(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134390
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】開口用蓋装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/32 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
E04G21/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035755
(22)【出願日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2022039511
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
(57)【要約】
【課題】様々な大きさの開口に対応できる開口用蓋装置を提供することを目的とする。
【解決手段】床に形成された開口Hを塞ぐ開口用蓋装置10であって、開口Hよりも大きく形成される蓋部20と、蓋部20の下側に設けられ、開口Hの内側面に当接可能な当接部材51a~51dと、を備え、当接部材51a~51dは、蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能であることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に形成された開口を塞ぐ開口用蓋装置であって、
前記開口よりも大きく形成される蓋部と、
前記蓋部の下側に設けられ、前記開口の内側面に当接可能な当接部材と、を備え、
前記当接部材は、
前記蓋部の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能であることを特徴とする開口用蓋装置。
【請求項2】
前記当接部材は、
前記蓋部の外周縁に対して近づく方向および離れる方向の直線上に沿って任意の位置に調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の開口用蓋装置。
【請求項3】
前記当接部材を前記直線上に沿って調整可能にガイドするガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、軸線が前記直線上に沿った雌ネジ部を有し、
前記当接部材は、前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有することを特徴とする請求項2に記載の開口用蓋装置。
【請求項4】
前記蓋部は、平面視において略矩形状であって、
前記当接部材は、前記蓋部の角部に向かって近づく方向および離れる方向に調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の開口用蓋装置。
【請求項5】
前記蓋部は、透過部を有し、
前記蓋部の上側から見て前記透過部を通して前記当接部材の位置を視認可能であることを特徴とする請求項1に記載の開口用蓋装置。
【請求項6】
前記蓋部の中心位置に対して等角度の間隔に複数の前記当接部材を備えることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の開口用蓋装置。
【請求項7】
前記蓋部の中心位置に対して異なる角度の間隔ごとに複数の前記当接部材を備えることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の開口用蓋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口用蓋装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築現場の床には配管等を挿通させるための開口が形成されている。開口は、安全と保護のために配管等が挿通されるまでの間、一時的に閉塞する必要がある。
特許文献1には、床貫通丸孔の開口径より大きく形成した平らな蓋板と、床貫通丸孔に挿脱される少なくとも3個の脚とからなる床貫通丸孔用蓋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、建築現場の床に形成された開口は挿通させる配管の大きさに応じて様々な大きさがあるために、特許文献1に開示された床貫通丸孔用蓋では開口の大きさに合わせた種々のサイズを用意しなければならない。このように種々のサイズの床貫通丸孔用蓋を用意する場合には、床貫通丸孔用蓋を管理するためのコストが嵩んでしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、様々な大きさの開口に対応できる開口用蓋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、床に形成された開口を塞ぐ開口用蓋装置であって、前記開口よりも大きく形成される蓋部と、前記蓋部の下側に設けられ、前記開口の内側面に当接可能な当接部材と、を備え、前記当接部材は、前記蓋部の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、様々な大きさの開口に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態の開口用蓋装置の斜視図である。
【
図6】開口用蓋装置を開口に設置した状態を示す断面図である。
【
図7】複数の開口用蓋装置を積み重ねた状態を示す側面図である。
【
図8】第2の実施形態の開口用蓋装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る開口用蓋装置10について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態の開口用蓋装置10の斜視図である。
