(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134415
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】美容装置を使用する場合におけるユーザーの身体部分の状態を検知し、3次元環境に関連付けるためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230920BHJP
A45D 44/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
A61B5/00 M
A45D44/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023093581
(22)【出願日】2023-06-07
(62)【分割の表示】P 2021515031の分割
【原出願日】2019-09-20
(31)【優先権主張番号】16/137,610
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/137,614
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シャーロー, グレゴワール
(72)【発明者】
【氏名】マラプラード, エルガ
(72)【発明者】
【氏名】バルーチ, グイヴ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザーの検知状態の場所を追跡するための、仮想3次元環境において、ユーザーの頭に検知状態を再構築するための、ユーザーの表示にフィードバックを提供するために3次元再構築を使用するための、又は検知状態に基づいて接続されたスタイリングツールを制御するためのシステム。
【解決手段】身体部分の状態を検知するように構成される少なくとも1つのセンサ、及び空間における装置の場所を追跡するように構成された場所トラッカーを含み、システムは、セッションの間、少なくとも1つのセンサによって検出された身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、セッションの間、装置の追跡した場所の情報を場所トラッカーから受信し、特定の検知状態が装置によって検出される特定の時間を、特定の時間の空間における装置の場所と関連付けるように構成される処理回路を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの身体部分を処理するように構成された装置であって、前記装置は、前記身体部分の状態を検知するように構成された少なくとも1つのセンサを含む、装置と、
空間における前記装置の場所を追跡するように構成された場所トラッカーと、を含むシステムであって、
前記システムは、
セッションの間、少なくとも1つのセンサによって検出された前記身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、
前記セッションの間、前記装置の前記追跡した場所の情報を、前記場所トラッカーから受信し、
前記特定の検知状態が前記装置によって検出された特定の時間を前記特定の時間の空間における前記装置の場所と関連付けるように構成される処理回路を含む、システム。
【請求項2】
前記装置は、ヘアスタイリングツールであり、前記身体部分はユーザーの毛髪である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検知状態は前記毛髪の損傷領域である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記検知状態は前記身体部分の少なくとも1つの検知画像に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記検知状態は、前記装置が前記身体部分に接触した場合に検知される音に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記検知状態は前記身体部分の検知した乾燥レベルに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記装置は、スキンケアツールであり、前記身体部分(body party)は前記ユーザーの皮膚である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記検知状態は、しわ、目尻の小じわ、ニキビ(acne)及び黒ニキビ(blackhead)の少なくとも1つである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記センサは前記装置にあり、前記ユーザーの前記身体部分に対面するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサは、外部であり、前記身体部分に関係して、前記装置の動きを捕える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ユーザーの身体部分を処理するように構成された装置を含むシステムによって実行される方法であって、前記装置は、前記身体部分の状態を検知するように構成された少なくとも1つのセンサ、及び空間における前記装置の場所を追跡するように構成された場所トラッカーを含み、前記方法は、
セッションの間、前記少なくとも1つのセンサによって検出された前記身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、
前記セッションの間、前記装置の前記追跡した場所の情報を、前記場所トラッカーから受信し、
前記特定の検知状態が前記装置によって検出された特定の時間を前記特定の時間の空間における前記装置の場所と関連付けることを含む、方法。
【請求項12】
