(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134439
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】様々な金属の水酸化物および酸化物ならびにそれらの誘導体の調製プロセス
(51)【国際特許分類】
C01G 51/00 20060101AFI20230920BHJP
H01M 4/525 20100101ALI20230920BHJP
H01M 4/505 20100101ALI20230920BHJP
C01G 53/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
C01G51/00 C
H01M4/525
H01M4/505
C01G53/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097816
(22)【出願日】2023-06-14
(62)【分割の表示】P 2022197390の分割
【原出願日】2018-11-22
(31)【優先権主張番号】62/590,260
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/735,013
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516122461
【氏名又は名称】ネマスカ リチウム インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブラッサ,ガイ
(72)【発明者】
【氏名】マニャン,ジャン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ラロッシュ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ビビアン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シャルボノー,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ドレ,ミカエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リチウムイオン電池の正極材の原料となる水酸化物の製造コストを削減できるプロセスを提供する。
【解決手段】金属水酸化物の調製プロセスであって、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムを含む液体と、を得ることと、液体および固体を互いに分離して金属水酸化物を得ることと、硫酸ナトリウムを含む液体を、硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための電気膜プロセスに提供することと、電気膜プロセスによって得られた水酸化ナトリウムを、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスとする。
【選択図】
図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化リチウムおよび任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、前記硫酸リチウムを含む液体を提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムを、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)リチウムと、(ii)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムおよび任意に硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを含む液体を、前記硫酸ナトリウムおよび前記硫酸リチウムを水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化ナトリウムを、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセス。
【請求項3】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムおよび任意に硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸ナトリウムおよび任意に硫酸リチウムを含む液体を、前記硫酸ナトリウムおよび任意に前記硫酸リチウムを水酸化ナトリウムおよび任意に水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化ナトリウムを、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセス。
【請求項4】
LiOHが、蒸発結晶化によって実質的に選択的に結晶化する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項5】
LiOHが、実質的に選択的に結晶化し、蒸発結晶化によって電解セルから取り出される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項6】
LiOHをNaOH上で実質的に選択的に結晶化させることによって、LiOHが、NaOHから分離される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
蒸発結晶化によりLiOHを実質的に選択的に結晶化させることによって、LiOHが、NaOHから分離される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項8】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約8~約14のpHで得られる、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約9~約13、または約10~約12のpHで得られる、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記金属水酸化物を洗浄することをさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記金属水酸化物を乾燥させることをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
固相の前記沈殿物を乾燥させることが、少なくとも80℃の温度で、約1~約4時間の期間乾燥させることを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
キレート剤が存在する、請求項1~12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記キレート剤がアンモニアである、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化リチウムおよび任意にキレート剤と反応させて、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸リチウムを含む液体を、前記硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムの少なくとも第1の部分を、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムの少なくとも第2の部分を、前記得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の前記混合物を焙煎して、前記金属酸化物を得ることと、を含む、プロセス。
【請求項16】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
(i)リチウムと、(ii)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを含む液体を、前記硫酸ナトリウムおよび前記硫酸リチウムを水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記水酸化リチウムおよび前記水酸化ナトリウムを互いに分離することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化ナトリウムの少なくとも第1の部分を、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムの少なくとも第1の部分を、前記得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の前記混合物を焙煎して、前記金属酸化物を得ることと、を含む、プロセス。
【請求項17】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約9~約14のpHで得られる、請求項15または16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約10~約13のpHで得られる、請求項15または16に記載のプロセス。
【請求項19】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約10.5~約12.5のpHで得られる、請求項15または16に記載のプロセス。
【請求項20】
前記金属水酸化物を洗浄することをさらに含む、請求項15~19のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記金属水酸化物を乾燥させることをさらに含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記金属硫酸塩が、水酸化リチウム、およびアンモニアであるキレート剤と反応する、請求項15~21のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項23】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも350℃の第1の温度で、少なくとも4時間の期間焙煎することを含む、請求項15~22のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項24】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも400℃の第1の温度で、少なくとも6時間の期間焙煎することを含む、請求項15~22のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項25】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも600℃の第2の温度で、少なくとも6時間の期間焙煎することを、さらに含む、請求項23または24に記載のプロセス。
【請求項26】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも700℃の第2の温度で、少なくとも8時間の期間焙煎することを、さらに含む、請求項23または24に記載のプロセス。
【請求項27】
前記電気膜プロセスが、電解膜プロセスを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記電気膜プロセスが、2区画単極または双極膜電解プロセスを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスが、陽イオン交換膜によって陰極液区画から分離された陽極液区画を含む第1の電気化学セル内で実行される、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記陽イオン交換膜が、過フッ素化スルホン酸を含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む水性流が、前記陽極液区画に導入され、前記第1のリチウム低減水性流が、前記陽極液区画から除去され、前記第1の水酸化リチウム富化水性流が、前記陰極液区画から除去される、請求項29または30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、水酸化物電流効率が、少なくとも実質的に維持されなくなって低下するまで、前記硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換が進行する、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記陽極液区画のpHが、約0.4~約1.0の値になるまで、前記硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換が進行する、請求項31に記載のプロセス。
【請求項34】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記陽極液区画のpHが、約0.5~約0.7の値になるまで、前記硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換が進行する、請求項31に記載のプロセス。
【請求項35】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約1M~約4Mの濃度に維持される、請求項31~34のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約2M~約3Mの濃度に維持される、請求項31~34のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項37】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約20℃~約100℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項38】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約40℃~約70℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項39】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約45℃~約55℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項40】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約50℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項41】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、約50℃~約85℃の温度で前記陽極液区画から除去される、請求項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項42】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約55℃~約65℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項43】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、約60℃の温度で前記陽極液区画から除去される、請求項31~42のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項44】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、電気化学セル内の温度が、少なくとも実質的に約50℃~約85℃の値に維持される、請求項28~43のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項45】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約0.5kA/m2~約6kA/m2の値に維持される、請求項28~44のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項46】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約3kA/m2~約5kA/m2の値に維持される、請求項28~44のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項47】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧が、少なくとも実質的に約3V~約8Vの値に維持される、請求項28~44のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項48】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧が、少なくとも実質的に約5V~約10Vの値に維持される、請求項28~44のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項49】
前記電気化学セルが、約0.2m2~約4m2のセル面積を有する、請求項28~48のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項50】
前記第2の電気化学セルが、約0.5m2~約3.5m2のセル面積を有する、請求項28~48のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項51】
前記第2の電気化学セルが、約1m2~約3m2のセル面積を有する、請求項28~48のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項52】
前記電気化学セルが、約1m2~約2m2のセル面積を有する、請求項28~48のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項53】
前記電気膜プロセスが、電気透析プロセスを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項54】
前記電気膜プロセスが、3区画単極または双極膜電解プロセスを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項55】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスが、陰イオン交換膜によって中央区画から分離された陽極液区画と、陽イオン交換膜によって前記中央区画から分離された陰極液区画と、を含む、第2の電気化学セル内で実行される、請求項54に記載のプロセス。
【請求項56】
前記陽イオン交換膜が、スルホン化ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項55に記載のプロセス。