図2は開口用蓋装置10の平面図である。
図3は開口用蓋装置10の底面図である。
図4は開口用蓋装置10の側面図である。なお、図面には便宜上、矢印Frを前側、矢印Rrを後側、矢印Rを右側、矢印Lを左側として図示している。
【0010】
開口用蓋装置10は、蓋部20と、ズレ止め部50とを備えている。
蓋部20は、床に形成された開口Hを塞ぐための部位である。蓋部20は、塞ぐことを想定している開口Hよりも大きく形成されている。蓋部20は、全体が略板状であり、平面視において略矩形状である。本実施形態の蓋部20は、一辺が700mm~1200mm(ここでは略900mm)の略正方形である。ただし、平面視において蓋部20の形状は限定されず、床に形成された開口Hを塞ぐことができる形状であればよく、例えば、略長方形、略円形であってもよい。
【0011】
また、蓋部20は、開口Hを塞いでいることを作業者が一目で理解できるように、上面に赤色(第1の色)等の目立つ色で着色された十字(「×」印)が施されている。更に、蓋部20は、開口Hを塞いでいることを作業者が一目で理解できるように、記号や「開口部、注意」等の注意書きが施されている。
【0012】
蓋部20は、複数の部材から構成されている。
具体的に、蓋部20は、支持部材22a~22d、外縁部材26a~26d、被支持部材30a~30d、透過部34a~34d、外縁接合部材41、中央接合部材44を有する。なお、本実施形態の蓋部20は、上下方向に沿った中心位置(中心線)Oを挟んで前部21Fr、後部21Rr、右側部21R、左側部21Lの4つに分割して構成されており、各部の構成は略同一である。
【0013】
ここでは、
図5を参照して、蓋部20のうち前部21Frの構成を中心に説明する。
図5は、開口用蓋装置10の一部を分解した分解斜視図である。
外縁部材26a~26dは、蓋部20の外縁に位置する部材である。外縁部材26a~26dはそれぞれ同一の構成であり、ここでは外縁部材26aについて説明する。
図5に示すように、外縁部材26aは、左右方向に沿って長い長尺状の部材である。外縁部材26aは、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形により形成されている。外縁部材26aは、中心位置Oに向かって開口する断面略コ字状あるいは断面略C字状である。すなわち、外縁部材26aを長手方向に沿って見たときに、外縁部材26aは中心位置Oに向かって開口する支持部27を有する。支持部27は、上下に離れた一対の板部28u、28dにより構成される。一対の板部28u、28dは、外縁部材26aの長手方向に沿って平行である。板部28uと板部28dとの間に被支持部材30aの前端を配置させることにより、外縁部材26aが被支持部材30aを支持する。また、外縁部材26aは、外周縁の上端に左右方向に亘って面取り部29を有する。面取り部29は、湾曲した面であるが、平坦な傾斜面であってもよい。また、外縁部材26aの左右両端は、右側部21Rの外縁部材26bと、左側部21Lの外縁部材26dとがそれぞれで直角に突き合わせることができるように斜めに切断されている。また、外縁部材26aの上面は、赤色(第1の色)に着色されている。
【0014】
被支持部材30a~30dは、蓋部20のうち外周縁よりも中心位置O側に位置する部材である。被支持部材30a~30dはそれぞれ同一の構成であり、ここでは被支持部材30aについて説明する。
図5に示すように、被支持部材30aは、前端が外縁部材26aによって支持される。また、被支持部材30aは、左右両端が支持部材22a、22bによって支持される。被支持部材30aは、左右方向に沿って長い長尺状の部材である。被支持部材30aは、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形により形成されている。被支持部材30aは、中空状であって断面略矩形状である。被支持部材30aの断面形状は、上下方向の高さに比べて前後方向の長さが長い略扁平状である。また、被支持部材30aは、上面に記号31や注意書きが施されている。記号31や注意書きは、被支持部材30aの上面に刻印したり、上面に別体のシールやプレートを取り付けたりすることにより施すことができる。また、被支持部材30aの左右両端は、支持部材22aおよび支持部材22bにそれぞれ支持されるように斜めに切断されている。また、被支持部材30aの上面は、記号31や注意書きを除いて白色(第2の色)に着色されている。
【0015】
透過部34a~34dは、蓋部20のうち外周縁よりも中心位置O側に位置する部材である。透過部34a~34dはそれぞれ同一の構成であり、ここでは透過部34aについて説明する。
透過部34aは、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を上側から見たときに、蓋部20を透過させる機能を有する。したがって、作業者は透過部34aを通して覗き込むことにより、開口Hがあることを視認可能である。
【0016】
透過部34aは、複数の透過部材35a~35eを有する。なお、
