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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134102
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】空気調和装置の室外機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/44 20110101AFI20230920BHJP
   F24F 1/24 20110101ALI20230920BHJP
   F24F 1/56 20110101ALI20230920BHJP
【FI】
F24F1/44
F24F1/24
F24F1/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039456
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宝積 俊和
(72)【発明者】
【氏名】堀 充宏
(72)【発明者】
【氏名】安藤 庸平
(72)【発明者】
【氏名】神村 剛
(72)【発明者】
【氏名】河邉 英司
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA01
3L054BA10
3L054BB01
3L054BG05
(57)【要約】
【課題】設置に必要な空間の縮小を図ることができる空気調和装置の室外機を提供する。
【解決手段】室外機1は、平面視矩形状の筐体10と、筐体10に収められるインバータ84、及びバッテリ72とを備える空気調和装置の室外機1であって、インバータ84と、バッテリ72とは、平面視で長辺に位置する一対の側面の少なくともいずれか一方に沿って各々が設けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視矩形状の筐体と、前記筐体に収められるインバータ、及びバッテリとを備える空気調和装置の室外機であって、
前記インバータと、前記バッテリとは、
前記平面視で長辺に位置する一対の側面の少なくともいずれか一方に沿って各々が設けられる
ことを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項2】
前記筐体には、当該筐体を上下二段に分割する仕切板が設けられ、
前記筐体の下段には、エンジンが収められる機械室が設けられ、
前記バッテリは、前記機械室に収められる
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項3】
前記筐体には、当該筐体を上下二段に分割する仕切板が設けられ、
前記筐体の上段には、熱交換器が収められる熱交換室が設けられ、
前記インバータは、前記熱交換室に収められる
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項4】
前記インバータと、前記バッテリとは、各々が互いに異なる収容体に収められ、
前記収容体の各々は、前記一対の側面の少なくともいずれか一方に向かって開口する開口部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項5】
前記収容体の各々は、前記一対の側面のうちの一方に向かって開口する開口部をいずれも備える
ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項6】
前記インバータを収める前記収容体には、前記収容体の内部と外部とを連通する通気口と、前記通気口に向かって流れる前記収容体の内部の空気を前記通気口に誘導する誘導部材とが設けられる
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項7】
前記筐体には、配線が挿通される配線引込口が設けられ、
前記配線引込口は、前記収容体の各々が備える開口部と共に、前記一対の側面のうちの一方に沿って設けられる
ことを特徴とする請求項4または請求項6に記載の空気調和装置の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エンジンの起動に必要なエンジン起動用バッテリ等を含む自立運転用電源装置を構成する部材の具体的な搭載構成を提示するエンジン駆動ヒートポンプを開示する。このエンジン駆動ヒートポンプは、エンジンを起動するエンジン起動用バッテリと、エンジン起動用バッテリを充電するバッテリ充電回路と、発電機からの出力電力を所定電圧・所定周波数に変換するインバータとを本体パッケージとは別体とされた別体パッケージに収納し、別体パッケージの正面および背面を本体パッケージの側面に収まる面積で構成し、別体パッケージを本体パッケージの側面の内、発電機に近い方の側面に設けて本体パッケージで支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-059687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、設置に必要な空間の縮小を図ることができる空気調和装置の室外機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における空気調和装置の室外機は、平面視矩形状の筐体と、前記筐体に収められるインバータ、及びバッテリとを備える空気調和装置の室外機であって、前記インバータと、前記バッテリとは、前記平面視で長辺に位置する一対の側面の少なくともいずれか一方に沿って各々が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、設置に要する空間の縮小を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る空気調和装置の室外機の正面図
