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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134310
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】高速自動利得制御回路
(51)【国際特許分類】
   H03G 3/30 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
H03G3/30 B
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054745
(22)【出願日】2022-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】17/693,445
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522127014
【氏名又は名称】宏觀微電子股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳冠名
【テーマコード(参考)】
5J100
【Fターム(参考)】
5J100JA01
5J100LA09
5J100LA13
5J100QA01
(57)【要約】
【課題】電力検出器が急激な電力変化に迅速に応答できるように、信号を入力するための増幅器を制御するための高速自動利得制御回路を提供すること。
【解決手段】自動利得制御回路は、電力検出器を制御するための制御回路を含み、制御回路は、入力信号の電力レベル変化を検出し、電力検出器が入力信号の電力レベル変化に迅速に応答するように、電力検出器への制御信号を生成する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を受け取る増幅器を制御するための自動利得制御回路であって、
前記増幅器に結合された電力検出器であって、前記増幅器から出力された第1の信号を受け取り、前記第1の信号の第1の電力レベルを表す第1の電圧レベルを出力する、電力検出器と、
前記電力検出器を制御するための制御回路であって、前記第1の信号の電力レベル変化を検出し、前記第1の信号の前記電力レベル変化に応答するように、前記電力検出器への制御信号を生成する、制御回路と、を備える、
自動利得制御回路。
【請求項2】
前記制御回路は、前記第1の信号を受け取り、前記第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する電圧レベル検出器を備え、前記第2の電圧レベルが、事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、前記制御信号は、第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替わり、事前定義された期間維持される、請求項1に記載の自動利得制御回路。
【請求項3】
前記第2の電圧レベルが、事前定義された高しきい値よりも大きくなるときに、前記制御信号は、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替わり、前記事前定義された期間維持される、請求項2に記載の自動利得制御回路。
【請求項4】
前記電圧レベル検出器は、前記第1の信号に結合され、前記第1の信号の前記第2の電力レベルを表す前記第2の電圧レベルを出力するRMS電圧検出器を備える、請求項2に記載の自動利得制御回路。
【請求項5】
前記制御回路は、第1の比較器、第2の比較器、およびフラグ発生器を備え、前記第1の比較器は、前記電力レベル検出器から出力された前記第2の電圧レベルを、事前定義された高しきい値と比較し、前記第2の比較器は、前記電力レベル検出器から出力された前記電力レベルを、事前定義された低しきい値と比較し、前記フラグ発生器は、前記第1の比較器および前記第2の比較器の出力にしたがって前記制御信号を生成する、請求項4に記載の自動利得制御回路。
【請求項6】
前記フラグ発生器にクロックが入力され、前記クロックのクロック周期にしたがって、前記事前定義された周期が生成される、請求項5に記載の自動利得制御回路。
【請求項7】
前記制御信号の前記第2の論理レベルは、高速モードを表す論理低レベルであり、前記制御信号の前記第1の論理レベルは、通常モードを表す論理高レベルである、請求項3に記載の自動利得制御回路。
【請求項8】
前記電力検出器は、ピーク電圧検出器およびRMS電圧検出器を備え、前記ピーク電圧検出器の出力は、前記制御信号が通常モードにあるとき、前記第1の信号の前記第1の電力レベルを表す前記第1の電圧レベルを生成するために選択され、前記RMS電圧検出器の出力は、前記制御信号が高速モードにあるとき、前記第1の信号の前記第1の電力レベルを表す前記第1の電圧レベルを生成するために選択される、請求項2に記載の自動利得制御回路。
【請求項9】
前記電力検出器は、ピーク電圧検出器およびRMS電圧検出器を備え、前記ピーク電圧検出器の出力は、前記制御信号が通常モードにあるとき、前記第1の信号の前記第1の電力レベルを表す前記第1の電圧レベルを生成するために選択され、前記RMS電圧検出器の出力は、前記制御信号が高速モードにあるとき、前記第1の信号の前記第1の電力レベルを表す前記第1の電圧レベルを生成するために選択される、請求項3に記載の自動利得制御回路。
【請求項10】
前記電力検出器は、RCフィルタを備えたピーク電圧検出器を備え、前記制御信号が高速モードにあるとき、前記RCフィルタは第1の放電時定数を有し、前記制御信号が通常モードにあるとき、前記RCフィルタは第2の放電時定数を有し、前記第1の放電時定数は、前記第2の放電時定数よりも短い、請求項2に記載の自動利得制御回路。
【請求項11】
前記電力検出器は、RCフィルタを備えたピーク電圧検出器を備え、前記制御信号が高速モードにあるとき、前記RCフィルタは第1の放電時定数を有し、前記制御信号が通常モードにあるとき、前記RCフィルタは第2の放電時定数を有し、前記第1の放電時定数は、前記第2の放電時定数よりも短い、請求項3に記載の自動利得制御回路。
【請求項12】
