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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134308
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】生体硬さの測定用処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A61B8/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039767
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
(71)【出願人】
【識別番号】505000480
【氏名又は名称】フィンガルリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】山越 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】名郷根 正昭
(72)【発明者】
【氏名】座間 誠一
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD19
4C601DD23
4C601EE11
4C601GA01
4C601GA40
4C601JB30
(57)【要約】
【課題】加振器による加振中の超音波プローブ探触作業において、加振器による機械振動の伝播速度を確実に把握する。
【解決手段】超音波プローブのヘッド部による振動伝播速度データの取得部と、取得部による伝播速度データのA/D変換部と、伝播速度データのA/D変換後のデータを演算する演算部とを具備する測定用処理プログラムであって、
演算部は、1枚のBモード画像とそれに続く16枚のカラードプラ画像とからなる画像フレームを単位時間ごとに連続取得し、設定された範囲の記憶部に上書き保存するものであり、1枚のBモード画像を含む18枚以上31枚以下の単位画像セットによって取得画像セットを分析する分析部を連続的に有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブのヘッド部による振動伝播速度データの取得部と、
取得部による伝播速度データのA/D変換部と、
伝播速度データのA/D変換後のデータを演算する演算部とを具備する測定用処理プログラムであって、
演算部は、1枚のBモード画像とそれに続く16枚のカラードプラ画像とからなる画像フレームを単位時間ごとに連続取得し、設定された範囲の記憶部に上書き保存するものであり、
1枚のBモード画像を含む18枚以上31枚以下の単位画像セットによって取得画像セットを分析する分析部を連続的に有することを特徴とする、生体硬さの測定用処理プログラム。
【請求項2】
1枚のBモード画像を含む18枚以上31枚以下の単位画像セットによって取得画像セットを分析する第一分析部を連続的に有すると共に、
第一分析部から18枚以上31枚以下のズレ量だけズレた取得画像セットを連続的に有する第二分析部を有することを特徴とする、生体硬さの測定用処理プログラム。
【請求項3】
取得する超音波データが非球面データであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか記載の生体硬さの測定用処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いて生体物(人体又は動物)の生体組織の硬さを映像化する生体硬さの測定用処理プログラムに関する。特に、対象箇所の生体組織を小型振器で振動させて機械振動波であるせん断波を発生させ、超音波プローブで生体組織内を伝わる機械的振動波(横波)の伝播速度を画像化するための生体硬さの測定用探触装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーションにおける理学療法室、マッサージにおける治療室、スポーツ医学におけるトレーニング室等に持ち込んで骨格筋の硬さや変化を定量的に測定しようとする要求がある。つまり従来技術では難しかった骨格筋の硬さを定量的に評価して、その結果をリハビリテーション、マッサージ、トレーニングの効果判定、有効な治療、トレーニング計画の策定等に結び付けたいという要求である。このような要求には、群馬大学の山越が発明者で群馬大学が出願人である生体硬さの映像化法CDSWI法:Color