【請求項57】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、前記中央区画に導入され、前記第2のリチウム低減水性流が、前記中央区画から除去され、前記第2の水酸化リチウム富化水性流が、前記陰極液区画から除去される、請求項55または56に記載のプロセス。
【請求項58】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスが、硫酸を前記陽極液区画内で生成することと、硫酸含有水性流を前記陽極液区画から除去することとを、さらに含む、請求項57に記載のプロセス。
【請求項59】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、前記陰イオン交換膜が、プロトン遮断膜である、請求項58に記載のプロセス。
【請求項60】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸が、少なくとも実質的に約0.1M~約2Mの硫酸濃度に維持される、請求項57~59のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項61】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸が、少なくとも実質的に約0.7M以下~約1.2Mの硫酸濃度に維持される、請求項57~59のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項62】
前記3区画膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約1M~約4Mの濃度に維持される、請求項57~61のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項63】
前記3区画膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約2M~約3Mの濃度に維持される、請求項57~61のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項64】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、約40℃~約85℃の温度で前記中央区画に導入される、請求項57~63のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項65】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第2のリチウム低減水性流が、約40℃~約80℃の温度で前記陽極液区画から除去される、請求項57~63のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項66】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第2の電気化学セル内の温度が、少なくとも実質的に約50℃~約70℃の値に維持される、請求項57~63のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項67】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約0.5kA/m2~約5kA/m2の値に維持される、請求項57~66のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項68】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約1kA/m2~約10kA/m2の値に維持される、請求項57~66のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項69】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧が、少なくとも実質的に約5V~約9Vの値に維持される、請求項57~66のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項70】
前記電気化学セルが、約0.2m2~約4m2のセル面積を有する、請求項57~69のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項71】
前記電気化学セルが、約0.5m2~約3.5m2のセル面積を有する、請求項57~69のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項72】
前記電気化学セルが、約1m2~約3m2のセル面積を有する、請求項57~69のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項73】
前記電気化学セルが、約1m2~約2m2のセル面積を有する、請求項57~69のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項74】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスが、アンモニアを前記陽極液区画に導入することと、硫酸アンモニウムを前記陽極液区画内で生成することと、硫酸アンモニウム含有水性流を前記陽極液区画から除去することとを、さらに含む、請求項57に記載のプロセス。
【請求項75】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、前記陰イオン交換膜が、プロトン遮断膜ではない、請求項74に記載のプロセス。
【請求項76】
前記陰イオン交換膜が、Astom AHA膜である、請求項75に記載のプロセス。
【請求項77】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸アンモニウムが、少なくとも実質的に約0.5M~約4Mの硫酸アンモニウム濃度に維持される、請求項74~76のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項78】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸アンモニウムが、少なくとも実質的に約3Mの硫酸アンモニウム濃度に維持される、請求項74~76のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項79】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約1M~約3Mの濃度に維持される、請求項74~78のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項80】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約2Mの濃度に維持される、請求項74~78のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項81】
前記電気膜プロセスが、電解である、請求項1~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項82】
前記電気膜プロセスが、電気透析である、請求項1~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項83】
前記キレート剤が、NH3、NH4OH、アセチルアセトン、5-スルホサリチル酸、シュウ酸から選択される、請求項1~82のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項84】
前記キレート剤が、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、DCTA(トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、DTPA(ジエチレン-トリアミン五酢酸)、およびEGTA(エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N′,N′-四酢酸)から選択される、請求項1~82のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項85】
前記キレート剤が存在する、請求項84に記載のプロセス。
【請求項86】
前記金属水酸化物が、NiCoAl(OH)2またはNiMnCo(OH)2である、請求項1~85のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項87】
前記金属水酸化物が、Ni0.8Co0.15Al0.05(OH)2、Ni0.8Mn0.1Co0.1(OH)2、およびNi0.6Mn0.2Co0.2(OH)2から選択される、請求項1~85のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項88】
前記金属酸化物が、リチウム豊富の場合、式LiMO2またはLi(1+x)M(1-x)O2、Li不足の場合、Li(1-z)M(1+z)O2のものであり、式中、Mは、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属である、請求項1~85のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項89】
前記金属酸化物が、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、およびLiNi0.8Co0.15Al0.05O2から選択される、請求項1~77のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項90】
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、そのまま水性組成物中で使用され、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る、請求項1~81のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項91】
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化する、請求項1~81のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項92】
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化し、次いで溶解する、請求項1~81のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項93】
前記プロセスが、前記硫酸塩を含む前記液体を、前記硫酸塩を前記水酸化物に変換するための前記電気膜プロセスに提供して、硫酸を発生させることを含む、請求項1~92のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項94】
前記電気膜プロセスの陽極液が、そこから硫酸塩を実質的に選択的に沈殿させることによって処理され、それによってH2SO4濃度を増加させる、請求項93に記載のプロセス。
【請求項95】
LiOHが、結晶化蒸発によって、水酸化ナトリウム上で実質的に選択的に沈殿する、請求項92、93、または94に記載のプロセス。
【請求項96】
前記硫酸を回収することを含む、請求項92、93、94、または95に記載のプロセス。
【請求項97】
前記硫酸を回収および濃縮することを含む、請求項92、93、94、95、または96に記載のプロセス。
【請求項98】
前記金属硫酸塩が、遷移金属硫酸塩である、請求項1~97のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項99】
前記金属硫酸塩が、金属源から得られる、請求項1~98のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項100】
前記金属源が、遷移金属源である、請求項99に記載のプロセス。
【請求項101】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項99~100のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項102】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、硫酸で浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項99~101のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項103】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、前記発生硫酸で浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項99~101のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項104】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、電気化学的発生硫酸で浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項99~101のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項105】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、H2O2の存在下で、電気化学的発生硫酸で浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項99~101のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項106】
前記金属源が、その金属形態の金属である、請求項99~105のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項107】
前記金属源が、ニッケル精鉱である、請求項99~105のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項108】
前記ニッケル精鉱が、コバルトをさらに含む、請求項107に記載のプロセス。
【請求項109】
前記金属源が、使用済み電池またはその構成要素である、請求項99~108のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項110】
前記構成要素が、カソード、アノード、ブラックマス、スラグ、およびこれらの混合物から選択される、請求項109に記載のプロセス。
【請求項111】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を浸出させることによって得られる、請求項99~110のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項112】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、H2O2の存在下で、硫酸で浸出させることによって得られる、請求項111に記載のプロセス。
【請求項113】
前記金属源が、ニッケルを含む有機組成物である、請求項99~105のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項114】
前記有機組成物が、コバルトをさらに含む、請求項113に記載のプロセス。
【請求項115】
前記金属硫酸塩が、前記金属源をストリッピングすることによって得られる、請求項113~114のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項116】
前記金属硫酸塩が、異なる金属の精鉱を有機相および水相で処理して、前記異なる金属を互いに分離することによって得られ、次いで前記金属が、硫酸塩の形態で結晶化する、請求項1~115のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項117】
水酸化ナトリウムが、pHを上げるために使用され、(a)(i)ニッケルおよびコバルトから選択される前記少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される前記少なくとも1種の金属と、を含む前記金属硫酸塩と、(b)前記水酸化リチウムと反応して、前記金属水酸化物を得る、請求項1~116のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項118】
水酸化ナトリウムが、前記金属硫酸塩および水酸化リチウムと反応する、請求項1~116のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項119】
水酸化ナトリウムが、pH向上剤として使用されて、前記金属水酸化物の沈殿を引き起こす、請求項118に記載のプロセス。
【請求項120】
前記液体が、硫酸ナトリウムをさらに含む、請求項1~119のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項121】
前記液体が、硫酸ナトリウムをさらに含み、前記液体が、前記硫酸リチウムを前記水酸化リチウムに変換するため、かつ前記硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための前記電気膜プロセスに提供される、請求項1~119のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項122】
前記得られた水酸化リチウムが、前記水酸化ナトリウムから分離される、請求項121に記載のプロセス。
【請求項123】
水酸化リチウムが、水酸化ナトリウム上で実質的に選択的に沈殿する、請求項122に記載のプロセス。
【請求項124】
水酸化リチウムが、結晶化蒸発によって、水酸化ナトリウム上で実質的に選択的に沈殿する、請求項122に記載のプロセス。
【請求項125】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの前記少なくとも1種を含む液体を、前記硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの前記少なくとも1種を、前記金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセス。
【請求項126】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を、前記硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムのうちの少なくとも1種を水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの前記少なくとも1種を、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセス。
