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特開2023-134232車両用灯具用光源ユニット及び車両用灯具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134232
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】車両用灯具用光源ユニット及び車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20230920BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20230920BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20230920BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20230920BHJP
   F21S 43/27 20180101ALI20230920BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230920BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230920BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20230920BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20230920BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20230920BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20230920BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20230920BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230920BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/14
F21S45/47
F21S43/15
F21S43/27
F21V19/00 510
F21V29/503
F21V29/76
F21V23/06
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21S43/19
F21W103:45
F21W103:20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039641
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】阿野 浩一郎
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K014AA01
3K014HA03
(57)【要約】
【課題】路面描画を行う際の光の利用効率を高めることを可能とした車両用灯具用光源ユニットを提供する。
【解決手段】複数の光源2a,2b,2cと、複数の光源2a,2b,2cの各々の前方に配置される複数のレンズ体3a,3b,3cと、複数の光源2a,2b,2cが実装される回路基板5と、回路基板5が取り付けられる基板取付部を介して複数の光源2a,2b,2cが発する熱を外部へと放熱させるヒートシンク7と、ヒートシンク7と一体に構成されると共に、回路基板5と電気的に接続されるコネクタ部が設けられたソケット本体9とを備え、複数の光源2a,2b,2cの発光による描画パターンを複数のレンズ体3a,3b,3cにより路面に向けて投影する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記複数の光源の各々の前方に配置される複数のレンズ体と、
前記複数の光源が実装される回路基板と、
前記回路基板が取り付けられる基板取付部を介して前記複数の光源が発する熱を外部へと放熱させるヒートシンクと、
前記ヒートシンクと一体に構成されると共に、前記回路基板と電気的に接続されるコネクタ部が設けられたソケット本体とを備え、
前記複数の光源の発光による描画パターンを前記複数のレンズ体により路面に向けて投影することを特徴とする車両用灯具用光源ユニット。
【請求項2】
前記光源の発光による形状を反映した描画パターンを路面に向けて投影することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具用光源ユニット。
【請求項3】
前記光源と前記レンズ体との間に配置され、前記光源から出射された光を透過する透過領域が設けられたフィルタを備え、
前記透過領域の形状を反映した描画パターンを路面に向けて投影することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具用光源ユニット。
【請求項4】
前記複数の光源は、前記回路基板の面内における一の方向に並んで配置され、
