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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134408
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】身体装着型冷却システム
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20230920BHJP
   A41D 1/00 20180101ALI20230920BHJP
【FI】
A41D13/005 106
A41D1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049940
(22)【出願日】2023-03-27
(62)【分割の表示】P 2022039276の分割
【原出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】391038615
【氏名又は名称】株式会社アールエスタイチ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】栗栖 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】細井 大暉
【テーマコード(参考)】
3B030
3B211
【Fターム(参考)】
3B030AA01
3B030AA05
3B030AB08
3B030AB11
3B030AB12
3B211AA01
3B211AC01
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、気化熱により身体の冷却を行うシステムとして、身体への装着が簡単な身体装着型冷却システムを得ることである。
【解決手段】本発明のシステム100は、容器11に含まれる液体Lによって、装着者の身体を冷却するための身体装着型冷却システムであって、容器11から延びる第1のチューブ110aと、容器11から第1のチューブ110aに液体を送達するためのポンプ12と、少なくとも上半身に装着されるように構成された、第1の接続部材120aを備える上衣13であって、第1の接続部材120aと第1のチューブ110aとは、互いに接続可能に構成されており、第1の接続部材120aは、液体Lを放出するための少なくとも1つの第1の孔20aを有する、上衣13とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服用冷却システムに関し、特に、上衣に設けられてチューブと接続される接続部材の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、衣服によって暑さに対処しようとする試みがなされており、例えば、特許文献1には、身体と下着との間の空間内に空気の流れを発生させて身体を冷却するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/145666号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者は、上記特許文献1に記載の空冷式とは異なり、衣服を水で濡らし、水が蒸発するときの気化熱により、暑さに対処することに着目した。
【0005】
本発明は、気化熱により身体の冷却を行うシステムとして、身体への装着が簡単な身体装着型冷却システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、身体への装着が簡単な身体装着型冷却システムを提供することができ、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
容器に含まれる液体によって、装着者の身体を冷却するための身体装着型冷却システムであって、
前記容器から延びる第1のチューブと、
前記容器から前記第1のチューブに前記液体を送達するためのポンプと、
少なくとも上半身に装着されるように構成された、第1の接続部材を備える上衣であって、前記第1の接続部材と前記第1のチューブとは、互いに接続可能に構成されており、前記第1の接続部材は、前記液体を放出するための少なくとも1つの第1の孔を有する、上衣と
を備えるシステム。
(項目2)
第2のチューブをさらに備え、
前記上衣は、前記液体を放出するための少なくとも1つの第2の孔を有する第2の接続部材をさらに備え、前記第1の接続部材と前記第2のチューブとは、互いに接続可能に構成されており、前記第2のチューブと前記第2の接続部材とは、互いに接続可能に構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記第1の接続部材は、前記上衣の首後部部分に配置され、前記第2の接続部材は、前記上衣の首前部部分に配置されている、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記少なくとも1つの第1の孔の直径よりも前記少なくとも1つの第2の孔の直径の方が大きい、項目2または項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記少なくとも1つの第1の孔の直径は、約1.0mmであり、前記少なくとも1つの第2の孔の直径は、約1.5mmである、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記少なくとも1つの第1の孔は、1つの孔であり、前記少なくとも1つの第2の孔は、1つの孔である、項目2~5のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