【請求項127】
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属水酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2から選択される塩基、および任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、MgNO3、CaNO3、SrNO3、およびBaNO3のうちの少なくとも1種を含む液体を、前記Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、K2NO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種をLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られたLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの前記少なくとも1種を、前記金属硫酸塩および/または前記金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセス。
【請求項128】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約9~約14のpHで得られる、請求項125、126、または127に記載のプロセス。
【請求項129】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約10~約13のpHで得られる、請求項125、126、または127に記載のプロセス。
【請求項130】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約10.5~約12.5のpHで得られる、請求項125、126、または127に記載のプロセス。
【請求項131】
前記金属水酸化物を洗浄することをさらに含む、請求項125~130のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項132】
前記金属水酸化物を乾燥させることをさらに含む、請求項131に記載のプロセス。
【請求項133】
前記金属硫酸塩が、水酸化リチウム、およびアンモニアであるキレート剤と反応する、請求項125~132のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項134】
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2から選択される塩基、および任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、K2NO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体を、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種をLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2のうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られたLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2のうちの前記少なくとも1種の少なくとも第1の部分を、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
前記電気膜プロセスによって得られたLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2のうちの前記少なくとも1種の少なくとも第2の部分を、前記得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の前記混合物を焙煎して、前記金属酸化物を得ることと、を含む、プロセス。
【請求項135】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約9~約14のpHで得られる、請求項134に記載のプロセス。
【請求項136】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約10~約13のpHで得られる、請求項134に記載のプロセス。
【請求項137】
前記固体が、前記金属水酸化物を含む沈殿物であり、前記沈殿物が、約10.5~約12.5のpHで得られる、請求項134に記載のプロセス。
【請求項138】
前記金属水酸化物を洗浄することをさらに含む、請求項134~137のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項139】
前記金属水酸化物を乾燥させることをさらに含む、請求項138に記載のプロセス。
【請求項140】
前記金属硫酸塩が、前記水酸化物、およびアンモニアであるキレート剤と反応する、請求項134~139のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項141】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも約350℃の第1の温度で、少なくとも約4時間の期間焙煎することを含む、請求項134~140のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項142】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも約400℃の第1の温度で、少なくとも約6時間の期間焙煎することを含む、請求項134~140のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項143】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも約600℃の第2の温度で、少なくとも約6時間の期間焙煎することを、さらに含む、請求項141または142に記載のプロセス。
【請求項144】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも約700℃の第2の温度で、少なくとも約8時間の期間焙煎することを、さらに含む、請求項141または142に記載のプロセス。
【請求項145】
金属水酸化物の前記混合物を焙煎することが、少なくとも約500℃の第2の温度で、少なくとも約8時間の期間焙煎することを、さらに含む、請求項141または142に記載のプロセス。
【請求項146】
前記電気膜プロセスが、電解膜プロセスを含む、請求項125~145のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項147】
前記電気膜プロセスが、2区画単極または双極膜電解プロセスを含む、請求項125~145のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項148】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスが、陽イオン交換膜によって陰極液区画から分離された陽極液区画を含む第1の電気化学セル内で実行される、請求項147に記載のプロセス。
【請求項149】
前記陽イオン交換膜が、過フッ素化スルホン酸を含む、請求項147に記載のプロセス。
【請求項150】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記硫酸塩を含む水性流が、前記陽極液区画に導入され、前記第1のリチウム低減水性流が、前記陽極液区画から除去され、前記第1の水酸化リチウム富化水性流が、前記陰極液区画から除去される、請求項148または149に記載のプロセス。
【請求項151】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、水酸化物電流効率が、少なくとも実質的に維持されなくなって低下するまで、前記硫酸塩の水酸化リチウムへの変換が進行する、請求項150に記載のプロセス。
【請求項152】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記陽極液区画のpHが、約0.4~約1.0の値になるまで、前記硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換が進行する、請求項150に記載のプロセス。
【請求項153】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記陽極液区画のpHが、約0.5~約0.7の値になるまで、前記硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換が進行する、請求項150に記載のプロセス。
【請求項154】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約1M~約4Mの濃度に維持される、請求項150~153のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項155】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約2M~約3Mの濃度に維持される、請求項150~153のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項156】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約20℃~約100℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項157】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約40℃~約70℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項158】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約45℃~約55℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項159】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約50℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項160】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、約50℃~約85℃の温度で前記陽極液区画から除去される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項161】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む前記水性流が、約55℃~約65℃の温度で前記陽極液区画に導入される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項162】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、約60℃の温度で前記陽極液区画から除去される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項163】
前記2区画単極または双極膜電解プロセス中に、電気化学セル内の温度が、少なくとも実質的に約50℃~約85℃の値に維持される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項164】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約0.5kA/m2~約6kA/m2の値に維持される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項165】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約3kA/m2~約5kA/m2の値に維持される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項166】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧が、少なくとも実質的に約3V~約8Vの値に維持される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項167】
前記2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧が、少なくとも実質的に約5V~約10Vの値に維持される、請求項150~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項168】
前記電気化学セルが、約0.2m2~約4m2のセル面積を有する、請求項150~167のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項169】
前記第2の電気化学セルが、約0.5m2~約3.5m2のセル面積を有する、請求項150~167のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項170】
前記第2の電気化学セルが、約1m2~約3m2のセル面積を有する、請求項150~167のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項171】
前記電気化学セルが、約1m2~約2m2のセル面積を有する、請求項150~167のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項172】
前記電気膜プロセスが、電気透析プロセスを含む、請求項125~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項173】
前記電気膜プロセスが、3区画単極または双極膜電解プロセスを含む、請求項125~155のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項174】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスが、陰イオン交換膜によって中央区画から分離された陽極液区画と、陽イオン交換膜によって前記中央区画から分離された陰極液区画と、を含む、第2の電気化学セル内で実行される、請求項173に記載のプロセス。
【請求項175】
前記陽イオン交換膜が、スルホン化ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項174に記載のプロセス。
【請求項176】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、前記中央区画に導入され、前記第2のリチウム低減水性流が、前記中央区画から除去され、前記第2の水酸化リチウム富化水性流が、前記陰極液区画から除去される、請求項174または175に記載のプロセス。
【請求項177】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスが、硫酸を前記陽極液区画内で生成することと、硫酸含有水性流を前記陽極液区画から除去することとを、さらに含む、請求項176に記載のプロセス。
【請求項178】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、前記陰イオン交換膜が、プロトン遮断膜である、請求項177に記載のプロセス。
【請求項179】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸が、少なくとも実質的に約0.1M~約2Mの硫酸濃度に維持される、請求項176~178のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項180】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸が、少なくとも実質的に約0.7M以下~約1.2Mの硫酸濃度に維持される、請求項176~178のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項181】
前記3区画膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約1M~約4Mの濃度に維持される、請求項176~178のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項182】
前記3区画膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約2M~約3Mの濃度に維持される、請求項176~178のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項183】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第1のリチウム低減水性流が、約40℃~約85℃の温度で前記中央区画に導入される、請求項176~182のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項184】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第2のリチウム低減水性流が、約40℃~約80℃の温度で前記陽極液区画から除去される、請求項176~182のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項185】
前記3区画単極または双極膜電解プロセス中に、前記第2の電気化学セル内の温度が、少なくとも実質的に約50℃~約70℃の値に維持される、請求項176~182のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項186】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約0.5kA/m2~約5kA/m2の値に維持される、請求項176~185のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項187】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度が、少なくとも実質的に約1kA/m2~約10kA/m2の値に維持される、請求項176~185のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項188】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧が、少なくとも実質的に約5V~約9Vの値に維持される、請求項176~185のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項189】
