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特開2023-134341ハイブリッドエネルギー貯蔵システム、その制御方法及び制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134341
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】ハイブリッドエネルギー貯蔵システム、その制御方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182966
(22)【出願日】2022-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】202210244389.9
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520414480
【氏名又は名称】中国長江三峡集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲樂▼▲穎▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄒▼ 祖冰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 瑞▲闊▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】谷 ▲ユウ▼君
(72)【発明者】
【氏名】姚 ▲維▼▲為▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲海▼▲飛▼
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503BA04
5G503BB02
5G503BB03
5G503BB05
5G503CA10
5G503CC02
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD02
5G503GD06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】システムのトポロジー効率を最適化させ、リアルタイムトポロジー効率の最適化を維持するハイブリッドエネルギー貯蔵システム,その制御方法及び制御装置を提供する。
【解決手段】システムでは、第1エネルギー貯蔵装置は第1変換器の第1端に接続され、第1変換器の第2端は第1スイッチを介して第2エネルギー貯蔵装置の第1端に接続され、第1変換器の第3端は、第2スイッチを介して負荷に接続され、第2エネルギー貯蔵装置の第2端は負荷に接続される。このようなトポロジー構造に基づき、従来技術におけるリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造を組み合わせ、システムの動作モードを切り替えることにより、異なる負荷状況で、システムのトポロジー効率を最適化させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法であって、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムは、第1エネルギー貯蔵装置、第2エネルギー貯蔵装置、第1スイッチ、第2スイッチ、第1変換器、及び第2変換器を含み、第1エネルギー貯蔵装置は前記第1変換器の第1端に接続され、前記第1変換器の第2端は前記第1スイッチを介して前記第2エネルギー貯蔵装置の第1端に接続され、前記第1変換器の第3端は前記第2スイッチを介して負荷に接続され、前記第2エネルギー貯蔵装置の第2端は前記負荷に接続され、前記第1エネルギー貯蔵装置はリチウムイオン電池であり、前記第2エネルギー貯蔵装置はスーパーコンデンサであり、前記制御方法は、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムパラメータを初期化し、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップと、
前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えるステップと、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断するステップと、
前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きい場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻るステップとを含み、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する前記過程は、負荷のフィードバック電力と消費電力、及びリチウムイオン電池の出力電力をリアルタイムに監視するステップと、前記負荷のフィードバック電力と消費電力に基づき負荷側再生比率を計算するステップと、前記負荷の消費電力、リチウムイオン電池の出力電力及び負荷側再生比率に基づき、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップとを含み、
負荷側再生比率の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、PRは負荷のフィードバック電力、P0は負荷の消費電力である)であり、
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、P0は負荷の消費電力、Piはリチウムイオン電池の出力電力である)である、ことを特徴とするハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項2】
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードは2種があり、第1モードは第1スイッチがオンにされ第2スイッチがオフにされることであり、第2モードは第2スイッチがオンにされ第1スイッチがオフにされることである、ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項3】
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの第1モードでのトポロジー効率が第2モードでのトポロジー効率に等しい場合、第2エネルギー貯蔵モジュールから負荷に供給された電力は前記臨界電力である、ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項4】
前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づき、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える前記過程は、
前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力が臨界電力よりも大きいか否かを判断するステップと、
前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力が前記臨界電力よりも大きい場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第2モードに切り替え、前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力が前記臨界電力以下である場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第1モードに切り替えるステップとを含む、ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項5】