前記複数のレンズ体は、前記一の方向に並ぶ前記光源毎に、前記光源との間隔を異ならせた状態で配置され、
前記複数の光源の発光による描画パターンを前記複数のレンズ体により路面に向けて前後方向に並べて投影することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用灯具用光源ユニット。
【請求項5】
前記複数のレンズ体は、前記光源との間隔が大きいほど集光力が相対的に高くなっていることを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具用光源ユニット。
【請求項6】
前記光源の周囲を囲んだ状態で、前記光源の前方において前記レンズ体を保持するレンズ保持部を備えることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の車両用灯具用光源ユニット。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の車両用灯具用光源ユニットを備えることを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具用光源ユニット及び車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両用灯具では、発光ダイオード(LED)の高輝度化や低コスト化が進むに従って、光源にLEDなどの発光素子を採用したものが徐々に増えてきている。LEDは、長寿命で消費電力が少ないといったメリットがある。一方、高温になると発光効率の低下や寿命の短縮化を招くことから、ヒートシンクを用いてLEDが発する熱を外部に効率良く放熱させる必要がある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、LEDと、このLEDを駆動する駆動回路とが実装された回路基板をヒートシンクに取り付けて、このヒートシンクを回路基板と電気的に接続されたコネクタ部と一体に取り付けたカプラー付ソケットを、灯体の背面側に設けられた取付孔に着脱自在に取り付ける光源ユニットが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-111465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に記載の車両用灯具では、運転時の安全性の向上を図るため、路面に向かって投影される光によって路面描画を行うことが行われている。具体的に、この特許文献1に記載の車両用灯具では、集光レンズで集光された光を部分的に通すスリットが設けられた遮光部材を用いて、このスリットの形状を反映した描画パターンを投影レンズにより路面に向けて投影している。
【0006】
しかしながら、このような特許文献1に記載の車両用灯具では、カプラー付ソケットの前方に、集光レンズ、遮光部材及び投影レンズを収容した筐体を別途取り付ける必要があり、部品点数の増加や灯体の大型化を招くことになる。また、スリットを通過する光以外は、遮光部材により遮光されるため、光の利用効率が悪くなる。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、路面描画を行う際の光の利用効率を高めることを可能とした車両用灯具用光源ユニット、並びに、そのような車両用灯具用光源ユニットを備えた車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 複数の光源と、
前記複数の光源の各々の前方に配置される複数のレンズ体と、
前記複数の光源が実装される回路基板と、
前記回路基板が取り付けられる基板取付部を介して前記複数の光源が発する熱を外部へと放熱させるヒートシンクと、
前記ヒートシンクと一体に構成されると共に、前記回路基板と電気的に接続されるコネクタ部が設けられたソケット本体とを備え、
前記複数の光源の発光による描画パターンを前記複数のレンズ体により路面に向けて投影することを特徴とする車両用灯具用光源ユニット。
〔2〕 前記光源の発光による形状を反映した描画パターンを路面に向けて投影することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具用光源ユニット。
〔3〕 前記光源と前記レンズ体との間に配置され、前記光源から出射された光を透過する透過領域が設けられたフィルタを備え、
前記透過領域の形状を反映した描画パターンを路面に向けて投影することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具用光源ユニット。
〔4〕 前記複数の光源は、前記回路基板の面内における一の方向に並んで配置され、
前記複数のレンズ体は、前記一の方向に並ぶ前記光源毎に、前記光源との距離を異ならせた状態で配置され、
前記複数の光源の発光による描画パターンを前記複数のレンズ体により路面に向けて前後方向に並べて投影することを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具用光源ユニット。
〔5〕 前記複数のレンズ体は、前記光源との距離が大きいほど集光力が相対的に高くなっていることを特徴とする前記〔4〕に記載の車両用灯具用光源ユニット。