前記第1の接続部材は、
前記上衣に対して固定される第1の部品と、
前記第1のチューブが接続される第2の部品とを含み、
前記第1の部品に対して前記第2の部品が着脱可能に構成されている、項目2~6のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
前記第2の接続部材は、
前記上衣に対して固定される第3の部品と、
前記第1のチューブおよび前記第2のチューブが接続される第4の部品とを含み、
前記第3の部品に対して前記第4の部品が着脱可能に構成されている、項目2~7のいずれか一項に記載のシステム。
(項目9)
前記上衣は、アンダーウェアの上に装着されるように構成されている、項目1~8のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
前記上衣は、メッシュ素材から作製されている、項目1~9のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
前記容器をさらに備え、前記容器は、真空断熱容器である、項目1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、気化熱により身体の冷却を行うシステムとして、身体への装着が簡単な身体装着型冷却システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の基本構成を有する身体装着型冷却システム100を説明するための模式図である。
図2図2は、本発明の好ましい構成を有する身体装着型冷却システム100aを説明するための模式図である。
図3図3は、本発明の実施形態1による身体装着型冷却システム101を説明するための模式図である。
図4図4は、図3のR1部分の拡大図およびR2部分の拡大図、並びにR1部分の断面図である。
図5図5は、図3に示す身体装着型冷却システム101の上衣13に取り付けられた2つの接続部材に2つのチューブ110aおよび110bを接続する手順を説明するための図である。
図6図6は、図5のR3部分およびR4部分で接続部材にチューブが接続される様子を示す斜視図である。
図7図7は、図3に示す身体装着型冷却システム101の利用形態を示す図である。
図8図8は、図3に示す身体装着型冷却システム101の変形例1および変形例2を説明するための模式図である。
図9図9は、本発明の実施形態2による身体装着型冷却システムを説明するための平面図である。
図10図10は、図9に示す身体装着型冷却システムのチューブ110a、110bを上衣13に取り付ける方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0010】
本明細書において、「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
【0011】
本明細書において、直径約Xmmの孔という場合、一辺が約Xmmの正方形内に収まる任意の形状の孔をいう。孔の形状は円形に限定されず、楕円形、八角形、六角形、四角形など任意の形状であり得る。
【0012】
図1は、本発明の基本構成を有する身体装着型冷却システム100を概念的に示す模式図である。
【0013】
本発明は、気化熱により身体の冷却を行うシステムとして、身体への装着が簡単な身体装着型冷却システムを得ることを課題とし、
容器11に含まれる液体Lによって、装着者の身体を冷却するための身体装着型冷却システム100であって、容器11から延びる第1のチューブ110aと、容器11から第1のチューブ110aに液体Lを送達するためのポンプ12と、少なくとも上半身に装着されるように構成された、第1の接続部材120aを備える上衣13であって、第1の接続部材120aと第1のチューブ110aとは、互いに接続可能に構成されており、第1の接続部材120aは、液体Lを放出するための少なくとも1つの第1の孔20aを有する、上衣13とを備える身体装着型冷却システム100を提供することにより、上記の課題を解決したものである。
【0014】
従って、本発明の身体装着型冷却システム100は、液体Lを含む容器11から延びる第1のチューブ110aと、容器11から第1のチューブ110aに液体Lを送達するためのポンプ12と、上半身に装着される上衣13とを備え、上衣13に設けられて第1のチューブ110aと接続可能な第1の接続部材120aが、ポンプ12により容器11から第1のチューブ110aに送達された液体Lを放出するための少なくとも1つの第1の孔20aを有するものであれば、その他の構成(例えば、チューブおよび接続部品の構造、個数など)は、特に限定されるものではなく、任意であり得る。以下詳しく説明する。
【0015】
(チューブの構造)
チューブは筒状部材であれば、断面形状は限定されるものではなく、円形でも楕円形でもよいし、あるいは四角形、六角形などの多角形でもよい。材質は可撓性を有するものであれば限定されるものではなく、樹脂製でもゴム性でもよく、具体例としては、ビニールチューブ(例えば、軟質ポリウレタンチューブ)が用いられる。
【0016】
ここで、第1のチューブ110aの長さは、人の身体の大きさ(特に上半身の大きさ)を目安として約100cm~約200cmであればよい。例えば、第1のチューブ110aの長さLは、約130cmである。第1のチューブ110aは、長すぎると邪魔になり、短すぎると手動ポンプ12および容器11が身体(上衣13)に近すぎて扱いにくいからである。
【0017】
第1のチューブ110aの内径は、1つの実施形態において、約3mm~約5mmであり、具体的には、例えば、約4mmである。
【0018】
(接続部材の構造)
接続部材の構造はチューブからの液体を放出する孔を有するものであれば、その他の構成は限定されるものではなく、材質は、樹脂製でもゴム性でもよく、あるいはステンレスなどの金属製でもよい。
