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特開2023-134173水処理システム、水処理方法、及び水処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134173
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】水処理システム、水処理方法、及び水処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/50 20230101AFI20230920BHJP
【FI】
C02F1/50 531M
C02F1/50 520B
C02F1/50 540B
C02F1/50 550C
C02F1/50 550L
C02F1/50 510C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039542
(22)【出願日】2022-03-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森島 龍司
(72)【発明者】
【氏名】大畑 恵美
(72)【発明者】
【氏名】堀江 史郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 恵太
(72)【発明者】
【氏名】川島 一徳
(72)【発明者】
【氏名】新妻 拓
(72)【発明者】
【氏名】西尾 学
(57)【要約】
【課題】塩素水の塩素濃度が変化し得る環境下に水処理システムが置かれた場合に、塩素水タンクに貯められている塩素水を用いて対象水を浄化する。
【解決手段】水処理システム10は、塩素水タンク18と、温度センサ26と、第2ポンプ24Aと、第3ポンプ24Bと、制御装置28と、を備えている。制御装置28は、温度センサ26によって検知された温度に基づいて、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定する。制御装置28は、推定した塩素濃度に応じて、フィルター16及び貯水タンク22の少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定する。制御装置28は、決定した塩素水の量が、フィルター16及び貯水タンク22の少なくとも一方に供給されるように第2ポンプ24A及び第3ポンプ24Bを制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素水タンクと、
温度センサと、
駆動装置と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、
推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、
決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、
水処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記対象水が前記フィルターを透過する際に、
前記対象水が前記フィルターへ流入する側に、前記塩素水を供給するように前記駆動装置を制御し、
前記対象水が前記フィルターから流出する側に、前記塩素水を供給するように前記駆動装置を制御することにより、前記流出する側に位置する前記貯水タンクへ前記塩素水を供給する、
請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度が初期化された日時と、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度の初期値とを更に取得し、
前記初期値と、前記初期化された日時と、前記初期化された日時から所定時刻までの前記温度の時系列とに基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定する、
請求項1又は請求項2に記載の水処理システム。
【請求項4】
塩素水タンクと、
温度センサと、
駆動装置と、
制御装置と、を備える水処理システムの前記制御装置が実行する水処理方法であって、
前記制御装置が、
前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、
推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、
決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、
水処理方法。
【請求項5】
塩素水タンクと、
温度センサと、
駆動装置と、
制御装置と、を備える水処理システムの前記制御装置を構成するコンピュータが実行する水処理プログラムであって、
前記制御装置を構成するコンピュータが、
前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、
推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、
決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、