〔6〕 前記光源の周囲を囲んだ状態で、前記光源の前方において前記レンズ体を保持するレンズ保持部を備えることを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の車両用灯具用光源ユニット。
〔7〕 前記〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の車両用灯具用光源ユニットを備えることを特徴とする車両用灯具。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、路面描画を行う際の光の利用効率を高めることを可能とした車両用灯具用光源ユニット、並びに、そのような車両用灯具用光源ユニットを備えた車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具用光源ユニットを備えた車両用灯具の構成を示す断面図である。
図2図1に示す車両用灯具用光源ユニットの構成を示す斜視図である。
図3図2に示す車両用灯具用光源ユニットの構成を示す断面図である。
図4図2に示す車両用灯具用光源ユニットから複数の光源の発光による形状を反映した描画パターンを複数のレンズ体により路面に投影したときの形状を示す斜視図である。
図5図2に示す車両用灯具用光源ユニットからバックランプの一部として、複数の光源の発光による形状を反映した描画パターンを複数のレンズ体により路面に投影したときの形状を示す平面図である。
図6図2に示す車両用灯具用光源ユニットからターンランプの一部として、複数の光源の発光による形状を反映した描画パターンを複数のレンズ体により路面に投影したときの形状を示す平面図である。
図7図2に示す車両用灯具用光源ユニットの別の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らないものとする。
【0012】
本発明の一実施形態として、例えば図1に示す車両用灯具用光源ユニット(以下、「光源ユニット」という。)1を備えた車両用灯具100について説明する。
なお、図1は、光源ユニット1を備えた車両用灯具100の構成を示す断面図である。
【0013】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を光源ユニット1(車両用灯具100)の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を光源ユニット1(車両用灯具100)の左右方向(幅方向)、Z軸方向を光源ユニット1(車両用灯具100)の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0014】
本実施形態の車両用灯具100は、例えば、車両(図示せず。)の後端側の両コーナー部に搭載されるバックランプの一部として、車両後退時に路面に向かって投影される光によって路面描画を行う光源ユニット1を備えている。
【0015】
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具100(光源ユニット1)を正面(車両後方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。
【0016】
具体的に、この車両用灯具100は、図1に示すように、正面(前面)が開口したハウジング101と、このハウジング101の開口を覆う透明なレンズカバー102とにより構成される灯体103の内側に、本実施形態の光源ユニット1を収容した構成となっている。
【0017】
光源ユニット1は、交換(取替)可能なカプラー付ソケットとして、ハウジング101(灯体103)の背面(後面)側に設けられた取付孔101aから、その前面側を灯体103の内側に挿入した状態で、取付孔101aの周囲にリング状のパッキン(Oリング)104を介して着脱自在に取り付けることが可能となっている。
【0018】
以下、本実施形態の光源ユニット1の具体的な構成について、図2図7を参照して説明する。
なお、図2は、光源ユニット1の構成を示す斜視図である。図3は、光源ユニット1の構成を示す断面図である。図4は、光源ユニット1から複数の光源の発光による形状を反映した描画パターンを複数のレンズ体により路面に投影したときの形状を示す斜視図である。図5は、光源ユニット1からバックランプの一部として、複数の光源の発光による形状を反映した描画パターンを複数のレンズ体により路面に投影したときの形状を示す平面図である。図6は、光源ユニット1からターンランプの一部として、複数の光源の発光による形状を反映した描画パターンを複数のレンズ体により路面に投影したときの形状を示す平面図である。図7は、光源ユニット1Aの別の構成を示す斜視図である。
【0019】
本実施形態の光源ユニット1は、図2図4に示すように、複数(本実施形態では3つ)の光源2a,2b,2cと、複数の光源2a,2b,2cの各々の前方に配置される複数(本実施形態では3つ)のレンズ体3a,3b,3cと、各光源2a,2b,2cの周囲を囲んだ状態で、各光源2a,2b,2cの前方において各レンズ体3a,3b,3cを保持する複数(本実施形態では3つ)のレンズ保持部4a,4b,4cと、複数の光源2a,2b,2cが実装される回路基板5と、回路基板5が取り付けられる基板取付部6を介して複数の光源2a,2b,2cが発する熱を外部へと放熱させるヒートシンク7と、ヒートシンク7と一体に構成されると共に、回路基板5と電気的に接続されるコネクタ部8が設けられたソケット本体9とを備えている。