前記装置は、ヘアスタイリングツールであり、前記身体部分はユーザーの毛髪である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記検知状態は前記毛髪の損傷領域である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記検知状態は前記身体部分の少なくとも1つの検知画像に基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記検知状態は、前記装置が前記身体部分に接触した場合に検知される音に基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記検知状態は前記身体部分の検知した乾燥レベルに基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記装置は、スキンケアツールであり、前記身体部分(body party)は前記ユーザーの皮膚である、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記検知状態は、しわ、目尻の小じわ、ニキビ(acne)及び黒ニキビ(blackhead)の少なくとも1つである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記センサは前記装置にあり、前記ユーザーの前記身体部分に対面するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのセンサは、外部であり、前記身体部分に関係して、前記装置の動きを捕える、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
セッションの間、装置の少なくとも1つのセンサによって検出されたユーザーの身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、
前記セッションの間、前記装置の追跡した場所の情報を、場所トラッカーから受信し、
前記特定の検知状態が検出された特定の時間を前記特定の時間の空間における装置の場所と関連付け、
前記特定の検知状態が前記装置の前記関連付けした特定の時間及び場所に基づいて発生する3次元仮想環境における前記身体部分の場所を決定するように構成された処理回路を含む、システム。
【請求項22】
前記処理回路は、前記特定の検知状態を前記3次元仮想環境と関連付ける所定のファイルフォーマットを有するデジタルファイルを生成するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記所定のファイルフォーマットは、タイムスタンプフィールド、加速度計座標フィールド、ジャイロスコープフィールド、磁気コンパスフィールド、センサ測定フィールド、3D座標フィールド、3D正規フィールド、及び特定のタイムスタンプに対応するエントリが表示される目的の領域を表すかどうかを示すフィールドの少なくとも1つを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記処理回路は、前記3次元仮想環境の表示を生成するために、前記デジタルファイルを表示装置に出力するように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記3次元仮想環境の前記表示は、前記ユーザーの3次元表現に、前記特定の検知状態を描写する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記処理回路は、装置を制御して、前記検知状態を処理するために、前記デジタルファイルに基づいて、デジタルレシピを生成し、前記デジタルレシピを前記スタイリングツールに送信するように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
セッションの間、装置の前記少なくとも1つのセンサによって検出されたユーザーの身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、
前記セッションの間、前記装置の追跡した場所の情報を、場所トラッカーから受信し、
前記特定の検知状態が検出された特定の時間を前記特定の時間の空間における前記装置の場所と関連付け、
前記特定の検知状態が前記装置の前記関連付けした特定の時間及び場所に基づいて発生する3次元仮想環境における前記身体部分の場所を決定することをさらに含む、システムによって実行される方法。
【請求項28】
前記特定の検知状態を前記3次元仮想環境と関連付ける所定のファイルフォーマットを有するデジタルファイルを生成することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記所定のファイルフォーマットは、タイムスタンプフィールド、加速度計座標フィールド、ジャイロスコープフィールド、磁気コンパスフィールド、センサ測定フィールド、3D座標フィールド、3D正規フィールド、及び特定のタイムスタンプに対応するエントリが表示される目的の領域を表すかどうかを示すフィールドの少なくとも1つを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記3次元仮想環境の表示を生成するために、前記デジタルファイルを表示装置に出力することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記3次元仮想環境の前記表示は、前記ユーザーの3次元表現に、前記特定の検知状態を描写する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