図2】室外機を背面から視た分解斜視図
図3】室外機の側面図
図4】インバータボックスの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、エンジン駆動ヒートポンプにおいて、エンジンの起動に必要なエンジン起動用バッテリ等を含む自立運転用電源装置を構成する部材の具体的な搭載構成を提示する技術があった。このエンジン駆動ヒートポンプは、空気調和装置の室外機であって、エンジンと、圧縮機と、冷媒回路と、発電機と、これらを収納する本体パッケージを備える。この室外機は、エンジンを起動するエンジン起動用バッテリと、エンジン起動用バッテリを充電するバッテリ充電回路と、発電機からの出力電力を所定電圧・所定周波数に変換するインバータとを本体パッケージとは別体とされた別体パッケージに収納する。この別体パッケージは、正面および背面が本体パッケージの側面に収まる面積で構成され、本体パッケージの側面の内、発電機に近い方の側面に設けて本体パッケージで支持される。これにより、この室外機では、当該室外機の設置作業の作業性を向上させることができる。
【0009】
しかしながら、このような室外機では、本体パッケージ、すなわち室外機の筐体の外部にバッテリとインバータとが配置されるため、当該室外機の設置に要する空間が拡大すると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、設置に必要な空間の縮小を図ることができる空気調和装置の室外機を提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図1図4を用いて、実施の形態1を説明する。各図に示す符号FRは、設置面に設置されて通常使用される状態における空気調和装置の室外機の前方を示し、符号UPは、当該室外機の上方を示し、符号LHは、当該室外機の左方を示す。以下の説明において、各方向は、これらの室外機の方向に沿った方向である。
【0012】
[1-1.構成]
[1-1-1.室外機の構成]
図1は、本実施の形態に係る空気調和装置の室外機1の正面図である。図2は、室外機1を背面から視た分解斜視図である。図1では、説明の便宜上、下部前面パネル26を一点鎖線で示す。図2では、説明の便宜上、第1下部パネル28と、上部背面パネル36とが分離された状態で室外機1を示す。
図1に示すように、室外機1は、ガスエンジン40によって圧縮機50が駆動されるガスヒートポンプ(GHP)型の空気調和装置の室外ユニットである。本実施の形態の空気調和装置は、室内ユニットに収められた室内熱交換器と、室外機1に収められた圧縮機50や膨張弁、室外熱交換器56等で形成された冷凍回路を備える。空気調和装置は、この冷凍回路に冷媒を流通させることで、室内ユニットが設けられる被調和空間の空調を行うものである。
【0013】
室外機1は、平面視矩形の略直方体形状に形成された筐体10を備える。筐体10の内部は、略水平に延びる矩形の仕切板12で上下二段に区画される。
筐体10において、仕切板12の下方に位置する下段は、ガスエンジン40や圧縮機50等が収納される機械室11である。筐体10において、仕切板12の上方に位置する上段は、一対の室外熱交換器56や、一対の送風機58等が収納される熱交換室13である(図3)。
【0014】
仕切板12には、機械室11と、熱交換室13とを連通させる連通口15が設けられる(図3)。連通口15は、熱交換室13から機械室11に雨水等が入り込まないように、上方から連通口カバー14で覆われる(図3)。室外機1では、連通口カバー14と仕切板12との隙間と、連通口15とを介して、機械室11の空気(熱気)が熱交換室13に移動可能である。
【0015】
筐体10は、機械室11の外装体を形成する下部筐体20と、熱交換室13の外装体を形成する上部筐体30とで形成される。下部筐体20と、上部筐体30とは、例えばボルトやナット等で互いに連結される。
【0016】
上部筐体30は、仕切板12によってその底面が形成される。上部筐体30には、仕切板12の4つの角部から起立する複数の支柱32が設けられる。
図2に示すように、上部筐体30の左右方向には、筐体10の左右方向に位置し、且つ筐体10の上側の側面を形成する上部側面パネル34が設けられる。上部側面パネル34の各々は、筐体10の平面視で短辺に位置し、筐体10の前後方向に沿った幅寸法が当該短辺よりも短く形成される。本実施の形態では、筐体10の左側面を形成する上部側面パネル34は、筐体10の前面側に位置する支柱32に連結され、筐体10の右側面を形成する上部側面パネル34は、筐体10の背面側に位置する支柱32に連結される。
上部筐体30の左右方向に位置する側面の各々において、上部側面パネル34が設けられない箇所には、開口部である側面開口31がいずれも設けられる。
【0017】