前記自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、前記制御回路は、前記第1の信号の前記電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、前記自動利得制御論理回路の利得ステップを調整するように、前記自動利得制御論理回路へ前記制御信号を送る、請求項1に記載の自動利得制御回路。
【請求項13】
前記制御回路は、前記自動利得制御回路によって使用されるクロックの速度を調整するように、前記自動利得制御論理回路へ前記制御信号を送る、請求項12に記載の自動利得制御回路。
【請求項14】
前記信号はRF信号である、請求項1に記載の自動利得制御回路。
【請求項15】
前記信号はIF信号である、請求項1に記載の自動利得制御回路。
【請求項16】
前記増幅器は、RF信号を増幅するためのLNA(低雑音増幅器)である、請求項14に記載の自動利得制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号を入力するための増幅器を制御するための自動利得制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aは、信号101を入力するための増幅器102を制御するための従来の自動利得制御回路を示す。自動利得制御回路は、増幅器102から出力された信号103を受け取り、信号103の電力レベルを表す電圧レベルV_PDを出力するために増幅器102に結合された電力検出器104と、電圧レベルV_PDを受け取り、電圧レベルV_PDにしたがって、LNAの利得を調整する自動利得制御論理回路とを備える。
【0003】
電力検出器104は、入力信号の電力レベルを検出するために、RMS電圧検出器またはピーク電圧検出器を使用できる。ピーク電圧検出器は、バースト干渉の処理に優れている。しかしながら、図1Bに示されるように、帯域内電力が-10dBmから-40dBmなどのように高から低に急激に変化する場合、ピーク電圧検出器は、迅速に応答できない。
【0004】
したがって、上記の問題を克服するための自動利得制御回路を設計するための新しい手法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、電力検出器が急激な電力変化に迅速に応答できるように、信号を入力するための増幅器を制御するための高速自動利得制御回路を提供することである。
【0006】
本発明の1つの目的は、高速モードまたは通常モードを示すフラグを生成する制御回路を備えた高速自動利得制御回路を提供することであり、電力検出器は、フラグにしたがって動作し、フラグが高速モードを示すとき、急激な電力変化に迅速に応答するように、電力検出器の設定を変更する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自動利得制御回路を開示し、自動利得制御回路は、増幅器から出力された第1の信号を受け取り、第1の信号の第1の電力レベルを表す第1の電圧レベルを出力するために増幅器に結合された電力検出器と、電力検出器を制御するための制御回路とを備え、制御回路は、第1の信号の電力レベル変化を検出し、第1の信号の電力レベル変化に応答するように、電力検出器への制御信号を生成する。
【0008】
1つの実施形態では、自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、制御回路は、第1の信号の電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路へ制御信号を送る。
【0009】
1つの実施形態では、制御回路は、第1の信号に結合され、第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する電圧レベル検出器を備え、第2の電圧レベルが、事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、制御信号は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0010】
1つの実施形態では、制御回路は、第1の信号に結合され、第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する電圧レベル検出器を備え、第2の電圧レベルが、事前定義された高しきい値よりも大きくなるか、または事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、制御信号は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0011】
1つの実施形態では、電圧レベル検出器は、第1の信号に結合され、第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力するRMS電圧検出器を備える。
【0012】
1つの実施形態では、制御回路は、第1の比較器、第2の比較器、およびフラグ発生器を備え、第1の比較器は、電力レベル検出器から出力された電力レベルを、事前定義された高しきい値と比較し、第2の比較器は、電力レベル検出器から出力された電力レベルを、事前定義された低しきい値と比較し、フラグ発生器は、第1の比較器および第2比較器の出力にしたがって制御信号を生成する。
【0013】
1つの実施形態では、クロックがフラグ発生器に入力され、クロックのクロック周期にしたがって、事前定義された周期が生成される。
【0014】
1つの実施形態では、図2Fに示されるように、第1の信号203は、電力検出器204に入力され、電力検出器204は、ピーク電圧検出器204aおよびRMS電圧検出器204bを備え、マルチプレクサ204cを使用することによって、制御信号207が通常モードにあるとき、電力検出器204の電力レベル209を生成するためにピーク電圧検出器204aが選択され、制御信号207が高速モードにあるとき、電力検出器204の電力レベル209を生成するためにRMS電圧検出器204bが選択される。
【0015】