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御装置であって、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムは、第1エネルギー貯蔵装置、第2エネルギー貯蔵装置、第1スイッチ、第2スイッチ、第1変換器、及び第2変換器を含み、第1エネルギー貯蔵装置は前記第1変換器の第1端に接続され、前記第1変換器の第2端は前記第1スイッチを介して前記第2エネルギー貯蔵装置の第1端に接続され、前記第1変換器の第3端は前記第2スイッチを介して負荷に接続され、前記第2エネルギー貯蔵装置の第2端は前記負荷に接続され、前記第1エネルギー貯蔵装置はリチウムイオン電池であり、前記第2エネルギー貯蔵装置はスーパーコンデンサであり、制御装置は、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムパラメータを初期化し、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するための初期化モジュールと、
前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えるための切り替えモジュールと、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断するための判断モジュールと、
前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きい場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻るための循環モジュールとを含み、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する前記過程は、負荷のフィードバック電力と消費電力、及びリチウムイオン電池の出力電力をリアルタイムに監視するステップと、前記負荷のフィードバック電力と消費電力に基づき負荷側再生比率を計算するステップと、前記負荷の消費電力、リチウムイオン電池の出力電力及び負荷側再生比率に基づき、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップとを含み、負荷側再生比率の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、PRは負荷のフィードバック電力、P0は負荷の消費電力である)であり、
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、P0は負荷の消費電力、Piはリチウムイオン電池の出力電力である)である、ことを特徴とするハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御装置。
【請求項6】
互いに通信可能に接続されたメモリとプロセッサを含み、前記メモリにコンピュータ命令が記憶されており、前記プロセッサは前記コンピュータ命令を実行することにより、請求項1~4のいずれか1項に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行することを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータ指令が記憶されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新エネルギーの連系動作及び制御の分野に関し、具体的にはハイブリッドエネルギー貯蔵システム、その制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジーは受動的ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー及び能動的ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジーの2種類に分けることができる。受動的ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジーでは、燃料電池と補助電源はバスに直接接続され、該トポロジーは柔軟性が悪く、動力源の出力電圧レベルの要件が厳しい。能動的ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジーは直流側並列接続及び交流側並列接続の2種類に分けることができ、直流側並列接続蓄電池はDC-DC変換器に接続され、スーパーコンデンサは直流バスに直接並列接続され、交流側並列接続トポロジーでは、スーパーコンデンサと蓄電池はそれぞれ2つのDC-ACコンバータを介して交流側で並列接続される。
【0003】
従来のハイブリッドエネルギー貯蔵トポロジー構造は制御の柔軟性、電池出力電圧の要件、システムの高性能動作、コスト等の重要な要素を両立できない問題があり、また、従来の研究は、変換器制御の複雑さ、ハイブリッド給電システムの適用シーン等をトポロジー選択の基準とし、全体的なトポロジー構造についての分析研究に乏しく、トポロジー効率を主な基準とする研究は少ない。既存の研究から、従来のリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造の異なる負荷状況での効率を数学的分析により比較すると、トポロジー効率の優位性が負荷電力分布により影響され、2種類のトポロジー構造の効率がいずれもそれぞれ異なるスーパーコンデンサの出力電力範囲内において相手よりも優れることが発見されただけで、リアルタイムトポロジー効率の最適化を維持するための実現方法が研究されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明が解決しようとする技術的課題は、従来のリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造の異なる負荷状況での効率が負荷電力分布により影響されるという従来技術における欠陥を克服するために、ハイブリッドエネルギー貯蔵システム、その制御方法及び制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0006】
第1態様では、本発明の実施例はハイブリッドエネルギー貯蔵システムを提供し、該システムは、第1エネルギー貯蔵装置、第2エネルギー貯蔵装置、第1スイッチ、第2スイッチ、第1変換器、及び第2変換器を含み、第1エネルギー貯蔵装置は第1変換器の第1端に接続され、第1変換器の第2端は第1スイッチを介して第2エネルギー貯蔵装置の第1端に接続され、第1変換器の第3端は第2スイッチを介して負荷に接続され、第2エネルギー貯蔵装置の第2端は負荷に接続される。
【0007】
一実施例では、第1エネルギー貯蔵装置はリチウムイオン電池である。
【0008】
一実施例では、第2エネルギー貯蔵装置はスーパーコンデンサである。
【0009】
第2態様では、本発明の実施例はハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を提供し、第1態様のハイブリッドエネルギー貯蔵システムに基づいて、制御方法は、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムパラメータを初期化し、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップと、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えるステップと、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断するステップと、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きい場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻るステップとを含む。
【0010】
一実施例では、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードは2種があり、第1モードは第1スイッチがオンにされ第2スイッチがオフにされることであり、第2モードは第2スイッチがオンにされ第1スイッチがオフにされることである。
【0011】
一実施例では、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する過程は、負荷のフィードバック電力と消費電力、及びリチウムイオン電池の出力電力をリアルタイムに監視するステップと、負荷のフィードバック電力と消費電力に基づき負荷側再生比率を計算するステップと、負荷の消費電力、リチウムイオン電池の出力電力及び負荷側再生比率に基づき、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップとを含む。
【0012】
一実施例では、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの第1モードでのトポロジー効率が第2モードでのトポロジー効率に等しい場合、第2エネルギー貯蔵モジュールから負荷に供給された電力は臨界電力である。
【0013】
一実施例では、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づき、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える過程は、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力が臨界電力よりも大きいか否かを判断するステップと、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力が臨界電力よりも大きい場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第2モードに切り替え、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力が臨界電力以下である場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第1モードに切り替えるステップとを含む。
【0014】
第3態様では、本発明の実施例はハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御装置を提供し、該装置は、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムパラメータを初期化し、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するための初期化モジュールと、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えるための切り替えモジュールと、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断するための判断モジュールと、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きい場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻るための循環モジュールとを含む。
【0015】
第4態様では、本発明の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含むコンピュータ装置を提供し、メモリには少なくとも1つのプロセッサにより実行された命令が記憶されており、命令が少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、少なくとも1つのプロセッサは本発明の実施例の第2態様に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行する。
【0016】
第5態様では、本発明の実施例は、本発明の実施例の第2態様に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ指令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の技術的解決手段は以下の利点を有する。
1.本発明に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムでは、第1エネルギー貯蔵装置は第1変換器の第1端に接続され、第1変換器の第2端は第1スイッチを介して前記第2エネルギー貯蔵装置の第1端に接続され、第1変換器の第3端は前記第2スイッチを介して負荷に接続され、第2エネルギー貯蔵装置の第2端は負荷に接続され、このようなトポロジー構造に基づき、従来技術におけるリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造を組み合わせ、システムの動作モードを切り替えることにより、異なる負荷状況で、システムのトポロジー効率を最適化させる。
2.本発明に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法及び制御装置は、トポロジー効率の優位性が負荷電力分布により影響され、及び従来技術におけるリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造が異なるスーパーコンデンサの出力電力範囲内において相手よりも優れる要因を考慮して、前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えることにより、リアルタイムトポロジー効率の最適化を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記述のために使用した図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記述した図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労力をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0019】
図1】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの1つの具体例の構成図である。
図2】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法の1つの具体例のフローチャートである。
図3】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの効率の説明模式図である。
図4】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法の別の具体例のフローチャートである。
図5】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの第1モード、第2モードでのトポロジー効率曲線である。
図6】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法の別の具体例のフローチャートである。
図7】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法の具体的なフローチャートである。