上部筐体30の背面には、上部背面パネル36が設けられる。上部背面パネル36は、筐体10の平面視で、当該筐体10の長辺に位置し、筐体10の左右方向に沿った寸法が当該長辺よりも短く形成される。本実施の形態では、上部背面パネル36は、筐体10の背面視で左右側の支柱32に隣り合って設けられる。この上部背面パネル36は、筐体10から着脱可能に設けられる。
【0018】
上部背面パネル36には、スリット状の開口部である3つの吸気口83が設けられる。吸気口83の各々は、長手方向が筐体10の左右方向に沿って延び、筐体10の背面視で、仕切板12に接近する位置に、上部背面パネル36の上下方向に沿って並べて設けられる。
【0019】
上部筐体30の背面には、上部背面パネル36が設けられない箇所に、開口部である背面開口33が設けられる。上部筐体30の前面には、全面に亘って開口部である前面開口35が設けられる。
上部筐体30の上面には、筐体10の天面を形成する天面パネル38が設けられる。この天面パネル38には、2つの排気口37が筐体10の左右方向に沿って並べて設けられる。排気口37の各々は、いずれも格子状のガード部材39によって覆われる。
【0020】
下部筐体20は、仕切板12によってその天面が形成される。下部筐体20には、その底面及び筐体10の底面を形成する底面パネル22と、底面パネル22の4つの角部から起立する複数の支柱24とが設けられる。
【0021】
下部筐体20には、その左右の側面の各々を形成する一対の下部側面パネル25が設けられる。下部側面パネル25の各々は、筐体10の平面視で、当該筐体10の短辺に位置する。
下部筐体20の前面には、下部前面パネル26が設けられる。下部筐体20の背面には、第1下部パネル28と、第2下部パネル27と、第3下部パネル29とが設けられる。下部前面パネル26と、第1下部パネル28と、第2下部パネル27と、第3下部パネル29とは、筐体10の平面視で、当該筐体10の長辺に位置する。
【0022】
下部筐体20の背面において、第1下部パネル28は、当該背面の略中央に設けられる。第2下部パネル27は、第1下部パネル28の左側に設けられ、第3下部パネル29は、第1下部パネル28の右側に設けられる。第3下部パネル29には、貫通孔である孔部21が設けられ、当該孔部21には、下部筐体20の内部から外部に延びるドレンホース57が挿通される。ドレンホース57は、冷凍回路を形成する各種の機器や冷媒配管の各々の表面から落下したドレン水を筐体10の外部に排出する流路を形成する。
【0023】
第1下部パネル28は、筐体10から着脱可能に設けられる。
第1下部パネル28には、下縁の略中央が矩形状に切り欠かれて形成される切り欠き部65が設けられる。筐体10の背面視で、切り欠き部65の左右両側には、スリット状の開口部である吸気口63と吸気口73とが設けられる。吸気口63と吸気口73とは、いずれも吸気口83と略同一の形状を備え、長手方向が筐体10の左右方向に沿って延び、筐体10の背面視で、第1下部パネル28の下縁側に設けられる。吸気口63は、筐体10の背面視で、切り欠き部65の右側に配置され、筐体10の上下方向に沿って2つが並べて設けられる。吸気口73は、筐体10の背面視で、切り欠き部65の左側に1つが配置される。
【0024】
図1に示すように、下部筐体20の内部空間である機械室11には、ガスエンジン40と、このガスエンジン40の駆動力により発電を行う発電機42と、ガスエンジン40の駆動力により冷媒を圧縮する圧縮機50とが収められる。
圧縮機50と、発電機42とは、底面パネル22において、筐体10の平面視で、当該筐体10の長辺が延びる方向と略同一方向に沿って並べて載置される。圧縮機50と、発電機42とは、筐体10の背面側よりも前面側に接近した位置に設けられる。
圧縮機50と、発電機42とは、略水平方向に延びる発電機42の回転軸により連結される。発電機42の回転軸には、プーリ41が設けられる。圧縮機50の回転軸には、プーリ55が設けられる。
【0025】
本実施の形態の発電機42は、ガスエンジン40の駆動によって、回転軸が回転されることで発電する。発電機42によって発電される電力は、電源線を介して、室外機1の電気部品の各々や、室内ユニット、及び空気調和装置以外の各種の電力負荷に供給される。電力負荷は、設置場所やユーザーの希望に応じて適宜に接続されるものである。電力負荷には、室内を照らす照明装置等が相当する。
【0026】
圧縮機50と、発電機42との上方には、ガスエンジン40が設けられる。本実施形態のガスエンジン40は、都市ガス、LPG等のガス燃料によって駆動される水冷式のエンジンである。なおこれに限らず、室外機1は、他の動力源を備えてもよい。
【0027】
ガスエンジン40には、略水平方向に延びるガスエンジン40の回転軸が連結される。ガスエンジン40の回転軸の一方の端部には、プーリ43が設けられ、当該回転軸の他方の端部には、プーリ53が設けられる。
プーリ41と、プーリ43とには、ベルト45が掛けられる。これによって、発電機42の回転軸と、ガスエンジン40の回転軸とが連結される。
プーリ55と、プーリ53とには、ベルト45が掛けられる。これによって、発電機42の回転軸と、圧縮機50の回転軸とが連結される。
【0028】
ガスエンジン40には、ガスエンジン40を冷却する冷却水回路や空気を供給する吸気装置47、ガス燃料を供給する燃料供給装置、ガス燃料に点火する点火装置、ガスエンジン40から排出される排気ガスを外部に排出する排気装置44等が設けられる。これらの装置は、いずれも機械室11に設けられる。