装置を制御して、前記検知状態を処理するために、前記デジタルファイルに基づいて、デジタルレシピを生成し、前記デジタルレシピを前記スタイリングツールに送信することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第16/137,610号及び第16/137,614号の利益に関し、その利益を主張し、両者とも2018年9月21日に出願され、それぞれの全体内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、スタイリングツールのセンサからの情報及び検知動作中の空間における追跡場所に基づいて、ユーザーの検知状態の場所を追跡するための、仮想3次元環境において、ユーザーの頭に検知状態を再構築するための、ユーザーの表示にフィードバックを提供するために3次元再構築を使用するための、又は検知状態に基づいて接続されたスタイリングツールを制御するためのシステムに関する。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態において、システム及び方法を提供し、装置は、ユーザーの身体部分を処理するように構成され、装置は、身体部分の状態を検知するように構成される少なくとも1つのセンサを含み、場所トラッカーは、空間における装置の場所を追跡するように構成され、システムは、セッションの間、少なくとも1つのセンサによって検出された身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、セッションの間、装置の追跡した場所の情報を場所トラッカーから受信し、特定の検知状態が装置によって検出された特定の時間を、特定の時間の空間における装置の場所と関連付けるように構成される処理回路を含む。
【0004】
一実施形態において、装置は、ヘアスタイリングツールであり、身体部分はユーザーの毛髪である。
【0005】
一実施形態において、検知状態は、毛髪の損傷領域である。
【0006】
一実施形態において、検知状態は、身体部分の少なくとも1つの検知画像に基づく。
【0007】
一実施形態において、検知状態は、装置が身体部分に接触した場合に検知される音に基づく。
【0008】
一実施形態において、検知状態は、身体部分の検知した乾燥レベルに基づく。
【0009】
一実施形態において、装置は、スキンケアツールであり、身体部分(body party)はユーザーの皮膚である。
【0010】
一実施形態において、検知状態は、しわ、目尻の小じわ、ニキビ(acne)及び黒ニキビ(blackhead)の少なくとも1つである。
【0011】
一実施形態において、センサは装置にあり、ユーザーの身体部分に対面するように構成される。
【0012】
一実施形態において、少なくとも1つのセンサは、外部であり、身体部分に関係して、装置の動きを捕える。
【0013】
一実施形態において、システム及び方法を提供し、処理回路は、セッションの間、少なくとも1つのセンサによって検出されたユーザーの身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、セッションの間、装置の追跡場所の情報を場所トラッカーから受信し、特定の検知状態が装置によって検出された特定の時間を、特定の時間の空間における装置の場所と関連付け、関連付けられた特定の時間及び装置の場所に基づいて、特定の検知状態が発生した場合、3次元仮想環境において、身体部分の場所を決定するように構成される。
【0014】
一実施形態において、処理回路は、特定の検知状態を3次元仮想環境に関連付ける所定のファイルフォーマットを有するデジタルファイルを生成するように構成される。
【0015】
一実施形態において、所定のファイルフォーマットは、タイムスタンプフィールド、加速度計座標フィールド、ジャイロスコープフィールド、磁気コンパスフィールド、センサ測定フィールド、3D座標フィールド、3D正規フィールド、及び特定のタイムスタンプに対応するエントリが表示される目的の領域を表すかどうかを示すフィールドの少なくとも1つを含む。
【0016】
一実施形態において、処理回路は、3次元仮想環境の表示を生成するために、デジタルファイルを表示装置に出力するように構成される。
【0017】
一実施形態において、3次元仮想環境の表示は、ユーザーの3次元表現に、特定の検知状態を描写する。
【0018】
一実施形態において、処理回路は、装置を制御して、検知状態を処理するために、デジタルファイルに基づいて、デジタルレシピを生成し、デジタルレシピをスタイリングツールに送信するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の先の態様及び付帯の利点の多くは、以下の詳細な記述を参照することによってより良く理解されるのと同じように、添付の図面と併せると、より容易に認識されるであろう。
【0020】
【
図1】
図1は、ユーザーの特徴を検知するためのフィードバックシステムを示す。
【
図2】
図2は、一実施形態による全体のシステムの構成要素を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態による検知構成要素の概要を示す。
【
図4】
図4A、4B、及び4Cは、装置の動き及び空間位置を「オンボード」例においてどのようにして追跡することができるのかを示す一例を示す。
【
図5】
図5は、一実施形態における「オンボード」例による装置において実行される過程を示す。
【
図6】
図6A及び6Bは、一実施形態において別個のセンサを使用する一例を示す。
【
図7】
図7は、一実施形態による装置とセンサとの間で実行される過程を示す。
【
図8】
図8は、一実施形態による装置のハードウェア構成要素の電気ブロック図の図を示す。
【
図9】
図9は、一実施形態によるセンサのハードウェア構成要素の電気ブロック図の図を示す。
【
図10】
図10は、一実施形態による3次元再構築構成要素の概要を示す。
【
図11】
図11は、一実施形態による検知状態の座標を仮想3Dユーザー画像にマップするために、システムによって実行される過程を示す。
【
図12】
図12は、一実施形態による3D再構築アルゴリズムに基づいて作製された異なるデジタルファイルフォーマットの例を示す。
【
図13】
図13は、一実施形態によるフィードバック構成要素の概要を示す。
【
図14】
図14は、一実施形態による装置によって実行することができるアルゴリズムを示す。
【
図15】
図15は、装置が一実施形態によるヘアスタイリングツールである場合のデジタルレシピの用途を示す。
【
図16】