【0019】
また、接続部材は、上衣に固定される1部品で構成されていてもよいし、少なくとも1つの部品が上衣に固定される複数部品で構成されてもよい。接続部材が複数部品で構成される場合、接続部材は、例えば、上衣に固定される固定部品と、チューブが接続される接続部品の2部品を含み、固定部品と接続部品とが連結および分離可能に構成されたものでもよい。
【0020】
接続部材が1部品で構成されている場合は、接続部材とチューブとは、一方を他方に対して圧入するなどにより接続可能に構成されていることが好ましい。この場合、チューブは、上衣に接続部材により着脱可能に取り付けられる。
【0021】
また、接続部材が上記のように固定部品と接続部品の2部品を含む場合、上衣に固定された固定部品に対して、チューブが接続された接続部品を連結あるいは分離することで、接続部材の接続部品にチューブを接続した状態のままで、チューブが上衣に対して着脱可能に取り付けられることとなり、チューブを上衣に取り付ける作業を簡略化することが可能となる。
【0022】
(チューブおよび接続部材の個数)
チューブおよび接続部材の個数は、それぞれ任意の個数であり得る。例えば、チューブおよび接続部材の個数は、図1に示す身体装着型冷却システム100のようにそれぞれ1つであってもよいし、図2に示す身体装着型冷却システム100aのようにそれぞれ2つであってもよい。
【0023】
図2は、本発明の2つのチューブを有する身体装着型冷却システム100aを概念的に示す模式図である。
【0024】
例えば、1つの実施形態では、図2に示す身体装着型冷却システム100aのように、第1のチューブ110aに加えて第2のチューブ110bをさらに備え、上衣13は、第1の接続部材120aに加えて、液体Lを放出するための少なくとも1つの第2の孔20bを有する第2の接続部材120bをさらに備え、第2のチューブ110bが第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bに接続可能に構成されていることが好ましい。この場合、液体Lは、第1の接続部材120aの第1の孔20aだけでなく第2の接続部材120bの第2の孔20bからも放出されることとなり、身体が満遍なく液体で濡れることとなる。
【0025】
このようなチューブおよび接続部材はそれぞれ、図2に示す身体装着型冷却システム100aのように2つではなく、それぞれ3つ以上設けられていてもよいが、少なくとも、図1に示す身体装着型冷却システム100のようにそれぞれ1つあればよい。
【0026】
(第2のチューブ110b)
また、第2のチューブ110bは第1のチューブ110aとは長さが異なるのみであってもよく、第2のチューブ110bの長さは、約10cm~約50cmである。第2のチューブ110bは、第1のチューブ110aと内径が異なっていてもよい。例えば、第2のチューブ110bは、第1のチューブ110aの内径よりも大きな内径を有し得る。
【0027】
(上衣13における2つの接続部材の配置)
身体装着型冷却システム100aのように上衣13に第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bが設けられている場合、第1の接続部材120aは、上衣103の首後部部分に配置され、第2の接続部材120bは、上衣13の首前部部分に配置されていることが好ましい(図8(a)参照)。ここで、首前部部分は、前身頃における部分(すなわち、人体の冠状面よりも前側の部分)であり、首後部部分は、後身頃における部分(すなわち、人体の冠状面よりも後側の部分)である。この場合、上半身の前後を確実に濡らすことで冷却効果を高めることができる。
【0028】
また、このような2つの接続部材の配置では、装着者の体格(首回りや肩幅)の大きさや体勢が多少異なる場合でも、装着者の首回りでの上衣の前部と後部の相対的な位置関係は変化しないことから、第1の接続部材120aの位置を上衣の首後部部分に保持し、第2の接続部材120bの位置を上衣の首前部部分に保持することができる。
【0029】
ただし、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材の位置は、身体装着型冷却システム100が用いられる用途に応じて適宜設定され得る。従って、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bは2つとも上衣の首前部部分に配置されていてもよいし、あるいは2つとも上衣の首後部部分に配置されていてもよい(図3参照)。
【0030】
(接続部材の孔の直径および個数)
第1の孔20aに比べて第2の孔20bがポンプ12からより遠くに位置する場合、1つの第1の孔20aの直径よりも第2の孔20bの直径の方が大きいことが好ましい(図2参照)。なぜなら、第1の孔20aは第2の孔20bよりもポンプ102に対して遠くに位置しているので、これらの孔の直径が等しい場合、第2の孔20bでは第1の孔20aに比べて、液体の圧力低下により放出される液体の量が少なくなるが、第2の孔20bの直径を第1の孔20aの直径に比べて大きくすることで、放出される流体の量が第2の孔20bで第1の孔20aに比べて低下するのを抑制できるからである。
【0031】
ここで、1つの第1の孔20aの直径は、約0.5mm~約1.5mmであり、より具体的には約1.0mmである。また、1つの第2の孔2bの直径は、約1.0mm~約2.0mmであり、より具体的には約1.5mmである。
【0032】