【0029】
図2に示すように、排気装置44は、筐体10の背面と右側面とで形成される角部に配置される。この排気装置44は、ガスエンジン40から排出された排気ガスの排気音を低減する排気マフラ46と、排気マフラ46に連結され、上方に向かって延びる排気管48とを備える。排気管48は、仕切板12を貫通し、熱交換室13の内部まで延びる。
【0030】
機械室11において、筐体10の右側面に接近した位置には、ガスエンジン40の各部を潤滑するオイルを貯めるオイルタンク49と、当該オイルタンク49の下方に位置する吸気装置47とが設けられる。
ガスエンジン40と吸気装置47との間には、筒状の排気ガス熱交換器51が設けられる。排気ガス熱交換器51は、ガスエンジン40の排気ガスと、ガスエンジン40の冷却水との間で熱交換を行う熱交換器である。排気ガス熱交換器51は、機械室11において、仕切板12に接近する上方に設けられる。
【0031】
機械室11には、圧縮機50に加えて、アキュームレータ52、オイルセパレータ54、冷媒配管等の冷凍回路を形成する各種の機器や部材を備える。これらの機器や部材は、冷媒配管によって互いに接続され、さらに室外熱交換器56の各々に接続される。
アキュームレータ52と、オイルセパレータ54とは、筐体10の右側面に接近した位置に設けられる。アキュームレータ52は、筐体10の背面側に位置し、オイルセパレータ54は、筐体10の前面側に位置する。
【0032】
機械室11において、第1下部パネル28に接近した位置には、電装ボックス60が設けられる。電装ボックス60は、電源端子盤や室外機1の各電子機器を制御する制御装置等の電気部品を内部に収める収容体である。
電装ボックス60は、長手方向が機械室11の上下方向に沿って延びる直方体状の箱体である。電装ボックス60は、底面パネル22に載置され、上端が仕切板12に接近する位置まで延びる。電装ボックス60の背面には、当該電装ボックス60の内外を連通させる排気口が設けられる。
【0033】
電装ボックス60は、筐体10の平面視で、筐体10の一方の長辺に沿って設けられる。電装ボックス60は、筐体10の背面視で、筐体10の当該長辺方向における略中央に配置される。換言すれば、電装ボックス60は、ガスエンジン40と、発電機42と、圧縮機50との背面に配置される。
【0034】
電装ボックス60において、第1下部パネル28に対向する一側面である前面には、全面に亘って開口61が設けられる。すなわち、開口61は、第1下部パネル28、及び筐体10の背面に向かって開口する。開口61は、筐体10の背面と略同一平面上に位置する。
【0035】
第1下部パネル28が筐体10に取り付けられると、開口61は、当該第1下部パネル28によって閉塞され、筐体10の背面視で、吸気口63の各々が開口61に重なるように配置される。すなわち、吸気口63の各々は、当該電装ボックス60の内部と筐体10の外部とを連通させる。
【0036】
上述の通り、第1下部パネル28は、筐体10、及び下部筐体20から着脱可能に設けられる。これによって、作業者は、第1下部パネル28を取り外すことで、開口61を介して、電装ボックス60に収められる電気部品に容易にアクセスし、点検や交換等の各種の作業を実施することが可能である。
【0037】
筐体10、及び下部筐体20の背面において、第1下部パネル28に接近した位置には、バッテリボックス70が設けられる。バッテリボックス70は、ガスエンジン40の起動用であるバッテリ72と、電装部品74とを収める収容体である。
バッテリボックス70は、複数の直方体が組み合わされて形成される箱体である。これによって、バッテリボックス70は、機械室11の内部に配置される他の機器や各種の配管等を避けて機械室11に配置される。バッテリボックス70の背面には、当該バッテリボックス70の内外を連通させる排気口が設けられる。
【0038】
バッテリボックス70は、筐体10の平面視で、筐体10の一方の長辺に沿って、底面パネル22に載置される。バッテリボックス70は、筐体10の背面視で、電装ボックス60と、アキュームレータ52との間に配置される。換言すれば、バッテリボックス70は、ガスエンジン40、発電機42、及び圧縮機50と、アキュームレータ52との間に配置される。
【0039】
バッテリボックス70において、第1下部パネル28に対向する一側面である前面には、全面に亘って、開口71が設けられる。すなわち、開口71は、第1下部パネル28、及び筐体10の背面に向かって開口する。開口71は、筐体10の背面と略同一平面状に位置する。
【0040】
第1下部パネル28が筐体10に取り付けられると、開口71は、当該第1下部パネル28によって閉塞され、筐体10の背面視で、吸気口73が開口71に重なるように配置される。すなわち、吸気口73は、当該バッテリボックス70の内部と筐体10の外部とを連通させる。吸気口73は、筐体10の背面視で、バッテリ72に重なるように配置される。
【0041】
上述の通り、第1下部パネル28は、筐体10、及び下部筐体20から着脱可能に設けられる。これによって、作業者は、第1下部パネル28を取り外すことで、開口71を介してバッテリボックス70に収められる電気部品に容易にアクセスし、点検や交換等の各種の作業を実施することができる。
【0042】