図16は、一実施形態によるユーザーの皮膚に作用する音波振とうブラシ装置である装置の例を示す。
【
図17】
図17は、装置が一実施形態によるヘアスタイリングツールである場合の3D再構築及びデジタルレシピの用途を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、同時係属中の米国特許出願第15/721,286号に現在記載されているフィードバックシステム100を示し、参照により本明細書に組み込まれる。システム100は、ヘアドライヤー装置110及びブラシ装置150を含む。ヘアドライヤー110は、熱風を生成し、出口112から熱風を放出するように、通常のヘアドライヤーの機能を実行する。ブラシ150は、ブラシの軸の周りに配置される毛154を含む(「円形」のヘアブラシタイプ)。しかしながら、追加の周知のヘアブラシタイプも使用することができる。
【0022】
さらに、ヘアドライヤー装置110及びブラシ装置150は、追加の構成要素を含む。例えば、ヘアドライヤー装置110は、温度コントローラ114及びアクチュエータ116をさらに含む。温度コントローラ114は、ヘアドライヤーによって放出された空気の温度を制御し、調節する。アクチュエータは、空気流のパターンの形状及び空気流の速度を制御する。アクチュエータは、空気流において移動して、その形状を修正することができる可動性の機械部品であってもよい。ヘアドライヤーは、ヘアドライヤーの出口112の近くに好ましくは配置される近接センサ118をさらに含んでもよい。近接センサは、技術分野で周知の赤外センサ等の光学センサであってもよい。しかしながら、静電容量センサ、超音波センサ又はドップラーセンサ等のその他の例を使用してもよい。
【0023】
ヘアドライヤー装置110は、受信した検知特徴に基づいて、ヘアドライヤーの少なくとも1つの設定を変化させるように構成される。一実施形態において、ヘアドライヤー装置110は、受信した検知特徴に基づいて、ヘアドライヤーの少なくとも1つの設定を動的に調整するように構成される。
【0024】
ブラシ装置は、外部装置(ヘアドライヤー150等)と無線通信を実行するために、無線RF通信インターフェース等の通信及び制御回路を含むそれ自体のPCB180をさらに含んでもよい。PCBは、アクセラレータ/ジャイロメータ等の動き検出装置をさらに保持してもよい。
【0025】
ブラシ装置は、毛髪の湿度センサ及び温度センサも含んでもよい。毛髪及び湿度センサが、技術分野において周知であり、理解されている。
【0026】
図1に描写されるように、ブラシ装置150とヘアドライヤー110との間の無線機械間フィードバックループであってもよく、各装置に組み込まれた無線RF通信インターフェース間の通信によって容易になる。このようなフィードバックループにおいて、ブラシは、ヘアドライヤーが動作しているときの温度、ユーザーの毛髪の湿度レベルを検知し、このようなフィードバックをヘアドライヤーに提供することができる。この情報に基づいて、ヘアドライヤーは、例えば、ヘアドライヤーの発熱素子の抵抗を調節し、ファンの速度を調節し、及び/又は空気流の形状を制御する機械要素の形状を調節することによって、空気流の温度及び/又は形状及び/又は速度を調節することができる。
【0027】
したがって、通常の技術において、ヘアドライヤーにおいて、直接的に調節を行うために、ユーザーの毛髪の特徴を検知することができるヘアブラシ及び/又はヘアドライヤーがあってもよい。しかしながら、必要とされることは、ユーザーにフィードバックするために仮想3次元環境において再構築することができるように、ユーザーの検知状態の特定の場所を決定し、将来において、又はさらにリアルタイムにユーザーの毛髪を処理する場合に、より精細な制御及び調節をスタイリングツールに提供する能力である。
【0028】
したがって、システムの1つの目的は、スタイリングツールセンササンプルをユーザーの3D表現における空間位置と融合することである。一実施形態によるシステムは、以下から構成することができる:
-皮膚及び/又は毛髪のためのスタイリングツール又は診断ツール、
-加速度、角速度及び磁場を記録するドングル又は一体型加速度計/ジャイロスコープ/磁気コンパス、
-赤外又は超音波方法に基づくカメラ及び/又は近接センサを有する視覚システムによって完成することができる3D位置システム、
-ツールによるユーザー専用の経験、及び
-3D再構築アルゴリズム。
【0029】
システムは、使用するツールの種類に依存して、ユーザーの頭又はユーザーの身体の別の部分におけるツールの位置及び配向をリアルタイムに決定することができる。
【0030】
マイクロホン、カメラ、コンダクタンス、力等のセンサの一時的な測定値を動き/空間追跡ツール(加速度計、ジャイロスコープ及び/又はコンパス等)によって記録した3D位置と同調させることによって、システムにユーザーの検出状態を3Dに再構築させることができる。
【0031】
システムの別の目的は、デジタルフォーマットを使用して、異なる種類の測定値を同じスケールに正規化し、結合することである。
【0032】
それぞれのスマートスタイリングツール又は診断ツールは、一体型の特定のセンサを有する:
-接続したヘアブラシは、毛髪の損傷を聴くためのマイクロホン、力センサ、導電性を含んでもよく、
-スタイリングアイロンは、温度及び湿度、毛髪のコンダクタンス、接触時間、毛髪にかかる合計エネルギーを検知することができ、
-カメラ診断ツール:皮膚/毛髪の特性の顕微鏡画像、異なる波長の照明下の画像処理能力による水和作用。
【0033】
3D位置システムを追加し、センサの測定値をこれらのツールの位置と同調して、測定値を結合し、それをユーザーの身体表面に局在化する一般的なファイルフォーマットを作製することができる。
【0034】
ファイルフォーマットは、以下を少なくとも有する:
-ユーザーの経験によって特定される物理的開始点及びユーザーの身体
-同調を確実にするセンサの標本化周波数と適合する精細なタイムスタンプ
-適切な計算に特定されなければならないデータフォーマット及びセンサのユニット
-センサの数及び種類
-特定のユーザーアクション
