(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134389
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】RFIDタグの移動方向を感知するシステム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20230920BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20230920BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20230920BHJP
【FI】
G06K7/10 268
B65G1/137 A
G06Q10/087
G06K7/10 136
G06K7/10 240
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035523
(22)【出願日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】17/654,601
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508024599
【氏名又は名称】▲啓▼碁科技股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】512076069
【氏名又は名称】ディージェービー グループ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンサイド,ウォルター デニス
(72)【発明者】
【氏名】サイ,ウェイ-フォン
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB29
3F522BB33
3F522CC05
3F522CC06
3F522DD03
3F522DD29
3F522DD34
3F522EE18
3F522FF15
3F522GG03
3F522GG05
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】既知の経路に沿って移動されるタグの移動方向を読み取るシステムを提供する。
【解決手段】経路に沿ったRFIDタグの移動方向を検出するシステムであって、2つのRFIDポータルと、RFIDタグリーダーとを備え、2つの前記RFIDポータルのそれぞれは、前記経路に沿ったそれぞれの領域で前記RFIDタグを検出するように配置されており、前記領域は互いに排除されるように配置されており、前記RFIDタグリーダーは、関連付けられたプロセッサおよび複数の分離したポートを有し、各前記ポートは2つの前記RFIDポータルのいずれかに接続されており、前記プロセッサは、前記第1の信号を受信したポータルから前記後続して前記第2の信号を受信したポータルへの経路に沿って、移動方向に対応する信号を提供する、システム。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路に沿ったRFIDタグの移動方向を検出するシステムであって、
2つのRFIDポータルと、
RFIDタグリーダーと、
を備え、
2つの前記RFIDポータルのそれぞれは、前記経路に沿ったそれぞれの領域で前記RFIDタグを検出するように配置されており、前記領域は互いに排除されるように配置されており、
前記RFIDタグリーダーは、関連付けられたプロセッサおよび複数の分離したポートを有し、各前記ポートは2つの前記RFIDポータルのいずれかに接続されており、前記プロセッサは、どのポータルが前記RFIDタグからの第1の信号を受信するか、及び前記第1の信号を受信したポータルによって検出された同じ前記RFIDタグからの第2の信号をどのポータルが後続して受信するかを決定するように構成されており、
前記プロセッサは、前記第1の信号を受信したポータルから前記後続して前記第2の信号を受信したポータルへの経路に沿って、移動方向に対応する信号を提供する、システム。
【請求項2】
前記RFIDポータルは指向特性を有し、各前記RFIDポータルは対応する領域に向けられ、前記RFIDポータルに対応する前記領域は、他の前記RFIDポータルに対応する前記領域から離れる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
複数の前記RFIDポータルは、前記経路に平行な方向に互いに離間している、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