下部筐体20において、電装ボックス60と、バッテリボックス70との間には、配線引込体62が設けられる。この配線引込体62は、筐体10の背面側において、底面パネル22の長辺から上方に起立し、筐体10の背面と略同一平面状に位置する平面67を備える。この平面67には、複数の配線引込口64が設けられる。配線引込口64は、例えば商用電源に接続される電源線や、他の室外機1に接続されるユニット間配線、発電機42によって発電される発電電力を出力する発電電力出力線等、各種の配線が引き込まれる、あるいは引き出される開口部である。
配線引込口64の各々が電装ボックス60とバッテリボックス70とに接近した位置に設けられることで、室外機1では、配線引込口64を介して特に電装ボックス60とバッテリボックス70に接続される各種の配線に係る作業が容易になる。
【0043】
第1下部パネル28が筐体10に取り付けられると、平面67は、切り欠き部65の内側に嵌り込む。すなわち、平面67、及び配線引込口64の各々は、切り欠き部65を介して、筐体10の外部に露出する。これによって、配線引込口64の各々は、筐体10の内外を連通させる。
【0044】
図3は、室外機1を右側から視た側面図である。図3では、説明の便宜上、上部筐体30について、室外機1の上下方向、及び前後方向に平行、且つインバータボックス80と排気管48との間を通る平面で切断した断面を示す。
図1から図3に示すように、上部筐体30の熱交換室13には、一対の室外熱交換器56と、一対の送風機58とが設けられる。
本実施形態の室外熱交換器56は、所謂フィン・チューブ型の熱交換器である。当該室外熱交換器56は、銅製の冷媒配管に金属製の複数のフィンが接合され、全体として所定の幅寸法を有する長尺に形成される。室外熱交換器56の各々は、長手方向に直交する方向である幅方向が上部筐体30の上下方向に沿うように配置される。
【0045】
一方の室外熱交換器56は、前面開口35と、筐体10の右側面に位置する側面開口31とに対向するように、筐体10の平面視で略L字状に折り曲げられて、熱交換室13に収められる。詳述すると、一方の室外熱交換器56は、一方の端部が筐体10の右側面に位置する上部側面パネル34の前端に隣接して配置される。この室外熱交換器56は、当該前端から筐体10の右側面と前面とで形成される角部に位置する支柱32まで延びた後に折り曲げられ、筐体10の前面に沿って延びる。この室外熱交換器56の他方の端部は、筐体10の右側面と前面とで形成される角部に位置する支柱32に隣接して配置される。
【0046】
他方の室外熱交換器56は、背面開口33と、筐体10の左側面に位置する側面開口31とに対向するように、筐体10の平面視で略L字状に折り曲げられて、熱交換室13に収められる。詳述すると、他方の室外熱交換器56は、一方の端部が筐体10の左側面に位置する上部側面パネル34の後端に隣接して配置される。この室外熱交換器56は、当該後端から筐体10の左側面と背面とで形成される角部に位置する支柱32まで延びた後に折り曲げられ、筐体10の背面に沿って延びる。この室外熱交換器56の他方の端部は、上部背面パネル36の筐体10の左側に位置する端部に隣接して配置される。
なお、室外熱交換器56の各々は、例えば扁平管とヘッダパイプとを備える熱交換器のような、他の形態の熱交換器であってもよい。
【0047】
本実施の形態の送風機58は、プロペラ状の羽根車を備える所謂軸流ファンである。送風機58の各々は、軸流方向が排気口37の各々に向かうように配置される。
【0048】
筐体10の右側面と背面とで形成される角部には、当該角部に位置する支柱32より内側に、排気管48が設けられる。排気管48は、熱交換室13から連続して延びて仕切板12を貫通し、上部筐体30の上下方向に沿って延び、天面パネル38を貫通する。
排気管48の上端は、排気トップ59に連結される。排気トップ59は、排気ガスを冷却して外部に排出する装置である。排気トップ59は、天面パネル38に固定される。
【0049】
[1-1-2.インバータボックスの構成]
熱交換室13には、インバータボックス80が設けられる。インバータボックス80は、発電機42からの出力電力を所定電圧・所定周波数に変換する発電機42の発電電力を所定の電圧や所定の周波数に変換する電気部品であるインバータ84を収める収容体である。
インバータボックス80は、長手方向が熱交換室13の上下方向に沿って延びる直方体状の箱体である。図3に示すように、インバータボックス80は、仕切板12に載置され、上端が天面パネル38から離間した位置に配置される。図3に示すように、インバータボックス80は、筐体10の平面視で、少なくともその一部が一方の送風機58に重なるように、当該送風機58の下方に配置される。インバータボックス80の背面は、一方の室外熱交換器56から離間して配置される。
【0050】
図2に示すように、インバータボックス80は、他方の室外熱交換器56と、排気管48との間に配置される。インバータボックス80は、筐体10、及び上部筐体30の背面において、上部背面パネル36に接近した位置に設けられる。換言すれば、インバータボックス80は、筐体10の平面視で、筐体10の一方の長辺に沿って配置される。
インバータボックス80において、上部背面パネル36に対向する一側面である前面には、全面に亘って、開口81が設けられる。すなわち、開口81は、上部背面パネル36、及び筐体10の背面に向かって開口する。開口81は、筐体10の背面と略同一平面状に位置する。
【0051】