また、第1の接続部材120aに設けられる第1の孔20aおよび第2の接続部材120bに設けられる第2の孔20bの個数はそれぞれ限定されるものではないが、1つの実施形態では、第1の孔20aは1つであり、第2の孔20bは1つである(図1参照)。ただし、第1の孔20aは2つ以上であり、第2の孔20bは2つ以上であってもよい。
【0033】
例えば、図8(b)、(c)に示すように、第1の接続部材120aには1つの第1の孔20aが設けられ、第2の接続部材320bには2つの第2の孔31b、32bが設けられていてもよい。
【0034】
(上衣)
上衣は、その用途および構成が限定されるものではなく、任意であり得る。
【0035】
例えば、上衣は、アンダーウェア(インナーウェア)の上に装着されるように構成されているものでもよいし、アンダーウェアとして着用されるように構成されているものでもよい。また、上衣は、アンダーウェア(インナーウェア)とアウターウェアとの間に装着されるように構成されたもの(ミドルウェア)でもよい。
【0036】
上衣は、メッシュ素材から作製されていてもよいし、あるいはメッシュ素材以外の素材であって、通気性の高い素材で構成されていてもよい。
【0037】
(容器)
身体装着型冷却システムは、液体を含む容器をさらに備えることが好ましく、さらに、容器は、真空断熱容器であることが好ましい。身体装着型冷却システムが、液体を含む容器を備えることで、この身体装着型冷却システムは携帯に適したものとなり、さらに、容器を真空断熱容器とすることで、冷却した液体を容器で長時間低温に保つことができ、装着者の身体を冷却する能力を長時間にわたって高く維持することが可能となる。ただし、容器は、軽量化などの要請に対しては、金属製で重くなる傾向にある真空断熱容器ではなく、ペットボトルのようなプラスチック製の簡単な構造の容器を用いることが好ましい。
【0038】
(ポンプ)
また、ポンプは、手動ポンプでも、モータなどの駆動部を内蔵した電送ポンプでもよい。
【0039】
以上説明したように、本発明の身体装着型冷却システムは、図1に示すように、液体を含む容器11から延びる第1のチューブ110aと、容器11から第1のチューブ110aに液体Lを送達するためのポンプ12と、上半身に装着される上衣13とを備え、上衣13に設けられて第1のチューブ110aと接続可能な第1の接続部材120aが、ポンプ12により容器101から第1のチューブ110aに送達された液体を放出するための少なくとも1つの第1の孔20aを有するものであれば、その他の構成は、特に限定されるものではなく、例えば、接続部材およびチューブの個数などは任意であるが、以下の実施形態では、接続部材およびチューブの数が2個である場合を例に挙げて説明する。
【0040】
特に実施形態1(図3図7)では、身体装着型冷却システムとして、2つの接続部材と2つのチューブとを有し、2つの接続部材が上衣の背中側の首の両側に配置され、それぞれの接続部材には1つの孔が形成されているものを説明する。
【0041】
また、実施形態1の変形例1(図8(a))では、2つの接続部材の一方が上衣の首後部部分に配置され、もう一方が上衣の首前部部分に配置されたものを説明する。
【0042】
また、実施形態1の変形例2(図8(b)、(c))では、2つの接続部材のうちの1つには、2つの孔(液体放出孔)が形成されているものを説明する。
【0043】
さらに、実施形態2(図9図10)では、身体装着型冷却システムとして、接続部材を、結合および分離が可能な2部品(つまり、第1部品と第2部品)で構成し、第1部品を上衣に固定する固定部品とし、第2部品をチューブを接続する接続部品とすることで、接続部材の第1部品と第2部品との結合および分離により、チューブを接続部材の第2部品に接続したままで上衣に着脱可能としたものを説明する。
【0044】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0045】
(実施形態1)
図3は、本発明の実施形態1による身体装着型冷却システム101を説明するための模式図である。
【0046】
この実施形態1の身体装着型冷却システム101は、容器11に含まれる液体Lによって、装着者の身体を冷却するためのシステムであり、特に、二輪車での走行中に、または、アウトドアでのスポーツの最中に利用するものである。
【0047】
すなわち、この身体装着型冷却システム101は、液体Lを含む容器11と、容器11から延びる第1のチューブ110aと、第1のチューブ110aから延びる第2のチューブ110bと、容器11から第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bに液体Lを送達するためのポンプ12と、上衣13とを備えている。なお、ここで、ポンプ12を手動ポンプとするか電送ポンプとするかは、この身体装着型冷却システム101の使用形態(二輪での走行中の冷却あるいはスポーツの最中の冷却など)に応じて適宜選択され得る。
【0048】
上衣13は少なくとも上半身に装着されるように構成されており、液体Lを放出するための1つの第1の孔20aを有する第1の接続部材120aと、液体Lを放出するための1つの第2の孔20bを有する第2の接続部材120bとを有している。
【0049】
ここで、第1の接続部材120aと第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bとは、互いに接続可能に構成されており、第2の接続部材120bと第2のチューブ110bとは、互いに接続可能に構成されている。
【0050】
ここで、第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bは、可撓性を有する筒状部材で構成されており、樹脂製でもゴム性でもよく、具体例としては、ビニールチューブ(例えば、軟質ポリウレタンチューブ)が用いられる。
【0051】
