(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134196
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】掃除システム
(51)【国際特許分類】
A47L 9/10 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A47L9/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039575
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】上甲 康之
(72)【発明者】
【氏名】上野 真司
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】大林 史朗
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AC01
3B062AC12
3B062AC26
3B062AG02
(57)【要約】
【課題】電気掃除機の塵埃を容易に掃除できる掃除システムを提供する。
【解決手段】本発明の掃除システム1は、送風機110と、送風機110の吸引力により塵埃を集塵する集塵部112とを有する電気掃除機10と、電気掃除機10が載置されるとともに、集塵部112に集塵された塵埃が通過若しくは回収される連通筒部114aを有する充電台20とを備え、集塵部112は、吸気口110sと、塵埃を排出する排出口112a7とを有し、集塵部112内に設けられる内筒112bの外方であり、集塵部112の上部または側部に、内筒112bに連通する開口部112a1が設けられ、開口部112a1を挿通して、集塵部112内の掃除が行われる。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機と、前記送風機の吸引力により塵埃を集塵する集塵部とを有する電気掃除機と、
前記電気掃除機が載置されるとともに、前記集塵部に集塵された塵埃が通過若しくは回収される連通筒部を有する充電台とを備え、
前記集塵部は、吸気口と、塵埃を排出する排出口とを有し、
前記集塵部内に設けられる内筒の外方であり、前記集塵部の上部または側部に、前記内筒に連通する開口部が設けられ、
前記開口部を挿通して、前記集塵部内の掃除が行われる
ことを特徴とする掃除システム。
【請求項2】
請求項1に記載の掃除システムにおいて、
前記開口部を閉塞するとともに、前記開口部に対して、取り付け、取り外しできる柔軟な弾性材を備えている
ことを特徴とする掃除システム。
【請求項3】
請求項1に記載の掃除システムにおいて、
前記開口部は、前記内筒の外周部を掃除するためのブレードと一体に形成される操作体が挿通する
ことを特徴とする掃除システム。
【請求項4】
請求項1に記載の掃除システムにおいて、
前記開口部は、単数または複数設けられている
ことを特徴とする掃除システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイクロン掃除機とモータレス塵埃回収機能付き充電台とを有する掃除システムに関する技術がある。
サイクロン掃除機は、充電台の第1の集塵部の吸気口から吸引した空気を、掃除機の内筒の廻りで旋回させ、遠心力によりフィルタ外の塵埃とフィルタ内の空気とを分離する。
溜った塵埃は、下方の塵埃排出口から排出され、充電台の第2の集塵部に回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、髪の毛や濡れた塵埃が第1の集塵部と内筒との間に詰まる場合がある。
第1の集塵部と内筒との間に詰まった塵埃は除去しずらい。なぜなら、詰まった塵埃へのアクセスが塵埃排出口の蓋に限られ、塵埃の除去に必要な外力を塵埃に与えにくい問題があるためである。
そこで、特許文献1では、塵埃が溜まる内筒の外周面に吸引する空気で回転する掃除ユニットを設置する構成が記載されている。
【0005】