上部背面パネル36が筐体10に取り付けられると、開口81は、当該上部背面パネル36によって閉塞され、筐体10の背面視で、吸気口83の各々が開口81に重なるように配置される。すなわち、吸気口83は、当該インバータボックス80の内部と、筐体10の外部とを連通させる。
【0052】
上述の通り、上部背面パネル36は、筐体10、及び上部筐体30から着脱可能に設けられる。これによって、作業者は、上部背面パネル36を取り外すことで、開口81を介して、インバータボックス80に収められるインバータ84に容易にアクセスし、点検や交換等の各種の作業を実施することができる。
【0053】
上述の通り、電装ボックス60の開口61と、バッテリボックス70の開口71とは、筐体10の背面に向かって開口する。同様に、複数の配線引込口64は、筐体10の背面に設けられる。
このように、電装ボックス60と、バッテリボックス70と、配線引込口64と、インバータボックス80とは、筐体10の背面からアクセス可能に形成される。これによって、室外機1は、筐体10の背面に沿ってのみ作業者が作業可能なスペースを設け、他の側面に沿う作業スペースを省略して設置することができる。このため、室外機1は、設置に必要なスペースの省略を図ることができる。
【0054】
図4は、インバータボックス80の斜視図である。図4では、説明の便宜上、インバータボックス80の天面と、側面と、通気口85の各々とを一点鎖線で示す。
インバータボックス80の背面において、当該背面の上端に接近する位置には、通気口85が設けられる。通気口85は、インバータボックス80の外部と内部とを連通させる開口部である。
【0055】
上述の通り、インバータボックス80は、インバータ84が収められる。このインバータ84は、インバータ制御基板76と、インテリジェントパワーモジュール88(Intelligent Power Module、IPM)とを備える。インバータ制御基板76と、インテリジェントパワーモジュール88とは、いずれも発熱部材である。
【0056】
インバータ制御基板76は、長手方向がインバータボックス80の上下方向に沿って配置され、一方の平面が吸気口83の各々に対向するように配置される。インバータ制御基板76は、下端がインバータボックス80の底面に接近する位置に配置され、上端がインバータボックス80の上下方向の略中央に配置される。
【0057】
インテリジェントパワーモジュール88は、インバータボックス80の内部に設けられる放熱板92に取り付けられる。
放熱板92は、板状の放熱部材である。本実施の形態では、長手方向に位置する一方の全面が開口する直方体状に折り曲げられ、インバータボックス80の背面に設けられる。この放熱板92は、インバータボックス80の上下方向に沿って延び、上端が通気口85に接近する位置に配置され、下端がインバータ制御基板76に接近する位置に配置される。このように配置された放熱板92の下端に位置する面は、全面が開口する。放熱板92の下端に位置する面には、複数のスリット状の開口であるスリット開口93が設けられる。
インテリジェントパワーモジュール88は、上部背面パネル36に対向する位置で放熱板92に取り付けられる。
【0058】
放熱板92の下端には、回転駆動することで送風を行う冷却ファン90が設けられる。この冷却ファン90が放熱板92の内部に送風することで、インテリジェントパワーモジュール88が冷却される。この冷却ファン90の駆動電力は、ガスエンジン40によるものであってもよいし、バッテリ72や外部電源からの供給電力によるものであってもよい。
【0059】
インバータボックス80の内部は、誘導板94によって上下に仕切られる。誘導板94は、インバータボックス80の内部における空気の流れを誘導する誘導部材として機能する。インバータボックス80の内部において、誘導板94より上方には、通気口85のみが配置され、誘導板94より下方には、インバータ84やその放熱に係る部材等が配置される。
誘導板94には、開口部である連通開口91が設けられる。連通開口91には、放熱板92の上端が連結される。これによって、インバータボックス80の内部では、誘導板94の上下に位置する空間が放熱板92によって互いに連通される。
【0060】
インバータボックス80は、バッテリボックス70よりも質量が小さい。このように、室外機1では、より小さい質量のインバータボックス80を室外機1の上方に位置する熱交換室13に配置し、より大きい質量のバッテリボックス70を室外機1の下方に位置する機械室11に配置することで、当該室外機1の重心が下方となる。このため、室外機1は、吊り具等を用いて当該室外機1の設置作業を行う場合に、当該室外機1をより安定した状態で吊り上げることが可能であり、当該室外機1の設置時における作業性の向上を図ることが可能である。
【0061】
[1-2.動作]
以上のように構成された室外機1について、その動作を以下説明する。
室外機1を備える空気調和装置の暖房運転の場合、室外機1が作動を開始すると、ガスエンジン40が駆動し、これによって圧縮機50が駆動される。圧縮機50は、冷凍回路の内部に封入された冷媒を圧縮し、各冷媒配管を経由して冷媒を送り出す。この冷媒は、室内熱交換器で熱を放出した後、配管を通って膨張弁に流入し、当該膨張弁によって減圧され、さらに配管を通って各室外熱交換器56に流入する。
【0062】