図5では、透過部材35b~35dを省略している。透過部材35a~35eは、それぞれ前後方向に間隔を空けて、左右両端が支持部材22a、22bによって支持される。透過部材35a~35eは、左右方向に沿って長い長尺状の部材である。透過部材35a~35eは、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形により形成されている。透過部材35a~35eは、下方向に向かって開口する断面略コ字状あるいは断面略C字状である。透過部材35a~35eのうち、透過部材35a、透過部材35b、透過部材35c、透過部材35d、透過部材35eの順に左右方向の長さが徐々に短くなるように設定されている。また、透過部材35a~35eはそれぞれ、上面に上下方向に貫通する複数の孔36を有する。孔36は、蓋部20を透過させる役割と、透過部34aの軽量化を図る役割がある。本実施形態の孔36の形状は、三角形であるが、形状は限定されず、四角形や円形であってもよい。また、孔36には、透明なガラスや透明な樹脂材料が取り付けられていてもよい。また、透過部材35a~35eの左右両端は、支持部材22aおよび支持部材22bにそれぞれ支持されるように斜めに切断されている。また、透過部材35a~35eの上面は、シルバー色(第3の色)に着色されている。
【0017】
支持部材22a~22dは、被支持部材30a~30d、透過部34a~34dを支持する。支持部材22a~22dは、それぞれ中心位置Oから蓋部20の略矩形の角部に向かって放射状に延びる長尺状の部材である。支持部材22a~22dは、それぞれ中心位置Oから蓋部20の角部に向かって延びることから、支持部材22a~22dによって中心位置Oを中心とした十字(「×」印)が形成される。具体的に、支持部材22aは中心位置Oから前斜め左側に向かって延び、支持部材22bは中心位置Oから前斜め右側に向かって延び、支持部材22cは中心位置Oから後斜め右側に向かって延び、支持部材22dは中心位置Oから後斜め左側に向かって延びる。
【0018】
支持部材22a~22dは、それぞれ同一の構成であり、ここでは支持部材22aあるいは支持部材22bについて説明する。
図5に示すように、支持部材22aと支持部材22bは、外縁部材26a、被支持部材30aおよび透過部34aを左右から挟むように位置する。支持部材22a、22bは、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形により形成されている。支持部材22a、22bは、長手方向に対して直交する水平方向に向かって開口する断面略エ字状である。すなわち、支持部材22a、22bを長手方向に沿って見たときに、支持部材22a、22bは両側にそれぞれ開口する支持部23を有する。支持部23は、上下に離れた一対の板部24u、24dにより構成される。一対の板部24u、24dは、支持部材22a、22bの長手方向に沿って平行である。板部24uと板部24dとの間に被支持部材30aおよび透過部34aのそれぞれ左右両端を配置させることにより、支持部材22a、22bが被支持部材30aおよび透過部34aを支持する。被支持部材30aと支持部材22a、22b、および、透過部34aと支持部材22a、22bとはボルト、リベット、溶接等により締結される。支持部材22a、22bの中心位置O側の端部は、支持部材22a~22dを突き合わせることができるように先細り状に形成される。また、支持部材22a、22bの中心位置Oから離れた端部は、外縁部材26a、26b、26dと突き合わせることができるように先細り状に形成される。また、支持部材22a、22bの上面は、赤色(第1の色)に着色されている。なお、支持部材22c、22dも、支持部材22a、22bと同様の構成であり、支持部材22c、22dの上面も、赤色(第1の色)に着色されている。
【0019】
ここでは、蓋部20のうち前部21Frの構成を中心に説明したが、右側部21R、後部21Rr、左側部21Lは、中心位置Oに対して等角度(90°)の間隔ごとに前部21Frを回転させたような構成である。
右側部21Rの構成部材である被支持部材30bおよび透過部34bは、支持部材22bおよび支持部材22cによって支持される。また、被支持部材30bは、外縁部材26bによって支持される。
後部21Rrの構成部材である被支持部材30cおよび透過部34cは、支持部材22cおよび支持部材22dによって支持される。また、被支持部材30cは、外縁部材26cによって支持される。
左側部21Lの構成部材である被支持部材30dおよび透過部34dは、支持部材22aおよび支持部材22dによって支持される。また、被支持部材30dは、外縁部材26dによって支持される。
【0020】
なお、右側部21Rの外縁部材26bと、左側部21Lの外縁部材26dは、それぞれ作業者が開口用蓋装置10を持ち上げるための取っ手部46a、46bを有する。通常、取っ手部46a、46bは自重で外縁部材26b、26dの上面に重なり合うように配置されており、作業者が持ち上げることにより取っ手部46a、46bの基端部を中心に回動して起立した状態にすることができる。
【0021】
外縁接合部材41は、蓋部20の4つの角部のそれぞれで上下から挟むように固定することにより、外縁部材26a~26d同士を接合する。具体的に、外縁接合部材41は、例えば、アルミニウム合金製であり、板状に形成されている。
図5に示すように、外縁接合部材41は、略L字状に形成された一対の外縁接合部42と、一対の外縁接合部42の間に位置する支持接合部43とを有する。一対の外縁接合部42は、外縁部材26a~26dのうち隣接する外縁部材と重なり合った状態でボルト、リベット、溶接等を用いて締結される。また、支持接合部43は支持部材22a~22dのうち一つと重なり合った状態でボルト、リベット、溶接等を用いて締結される。なお、外縁接合部材41のうち上側から外縁部材26a~26dに重なり合う外縁接合部材41の上面は、赤色(第1の色)に着色されている。
【0022】
中央接合部材44は、蓋部20の中央で上下から挟むように固定することにより、支持部材22a~22d同士を接合する。具体的に、中央接合部材44は、例えば、アルミニウム合金製であり、略十字の板状に形成されている。中央接合部材44は、中心位置Oの位置で支持部材22a~22dの何れとも重なり合った状態でボルト、リベット、溶接等を用いて締結される。なお、中央接合部材44のうち上側から支持部材22a~22dに重なり合う中央接合部材44の上面は、赤色(第1の色)に着色されている。