しかし、従来技術は塵埃が詰まった後では掃除ユニットが摺動せず、掃除の効果を発揮し難い。また、掃除ユニットを新たに設置することから部品点数が増加し、組み立て工数も多くなり、コスト増となっている。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、電気掃除機の塵埃を容易に掃除できる掃除システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の掃除システムは、送風機と、前記送風機の吸引力により塵埃を集塵する集塵部とを有する電気掃除機と、前記電気掃除機が載置されるとともに、前記集塵部に集塵された塵埃が通過若しくは回収される連通筒部を有する充電台とを備え、前記集塵部は、吸気口と、塵埃を排出する排出口とを有し、前記集塵部内に設けられる内筒の外方であり、前記集塵部の上部または側部に、前記内筒に連通する開口部が設けられ、前記開口部を挿通して、前記集塵部内の掃除が行われる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電気掃除機の塵埃を容易に掃除できる掃除システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る充電台に載置した電気掃除機の外観斜視図。
【
図3】実施形態1に係る掃除システムの制御ブロック図。
【
図4】掃除システムの自動操作による第1集塵部の自動掃除モードの動作フローチャート。
【
図5A】
図1のII-II断面図の第1の集塵部を示す断面図。
【
図5C】第3の開口部からキャップを取り去った状態の
図5Aのフィルタ収納室と外筒の外観斜視図。
【
図6】変形例1の
図1のII-II断面図であるフィルタ収納室と外筒を示す図。
【
図7A】変形例2のフィルタ収納室と外筒の外観斜視図。
【
図7B】変形例2の
図7AのIII-III断面の外観斜視図。
【
図7C】変形例2の第3の開口部が外筒の側周部に形成されたフィルタ収納室と外筒の外観斜視図。
【
図8A】実施形態2の
図1のII-II断面相当図。
【
図8B】実施形態2の
図7AのIII-III断面相当図の外観斜視図。
【
図9A】変形例の第1集塵部のフィルタ収納室と外筒の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
【0010】
<<実施形態1>>
図1に、本発明の実施形態1に係る充電台20に載置した電気掃除機10の外観斜視図を示す。実施形態においては、使用者が掃除を行う視点から、前後・左右・上下と定義する。
図2に、
図1のI-I断面図を示す。
【0011】
図1に示すように、実施形態1の掃除システム1は、スティック式の電気掃除機10と、電気掃除機10が支持される充電台20とを備えている。充電台20は、
図1の状態で、電気掃除機10の充電を行うととともに、電気掃除機10内の塵埃の回収も行う。電気掃除機10は、サイクロン方式の掃除機である。
電気掃除機10で掃除をしない場合には、電気掃除機10が充電台20に載置され充電される。
【0012】
電気掃除機10は、掃除機本体11と、一端が掃除機本体11に接続される延長管12と、延長管12の他端に接続される吸口体13とを備えている。
掃除機本体11は、吸引力を発生させる送風機110(
図2参照)を収容するモータケース111と、第1集塵部112と、使用者が握るハンドル部113と、蓄電池109とを備えている。
第1集塵部112は、送風機110の吸引力により、吸口体13から吸込んだ塵埃を収容する。
【0013】
図2に示す蓄電池109は、送風機110に電力を供給する。ハンドル部113には、操作部115sと、使用者が把持する把持部113hとを備えている。
図1に示す操作部115sは、送風機110の運転を選択する運転制御ボタンと、自動お掃除を実行するための自動お掃除制御ボタンと、送風機110の運転を停止させる切ボタンと、表示部とを有している。表示部は、蓄電池の残量、フィルタのお手入れ、集塵部の自動おそうじ状態等を表示する。
【0014】
<制御部118>
図3に、実施形態1に係る掃除システム1の制御ブロック図を示す。
電気掃除機10は、制御部118によって制御される。蓄電池109が電気掃除機10の電源である。
充電台20には、ACアダプタ21が接続される。ACアダプタ21は、交流を直流に変換する。ACアダプタ21には、充電台20内の電源線22を介して雌コネクタ23が接続されている。
電気掃除機10には、充電台20に載置した際、充電台20の雌コネクタ23と接続する雄コネクタ116と、雄コネクタ116と電源線117を介して接続された制御部118とを備えている。
【0015】
制御部118には、電気掃除機10の運転、充電等に必要な制御プログラムが格納された記憶部と、制御プログラムを実行する中央処理部とを有している。
制御部118には、蓄電池109、送風機110が接続され、制御部118によって蓄電池109、送風機110が制御される。
電気掃除機10を用いて床面Y(
図1参照)の掃除を行う場合には、充電台20から電気掃除機10を取り外す。
【0016】
操作部115sの運転制御ボタンを押下すると、送風機110が運転を開始し、吸口体13(