図8】本発明の実施例に係るハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御装置の1つの具体例の構成図である。
図9】本発明の実施例に係るコンピュータ装置の1つの具体例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の技術的解決手段を明瞭で、完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をせずに得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の特許範囲に属する。
【0021】
なお、本発明の説明では、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等で示される方位又は位置関係は図示した方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にし、且つ説明を簡素化するためにのみ使用され、係る装置又は構成要素が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成、操作されたりすることを指示又は示唆するものではないので、本発明を限定するものとして理解すべきではない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を指示又は示唆するものではないと理解すべきである。
【0022】
なお、本発明の説明では、特に明確に規定、制限されていない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接接続、中間媒体を介する間接接続、2つの素子の内部の連通、無線接続であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明での上記用語の具体的な意味を理解できる。
【0023】
また、以下に説明される本発明の様々な実施形態に係る技術的特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
実施例1
【0024】
本発明の実施例はハイブリッドエネルギー貯蔵システムを提供し、図1に示すように、第1エネルギー貯蔵装置1、第2エネルギー貯蔵装置2、第1スイッチ3、第2スイッチ4、第1変換器5、及び第2変換器6を含み、第1エネルギー貯蔵装置1は第1変換器5の第1端に接続され、第1変換器5の第2端は第1スイッチ3を介して第2エネルギー貯蔵装置2の第1端に接続され、第1変換器5の第3端は第2スイッチ4を介して負荷に接続され、第2エネルギー貯蔵装置2の第2端は負荷に接続される。
【0025】
具体的には、従来技術では、能動的ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジーは直流側並列接続及び交流側並列接続の2種類に分けられ、そのうち、直流側並列接続蓄電池はDC-DC変換器に接続され、スーパーコンデンサは直流バスに直接並列接続され、しかし、該トポロジーでは以下の欠点があり、高いバス電圧を取得するためにスーパーコンデンサに直列に接続された多数のセルが必要であり、また、パルスが電流に一致する区間では、スーパーコンデンサの端子電圧は低下し、接続される変換器は、正確な交流側電圧を生成するために安定した又は正常に動作する最小電圧を必要とする場合、電圧が低下しすぎると問題が引き起こされるため、直流電圧を適切な範囲内に制御しなければならず、この他、該トポロジーのエネルギー管理はすべて主電力変換器で完了され、システムの高性能動作を確保することができない。交流側並列接続トポロジーでは、スーパーコンデンサと蓄電池はそれぞれ2つのDC-ACコンバータを介して交流側で並列接続され、グリッド側の電圧、周波数変化に対して速く応答し、DC-ACコンバータによって基準電力の迅速かつ正確な追跡を実現し、それにより各エネルギー貯蔵システムはマイクログリッドの出力電力に対して集中制御及び調節を行い、マイクログリッドとマクログリッドの接続点の電圧の安定化を実現し、しかし、該トポロジーはグリッド側のコンバータ制御に対する要件が高く、DC-ACのコストが高いという欠点を有する。
【0026】
上記分析に基づいて、本発明の実施例は従来の直流側並列接続と交流側並列接続の2種類を組み合わせることで、図1に示されるハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジーを得、そのうち、第1エネルギー貯蔵装置1は第1変換器5の直流側に接続され、第2スイッチ4は第1変換器5の交流側に接続され、スーパーコンデンサは第2変換器6の直流側に接続され、負荷は第2変換器6の交流側に接続され、第1スイッチ3、第2スイッチ4のオンオフ状態を制御することにより、異なるトポロジー構造を構成する。
【0027】
1つの具体的な実施例では、第1エネルギー貯蔵装置1はリチウムイオン電池であり、第2エネルギー貯蔵装置2はスーパーコンデンサであるが、この2つのエネルギー貯蔵装置は従来技術中の双方向及び/又は単方向エネルギー貯蔵を有するその他の装置であってもよく、ここで制限しない。
【0028】
1つの具体的な実施例では、本発明の実施例の第1変換器5はDC-DCコンバータ、DC-ACで構成されてもよく、同様に、第2変換器6はDC-DCコンバータ、DC-ACで構成されてもよい。
【0029】
具体的には、図1に示されるハイブリッドエネルギー貯蔵システムの構造によれば、本発明の実施例は2つの動作モードが設定され、第1モードは第1スイッチ3がオンにされ第2スイッチ4がオフにされることであり、第2モードは第1スイッチ3がオフにされ第2スイッチ4がオンにされることであり、第1モードで、第1エネルギー貯蔵装置1は第1変換器5、第1スイッチ3を介して第2エネルギー貯蔵装置2に直列接続された後、第2変換器6を介して負荷に給電し、第2モードで、第1エネルギー貯蔵装置1は第1変換器5、第2スイッチ4を介して負荷に給電し、第2エネルギー貯蔵装置2は第2変換器6を介して負荷に給電する。
実施例2
【0030】
本発明の実施例はハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を提供し、実施例1のハイブリッドエネルギー貯蔵システムに基づき、図2に示すように、制御方法はステップS11~ステップS14を含む。
【0031】
ステップS11:ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのパラメータを初期化し、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する。
【0032】
具体的には、図1に示されるハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー構造に基づき、本発明の実施例のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードは2種類があり、第1モードは第1スイッチがオンにされ第2スイッチがオフにされることであり、第2モードは第2スイッチがオンにされ第1スイッチがオフにされることである。
【0033】
具体的には、図3に示すように、本発明の実施例は、3つのハイブリッドエネルギー貯蔵システムのパラメータ(η1、η2、η3)を初期化し、そのうち、η1は第1変換器の効率であり、η2は第1モードで負荷電力が第2エネルギー貯蔵装置にフィードバックされる際の及び第2モードで第2エネルギー貯蔵装置が充電される際の第2変換器の効率であり、η3は第2エネルギー貯蔵装置が放電する際の第2変換器の効率である。
【0034】
具体的には、図4に示すように、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する過程はステップS21~ステップS23で実行され、具体的には以下のとおりである。