複数の前記RFIDポータルの少なくとも1つは前記経路の上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、小型ボードコンピュータによって提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の前記RFIDポータルのうち、第1のポータルは前記経路の頭上に取り付けられ、第2のポータルは前記経路に隣接する床の上に取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のポータルは前記経路の一方側の床の上に取り付けられ、第3のポータルは前記第2のポータルと反対側の前記経路の側における床の上に取り付けられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のポータルはドア開口に隣接し、前記第1のポータルは前記ドア開口から離れている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも10フィート幅である経路に沿って貨物の移動を監視するシステムであって、前記経路の頭上に取り付けられ、その長さがRFIDタグ用の前記経路の全幅をスキャンするのに十分であるポータルと、前記ポータルに接続されたRFIDタグリーダーと、を備える、システム。
【請求項10】
経路に沿って貨物の移動を監視するシステムであって、前記経路より高く、前記システムで用いられる材料搬送装置の高さよりも高い位置にある第1のオーバーヘッドRFIDポータル、貨物搬送装置、および前記貨物搬送装置の上にある通常(customary)の貨物の在庫(pile)または積載(stack)の高さと少なくとも同じ高さにあるRFIDタグを含む、システム。
【請求項11】
前記貨物搬送装置はコンテナであり、前記RFIDタグは前記コンテナの上端に取り付けられる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のオーバーヘッドRFIDポータルから前記経路の方向に離間した第2のオーバーヘッドRFIDポータルを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
経路に沿った貨物の動きを監視するシステムであって、関連するドア開口の高さと少なくともほぼ同じ高さにある第1のオーバーヘッドRFIDポータルを含み、前記第1のオーバーヘッドRFIDポータルは少なくとも10フィート幅の経路をスキャンすることが可能である長さを有する、システム。
【請求項14】
前記第1のオーバーヘッドRFIDポータルからの前記経路に沿って離間した第2のオーバーヘッドRFIDポータルを含み、
RFIDタグリーダーは、前記第1のオーバーヘッドRFIDポータルおよび前記第2のオーバーヘッドRFIDポータルの両方のポータルに接続され、各前記ポータルが最初に同じRFIDタグを検出する時期を決定する処理を行い、どのポータルが最初に前記RFIDタグを検出するかによって前記RFIDタグの移動方向を決定する、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一領域に存在する無線周波数識別(Radio Frequency Identification; RFID)タグ(Tag)を読み取るシステムに関するものであり、特に、既知の経路に沿って移動されるタグの移動方向を読み取るシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の搬入口や搬出口などの出入口(doorway)、または他の同様の入口(gateway)が監視される。近年では、RFIDリーダーと関連するアンテナによって、関連する建物の出入口を通過するタグの識別を記録している。
【0003】
RFIDタグをつけた貨物が入口を通過して移動されたとき、問題がある。通常、RFIDリーダーは、検出されたタグが建物内に移動しているのか、建物外に移動しているのかを判断することができない。入荷する貨物と出荷する貨物を識別できないと、在庫管理の喪失につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知の経路に沿って移動されるタグの移動方向を読み取るシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、出入口または他の入口を通るなど、経路に沿ったタグの移動方向(以下「DOM」)を感知できるRFIDタグ監視システムを提供する。開示された実施形態では、システムは、経路に沿って互いに効果的に離間された2つの別個の領域からタグ信号を受信するように配置されたRFIDポータルを含む。RFIDリーダーに関連付けられた小型ボードコンピュータによって提供されるようなプロセッサは、どのポータル領域が最初にタグ信号を検出するかを感知し、タグがそのような領域から他のポータル領域に向かって移動していることを自動的に判断する。各RFIDポータルは、好ましくは、米国特許第8,058,998号(WAVETMの商標で販売されている)に記載されているような2つのアンテナを用いることができる。複数のRFIDポータルは、互いに重ね合わせられ、離間され、端と端が逆にされ、背面と2つの側面に金属箔が覆われることができる。このようなポータルは、安価で軽量であるという特徴がある。このポータルは、作業者が簡単に持ち運び、設置することができる。アジア諸国で一般的であるように、ドアの開口が比較的広い場合、その増加された重量を気にすることなく、ポータルは既存の構造の天井レベルに配置されることができる。ポータルは端から端まで取り付けられ、広いドックドアの領域を適切にカバーすることができる。