図1参照)に吸引力が発生する。そして、吸口体13により、床面Y上の塵埃が吸引される。吸口体13から吸引された塵埃は、延長管12を介して第1集塵部112に集塵される。
【0017】
図2に示すように、電気掃除機10は、第1集塵部112において、送風機110の中心軸O回りの回転の遠心力による遠心分離により、塵埃と空気が分離され、空気のみが排気口110hから排気される。塵埃は第1集塵部112内に貯留される。
掃除終了後は、
図1に示すように、電気掃除機10を充電台20に載置し、充電を開始する。また、電気掃除機10は、第1集塵部112に集塵された塵埃を、充電台20の第2集塵部114の塵埃容器115に移送する。
【0018】
<電気掃除機10の第1集塵部112>
以下、電気掃除機10の第1集塵部112の構成について説明する。
図2に示すように、第1集塵部112には、外筒112aと内筒112bと傘部112cとを備えている。
内筒112bの外周には、メッシュ状の側面メッシュフィルタ112nが設けられている。
【0019】
傘部112cには、メッシュ状の底面メッシュフィルタ112mが設けられている。
外筒112aは、筒状であり、第1集塵部112の外郭を構成する。外筒112aの内部には、内筒112bが収容されている。内筒112bは筒形状を有しており、格子状に形成されている。傘部112cは、内筒112bの下部に配置されており、塵埃の上昇を妨げる。
【0020】
外筒112aの上方にはフィルタ収納室112dが形成されている。フィルタ収納室112dの下部には、内筒112bを通過した空気に含まれる塵埃を濾過する第1フィルタ112eを有している。第1フィルタ112eの上方(下流側)には第2フィルタ112fを有している。第2フィルタ112fは、第1フィルタ112eを通過した空気に含まれる塵埃を濾過する。なお、第1フィルタ112eまたは第2フィルタ112fの代わりに、サイクロン流路を設けてもよい。
【0021】
フィルタ収納室112dの上方(下流側)には、送風機110が配置されている。フィルタ収納室112dと送風機110の吸込口110sとが連通している。掃除機本体11には、送風機110の排気風を外部に排気する排気口110hが備えられている。
送風機110の駆動により、外筒112aと内筒112bとの間の空間の塵埃を含む空気が送風機110側に吸い込まれ、空気のみ排気口110hから排気される。大きなゴミは、内筒112bでろ過され、小さなゴミは、第1フィルタ112eでろ過される。第1フィルタ112eを通過したさらに小さな塵埃は、第2フィルタ112fでろ過される。
【0022】
第1集塵部112の外筒112aの下部には、下方に向かって開放する蓋体112gを有している。
蓋体112gは蓋体ヒンジ112hによって、外筒112aに回動可能に支持されている。なお、
図2では、蓋体112gが下方に開いた状態を示している。
外筒112aの上部には、延長管12と連通する吸気接続口112iが形成されている。
【0023】
吸気接続口112iから流入した空気が外筒112a内で旋回するようにするため、吸気接続口112iは外筒112aの中心軸112oからずらして配置している。
電気掃除機10は、延長管12の中心軸12oと、外筒112aの中心軸112oと、送風機110の中心軸Oとが、同方向を向いている。
【0024】
<充電台20>
図2に示す充電台20は、第2集塵部114を備えている。
第2集塵部114は、連通筒部114aと突き出し部114bと斜め板114cとを備えている。
連通筒部114aは、
図1に示すようにD形状若しくは円形状の筒状に形成されている。連通筒部114aの上端部に、電気掃除機10の外筒112aの下端部が上方から載置される。
【0025】
図2に示す突き出し部114bは、連通筒部114aから外側方に突き出して形成されている。
斜め板114cは、突き出し部114b内において、吸引したごみが塵埃容器115(
図1参照)に広がって収容されるように、下方に向けて傾斜して形成されている。
連通筒部114aをD形状とした場合、蓋体ヒンジ112hが平らな面に設置される。
連通筒部114aの下方には、電気掃除機10の第1集塵部112からの塵埃を受ける塵埃容器115が備えられている。
【0026】
連通筒部114aは、第1集塵部112に集塵された塵埃を通過させ、塵埃容器115に送る機能を有する。
第1集塵部112と充電台20の接続部分には、気密を保持するための接続シール部材117が備えられている。接続シール部材117は、充電台20側、若しくは第1集塵部112側に何れかに設ければよい。
【0027】
