。紙葉類処理装置は、紙葉類に対して処理を施す装置である。紙葉類処理装置は、紙葉類叩き回転体を備えている。
【0025】
紙葉類叩き回転体は、軸部材に取り付けられ、回転して紙葉類を叩き、その作用により紙葉類を集積させる。紙葉類は、例えば、紙幣、証券、商品券、投票用紙など、定型の薄いシート状、札状の物体である。なお紙葉類の材質は、紙に限られない。紙葉類処理装置は、例えば、貨幣入出金機や、証券処理装置、投票用紙処理装置である。
【0026】
本実施形態では、紙葉類処理装置は、銀行や店舗で用いられる貨幣入出金機である。貨幣入出金機は、紙幣(紙葉類の一例)が投入され、投入された紙幣を内部に集積し、オペレータの操作に応じて表裏を揃えた状態で紙幣を投出する装置である。
【0027】
なお、以下の説明では、紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置に関し、
図1、
図2に示される矢印Uの方向を「上方」、矢印Dの方向を「下方」、矢印Fの方向を「前方」、矢印Bの方向を「後方」とする。
図1、
図2における紙面垂直方向を「左右方向」とする。
【0028】
〔紙葉類処理装置〕
図1に示すように、紙葉類処理装置1は、略直方体形状の筐体11を有し、紙幣類の入出処理等を行う。紙葉類処理装置1は、投入部12と、投出部13と、紙葉類を集積する複数の集積部14と、リジェクト券を集積するリジェクト部15と、紙葉類を搬送する搬送部16と、紙葉類叩き回転体3と、を備える。投入部12は、紙幣類を外部から投入する投入口12aを有する。投出部13は、紙葉類を外部に投出する投出口13aを有する。
【0029】
搬送部16は、複数のベルトとローラ、及びこれらを駆動するモータを有しており、紙葉類を搬送する。搬送部16は、投入部12と接続されている。投入口12aから投入された紙葉類は、搬送部16によって、所定の間隔を空けて1枚ずつ搬送される。
【0030】
搬送部16は、紙葉類を識別する識別部16aを備えている。搬送された紙葉類は、金種、真偽、正損、表裏などを識別部16aによって識別される。識別された紙葉類は、搬送部16に接続された複数の集積部14またはリジェクト券を集積するリジェクト部15に搬送される。リジェクト券は折れや破れ等を有する状態の悪い紙葉類を含む。
【0031】
搬送部16は複数の集積部14と接続されている。搬送部16によって搬送された紙葉類は、種類毎に分けられて、集積部14に集積される。複数の集積部14は、搬送部16を介して投出部13と接続されている。
【0032】
図2に示すように、投出部13は搬送部16と接続されている。搬送部16の終端部16bは、投出部13の内部に位置する。投出部13は、筐体11の外部に面しており、投出口13aと、紙葉類を積層状態で保持する保持部13bと、を備えている。投出口13aから積層状態の紙葉2が投出される。
【0033】
図2に示すように、投出部13において、搬送部16の終端部16bには、筐体11左右方向に延びる軸部材16cと、軸部材16cの外周部に取り付けられ、軸部材16cと供に時計回りの方向に回転する紙葉類叩き回転体3と、が備えられている。紙葉類叩き回転体3は、軸部材16cの延びる方向に間隔を設けて複数設けられている。紙葉2は、搬送部16の終端部16bから投出部13に突入し、積層状態で集積される前に、投出部13の上部で浮遊状態となり、ゆっくりと下方に落ちていく。紙葉2が保持部13bに落ちる途中で後続の紙葉2が投出部13に突入すると、紙葉2同士が接触し、集積不良の原因となる。紙葉2は、紙葉類叩き回転体3に叩かれることで、後続の紙葉2が投出部13に突入する前に保持部13bに集積される。
【0034】
〔紙葉類叩き回転体〕
図3に示すように、紙葉類叩き回転体3は、回転中心軸Xの周りに回転して紙葉類を叩く部材であって、軸部材16cの外周面に沿って設けられる円筒形状の基部31と、軸部材16cの回転中心軸Xから離れる方向に延び紙葉類に接触可能な複数の接触部32と、を備える。本実施形態の紙葉類叩き回転体3は、8つの接触部32を備えている。8つの接触部32は、回転中心軸Xの周りに均等な間隔で配置されている。
【0035】
本実施形態では、基部31はプラスチック製である。なお、基部31の材質はこれに限られず、ゴム製や金属製でもよい。基部31の外周面に外周面に均等な間隔で8つの凹部33が配置されている。接触部32は、複数の毛状部材32aを束ねて形成されている。毛状部材32aは、束ねられた状態で凹部33に植立されている。