【0006】
オーバーヘッドRFIDポータルは、特にドックドアに関連した天井の高さにあることがあり、リフトトラックなどの材料搬送装置を妨げないという利点を有する。このようなオーバーヘッドRFIDポータルの位置は、そのような機器が誤って衝突するリスクを排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、建物の内部から見たドックドアの開口の立面図である。
【
図2】
図2は、建物の内側から見た幅広のドックドアの開口の立面図である。
【
図3】
図3は、
図1および
図2のドックドアの開口の若干概略的な垂直断面図である。
【
図4】
図4は、建物の内側から見たドックドアの開口部の立面図である。
【
図5】
図5は、
図4のドックドアの開口の若干概略的な垂直断面図である。
【
図6】
図6は、本発明を実施するシステムの概略配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明および特許請求の範囲では、本明細書で用いられるポータルという用語は、細長いRFID放射構造である。例えば、ポータルは、米国特許第8,058,998号に開示されているような2つの放射部(radiating section)である。2つの放射部は、一方が他方に重ねられ、U字型の金属箔チャネルに含まれ、発泡体(Foam)またはプラスチック段ボール(Plastic Cardboard)によってチャネル(Channel)のウェブ(web)または背面から離間される。また、2つの放射部は、プラスチック発泡体またはプラスチック段ボールによって互いに離間される。ポータルは、金属チャネルのフランジ(Flange)または側面(Side)がラジエータからの放射を好ましくは約100度のビーム幅に制限するとき、指向特性(Directional Characteristics)を有することができる。ビーム幅は、95度から120度まで変化してもよい。ポータルは、長手方向に配置された様々な長さのRFIDラジエータを用いて、任意の所望の長さにすることができる。例えば、米国特許第8,058,998号(WAVE(商標))に開示されたアンテナによって提供された、同じポータルを形成する複数のラジエータは、無線信号を異なる方向および経路に放射し、タグのランダムな向きに関係なく、その範囲内の実質的に全てのRFIDタグを励起することができる。即ち、RFIDポータルは、好ましくは、複数のビームを生成する複数の双極子のアレイをそれぞれ有する細長いラジエータ部分から構成される。様々な説明された実施形態において、2つの離間したRFIDポータルは、1つのRFIDタグまたは複数のタグの予期された、または通常のDOMに平行な方向に互いに離間される。ポータルは、床の上に取り付けられるか、床の上方の任意の位置に取り付けられることができるが、ほとんどの場合には天井の高さまたはほぼ同じ高さに取り付けられる。
【0009】
図1は、10フィートのドックドア開口(ドア開口)10および建物の内部から見た、トラックまたはトレーラーの荷箱(cargo box)の周囲(perimeter)11を示している。ドア開口を閉じるドア13は、ドア開口10の上方に格納されるか、あるいは巻き上げられる。ドア13は、レール14上に格納される、当技術分野で知られている部分的なドア(sectional door)であることができる。他の既知のドアタイプも格納位置または開放位置が後述するRFIDポータルに関連する無線信号と干渉しない限り、本発明で用いられることができる。高架式(elevated)または天井式(ceiling)のRFIDポータル(オーバーヘッドポータル)16は、格納されたドックドア(ドア)13の真下に取り付けられる。オーバーヘッドポータル16は、床に向かって下方に走査し、海運業、パレット、ゲイロードボックス、または他の搬送に用いられるワイヤカートまたはワイヤコンテナの形態のRFIDタグ付きパッケージコンテナを検出する。RFIDタグ18は、好ましくは、コンテナまたは搬送装置(コンテナ)17の上部に取り付けられ、RFIDポータル16によって容易に読み取られるようにされる。
【0010】
図2は、2台以上の車両、トラック、および/またはトレーラー(以下、すべて「車両」とする)12を収容する比較的広い20フィートのドア開口20を概略的に示している。ドア開口20の上方で、格納されるか、または巻き上げられたドア21の下方には、端から端まで配置されているが、それらがドア開口20全体をスキャンすることができるように制限された間隙を有する一対のRFIDポータル22が設けられる。特にアジアでは、ドア開口が20フィート以上になることがあり、端から端まで配置された十分な数のポータルが用いられて、ドア開口全体を照射およびスキャンすることができる。