第1集塵部112は、電気掃除機10を充電台20に載置した状態で、充電台20の連通筒部114aの直上に位置する。
図2に示すように、電気掃除機10の第1集塵部112と充電台20とが接続されると、蓋体112gのロック(図示せず)が外れる。そして、蓋体112gが、蓋体ヒンジ112hを支点として連通筒部114aの内面114nに向かって開く。
蓋体112gが開くと、第1集塵部112に溜まっていた塵埃が重力により連通筒部114a内へ落下する。
【0028】
そして、送風機110を駆動し(
図2の矢印α11)、延長管12より外気を吸込み(
図2の矢印α12、α13)、外筒112a内に旋回流を発生させる(
図2の矢印α14)。これにより、第1集塵部112に集塵された塵埃を、充電台20の連通筒部114a内へ排出する(
図2の矢印α15)。こうして、電気掃除機10側の送風機110を用いて、充電台20側に塵埃が排出される。
【0029】
<充電台20側に塵埃を排出する動作>
充電台20側に電気掃除機10の塵埃を排出する動作について説明する。
図4に、掃除システム1の自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードの動作フローチャートを示す。
なお、実施形態1における自動掃除とは、電気掃除機10が充電台20に載置された状態で送風機110を駆動し、電気掃除機10の塵埃を充電台20の塵埃容器115(
図1参照)に排出する動作である。
【0030】
自動掃除モードは、
図3に示す制御部118の制御によって行われる。
使用者が電気掃除機10による掃除が終了し、
図1に示すように、電気掃除機10を充電台20に載置する。すると、
図2に示す蓋体112gのロックが外れ、蓋体112gが下方の連通筒部114aの内面114nに向かって開く。
その後、制御部118は第1集塵部112の自動掃除モードを開始する(
図4のステップS401、自動掃除開始)。
【0031】
制御部118は蓄電池109(
図2参照)への充電の検知制御を実行する(ステップS402)。そして、蓄電池109への充電が実行されているか否かを検知する(ステップS403)。
制御部118が蓄電池109へ充電が実行されていると判断した場合(ステップS403でYes)には、蓄電池109への充電を継続する(ステップS404)。
ステップ403で、制御部118が蓄電池109への充電が実行されていないと判断した場合(ステップS403でNo)には、ステップS402からステップS403の動作を繰り返す。
【0032】
制御部118は、ステップS403において蓄電池109への充電が実行されているか否かを判断することにより、電気掃除機10が充電台20に載置されているか否かを判断する。すなわち、制御部118は、蓄電池109への充電が実行されていれば、電気掃除機10が充電台20に載置されていると判断する。
【0033】
なお、電気掃除機10が充電台20の上に載置されているか否かの判断は、前記の蓄電池109への充電状態と併せて、吸口体13(
図1参照)に設けた機械式の接地センサ(図示せず)を用いてもよい。接地センサは、吸口体13に設けられた回転ブラシ(図示せず)が、床から離れた状態で駆動するのを防止する検知手段である。
図1に示すように、電気掃除機10が充電台20に載置された状態においては、吸口体13が接地するように構成されている。
【0034】
換言すると、蓄電池109への充電が行われ、かつ、接地センサにより吸口体13が接地していると判定できる場合に、制御部118は、電気掃除機10が充電台20に載置されていると判断できる。これにより、
図3に示す電源線22と雌コネクタ23が充電台20から取り外し可能な場合であっても、確実に電気掃除機10が充電台20へ載置されていることを判断できる。
【0035】
図4のステップS405で、制御部118は、蓄電池109の残量を検知し、蓄電池109の残量が所定量以上であるか否かを判断する。
蓄電池109の残量が所定量以上である場合(ステップS405でYes)には、制御部118は電気掃除機10が充電台20に載置されてから(第1集塵部112の自動掃除の開始モード移行から)所定時間経過したか否かを判断する(ステップS406)。所定時間とは、
図2に示すように、電気掃除機10を充電台20に載置し、蓋体112gが開いて塵埃が連通筒部114aに落下するまでの時間、電気掃除機10が充電台20に載置され使用者が充電台20から離れるのに要する時間(騒音低減)等を意図して設定された時間である。
【0036】