水処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水処理システム、水処理方法、及び水処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷却対象設備を海水により冷却するにあたり、海水温度の変化に応じて塩素注入量を調節し、海へ放出される海水中の塩素濃度を低く抑えつつ、効果的に海洋生物の付着及び成長を抑制することができる方法及びシステムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、海水使用装置への海水取入管路中の海水流速および海水温度を電気的出力として計測し、これら電気的出力と、所要の設定基準値とを比較して、塩素発生電解槽用電源入力量を制御することを特徴とする海洋生物付着防止用塩素発生電飾槽の制御力法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-84103号公報
【特許文献2】特開昭50-021984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一度使用された水を浄化し、その水を再利用するような水処理システムでは、水を浄化する際に塩素が利用されることが多い。このような水処理システムを小型化し、様々な場所へ設置しようとする場合には、その水処理システムは塩素水を貯めるタンク(以下、単に「塩素水タンク」とも称する。)を備えている必要がある。
【0006】
なお、塩素水の塩素濃度は周囲の温度に応じて変化する。具体的には、周囲の温度が高いほど塩素水の塩素濃度は低下し、周囲の温度が低いほど塩素水の塩素濃度は維持される。このため、塩素水タンクに貯められている塩素水を用いて水を浄化する場合、例えば、一定量の塩素水を用いて対象水を浄化しようとしたとしても、その周囲の温度に応じて塩素水の塩素濃度が変化しているため、対象水を十分に浄化することができない場合がある、という課題が生じる。
【0007】
上記特許文献1に開示されている技術は、海水温度の変化に応じて塩素注入量を調節し、海へ放出される水の塩素濃度を低く抑える技術である。このため、上記特許文献1の技術は、塩素水タンクを備えた水処理システムが対象水を浄化する技術ではない。また、上記特許文献1の技術は、塩素が注入される対象である海水の温度を考慮しており、塩素水タンクに貯められている塩素水の塩素濃度を推定するものではない。
【0008】
また、上記特許文献2に開示されている技術は、塩素発生電解槽用電源入力量を制御する技術である。このため、上記特許文献2の技術も、塩素水タンクを備えた水処理システムが対象水を浄化する技術ではない。
【0009】
このため、従来技術は、塩素水の塩素濃度が変化し得る環境下に水処理システムが置かれた場合に、塩素水タンクに貯められている塩素水を用いて対象水を十分に浄化することができない場合がある、という課題がある。
【0010】
本開示は、上記の事情を鑑みてなされたもので、塩素水の塩素濃度が変化し得る環境下に水処理システムが置かれた場合であっても、塩素水タンクに貯められている塩素水を用いて対象水を浄化することができる、水処理システム、水処理方法、及び水処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1態様は、塩素水タンクと、温度センサと、駆動装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、水処理システムである。
【0012】
本開示の第2態様は、塩素水タンクと、温度センサと、駆動装置と、制御装置と、を備える水処理システムの前記制御装置が実行する水処理方法であって、前記制御装置が、前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、水処理方法である。
【0013】
本開示の第3態様は、塩素水タンクと、温度センサと、駆動装置と、制御装置と、を備える水処理システムの前記制御装置を構成するコンピュータが実行する水処理プログラムであって、前記制御装置を構成するコンピュータが、前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、水処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、塩素水の塩素濃度が変化し得る環境下に水処理システムが置かれた場合であっても、塩素水タンクに貯められている塩素水を用いて対象水を浄化することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の水処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】温度と時間経過とによる塩素水の塩素濃度の変化を説明するための図である。
図3】制御装置として機能するコンピュータの概略ブロック図である。
図4】制御装置の記憶部に格納されるデータの一例を示す図である。
図5】制御装置によって実行される処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0017】
<実施形態の水処理システム>
図1は、本実施形態の水処理システム10を示す図である。図1に示されるように、本実施形態の水処理システム10は、洗浄水を吐出する水栓12と、シンク14と、フィルター16と、塩素水タンク18と、センサ20と、貯水タンク22と、第1ポンプ23と、第2ポンプ24Aと、第3ポンプ24Bと、温度センサ26と、制御装置28と、を備える。シンク14とフィルター16とは、排水管30Aを介して接続されている。また、フィルター16と貯水タンク22とは排水管30Bを介して接続されている。なお、水処理システム10の構成は図1に限定されるものではない。図1は、実施形態である水処理システム10を説明するためのものであり、ポンプ、タンク、センサ、フィルター、及び排水管等の各種構成要素の配置及び構成は、図1に限定されるものではない。