第1のチューブ110aの長さは、人の身体の大きさ(特に上半身の大きさ)を目安として約100cm~約200cmであればよい。例えば、第1のチューブ110aの長さLは、約130cmである。第1のチューブ110aは、長すぎると邪魔になり、短すぎるとポンプ12および容器11が身体(上衣13)に近すぎて扱いにくいからである。第1のチューブ110aの内径は、1つの実施形態において、約3mm~約5mmであり、具体的には、例えば、約4mmである。
【0052】
第2のチューブ110bは第1のチューブ110aとは長さが異なるのみであり得、第2のチューブ110bの長さは、約10cm~約50cmであり、例えば、約15cmである。
【0053】
そして、上衣13では、第1、第2の2つの接続部材120a、120bは、上衣13の背中側で首の両側(すなわち、中心垂直軸の右側および左側)に位置するように配置されている。具体的には、第1、第2の2つの接続部材120a、120bは、首の背中側の中心垂直軸から左右に約4cm~約8cm離れた位置に配置されており、より具体的には、首の背中側の中心垂直軸から左右に約6cm離れた位置に配置されている。第1の接続部材120aに比べてポンプ12から遠い位置にある第2の接続部材120bの第2の孔20bの直径は、第1の接続部材120aの第1の孔20aの直径よりも大きくなっている。これは、第1の接続部材120aに比べてポンプ12から遠い位置にある第2の接続部材120bでの液体圧力の低下により、第2の孔20bで第1の孔20aに比べて液体の放出量が少なくなるのを抑制するためである。例えば、第1の接続部材120aの第1の孔20aの直径は、約0.5mm~約1.5mmであり、より具体的には約1.0mmである。第2の接続部材120bの第2の孔20bの直径は、約1.0mm~約2.0mmであり、より具体的には、約1.5mmである。
【0054】
なお、この上衣13には、第1のチューブ110aを上衣13に固定するための固定片13a、13bが上衣13の側部に沿って取り付けられている。固定片13a、13bは、ここでは、筒状部材で構成され、これらの固定片は、第1のチューブ110aをこの筒状部材に挿入することで第1のチューブ110aが上衣13に対して固定されるようになっている。
【0055】
以下、2つの接続部材の具体的構成を説明する。
【0056】
図4は、図3に示す身体装着型冷却システム101の細部の説明図であり、図4(a)および図4(b)はそれぞれ、図3のR2部分およびR1部分を拡大して示し、図4(c)は、図4(b)のC1-C1線断面の構造をさらに拡大して示す。
【0057】
第1の接続部材120aは、図4(b)、(c)に示すように、第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bが接続される部材本体121aと、部材本体121aを支持する本体支持部122aとを有している。
【0058】
例えば、第1の接続部材120aが軟質の樹脂あるいはゴムで構成されている場合は、部材本体121aと本体支持部122aとは一体に成形されている。ここでは、部材本体121aとチューブ110a、110bとは、部材本体121aの先端に形成されている小径部分にチューブの一端を押し込むことにより接続されている。また、本体支持部122aは上衣13に固定されている。具体的には、本体支持部122aは上衣13に第1の縫付け糸22aによる縫付けにより固定されている。ただし、固定の態様はこれに限定されず、例えば、本体支持部122aは、接着材による接着により上衣13に固定されていてもよい。
【0059】
第2の接続部材120bも、図4(a)に示すように、第1の接続部材120aと同様、第2のチューブ110bが接続される部材本体121bと、これを支持する本体支持部122bと有し、部材本体121bと本体支持部122bとが一体に成形されている。ここでは、部材本体121bと第2のチューブ110bとは、部材本体121bの先端に形成されている小径部分にチューブ110bの他端を押し込むことにより接続されている。また、本体支持部122bは上衣13に第2の縫付け糸22bによる縫付けにより固定されている。ただし、固定の態様はこれに限定されず、例えば、本体支持部122bは、接着材による接着により上衣13により固定されていてもよい。
【0060】
次に、ユーザがこのような構成の身体装着型冷却システム101を利用する場合の作業手順を説明する。
【0061】
図5は、図3に示す身体装着型冷却システム101の上衣13に取り付けられた第1、第2の接続部材120a、120bに第1、第2のチューブ110a、110bを接続する作業を説明するための図であり、図6は、図5のR4部分(図6(a))および図5のR3部分(図6(b))を拡大して示す斜視図である。図7は、図3に示す身体装着型冷却システム100の利用形態を説明するための図であり、アンダーウェア14の上に身体装着型冷却システム101の上衣13を装着した状態を示している。
【0062】
ユーザがこのような構成の身体装着型冷却システム101を利用する場合、図5に示すように、上衣13に固定されている第1の接続部材120aに第1のチューブ110aを接続し、この第1の接続部材120aと上衣13に固定されている第2の接続部材120bとを第2のチューブ110bで接続する。
【0063】
具体的には、第1の接続部材120aの部材本体121aの一端部に対しては、図6(b)に示すように、第1のチューブ110aの一端部を押し付けて、部材本体121aの一端の小径部を第1のチューブ110aの一端部に嵌め込み、さらに、第1の接続部材120aの部材本体121aの他端部に対しては、図6(b)に示すように、第2のチューブ110bの一端部を押し付けて、部材本体121aの他端の小径部を第2のチューブ110bの一端部に嵌め込む。