蓄電池109の残量が所定量以上ない場合(ステップS405でNo)、かつ電気掃除機10が充電台20に載置されてから所定時間経過していない場合(ステップS406でNo)には、ステップS404からステップS406の動作を繰り返す。
ステップS406で、電気掃除機10が充電台20に載置されてから所定時間経過したと判断された場合(ステップS406のYes)には、制御部118は第1集塵部112が自動掃除中であることを報知する報知モードを実行する(ステップS407)。報知モードでは、電気掃除機10の操作部115s(
図1参照)に設置した表示部を点灯させる。
制御部118は、報知モードを実行(ステップS407)した後、送風機110を駆動し(ステップS408)、第1集塵部112の自動掃除を実行する。
【0037】
<自動掃除の動作>
第1集塵部112の自動掃除の動作は、下記のように行われる。
【0038】
図2に示す送風機110が駆動すると、吸口体13、延長管12を介して空気が吸込まれる(
図2の矢印α12)。吸込まれた空気は、吸気接続口112iを介して外筒112a内に流入する(
図2の矢印α13)。外筒112aに流入した空気は、送風機110の駆動により、旋回流となり(
図2の矢印α14)、外筒112aの内壁に沿って下方、すなわち第1集塵部112から連通筒部114aに向かって空気が流れる。換言すると、第1集塵部112の旋回流軸(外筒1121の中心軸112o)方向の長さが、連通筒部114aの分だけ延伸することになる。
【0039】
この構成によれば、第1集塵部112のみで空気が旋回する場合と比較して、空気が旋回流となって旋回する距離、すなわち旋回する回数(連通筒部114aの分の回数)が増えるため、遠心力で移動する塵埃はその質量が小さくても第1集塵部112あるいは連通筒部114aの内壁面に到達しやすくなる。第1集塵部112内の塵埃は、旋回流(
図2の矢印α14)によって、最終的に連通筒部114aの下方に位置する塵埃容器115(
図1参照)に収容される。
【0040】
外筒112aを旋回した空気(
図2の矢印α14)は、塵埃容器115の内面115n(
図2参照)に当たって方向を変更し、連通筒部114aから第1集塵部112に向かう流れを生じ(
図2の矢印γ11)、傘部112cに設けられるメッシュ状の底面メッシュフィルタ112mを通過し、さらに内筒112bの外周に設けた側面メッシュフィルタ112nを通過してフィルタ収納室112dに至る。フィルタ収納室112dに流入した空気は、第1フィルタ112e、第2フィルタ112fを通過し、送風機110に吸引され、排気口110hから外部に排気される。このようにして、第1集塵部112の自動掃除が実行される。
【0041】
図4のステップS409で、制御部118は送風機110が駆動してから所定時間経過したか否かを判断する。
送風機110が駆動後、所定時間経過した場合(ステップS409のYes)には、送風機110の運転を停止する(ステップS410)。
一方、送風機110が駆動後、所定時間経過していない場合(ステップS409のNo)には、制御部118はステップS407からステップS409の動作を繰り返す。
【0042】
送風機110の運転を停止(ステップS410)した後、制御部118は自動掃除中を報知する報知モードを解除し(ステップS411)、電気掃除機10の操作部115s(
図1参照)に設置した表示部を消灯させる。
以上の工程により、第1集塵部112の自動掃除が終了する。
上述した実施形態1では、電気掃除機10を充電台20に載置した際に、第1集塵部112の掃除を自動で行うようにしたが、
図4に示す自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードの後または第1集塵部112の自動掃除モードの前に、使用者の意思により手動で、第1集塵部112の掃除行うことも可能である。
【0043】
<手動による第1集塵部112の掃除>
図5Aに、
図1のII-II断面図の第1集塵部112を示す。
図5Bに、
図5Aのフィルタ収納室112dと外筒112aの外観斜視図を示す。
【0044】
図5Cに、第3の開口部112a1からキャップ119を取り去った状態の
図5Aのフィルタ収納室112dと外筒112aの外観斜視図を示す。
外筒112aは、筒形状を有している。
外筒112aには、塵埃を分離する際の空気(
図5Aの矢印β11、β12)の吸気口となる第1の開口部の吸気接続口112i(
図2参照)が形成されている。
外筒112aの下部は開口であり、塵埃排出口となる第2の開口部112a7が形成されている。