【0020】
複数の光源2a,2b,2cは、それぞれ白色光(以下、「光」という。)L1,L2,L3を発する発光ダイオード(LED)からなる。複数の光源2a,2b,2cは、LEDを駆動する駆動回路(図示せず。)が設けられた回路基板5の一面(本実施形態では前面)側に実装され、この回路基板5の面内における一の方向(本実施形態では幅方向)に等間隔に並んで配置されている。これにより、各光源2a,2b,2cは、光L1,L2,L3を前方(+X軸側)に向けて放射状に出射する。
【0021】
複数のレンズ保持部4a,4b,4cは、例えば円筒状の白色樹脂からなり、各光源2a,2b,2cの周囲を囲んだ状態で、回路基板5の一面側に取り付けられている。
【0022】
複数のレンズ体3a,3b,3cは、その後側焦点を各光源2a,2b,2c又はその近傍と一致させるように焦点距離が調整された凸レンズからなり、各レンズ保持部4a,4b,4cの前方に取り付けられている。
【0023】
複数のレンズ体3a,3b,3cは、一の方向に並ぶ光源2a,2b,2c毎に、光源2a,2b,2cとの距離T1,T2,T3を異ならせた状態で配置されている。具体的に、本実施形態では、一の方向の一端側に位置する光源2aとレンズ体3aとの距離をT1とし、一の方向の中間に位置する光源2bとレンズ体3bとの距離をT2とし、一の方向の他端側に位置する光源2cとレンズ体3cとの距離をT3としたときに、T1<T2<T3となっている。
【0024】
また、複数のレンズ体3a,3b,3cは、光源2a,2b,2cとの距離T1,T2,T3が大きいほど集光力が相対的に高くなっている。すなわち、複数のレンズ体3a,3b,3cは、光源2a,2b,2cとの距離T1,T2,T3が大きいほど、光源2a,2b,2cが発する光L1,L2,L3をより前方に向けて投影することが可能となっている。
【0025】
光源ユニット1は、ヒートシンク7とソケット本体9とをインサート成形することによって、これらヒートシンク7とソケット本体9とが一体化された構造を有している。なお、光源ユニット1は、別々に形成されたヒートシンク7とソケット本体9とをネジ止め等により一体化した構造であってもよい。
【0026】
ヒートシンク7は、例えばアルミニウム(Al)や鉄(Fe)、銅(Cu)などの熱電導性の高い金属材料からなる。ソケット本体9は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)などの絶縁樹脂材料からなる。また、ソケット本体9は、例えば、炭素やセラミック、金属などの熱伝導率の高いフィラーを樹脂に添加したものを用いてもよい。
【0027】
ヒートシンク7は、略円板状のベース部7aと、ベース部7aの前面側の略中央部から断面略方形状に突出された突起部7bと、ベース部7aの後面側から幅方向に並んだ状態で縦板状に突出された複数の放熱フィン7cとを有している。
【0028】
ソケット本体9は、略円板状のベース部9aと、ベース部9aの前面側の略中央部から前方に向かって突出された断面略円形状の筒壁部9bと、筒壁部9bの内側及びベース部9aを前後方向に貫通する断面略方形状の貫通孔9cとを有している。
【0029】
また、筒壁部9bの外周面には、上記ハウジング101の取付孔101aに対する回り止め及び抜け止めとなる複数の爪部9dが周方向に並んで設けられている。パッキン104は、筒壁部9bを貫通させた状態で、ベース部9aに接触した状態で取り付けられる。
【0030】
ソケット本体9は、貫通孔9cよりも下方に位置して筒壁部8bの内側及びベース部9aを前後方向に貫通する貫通孔9eと、ベース部9aの背面側の貫通孔9eの周囲から後方に向かって突出された略矩形筒状の嵌合部9fとを有している。
【0031】
コネクタ部8は、複数のリード端子10を有している。各リード端子10は、コネクタ部8の本体部8aを前後方向に貫通した状態で、この本体部8aに一体に取り付けられている。コネクタ部8は、嵌合部9fの内側にリード端子10が位置するように、貫通孔9eの内側に本体部8aを嵌め付けることによって構成されている。
【0032】
複数のリード端子10は、回路基板5を厚み方向に貫通する複数の孔部5aを貫通した状態で、各孔部5a周囲にあるランド部とはんだ接合により固定されている。これにより、複数のリード端子10は、回路基板5と電気的に接続されている。
【0033】
基板取付部6は、筒壁部9bの内側の前面に設けられている。ヒートシンク7とソケット本体9とは、貫通孔9cに突起部7bを嵌合し、互いのベース部7a,9aを突き合わせた状態で一体化されている。また、突起部7bの先端と貫通孔9cとの間には、その間を気密に封止するシール部材11が配置されている。これにより、基板取付部6では、貫通孔9cから露出した突起部7bの先端が筒壁部9bの内側の前面と連続した平坦面を形成している。
【0034】