【0018】
センサ20と制御装置28とは電気的に接続されており、制御装置28はセンサ20から出力された信号を取得する。また、温度センサ26と制御装置28とは電気的に接続されており、制御装置28は温度センサ26から出力された信号を取得する。また、第1ポンプ23、第2ポンプ24A、及び第3ポンプ24Bの各々と制御装置28とは電気的に接続されており、制御装置28は第1ポンプ23、第2ポンプ24A、及び第3ポンプ24Bの駆動を制御する。
【0019】
例えば、水処理システム10が可搬である場合には、任意の場所に設置可能であるため、屋内、屋外など様々な場所に設置され得る。例えば、水処理システム10は、特開2022‐014999号公報に開示されているような手洗い装置に搭載される。なお、水処理システム10は、可搬でなくともよい。水処理システム10が可搬でない場合の設置例としては、例えば、車両等の移動体に設置される場合又は利用者により任意の場所に設置される場合等がある。水処理システム10が車両等の移動体に設置される場合の例としては、例えば、キャンピングカー、寝台列車、飛行機、又は客船等における手洗い、シャワー、又は簡易キッチン等として水処理システム10が設置され得る。水処理システム10が任意の場所に設置される場合の例としては、例えば、コンテナハウス、キャンプ施設、別荘、山小屋、又はゴルフ場等の屋外施設等における手洗い、シャワー、又は簡易キッチン等として水処理システム10が設置され得る。
【0020】
水栓12は洗浄水を吐出する。なお、水栓12から吐出される洗浄水は、ユーザによって手洗い等に利用される。
【0021】
シンク14は、ユーザによって使用された洗浄水(以下、単に「対象水」とも称する。)を受ける。シンク14の底部には、槽内に吐水された洗浄水を排水するための排水口(図示省略)が形成されている。シンク14の排水口から排出された対象水WAは排水管30Aを通ってフィルター16を透過する。
【0022】
フィルター16は、対象水WAを浄化するためのものである。後述するように、塩素水タンク18に貯められている塩素水がフィルター16へ供給されることにより、フィルター16を透過する対象水WAが塩素により浄化される。
【0023】
塩素水タンク18には、フィルター16又は貯水タンク22へ供給される塩素水が貯められている。前述したように、この塩素水がフィルター16へ供給されることにより、フィルター16を透過する対象水WAが浄化され対象水WBとなる。また、この塩素水は貯水タンク22へも供給されることにより、貯水タンク22に貯められる対象水WBも浄化される。
【0024】
センサ20は、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度が初期化された日時を検知する。具体的には、センサ20は、塩素水タンク18が交換又は塩素水タンク18に新たな塩素水が追加されると所定の信号を制御装置28へ出力する。センサ20は、例えば、静電容量センサによって実現される。静電容量センサは、塩素水タンク18が交換され又は塩素水タンク18内の新たな塩素水が追加されることにより塩素水の量が所定量以上となった場合に、所定の信号を制御装置28へ出力する。
【0025】
貯水タンク22には、フィルター16を透過した対象水WBが流れ込む。貯水タンク22に貯められる水は洗浄水として再利用される水である。貯水タンク22に貯められている対象水WBは排水管30Cを通って各種の処理が施された後、洗浄水として水栓12から吐出される。
【0026】
駆動装置の一例である第1ポンプ23、第2ポンプ24A、及び第3ポンプ24Bは、後述する制御装置28によりその駆動が制御される。第1ポンプ23が駆動することにより、対象水WAがフィルター16を透過する。また、第2ポンプ24Aが駆動することにより、塩素水タンク18内の塩素水CAがフィルター16の流入側16Aへ供給される。また、第3ポンプ24Bが駆動することにより、塩素水タンク18内の塩素水CB1が貯水タンク22へ供給されると共に、フィルター16の流出側16Bにも塩素水CB2が供給される。
【0027】
温度センサ26は、水処理システム10内部に設置され、塩素水タンク18の周囲の温度を逐次検知する。
【0028】
制御装置28は、フィルター16又は貯水タンク22に供給する塩素水の量を制御する。
【0029】
塩素水の塩素濃度は周囲の温度に応じて変化する。具体的には、温度が高いほど塩素水の塩素濃度は低下し、温度が低いほど塩素水の当初の塩素濃度が維持される。塩素水タンク18に貯められている塩素水の塩素濃度も、周囲の温度に応じて変化する。このため、例えば、毎回一定量の塩素水をフィルター16又は貯水タンク22へ供給するような制御が予め定められていたとしても、塩素水の塩素濃度が温度に応じて変化するため、対象水WA,WBが十分に浄化されない場合が生じ得る。
【0030】
そこで、本実施形態の水処理システム10の制御装置28は、温度センサ26によって検知された温度に基づいて、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定し、推定した塩素濃度に応じてフィルター16及び貯水タンク22へ供給する塩素水の量を決定する。そして、制御装置28は、決定した量の塩素水がフィルター16及び貯水タンク22へ供給されるように第2ポンプ24A及び第3ポンプ24Bを制御する。
【0031】