【0035】
ステップS21:負荷のフィードバック電力と消費電力、及びリチウムイオン電池の出力電力をリアルタイムに監視する。
【0036】
具体的には、従来のリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造の異なる負荷状況での効率を比較することにより、トポロジー効率の優位性が負荷電力分布により影響され、2種類のトポロジー構造の効率がそれぞれ異なるスーパーコンデンサの出力電力範囲内において相手よりも優れることが発見され、従って、本発明の実施例は負荷のフィードバック電力PR及び負荷の消費電力P0、リチウムイオン電池の出力電力Pi、スーパーコンデンサから負荷に供給された電力PSC-Lをリアルタイムに監視し、負荷のフィードバック電力PRは負荷の再生電力であり、再生負荷は電力を消費できると同時に、電力をフィードバック/再生することができる。
【0037】
ステップS22:負荷のフィードバック電力と消費電力に基づき負荷側再生比率を計算する。
具体的には、負荷側再生比率kRの計算式は
である。
【0038】
ステップS23:負荷の消費電力、リチウムイオン電池の出力電力及び負荷側再生比率に基づき、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する。
【0039】
具体的には、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値ηinitial
である。
【0040】
ステップS12:第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える。
【0041】
具体的には、本発明の実施例は、従来のリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造の異なる負荷状況での効率を比較することにより、トポロジー効率の優位性が負荷電力分布により影響され、2種類のトポロジー構造の効率がそれぞれ異なるスーパーコンデンサの出力電力範囲内において相手よりも優れることが発見され、本発明の実施例に提案されるハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジーは、従来のリチウムイオン電池とスーパーコンデンサのハイブリッドエネルギー貯蔵システムの交流側並列接続と直流側並列接続の2種類のトポロジー構造を組み合わせたものであるため、本発明の実施例はスーパーコンデンサから負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、スーパーコンデンサから負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵の動作モードを切り替える。
【0042】
具体的には、本発明の実施例はハイブリッドエネルギー貯蔵システムの第1モードでのトポロジー効率が第2モードでのトポロジー効率に等しい場合、第2エネルギー貯蔵モジュールから負荷に供給された電力PSC-L0は臨界電力として用いられる。本発明の実施例の臨界電力を得る過程は以下のとおりである。リチウムイオン電池の出力が一定であると仮定し、第1モード、第2モードでの図5に示されるトポロジー効率曲線をそれぞれ取得し、図5から分かるように、第1モード、第2モードのトポロジー効率曲線がパラメータに従って変化し(デューティ比)、かつ一点に交差し、交差点でのトポロジー効率に対応するスーパーコンデンサから負荷に供給された電力は臨界電力である。
【0043】
具体的には、本発明の実施例の臨界電力の計算式は
である。
【0044】
具体的には、図6に示すように、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える過程はステップS31~ステップS32で実行され、具体的には以下のとおりである。
【0045】
ステップS31:第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力が臨界電力よりも大きいか否かを判断する。
【0046】
ステップS32:第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力が臨界電力よりも大きい場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第2モードに切り替え、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力が臨界電力以下である場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第1モードに切り替える。
【0047】
具体的には、図5に示される第1モード及び第2モードでの効率曲線から分かるように、第2エネルギー貯蔵装置が臨界電力よりも大きい場合、第2モードでのトポロジー効率はより高く、第2エネルギー貯蔵装置が臨界電力以下である場合、第1モードでのトポロジー効率はより高く、従って第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力と臨界電力の大きさに基づき、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えることができる。
【0048】
ステップS13:ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断する。
【0049】
具体的には、現在の負荷のフィードバック電力、負荷の消費電力、リチウムイオン電池の出力電力を監視し、式(1)及び式(2)でトポロジー効率の現在値を計算する。
【0050】
ステップS14:トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きい場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻る。
【0051】
具体的には、上記ステップに基づき、本発明の実施例におけるハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法のフローチャートは図7に示され、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えるたびに、現在のトポロジー効率がトポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断する必要があり、トポロジー効率の初期値よりも大きい場合、現在の動作モードを保持し、そうでない場合、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、スーパーコンデンサから負荷に供給された電力を再監視し、かつ監視されたスーパーコンデンサから負荷に供給される電力及び臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える。
実施例3
【0052】
本発明の実施例はハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御装置を提供し、図8に示すように、初期化モジュール1と、切り替えモジュール2と、判断モジュール3と、循環モジュール4とを含む。
【0053】
初期化モジュール1は、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのパラメータを初期化し、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算することに用いられ、このモジュールは実施例1中のステップS11に説明される方法を実行し、ここで詳細な説明は省略される。
【0054】