-3D表示を再構築するために記録されたユーザーの身体領域
-コンテキスト情報及び排他的ではない:タイムゾーン、位置情報、天候、温度、バージョン。
【0035】
この一般的なデジタルファイルフォーマット標準は、より精細な分析のために、全ての種類の測定値を同じ空間参照に統一することができる。
【0036】
図2は、一実施形態による全体のシステム200の構成要素を示す。システムは、検知構成要素201、3D再構築構成要素202、フィードバック構成要素203を含むように広く描写し、それぞれを以下に詳細に記述する。
【0037】
図3は、前述のシステム200による検知構成要素201の概要を示す。検知構成要素は、スタイリングツール301を含み、センサを有するヘアブラシとして記述する。しかしながら、ヘアドライヤー、フラットアイロン等の任意の数のスタイリングツールであってもよい。センサは、
図1に示されるセンサの種類のようなユーザーの毛髪の状態を検知するためのセンサであってもよく、毛髪の湿度センサ及び/又は温度センサを含む。センサは、接近して毛髪の損傷を検出するための光学センサ、又はさらには、ブラシをかけた時に生じる音に基づいて毛髪の状態を検出するためのオーディオセンサであってもよい。センサは、赤外セル又は超音波センサ等の近接センサであってもよい。近接センサを使用して、装置/センサ間の距離を測定し、適切なアクションを実行する。例えば、ユーザーの頭がヘアドライヤーの排気の近くにあり過ぎる場合、ヘアドライヤーは温かすぎる空気を毛髪に吹きかけるべきではない。対照的に、センサが皮膚及び/又は毛髪に関係する測定を行うことができる良い範囲にある場合を装置は検出する。
【0038】
動き又は空間位置又は空間位置の変化を検出するために、ヘアブラシは、技術分野で周知の加速度計/ジャイロスコープ又は磁気コンパスを含んでもよい。
【0039】
あるいは、検知構成要素は、別個のセンサ302を含んでもよい。センサ302は、スタイリングツールに含まれる同様のセンサを含んでもよいが、環境の画像を捕え、画像認識を行うことができるカメラを含んでもよい。画像認識は、スタイリングツールに関係して、ユーザーの存在及び位置を検出するために使用することができる。
【0040】
センサ302は、スタイリングツールから送信される特定の信号を検出することもでき、センサ302にセンサの位置に関係して、スタイリングツールの特定の位置を検出させることができる。ユーザーが頭の領域に所定の位置に装着可能なセンサ(ネックレス又はユーザーの顔に付着する接着性センサ)も装着する場合、センサ302は、センサ302に関係してユーザーの空間位置をさらに検出することができる。
【0041】
光学センサ302がない場合、検知ハードウェアは、「オンボード」のスタイリングツールであると考えられる。301。
図4は、スタイリングツール301の動き及び空間位置を「オンボード」例においてどのようにして追跡することができるのかを示す一例を示す。この例では、スタイリングツール301は、前述のように動き検出装置を含んでもよく、
図4(A)に示すように、時間=0における最初の位置401からの位置の変化を検出することができる。ヘアブラシが
図4(B)に示すように、時間=1において第2の位置に移動する場合、例えば、加速度計/ジャイロスコープ/磁気コンパスによって検出される動きに基づいて、最初の位置と第2の位置との間の空間的差異を検出することができる。同様に、スタイリングツール301が時間=2において第3の位置に移動する場合、最初の位置から(又はあるいは第2の位置からの)空間的差異を再度決定することができる。
【0042】
前述の例において、スタイリングツール301の最初の位置401は、ブラシを真っ直ぐに保持している間、頭の上部の所定の位置である。ユーザーは、時間=0においてスタイリングツールのボタンを押して、過程を開始することができ、そのときのスタイリングツールの位置は、所定の位置の使用に対して、ユーザーの頭に関係する予測可能な原点にあると考えられる。所定の位置401は、
図4に示される位置に限定されず、任意の所定の位置を使用してもよいが、ユーザーにとって、ユーザーの頭に関係する予測可能な場所に再作製することが容易であるほうが好ましい。
【0043】
図5は、前述の「オンボード」例によるスタイリングツール301において実行される過程を示す。前述のように、ユーザーは、スタイリングツールが時間=0において最初の位置にある場合、「開始」入力を入力することができる。この時間において、ステップ501aでは、1つ以上の状態(湿度、温度、毛髪の損傷等)がスタイリングツールのセンサによって検出される。並行して、ステップ501bでは、前述の場所検出装置は、スタイリングツールのおよその空間位置/場所、より詳細には、センサの空間位置を検出し、場所の検出を開始する。ステップ502a及び502bにおいて、センサ及び場所検出装置は、その同調時間データに関連するそれぞれの検出データを記録しながら、並行して動作し続ける。最終的に、ステップ503a及び503bにおいて、センサ及び場所データは、ユーザーによって提供される「停止」入力に応答して、その同調タイミングで動作を停止する。
【0044】
図4及び5は、「オンボード」の例を示したが、
図6では個別のセンサ302を使用する場合の例を示す。
図4の例と同様に、時間=0において、スタイリングツールは、最初の位置にあってもよく、センサは近くの定位置にある。時間=0において、センサ302は、前述の技術の1つに基づいて、センサ302に関係するスタイリングツールとユーザーの頭の両方の位置を検出する。
図6(B)に示すように、任意の時間Nにおいて、センサ302は、ユーザーに関係するスタイリングツールの新しい場所を検出する。
【0045】
図7は、前述の