Doppler Shear Wave
Imagingを使うことが選択肢になると考えられるが、この時、大型の超音波診断装置ではなくフィールドで使える小型で可搬型のエコー装置(タブレットエコー:プローブ内に電子回路やCPUを組み込んで、これをタブレットやPCに接続することで超音波診断を行う装置)にCDSWI法を組み込んで使う必要がある。
【0003】
超音波を用いて生体物(人体又は動物)の生体組織を映像化する超音波映像方法として、従来、WO2015/151972(特許文献1参照)が開示される。同開示においては、穿刺針を測定部近くの体表に押し当てて穿刺部の生体細胞を振動させた状態で、超音波エコー装置によって生体組織内を伝わる機械的振動波(横波)の伝播速度を画像化している。
【0004】
この装置において、穿刺針には微小振動を付与する励振器が設置され、この励振器により振動される穿刺針のドプラ効果の影響を受けたエコー信号をプローブが受信することにより、穿刺針の外針から突出する内針の動きが認識されるようになっている。ここで前記画像生成手段は、前記穿刺針の内針が前記被採取部に差し込まれる直前において、仮に前記内針が前記外針から突出されたとしたら前記被採取部から採取されることが期待される組織を前記表示手段に画像として表示させるものである。同文献によれば、被採取部の組織の採取に先立ち、表示手段を見るだけで被採取部のどこの部位が採取できるのかを予測することができ、所望する組織を確実に採取することができる、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2015/151972A1公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献1記載のようなタブレットエコー装置は、加振器と超音波プローブという二つの器具を体表面に同時に押し当てて連続画像化するため、伝播速度のデータを確実に又は効率よく取得できないという課題があった。
【0007】
そこで本発明は、加振器による加振中の超音波プローブ探触作業において、二つの器具を体表面に同時に押し当てながら画像化する際に測定者の両手がふさがらず、測定中の機器操作も行いやすく、また、加振器による機械振動の伝播速度を確実に把握することができ、操作性にも優れる、生体硬さの測定用処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく本発明では以下の手段を講じている。但し以下において構成の名称に続けて記載する数字乃至アルファベットは、図面の理解のために便宜的に付した符号であり、これによって構成の概念ないし形状、構造を限定する趣旨ではない。
【0009】
取得する超音波データが非球面データであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか記載の生体硬さの測定用処理プログラム。
加振子によって生体組織を機械振動させるためには、生体表面の表皮層や皮下脂肪層よりも下層の組織内へ振動を伝える必要がある。上記の手段によって加振子を生体表面から突出させることで、生体表面の皮膚状態を当圧して表面組織を振動伝播効率の高い圧縮状態に維持しながら確実に生体組織を機械振動させることができる。また、加振点から遠すぎない一定距離を保つことで振動の生体組織の表皮から約10CMの範囲内の任意の測定点における振動伝播速度を確実に取得することができる。
【0010】
(2)(第二アタッチメントの緩衝材)
超音波プローブのヘッド部による振動伝播速度データの取得部と、
取得部による伝播速度データのA/D変換部と、
伝播速度データのA/D変換後のデータを演算する演算部とを具備する測定用処理プログラムであって、
演算部は、1枚のBモード画像とそれに続く16枚のカラードプラ画像とからなる画像フレームを単位時間ごとに連続取得し、設定された範囲の記憶部に上書き保存するものであり、
1枚のBモード画像を含む18枚以上31枚以下の単位画像セットによって取得画像セットを分析する分析部を連続的に有することを特徴とする、生体硬さの測定用処理プログラム。
(2)
1枚のBモード画像を含む18枚以上31枚以下の単位画像セットによって取得画像セットを分析する第一分析部を連続的に有すると共に、
第一分析部から18枚以上31枚以下のズレ量だけズレた取得画像セットを連続的に有する第二分析部を有することを特徴とする、生体硬さの測定用処理プログラム。