【0023】
ズレ止め部50は、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態において開口H内に位置する。ズレ止め部50は、開口用蓋装置10が開口Hに対して水平方向に滑動したとき(ズレようとしたとき)に開口Hの内側面と当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。ズレ止め部50は、蓋部20の下側に設けられている。本実施形態のズレ止め部50は、蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能であるために、様々な大きさの開口Hに対応することができる。
【0024】
ズレ止め部50は、複数の部材から構成されている。
具体的に、ズレ止め部50は、当接部材51a~51d、ガイド部材56a~56dを有する。
当接部材51a~51dは、蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向の直線上に沿って任意の位置に調整可能な部材である。具体的に、当接部材51a~51dは、蓋部20の外周縁よりも外側には突出しない範囲で調整可能である。また、当接部材51a~51dは、それぞれ他の当接部材51a~51dに影響を受けることなく、独立して調整可能である。本実施形態の当接部材51a~51dは、底面視において、それぞれ中心位置Oから蓋部20の角部に向かう直線上に沿って調整可能である。
具体的に、当接部材51aは支持部材22aの下側に位置しており、支持部材22aの長手方向と平行な方向に沿って移動可能である。当接部材51bは支持部材22bの下側に位置しており、支持部材22bの長手方向と平行な方向に沿って移動可能である。当接部材51cは支持部材22cの下側に位置しており、支持部材22cの長手方向と平行な方向に沿って移動可能である。当接部材51dは支持部材22dの下側に位置しており、支持部材22dの長手方向と平行な方向に沿って移動可能である。
【0025】
当接部材51a~51dは、それぞれ同一の構成であり、ここでは当接部材51aについて説明する。
図5に示すように、当接部材51aは、当接部52と、雄ネジ部55とを有する。当接部52は、開口用蓋装置10が開口Hに対して水平方向に滑動したときに開口Hの内側面と当接可能である。当接部52は、開口Hの内側面と当接したときに、開口Hを損傷させないように、例えばゴム等の柔軟性のある材質が用いられる。当接部52は、雄ネジ部55の軸線方向に沿って見て略円形の形状である。また、当接部52の幅(直径D)は、支持部材22aの幅Wsよりも大きい。したがって、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を上側から見たときに、当接部52は支持部材22aの幅Wsからはみ出して見えることから、作業者は透過部34a、34dを通して、当接部52の位置を視認可能である。ただし、当接部52の幅(直径D)が、支持部材22aの幅Wsよりも小さくてもよい。
【0026】
また、当接部52は、外周面の全周に亘って作業者が当接部材51aを雄ネジ部55の軸線回りに回動させるための複数の操作部53を有する。操作部53は、外周面から当接部52の略円形の中心に向かう凹状であるが、このような形状に限られない。また、当接部52は、外側面54が平面であるが、外側に向かって凸状の湾曲面であってもよい。なお、当接部52の形状は、開口Hの内側面と当接可能な形状であればよく、特に限定されない。
【0027】
雄ネジ部55は、当接部52のうち外側面54の反対側の面の中心の位置で当接部52と一体になるように結合されている。雄ネジ部55は、ガイド部材56aにより支持されることにより軸線が略水平に配置される。また、雄ネジ部55がガイド部材56aにより支持された状態では、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を上側から見たときに、雄ネジ部55は支持部材22aの下側に位置し、支持部材22aと重なり合う。
【0028】
ガイド部材56a~56dは、当接部材51a~51dをそれぞれ蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能にガイドする部材である。ガイド部材56a~56dは、蓋部20に対して固定して取り付けられ、当接部材51a~51dとの間で螺合される。具体的に、ガイド部材56a~56dは、当接部材51a~51dの雄ネジ部55を螺合した状態に支持する。
【0029】
ガイド部材56a~56dは、それぞれ同一の構成であり、ここではガイド部材56aあるいはガイド部材56bについて説明する。
図5に示すように、ガイド部材56aは、本体部57と、雌ネジ部58とを有する。本体部57は、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形により形成されている。本体部57は、雌ネジ部58の軸線に対して直交する方向から見て下側に向かって開口する略コ字状である。
【0030】
本体部57は、中心位置Oから一定の距離だけ離れた位置で支持部材22aの下面に当接した状態でボルト、リベット、溶接等を用いて締結される。このように、ガイド部材56aは、本体部57を介して支持部材22aの下面に取り付けられる。また、本体部57の幅Wtは、支持部材22aの幅Wsと略同一あるいは支持部材22aの幅Wsよりも小さい。したがって、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を上側から見たときに、本体部57は支持部材22aの幅Wsからはみ出さないようにすることができる。