図5に示される過程と同様に、スタイリングツール301とセンサ302との間で実行される過程を示す。ユーザーは、スタイリングツールが時間=0において最初の位置にある場合、「開始」入力を入力することができる。この時間において、ステップ701aで、スタイリングツールは、センサ302に「開始」信号を送信することができる。したがって、スタイリングツールは、進行して、前述のようにセンサを使用して、1つ以上の状態(湿度、温度、毛髪の損傷等)を検出する。並行して、ステップ701bでは、センサ302は、スタイリングツールのおよその空間位置/場所を検出する。ステップ702a及び702bにおいて、センサ及び位置検出装置は、その同調時間データに関連するそれぞれの検出データを記録しながら、並行して動作し続ける。最終的に、ステップ703a及び703bにおいて、センサ及び場所データは、スタイリングツール301におけるユーザーによって提供される「停止」入力に応答して、その同調タイミングで動作を停止し、センサ302に「停止」信号を送信することができる。
【0046】
図8は、スタイリングツール301が一実施形態によるヘアブラシである場合、スタイリングツール301のハードウェア構成要素の電気ブロック図の図を示す。ヘアブラシは、マイクロコントローラ/プロセッサ803、電源804、通信インターフェース805、ユーザーインターフェース806、メモリ807を含む。
【0047】
ヘアブラシは、音検知回路809も含んでもよく、日々のエネルギー及びスペクトルの音の変化に基づいて、ユーザーの毛髪の乾燥状態を検出するマイクロホンを含んでもよい。
【0048】
ヘアブラシは、湿潤検知回路811も含んでもよい。この回路は、米国特許出願第13/112,533号(米国公報第2012/0291797A1)に記載されるものと同様であってもよく、参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、湿潤検知回路は、磁場の変化を検出するホール効果センサに依存してもよく、このような変化は湿潤レベルに感応性である。
【0049】
ヘアブラシは、力センサ811も含んでもよく、ヘッドとハンドルとの間に位置するロードセルの形態であってもよい。
【0050】
ヘアブラシは、前述のように、ヘアブラシの近くの局所温度又は湿度を検出する周囲温度/湿度センサ812も含んでもよい。
【0051】
さらに、ヘアブラシは、毛髪が濡れている又は乾燥しているかどうかを検出するために、又はユーザーの毛髪との接触を検出するために、ヘアブラシに組み込まれた導電ピンクイル813を含んでもよい。
【0052】
ヘアブラシは、撮像ユニット814も含んでもよく、ユーザーの頭又はユーザーがヘアブラシを使用している間の毛髪と対面するブラシの外面に配置されるカメラであってもよい。撮像ユニットは、ユーザーの毛髪の熱特徴を検知する熱撮像能力を有してもよい。撮像ユニットは、また、撮像過程を補助するために、照明ユニット(LEDライト等)を備えてもよい。
【0053】
一実施形態において、ヘアドライヤーは、ユーザーによって保持されるヘアドライヤーの配向を検出することができる位置/動きセンサ808を含み、同様に、ヘアドライヤーの動き及び動きの経路も検出することができる。一実施形態において、位置/動きセンサは、地磁気センサ及び加速度センサの少なくとも1つ又は組み合わせである。例えば、3軸地磁気センサは、3軸地磁気センサを収容しているスタイリングツール(の筐体)の現在の配向があるならば、地球磁気学の方向、又は言い換えれば地磁気ベクトルVtを確認する。3軸加速度センサは、静止状態の3軸加速度センサを収容しているスタイリングツール(の筐体)の現在の配向があるならば、重力の方向、又は言い換えれば重力ベクトルGを確認する。重力ベクトルGは、下向き垂直方向に適合する。重力ベクトルGは、同様に、Xs、Ys及びZs軸構成要素に分解されてもよい。
【0054】
あるいは、又はさらに、3軸Xs、Zs及びYs(ロール、ピッチ及びヨー)の周りの角速度を検出するセンサであるジャイロスコープを使用してもよく、対象物の回転を検出することができる。さらに、地磁気センサは、前述のように、地磁気ベクトルに基づいて、対象物が対面する方向を確認することができる。
【0055】
前述のスタイリングツール301の例が、ヘアブラシとして記述されている一方で、スタイリングツールは、任意の他の種類のスタイリングツール又はフラットアイロン、ヘアドライヤー、櫛、美顔用マッサージ器等のユーザーの状態又は特徴を検知するように構成される個人用電気器具であってもよい。
【0056】
図9は、一実施形態によるセンサ302のハードウェア構成要素の電気ブロック図の図を示す。電源904からの電源は、マイクロコントローラ/プロセッサ903によって制御される。
【0057】
センサ302は、通信インターフェース905によって別の装置とデータ通信を行うことができる。
【0058】
センサ302は、ユーザーインターフェース906を含んでもよく、ツールの筐体における入力ボタンの形態であってもよく、又は容量性若しくは抵抗性タッチスクリーンディスプレイ等の接触検知ディスプレイの形態であってもよい。
【0059】
一実施形態において、センサ302は、出力インジケータ902を含み、照明(LED照明)、タッチスクリーンのインジケータ、又はスピーカーによる可聴出力の形態であってもよい。
【0060】
一実施形態において、センサ302は、ヘアドライヤーを制御するために、又はユーザーのデータ若しくはその他の情報を保存するために、ソフトウェアを保存するメモリ907を含む。
【0061】
センサ302は、近接センサ918も含んでもよく、外部対象物又は装置の存在を検出することができ、技術分野で理解されている赤外センサ等の光学センサであってもよい。しかしながら、静電容量センサ、超音波センサ又はドップラーセンサ等のその他の例を使用してもよい。
【0062】
センサ302は、動き/位置センサ908を含んでもよく、スタイリングツールに含まれ、前述の位置/動きセンサ808に類似している。
【0063】
センサ302は、電荷結合素子(CCD)及び撮像画像を生成する相補型金属酸化膜半導体(CMOS)等の画像センサ909を含む。
【0064】