【0036】
毛状部材32aは、コストと耐摩耗性に優れるナイロン樹脂によって形成されている。
【0037】
凹部33の直径は16mmである。毛状部材32aの直径は、0.15mm以下、かつ、0.07mm以上である。毛状部材32aの直径が小さくなると紙葉類を叩き落しにくくなる。直径の小さな毛状部材32aを束ねた状態で凹部33に植立することで、紙葉類を叩き落しやすく、かつ、紙葉類を叩く打撃音を小さくし、騒音を抑制することができる。また、紙葉類叩き回転体3は、筐体11の外部に面する投出部13に設けられているので、打撃音が紙葉類処理装置1の外部へ漏れて騒音となり易い。本実施形態によれば、紙葉類処理装置1からの騒音を抑制することができる。
【0038】
〔毛状部材の静音性能と集積性能について〕
毛状部材32aを束ねて形成された接触部32の「静音性能」と「集積性能」とを評価した。静音性能は、接触部32が紙葉類を叩く打撃音の大きさを測定することにより評価した。集積性能は、紙葉2同士の間隔(札間距離)を変更して、接触部32が紙葉2を正常に集積できた札間距離を確認した。札間距離が小さいほど集積性能が優れている。
【0039】
接触部32のサンプルとして、凹部33の直径寸法が一定のまま毛状部材32aの直径及び本数を変更した接触部32を4種類用意した。これらを以下、直径の大きい方からサンプルA、B、C、Dと称する。
【0040】
各サンプルにおいて、毛状部材32aの直径は、サンプルAは0.15mm、サンプルBは0.132mm、サンプルCは0.1mm、サンプルDは0.07mmである。毛状部材32aの数は、凹部33に納まるように設定されている。サンプルAは123本、サンプルBは162本、サンプルCは282本、サンプルDは535本である。
【0041】
比較対照のために、各サンプルと長さが同等で太さが凹部33と同等なゴム製の接触部を用意した(従来品)。
【0042】
紙葉類処理装置1の投出部13を模した実験装置を用意し、軸部材16cに軸方向に間隔を空けて、同種のサンプルを2つ設置した。
【0043】
静音性能の評価は次のようにして行った。木製の机に厚み20mmの吸音スポンジを載せて、吸音スポンジの上に実験装置を載置した。軸部材16cと水平方向に1m離した位置に収音マイクを設置した。実験装置を5秒間稼働させ、連続で2枚の紙葉類を集積処理させた。2枚の紙葉類を集積し、積層状態で保持している状態での打撃音の大きさを、収音マイクで測定した。測定を5回行い、平均値を算出して測定結果とした。
【0044】
静音性能の測定結果は、
ゴム製の接触部は62.5dB、
サンプルA(直径0.15mm)は60.8dB、
サンプルB(直径0.132mm)は57.3dB、
サンプルC(直径0.1mm)は58.0dB、
サンプルD(直径0.07mm)は56.4dB、である。
【0045】
静音性能の測定結果から、毛状部材32aの直径が小さくなるほど静音性能が高くなることが確認された。サンプルA~Dの全てにおいて、ゴム製の接触部よりも打撃音が小さくなった。従って、静音性能の面からは、毛状部材32aの直径が0.15mm以下であることが好ましいと認められる。また、毛状部材32aの直径が0.132mm以下であると更に好ましいと認められる。
【0046】
なお、毛状部材32aの直径が小さいサンプルほど毛状部材32aの本数は大きくなっているが、打撃音の大きさは小さくなっている。従って、毛状部材32aの本数よりも、毛状部材32aの直径の方が、打撃音の大きさに与える影響は大きいと認められる。
【0047】
集積性能の評価は次のようにして行った。実験装置を稼働させ、札間距離を変更して紙葉2を正常に集積できたか否かを確認した。札間距離は、25mm、20mm、15mm、10mmの4種類とした。
【0048】
紙葉2を正常に集積できた札間距離は、
ゴム製の接触部は25mm及び20mmである。
サンプルA(直径0.15mm)は25mm、20mm、15mm、10mmである。
サンプルB(直径0.132mm)は25mm、20mm、15mm、10mmである。
サンプルC(直径0.1mm)は25mm、20mm、15mmである。
サンプルD(直径0.07mm)は25mmである。
【0049】