図2に、周囲の温度と時間経過とによる塩素水の塩素濃度の変化を説明するための図を示す。図2に示されるように、時刻T1から時刻T2までの温度が10℃である場合の塩素水の塩素濃度の変化はC10によって表される。また、図2に示されるように、時刻T1から時刻T2までの温度が20℃である場合の塩素水の塩素濃度の変化はC20によって表され、時刻T1から時刻T2までの温度が30℃である場合の塩素水の塩素濃度の変化はC30によって表される。
【0032】
図2に示されるように、ある時刻T1において塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度がC_T1であったとしても、周囲の温度と時間経過とにより、時刻T2における塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度はC10_T2、C20_T2、及びC30_T2となる。このため、塩素水タンク18に貯められる塩素水に含まれる塩素の量は、周囲の温度と時間経過とに応じて減少していく。
【0033】
この場合、例えば、仮に毎回一定量の塩素水をフィルター16又は貯水タンク22へ供給するような制御を実行する場合には、その塩素水に含まれる塩素の量が減少しており十分ではないことも想定される。このような場合には、毎回一定量の塩素水をフィルター16又は貯水タンク22へ供給したとしても、対象水WA,WBを適切に浄化することができない場合もあり得る。
【0034】
なお、図2に示される日時T1を、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度が初期化された日時(以下、単に「初期化日時」と称する。)とし、図2に示されるC_T1を初期化日時T1における塩素濃度の初期値とすれば、現時刻T2における塩素水の塩素濃度を推定することが可能となる。なお、本実施形態の水処理システム10の塩素水タンク18又は塩素水タンク18内の塩素水は定期的に交換等されることが想定される。塩素水タンク18が交換される又は塩素水タンク18内に新たな塩素水が追加された場合には、塩素水タンク18内の塩素濃度は初期化される。
【0035】
そこで、本実施形態では、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度が初期化された際の日時を初期化日時とする。制御装置28は、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度が初期化された際の日時を表す初期化日時と、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度が初期化された際の塩素濃度の初期値とを更に取得する。なお、塩素水の濃度を初期化する方法は特に限定されるものではない。
【0036】
具体的には、制御装置28は、センサ20によって所定の信号が出力された日時を、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度が初期化された初期化日時T1とし、初期化日時T1における塩素濃度の初期値C_T1を予め設定されている値(例えば、5600mg/L)とする。
【0037】
次に、制御装置28は、塩素濃度の初期値C_T1と、塩素水タンク18の初期化日時T1と、初期化日時T1から所定時刻(例えば、現時刻T2)までの温度センサ26によって検知された温度の時系列とに基づいて、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定する。本実施形態では、初期化日時T1から現時刻T2までの温度センサ26によって検知された温度の時系列に基づいて、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定する場合を例に説明する。
【0038】
具体的には、制御装置28は、初期化日時T1と、現時刻T2と、温度センサ26によって検知された温度とに基づいて、図2に示されるような塩素濃度の減少を表すグラフを計算するための所定の計算式を用いて、現時刻T2の塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定する。
【0039】
例えば、制御装置28は、温度センサ26によって検知された温度の時系列から、各時刻の塩素濃度(例えば、1秒毎の塩素濃度)を計算する。次に、制御装置28は、計算した各時刻の塩素濃度から、現時刻T2の所定時間前(例えば、1時間前)の時刻から現時刻T2までにおける塩素濃度の減少率を計算する。次に、制御装置28は、塩素濃度の減少率を積分することにより塩素濃度の減少量を計算する。そして、制御装置28は、現時刻T2の所定時間前の時刻において計算された塩素濃度と、所定時間内における塩素濃度の減少量とに基づいて、現時刻T2における塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を計算する。
【0040】
そして、制御装置28は、推定した塩素濃度に応じて、フィルター16及び貯水タンク22へ供給する塩素水の量を決定する。
【0041】
具体的には、制御装置28は、推定した塩素濃度に基づいて、フィルター16又は貯水タンク22へ供給する塩素の量が所定量となるように、塩素水の量を決定する。より詳細には、制御装置28は、推定した塩素濃度が低いほど、多くの塩素水をフィルター16又は貯水タンク22へ供給するように、塩素水の量を決定する。一方、制御装置28は、推定した塩素濃度が高いほど、少ない塩素水をフィルター16又は貯水タンク22へ供給するように、塩素水の量を決定する。