【0031】
雌ネジ部58は、本体部57の一対の側壁のそれぞれに設けられる(
図5に示すガイド部材56bも参照)。一対の側壁のそれぞれに設けられた雌ネジ部58はそれぞれ軸線が略一致しており、軸線は水平方向に沿っている。雌ネジ部58の軸線は、当接部材51aが移動する直線上に沿っている。本実施形態では、一対の側壁面に、例えば、溶接を用いてナットを固定することにより雌ネジ部58を構成している。一対の雌ネジ部58に当接部材51aの雄ネジ部55を螺合することにより、ガイド部材56aは当接部材51aを支持することができる。
【0032】
ここでは、ズレ止め部50のうち、当接部材51aおよびガイド部材56aの構成を中心に説明したが、当接部材51bおよびガイド部材56b、当接部材51cおよびガイド部材56c、当接部材51dおよびガイド部材56dは、中心位置Oに対して等角度(90°)の間隔ごとに当接部材51aおよびガイド部材56aを回転させた位置に配置される。
ガイド部材56bは、本体部57を介して支持部材22bの下面に取り付けられる。ガイド部材56bは一対の雌ネジ部58に当接部材51bの雄ネジ部55を螺合することにより、ガイド部材56bが当接部材51bを支持する。
ガイド部材56cは、本体部57を介して支持部材22cの下面に取り付けられる。ガイド部材56cは一対の雌ネジ部58に当接部材51cの雄ネジ部55を螺合することにより、ガイド部材56cが当接部材51cを支持する。
ガイド部材56dは、本体部57を介して支持部材22dの下面に取り付けられる。ガイド部材56dは一対の雌ネジ部58に当接部材51dの雄ネジ部55を螺合することにより、ガイド部材56dが当接部材51dを支持する。
【0033】
上述したように構成される開口用蓋装置10を作業者が開口Hに設置する方法について説明する。
作業者は、蓋部20を上側にしてズレ止め部50を下側にした状態で、開口用蓋装置10を開口Hに設置する。開口用蓋装置10を開口Hに設置することにより、蓋部20の外周縁の下面が開口Hの周辺の床と接地する。また、ズレ止め部50が開口Hの内側に位置する。したがって、開口用蓋装置10により開口Hを塞ぐことができる。
【0034】
図6は、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を示す断面図である。具体的に、
図6は、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を、
図1に示す開口HをI-I線に沿って鉛直方向に切断して矢印方向に沿って見た断面図である。したがって、
図6では、開口Hの内側面Ha~Hdのうち、Ha、Hdが現れており、Hb、Hcが図示されていない。
【0035】
開口用蓋装置10を開口Hに設置することにより、開口用蓋装置10が開口Hに対して水平方向に滑動したときに、ズレ止め部50の当接部材51a~51dのうち少なくとも何れか一つの当接部材の当接部52が、開口Hの内側面と当接する。したがって、開口Hに対する開口用蓋装置10のズレを抑制することができる。
【0036】
開口用蓋装置10が開口Hに対して前側に滑動した場合には、当接部材51aの当接部52および当接部材51bの当接部52が開口Hの内側面Haに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
開口用蓋装置10が開口Hに対して右側に滑動した場合には、当接部材51bの当接部52および当接部材51cの当接部52が開口Hの内側面Hbに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
開口用蓋装置10が開口Hに対して後側に滑動した場合には、当接部材51cの当接部52および当接部材51dの当接部52が開口Hの内側面Hcに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
開口用蓋装置10が開口Hに対して左側に滑動した場合には、当接部材51dの当接部52および当接部材51aの当接部52が開口Hの内側面Hdに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
【0037】
開口用蓋装置10が開口Hに対して前斜め左側に滑動した場合には、当接部材51aの当接部52が開口Hの内側面Haおよび内側面Hdに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
開口用蓋装置10が開口Hに対して前斜め右側に滑動した場合には、当接部材51bの当接部52が開口Hの内側面Haおよび内側面Hbに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
開口用蓋装置10が開口Hに対して後斜め右側に滑動した場合には、当接部材51cの当接部52が開口Hの内側面Hbおよび内側面Hcに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
開口用蓋装置10が開口Hに対して後斜め左側に滑動した場合には、当接部材51dの当接部52が開口Hの内側面Hcおよび内側面Hdに当接することにより、開口用蓋装置10のズレを抑制する。
【0038】
また、作業者は、開口Hの大きさに合わせて、予め当接部材51a~51dを、蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整することができる。具体的には、作業者は、当接部52の操作部53を用いて、当接部材51a~51dをそれぞれ雄ネジ部55の軸線回りに回転させることにより調整する。
【0039】