室外機1は、作動を開始すると、ガスエンジン40の駆動に先行して一対の送風機58を回転させる。回転駆動する送風機58の各々は、側面開口31や、背面開口33、前面開口35を介して、空気を室外機1の外部から上部筐体30の熱交換室13に流入させる。流入する空気は、2つの室外熱交換器56のいずれかを通過する。これによって、室外熱交換器56の内部を流れる冷媒と、空気との熱交換が行われ、空気と熱交換された冷媒が蒸発する。この後冷媒は、室外熱交換器56から流出し、配管を通って圧縮機50に流入した後、再び圧縮される。冷媒と熱交換された空気は、送風機58によって、排気口37から上部筐体30の外部に排出される。
【0063】
これらの動作を繰り返すことで、室外機1は、室外の空気から冷凍サイクルに熱を吸収し、室内に放出する。なお、空気調和装置の冷房運転の場合、冷凍サイクルの冷媒の循環方向は、暖房運転の場合の逆向きとなる。
【0064】
室外機1が作動を開始すると、ガスエンジン40が駆動し、これによって発電機42が発電を開始する。発電機42が発電した電力は、インバータ84を経た後に、所定の電源線を介して、室外機1の各部や室内ユニット、及び各種の電力負荷に駆動電力として供給される。当該電力の一部は、バッテリ72に蓄電される。
停電等によって商用電源からの電力供給が断たれると、室外機1は、当該室外機1の各部や室内ユニット、及び他の電力負荷に発電機42が発電した電力や、バッテリ72に蓄電された電力を供給することが可能である。
【0065】
ここで、送風機58の各々が駆動すると、下部筐体20では、下部筐体20の各側面を形成する下部側面パネル25や下部前面パネル26等の各パネルと、支柱24との隙間から機械室11に空気が流入する。同様に、吸気口63と吸気口73との各々からも空気が流入する。
機械室11に流入した空気は、当該機械室11に収められる各種の機器や部材等の周囲を流れ、冷却する。この後、当該空気は、連通口15を介して、熱交換室13に流れ込んだ後、排気口37から筐体10の外部に排出される。これによって、室外機1では、機械室11の内部の温度が所定温度以上に上昇することが抑制可能である。
【0066】
吸気口63の各々から筐体10の内部に流れ込んだ空気は、電装ボックス60に流れ込み、当該電装ボックス60の内部の発熱部材である各種の電気部品を冷却する。この後、当該空気は、電装ボックス60の背面の排気口から機械室11に排出される。同様に、吸気口73から筐体10の内部に流れ込んだ空気は、バッテリボックス70に流れ込み、当該バッテリボックス70の内部の発熱部材であるバッテリ72や電装部品74を冷却し、バッテリボックス70の背面の排気口から機械室11に排出される。
【0067】
送風機58の各々が駆動すると、上部筐体30では、吸気口83の各々から空気が流入する。当該空気は、インバータボックス80に流れ込み、吸気口83の各々に対向して配置されるインバータ制御基板76の周囲を流れ、冷却する。この後、当該空気は、冷却ファン90によって、引き込まれた空気と共に、放熱板92に流れ込み、インテリジェントパワーモジュール88を冷却する。当該空気は、放熱板92の内部を上昇した後、通気口85からインバータボックス80の外部に排出される。
【0068】
上述の通り、インバータボックス80の内部は、誘導板94によって、放熱板92の上端より上方側と下方側とに仕切られる。これによって、インバータボックス80では、インバータ84を冷却した後、放熱板92の上端から流れ出た空気が再度放熱板92の下方側に戻って当該インバータボックス80の内部を循環する、所謂ショートサーキットが生じることを抑制できる。このため、インバータボックス80では、当該インバータボックス80に収められる発熱部材を効率よく冷却することができる。
【0069】
さらに、室外機1では、送風機58が配置される熱交換室13にインバータボックス80が配置されることで、当該インバータボックス80の内部を流れる空気の流速を上昇させることが可能である。このため、室外機1では、インバータボックス80に収められる発熱部材をより効率よく冷却することが可能である。
【0070】
上述の通り、インバータボックス80の背面は、一方の室外熱交換器56から離間して配置される。これによって、通気口85が閉塞されることが抑制され、インバータボックス80では、当該インバータボックス80に収められる発熱部材を効率よく冷却することが可能である。同様に、室外熱交換器56を流れる空気がインバータボックス80によって阻害されることが抑制される。
【0071】
上述の通り、電装ボックス60と、バッテリボックス70と、配線引込口64と、インバータボックス80とは、筐体10の背面からアクセス可能に形成される。これによって、室外機1は、筐体10の背面に沿ってのみ作業者が作業可能なスペースを設け、他の側面に沿う作業スペースを省略して設置することができる。
このため、室外機1では、例えば筐体10の平面視で短辺が位置する方向、すなわち室外機1の左右方向に沿って、複数の室外機1を連続して並べる場合に、各室外機1同士をより接近させて配置することができる。そして、室外機1では、複数の室外機1を設置する場合に、室外機1の各々に加え、複数の室外機1の全体について、設置に要する空間の省スペース化を図ることができる。