(3)
取得する超音波データが非球面データであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか記載の生体硬さの測定用処理プログラム。
(4)
超音波プローブのヘッド部を側周部から嵌入して取り付け可能な嵌入枠を有する第一アタッチメントと、
生体表面に機械振動を与える加振器を保持穴内及び保持穴先部に保持する第二アタッチメントと、を具備してなる測定用処理プログラムであって、
第二アタッチメントの保持穴内面及び保持穴先部面には、加振器の基部及び加振先部との間に緩衝材を介在させて加振器を固定することを特徴とする。
【0011】
前記第一アタッチメントは超音波プローブのヘッドを嵌入するテーパー枠穴を有した嵌入枠を有し、
前記第二アタッチメントは加振器の柱状の加振基部を収容保持する保持穴を有し、
かつ、前記第一アタッチメントと第二アタッチメントとの間に、テーパー枠孔と保持穴の穴軸方向の位置関係をスライド調整可能とする調整連結部を具備することを特徴とする。
調整連結部によって、嵌入枠の枠穴軸方向との関係で、保持穴軸は平行又は先側へ向かって近接する近接傾斜方向を向くように維持され、かつ、保持穴がテーパー枠穴よりも先側へ所定の設定量だけ突出するよう、任意の設定突出量に維持される。
【0012】
前記第一アタッチメントは超音波プローブのヘッドを嵌入するテーパー枠穴を有した嵌入枠を有し、
前記第二アタッチメントは加振器の柱状の加振基部を収容保持する保持穴を有し、
かつ、前記第一アタッチメントと第二アタッチメントとの間に、テーパー枠孔と保持穴の穴軸方向の角度関係を曲げ調整可能とする調整連結部を具備することを特徴とする。
調整連結部によって、保持穴がテーパー枠穴よりも先側へ所定の設定量だけ突出するように維持され、かつ、嵌入枠の枠穴軸方向との関係で、保持穴軸は平行又は先側へ向かって(嵌入枠の枠穴軸方向に対し)任意角度だけ傾斜する方向を向くよう、任意の設定角度量に維持される。
【0013】
(5)
第一アタッチメントのテーパー枠穴及び第二アタッチメントの保持穴は、穴内側面に一又は複数のスリットが形成され、超音波プローブを嵌入した状態、又は加振器を保持収容した状態において弾性変形した状態となることを特徴とする。
固有振動周波数の調整が可能であり、共振を防ぐことができる。
【0014】
(6)(連結冶具)
上記いずれかに記載の生体硬さの測定用処理プログラムにおいては、プローブの受送信部が走査面に対して一定の略垂直の角度を保つよう、プローブの受送信面と平行に張り出した張り出し片をさらに具備することを特徴とする。
【0015】
(7)(連結冶具)
上記いずれかに記載の生体硬さの測定用処理プログラムにおいては、第一アタッチメントのテーパー枠穴と第二アタッチメントの保持穴とが、一つの枠穴内の一側部及び他側部に仕切りを有さずに連なった空間で形成され、かつ、外力によって変形調整可能であると共に、調製された変形状態を維持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によって提供される生体硬さの測定用処理プログラム及び生体硬さの測定用処理プログラム方法は、上記のとおり、ケーシングにスリットを形成すると共にスリット内又はスリット外部に近接して放熱フィンを設けているので、放熱フィンの放熱効果によってプローブ内の高熱化を抑制することができる。これにより、振動状況を機械振動の伝播速度に置き換えて画像データに変換するという比較的情報量の多い高度な連続処理を比較的長時間継続して行った場合でも、プローブ内の過度の発熱や熱暴走を抑制することができるものとなった。
【0017】
また、放熱フィンの形状によって、超音波探査方向を視認しながら操作しやすいものとなっている。ここで、生体励振を伴うタブレットエコー装置による加振中の超音波プローブ探触作業においては、筋繊維方向に対応する方向へ超音波探知してプローブを動かす必要がある。したがって、探触面に対する超音波送受信の方向を、放熱フィンの形状そのものによって直観的に確認しながら行うことで探知効率を向上させ、継続操作時間を短縮することができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1の生体硬さの測定用処理プログラムを含む生体硬さの測定用システムの構成説明図。
図2】実施例1の生体硬さの測定用処理プログラムの基本概念及び適用例を示す説明図。