作業者は当接部材51a~51dを雄ネジ部55の軸線回りの一方方向に回転させることにより、雄ネジ部55と雌ネジ部58との螺合する位置が変わり、当接部材51a~51dが蓋部20の外周縁に対して離れる方向、すなわち中心位置Oに近づく方向に移動する。したがって、開口Hが小さい場合には、当接部材51a~51dを中心位置Oに近づく方向に移動させることにより、開口用蓋装置10を小さな開口Hに設置したときに、ズレ止め部50を床と干渉させずに、開口Hの内側に位置させることができる。
【0040】
一方、作業者は、当接部材51a~51dを雄ネジ部55の軸線回りの他方方向に回転させることにより、雄ネジ部55と雌ネジ部58との螺合する位置が変わり、当接部材51a~51dが蓋部20の外周縁に対して近づく方向、すなわち中心位置Oから離れる方向に移動する。したがって、開口Hが大きい場合には、当接部材51a~51dを中心位置Oから離れる方向に移動させることにより、開口用蓋装置10を大きな開口Hに設置したときに、当接部52と開口Hの内側面との間が離れ過ぎないようにすることができる。
【0041】
このように、本実施形態によれば、当接部材51a~51dを蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能であることから、様々な大きさの開口Hに対応させることができる。したがって、開口の大きさごとに種々のサイズの開口用蓋装置10を用意する必要がなかったり、用意する開口用蓋装置10のサイズを少なくしたりすることができるので、開口用蓋装置10を管理するためのコストを削減することができる。
また、当接部材51a~51dは、蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向の直線上に沿って任意の位置に調整可能である。また、当接部材51a~51dは、蓋部20の外周縁に対して近づく方向および離れる方向の直線上に沿って連続的に調整可能である。したがって、任意の大きさの開口Hに対応することができるとともに、正方形の開口Hに限られず、長方形の開口、円形の開口、長円形の開口等の様々な形状の開口にも対応することができる。
【0042】
なお、作業者は、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を上側から見て、透過部34a~34dを通して覗き込むことにより、開口部Hに対するズレ止め部50の状態を確認することができる。具体的には、作業者は、透過部34a~34dそれぞれの透過部材35a~35e間の隙間および孔36を通して、当接部材51a~51dの当接部52の位置を確認することができる。更に、作業者は、透過部34a~34dそれぞれの透過部材35a~35e間の隙間および孔36を通して斜めに覗き込むことにより、開口部Hの内側面Ha~Hdの位置を確認することができる。したがって、作業者は、当接部材51a~51dの当接部52の位置が、開口部Hの内側面Ha~Hdに対して適切な位置であるか否かを確認することができる。
【0043】
例えば、当接部材51a~51dの当接部52の位置が、開口部Hの内側面Ha~Hdから離れ過ぎていると、開口用蓋装置10が水平方向に滑動したときに当接部52が開口Hに当接するまでの距離を大きくなってしまう。したがって、作業者は、当接部材51a~51dの当接部52の位置が、開口部Hの内側面Ha~Hdから離れ過ぎていることを確認した場合には、開口Hから開口用蓋装置10を取り外して、当接部材51a~51dを蓋部20の外周縁に対して近づく方向に調整する。
【0044】
また、開口用蓋装置10を使用しない場合には、複数の開口用蓋装置10を積み重ねて保管することができる。
図7は、複数の開口用蓋装置10を積み重ねた状態を示す側面図である。
図7に示すように、上段の開口用蓋装置10を下段の開口用蓋装置10に積み重ねた場合には、上段の開口用蓋装置10の当接部材51a~51dそれぞれの当接部52が、下段の開口用蓋装置10の蓋部20の上面に載置される。したがって、安定した状態で、開口用蓋装置10を積み重ねることができる。
【0045】
(第2の実施形態)
図8は第2の実施形態の開口用蓋装置110の平面図である。
図9は開口用蓋装置110の底面図である。
図10は開口用蓋装置110の側面図である。
図9および
図10には、左右方向の中心を中心線C1として示し、前後方向の中心を中心線C2として示している。なお、第1の実施形態と同様に機能する部材には、同一の名称を付して適宜、説明を省略する。
開口用蓋装置110は、蓋部120と、ズレ止め部150と、接地部160とを備えている。
【0046】
本実施形態の蓋部120は、長辺:短辺が1.6~2.5:1の略長方形である。具体的には、長辺が1600mm~2000mm(ここでは略1800mm)であり、短辺が800mm~1000mm(ここでは略900mm)である。
【0047】
蓋部120は、支持部材122a~122d、外縁部材126a~126d、第1の被支持部材130a~130d、第2の被支持部材131a~131d、第3の被支持部材132a~132d、外縁接合部材141、中央接合部材144を有する。なお、本実施形態の蓋部120は、上下方向に沿った中心位置Oを挟んで前部121Fr、後部121Rr、右側部121R、左側部121Lの4つに分割して構成されている。
【0048】
外縁部材126a~126dは、蓋部120の外縁に位置する部材である。外縁部材126a,126cは蓋部120の長辺に相当し、外縁部材126b、126dは蓋部120の短辺に相当する。外縁部材126a~126dは、外周縁の上端に面取り部129を有する。面取り部129は平坦な傾斜面である。
【0049】