前述の例において、スタイリングツール301とセンサ302の両方は、クライアント装置120と通信するための回路及びハードウェアを含むことができる通信インターフェース(I/F)を含む。通信インターフェース205は、ネットワークとインターフェースするためのBCM43342Wi-Fi、周波数変調及びBroadcom社のブルートゥースコンボチップ等のネットワークコントローラを含んでもよい。ハードウェアは、サイズを縮小するために設計することができる。例えば、プロセッサ203は、技術分野で理解されているCPUであってもよい。例えば、プロセッサは、Apple社のAPL0778であってもよく、又は当業者によって認識されると思われるその他のプロセッサタイプであってもよい。あるいは、CPUは、当業者によって認識されると思われる、FPGA、ASIC、PLDに実装されてもよく、又は別々の論理回路を使用してもよい。さらに、CPUは、並行して協働する複数のプロセッサとして実装されて、前述の本発明の過程の命令を実行してもよい。
【0065】
図10は、
図2に前に示された3D再構築構成要素202の概要を示す。3D再構築構成要素において、スタイリングツール(複数可)301は、情報システム1001に検知状態のデータを提供し、クラウドサーバー、コンピュータ、又は小型装置(スマートフォン、タブレット等)の形態であってもよい。さらに、センサ302は、環境における対象物の検出位置に関係するその記録データを情報システム1001に提供することもできる。
【0066】
情報システム1001は、その後、1002に描写されるように、検知データを仮想3Dユーザー画像にマップすることができる。仮想3Dユーザー画像1002は、性別、身長、体重、毛髪の長さ、毛髪のタイプ及びその他等のユーザーの特徴に基づいて、所定の代表的なヒトの画像の仮想3D画像であってもよい。実際のユーザーの厳密なレプリカである仮想3D画像を有する必要はない。
【0067】
スタイリングツール又はセンサ302の何れかの場所トラッカーによって提供されるデータは、1002に描写される仮想3D画像の起点と一致する起点に関して、3次元座標の形態である。再構築の過程において、システム1001は、スタイリングツールから受信される検知状態(毛髪の損傷等)の座標を仮想3D画像環境に直接的にマップすることができる。しかしながら、これは、仮想3D画像に示される毛髪の表面に完璧にマッピングすることができないため、システム1001は、必要な場合、オフセットを適用して、検知状態の座標を仮想3Dユーザー画像の毛髪の表面の最も適切な位置にマップするように構成される。このオフセットは、検知状態の座標を仮想3Dユーザー画像の毛髪の表面の最も近いスポットに調節することに基づいて、適用することができる。システム1001は、マシンラーニング技術を使用して、必要に応じてトレーニングサンプルを使用して、フィードバックを受信することに基づいて、オフセットの適用を最適化するように構成することができる。
【0068】
図11は、検知状態の座標を3Dユーザー画像にマップするシステム1001によって実行される過程を示す。ステップ1101において、システムは、スタイリングツール301から受信した検知状態を受信し、保存する。ステップ1102において、システムは、前述のスタイリングツール301又はセンサ302の何れかによって提供され得る検出した場所データを受信し、保存する。
【0069】
ステップ1103において、システムは、検知状態のデータに基づいて、目的の領域(毛髪の損傷等)及び関連するタイムススタンプを分析し、抽出する。このステップは、関与するセンサの種類に基づいて異なる。例えば、損傷した毛髪の検出において、毛髪の乾燥状態の閾値以上を検出する湿潤センサの読み取りが、目的の領域の抽出を引き起こすことができる。光学又は画像センサを使用する場合、枝毛の画像認識が、目的の領域の抽出を引き起こすことができる。あるいは、音響センサを使用する場合、目的の領域は、毛髪のブラッシングの音が、過剰に乾燥している又は損傷した毛髪の特徴である特定の周波数閾値を引き起こす場所であってもよい。
【0070】
ステップ1104において、システム1001は、目的の領域のタイムスタンプに適合するタイムスタンプを有する場所データを抽出し、保存し、場所データ及び目的の領域は、互いに関連する。
【0071】
ステップ1105において、システムは、前述のように、3D座標データの形態である、場所データに関連させることに基づいて、3D仮想ユーザー画像に目的の領域を「マップ」する。実際には、この「マッピング」は、仮想3D画像(ユーザーの毛髪の一部等)の表示特徴と関連して、目的の領域を保存することを伴う。システム1001は、マッピングの結果を示す表示を含んでもよく、1002に示される3Dアバターにおけるマップした場所において、プレースホルダー指標又は画像を表示することを伴っていてもよい。
【0072】
マッピングが完了すると、システムは、
図10の1003に示されるように、標準化したフォーマットであるデジタルファイルを作製するように構成される。
【0073】
図12は、3D再構築アルゴリズムに基づいて作製された異なるデジタルファイルフォーマットの例を示す。
図12に示されるファイルフォーマットは、この例ではヘアドライヤー等の1つの装置から回収されたデータを表す。ファイルフォーマットは、タイムスタンプフィールド1211、加速度計座標フィールド1212、ジャイロスコープフィールド1213、磁気コンパスフィールド1214、センサ測定フィールド1214、3D座標フィールド1215、3D正規フィールド1216、及び特定のタイムスタンプに対応するエントリが表示される目的の領域を表すかどうかを示すフィールド1217等の複数のフィールドを含む。デジタルファイルのデータは必要に応じてフィルターがかけられ、又は圧縮されて、保存スペースを減少させることができる。
【0074】
図13は、前に
図2で示したフィードバック構成要素203の概要を示す。
図13に示されるように、デジタルファイル1003がシステム1301に提供され、システム1001と同じシステムであってもよく、又は異なるシステム、装置、又はさらにユーザーのパーソナル装置(スマートフォン等)であってもよい。
【0075】
システム1301は、マシンラーニングを使用して、異なる種類の測定値について、目的の領域の検知データを結合するように構成される。これは、経時的に検知データを比較し、ユーザーの将来の健康及び美しさを予測することを伴う。