回路基板5は、この基板取付部6の前面に熱伝導性接着剤12を介して取り付けられている。これにより、回路基板5は、熱伝導性接着剤12及び基板取付部6の一部を構成する突起部7bを介してヒートシンク7と熱的に接続されている。一方、回路基板5は、この状態において、ヒートシンク7とは電気的に絶縁されている。
【0035】
以上のような構成を有する本実施形態の光源ユニット1では、図4に示すように、複数の光源2a,2b,2cが発する光L1,L2,L3による描画パターンP1,P2,P3を複数のレンズ体3a,3b,3cにより前方の路面Tに向けて前後方向に並べて投影する。
【0036】
このとき、各光源2a,2b,2cの発光面の形状を反映した光源像を前方の路面Tに向けて前後方向に並べて投影することによって、路面Tの前方に向かって延在し且つ漸次幅が拡大された矩形状の描画パターンP1,P2,P3が路面Tの前後方向に並んで形成された状態となる。
【0037】
なお、複数の光源2a,2b,2cの隣り合う間隔よりも、複数の光源2a,2b,2cから路面Tに向けて投影される距離が十分大きいことから、路面Tの前後方向に並ぶ描画パターンP1,P2,P3の幅方向における中心のずれをほとんど無視することが可能である。
【0038】
したがって、本実施形態の光源ユニット1を備える車両用灯具100では、図5に示すように、車両Bの後端側の両コーナー部に搭載されるバックランプの一部として、車両後退時に路面Tに向かって複数の描画パターンP1,P2,P3を投影しながら、路面描画を行うことが可能である。
【0039】
以上のように、本実施形態の光源ユニット1では、上述した複数の光源2a,2b,2cが発する光L1,L2,L3による描画パターンP1,P2,P3を複数のレンズ体3a,3b,3cにより路面Tに向けて投影することで、路面描画を行う際の光L1,L2,L3の利用効率を高めることが可能である。
【0040】
また、本実施形態の光源ユニット1では、上述した複数の光源2a,2b,2cの発光による形状を反映した描画パターンP1,P2,P3を路面Tに向けて投影することで、光L1,L2,L3の利用効率を更に高めることが可能である。
【0041】
また、本実施形態の光源ユニット1では、上述した光源2a,2b,2cとの距離T1,T2,T3が大きいほど、レンズ体3a,3b,3cの集光力が相対的に高くなることで、複数の光源2a,2b,2cから路面Tに向けて投影される距離に因らずに、描画パターンP1,P2,P3の明るさ(照度)を均一化することが可能である。
【0042】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、バックランプの一部として、車両後退時に路面Tに向かって複数の描画パターンP1,P2,P3を投影しながら路面描画を行う場合を例示しているが、例えば図6に示すように、車両Bの前端側の両コーナー部に搭載されるターンランプの一部として、複数の光源2a,2b,2cが発する橙色光L1,L2,L3による描画パターンP1,P2,P3を複数のレンズ体3a,3b,3cにより路面Tに向けて前後方向に並べて投影することで、路面描画を行うことも可能である。
【0043】
これにより、例えば交差点での旋回時における車両Bの巻き込み事故を想定した場面において、ターンランプの点灯時に、路面Tに投影された複数の描画パターンP1,P2,P3によって、車両Bの死角に位置する二輪車や歩行者などに対して、車両Bが旋回することを注意喚起することが可能である。
【0044】
また、上記光源ユニット1では、上述した複数の光源2a,2b,2cの発光による形状を反映した描画パターンP1,P2,P3を路面Tに向けて投影する構成となっているが、例えば図7に示す光源ユニット1Aのように、光源2a,2b,2cとレンズ体3a,3b,3cとの間に、光源2a,2b,2cから出射された光L1,L2,L3を透過する透過領域(本実施形態ではスリット)13aが設けられたフィルタ13を配置し、この透過領域13aの形状(本実施形態では矢印)を反映した描画パターンP1,P2,P3を路面Tに向けて投影する構成とすることも可能である。
【0045】
この構成の場合、透過領域12aを通過する光L1,L2,L3以外は、フィルタ13により遮断されるものの、光源2a,2b,2cと直近にフィルタ13の透過領域13aが位置することから、路面描画を行う際の光L1,L2,L3の利用効率を従来よりも高めることが可能である。
【0046】
また、上記光源ユニット1では、上述した各光源2a,2b,2cから出射される光L1,L2,L3の光軸に対して、各レンズ体3a,3b,3cの中心軸を傾けたり、各レンズ体3a,3b,3cの後面側に屈折面を設けたりすることで、路面Tに向けて投影される光L1,L2,L3の方向を制御することも可能である。
【符号の説明】
【0047】
1,1A…車両用灯具用光源ユニット 2a,2b,2c…光源 3a,3b,3c…レンズ体 4a,4b,4c…レンズ保持部 5…回路基板 6…基板取付部 7…ヒートシンク 8…コネクタ部 9…ソケット本体 10…リード端子 11…シール部材 12…熱伝導性接着剤 13…フィルタ L1,L2,L3…光 P1,P2,P3…描画パターン 100…車両用灯具 101…ハウジング 102…レンズカバー 103…灯体 104…パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7