第1の被支持部材130a~130dは、蓋部120のうち外縁部材126a~126dよりも中心位置O側に位置する部材である。第1の被支持部材130a~130dは、外縁部材126a~126dおよび支持部材122a~122dによって支持される。第1の被支持部材130a~130dはそれぞれ平面視において台形状である。また、第1の被支持部材130a~130dは、中空状であって断面略矩形状である。なお、第1の被支持部材130a、130cの左右方向に沿った長さは、第1の被支持部材130b、130dの前後方向に沿った長さよりも長い。また、第1の被支持部材130a、130cの前後方向に沿った幅は、第1の被支持部材130b、130dの左右方向に沿った幅よりも短い。
【0050】
第2の被支持部材131a~131dは、第1の被支持部材130a~130dに隣接しており、第1の被支持部材130a~130dよりも中心位置O側に位置する部材である。第2の被支持部材131a~131dは、支持部材122a~122dによって支持される。第2の被支持部材131~131dはそれぞれ平面視において台形状である。また、第2の被支持部材131a~131dは、中空状であって断面略矩形状である。なお、第2の被支持部材131a、131cの左右方向に沿った長さは、第2の被支持部材131b、131dの前後方向に沿った長さよりも長い。また、第2の被支持部材131a、131cの前後方向に沿った幅は、第2の被支持部材131b、131dの左右方向に沿った幅よりも短い。
【0051】
第3の被支持部材132a~132dは、第2の被支持部材131a~131dに隣接しており、第2の被支持部材131a~131dよりも中心位置O側に位置する部材である。第3の被支持部材132a~132dは、支持部材122a~122dによって支持される。第3の被支持部材132a~132dはそれぞれ平面視において台形状あるいは三角形状である。また、第3の被支持部材132a~132dは、中空状であって断面略矩形状である。なお、第3の被支持部材132a、132cの左右方向に沿った長さは、第3の被支持部材132b、132dの前後方向に沿った長さよりも長い。また、第3の被支持部材132a、132cの前後方向に沿った幅は、第3の被支持部材132b、132dの左右方向に沿った幅よりも短い。
【0052】
第1の被支持部材130a~130d、第2の被支持部材131a~131d、第3の被支持部材132a~132dは、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形により形成されている。また、第1の被支持部材130a~130d、第2の被支持部材131a~131d、第3の被支持部材132a~132dの上面を含む表面は、シルバー色(第4の色)に着色されている。本実施形態の開口用蓋装置110は、蓋部120を透過させる機能を有していない。ただし、第1の被支持部材130a~130d、第2の被支持部材131a~131d、第3の被支持部材132a~132dの全てあるいは一部を、ガラス板や透明な樹脂材料としてのアクリル板等で構成することにより、透過させる機能を有していてもよい。
【0053】
支持部材122a~122dは、第1の被支持部材130a~130d、第2の被支持部材131a~131d、第3の被支持部材132a~132dを支持する。支持部材122a~122dは、それぞれ中心位置Oから蓋部120の略矩形の角部に向かって放射状に延びる長尺状の部材である。具体的に、支持部材122aは中心位置Oから前斜め左側に向かって延び、支持部材122bは中心位置Oから前斜め右側に向かって延び、支持部材122cは中心位置Oから後斜め右側に向かって延び、支持部材122dは中心位置Oから後斜め左側に向かって延びる。
支持部材122a~122dは、それぞれ同一の構成であって、第1の実施形態の支持部材22a~22dと同様の構成であり、説明を省略する。
【0054】
また、右側部121Rの外縁部材126bと、左側部121Lの外縁部材126dは、それぞれ作業者が開口用蓋装置110を持ち上げるための取っ手部146a、146bを有する。
外縁接合部材141は、蓋部120の4つの角部のそれぞれで上下から挟むように固定することにより、外縁部材126a~126d同士を接合する。外縁接合部材141は、第1の実施形態の外縁接合部材41と同様の構成であり、説明を省略する。
中央接合部材144は、蓋部120の中央で上下から挟むように固定することにより、支持部材122a~122d同士を接合する。中央接合部材144は、第1の実施形態の中央接合部材44と同様の構成であり、説明を省略する。
【0055】
ズレ止め部150は、開口用蓋装置110を開口Hに設置した状態において開口H内に位置する。ズレ止め部150は、当接部材151a~151d、ガイド部材156a~156dを有する。
当接部材151a~151dは、蓋部120の外周縁に対して近づく方向および離れる方向の直線上に沿って任意の位置に調整可能な部材である。当接部材151a~151dは、当接部152と、雄ネジ部155とを有する。なお、当接部152の幅は、支持部材122a~122dの幅よりも小さい。また、雄ネジ部155の先端には、ガイド部材156a~156dから抜け落ちないように、抜け止め部としてのナットが固定される。当接部材151a~151dは、第1の実施形態の当接部材51a~51dと同様の構成であり、説明を省略する。
【0056】
ガイド部材156a~156dは、当接部材151a~151dをそれぞれ蓋部120の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能にガイドする部材である。ガイド部材156a~156dは、本体部157と、図示しない雌ネジ部とを有する。本体部157は、雌ネジ部の軸線に対して直交する方向から見て上側に向かって開口する略コ字状あるいは略ハット(hat)状である。本体部157のうち雌ネジ部の軸線方向における両端部159が支持部材122a~122dの下面にボルト、リベット、溶接等を用いて締結される。