図3】実施例1の生体硬さの測定用処理プログラムのデバイスおよび処理装置における基本機能構成を示す説明図。
図4】実施例1の生体硬さの測定用処理プログラムの具体機能構成を示す説明図。
図5】実施例1の生体硬さの測定用処理プログラムのフレーム画像処理例を示す説明図。
図6】実施例2の生体硬さの測定用処理プログラムのフレーム画像処理例を示す説明図。
図7】実施例1、2の生体硬さの測定用処理プログラムのフレーム画像に基づく演算例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態例を、実施例として示す各図と共に説明する。
【0020】
図1に示す本発明の実施例1の生体硬さの測定用システムは、放熱フィンが付属された生体硬さの測定用処理プログラム1と、振動を加える加振装置2と、振動周波数を同期させ得る調整器Aと、プローブによって探触された伝播速度を二次元表示する表示デバイスHDと、データを蓄積保存する処理端末4と、モニターMとから構成される。
【0021】
図2図4は、前記測定用システムのうち、実施例1の生体硬さの測定デバイスの外形及び内部構造を示す。図4中央には、小基板を離間状態で重ね合わせた組合せ基板が熱伝導金属箔に巻回された状態で示される。図5はこの組合せ基板を更に分解した構成図である。
【0022】
図6図1図4に示す実施例1の生体硬さの測定用システムに、一つの加振器ホルダと一対の第二放熱フィンを有する連結冶具を取り付けた状態である。図6正面図(a)、底面図(b)にてそれぞれ右寄りに見える円板状の突出部が加振器の加振部である。
【0023】
(1)(超音波プローブのヘッド部に取り付け可能なアタッチメント)
超音波プローブのヘッド部に取り付け可能な第一アタッチメントと、
生体表面に機械振動を与える加振器を保持する第二アタッチメントと、を具備してなる測定用処理プログラムであって、
第一アタッチメントによって取りつけられる超音波プローブのプローブ探触子の送受信方向において、
第一アタッチメントによって取りつけられる超音波プローブのプローブ面よりも、
第二アタッチメントによって保持される加振器の加振子を所定の予設定値の突出量だけ突出させ、かつ、
前記プローブ面と前記加振子との距離を、所定の予設定範囲の一定値に保ち得ることを特徴とする、生体硬さの測定用処理プログラム。
加振子によって生体組織を機械振動させるためには、生体表面の表皮層や皮下脂肪層よりも下層の組織内へ振動を伝える必要がある。上記の手段によって加振子を生体表面から突出させることで、生体表面の皮膚状態を当圧して表面組織を振動伝播効率の高い圧縮状態に維持しながら確実に生体組織を機械振動させることができる。また、加振点から遠すぎない一定距離を保つことで振動の生体組織の表皮から約10CMの範囲内の任意の測定点における振動伝播速度を確実に取得することができる。
【0024】
(2)(第二アタッチメントの緩衝材)
超音波プローブのヘッド部を側周部から嵌入して取り付け可能な嵌入枠を有する第一アタッチメントと、
生体表面に機械振動を与える加振器を保持穴内及び保持穴先部に保持する第二アタッチメントと、を具備してなる測定用処理プログラムであって、
第二アタッチメントの保持穴内面及び保持穴先部面には、加振器の基部及び加振先部との間に緩衝材を介在させて加振器を固定することを特徴とする。
【0025】
(3)
前記第一アタッチメントは超音波プローブのヘッドを嵌入するテーパー枠穴を有した嵌入枠を有し、
前記第二アタッチメントは加振器の柱状の加振基部を収容保持する保持穴を有し、
かつ、前記第一アタッチメントと第二アタッチメントとの間に、テーパー枠孔と保持穴の穴軸方向の位置関係をスライド調整可能とする調整連結部を具備することを特徴とする。
調整連結部によって、嵌入枠の枠穴軸方向との関係で、保持穴軸は平行又は先側へ向かって近接する近接傾斜方向を向くように維持され、かつ、保持穴がテーパー枠穴よりも先側へ所定の設定量だけ突出するよう、任意の設定突出量に維持される。
【0026】
(4)
前記第一アタッチメントは超音波プローブのヘッドを嵌入するテーパー枠穴を有した嵌入枠を有し、
前記第二アタッチメントは加振器の柱状の加振基部を収容保持する保持穴を有し、
かつ、前記第一アタッチメントと第二アタッチメントとの間に、テーパー枠孔と保持穴の穴軸方向の角度関係を曲げ調整可能とする調整連結部を具備することを特徴とする。