第一集塵部112をハンドル部113から取り外した時、内筒112bまたは/かつ傘部112cの外側(第一集塵部と対向する面)は、第一の開口部である吸気接続口112iから直接臨める位置にある。蓋体112gを開放した時、内筒112bまたは/かつ傘部112cの外側(第一集塵部と対向する面)は第2の開口部112a7から直接臨める位置にある。同様に、第3の開口部112a1からも、内筒112bまたは/かつ傘部112cの外側(第一集塵部と対向する面)を直接臨めるようになっている。一方、送風機110の吸込口110sは、内筒112bまたは/かつ傘部112cの内側に面している。
【0045】
図2、
図5Aに示すように、外筒112aの下部の第2の開口部112a7は、蓋体112gによって開閉される。つまり、電気掃除機10で床面Y(
図1参照)を掃除する際は、
図5Aに示すように、蓋体112gで外筒112aの下部の第2の開口部112a7を閉めて行われる。
一方、電気掃除機10での床面Yの掃除が終わり、
図2に示すように、電気掃除機10を充電台20に載置した場合には、蓋体112gが開き、
図4に示す自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードが行われたり、後記の使用者の意思により手動で、第1集塵部112の掃除が行われる。なお、使用者の意思による手動での第1集塵部112の掃除は、電気掃除機10での床面Yの掃除前に行ってもよいし、
図4に示す自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードの後に行ってもよい。
【0046】
そこで、使用者が手動で第1集塵部112の掃除を行うため、外筒112aの上板112u(
図5C)には、メンテナンス孔である第3の開口部112a1が形成されている。つまり、蓋体112gと対向する面にアクセス可能な第3の開口部112a1が設けられる。第3の開口部112a1は、吸気ロの吸気接続口112iよりも送風機110側にある。また、第3の開口部112a1は、麈埃排出口である第2の開口部112a7と対向するように形成されている。第1集麈部112の外筒112aと内筒112bに囲まれた領域に第3の開口部112a1がある。
【0047】
図5A、
図5Bに示すように、上板112uの第3の開口部112a1(
図5C参照)は、柔軟な弾性材のゴム製のキャップ119で栓がされている。
図5Cに示すように、外筒112aの第3の開口部112a1近くには、キャップ119を固定するための容器となるキャップ固定部119kが形成されている。
【0048】
図5Aに示すように、第3の開口部112a1(
図5C参照)は、ゴム製のキャップ119で栓をすることで、外筒112a内を密閉空間とすることができる。電気掃除機10での床面Yの掃除に際しては、第3の開口部112a1(
図5C参照)は、ゴム製のキャップ119で栓をして行われる。また、
図4に示す自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードが行われる場合も、第3の開口部112a1(
図5C参照)は、ゴム製のキャップ119で栓がされている。
【0049】
使用者の意思により手動で、第1集塵部112の掃除行う場合、使用者は、
図5Aの状態から、第3の開口部112a1からキャップ119を外す(
図5C参照)。そして、第3の開口部112a1から掃除具を挿入して、第1集塵部112の外筒112aと内筒112bとの間に詰まった綿ごみを含む塵埃を掃除する。なお、第3の開口部112a1は複数設けてもよい。
この構成によれば、電気掃除機10を充電台20に載置した状態で、内筒112bまたは/かつ傘部112cの外側(第一集塵部と対向する面)に掃除具等を介してアクセス可能なため、第1集塵部112の麈埃の詰まりを除去するに際して麈埃が飛敗しにくい。また、
図5Cに示す第1集塵部112の上方からアクセスするので、麈埃排出方向の第2の開口部112a7(
図5A、
図2参照)からアクセスする必要がないので使用者の手が汚れない。第3の開口部112a1は、掃除運転中あるいは自動掃除モード中は空気が出入りしないように塞がれているため、第3の開口部112a1からの塵埃飛散や、吸引力の低下も防げる。
【0050】
また、第3の開口部112a1が第1集塵部112の上部(上板112u)(
図5C参照)に形成されるので、送風機110の旋回流を阻害しにくい。また、第1集塵部112の外筒112aと内筒112bとの間に詰まったゴミを掃除する際に、上方から第3の開口部112a1(
図5C参照)にアクセスするので、麈埃排出口の第2の開口部112a7方向に外力を与えられ、詰まりが解消し易い。
【0051】
<変形例1の複数の第3の開口部112a2>
図6に、変形例1の