【0011】
図3は、
図1および
図2の配置の概略側面図である。車両12は、開けられたドックドア13、21まで後退する。この車両12は、その傾斜(ramp)よりも低い傾斜上にあり、その貨物床(Cargo Floor)が倉庫などの建物の床と同じ高さになるようにすることができる。ドア開口10、20のドア13、21は、開口を通ってアクセスするように格納されるか、または巻き上げられる。2つのRFIDポータル16または22および23は、格納されたドア13、21の下方で支えられ、例えば、ドアの部分的なパネルを支えるレール上に支えられる。RFIDポータル16または22および23は、車両12に出入りする貨物の経路と平行な方向に距離d1離間している。RFIDポータル16または22および23は、指向特性を有するとき、角度θ1またはθ2で傾けられることができるため、それらが互いに離れるようになる。これらの角度は通常、10~30度の間にあることができる。
【0012】
図6に示されるように、2つの離間したRFIDポータルは、RFIDタグリーダー27のそれぞれのポートに接続される。コンピュータ26は、RFIDタグリーダー27に直結された(hard wired)シングルボードまたは小型ボードコンピュータであることができる。RFIDタグリーダー27単独および/またはコンピュータ26は、プロセッサ(例えば、集積回路)、ディスクリート回路、メモリ、トランシーバ(または単独の送信機および/または単独の受信機)、および/または入力/出力インターフェース(例えば、ポート、ターミナルなど)を含む。
【0013】
RFIDタグを付けた物体の移動方向(DOM)は、どのポータルが最初に特定のタグまたは複数のタグを感知するかによって決定される。ドア開口10、20に最も近いRFIDポータル23が最初に特定のRFIDタグまたは複数のRFIDタグを検出した場合、コンピュータ26(
図6)またはプロセッサが設けられている場合のRFIDタグリーダー27は、貨物が入荷したという信号を送るようにプログラムされ、ドア開口10、20から離れたRFIDポータル16または22が最初にRFIDタグまたは複数のタグを検出した場合、コンピュータ26またはRFIDタグリーダー27は貨物が出荷したという信号を送るようにプログラムされる。
【0014】
図3に示された車輪付きワイヤカートまたはコンテナ17には、RFIDポータル16、22、23によって検出されることができる上面または端にRFIDタグ18を取り付けることができる。RFIDタグ18をコンテナ17の上部、あるいはコンテナまたはパレットなどの別の搬送装置の内部または上のRFIDタグ付き貨物の積載(stack)または在庫(pile)の近くに配置することにより、ポータルの電力が低くなるように調整され、他の搬送装置のRFIDタグを読み取らないようにすることができる。
【0015】
図4および
図5は、DOMの感知する別のマルチポータル配置を示している。建物の内部では、ドックドア開口10の側面に隣接したところに、床の上に取り付けられたRFIDポータル(ドアポータル)31が設けられている。別のRFIDポータル(オーバーヘッドポータル)32は、巻き上げられたドア33の真下の頭上にある。
図5は、ドアポータル31とオーバーヘッドポータル32が、トラックに出入りする貨物の動きと平行な方向に距離d2離間している。オーバーヘッドポータル32は、角度θ3で床の上に取り付けられたドアポータル31から離れて傾いている。オーバーヘッドポータル32が最初にコンテナ17に取り付けられたRFIDタグ18を検出した場合、コンピュータ26は貨物が出荷したという信号を送るようにプログラムされ、床の上に取り付けられたドアポータル31が最初にRFIDタグ18を検出した場合、コンピュータ26は建物内に貨物が入荷したという信号を送るようにプログラムされる。
【0016】
本発明は、その特定の実施形態に関して示され、説明されてきたが、これは限定的なものではなく、説明のためのものであり、本明細書に示され、説明された特定の実施形態の他の変更および修正は、本発明の意図する趣旨および範囲内の全ての当業者には明らかであろう。従って、本特許の範囲および効果は、本明細書に示され、説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明が技術を進歩させる程度と矛盾する他のいかなる方法によっても限定されるものではない。
【符号の説明】
【0017】
10、20 ドア開口
11 周囲
12 車両
13、21、33 ドア
14 レール
16、22、23、31、32 RFIDポータル
17 搬送装置
18 RFIDタグ
26 コンピュータ
27 RFIDタグリーダー
d1、d2 距離
θ1、θ2、θ3 角度