前記電気化学セルが、約0.2m2~約4m2のセル面積を有する、請求項176~188のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項190】
前記電気化学セルが、約0.5m2~約3.5m2のセル面積を有する、請求項176~188のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項191】
前記電気化学セルが、約1m2~約3m2のセル面積を有する、請求項176~188のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項192】
前記電気化学セルが、約1m2~約2m2のセル面積を有する、請求項176~188のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項193】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスが、アンモニアを前記陽極液区画に導入することと、硫酸アンモニウムを前記陽極液区画内で生成することと、硫酸アンモニウム含有水性流を前記陽極液区画から除去することとを、さらに含む、請求項176に記載のプロセス。
【請求項194】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、前記陰イオン交換膜が、プロトン遮断膜ではない、請求項193に記載のプロセス。
【請求項195】
前記陰イオン交換膜が、Astom AHA膜である、請求項194に記載のプロセス。
【請求項196】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸アンモニウムが、少なくとも実質的に約0.5M~約4Mの硫酸アンモニウム濃度に維持される、請求項193~195のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項197】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陽極液区画において、前記硫酸アンモニウムが、少なくとも実質的に約3Mの硫酸アンモニウム濃度に維持される、請求項193~195のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項198】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約1M~約3Mの濃度に維持される、請求項193~197のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項199】
前記3区画単極または双極膜電解プロセスの前記陰極液区画において、前記水酸化リチウムが、少なくとも実質的に約2Mの濃度に維持される、請求項193~197のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項200】
前記電気膜プロセスが、電解である、請求項125~193のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項201】
前記電気膜プロセスが、電気透析である、請求項125~193のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項202】
前記キレート剤が、NH3、NH4OH、アセチルアセトン、5-スルホサリチル酸、シュウ酸から選択される、請求項125~201のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項203】
前記キレート剤が、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、DCTA(トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、DTPA(ジエチレン-トリアミン五酢酸)、およびEGTA(エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N′,N′-四酢酸)から選択される、請求項125~201のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項204】
前記キレート剤が存在する、請求項203に記載のプロセス。
【請求項205】
前記金属水酸化物が、NiCoAl(OH)2またはNiMnCo(OH)2である、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項206】
前記金属水酸化物が、Ni0.8Co0.15Al0.05(OH)2、Ni0.8Mn0.1Co0.1(OH)2、およびNi0.6Mn0.2Co0.2(OH)2から選択される、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項207】
前記金属酸化物が、式LiMO2のものであり、式中、Mは、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属である、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項208】
前記金属酸化物が、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、およびLiNi0.8Co0.15Al0.05O2から選択される、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項209】
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、そのまま水性組成物中で使用され、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項210】
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化する、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項211】
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化し、次いで溶解する、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項212】
前記プロセスが、前記硫酸リチウムを含む液体を、硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換するための前記電気膜プロセスに提供して、硫酸を発生させることを含む、請求項125~204のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項213】
前記硫酸を回収することを含む、請求項212に記載のプロセス。
【請求項214】
前記硫酸を回収および濃縮することを含む、請求項212に記載のプロセス。
【請求項215】
前記金属硫酸塩が、遷移金属硫酸塩である、請求項125~214のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項216】
前記金属硫酸塩が、金属源から得られる、請求項125~215のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項217】
前記金属源が、遷移金属源である、請求項216に記載のプロセス。
【請求項218】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項216~217のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項219】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、硫酸で浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項216~218のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項220】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、前記発生硫酸で浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項216~218のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項221】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を、電気化学的発生硫酸で浸出またはストリッピングすることによって得られる、請求項216~218のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項222】
前記金属源が、その金属形態の金属である、請求項216~221のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項223】
前記金属源が、ニッケル精鉱である、請求項216~221のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項224】
前記ニッケル精鉱が、コバルトをさらに含む、請求項223に記載のプロセス。
【請求項225】
前記金属源が、使用済み電池またはその構成要素である、請求項216~221のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項226】
前記構成要素が、カソード、アノード、ブラックマス、スラグ、およびこれらの混合物から選択される、請求項225に記載のプロセス。
【請求項227】
前記金属硫酸塩が、前記金属源を浸出させることによって得られる、請求項216~226のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項228】
前記金属源が、ニッケルを含む有機組成物である、請求項216~221のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項229】
前記有機組成物が、コバルトをさらに含む、請求項228に記載のプロセス。
【請求項230】
前記金属硫酸塩が、前記金属源をストリッピングすることによって得られる、請求項228~229のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項231】
水酸化ナトリウムが、pHを上げるために使用され、(a)(i)ニッケルおよびコバルトから選択される前記少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される前記少なくとも1種の金属と、を含む前記金属硫酸塩と、(b)前記水酸化リチウムと反応して、前記金属水酸化物を得る、請求項125~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項232】
水酸化ナトリウムが、前記金属硫酸塩および水酸化リチウムと反応する、請求項125~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項233】
水酸化ナトリウムが、pH向上剤として使用されて、前記金属水酸化物の沈殿を引き起こす、請求項232に記載のプロセス。
【請求項234】
前記液体が、硫酸ナトリウムをさらに含む、請求項125~233のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項235】
前記液体が、硫酸ナトリウムをさらに含み、前記液体が、前記硫酸リチウムを前記水酸化リチウムに変換するため、かつ前記硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための前記電気膜プロセスに提供される、請求項125~233のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項236】
前記得られた水酸化リチウムが、前記水酸化ナトリウムから分離される、請求項235に記載のプロセス。
【請求項237】
水酸化リチウムが、水酸化ナトリウム上で実質的に選択的に沈殿する、請求項236に記載のプロセス。
【請求項238】
水酸化リチウムが、結晶化蒸発によって、水酸化ナトリウム上で実質的に選択的に沈殿する、請求項236に記載のプロセス。
【請求項239】
前記得られた金属水酸化物が、水酸化リチウムを含む水性組成物と反応して、水酸化物組成物を得、次いで前記水酸化物組成物が乾燥されて、水酸化物の前記混合物を得る、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項240】
前記水酸化物組成物が、噴霧乾燥機を用いて乾燥される、請求項1~133のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項241】
前記硫酸塩または水酸化物が、溶媒抽出によって精製され、前記溶媒が、亜リン酸(Cyanex 272、Cyanex 301、Cyanex 302、ジ-(2-エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)、DEHTPA、Baysolvex DEDP、Ionquest 801、Hoe F 3787、MEHPA、P204、PC88A、P507として)、またはヒドロキシ-オキシム抽出剤(例えば、Acorga P50、Acorga K2000、LIX 84-I、SME 529、LIX 65N、LIX 64、LIX 70、LIX 860、LIX 622)、またはβ-ジケトン金属カチオン抽出剤(例えば、LIX 54、XI-N54、XI-55、XI-57)から選択される、請求項1~133のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項242】
水酸化物の前記沈殿物が、例えばLiOH、NaOH、NH4OHの中から選択される化合物の添加によって得られる、請求項1~133のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項243】
前記使用済み電池の浸出溶液が、H2SO4、H2O2、HNO3、HCl、硝酸、クエン酸、シュウ酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルコースのうちの少なくとも1種から選択される、請求項1~133のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項244】
LiOHが、蒸発結晶化によって実質的に選択的に結晶化する、請求項1~243のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項245】
LiOHが、実質的に選択的に結晶化し、蒸発結晶化によって電解セルから取り出される、請求項1~243のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項246】
蒸発結晶化によりLiOHを実質的に選択的に結晶化させることによって、LiOHが、NaOHから分離される、請求項1~243のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項247】
前記焙煎が、撹拌しながら実行されて、前記金属酸化物への前記変換の完了を確実にする、請求項15~85のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項248】
前記水酸化物の前記共沈後の濾過された硫酸塩溶液が、前記電気膜プロセスに入る前に、任意に精製および/または濃縮される、請求項15~85のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項249】
浸出された溶液が、前記水酸化物の前記共沈の前に精製される、請求項15~85のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項250】
前記硫酸塩および/または前記水酸化物の精製が、金属の選択的分離、水酸化物の沈殿、不溶性塩の沈殿、酸化沈殿、イオン交換、溶媒抽出、電気化学めっき、および/または結晶化によって実行される、請求項1~249のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項251】
前記硫酸塩および/または前記水酸化物の精製が、O2、SO2、またはH2SO5、過硫酸塩((NH4)2S2O8)、シュウ酸アンモニウム((NH4)2C2O4)、塩素、塩素化合物(HCl、ClO2、HClO3)、O3、NaOCl、CoS、Na2S、NaHS、CaCO3、またはNa3PO4の添加による選択的沈殿によって実行される、請求項1~249のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項252】
前記水酸化物の精製が、LiOH、NaOH、およびNH4OHのうちのいずれか1種の添加による水酸化物の沈殿によって実行される、請求項1~249のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項253】
前記水酸化物および/または硫酸塩の精製が、ジメチルグリオキシムの添加によって実行される、請求項1~249のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項254】
前記浸出工程のg/Lでの前記固体/液体(材料のグラム/液体の体積)比が、1/5~1:100の間で構成され得る、請求項1~249のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項255】
前記浸出が、H2SO4、H2O2、HNO3、HCl、硝酸、クエン酸、シュウ酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、およびグルコースのうちの少なくとも1種で実行され得る、請求項1~249のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項256】
前記金属硫酸塩M(SO4)(M=Ni、Co、Mnである)および/またはAl2(SO4)3が、前記水酸化物の前記合成における前駆体として使用される前に、任意に結晶化し得る、請求項1~249のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項257】
LiPF6電解質が回収される、請求項109に記載のプロセス。
【請求項258】
前記金属酸化物が、[LiNixM1yM2zO2]コア/[LiNiaM1bM2cO2]シェルのような、前記異なる金属について前記コアから前記表面への勾配濃度を有するコア-シェル材料であり、x+y+z=1、a+b+c=1、M1=Mn、Co、またはAl、M2=Mn、Co、またはAl、例えば、Niが異なる場合はa≠xであり、前記金属酸化物内の前記濃度勾配をもたらす、請求項16~52および125~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項259】