【0072】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、室外機1は、平面視矩形状の筐体10と、筐体10に収められるインバータ84、及びバッテリ72とを備える空気調和装置の室外機1である。インバータ84と、バッテリ72とは、平面視で長辺に位置する一対の側面の少なくともいずれか一方に沿って各々が設けられる。
これにより、室外機1は、筐体10の平面視で長辺に位置する側面である背面に沿ってのみ作業者が作業可能なスペースを設け、他の側面に沿う作業スペースを省略して設置することができる。このため、室外機1は、設置に必要な空間の縮小を図ることができる。
【0073】
本実施の形態のように、筐体10には、当該筐体10を上下二段に分割する仕切板12が設けられ、筐体10の下段には、ガスエンジン40が収められる機械室11が設けられ、バッテリ72は、機械室11に収められるようにしてもよい。
これにより、室外機1では、当該室外機1の重心が下方となり、安定性が向上する。このため、室外機1では、当該室外機1の設置時における作業性の向上を図ることが可能である。
【0074】
本実施の形態のように、筐体10には、当該筐体10を上下二段に分割する仕切板12が設けられ、筐体10の上段には、室外熱交換器56が収められる熱交換室13が設けられ、インバータ84は、熱交換室13に収められるようにしてもよい。
これにより、室外機1では、インバータ84が一対の送風機58と同一の空間に配置される。このため、室外機1では、インバータ84をより効率よく冷却することが可能である。
【0075】
本実施の形態のように、インバータ84と、バッテリ72とは、各々が互いに異なる収容体に収められ、収容体の各々は、筐体10の平面視で長辺に位置する一対の側面の少なくともいずれか一方に向かって開口する開口部を備えるようにしてもよい。
これにより、バッテリボックス70と、インバータボックス80とは、筐体10の背面からアクセス可能に形成される。これによって、室外機1は、筐体10の背面に沿ってのみ作業者が作業可能なスペースを設け、他の側面に沿う作業スペースを省略して設置することができる。
【0076】
本実施の形態のように、インバータ84と、バッテリ72とは、各々が互いに異なる収容体に収められ、収容体の各々は、筐体10の背面に向かって開口する開口部を備えるようにしてもよい。
これにより、バッテリボックス70と、インバータボックス80とは、筐体10の背面からアクセス可能に形成される。これによって、室外機1は、筐体10の背面に沿ってのみ作業者が作業可能なスペースを設け、他の側面に沿う作業スペースを省略して設置することができる。
【0077】
本実施の形態のように、インバータ84を収める収容体には、収容体の内部と外部とを連通する通気口85と、通気口85に向かって流れる収容体の内部の空気を通気口85に誘導する誘導部材とが設けられるようにしてもよい。
これにより、インバータボックス80では、所謂ショートサーキットが生じることを抑制できる。このため、インバータボックス80では、当該インバータボックス80に収められる発熱部材を効率よく冷却することができる。
【0078】
本実施の形態のように、筐体10には、配線が挿通される配線引込口64が設けられ、配線引込口は、バッテリ72が沿うように設けられる側面と同一の側面に沿って設けられるようにしてもよい。
これにより、配線引込口64は、筐体10の一側面からアクセス可能に形成される。このため、室外機1では、バッテリ72、及びインバータ84に係る作業に加えて、室外機1に接続される各種の配線に係る作業を筐体10の一側面のみのアクセスで行うことができる。すなわち、室外機1は、筐体10の背面に沿ってのみ作業者が作業可能なスペースを設け、他の側面に沿う作業スペースを省略して設置することができる。
【0079】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0080】
上述した実施形態では、バッテリボックス70と、インバータボックス80とは、筐体10の背面に沿って設けられ、当該背面側からアクセス可能に形成されるとした。しかしながらこれに限らず、バッテリボックス70と、インバータボックス80とは、筐体10の平面視で長辺に位置する側面に沿っていればどの位置に配置されていてもよい。
【0081】
例えば、バッテリボックス70と、インバータボックス80とは、筐体10の前面に沿って設けられ、当該前面側からアクセス可能に形成されてもよい。また例えば、バッテリボックス70と、インバータボックス80とのいずれか一方が筐体10の前面に沿って設けられ、他方が筐体10の背面に沿って設けられてもよい。この場合、バッテリボックス70と、インバータボックス80とは、それぞれが沿って設けられる側の側面からアクセス可能に形成される。
【0082】
また例えば、室外機1は、熱交換室13にバッテリボックス70が設けられ、機械室11にインバータボックス80が設けられてもよい。
【0083】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本開示は、室外機に適用可能である。具体的には、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置を備える空気調和装置の室外機などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 室外機
10 筐体
28 第1下部パネル(側面)
36 上部背面パネル(側面)
72 バッテリ
84 インバータ
図1
図2
図3
図4