図1のII-II断面相当図であるフィルタ収納室112dと外筒112aを示す。
変形例1は、外筒112aの上板112uに、メンテナンス孔の第3の開口部112a2を2つ形成した場合である。
電気掃除機10によって床面Yを掃除するに際しては、2つの第3の開口部112a2はそれぞれ柔軟な弾性材のゴム製のキャップ119aで栓がされた状態で行われる。また、
図4に示す自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードが行われる場合も、第3の開口部112a2(
図6参照)は、ゴム製のキャップ119aでそれぞれ栓をして行われる。外筒112aの第3の開口部112a2近くには、キャップ119aを固定するための容器となるキャップ固定部119k1が形成されている。
【0052】
使用者の意思により手動で、第1集塵部112の掃除を行う場合、使用者は、
図6の状態から、第3の開口部112a2からキャップ119aを外す。そして、第3の開口部112a2から掃除具を挿入して、第1集塵部112の外筒112aと内筒112bとの間に詰まった綿ごみを含む塵埃を掃除する。
【0053】
この場合、第3の開口部112a2は2つ形成されているので、1つの第3の開口部112a2から掃除具を挿入して掃除することもできるし、2つの第3の開口部112a2から掃除具をそれぞれ挿入して掃除することもできる。第3の開口部112a2を複数設けることで、掃除がし易くなる。
変形例1では、第3の開口部112a2を2つ設ける場合を説明したが、第3の開口部112a2を3つ以上設けてもよい。
【0054】
<変形例2の外筒112aの側周部112sに設けられる第3の開口部112a3>
図7Aに、変形例2のフィルタ収納室112dと外筒112aの外観斜視図を示す。
図7Bに、変形例2の
図7AのIII-III断面の外観斜視図を示す。
図7Cに、変形例2の第3の開口部112a3が外筒112aの側周部112sに形成されたフィルタ収納室112dと外筒112aの外観斜視図を示す。
変形例2は、
図7Cに示すように、第3の開口部112a3を外筒112aの側周部112sに設けた場合である。
【0055】
図7A、
図7Bに示すように、外筒112aの側周部112sの第3の開口部112a3は、キャップ119bで栓がされる。外筒112aの第3の開口部112a3近くには、キャップ119bを固定するためのキャップ固定部119k2がケース状に形成されている。
【0056】
図7Aに示すように、第3の開口部112a3(
図7C参照)は、柔軟な弾性材のゴム製のキャップ119bで栓をすることで、外筒112a内を密閉空間とすることができる。
図1に示す電気掃除機10での床面Yの掃除に際しては、第3の開口部112a3(
図7C参照)は、ゴム製のキャップ119bで栓をして行われる(
図7A参照)。また、
図4に示す自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードが行われる場合も、第3の開口部112a3(
図7C参照)は、ゴム製のキャップ119bで栓をして行われる。
【0057】
使用者により手動で、第1集塵部112の掃除行う場合、使用者は、
図7Aの状態から、第3の開口部112a3からキャップ119bを外す(
図7C参照)。そして、第3の開口部112a3から掃除具を挿入して、第1集塵部112の外筒112aと内筒112bとの間に詰まった綿ごみを含む塵埃を掃除する。
【0058】
<<実施形態2>>
図8Aに、実施形態2の
図1のII-II断面相当図を示す。
図8Bに、実施形態2の
図7AのIII-III断面相当の外観斜視図を示す。
実施形態2では、内筒112bの外周の側面メッシュフィルタ112nに付着した塵埃を掃除する環状のブレード120が設けられている。
実施形態2の外筒112aの上板112uには、メンテナンス孔である第3の開口部112a4(
図8B参照)が形成されている。環状のブレード120には、操作片120s1を有する操作棒120sが接続されている。
【0059】
環状のブレード120と一体の操作棒120sは、外筒112aの上板112uの第3の開口部112a4を挿通している。
第1集塵部112には、操作棒120sと、操作棒120sの操作片120s1を上方に付勢する圧縮バネ121が収納されるケース112jが中空状に形成されている。
図8Aに示すように、操作片120s1は、ケース112jから外方に露出している。通常、環状のブレード120は、操作棒120sの操作片120s1が圧縮バネ121で上方に付勢される(
図8Aの白抜き矢印α21)ことで、内筒112bの上部に位置する。