1つの実施形態では、図2Fに示されるように、電力検出器204は、電力検出器の出力のリップルを低減するためのフィルタ204dを備えたピーク電圧検出器204aを備え、制御信号207が高速モードにあるとき、フィルタ204dは第1の放電時定数を有し、制御信号207が通常モードにあるとき、フィルタ204dは第2の放電時定数を有し、第1の放電時定数は、第2の放電時定数よりも小さい。1つの実施形態では、フィルタ204dは、電力検出器の出力のリップルを低減するためのRCフィルタである。
【0016】
1つの実施形態では、自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、制御回路は、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路へ制御信号を送る。
【0017】
1つの実施形態では、自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、制御回路は、自動利得制御回路によって使用されるクロックの速度を調整するように、自動利得制御論理回路へ制御信号を送る。
【0018】
1つの実施形態では、信号はRF信号である。
【0019】
1つの実施形態では、信号はIF信号である。
【0020】
1つの実施形態では、増幅器は、RF信号を増幅するためのLNA(低雑音増幅器)である。
【0021】
本発明のために実施される詳細な技術および上記の好ましい実施形態について、特許請求される発明の特徴を十分に理解するために、当業者のために添付の図面に付随する以下の段落に記載する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の前述の態様および付随する利点の多くは、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】従来の自動利得制御回路の構成を示す図である。
図1B】従来の自動利得制御回路の、ピーク電圧モードまたはRMS電圧モードのいずれかである電力検出器の出力を示す図である。
図2A】本発明の1つの実施形態による、信号を入力するための増幅器を制御するための自動利得制御回路を示す図である。
図2B】本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御回路の制御回路の構成を示す図である。
図2C図2Aにおける電力検出器の出力のタイミング図である。
図2D図2Bにおける比較器回路211の出力のタイミング図である。
図2E図2Bにおけるフラグ発生器の出力のタイミング図である。
図2F】本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける電力検出器の構成を示す図である。
図3A】各調整ステップに対して利得ステップが1ステップずつ増加する、図2Aにおける自動利得制御論理回路の利得ステップ図である。
図3B】各調整ステップに対して利得ステップが3ステップずつ増加する、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路の利得ステップ図である。
図3C】各調整ステップに対して利得ステップが5ステップずつ増加する、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路の利得ステップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の詳細な説明は以下に記載される。記載された好ましい実施形態は、例示および説明の目的で開示されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0025】
図2Aは、本発明の1つの実施形態による、信号201を入力するためのLNA(低雑音増幅器)202などの増幅器を制御するための自動利得制御回路200を示す。
図2Aに示されるように、自動利得制御回路200は、増幅器202に結合され、増幅器202から出力された第1の信号203を受け取り、第1の信号203の第1の電力レベルを表す第1の電圧レベル209を出力する電力検出器204と、電力検出器204を制御するための制御回路206とを備える。制御回路206は、第1の信号203の電力レベル変化を検出し、第1の信号の電力レベル変化に応答するように、電力検出器204への制御信号207を生成する。
【0026】
1つの実施形態では、図2Aに示されるように、自動利得制御回路200は、電力検出器204から第1の電圧レベル209を受け取る自動利得制御論理回路205を備え、制御回路206は、第1の信号の電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路205の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路205へ制御信号208を送る。
【0027】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、制御回路206は、第1の信号203に結合され、制御回路206に入力される第1の信号203の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルV2を出力する電圧レベル検出器210を備える。第2の電圧レベルV2が、事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、制御信号207は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0028】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、制御回路206は、第1の信号203に結合され、制御回路206に入力される第1の信号203の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルV2を出力する電圧レベル検出器210を備える。第2の電圧レベルV2が、事前定義された低しきい値よりも小さくなるか、または事前定義された高しきい値よりも大きくなるときに、制御信号207は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0029】