【0042】
例えば、制御装置28は、現時刻T2の塩素水の塩素濃度が、塩素水の塩素濃度の初期値C_T1の半分である場合には、塩素濃度の初期値C_T1の場合に設定されている塩素水の2倍の塩素水をフィルター16又は貯水タンク22へ供給する塩素の量として決定する。また、例えば、制御装置28は、現時刻T2の塩素水の塩素濃度が、塩素水の塩素濃度の初期値C_T1の1/3である場合には、塩素濃度の初期値C_T1の場合に設定されている塩素水の3倍の塩素水をフィルター16又は貯水タンク22へ供給する塩素水の量として決定する。なお、フィルター16へ供給される塩素の量と、貯水タンク22へ供給される塩素の量とは異なるため、制御装置28は、フィルター16へ供給する塩素水の量と貯水タンク22へ供給する塩素の量とを各々決定する。
【0043】
そして、制御装置28は、決定した量の塩素水がフィルター16へ供給されるように第2ポンプ24Aを制御する。また、制御装置28は、決定した量の塩素水が貯水タンク22に供給されるように第3ポンプ24Bを制御する。
【0044】
これにより、塩素水タンク18を備えた水処理システム10が対象水WA,WBを浄化する際に、その周囲の温度が変化する場合であっても、塩素水タンク18に貯められている塩素水を用いて対象水WA,WBを適切に浄化することができる。
【0045】
また、制御装置28は、第1ポンプ23の駆動に応じて対象水WAがフィルター16を透過する際に、フィルター16の流入側16Aへ塩素水CAが供給されるように第2ポンプ24Aを制御する。
【0046】
また、制御装置28は、第1ポンプ23の駆動に応じて対象水WAがフィルター16を透過する際に、塩素水CB1が貯水タンク22へ供給されるように第3ポンプ24Bを制御する。なお、このときに塩素水CB2がフィルター16の流出側16Bへ流れ込んでもよい。
【0047】
本実施形態の水処理システム10では、第1ポンプ23の駆動が停止したときに、排水管30Bの下流側の圧力が上流側の圧力よりも高くなる。このため、塩素水タンク18から供給された塩素水は、第1ポンプ23が駆動を停止したときに塩素水CB2となってフィルター16の流出側16Bへ逆流する。これにより、フィルター16の流入側16Aと流出側16Bの両方に塩素水が供給され、フィルター16自体が衛生的に管理される。
【0048】
なお、フィルター16の流出側16Bへ塩素水CB2を供給する方法としては、様々な方法が考えられる。例えば、排水管30Bの下流側を上流側よりも高くして高低差をつけることにより、塩素水CB2がフィルター16の流出側16Bへ逆流するようにしてもよい。または、第1ポンプ23又は他のポンプ(図示省略)による駆動によって、排水管30B内の水を逆流させることにより、フィルター16の流出側16Bへ塩素水CB2を供給するようにしてもよい。なお、フィルター16の流出側16Bへ塩素水CB2を供給する方法としては、これらの方法に限定されるものではない。
【0049】
また、フィルター16の流出側16B付近のバクテリアの量を所定の方法により推定し、その推定結果に基づいて、フィルター16の流出側16Bへ供給する塩素水の量を決定するようにしてもよい。例えば、制御装置28は、フィルター16の流出側16B付近のバクテリア量の推定結果に基づいて、第3ポンプ24B又は他のポンプを所定時間駆動させることにより、バクテリアの発生を抑制できる適切な量の塩素水をフィルター16の流出側へ供給する。
【0050】
なお、上述したように、水処理システム10は、可搬であり、かつ、任意の場所に設置されるため、塩素水タンク18内の塩素水は所定期間が経過する毎に追加供給される。塩素水タンク18内に新たな塩素水が追加供給された場合には、その中には新しい塩素水が貯められているため、その塩素濃度は初期値C_T1となる。塩素水タンク18内に新たな塩素水が追加供給された際には、その水位をセンサ20が検知し、センサ20によって所定の信号が制御装置28へ出力されるため、制御装置28はセンサ20から所定の信号を受け付けた場合、その時刻を初期化日時T1とする。
【0051】
水処理システム10の制御装置28は、例えば、図3に示すコンピュータ50で実現することができる。コンピュータ50はCPU51、一時記憶領域としてのメモリ52、及び不揮発性の記憶部53を備える。また、コンピュータ50は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)54、及び記録媒体に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部55を備える。また、コンピュータ50は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークinterface(I/F)56を備える。CPU51、メモリ52、記憶部53、入出力I/F54、R/W部55、及びネットワークI/F56は、バス57を介して互いに接続される。
【0052】
記憶部53は、Hard Disk Drive(HDD)、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部53には、コンピュータ50を機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU51は、プログラムを記憶部53から読み出してメモリ52に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0053】