【0057】
図9に示すように、当接部材151aおよびガイド部材156aと、当接部材151bおよびガイド部材156bとは、中心線C1に対して左右対称に配置される。また、当接部材151cおよびガイド部材156cと、当接部材151dおよびガイド部材156dとは、中心線C1に対して左右対称に配置される。
また、当接部材151aおよびガイド部材156aと、当接部材151dおよびガイド部材156dとは、中心線C2に対して前後対称に配置される。また、当接部材151bおよびガイド部材156bと、当接部材151cおよびガイド部材156cとは、中心線C2に対して前後対称に配置される。
【0058】
また、ズレ止め部150は、当接部材151a~151dが中心位置Oに対して異なる角度の間隔ごとに配置される。具体的には、当接部材151aと当接部材151bとは中心位置Oに対して角度αの間隔に離れて位置し、当接部材151cと当接部材151dとは中心位置Oに対して角度αの間隔に離れて位置する。角度αは、150°~110°の範囲、あるいは140°~120°の範囲である(ここでは、略130°)。また、当接部材151bと当接部材151cとは中心位置Oに対して角度βの間隔に離れて位置し、当接部材151aと当接部材151dとは中心位置Oに対して角度βの間隔に離れて位置する。角度βは、30°~70°の範囲、あるいは40°~60°の範囲である(ここでは、略50°)。
【0059】
また、当接部材151a~151dが、ガイド部材156a~156dに対してそれぞれ同じ位置に螺合している場合に、当接部材151aの当接部152と当接部材151bの当接部152との間の距離(当接部材151cの当接部152と当接部材151dの当接部152との間の距離)が、当接部材151aの当接部152と当接部材151dの当接部152との間の距離(当接部材151bの当接部152と当接部材151cの当接部152との間の距離)よりも長い。
【0060】
接地部160は、床面に接地する部材である。接地部160は、蓋部120と床面との間で摩擦を増大させ、蓋部120が床面に沿って移動することを抑制する。接地部160は、略板状である。また、接地部160は、例えば、ゴム製あるいは軟質性の合成樹脂製であり、射出成形により形成されている。また、接地部160は、外縁部材126a~126dの下面にボルト、リベット等を用いて固定される。なお、接地部160の下面は、床面との間の摩擦を増大させるために凹凸が形成されていてもよい。
【0061】
このように、本実施形態によれば、当接部材151a~151dを蓋部120の外周縁に対して近づく方向および離れる方向に調整可能であることから、特に長方形の開口に対応させることができる。
【0062】
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更などが可能であり、各実施形態の一部あるいは変形例を他の実施形態に組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、4つの当接部材51a~51dが、蓋部20の中心位置Oを中心として等角度の間隔で配置される場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、1つの当接部材であってもよく、2つの当接部材であってもよく、3つの当接部材であってもよく、5つの当接部材であってもよく、6つ以上の当接部材であってよい。また、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の当接部材は、中心位置Oを中心として等角度の間隔で配置される場合に限られず、異なる間隔で配置してもよい。
【0063】
上述した実施形態では、当接部材51a~51dが、底面視において、それぞれ中心位置Oから蓋部20の角部に向かう直線上に沿って調整可能である場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、上述した実施形態の当接部材51a~51dを、それぞれ中心位置Oを中心として略45°回転させた位置に配置させるように構成してもよい。
【0064】
上述した実施形態では、透過部34a~34dが複数の透過部材35a~35eを有する場合について説明したが、この場合に限られない。透過部34a~34dは、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態を上側から見たときに、蓋部20を透過させる機能を有していればよく、例えば、透過部34a~34dを透明なガラスあるいは透明な樹脂材料により構成してもよい。
【0065】
上述した実施形態では、作業者が当接部材51a~51dの位置を調整するには、開口Hから開口用蓋装置10を取り外して行う場合について説明したが、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態のまま蓋部20の上側から調整できるように構成してもよい。具体的には、支持部材22a~22dのそれぞれに、支持部材22a~22dの長手方向に沿ったスリットを設ける。スリットは上下方向に貫通しており、作業者がスリットを通して蓋部20の上側から当接部材51a~51dの操作部53にアクセスすることができる。したがって、作業者は、蓋部20の上側からスリットを通して、操作部53にアクセスし、当接部材51a~51dをそれぞれ雄ネジ部55の軸線回りに回転させることで、開口用蓋装置10を開口Hに設置した状態のまま当接部材51a~51dの位置を調整することができる。
【符号の説明】
【0066】
10、110:開口用蓋装置 20、120:蓋部 34a~34d:透過部 50、150:ズレ止め部 51a~51d、151a~151d:当接部材 52、152:当接部 H:開口