1つの実施形態では、電圧レベル検出器210は、第1の信号203に結合され、第1の信号203の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルV2を出力するRMS電圧検出器を備える。
【0030】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、制御回路は、第1の比較器211aおよび第2の比較器211bを含む比較器回路211と、フラグ発生器212とを備える。第1の比較器211aは、電圧レベル検出器210から出力された電力レベルを、事前定義された高しきい値Vthと比較し、第1の論理レベル信号H1を出力する。第2の比較器211bは、電圧レベル検出器210から出力された電力レベルを、事前定義された低しきい値Vtlと比較し、第2の論理レベル信号L1を出力する。フラグ発生器212は、第1の論理レベル信号H1および第2の論理レベル信号L1にしたがって制御信号207を生成する。
【0031】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、クロックCLKは、フラグ発生器をクロッキングするためにフラグ発生器に入力され、事前定義された周期は、クロックCLKのクロック周期にしたがって生成される。
【0032】
1つの実施形態では、事前定義された周期は、クロックCLKのクロック周期の2.5倍である。
【0033】
図2Cは、図2Aにおける電力検出器204の出力209のタイミング図を示し、図2Dは、図2Bにおける比較器回路211の出力H1、L1のタイミング図を示し、図2Eは、図2Bにおけるフラグ発生器212の出力207のタイミング図を示す。
【0034】
図2C図2Eを参照されたい。図2Cおよび図2Dに示されるように、パルスH1は、電力検出器204の出力209が、0.8Vなどの高しきい値Vthを横切るときに生成され、パルスL1は、電力検出器204の出力209が、0.25Vなどの低しきい値Vtlを横切るときに生成される。
図2Eに示されるように、パルスH1は、制御信号が、論理高レベルに戻る前に、事前定義された期間T1の間、論理低レベルに低下することを可能にし、パルスL1もまた、制御信号が、論理高レベルに戻る前に、事前定義された期間T2の間、論理低レベルに低下することを可能にし、制御信号207が、論理低レベルにあるとき、高速モードを表し、制御信号207が、論理高レベルにあるとき、通常モードを表す。
【0035】
1つの実施形態では、電力検出器204は、ピーク電圧検出器およびRMS電圧検出器を備える。ピーク電圧検出器の出力は、制御信号が通常モードにあるときに選択され、RMS電圧検出器の出力は、制御信号が高速モードにあるときに選択される。
【0036】
1つの実施形態では、電力検出器204は、RCフィルタを備えたピーク電圧検出器を備える。制御信号が高速モードにあるとき、RCフィルタは第1の放電時定数を有し、制御信号が通常モードにあるとき、RCフィルタは第2の放電時定数を有し、第1の放電時定数は、第2の放電時定数よりも短い。
【0037】
1つの実施形態では、制御回路206は、第1の信号を受け取るために増幅器に結合されたRMS電力レベル検出器と、RMS電力レベル検出器に結合された比較器回路とを備える。比較器回路は、RMS電力レベル検出器から出力された電力レベルを、制御信号を生成するための第1の事前定義されたしきい値と比較する第1の比較器を備える。
【0038】
1つの実施形態では、図2Aに示されるように、制御回路206は、自動利得制御回路によって使用されるクロックの速度を調整するように、自動利得制御論理回路205へ制御信号208を送る。
【0039】
1つの実施形態では、制御信号208および制御信号207は同じである。
【0040】
1つの実施形態では、図2Aに示されるように、制御回路206は、第1の信号203の電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路205の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路205へ制御信号208を送る。
【0041】
図3Aは、図2Aにおける自動利得制御論理回路205の典型的な利得ステップ図を示し、図3Bは、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路205の利得ステップ図を示し、図3Cは、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路205の利得ステップ図を示す。
【0042】
図3Aに示されるように、利得ステップは、合計整定時間が1031μsである通常モードを制御信号208が示すとき、各調整ステップに対して1ステップずつ増加する。図3Bに示されるように、利得ステップは、合計整定時間が406μsである高速モードを制御信号208が示すとき、各調整ステップに対して3ステップずつ増加することができる。図3Cに示されるように、利得ステップは、合計整定時間が281μsである高速モードを制御信号208が示すとき、各調整ステップに対して5ステップずつ増加することができる。
【0043】
1つの実施形態では、自動利得制御回路200に入力される信号は、RF信号である。
【0044】
1つの実施形態では、自動利得制御回路200に入力される信号は、IF信号である。
【0045】
1つの実施形態では、増幅器は、RF信号を増幅するためのLNA(低雑音増幅器)である。
【0046】
本発明の特定の実施形態の前述の記載は、例示および説明の目的で開示された。それらは、排他的であること、すなわち本発明を、開示された正確な形態に限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして多くの修正および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最もよく説明するように選択および記載され、それにより、当業者が、本発明および企図される特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態を最もよく利用できるようにする。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびそれらの同等物によって定義されることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