【0064】
また、第2の接続部材120bの一端部に対しては、図6(a)に示すように、第2のチューブ110bの他端部を押し付けて、第2の接続部材120bの一端側の小径部を第2のチューブ110bの他端部に嵌め込む。
【0065】
これにより、第1のチューブ110aに送達された液体Lが、第1のチューブ110aを通って第1の接続部材120aに到達し、さらに、第2のチューブ110bを通って第2の接続部材120bに到達することが可能な状態となる。
【0066】
その後、図7に示すように、ユーザはアンダーウェア14の上に身体装着型冷却システム101の上衣13を装着し、第1のチューブ110aの先端(他端)を、容器11に取り付けられたポンプ12の吐出口に接続する。この状態では、例えば、二輪に乗車することでその走行中にこのシステムによる身体の冷却が可能であり、あるいはアウトドアでのスポーツを行うことで、その最中にこのシステムによる身体の冷却が可能である。
【0067】
具体的には、ユーザが図7に示すように上衣13を装着した状態(図7参照)で、ユーザがポンプ12を操作して容器11内の液体Lを第1のチューブ110aに送り出すと、液体Lは、第1のチューブ110aを介して第1の接続部材120aに到達し、その第1の孔20aから放出される(図2参照)。第1の接続部材120aでは第1の孔20aから液体Lが放出される前またはこれと同時に、さらに第1の接続部材120aを介して第2のチューブ110bに送り出されて第2の接続部材120bに流れ込む。これにより、第2の接続部材120bでは、流れ込んだ液体Lが第2の孔20bから放出される(図2参照)。この場合、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bは、ユーザの背中側で首の両側に位置しているので、アンダーウェア14には首の背中側の両側で液体Lが滲み込むこととなる。
【0068】
このようにアンダーウェア14に滲み込んだ液体Lは、体表部分で蒸発することとなり、その時の気化熱によりユーザの身体が冷却されることとなる。このとき、上衣13はメッシュ素材で構成されているので、液体Lの蒸発を妨げない。
【0069】
さらに、このような身体装着型冷却システム101では、使用後は、上衣13から第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bを取り外した状態で、上衣だけを洗濯することができ、上衣13を清潔に保つことができる。なお、第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bの取り外しは、第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bから第1の接続部材120aの両端の小径部を引き抜き、第2のチューブ110bから第2の接続部材120bの一端の小径部を引き抜くことで簡単に行うことができる。
【0070】
このように本実施形態1の身体装着型冷却システム101では、上衣13は、第1、第2のチューブ110a、110bが接続される第1、第2の接続部材120a、120bを備え、各接続部材120a、120bには、接続されるチューブからの液体を放出するための孔20a、20bが形成されているので、容器11に含まれる液体Lをポンプ12でチューブ110a、110bに送達することで、接続部材120a、120bの孔20a、20bから身体に向かって液体Lを放出することができる。これにより上衣13を装着した装着者の身体を液体Lの気化熱により冷却することができる。
【0071】
また、チューブ110a、110bを接続可能な接続部材120a、120bが上衣13に取り付けられているので、装着者は、上衣13を身に着ける前に、接続部材120a、120bにチューブ110a、110bを接続しておくことで、チューブおよび接続部材の身体への装着を、上衣13を着るだけで簡単に行うことができる。
【0072】
また、上衣13には2つの接続部材120a、120bが設けられ、それぞれの接続部材120a、120bにはチューブからの液体を放出するための孔20a、20bが設けられているので、チューブに送達された液体Lが上衣13の2か所で放出されることとなり、より満遍なく上衣13を濡らすことができ、気化熱による身体の冷却をより満遍なく行うことができる。
【0073】
また、第1の接続部材120aに形成されている第1の孔20aの直径よりも第2の接続部材120bに形成されている第2の孔20bの直径の方が大きいので、第1の孔20aに比べてポンプ12からより遠くに位置する第2の孔20bにて放出される液体Lの量が第1の孔20aでの放出量に比べて低下するのを抑制できる。
【0074】
なお、上記実施形態1では、2つの接続部材120a、120bが上衣の背中側の首の両側に配置され、それぞれの接続部材120a、120bには1つの孔20a、20bが形成されている場合を示したが、接続部材の個数および配置、さらには、1つの接続部材に形成されている液体放出用の孔の数は限定されるものでない。
【0075】
図8は、図3に示す身体装着型冷却システム101の変形例を説明するための図であり、図8(a)は、変形例1の特徴(接続部材の配置)を示し、図8(b)は、変形例2の特徴(2つの第2の孔)を示し、図8(c)は、図8(b)のR5部分の拡大図である。なお、図8(a)および図8(b)は、図3に示す身体装着型冷却システム101におけるR0部分に相当する部分を示している。
【0076】
(実施形態1の変形例1)