調整連結部によって、保持穴がテーパー枠穴よりも先側へ所定の設定量だけ突出するように維持され、かつ、嵌入枠の枠穴軸方向との関係で、保持穴軸は平行又は先側へ向かって(嵌入枠の枠穴軸方向に対し)任意角度だけ傾斜する方向を向くよう、任意の設定角度量に維持される。
【0027】
(5)
第一アタッチメントのテーパー枠穴及び第二アタッチメントの保持穴は、穴内側面に一又は複数のスリットが形成され、超音波プローブを嵌入した状態、又は加振器を保持収容した状態において弾性変形した状態となることを特徴とする。
固有振動周波数の調整が可能であり、共振を防ぐことができる。
【0028】
(6)(連結冶具)
上記いずれかに記載の生体硬さの測定用処理プログラムにおいては、プローブの受送信部が走査面に対して一定の略垂直の角度を保つよう、プローブの受送信面と平行に張り出した張り出し片をさらに具備することを特徴とする。
【0029】
(7)(連結冶具)
上記いずれかに記載の生体硬さの測定用処理プログラムにおいては、第一アタッチメントのテーパー枠穴と第二アタッチメントの保持穴とが、一つの枠穴内の一側部及び他側部に仕切りを有さずに連なった空間で形成され、かつ、外力によって変形調整可能であると共に、調製された変形状態を維持することを特徴とする。
【0030】
雑音の大きな超音波診断装置でも、CD SWI法による生体組織の硬さ映像が得られる雑音低減技術を開発することが目的である。雑音低減処理では、超音波診断装置で得られる元信号のCD SWI法に固有な時間的、周波数的な特徴に着目して、この特徴を持つ信号だけを抽出、強調することが重要であり、今回の発明はCD SWI法による硬さ映像において元信号が持つ特徴「生体組織内へせん断波を励起するための加振が特定周波数の連続正弦波で行われる」ことを積極的に利用したもので、正弦波加振に特化したMTI Filter(Moving Target Indicator)、正弦波加振に特化した流速推定、の2つの方法包含する正弦波加振に特化した雑音低減技術を導入することで、タブレット型生体硬さの測定用処理プログラムのような雑音の大きい生体硬さの測定用処理プログラムでも硬さ映像を得て、硬さの定量計測を行う。
【0031】
例えば2つの検出デバイスP1,P2と有線で併接続された制御装置2が記憶部R、表示装置M2、入力装置I2を備え、各受信子のチャンネルに対応した信号がケーブルCによって処理装置1に接続される。処理装置1にはスイッチS,調整装置V,スピーカー及び検出デバイスP1,P2の係止部が設けられ、表示装置M1,入力装置Iに有線又は無線接続される。
【0032】
正弦波で振動している加振器(S)から、生体組織中にせん断波が励起され、このせん断波は生体組織内を伝播する。この時、超音波プローブ(P)で同時に超音波を送信すると、生体組織内から反射し超音波プローブで受信される超音波には、加振によりドプラ効果が生じ周波数がわずかに変調された信号が得られる。ここで図1の(3)(4)(5)は加振を行うための増幅器、発振器、および発振周波数を決める制御装置である。超音波プローブで得た信号は、直交検波後、IQ信号としてPCやタブレット等の信号処理装置からなるせん断波映像システム(AW)に取り込まれる。本発明は、この映像システム内に組み込まれる雑音低減技術に関するものである。最終的に得られた画像は表示装置(W)で表示される。
【0033】
上記のほか、各振動子で受信した超音波信号をスペクトル分析し、学習を経た多層ニューラルネット解析によって、異物オブジェクトを大きさ又は硬さの異なる複数種類のオブジェクトスペクトルモデルのいずれかに判別し、判別したオブジェクトスペクトルモデルに1対1対応した色又は形状でマップ上に表示して検出面に合わせたマップ表示を行うことができる。二次元配列された複数の各受信子と隣接する受信子とが重複して信号検出することで、異物オブジェクトの概形、厚さ(深度)が明瞭に認識できる。
【0034】
(生体硬さの測定用処理プログラム)
また、本発明の生体硬さの測定用処理プログラムは、非接触で探触データを取得する上記いずれかの生体硬さの測定用処理プログラムと、取得された探触データを分析する分析装置とを具備してなる。この生体硬さの測定用処理プログラム方法における生体硬さの測定用処理プログラムは、筋肉の片さ試験のほか、内蔵の腫瘍又は硬化部の検出に用いられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7