101 信号
102 増幅器
103 信号
104 電力検出器
105 自動利得制御論理回路
200 自動利得制御回路
201 信号
202 増幅器
203 第1の信号
204 電力検出器
204a ピーク電圧検出器
204b RMS電圧検出器
204c マルチプレクサ
204d フィルタ
205 自動利得制御論理回路
206 制御回路
207 制御信号
208 制御信号
209 第1の電圧レベル
210 電圧レベル検出器
211 比較器回路
211a 第1の比較器
211b 第2の比較器
212 フラグ発生器
CLK クロック
H1 第1の論理レベル信号、出力、パルス
L1 第2の論理レベル信号、出力、パルス
T1 事前定義された期間
T2 事前定義された期間
V_PD 電圧レベル
V2 第2の電圧レベル
Vth 高しきい値
Vtl 低しきい値
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を受け取る増幅器を制御するための自動利得制御回路であって、
前記増幅器に結合された電力検出器であって、前記増幅器から出力された第1の信号を受け取り、前記第1の信号の第1の電力レベルを表す第1の電圧レベルを出力する、電力検出器と、
前記電力検出器を制御するための制御回路であって、前記第1の信号の電力レベル変化を検出し、前記第1の信号の前記電力レベル変化に応答するように、前記電力検出器への制御信号を生成する、制御回路と、を備え
前記制御回路は、前記第1の信号を受け取り、前記第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する電圧レベル検出器を備え、前記第2の電圧レベルが、事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、前記制御信号は、第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替わり、事前定義された期間維持され、
前記電力検出器は、ピーク電圧検出器および第1のRMS電圧検出器を備え、前記ピーク電圧検出器の出力は、前記制御信号が通常モードにあるとき、前記第1の信号の前記第1の電力レベルを表す前記第1の電圧レベルを生成するために選択され、前記第1のRMS電圧検出器の出力は、前記制御信号が高速モードにあるとき、前記第1の信号の前記第1の電力レベルを表す前記第1の電圧レベルを生成するために選択される、
自動利得制御回路。
【請求項2】
前記第2の電圧レベルが、事前定義された高しきい値よりも大きくなるときに、前記制御信号は、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに切り替わり、前記事前定義された期間維持される、請求項に記載の自動利得制御回路。
【請求項3】
前記電圧レベル検出器は、前記第1の信号に結合され、前記第1の信号の前記第2の電力レベルを表す前記第2の電圧レベルを出力する第2のRMS電圧検出器を備える、請求項に記載の自動利得制御回路。
【請求項4】
前記制御回路は、第1の比較器、第2の比較器、およびフラグ発生器を備え、前記第1の比較器は、前記第2のRMS電圧検出器から出力された前記第2の電圧レベルを、事前定義された高しきい値と比較し、前記第2の比較器は、前記第2のRMS電圧検出器から出力された前記第2の電圧レベルを、事前定義された低しきい値と比較し、前記フラグ発生器は、前記第1の比較器および前記第2の比較器の出力にしたがって前記制御信号を生成する、請求項に記載の自動利得制御回路。
【請求項5】
前記フラグ発生器にクロックが入力され、前記クロックのクロック周期にしたがって、前記事前定義された周期が生成される、請求項に記載の自動利得制御回路。
【請求項6】
前記制御信号の前記第2の論理レベルは、高速モードを表す論理低レベルであり、前記制御信号の前記第1の論理レベルは、通常モードを表す論理高レベルである、請求項に記載の自動利得制御回路。
【請求項7】
前記自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、前記制御回路は、前記第1の信号の前記電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、前記自動利得制御論理回路の利得ステップを調整するように、前記自動利得制御論理回路へ前記制御信号を送る、請求項1に記載の自動利得制御回路。
【請求項8】
前記制御回路は、前記自動利得制御回路によって使用されるクロックの速度を調整するように、前記自動利得制御論理回路へ前記制御信号を送る、請求項に記載の自動利得制御回路。
【請求項9】
前記信号はRF信号である、請求項1に記載の自動利得制御回路。
【請求項10】
前記信号はIF信号である、請求項1に記載の自動利得制御回路。
【請求項11】
前記増幅器は、RF信号を増幅するためのLNA(低雑音増幅器)である、請求項に記載の自動利得制御回路。
【請求項12】
信号を受け取る増幅器を制御するための自動利得制御回路であって、
前記増幅器に結合された電力検出器であって、前記増幅器から出力された第1の信号を受け取り、前記第1の信号の第1の電力レベルを表す第1の電圧レベルを出力する、電力検出器と、
前記電力検出器を制御するための制御回路であって、前記第1の信号の電力レベル変化を検出し、前記第1の信号の前記電力レベル変化に応答するように、前記電力検出器への制御信号を生成する、制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記第1の信号を受け取り、前記第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する電圧レベル検出器を備え、前記第2の電圧レベルが、事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、前記制御信号は、第1の論理レベルから第2の論理レベルに切り替わり、事前定義された期間維持され、