例えば、実施形態1の変形例1(図8(a))では、第1、第2の2つの接続部材120a、120bの一方、例えば、第1の接続部材120aが上衣13の首後部部分に配置され、もう一方、例えば、第2の接続部材120bが上衣の首前部部分に配置されている。具体的には、第1の接続部材120aが上衣13の首後部部分の中央に配置され、第2の接続部材120bが上衣の首前部部分の中央に配置されている。より厳密には、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bは、上衣13を装着した装着者の略正中面上に位置している。ここで、略正中面とは、正中面から左右にずれる距離が約1cm以内の位置をいう。
【0077】
このような配置では、上半身の前後を確実に濡らすことで冷却効果を高めることができる。
【0078】
また、このような2つの接続部材の配置では、装着者の体格(首回りや肩幅)の大きさが多少異なる場合でも、あるいは、装着者が体位を変化させた場合でも、上衣13の前部と後部の相対的な位置関係は変化しないことから、第1の接続部材120aの位置を上衣の首後部部分に保持し、第2の接続部材120bの位置を上衣の首後部部分に保持することができる。
【0079】
ただし、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bの位置は、身体装着型冷却システムが用いられる用途に応じて適宜設定され得る。従って、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bは2つとも上衣の首前部部分に配置されていてもよい。
【0080】
(実施形態1の変形例2)
また、実施形態1の変形例2(図8(b)、(c))では、2つの接続部材のうちの1つには、2つの孔(液体放出孔)が形成されている。
【0081】
具体的には、図8(b)に示す身体装着型冷却システムでは、ポンプ12に近い第1の接続部材120aでは、実施形態1と同様に接続部121aには1つの第1の孔20aが形成されているが、ポンプ12から遠い第2の接続部材320bでは、第2のチューブ110bが接続される部材本体321bには第2の孔として2つの孔31b、32bが形成されている。ここで、2つの第2の孔31b、32bの直径は同じであるが、一方の直径を他方の直径に対して大きくしてもよい。つまり、第2の孔31bの直径が第2の孔32bの直径よりも大きくてもあるいは小さくてもよい。
【0082】
このように第1の接続部材120aに比べてポンプ12から遠い第2の接続部材320bでは、液体Lの放出用孔として2つの第2の孔31b、32bを設けることで、液体圧力の低下による放出量の低下を抑制することができる。
【0083】
なぜなら、第2の接続部材320bは第1の接続部材120aに比べてポンプ12から遠くに位置しているので、第2の接続部材320bでは第1の接続部材120aに比べて、放出される液体の圧力低下により放出される液体の量が少なくなるが、第2の接続部材320bでは液体Lの放出のための孔を2つ設けることで、放出流体の量が液体Lの圧力低下により第2の接続部材320bで第1の接続部材120aに比べて低下するのを抑制できる。
【0084】
変形例2においても、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bの位置は、身体装着型冷却システムが用いられる用途に応じて適宜設定され得る。従って、第1の接続部材120aが上衣の首後部部分に配置され、第2の接続部材320bが、上衣の首前部部分に配置されていてもよい。
【0085】
また、実施形態1では、第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bは上衣13に固定されており、身体装着型冷却システム101を操作者が利用する場合、上衣13に固定されている接続部材の部材本体にチューブを押し込んで取り付ける作業が必要であったが、接続部材を、第1部品(上衣13に固定される固定部品)と第2部品(チューブが接続される接続部品)の2部品を含み、これらの部品をワンタッチで結合および分離可能な構成とすることで、接続部材にチューブを押し込んで取り付ける作業を簡略化することができる。以下、このような構成の身体装着型冷却システムを実施形態2として説明する。
【0086】
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2による身体装着型冷却システムを説明するための平面図であり、図9(a)は、図3に示す上衣13のR0部分に対応する部分を示し、図9(b)および図9(c)は、図9のR7部分およびR6部分を拡大して示し、図9(d)は、図9(c)のC2-C2線断面の構造を示す。
【0087】
この実施形態2の身体装着型冷却システムは、実施形態1の身体装着型冷却システム101において、それぞれ1部品からなる第1の接続部材120aおよび第2の接続部材120bに代えて、それぞれ2部品からなる第1の接続部材400aおよび第2の接続部材400bを備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の身体装着型冷却システム101におけるものと同一である。
【0088】
そこで、以下、主として、第1の接続部材400aおよび第2の接続部材400bの構造を説明する。
【0089】
この実施形態2の身体装着型冷却システムでは、図9(a)に示すように、実施形態1の身体装着型冷却システム101と同様に、上衣13は、第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bに接続される第1の接続部材400aと、第2のチューブ110bに接続される第2の接続部材400bとを有している。
【0090】
ただし、この実施形態2では、第1の接続部材400aは、上衣13に固定される第1の部品(固定部品)410aとチューブ110a、110bが接続される第2の部品(接続部品)420aとの2部品を含み、これらの部品が連結および分離可能に構成されている。