また、記憶部53には、塩素濃度の初期値C_T1と、塩素水タンク18の初期化日時T1と、温度センサ26によって検知された各時刻の温度データ(例えば、初期化日時T1から現時刻T2までの各時刻の温度データ)が格納される。
【0054】
図4に、記憶部53に格納されるデータの一例を示す。図4に示されるように、記憶部53には、塩素濃度の初期値C_T1と、塩素水タンク18の初期化日時T1と、温度センサ26によって検知された各時刻の温度データが格納される。
【0055】
なお、プログラムにより実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)等で実現することも可能である。
【0056】
<水処理システム10の作用>
【0057】
次に、実施形態の水処理システム10の作用について説明する。水処理システム10の制御装置28は、温度センサ26によって逐次検知される温度を記憶部53へ格納する。また、制御装置28は、センサ20から所定の信号を受け付けた場合には、その時刻を初期化日時T1として記憶部53へ格納する。水処理システム10の制御装置28は、所定時間が経過する毎に図5に示す制御処理ルーチンを実行する。なお、図5の制御処理ルーチンは、フィルター16へ塩素水を供給する際の制御処理ルーチンである。
【0058】
ステップS100において、制御装置28のCPU51は、記憶部53に格納されている初期化日時T1から現時刻T2までの各時刻に検知された温度の時系列と記憶部53に格納されている塩素濃度の初期値C_T1とに基づいて、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定する。
【0059】
ステップS102において、制御装置28のCPU51は、ステップS100で推定された塩素濃度に応じて、フィルター16の上流側16Aへ供給する塩素水の量を決定する。また、ステップS102において、制御装置28のCPU51は、ステップS100で推定された塩素濃度に応じて、フィルター16の下流側16Bへ供給する塩素水の量を決定する。フィルター16の下流側16Bへ供給される塩素水は、貯水タンク22へ供給される塩素水に相当する。
【0060】
ステップS104において、制御装置28のCPU51は、ステップS102で決定した量の塩素水が供給されるように、第2ポンプ24A及び第3ポンプ24Bの各々を制御する。
【0061】
これにより、適切な量の塩素がフィルター16及び貯水タンク22へ供給され、対象水WA,WBが浄化される。なお、塩素水CB2がフィルター16の流出側16Bへも供給される。
【0062】
以上説明したように、実施形態に係る水処理システム10は、塩素水タンク18と、温度センサ26と、第1ポンプ23、第2ポンプ24A、及び第3ポンプ24Bと、制御装置28と、を備えている。制御装置28は、温度センサ26によって検知された温度に基づいて、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定する。制御装置28は、推定した塩素濃度に応じて、対象水WAを浄化するためのフィルター16及び再利用する水WBが貯水される貯水タンク22へ供給する塩素水の量を決定する。そして、制御装置28は、決定した量の塩素水が、フィルター16及び貯水タンク22へ供給されるように第2ポンプ24A及び第3ポンプ24Bを制御する。これにより、塩素水の塩素濃度が変化し得る環境下に水処理システム10が置かれた場合であっても、塩素水タンク18に貯められている塩素水を用いて対象水WA,WBを十分に浄化することができる。
【0063】
また、制御装置28は、推定した塩素濃度に基づいて、フィルター16及び貯水タンク22へ供給する塩素の量が所定量となるように、塩素水の量を決定する。これにより、対象水WAを浄化するのに適切な量の塩素がフィルター16又は貯水タンク22へ供給される。
【0064】
なお、貯水タンク22内において貯められる対象水WBは排水管30Cを通って各種の処理が更に施され、水栓12から吐出され洗浄水として再利用される。この洗浄水には塩素が供給されているため、この洗浄水が再度、対象水WAとなり循環してフィルター16を透過することにより、フィルター16に塩素を含む水が更に供給されることになる。
【0065】
また、制御装置28は、第1ポンプ23の駆動に応じて対象水WAがフィルター16を透過して対象水WBとなり貯水タンク22へ流入する際に、フィルター16の流入側16Aへ塩素水CAが供給されるように第2ポンプ24Aを制御する。また、制御装置28は、第1ポンプ23の駆動に応じて対象水WAがフィルター16を透過して対象水WBとなり貯水タンク22へ流入する際に、塩素水CB1が貯水タンク22へ供給されるように第3ポンプ24Bを制御する。なお、第1ポンプ23が駆動を停止したときに塩素水CB2がフィルター16の流出側16Bへ逆流する。これにより、フィルター16の流入側16Aと流出側16Bの両方に塩素水が供給され、フィルター16自体が衛生的に管理される。
【0066】
また、制御装置28は、塩素水タンク18が水処理システム10へ設置された際の日時を表す初期化日時T1と、塩素水タンク18が水処理システム10へ設置された際の塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度の初期値C_T1とを更に取得し、塩素濃度の初期値C_T1と、初期化日時T1と、初期化日時T1から現時刻T2までの温度の時系列とに基づいて、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を推定する。これにより、塩素水タンク18が交換された場合であっても、塩素水タンク18内の塩素水の塩素濃度を精度良く推定することができる。