前記電力検出器は、RCフィルタを備えたピーク電圧検出器を備え、前記制御信号が高速モードにあるとき、前記RCフィルタは第1の放電時定数を有し、前記制御信号が通常モードにあるとき、前記RCフィルタは第2の放電時定数を有し、前記第1の放電時定数は、前記第2の放電時定数よりも短い、
自動利得制御回路。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号を入力するための増幅器を制御するための自動利得制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aは、信号101を入力するための増幅器102を制御するための従来の自動利得制御回路を示す。自動利得制御回路は、増幅器102から出力された信号103を受け取り、信号103の電力レベルを表す電圧レベルV_PDを出力するために増幅器102に結合された電力検出器104と、電圧レベルV_PDを受け取り、電圧レベルV_PDにしたがって、LNAの利得を調整する自動利得制御論理回路とを備える。
【0003】
電力検出器104は、入力信号の電力レベルを検出するために、RMS電圧検出器またはピーク電圧検出器を使用できる。ピーク電圧検出器は、バースト干渉の処理に優れている。しかしながら、図1Bに示されるように、帯域内電力が-10dBmから-40dBmなどのように高から低に急激に変化する場合、ピーク電圧検出器は、迅速に応答できない。
【0004】
したがって、上記の問題を克服するための自動利得制御回路を設計するための新しい手法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、電力検出器が急激な電力変化に迅速に応答できるように、信号を入力するための増幅器を制御するための高速自動利得制御回路を提供することである。
【0006】
本発明の1つの目的は、高速モードまたは通常モードを示すフラグを生成する制御回路を備えた高速自動利得制御回路を提供することであり、電力検出器は、フラグにしたがって動作し、フラグが高速モードを示すとき、急激な電力変化に迅速に応答するように、電力検出器の設定を変更する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自動利得制御回路を開示し、自動利得制御回路は、増幅器から出力された第1の信号を受け取り、第1の信号の第1の電力レベルを表す第1の電圧レベルを出力するために増幅器に結合された電力検出器と、電力検出器を制御するための制御回路とを備え、制御回路は、第1の信号の電力レベル変化を検出し、第1の信号の電力レベル変化に応答するように、電力検出器への制御信号を生成する。
【0008】
1つの実施形態では、自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、制御回路は、第1の信号の電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路へ制御信号を送る。
【0009】
1つの実施形態では、制御回路は、第1の信号に結合され、第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する電圧レベル検出器を備え、第2の電圧レベルが、事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、制御信号は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0010】
1つの実施形態では、制御回路は、第1の信号に結合され、第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する電圧レベル検出器を備え、第2の電圧レベルが、事前定義された高しきい値よりも大きくなるか、または事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、制御信号は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0011】
1つの実施形態では、電圧レベル検出器は、第1の信号に結合され、第1の信号の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルを出力する第2のRMS電圧検出器を備える。
【0012】
1つの実施形態では、制御回路は、第1の比較器、第2の比較器、およびフラグ発生器を備え、第1の比較器は、前記第2のRMS電圧検出器から出力された前記第2の電圧レベルを、事前定義された高しきい値と比較し、第2の比較器は、前記第2のRMS電圧検出器から出力された前記第2の電圧レベルを、事前定義された低しきい値と比較し、フラグ発生器は、第1の比較器および第2比較器の出力にしたがって制御信号を生成する。
【0013】
1つの実施形態では、クロックがフラグ発生器に入力され、クロックのクロック周期にしたがって、事前定義された周期が生成される。
【0014】
1つの実施形態では、図2Fに示されるように、第1の信号203は、電力検出器204に入力され、電力検出器204は、ピーク電圧検出器204aおよび第1の第1のRMS電圧検出器204bを備え、マルチプレクサ204cを使用することによって、制御信号207が通常モードにあるとき、電力検出器204の電力レベル209を生成するためにピーク電圧検出器204aが選択され、制御信号207が高速モードにあるとき、電力検出器204の電力レベル209を生成するために第1のRMS電圧検出器204bが選択される。
【0015】
1つの実施形態では、図2Fに示されるように、電力検出器204は、電力検出器の出力のリップルを低減するためのフィルタ204dを備えたピーク電圧検出器204aを備え、制御信号207が高速モードにあるとき、フィルタ204dは第1の放電時定数を有し、制御信号207が通常モードにあるとき、フィルタ204dは第2の放電時定数を有し、第1の放電時定数は、第2の放電時定数よりも小さい。1つの実施形態では、フィルタ204dは、電力検出器の出力のリップルを低減するためのRCフィルタである。
【0016】
1つの実施形態では、自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、制御回路は、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路へ制御信号を送る。