切り替えモジュール2は、第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えることに用いられ、このモジュールは実施例1中のステップS12に説明される方法を実行し、ここで詳細な説明は省略される。
【0055】
判断モジュール3は、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断することに用いられ、このモジュールは実施例1中のステップS13に説明される方法を実行し、ここで詳細な説明は省略される。
【0056】
循環モジュール4は、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きい場合、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、トポロジー効率の現在値がトポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻ることに用いられ、このモジュールは実施例1中のステップS14に説明される方法を実行し、ここで詳細な説明は省略される。
【0057】
実施例4
本発明の実施例はコンピュータ装置を提供し、図9に示すように、CPU(Central Processing Unit、中央プロセッサ)等の少なくとも1つのプロセッサ401と、少なくとも1つの通信インタフェース403と、メモリ404と、少なくとも1つの通信バス402とを含む。通信バス402はこれらのユニットの間の接続通信を実現することに用いられる。通信インタフェース403はディスプレイスクリーン(Display)、キーボード(Keyboard)を含んでもよく、選択可能に、通信インタフェース403は標準的な有線インタフェース、無線インタフェースをさらに含んでもよい。メモリ404は高速RAMメモリ(Ramdom Access Memory、ランダムアクセスメモリ)であってもよく、少なくとも1つのディスクメモリ等の不揮発性メモリ(non-volatile memory)であってもよい。選択可能に、メモリ404はさらに、上記プロセッサ401から離れる少なくとも1つの記憶装置であってもよい。プロセッサ401は実施例1のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行することができる。メモリ404には1セットのプログラムコードが記憶され、かつプロセッサ401はメモリ404に記憶されるプログラムコードを呼び出して、実施例1のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行することに用いられる。
【0058】
通信バス402はペリフェラル コンポーネント インターコネクト(peripheral component interconnect、PCIと略記)バス又は拡張業界標準構造(extended industry standard architecture、EISAと略記)バス等であってもよい。通信バス402はアドレスバス、データバス、制御バス等に分けることができる。図示の便宜上、図9では一本の線のみが示されているが、一本のバス又は1種類のバスのみを有することを表すわけではない。
【0059】
メモリ404は揮発性メモリ(英語:volatile memory)、たとえばランダムアクセスメモリ(英語:random access memory、略語:RAM)を含んでもよく、メモリは不揮発性メモリ(英語:non-volatile memory)、たとえばフラッシュメモリ(英語:flash memory)、ハードディスク(英語:hard disk drive、略語:HDD)又はソリッドステートドライブ(英語:solid state drive、略語:SSD)を含んでもよく、メモリ404はさらに上記種類のメモリの組み合わせを含んでもよい。
【0060】
プロセッサ401は、中央プロセッサ(英語:central processing unit、略語:CPU)、ネットワークプロセッサ(英語:network processor、略語:NP)又はCPUとNPの組み合わせであってもよい。
【0061】
プロセッサ401はさらにハードウェアチップを含んでもよい。上記ハードウェアチップは特定用途向け集積回路(英語:application-specific integrated circuit、略語:ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(英語:programmable logic device、略語:PLD)又はその組み合わせであってもよい。上記PLDは複合プログラマブル論理デバイス(英語:complex programmable logic device、略語:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(英語:field programmable gate array、略語:FPGA)、汎用アレイロジック(英語:generi carray logic、略語:GAL)又はその任意の組み合わせであってもよい。
【0062】
選択可能に、メモリ404はさらにプロクラム命令を記憶することに用いられる。プロセッサ401はプログラム命令を呼び出して、本願の実施例1のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法の実行を実現することができる。
【0063】
本発明の実施例はコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行可能命令が記憶され、該コンピュータ実行可能命令は実施例1のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行することができる。記憶媒体は磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク(Hard Disk Drive、略語:HDD)又はソリッドステートドライブ(Solid-StateDrive、SSD)等であってもよく、記憶媒体はさらに上記種類のメモリの組み合わせを含んでもよい。
【0064】
明らかに、上記実施例は単に明確に説明するための例示であり、実施形態を限定するものではない。当業者であれば、上記説明に基づいて他のさまざまな形態の変化又は変更を行うこともできる。ここで全ての実施形態を網羅する必要がなく、また全ての実施形態を網羅することが不可能なことである。これから導出された明らかな変化又は変動は依然として本発明が創造した特許範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法であって、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムは、第1エネルギー貯蔵装置、第2エネルギー貯蔵装置、第1スイッチ、第2スイッチ、第1変換器、及び第2変換器を含み、第1エネルギー貯蔵装置は前記第1変換器の第1端に接続され、前記第1変換器の第2端は前記第1スイッチを介して前記第2エネルギー貯蔵装置の第1端に接続され、前記第1変換器の第3端は前記第2スイッチを介して負荷に接続され、前記第2エネルギー貯蔵装置の第2端は前記負荷に接続され、前記第1エネルギー貯蔵装置はリチウムイオン電池であり、前記第2エネルギー貯蔵装置はスーパーコンデンサであり、前記制御方法は、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムパラメータを初期化し、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップと、
前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えるステップと、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断するステップと、