前記金属酸化物が、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、およびLiNi0.8Co0.15Al0.05O2、または[LiNixM1yM2zO2]コア/[LiNiaM1bM2cO2]シェルで、M1=Mn、Co、またはAl、M2=Mn、Co、またはAl、x+y+z=1、a+b+c=1から選択される、請求項16~52および125~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項260】
前記金属酸化物が、リチウム豊富の場合、式LiMO2、またはLi(1+x)M(1-x)O2、Li不足の場合、Li(1-z)M(1+z)O2のものであり、式中、Mは、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属であり得る、請求項16~52および125~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項261】
前記金属源が、前記電気化学的発生硫酸によって浸出された少なくとも実質的に純粋な金属である、請求項216~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項262】
前記金属源が、任意にコバルト、場合によっては他の元素を含み、任意に前記電気化学的発生硫酸によって浸出されたニッケル精鉱である、請求項216~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項263】
前記金属源が、ニッケル含有材料またはコバルト含有材料である、請求項216~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項264】
前記金属源が、酸化ニッケル鉱石、ニッケルマット、硫化ニッケル、ニッケルとコバルトとの混合硫化物、粗硫酸ニッケル(例えば、銅製錬プロセスから生成される)、および酸化ニッケル(例えば、前記電気化学的発生硫酸によって浸出される)から選択される、請求項263に記載のプロセス。
【請求項265】
前記金属源が、前記電気化学的発生硫酸によって浸出された、
図31、
図32、および
図33のCまたはDと称される溶液などのニッケル-コバルト水溶液である、請求項216~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項266】
前記金属源が、前記電気化学的発生硫酸によって任意にストリッピングされ得るニッケル(および任意にコバルト、場合によっては他の元素)を含有する有機溶液である、請求項216~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項267】
前記金属源が、前記電気化学的発生硫酸によって、浸出された使用済み電池または浸出されたその構成要素(例えば、カソード、アノード、ブラックマス、スラグ、またはこれらの混合物)(例えば、前記カソードのみ、または前記アノードおよび前記カソードの両方もしくはブラックマスなど)である、請求項216~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項268】
前記金属酸化物が、コア[LiNixM1yM2zO2]、x+y+z=1、およびシェル[LiNiaM1bM2cO2]、a+b+c=1、から作製される、式Li[NidM1eM2f]O2、d+e+f=1で、M1=Mn、Co、またはAl、M2=Mn、Co、またはAl、x<d<a、y<e<b、z<f<cのものである、請求項16~52および125~230のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項269】
前記水酸化物が、ニッケル-コバルト-マンガン水酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウム水酸化物、リチウム-コバルト水酸化物、水酸化ニッケル、ニッケル-コバルト-マンガンオキシ水酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウムオキシ水酸化物、オキシ水酸化ニッケル、およびリチウム-コバルトオキシ水酸化物から選択される、請求項1~268のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項270】
前記酸化物が、ニッケル-コバルト-マンガン酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウム酸化物、酸化ニッケル、リチウム-ニッケル-コバルト-マンガン酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム酸化物、リチウム-ニッケル酸化物、およびリチウム-コバルト酸化物から選択され得る、請求項1~268のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項271】
前記金属硫酸塩が、購入される、金属または金属の混合物をH2SO4で浸出させることによって得られる、使用済みリチウムイオン電池を浸出させることによって得られる、使用済みリチウムイオン電池を粉砕した後に得られた残留物を浸出させることによって得られる、使用済みリチウムイオン電池の処理後に残留物を浸出させることによって得られる、浸出された遷移金属の混合物から取り出される、鉱業会社によって取り出された精鉱である、またはコバルトを含有するニッケル鉱石を浸出させることによって得られる、請求項1~270のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項272】
前記電気膜プロセス中に発生した陽極液が処理されて、硫酸塩を回収し、前記硫酸塩が、水酸化物沈殿から回収された硫酸塩と混合され、前記硫酸塩が一緒に混合され、前記電気膜プロセスにリサイクルされる、請求項1~271のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項273】
前記電気膜プロセス中に発生したH2SO4が、陽極液濃縮を通して、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウムから分離され得る、請求項1~272のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項274】
前記電気膜プロセス中に発生したH2SO4が、蒸発結晶化による陽極液濃縮を通して、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウムから分離され得る、請求項1~272のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項275】
前記電気膜プロセス中に発生したH2SO4が、硫酸塩1水和物の選択的結晶化による陽極液濃縮を通して、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウムから分離され得る、請求項1~272のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項276】
カソードの製造における、請求項1~275のいずれか1項に記載のプロセスから得られる前記金属水酸化物または金属酸化物の使用。
【請求項277】
請求項1~275のいずれか1項に記載のプロセスから得られる前記金属水酸化物または金属酸化物の使用方法であって、前記金属酸化物または金属水酸化物をカソードの前記製造に組み込むことを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2017年11月22日に出願された米国特許出願第62/590,260号、および2018年9月21日に出願された米国特許出願第62/735,013号の優先権を主張する。これらの文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含有する金属水酸化物および金属酸化物の調製プロセスの分野における改善に関する。例えば、このような材料は、イオン電池用のカソード材料の製造に有用であり得る。
【背景技術】
【0003】
ニッケル-コバルト-マンガン水酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウム水酸化物、リチウム-コバルト水酸化物、ニッケル-コバルト-マンガンオキシ水酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウムオキシ水酸化物、リチウム-コバルトオキシ水酸化物、ニッケル-コバルト-マンガン酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウム酸化物、およびリチウム-コバルト酸化物の調製プロセスは、既知である。しかしながら、例えば既知のプロセスは、このような水酸化物および酸化物の生成ならびに様々な化学物質の消費に高いコストをもたらす。
【0004】
したがって、このような水酸化物または酸化物の少なくとも代替の調製プロセスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本開示の一態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(I)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化リチウムおよび任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウムを含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムを、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0006】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化リチウムおよび任意にキレート剤と反応させて、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウムを含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムの少なくとも第1の部分を、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムの少なくとも第2の部分を、得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0007】
本開示の別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属硫酸塩を、塩基および任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウムを含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムを、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0008】
別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属硫酸塩を、塩基および任意にキレート剤と反応させて、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウムを含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムの少なくとも第1の部分を、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムの少なくとも第2の部分を、得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0009】
本開示の一態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0010】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種の少なくとも第1の部分を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種の少なくとも第2の部分を、得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0011】
本開示の別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、塩基および任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0012】
別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、塩基および任意にキレート剤と反応させて、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種の少なくとも第1の部分を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種の少なくとも第2の部分を、得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0013】
本開示の別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩を、第2の金属を含む塩基および任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を、第2の金属水酸化物に変換するための電気膜プロセスに、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた第2の金属水酸化物を、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0014】
別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩を、第2の金属を含む塩基および任意にキレート剤と反応させて、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属水酸化物を含む固体と、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を、第2の金属水酸化物に変換するための電気膜プロセスに、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた第2の金属水酸化物の少なくとも第1の部分を、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、
電気膜プロセスによって得られた第2の金属水酸化物の少なくとも第2の部分を、得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0015】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0016】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0017】
別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2から選択される塩基、および任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られたLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0018】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2から選択される塩基、および任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
該液体および該固体を互いに分離して、該金属水酸化物を得ることと、
Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2のうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む該液体を提供することと、
該電気膜プロセスによって得られたLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2のうちの該少なくとも1種の少なくとも第1の部分を、該金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
該電気膜プロセスによって得られたLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2のうちの該少なくとも1種の少なくとも第2の部分を、該得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の該混合物を焙煎して、該金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0019】
本開示の一態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属炭酸塩の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および/または炭酸カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、金属炭酸塩を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属炭酸塩を得ることと、
硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
炭酸化プロセスによって、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換することと、
炭酸化プロセスによって得られた炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0020】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および/または炭酸カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属炭酸塩を含む固体と、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属炭酸塩を得ることと、
硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムのうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硝酸カリウムのうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
炭酸化プロセスによって、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムのうちの少なくとも1種に変換することと、