【0017】
1つの実施形態では、自動利得制御回路は、自動利得制御論理回路を備え、制御回路は、自動利得制御回路によって使用されるクロックの速度を調整するように、自動利得制御論理回路へ制御信号を送る。
【0018】
1つの実施形態では、信号はRF信号である。
【0019】
1つの実施形態では、信号はIF信号である。
【0020】
1つの実施形態では、増幅器は、RF信号を増幅するためのLNA(低雑音増幅器)である。
【0021】
本発明のために実施される詳細な技術および上記の好ましい実施形態について、特許請求される発明の特徴を十分に理解するために、当業者のために添付の図面に付随する以下の段落に記載する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の前述の態様および付随する利点の多くは、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】従来の自動利得制御回路の構成を示す図である。
図1B】従来の自動利得制御回路の、ピーク電圧モードまたはRMS電圧モードのいずれかである電力検出器の出力を示す図である。
図2A】本発明の1つの実施形態による、信号を入力するための増幅器を制御するための自動利得制御回路を示す図である。
図2B】本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御回路の制御回路の構成を示す図である。
図2C図2Aにおける電力検出器の出力のタイミング図である。
図2D図2Bにおける比較器回路211の出力のタイミング図である。
図2E図2Bにおけるフラグ発生器の出力のタイミング図である。
図2F】本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける電力検出器の構成を示す図である。
図3A】各調整ステップに対して利得ステップが1ステップずつ増加する、図2Aにおける自動利得制御論理回路の利得ステップ図である。
図3B】各調整ステップに対して利得ステップが3ステップずつ増加する、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路の利得ステップ図である。
図3C】各調整ステップに対して利得ステップが5ステップずつ増加する、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路の利得ステップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の詳細な説明は以下に記載される。記載された好ましい実施形態は、例示および説明の目的で開示されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0025】
図2Aは、本発明の1つの実施形態による、信号201を入力するためのLNA(低雑音増幅器)202などの増幅器を制御するための自動利得制御回路200を示す。
図2Aに示されるように、自動利得制御回路200は、増幅器202に結合され、増幅器202から出力された第1の信号203を受け取り、第1の信号203の第1の電力レベルを表す第1の電圧レベル209を出力する電力検出器204と、電力検出器204を制御するための制御回路206とを備える。制御回路206は、第1の信号203の電力レベル変化を検出し、第1の信号の電力レベル変化に応答するように、電力検出器204への制御信号207を生成する。
【0026】
1つの実施形態では、図2Aに示されるように、自動利得制御回路200は、電力検出器204から第1の電圧レベル209を受け取る自動利得制御論理回路205を備え、制御回路206は、第1の信号の電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路205の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路205へ制御信号208を送る。
【0027】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、制御回路206は、第1の信号203に結合され、制御回路206に入力される第1の信号203の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルV2を出力する電圧レベル検出器210を備える。第2の電圧レベルV2が、事前定義された低しきい値よりも小さくなるときに、制御信号207は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0028】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、制御回路206は、第1の信号203に結合され、制御回路206に入力される第1の信号203の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルV2を出力する電圧レベル検出器210を備える。第2の電圧レベルV2が、事前定義された低しきい値よりも小さくなるか、または事前定義された高しきい値よりも大きくなるときに、制御信号207は、第1のレベルから第2のレベルに切り替わり、事前定義された期間維持される。
【0029】
1つの実施形態では、電圧レベル検出器210は、第1の信号203に結合され、第1の信号203の第2の電力レベルを表す第2の電圧レベルV2を出力する第2のRMS電圧検出器を備える。
【0030】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、制御回路は、第1の比較器211aおよび第2の比較器211bを含む比較器回路211と、フラグ発生器212とを備える。第1の比較器211aは、電圧レベル検出器210に備えた第2のRMS電圧検出器から出力された第2の電圧レベルV2を、事前定義された高しきい値Vthと比較し、第1の論理レベル信号H1を出力する。第2の比較器211bは、電圧レベル検出器210に備えた第2のRMS電圧検出器から出力された第2の電圧レベルV2を、事前定義された低しきい値Vtlと比較し、第2の論理レベル信号L1を出力する。フラグ発生器212は、第1の論理レベル信号H1および第2の論理レベル信号L1にしたがって制御信号207を生成する。