【0067】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0068】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。例えば、プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0069】
なお、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。または、プロセッサとしては、GPGPU(General-purpose graphics processing UNIT)を用いてもよい。また、各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0070】
また、本実施形態の各処理を、汎用演算処理装置及び記憶装置等を備えたコンピュータ又はサーバ等により構成して、各処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムは記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。もちろん、その他いかなる構成要素についても、単一のコンピュータやサーバによって実現しなければならないものではなく、ネットワークによって接続された複数のコンピュータに分散して実現してもよい。
【0071】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0072】
なお、上記実施形態においては、「××のみに基づいて」、「××のみに応じて」、「××のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」ことを必ずしも意味しない。
【0073】
また、何らかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、開示の技術の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本開示の技術の各態様の範囲外とするものではない。
【符号の説明】
【0074】
10 水処理システム
12 水栓
14 シンク
16 フィルター
18 塩素水タンク
20 センサ
22 貯水タンク
24A,24B ポンプ
26 温度センサ
28 制御装置
50 コンピュータ
53 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素水タンクと、
温度センサと、
駆動装置と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、
推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、
決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、
水再利用型水処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記対象水が前記フィルターを透過する際に、
前記対象水が前記フィルターへ流入する側に、前記塩素水を供給するように前記駆動装置を制御し、
前記対象水が前記フィルターから流出する側に、前記塩素水を供給するように前記駆動装置を制御することにより、前記流出する側に位置する前記貯水タンクへ前記塩素水を供給する、
請求項1に記載の水再利用型水処理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度が初期化された日時と、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度の初期値とを更に取得し、
前記初期値と、前記初期化された日時と、前記初期化された日時から所定時刻までの前記温度の時系列とに基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定する、
請求項1又は請求項2に記載の水再利用型水処理システム。
【請求項4】
塩素水タンクと、
温度センサと、
駆動装置と、
制御装置と、を備える水再利用型水処理システムの前記制御装置が実行する水再利用型水処理方法であって、
前記制御装置が、
前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、
推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、
決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、
水再利用型水処理方法。
【請求項5】
塩素水タンクと、
温度センサと、
駆動装置と、
制御装置と、を備える水再利用型水処理システムの前記制御装置を構成するコンピュータが実行する水再利用型水処理プログラムであって、
前記制御装置を構成するコンピュータが、
前記温度センサによって検知された温度に基づいて、前記塩素水タンク内の塩素水の塩素濃度を推定し、
推定した前記塩素濃度に応じて、対象水を浄化するためのフィルター及び再利用する水が貯水される貯水タンクの少なくとも一方へ供給する塩素水の量を決定し、
決定した量の塩素水を、前記フィルター及び前記貯水タンクの少なくとも一方へ供給するように前記駆動装置を制御する、
水再利用型水処理プログラム。