集積性能の評価結果から、毛状部材32aの直径が小さくなるほど、札間距離が小さいときに正常に集積できない状況が多く発生すると認められる。従って、毛状部材32aの直径が大きくなるほど集積性能が上がると考えられる。サンプルA~Cにおいては、ゴム製の接触部よりも集積性能が優れていることが確認された。また、サンプルDの集積性能はゴム製の接触部に劣るが、札間距離が25mmであれば適切に集積できることが確認された。従って、集積性能の面からは、毛状部材32aの直径が0.07mm以上であることが好ましいと認められる。また、毛状部材32aの直径が0.1mm以上であると更に好ましいと認められる。
【0050】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、紙葉類叩き回転体3は、8つの接触部32を備えており、8つの接触部32が、回転中心軸Xの周りに均等な間隔で配置されている例が説明された。
図4に示すように、紙葉類叩き回転体3は、4つの接触部32を備えており、4つの接触部32が、回転中心軸Xの周りに均等な間隔で配置されていてもよい。接触部32の数は設置場所等に応じて2~16枚程度でも良い。
【0051】
〔毛状部材の静音性能と集積性能について〕
4つの接触部32を有する紙葉類叩き回転体3において、上述の評価と同様の条件で「静音性能」と「集積性能」とを評価した。なお、本実施形態では、凹部33の直径は14mmである。
【0052】
静音性能の測定結果は、
ゴム製の接触部は71.0dB、
サンプルA(直径0.15mm)は59.3dB、
サンプルB(直径0.132mm)は55.7dB、
サンプルC(直径0.1mm)は55.6dB、
サンプルD(直径0.07mm)は48.3dB、である。
【0053】
静音性能の測定結果から、毛状部材32aの直径が小さくなるほど静音性能が高くなることが確認された。サンプルA~Dの全てにおいて、ゴム製の接触部よりも打撃音が小さくなった。すなわち、接触部32の数が8つである場合と同様の結果となった。
【0054】
以上の評価結果から、接触部32の数が4つである形態においても、静音性能の面からは、毛状部材32aの直径が0.15mm以下であることが好ましいと認められる。また、毛状部材32aの直径が0.132mm以下であると更に好ましいと認められる。集積性能の面からは、接触部32の数が8つである場合と同様に、毛状部材32aの直径が0.07mm以上であることが好ましいと認められる。また、毛状部材32aの直径が0.1mm以上であると更に好ましいと認められる。
【0055】
(2)上記実施形態では、紙葉類叩き回転体3は、全ての接触部32が毛状部材32aで構成された例が説明された。紙葉類叩き回転体3は、毛状部材32aの接触部32と、他の形態の接触部(例えばゴム製の板状の接触部)と、を両方備えていてもよい。また、毛状部材32aの接触部32と、他の形態の接触部と、が回転中心軸Xの周りに交互に配置されてもよい。
【0056】
(3)接触部32は、回転中心軸Xの周方向に間隔を空けて配置されていれば、均等に配置されなくともよい。
【0057】
(4)紙葉類処理装置1は、軸部材16cの延びる方向に間隔を空けて、毛状部材32aの接触部32を備える紙葉類叩き回転体3と、他の形態の接触部を備える紙葉類叩き回転体3と、を備えていてもよい。
【0058】
(5)紙葉類叩き回転体3は、投出部13に設けられている例が説明された。紙葉類叩き回転体3は、紙葉類を集積する場所であれば、筐体11の外部に通じていない複数の集積部14やリジェクト部15に備えられていてもよい。
【0059】
(6)上記実施形態では、毛状部材32aは、ナイロン樹脂によって形成されている。毛状部材32aは、打撃音を小さくできれば、ポリアセタール樹脂、ポリエステル、ポリオレフィンなどの樹脂材料からなる人工毛でもよく、豚毛などの天然毛でもよい。またこれらを組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、紙葉類を搬送集積するために用いられる紙葉類叩き回転体及び紙葉類処理装置に利用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 :紙葉類処理装置
3 :紙葉類叩き回転体
31 :基部
32 :接触部
32a :毛状部材
X :回転中心軸