【0031】
1つの実施形態では、図2Bに示されるように、クロックCLKは、フラグ発生器をクロッキングするためにフラグ発生器に入力され、事前定義された周期は、クロックCLKのクロック周期にしたがって生成される。
【0032】
1つの実施形態では、事前定義された周期は、クロックCLKのクロック周期の2.5倍である。
【0033】
図2Cは、図2Aにおける電力検出器204の出力209のタイミング図を示し、図2Dは、図2Bにおける比較器回路211の出力H1、L1のタイミング図を示し、図2Eは、図2Bにおけるフラグ発生器212の出力207のタイミング図を示す。
【0034】
図2C図2Eを参照されたい。図2Cおよび図2Dに示されるように、パルスH1は、電力検出器204の出力209が、0.8Vなどの高しきい値Vthを横切るときに生成され、パルスL1は、電力検出器204の出力209が、0.25Vなどの低しきい値Vtlを横切るときに生成される。
図2Eに示されるように、パルスH1は、制御信号が、論理高レベルに戻る前に、事前定義された期間T1の間、論理低レベルに低下することを可能にし、パルスL1もまた、制御信号が、論理高レベルに戻る前に、事前定義された期間T2の間、論理低レベルに低下することを可能にし、制御信号207が、論理低レベルにあるとき、高速モードを表し、制御信号207が、論理高レベルにあるとき、通常モードを表す。
【0035】
1つの実施形態では、電力検出器204は、ピーク電圧検出器および第1のRMS電圧検出器を備える。ピーク電圧検出器の出力は、制御信号が通常モードにあるときに選択され、第1のRMS電圧検出器の出力は、制御信号が高速モードにあるときに選択される。
【0036】
1つの実施形態では、電力検出器204は、RCフィルタを備えたピーク電圧検出器を備える。制御信号が高速モードにあるとき、RCフィルタは第1の放電時定数を有し、制御信号が通常モードにあるとき、RCフィルタは第2の放電時定数を有し、第1の放電時定数は、第2の放電時定数よりも短い。
【0037】
1つの実施形態では、制御回路206は、第1の信号を受け取るために増幅器に結合されたRMS電力レベル検出器と、RMS電力レベル検出器に結合された比較器回路とを備える。比較器回路は、RMS電力レベル検出器から出力された電力レベルを、制御信号を生成するための第1の事前定義されたしきい値と比較する第1の比較器を備える。
【0038】
1つの実施形態では、図2Aに示されるように、制御回路206は、自動利得制御回路によって使用されるクロックの速度を調整するように、自動利得制御論理回路205へ制御信号208を送る。
【0039】
1つの実施形態では、制御信号208および制御信号207は同じである。
【0040】
1つの実施形態では、図2Aに示されるように、制御回路206は、第1の信号203の電力レベル変化に応じて、合計整定時間を短縮するために、自動利得制御論理回路205の利得ステップを調整するように、自動利得制御論理回路205へ制御信号208を送る。
【0041】
図3Aは、図2Aにおける自動利得制御論理回路205の典型的な利得ステップ図を示し、図3Bは、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路205の利得ステップ図を示し、図3Cは、本発明の1つの実施形態による、図2Aにおける自動利得制御論理回路205の利得ステップ図を示す。
【0042】
図3Aに示されるように、利得ステップは、合計整定時間が1031μsである通常モードを制御信号208が示すとき、各調整ステップに対して1ステップずつ増加する。図3Bに示されるように、利得ステップは、合計整定時間が406μsである高速モードを制御信号208が示すとき、各調整ステップに対して3ステップずつ増加することができる。図3Cに示されるように、利得ステップは、合計整定時間が281μsである高速モードを制御信号208が示すとき、各調整ステップに対して5ステップずつ増加することができる。
【0043】
1つの実施形態では、自動利得制御回路200に入力される信号は、RF信号である。
【0044】
1つの実施形態では、自動利得制御回路200に入力される信号は、IF信号である。
【0045】
1つの実施形態では、増幅器は、RF信号を増幅するためのLNA(低雑音増幅器)である。
【0046】
本発明の特定の実施形態の前述の記載は、例示および説明の目的で開示された。それらは、排他的であること、すなわち本発明を、開示された正確な形態に限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして多くの修正および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最もよく説明するように選択および記載され、それにより、当業者が、本発明および企図される特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態を最もよく利用できるようにする。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびそれらの同等物によって定義されることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
101 信号
102 増幅器
103 信号
104 電力検出器
105 自動利得制御論理回路
200 自動利得制御回路
201 信号
202 増幅器
203 第1の信号
204 電力検出器
204a ピーク電圧検出器
204b 第1のRMS電圧検出器
204c マルチプレクサ
204d フィルタ
205 自動利得制御論理回路
206 制御回路
207 制御信号
208 制御信号
209 第1の電圧レベル
210 電圧レベル検出器
211 比較器回路
211a 第1の比較器
211b 第2の比較器
212 フラグ発生器
CLK クロック
H1 第1の論理レベル信号、出力、パルス
L1 第2の論理レベル信号、出力、パルス
T1 事前定義された期間
T2 事前定義された期間
V_PD 電圧レベル
V2 第2の電圧レベル
Vth 高しきい値
Vtl 低しきい値