前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きい場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻るステップとを含み、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する過程は、負荷のフィードバック電力と消費電力、及びリチウムイオン電池の出力電力をリアルタイムに監視するステップと、前記負荷のフィードバック電力と消費電力に基づき負荷側再生比率を計算するステップと、前記負荷の消費電力、リチウムイオン電池の出力電力及び負荷側再生比率に基づき、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップとを含み、
負荷側再生比率の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、PRは負荷のフィードバック電力、P0は負荷の消費電力である)であり、
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、P0は負荷の消費電力、Piはリチウムイオン電池の出力電力である)である、ことを特徴とするハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項2】
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードは2種があり、第1モードは第1スイッチがオンにされ第2スイッチがオフにされることであり、第2モードは第2スイッチがオンにされ第1スイッチがオフにされることである、ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項3】
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの第1モードでのトポロジー効率が第2モードでのトポロジー効率に等しい場合、第2エネルギー貯蔵モジュールから負荷に供給された電力は前記臨界電力である、ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項4】
前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づき、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える過程は、
前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力が臨界電力よりも大きいか否かを判断するステップと、
前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力が前記臨界電力よりも大きい場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第2モードに切り替え、前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力が前記臨界電力以下である場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを第1モードに切り替えるステップとを含む、ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項5】
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御装置であって、ハイブリッドエネルギー貯蔵システムは、第1エネルギー貯蔵装置、第2エネルギー貯蔵装置、第1スイッチ、第2スイッチ、第1変換器、及び第2変換器を含み、第1エネルギー貯蔵装置は前記第1変換器の第1端に接続され、前記第1変換器の第2端は前記第1スイッチを介して前記第2エネルギー貯蔵装置の第1端に接続され、前記第1変換器の第3端は前記第2スイッチを介して負荷に接続され、前記第2エネルギー貯蔵装置の第2端は前記負荷に接続され、前記第1エネルギー貯蔵装置はリチウムイオン電池であり、前記第2エネルギー貯蔵装置はスーパーコンデンサであり、制御装置は、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムパラメータを初期化し、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するための初期化モジュールと、
前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替えるための切り替えモジュールと、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の現在値を計算し、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きいか否かを判断するための判断モジュールと、
前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きい場合、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの現在の動作モードを保持し、そうでない場合、前記トポロジー効率の現在値が前記トポロジー効率の初期値よりも大きくなるまで、「前記第2エネルギー貯蔵装置から負荷に供給された電力をリアルタイムに監視し、かつ前記第2エネルギー貯蔵装置から前記負荷に供給された電力、臨界電力に基づいて、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムの動作モードを切り替える」ステップに戻るための循環モジュールとを含み、
前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算する過程は、負荷のフィードバック電力と消費電力、及びリチウムイオン電池の出力電力をリアルタイムに監視するステップと、前記負荷のフィードバック電力と消費電力に基づき負荷側再生比率を計算するステップと、前記負荷の消費電力、リチウムイオン電池の出力電力及び負荷側再生比率に基づき、前記ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値を計算するステップとを含み、負荷側再生比率の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、PRは負荷のフィードバック電力、P0は負荷の消費電力である)であり、
ハイブリッドエネルギー貯蔵システムのトポロジー効率の初期値の計算式は
(ここで、kRは負荷側再生比率、P0は負荷の消費電力、Piはリチウムイオン電池の出力電力である)である、ことを特徴とするハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御装置。
【請求項6】
互いに通信可能に接続されたメモリとプロセッサを含み、前記メモリにコンピュータ命令が記憶されており、前記プロセッサは前記コンピュータ命令を実行することにより、請求項1~4のいずれか1項に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行することを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のハイブリッドエネルギー貯蔵システムの制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ指令が記憶されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。