炭酸化プロセスによって得られた炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムのうちの少なくとも1種の少なくとも第1の部分を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、
炭酸化プロセスによって得られた炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムのうちの少なくとも1種の少なくとも第2の部分を、得られた金属炭酸塩と反応させて、金属炭酸塩の混合物を得ることと、
金属炭酸塩の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0021】
本開示の別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属炭酸塩の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩を、第2の金属を含む塩基および任意にキレート剤と反応させて、金属炭酸塩を含む固体と、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属炭酸塩を得ることと、
第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を、第2の金属水酸化物に変換するための電気膜プロセスに、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
炭酸化プロセスによって、第2の金属水酸化物を、少なくとも1種の炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムである第2の金属炭酸塩に変換することと、
炭酸化プロセスによって得られた第2の金属炭酸塩を、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0022】
別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩を、第2の金属を含む塩基および任意にキレート剤と反応させて、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属炭酸塩を含む固体と、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属炭酸塩を得ることと、
第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を、第2の金属水酸化物に変換するための電気膜プロセスに、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
炭酸化プロセスによって、第2の金属水酸化物を、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムのうちの少なくとも1種である第2の金属炭酸塩に変換することと、
炭酸化プロセスによって得られた第2の金属炭酸塩の少なくとも第1の部分を、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、
炭酸化プロセスによって得られた第2の金属炭酸塩の少なくとも第2の部分を、得られた金属水酸化物と反応させて、金属炭酸塩の混合物を得ることと、
金属炭酸塩の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0023】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)リチウムと、(ii)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、該金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
該液体および該固体を互いに分離して、該金属水酸化物を得ることと、
硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、該硫酸ナトリウムおよび該硫酸リチウムを含む該液体を提供することと、
該電気膜プロセスによって得られた該水酸化ナトリウムを、該金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0024】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)リチウムと、(ii)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、該金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
該液体および該固体を互いに分離して、該金属水酸化物を得ることと、
硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを互いに分離することと、
該硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸ナトリウムを含む該液体を提供することと、
該電気膜プロセスによって得られた該水酸化ナトリウムを、該金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0025】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(I)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、該金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムを含む液体と、を得ることと、
該液体および該固体を互いに分離して、該金属水酸化物を得ることと、
該硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸ナトリウムを含む該液体を提供することと、
該電気膜プロセスによって得られた該水酸化ナトリウムを、該金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0026】
別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属炭酸塩の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3から選択される塩基、ならびに任意にキレート剤と反応させて、金属炭酸塩を含む固体と、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
炭酸化プロセスによって、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種を、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3に変換することと、
炭酸化プロセスによって得られたLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3のうちの少なくとも1種を、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0027】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属硫酸塩および/または金属硝酸塩を、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3から選択される塩基、ならびに任意にキレート剤と反応させて、金属炭酸塩を含む固体と、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
該液体および該固体を互いに分離して、該金属炭酸塩を得ることと、
Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2のうちの少なくとも1種に変換するための電気膜プロセスに、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、Rb2SO4、Cs2SO4、MgSO4、CaSO4、SrSO4、BaSO4、LiNO3、NaNO3、KNO3、RbNO3、CsNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Sr(NO3)2、およびBa(NO3)2のうちの少なくとも1種を含む該液体を提供することと、
炭酸化プロセスによって、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種を、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3に変換することと、
該炭酸化プロセスによって得られたLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3のうちの該少なくとも1種の少なくとも第1の部分を、該金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
該炭酸化プロセスによって得られたLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3のうちの該少なくとも1種の少なくとも第2の部分を、該得られた金属炭酸塩と反応させて、金属炭酸塩の混合物を得ることと、
金属炭酸塩の該混合物を焙煎して、該金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0028】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
(i)リチウムと、(ii)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、該金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
該液体および該固体を互いに分離して、該金属水酸化物を得ることと、
硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムを、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、該硫酸ナトリウムおよび該硫酸リチウムを含む該液体を提供することと、
該水酸化リチウムおよび該水酸化ナトリウムを互いに分離することと、
該電気膜プロセスによって得られた該水酸化ナトリウムの少なくとも第1の部分を、該金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
該電気膜プロセスによって得られた該水酸化リチウムの少なくとも第1の部分を、該得られた金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の該混合物を焙煎して、該金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0029】
別の態様によれば、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩を、第2の金属を含む塩基および任意にキレート剤と反応させて、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含む金属水酸化物を含む固体と、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を、第2の金属水酸化物に変換するための電気膜プロセスに、第2の金属硫酸塩および第2の金属硝酸塩のうちの少なくとも1種を含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた第2の金属水酸化物の少なくとも第1の部分を、第1の金属硫酸塩および/または第1の金属硝酸塩と反応させるために再利用することと、
第3の金属水酸化物を、得られた金属水酸化物と混合して、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0030】
本開示の別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(I)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムを含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸ナトリウムを含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化ナトリウムを、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0031】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための電気膜プロセスに、硫酸ナトリウムを含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化ナトリウムの少なくとも第1の部分を、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
別の金属水酸化物を、得られた金属水酸化物と混合して、金属水酸化物の混合物を得ることと、
金属水酸化物の混合物を焙煎して、金属酸化物を得ることと、を含む、プロセスが提供される。
【0032】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、該金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムおよび任意に硫酸リチウムを含む液体と、を得ることと、
該液体および該固体を互いに分離して、該金属水酸化物を得ることと、
硫酸ナトリウムおよび任意に硫酸リチウムを、水酸化ナトリウムおよび任意に水酸化リチウムに変換するための電気膜プロセスに、該硫酸ナトリウムおよび任意に該硫酸リチウムを含む該液体を提供することと、
該電気膜プロセスによって得られた該水酸化ナトリウムを、該金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0033】
別の態様によれば、(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウム、ならびに任意にキレート剤と反応させて、金属水酸化物を含む固体と、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウム含む液体と、を得ることと、
液体および固体を互いに分離して、金属水酸化物を得ることと、
硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウムを、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または水酸化カリウムそれぞれに変換するための電気膜プロセスに、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウムを含む液体を提供することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化ナトリウムを、金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、
電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムを、金属硫酸塩および/または金属水酸化物と反応させるために再利用することと、を含む、プロセスが提供される。
【0034】
別の態様によれば、カソードの製造において、本開示に記載されるプロセスから得られる金属水酸化物、金属炭酸塩、および/または金属酸化物の使用が提供される。
【0035】
別の態様によれば、本開示に記載されるプロセスから得られる金属水酸化物、金属炭酸塩、および/または金属酸化物を使用する方法が提供され、この方法は、金属水酸化物、金属炭酸塩、および/または金属水酸化物をカソードの製造に組み込むことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本開示の様々な実施形態を、単に例として表す以下の図面において、
【0037】
【
図1】本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図2】LiOHを塩基源として使用して得られた水酸化コバルトCo(OH)
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図3】NaOHを塩基源として使用して得られた水酸化コバルトCo(OH)
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図4】
図2のCo(OH)2を使用することによって得られたLiCoO
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図5】
図3のCo(OH)2を使用することによって得られたLiCoO
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図6】LiCoO
2の充放電曲線を表すグラフである。
【
図7】ニッケル-コバルト-アルミニウム水酸化物Ni
0.8Co
0.15Al
0.05O
2(OH)
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図8】リチウム化ニッケル-コバルト-アルミニウム酸化物LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図9】LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2の充放電曲線のグラフである。
【
図10】ニッケル-マンガン-コバルト水酸化物Ni
0.8Mn
0.1Co
0.1(OH)
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図11】リチウム化ニッケル-マンガン-コバルト酸化物LiNi
0.8Mn
0.1Co
0.1O
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図12】ニッケル-マンガン-コバルト水酸化物Ni
0.6Mn
0.2Co
0.2(OH)
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図13】リチウム化ニッケル-マンガン-コバルト酸化物LiNi
0.6Mn
0.2Co
0.2O
2のX線回折パターン(黒)、およびこの化合物の理論上の回折ピーク(垂直バー)である。
【
図14】LiNi
0.6Mn
0.2Co
0.2O
2の充放電曲線を表すグラフである。
【
図15】Li
2SO
4の電解の例において、時間の関数としての2区画セルの陽極液中のH
2SO
4の濃度を示すプロットである。
【
図16】Li
2SO
4の電解の例において、時間の関数としての2区画セル内の陽極液および陰極液の導電性を示すプロットである。
【
図17】Li
2SO
4の電解の例において、時間の関数としての2区画セル内の陽極液および陰極液の温度を示すプロットである。