【0060】
そして、内筒112bの側面メッシュフィルタ112nの掃除に際しては、使用者が手で操作片120s1を下方に押下(
図8Aの白抜き矢印α22)して、環状のブレード120を下方または上方に移動させ、内筒112bの側面メッシュフィルタ112nに付着した塵埃を環状のブレード120により掃除する。
第3の開口部112a4(
図8B参照)は、柔軟な弾性材のゴム製のキャップ(図示せず)で栓がされる。
図8Bに示すように、第3の開口部112a4近くには、第3の開口部112a4を塞ぐキャップ(図示せず) を固定するためのキャップ固定部119k3がキャップ(図示せず) の一部が入る形状に形成されている。
【0061】
第3の開口部112a4をキャップ(図示せず)で塞いで第1集塵部112内を密封して、
図1に示す電気掃除機10で床面Yの掃除が行われる。また、第3の開口部112a4をキャップ(図示せず)で塞いで、
図4に示す自動操作による第1集塵部112の自動掃除モードが行われる。
使用者により手動で、第1集塵部112の掃除行う場合、使用者は、キャップ(図示せず)を外して、
図8Aに示すように、使用者が手で操作片120s1を下方に押下(
図8Aの白抜き矢印α22)したり圧縮バネ121で上げたりして(
図8Aの白抜き矢印α21)、環状のブレード120を下方または上方に移動させ、内筒112bの側面メッシュフィルタ112nに付着した塵埃を掃除する。
【0062】
実施形態2によれば、第3の開口部112a4を設けることで、使い勝手のよい掃除が行える。
<変形例>
【0063】
図9Aに、変形例の第1集塵部112のフィルタ収納室112dと外筒112aの外観斜視図を示す。
図9Bに、変形例の
図9AのIV-IV断面の外観斜視図を示す。
【0064】
図9Cに、変形例の
図9AのV方向矢視図を示す。なお、
図9Cでは、第3の開口部112a5に取り付けられるシール部材119c(
図9A参照)を外した状態を示している。
変形例は、外筒112aの側周部112sにメンテナンス孔の第3の開口部112a5を、設けたものである。
図9Bに示すように、第3の開口部112a5には、環状のブレード220に固定される操作棒220sが挿通する。
【0065】
図9Cに示すように、外筒112aの側周部112sには、メンテナンス孔の縦長の長孔である第3の開口部112a5が形成されている。
図9Bに示すように、内筒112bの外周の側面メッシュフィルタ112nを掃除するための環状のブレード220が、内筒112bの側面メッシュフィルタ112nを囲んで設けられる。
環状のブレード220には、上方に延びて操作棒220sが一体に設けられている。操作棒220sは中央部が曲がって(
図9B参照)第3の開口部112a5を挿通している。操作棒220sは、変形可能に構成されている。
【0066】
図9A、
図9Bに示すように、操作棒220sが第3の開口部112a5を挿通した状態でシール部材119cが第3の開口部112a5(
図9C参照)に取り付けられている。シール部材119cは、柔軟な弾性材で形成されている。
シール部材119cは、第1集塵部112内の気密を保ち、かつブレード220と接続された操作棒220sとの摺動が可能に構成されている。
【0067】
この構成により、操作棒220sを使用者が上下する(
図9Aの矢印α31、α32)ことにより、環状のブレード220が内筒112bの外周の側面メッシュフィルタ112n近くで上下に移動し(
図9Bの矢印β11、β12)、側面メッシュフィルタ112nに付着した塵埃を取り去ることができる。この際、操作棒220sは第3の開口部112a5(
図9B参照)近くで変形し、第3の開口部112a5を通過することができる。
【0068】
変形例によれば、環状のブレード220の操作棒220sが挿通する第3の開口部112a5を外筒112aの側周部112sに設けることで、第1集塵部112内に詰まった綿ごみを含む塵埃を容易に除去できる。
【0069】
<<その他の実施形態>>
1.本発明は、前記した実施形態、変形例の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 掃除システム
10 電気掃除機
20 充電台
110 送風機
112i 吸気接続口(吸気口)
112 第1集塵部(集塵部)
114a 連通筒部
112a1、112a2、112a3、112a4、112a5 第3の開口部(開口部)
112a7 第2の開口部(排出口)
112b 内筒
119、119a、119b キャップ(弾性材)
119c シール部材(弾性材)
120、220 ブレード
120s 操作棒(操作体)