【0076】
例えば、検知状態がグレーの毛髪である場合、システム1301は、グレーの毛髪の開始のパターンが、検知データを経時的に比較することに基づいて生じているかどうかを決定するように構成される。このような決定は、3D仮想ユーザー画像に予測される結果を描写することができる3D画像データを生成するために使用することができる。これらの結果は、ユーザーに送信されて、ステップ1302に示されるように、スマートフォン等のユーザーの装置に表示することができる。
【0077】
ステップ1302aに示されるように、ユーザーのスマートフォンに結果を表示することは、3D仮想ユーザーの目的の領域に指標を示す「損傷オーバーレイビュー」を含んでもよい。1302bに示されるように、表示は、仮想3Dユーザー画像に目的の領域をズームした領域を実際に示し、又は描写する「画像局在化ビュー」を含んでもよい。例えば、目的の領域が損傷した毛髪である場合、画像局在化は、目的の領域が存在するユーザーのスポットにおいて、損傷した毛髪の実際の代表的な画像を示す。
【0078】
ユーザーの目的の検出された領域並びに予測される健康及び美しさに基づいて、情報システムによって、1303において、個人用3Dレシピ又は処理を生成することができる。
【0079】
例えば、デジタルレシピは、システムによって生成されて、ユーザーの毛髪にさらなる損傷が生じないように、スタイリングツール(ヘアドライヤー等)でユーザーの毛髪を処理することができる。デジタルレシピはヘアドライヤーそれ自体に送信することができ、ヘアドライヤーは、例えば、ヘアドライヤーの発熱素子の抵抗を調節し、ファンの速度を調節し、及び/又は空気流の形状を制御する機械要素の形状を調節することによって、空気流の温度及び/又は形状及び/又は速度を調節することができる。
【0080】
前述のように、同時係属中の米国特許出願第15/721,286号は、参照により本明細書に組み込まれ、ヘアブラシからの状態の直接的なフィードバックに基づいて、その設定を調節することができるヘアドライヤーを記載している。この場合、前述のデジタルレシピは、一実施形態によるヘアドライヤー等に直接的に送信することができる。
【0081】
図14は、一実施形態によるヘアドライヤーによって実行することができるアルゴリズムを示す。ステップ1410において、ヘアドライヤーはデジタルレシピを受信する。ステップ1420において、デジタルレシピは処理され、分析される。ステップ1430において、ヘアドライヤーは、処理/分析されたデジタルレシピに基づいて、ヘアドライヤーの設定の調節を実行する。
【0082】
図14は、デジタルレシピを使用して、ヘアドライヤー装置(又はその他のヘアスタイリングツール)を調節することができることを示しているが、デジタルレシピは、
図15に示される様々な利益のために使用することができる。例えば、調節又は前述のヘアドライヤー/スタイリングツール1501を使用する場合に、調節又は特定の1つ以上のヘア製品1502の推奨といったレジームについての入力として、デジタルレシピを同時に又は交互に使用することができ、デジタルレシピは、適宜、ユーザーに情報を音で提供することができる仮想支援装置1503に出力することもできる。
【0083】
さらに、前述の例は、ヘアドライヤー、ヘアスタイリングツール、又はヘアブラシの一例に関しているが、本出願は、この例に限定されず、その他の例を使用することができる。
【0084】
例えば、
図16は、ユーザーの皮膚に作用する音波振とうブラシ装置1600の例を示す。ブラシ装置は、前述のセンサ301と同様のセンサ1601を含んでもよく、ユーザーの顔の画像、音、質感又は乾燥状態を捕えるために、装置の前面に配置する。さらに又はあるいは、前述のセンサ302と同様の外部センサ1602を提供してもよい。
【0085】
目的の領域は、しわ、目尻の小じわ、ニキビ(acne)、乾燥肌、黒ニキビ(blackhead)又はその他等の任意の数の皮膚状態を検出することを含んでもよい。
【0086】
顔の領域についての3D再構築の結果は、前述の毛髪の領域の結果に類似している。例えば、
図17に示されるように、3D再構築は、スマートフォン1701の表示に出力することができ、ユーザーのアバターに検知状態領域を強調する。あるいは、3D再構築を使用して、デジタルレシピを作製することができ、(i)顔のスキンケア装置の調節又は制御1702、(ii)スキンケア製品の推奨1703、(iii)カスタマイズされたフェイシャルマスクを作製する1704ために使用され、又は(iii)適宜、ユーザーに情報を音で提供することができる仮想支援装置1705に出力するために、出力することができる。
【0087】
本開示の原理、代表的な実施形態、動作モードは、前述に記載した。しかしながら、保護することを意図する本開示の態様は、開示の特定の実施形態に限定されるものとして解釈されない。さらに、本明細書に記載の実施形態は、制限するというより説明するものとしてみなされる。本開示の趣旨から逸脱することなく、変形及び変化がその他及び使用される等価物によってなされ得ることが理解される。したがって、全ての変形、変化及び等価物が、請求される本開示の趣旨及び範囲にあることを明示的に意図する。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの身体部分を処理するように構成された装置であって、前記装置は、前記身体部分の状態を検知するように構成された少なくとも1つのセンサを含む、装置と、
空間における前記装置の場所を追跡するように構成された場所トラッカーと、を含むシステムであって、
前記システムは、
セッションの間、少なくとも1つのセンサによって検出された前記身体部分の特定の検知状態の情報を受信し、
前記セッションの間、前記装置の前記追跡した場所の情報を、前記場所トラッカーから受信し、
前記特定の検知状態が前記装置によって検出された特定の時間を前記特定の時間の空間における前記装置の場所と関連付けるように構成される処理回路を含む、システム。
【外国語明細書】