【
図18】Li
2SO
4の電解の例において、時間の関数としての2区画セル内の電圧を示すプロットである。
【
図19】Li
2SO
4の電解の例において、2区画セル内のH
2SO
4の濃度の関数としてのLiOH・H
2Oの流量を示すプロットである。
【
図20】Li
2SO
4の電解の例において、2区画セル内のH
2SO
4の濃度の関数としてのLiOH・H
2Oの流量を示す別のプロットである。
【
図21】Li
2SO
4の電解の例において、2区画セル内のH
2SO
4の濃度の関数としての電流効率を示すプロットである。
【
図22】Li
2SO
4の電解の例において、2区画セル内のH
2SO
4の濃度の関数としてのLiOH・H
2Oの生産性を示すプロットである。
【
図23】Li
2SO
4の電解の例において、2区画セル内のH
2SO
4の濃度の関数としてのエネルギー消費量を示すプロットである。
【
図24】pH向上剤としてLiOHを使用する、本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図25】pH向上剤としてNaOHを使用する、本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図26】pH向上剤としてLiOHおよび/またはNaOHを使用する、本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図27】リチウムイオンを含有する金属硫酸塩溶液のためのpH向上剤としてNaOHを使用する、本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図28】電気膜プロセスの前に回収された硫酸塩溶液の精製および/または濃縮を伴う、本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図29】電気膜プロセス、および陽極液溶液の濃縮、およびH
2O
2の添加前に回収された硫酸塩溶液の精製および/または濃縮を伴う、本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図30】pH向上剤としてLiOHおよび/またはNaOHを使用する、コア-シェル合成のための本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図31】金属炭酸塩の沈殿のためのpH向上剤としてLi2CO3を使用する、リチウム化金属酸化物の合成のための本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図32】遷移金属源の浸出のために硝酸使用する、本開示の実施形態によるプロセスの概略図である。
【
図33】ニッケルコバルト精鉱を浸出させるためにH
2SO
4を使用する、高純度硫酸塩の生成プロセスの概略図である。
【
図34】高純度硫酸塩の生成プロセスの概略図である。
【
図35】高純度硫酸塩の生成プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
別段の指示がない限り、この項および他の項で記載される定義および実施形態は、当業者によって理解されるように、それらが好適である本明細書で記載される本出願のすべての実施形態および態様に適用可能であるように意図される。
【0039】
本開示で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数の参照を含む。
【0040】
本開示の範囲の理解において、本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語およびその派生語は、述べられた特徴、要素、成分、群、整数、および/または工程の存在を指定する非制限的用語であることが意図され、他の述べられていない特徴、要素、成分、群、整数、および/または工程の存在を除外しない。上記は、「含む(including)」、「有する(having)」という用語およびそれらの派生語など、同様の意味を持つ単語にも適用される。本明細書で使用される場合、「からなる(consisting)」という用語およびその派生語は、述べられた特徴、要素、成分、群、整数、および/または工程の存在を指定する制限的用語であることが意図され、他の述べられていない特徴、要素、成分、群、整数、および/または工程の存在を除外する。本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、述べられた特徴、要素、成分、群、整数、および/または工程の存在、ならびに特徴、要素、成分、群、整数、および/または工程の基本的で新規な特性(複数可)に重大な影響を与えないものを指定することが意図される。
【0041】
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」などの程度の用語は、最終結果に有意な変化がないように修飾された用語の妥当な量の偏差を意味する。この偏差が、それが修飾する単語の意味を否定しない場合、これらの程度の用語は、修飾された用語の±10%の偏差を含むと解釈されるべきである。
【0042】
本明細書で使用される場合、「好適な」という用語は、特定の条件の選択が、実行される具体的な操作または動作に依存するが、選択は、当業者の技能の範囲内であることを意味する。本明細書に記載されるすべてのプロセスは、所望の生成物を提供するのに十分な条件下で行われるべきである。当業者は、適用可能な場合、例えば、反応時間、反応温度、反応圧力、反応物比、流量、反応物純度、電流密度、電圧、濃度、pH、酸化還元電位、セル面積、使用される膜の種類、およびリサイクル率を含む、すべての反応条件が、変更されて、所望の生成物の収量を最適化し得、そうすることは当業者の技能の範囲内であることを理解するであろう。
【0043】
本明細書で使用される場合、「少なくとも実質的に維持される」という表現は、本開示のプロセスまたはその一部分(例えば、電解など)の間に維持されるpH値またはpH範囲を指す場合、pH値またはpH範囲を、プロセスまたはその一部分の間の時間の少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98または99%で維持することを指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「少なくとも実質的に維持される」という表現は、本開示のプロセスまたはその一部分(例えば、電解など)の間に維持される濃度値または濃度範囲を指す場合、濃度値または濃度範囲を、プロセスまたはその一部分の間の時間の少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98または99%で維持することを指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、「少なくとも実質的に維持される」という表現は、本開示のプロセスまたはその一部分(例えば、電解など)の間に維持される温度値または温度範囲を指す場合、温度値または温度範囲を、プロセスまたはその一部分の間の時間の少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98または99%で維持することを指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「少なくとも実質的に維持される」という表現は、本開示のプロセスまたはその一部分(例えば、電解など)の間に維持される電流密度値または電流密度範囲を指す場合、電流密度値または電流密度範囲を、プロセスまたはその一部分の間の時間の少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98または99%で維持することを指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「少なくとも実質的に維持される」という表現は、本開示のプロセスまたはその一部分(例えば、電解など)の間に維持される電流効率値または電流効率範囲を指す場合、電流効率値または電流効率範囲を、プロセスまたはその一部分の間の時間の少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98または99%で維持することを指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、「少なくとも実質的に維持される」という表現は、本開示のプロセスまたはその一部分(例えば、電解など)の間に維持される電圧値または電圧範囲を指す場合、電圧値または電圧範囲を、プロセスまたはその一部分の間の時間の少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98または99%で維持することを指す。
【0049】
本明細書で使用される場合、「電気膜プロセス」という用語は、例えば、イオン種の推進力としてイオン交換膜(複数可)および電位差を使用するプロセスを指す。電気膜プロセスは、例えば、(膜)電気透析または(膜)電解であり得る。例えば、電気膜プロセスは、膜電解であり得る。
【0050】
本明細書で使用される場合、「炭酸化プロセス」という用語は、例えば、金属水酸化物が金属炭酸塩に変換されるプロセスを指す。例えば、このようなプロセスは、気体CO2の使用を含み得る。例えば、このようなプロセスは、CO2の気泡を含み得る。
【0051】
以下に提示される例は非限定的であり、本開示のプロセスをよりよく例示するために使用される。
【0052】
例えば、水酸化物は、ニッケル-コバルト-マンガン水酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウム水酸化物、リチウム-コバルト水酸化物、水酸化ニッケル、ニッケル-コバルト-マンガンオキシ水酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウムオキシ水酸化物、オキシ水酸化ニッケル、およびリチウム-コバルトオキシ水酸化物から選択され得る。
【0053】
例えば、酸化物は、ニッケル-コバルト-マンガン酸化物、ニッケル-コバルト-アルミニウム酸化物、酸化ニッケル、リチウム-ニッケル-コバルト-マンガン酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム酸化物、リチウム-ニッケル酸化物、およびリチウム-コバルト酸化物から選択され得る。
【0054】
例えば、固体は、金属水酸化物を含む沈殿物であり、沈殿物は、約8~約14のpHで得られる。
【0055】
例えば、固体は、金属水酸化物を含む沈殿物であり、沈殿物は、約9~約13のpHで得られる。
【0056】
例えば、固体は、金属水酸化物を含む沈殿物であり、沈殿物は、約10~約12のpHで得られる。
【0057】
例えば、プロセスは、金属水酸化物を洗浄することをさらに含む。
【0058】
例えば、プロセスは、約80℃~約130℃または90℃~約120℃の温度で金属水酸化物を乾燥させることをさらに含む。
【0059】
例えば、金属硫酸塩は、水酸化リチウムおよびアンモニアであるキレート剤と反応する。
【0060】
例えば、金属硫酸塩は、炭酸リチウムおよびアンモニアであるキレート剤と反応する。
【0061】
例えば、金属硫酸塩は、炭酸リチウムおよびアンモニア炭酸水素であるキレート剤と反応する。
【0062】
例えば、第1の金属は、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択され得る。
【0063】
例えば、塩基は、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種を含み得る。
【0064】
例えば、塩基は、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrCO3、およびBaCO3のうちの少なくとも1種を含み得る。
【0065】
例えば、塩基は、LiHCO3、NaHCO3、KHCO3、RbHCO3、CsHCO3、Mg(HCO3)2、Ca(HCO3)2、Sr(HCO3)2、およびBa(HCO3)2のうちの少なくとも1種を含み得る。
【0066】
例えば、金属水酸化物は、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、およびBa(OH)2のうちの少なくとも1種を含み得る。
【0067】
例えば、第2の金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、またはBaであり得る。
【0068】
例えば、第3の金属は、Li、Na、Ni、Co、Mn、Al、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、またはBaであり得る。
【0069】
例えば、第3の金属水酸化物は、LiOHであり得る。
【0070】
例えば、別の金属は、Li、Na、Ni、Co、Mn、Al、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、またはBaであり得る。
【0071】
例えば、別の金属水酸化物は、LiOHであり得る。
【0072】
例えば、塩基は、金属硫酸塩と反応する前に精製され得る。例えば、塩基は、結晶化し得る。
【0073】
例えば、電気膜プロセスによって生成される金属水酸化物は、金属硫酸塩と反応する前に精製され得る。例えば、金属水酸化物は、結晶化し得る。
【0074】
例えば、硫酸塩を含む液体を電気膜に提供して、水酸化物を得る前に、硫酸塩は、精製および/または濃縮され得る。
【0075】
例えば、キレート剤は、NH3、NH4OH、アセチルアセトン、5-スルホサリチル酸、シュウ酸から選択され得る。
【0076】
例えば、キレート剤は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、DCTA(トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、DTPA(ジエチレン-トリアミン五酢酸)、およびEGTA(エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N′,N′-四酢酸)から選択され得る。
【0077】
例えば、キレート剤は存在し得る。
【0078】
例えば、電気膜プロセスが、Na系プロセスである場合、(硫酸リチウムとしての溶液中の)リチウムを、硫酸ナトリウム溶液から分離するための精製工程が実行され得る。
【0079】
例えば、硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムは、互いに分離され得る。
【0080】
例えば、硫酸ナトリウムおよび硫酸リチウムは、結晶化によって互いに分離され得る。
【0081】
例えば、金属水酸化物は、NiCoAl(OH)2またはNiMnCo(OH)2であり得る。
【0082】
例えば、金属水酸化物は、Ni0.8Co0.15Al0.05(OH)2、Ni0.8Mn0.1Co0.1(OH)2、およびNi0.6Mn0.2Co0.2(OH)2から選択され得る。
【0083】
例えば、金属酸化物は、式LiMO2のものであり得、式中Mは、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属である。
【0084】
例えば、金属酸化物は、式LiM2O4のものであり得、式中Mは、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属である。
【0085】
例えば、金属水酸化物または金属酸化物は、コア-シェル型のものであり得る。
【0086】
例えば、金属酸化物は、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、およびLiNi0.8Co0.15Al0.05O2、または[LiNixM1yM2zO2]コア/[LiNiaM1bM2cO2]シェルから選択され得、M1=Mn、Co、またはAl、M2=Mn、Co、またはAl、x+y+z=1、a+b+c=1である。
【0087】
例えば、金属酸化物は、リチウム豊富の場合、式LiMO2、またはLi(1+x)M(1-x)O2、Li不足の場合、Li(1-z)M(1+z)O2のものであり得、式中、Mは、ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属であり得る。
【0088】
例えば、電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムは、そのまま水性組成物中で使用され得、得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る。
【0089】
例えば、電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムは、得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化し得る。
【0090】
例えば、電気膜プロセスによって得られた水酸化リチウムは、得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化し得、次いで溶解し得る。
【0091】
例えば、金属水酸化物の混合物の焙煎は、少なくとも350℃の第1の温度で、少なくとも約4時間の期間焙煎することを含む。
【0092】
例えば、金属水酸化物の混合物の焙煎は、少なくとも約400℃の第1の温度で、少なくとも約6時間の期間焙煎することを含む。
【0093】
例えば、本プロセスは、少なくとも約600℃の第2の温度で、少なくとも約6時間の期間焙煎することを含む、金属水酸化物の混合物を焙煎することをさらに含み得る。
【0094】
例えば、本プロセスは、少なくとも約700℃の第2の温度で、少なくとも約8時間の期間焙煎することを含む、金属水酸化物の混合物を焙煎することをさらに含み得る。
【0095】
例えば、本プロセスは、少なくとも約500℃の第2の温度で、少なくとも約8時間の期間焙煎することを含む、金属水酸化物の混合物を焙煎することをさらに含み得る。
【0096】
例えば、NH3は、混合物形成中に、インサイチュで回収され得る。
【0097】
例えば、Li2SO4をLiOHに変換するための電気膜プロセスは、WO2013/159194、WO2013/177680、WO2014/138933、WO2015/058287、WO2015/058288、WO2015/123762、およびWO2017/031595のうちのいずれか1つに記載されているような電気膜プロセスから選択され得る。これらの文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0098】
例えば、炭酸化は、WO2013/177680またはWO2015/058287に記載されているように実施され得、それらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0099】
本開示のプロセスは、例えばバッチプロセスとして動作され得る。あるいは、本開示のプロセスは、半連続プロセスまたは連続プロセスとして動作され得る。
【0100】