【0091】
ここで、固定部品410aは、図9(c)、(d)に示すように、上衣13に固定される固定部本体411aと、固定部本体411aの表面に形成された係合突起412aとを有している。また、接続部品420aは、図9(c)、(d)に示すように、第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bが接続される接続部品本体421aと、接続部品本体421aを支持する本体支持部422aとを有し、接続部品本体421aには、液体Lを放出する第1の孔40aが形成され、本体支持部422aには、固定部品410aの係合突起412aが弾性変形により係合する係合孔423aが形成されている。
【0092】
また、第2の接続部材400bも、第1の接続部材400aと同様に、上衣13に固定される第3の部品(固定部品)410bと、第2のチューブ110bが接続される第4の部品(接続部品)420bとの2部品を含み、これらの部品が連結および分離可能に構成されている。
【0093】
ここで、固定部品410bは、図9(b)に示すように、上衣13に固定される固定部品本体411bと、固定部品本体411bの表面に形成された係合突起412bとを有している。また、接続部品420bは、第2のチューブ110bが接続される接続部品本体421bと、接続部品本体421bを支持する本体支持部422bとを有し、接続部品本体421bには、液体Lを放出する第2の孔40bが形成され、本体支持部422bには、固定部品410bの係合突起412bが弾性変形により係合する係合孔423bが形成されている。ここで、第2の孔40bは第1の孔40aの直径より大きい直径を有するものである。
【0094】
次に、実施形態2の身体装着型冷却システムにおける第1の接続部材400aおよび第2の接続部材400bの利用方法を説明する。
【0095】
図10は、実施形態2の身体装着型冷却システムのチューブを上衣に取り付ける様子を示す斜視図であり、図10(a)および図10(b)はそれぞれ、第2の接続部材400bおよび第1の接続部材400aの使い方を示す。
【0096】
第1の接続部材400aでは、固定部品410aと接続部品420aとを連結する場合、図10(b)に示すように、固定部品410aの係合突起412aを接続部品420aの係合孔423aに、これらを弾性変形させて押し込むことにより、ワンタッチで結合することができる。
【0097】
同様に、第2の接続部材400bでは、固定部品410bと接続部品420bとを連結する場合、図10(a)に示すように、固定部品410bの係合突起412bを接続部品420bの係合孔423bに、これらを弾性変形させて押し込むことにより、ワンタッチで結合することができる。
【0098】
従って、この実施形態2の身体装着型冷却システムでは、上衣13にチューブ110a、110bを取り付ける作業は、第1の接続部材400aの接続部品420aに第1のチューブ110aおよび第2のチューブ110bを接続し、かつ第2の接続部材400bの接続部品420bに第2のチューブ110bを接続した状態で、第1、第2の接続部材400a、400bのそれぞれの固定部品410a、410bと接続部品420a、420bとをワンタッチで連結する作業により簡単に行うことができる。
【0099】
さらに、この実施形態2の身体装着型冷却システムでは、チューブ110a、110bを頻繁に抜き差しする必要がなく、チューブ先端の緩み癖を防止することができる。これは、チューブと接続部材との間の漏水の可能性を低減することができる。また、チューブを洗濯の度に抜き差しするわずらわしさがない。
【0100】
またさらに、この実施形態2の身体装着型冷却システムの第1の接続部材400aでは、上衣13に固定された固定部品410aとチューブ110a、110bに接続された接続部品420aとが分離可能であり、さらに、その第2の接続部材400bでは、上衣13に固定された固定部品410bとチューブ110bに接続された接続部品420bとが分離可能であることから、上衣13の洗濯は、孔40a、40bの開いた接続部材420a、420bをチューブとともに上衣13から取り外した状態で行うことができ、接続部材420a、420bの孔40a、40bが、洗濯の際に生ずるゴミなどで詰まるのを回避できる。
【0101】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、衣服により暑さに対処する技術の分野において、気化熱により身体の冷却を行うシステムとして、身体への装着が簡単な身体装着型冷却システムを得ることができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0103】
11 容器
12 ポンプ
13 上衣
13a、13b 固定片
20a、40a 第1の孔(第1の放水孔)
20b、31b、32b、40b 第2の孔(第2の放水孔)
22a、41a 第1の縫付け糸
22b、41b 第2の縫付け糸
100、100a、101 身体装着型冷却システム
110a 第1のチューブ
110b 第2のチューブ
120a、400a 第1の接続部材
120b、320b、400b 第2の接続部材
121a、121b、321b 部材本体
122a、122b 本体支持部
410a 固定部品(第1の部品)
410b 固定部品(第3の部品)
411a、411b 固定部品本体
412a、412b 係合突起
420a 接続部品(第2の部品)
420b 接続部品(第4の部品)
421a、421b 接続部品本体
422a、422b 本体支持部
423a、423b 係合孔
L 液体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10