これらに限定されないが、pH、温度、電流密度、電圧、電流効率、および濃度などの本開示のプロセスの1つ以上のパラメータが、例えば当該技術分野において既知の手段によって監視され得ることは、当業者には理解される。本開示のプロセスにおける特定のパラメータを監視するための好適な手段の選択は、当業者によって行われ得る。このようなパラメータはまた、例えば、当業者の一般的な知識に照らして、かつ本開示を参照して、当業者によって維持および/または変更され得る。
【0101】
当業者は、様々な異なる供給源が、金属硫酸塩に使用され得ることを理解するであろう。金属硫酸塩(複数可)は、購入され得る。金属硫酸塩は、金属または金属の混合物をH2SO4で浸出させることによっても得られ得る。金属硫酸塩(複数可)は、使用済みリチウムイオン電池の浸出によって得られ得る。金属硫酸塩(複数可)は、使用済みリチウムイオン電池を粉砕した後に得られた残留物を浸出させることによって得られ得る。金属硫酸塩(複数可)は、使用済みリチウムイオン電池の処理後に残留物を浸出させることによって得られ得る。金属硫酸塩(複数可)は、例えば、浸出された遷移金属の混合物から取り出され得る。金属硫酸塩(複数可)は、鉱業会社から取り出された精鉱から提供され得る。金属硫酸塩は(複数可)、コバルトを含有するニッケル鉱石の浸出によって得られ得る。
【0102】
例えば、電気膜プロセス中に、水酸化リチウムを調製するための硫酸リチウムの消費量は、所定の程度まで進行し得る。
【0103】
例えば、硫酸リチウムを含む組成物は、H2SO4も含み得る。
【0104】
例えば、本開示のプロセスにおいて、硫酸リチウムを含む水性組成物は、硫酸リチウムの水酸化リチウムへの所定の程度まで進行する変換のための好適な条件下で、電気膜プロセスに提供される。本開示の特定のプロセスのための好適な所定の程度の選択は、当業者によって行われ得る。例えば、硫酸リチウムを含む水性組成物は、水酸化リチウムを調製するための硫酸リチウムの消費のための好適な条件下で、1つ以上の競合する副反応が所定の程度、例えば、水酸化リチウムの調製が、もはや効率的ではない程度まで進行するまで、電気膜プロセスに提供される。
【0105】
例えば、電気膜プロセスは、陽イオン交換膜によって陰極液区画から分離された陽極液区画を含む電気化学セル内で実行される2区画単極または双極膜電解プロセスであり、硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換は、水酸化物電流効率が、もはや効率的でなくなるまで、例えば、水酸化物電流効率が、少なくとも実質的に維持されなくなって低下するまで、進行し得る。例えば、電気膜プロセスは、陽イオン交換膜によって陰極液区画から分離された陽極液区画を含む電気化学セル内で実行される2区画単極または双極膜電解プロセスであり、硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換は、陽極液区画内のpHが、約0.3~約1.4、約0.4~約1.2、約0.4~約1.2、約0.5~約0.8、約0.5~約0.7または約0.6の値になるまで、進行し得る。
【0106】
例えば、電気膜プロセスは、陽イオン交換膜によって陰極液区画から分離された陽極液区画を含む電気化学セル内で実行される2区画単極または双極膜電解プロセスであり、硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換は、水性組成物内に含まれる硫酸リチウムの特定量が消費されるまで、進行し得る。
【0107】
例えば、所定の程度は、水性組成物中に含まれる硫酸リチウムの全量に基づいて、水性組成物内に含まれる硫酸リチウムの約30~約60重量%または約30~約50重量%の消費量を含み得る。例えば、所定の程度は、水性組成物内に含まれる硫酸リチウムの約35~約45重量%の消費量を含み得る。
【0108】
例えば、電気膜プロセスは、3区画膜電解プロセス、例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスを含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。
【0109】
例えば、電気膜プロセスは、2区画膜電解プロセス、例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスを含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。
【0110】
例えば、電気膜プロセスは、3区画膜電解プロセス、例えば、3区画双極膜電解プロセスを含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。
【0111】
例えば、電気膜プロセスは、2区画膜電解プロセス、例えば、2区画双極膜電解プロセスを含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。
【0112】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスなどの2区画膜電解プロセスは、陽イオン交換膜によって陰極液区画から分離された陽極液区画を含む電気化学セル内で実行され得る。
【0113】
例えば、陽イオン交換膜は、Nafion(商標)324(または過フッ素化スルホン酸)、FuMA-Tech FKBまたはAstom CMB陽イオン交換膜などの苛性アルカリ濃縮に使用される陽イオン交換膜または他の膜、などのパーフルオロスルホン酸を含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。本開示の特定のプロセスのための好適な陽イオン交換膜の選択は、当業者によって行われ得る。
【0114】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスなどの2区画膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む水性流は、陽極液区画に導入され得、第1のリチウム低減水性流は、陽極液区画から除去され得、第1の水酸化リチウム富化水性流は、陰極液区画から除去され得る。
【0115】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスの陰極液区画において、水酸化リチウムは、少なくとも実質的に、約1M~約4M、約2M~約4M、約2M~約3M、約2.5~約3.5M、約2.8~約3.2Mまたは約3Mの濃度に維持され得る。
【0116】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む水性流は、約10℃~約100℃、約10℃~約100℃、約10℃~約90℃、約20℃~約85℃、約40℃~約80℃、約40℃~約70℃、約45℃~約60℃、約45℃~約55℃または約50℃の温度で陽極液区画に導入され得る。
【0117】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセス中に、第1のリチウム低減水性流は、約20℃~約100℃、約20℃~約85℃、約50℃~約85℃、約55℃~約65℃、約45℃~約60℃、約60℃~約85℃、約70℃~約85℃または約80℃の温度で陽極液区画から除去され得る。
【0118】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセス中に、電気化学セル内の温度は、少なくとも実質的に、約60℃~約110℃、約60℃~約100℃、約60℃~約90℃、約60℃~約85℃、約50℃~約85℃、約50℃~約70℃、約55℃~約65℃、約75℃~約85℃または約80℃の値に維持され得る。
【0119】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度は、少なくとも実質的に、約0.1kA/m2~約8000kA/m2、0.5kA/m2~約6kA/m2、約1kA/m2~約6kA/m2、約2kA/m2~約6kA/m2、または約3kA/m2~約5kA/m2の値に維持され得る。例えば、電流密度は、少なくとも実質的に、約3kA/m2、約4kA/m2、および約5kA/m2から選択される値に維持され得る。例えば、電流密度は、少なくとも実質的に、約4kA/m2の値に維持され得る。
【0120】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧は、少なくとも実質的に、約3V~約8V、約5V~約10V、約4V~約6V、約4~約5または約4.5の値に維持され得る。
【0121】
例えば、電気化学セルは、約0.2m2~約4m2、約0.5m2~約3.5m2、約1m2~約3m2、または約1m2~約2m2の表面積を有し得る。
【0122】
例えば、電気膜プロセスは、2区画膜電解プロセス、例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスを含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。
【0123】
例えば、電気膜プロセスは、3区画膜電解プロセス、例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスを含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。
【0124】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスなどの3区画膜電解プロセスは、陰イオン交換膜によって中央区画から分離された陽極液区画と、陽イオン交換膜によって中央区画から分離された陰極液区画と、を含む、電気化学セル内で実行され得る。
【0125】
例えば、陽イオン交換膜は、Nafion(商標)324陽イオン交換膜、またはFuMA-Tech FKBまたはAstom CMB陽イオン交換膜などの苛性アルカリ濃縮に使用される他の膜、などのパーフルオロスルホン酸を含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。本開示の特定のプロセスのための好適な陽イオン交換膜の選択は、当業者によって行われ得る。
【0126】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスなどの3区画膜電解プロセス中に、第1のリチウム低減水性流は、中央区画に導入され得、第2のリチウム低減水性流は、中央区画から除去され得、第2の水酸化リチウム富化水性流は、陰極液区画から除去され得る。
【0127】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスなどの3区画膜電解プロセスは、陽極液区画内で硫酸などの酸を生成すること、硫酸含有水性流などの酸含有水性流を陽極液区画から除去することと、をさらに含み得る。
【0128】
本開示の特定のプロセスのための好適な陰イオン交換膜の選択は、当業者によって行われ得る。例えば、プロトン遮断膜が、例えば、硫酸などの酸を併産するプロセスにおいて有用であり得ることは、当業者には理解される。例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、陰イオン交換膜は、プロトン遮断膜であり得る。例えば、プロトン遮断膜は、Fumatech FAB、Astom ACM、またはAsahi AAV陰イオン交換膜などであり得る。
【0129】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスの陽極液区画において、硫酸などの酸は、少なくとも実質的に、約0.1M~約2Mの硫酸などの酸の濃度に維持され得る。例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスの陽極液区画において、硫酸は、少なくとも実質的に、約0.5M~約1.5M、約0.7M~約1.2Mまたは約0.8Mであり得る硫酸の濃度に維持され得る。
【0130】
例えば、3区画膜電解プロセスの陰極液区画において、水酸化リチウムは、少なくとも実質的に、約1M~約5.0M、約1M~約4.0M、約1M~約3.0M、約2M~約3.0M、約1.5M~約2.5M、約1.8M~約2.2Mまたは約2Mの濃度に維持され得る。
【0131】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセス中に、第1のリチウム低減水性流は、約20℃~約85℃、約40℃~約85℃、約40℃~約75℃、約50℃~約70℃、約50℃~約65℃または約60℃の温度で中央区画に導入され得る。
【0132】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセス中に、第2のリチウム低減水性流は、約20℃~約80℃、約30℃~約70℃、約40℃~約80℃または約60℃の温度で陽極液区画から除去され得る。
【0133】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセス中に、第2の電気化学セル内の温度は、少なくとも実質的に、約30℃~約90℃、約40℃~約85℃、約50℃~約80℃、約50℃~約70℃、約50℃~約65℃、約50℃~約70℃、約55℃~約65℃または約60℃の値に維持され得る。
【0134】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電流密度は、少なくとも実質的に、約0.5kA/m2~約5kA/m2、約1kA/m2~約2kA/m2、約3kA/m2~約5kA/m2、約4kA/m2または約1.5kA/m2の値に維持され得る。
【0135】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、電圧は、少なくとも実質的に、約5V~約9V、約6V~約8V、約6.5V~約7.5Vまたは約7Vの値に維持され得る。
【0136】
例えば、電気化学セルは、約0.2m2~約4m2、約0.5m2~約3.5m2、約1m2~約3m2、または約1m2~約2m2のセル面積を有し得る。
【0137】
あるいは、例えば、本開示のプロセスにおいて、3区画単極または双極膜電解プロセスは、アンモニアを陽極液区画に導入することと、陽極液区画内で硫酸アンモニウムなどのアンモニウム化合物を生成することと、硫酸アンモニウム含有水性流などのアンモニウム化合物含有水性流を陽極液区画から除去することとを、さらに含み得る。
【0138】
本開示の特定のプロセスのための好適な陰イオン交換膜の選択は、当業者によって行われ得る。例えば、硫酸などの酸を併産しないプロセスにおいて、プロトン遮断膜ではない陰イオン交換膜が、例えば、プロトン遮断膜よりも高い温度に耐え、かつ/または低い抵抗を有し得るので有用であり得ることは、当業者には理解される。例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスにおいて、陰イオン交換膜は、プロトン遮断膜でなくてもよい。例えば、陰イオン交換膜は、Astom AHA陰イオン交換膜またはFuMA-Tech FAPなどであり得る。
【0139】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスの陽極液区画において、硫酸アンモニウムなどのアンモニウム化合物は、少なくとも実質的に、約0.5M~約5M、約1M~約4Mまたは約3Mの硫酸アンモニウムなどのアンモニウム化合物の濃度に維持され得る。
【0140】
例えば、3区画単極または双極膜電解プロセスの陰極液区画において、水酸化リチウムは、少なくとも実質的に、約1M~約4.0M、約1.5M~約2.5Mまたは約2Mの濃度に維持され得る。
【0141】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスの陽極液区画、および/または3区画単極または双極膜電解プロセスの中央区画内のpHは、少なくとも実質的に維持され得る。例えば、pHは、2区画単極または双極膜電解プロセスの電流密度、3区画単極または双極膜電解プロセスの電流密度、第1のリチウム低減水性流の流量、および第2のリチウム低減水性流の流量のうちの少なくとも1つを調整することによって、少なくとも実質的に維持され得る。
【0142】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムの水酸化リチウムへの変換は、所定の程度まで進行し得る。
【0143】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセス中に、硫酸リチウムを含む水性流は、陽極液区画に導入され得、第1のリチウム低減水性流は、陽極液区画から除去され得、第1の水酸化リチウム富化水性流は、陰極液区画から除去され得、3区画単極または双極膜電解プロセス中に、第1のリチウム低減水性流は、中央区画に導入され得、第2のリチウム低減水性流は、中央区画から除去され得、第2の水酸化リチウム富化水性流は、陰極液区画から除去され得る。
【0144】
例えば、本プロセスは、第2のリチウム低減水性流の少なくとも一部分を、2区画単極または双極膜電解プロセスにリサイクルすることをさらに含み得る。
【0145】
本明細書で考察される例を使用して、プロセスが必要に応じて変更され得ることも、当業者には理解される。
【0146】
例えば、本開示のプロセスの少なくとも一部分は、バッチプロセスとして動作され得る。あるいは、例えば、本プロセスは、連続プロセスまたは半連続プロセスとして動作され得る。例えば、2区画単極もしくは双極膜電解プロセスの陽極液区画、および/または3区画単極もしくは双極膜電解セルの中央区画内のpHが、例えば、本明細書に記載されるような、2区画単極もしくは双極膜電解プロセス、および/もしくは3区画単極もしくは双極膜電解プロセスの電流密度、ならびに/またはプロセス間を流れる流れの流量を調整することによって、少なくとも実質的に維持され得ることは、当業者には理解される。
【0147】
例えば、2区画単極または双極膜電解プロセスの陽極液区画、および/または3区画単極または双極膜電解プロセスの中央区画内のpHは、少なくとも実質的に維持され得る。
【0148】
例えば、pHは、2区画単極または双極膜電解プロセスの電流密度、3区画単極または双極膜電解プロセスの電流密度、第1のリチウム低減水性流の流量、および第2のリチウム低減水性流の流量のうちの少なくとも1つを調整することによって、少なくとも実質的に維持され得る。
【0149】
pHの測定および/または監視のための好適な手段の選択は、当業者によって行われ得る。好適な電流密度および/または好適な流量の選択は、当業者によって行われ得る。
【0150】
例えば、本プロセスは、第1の水素含有流を電気化学セルの陰極液区画から除去することをさらに含み得る。例えば、本プロセスは、酸素含有流を電気化学セルの陽極液区画から除去することをさらに含み得る。
【0151】
例えば、電気化学セルは、陽極液区画内のpHを測定する手段をさらに含み得、システムは、陽極液区画内のpHが所定の値を下回る場合、第1のリチウム低減水性流を運ぶように構成されている。
【0152】
例えば、電気化学セルは、中央区画内のpHを測定する手段をさらに含み得、システムは、中央区画内のpHが所定の値を超える場合、未変換の硫酸リチウムを電気化学セルの中央区画から運ぶように構成されている。
【0153】
例えば、電気化学セルは、第2の電気化学セルの陰極液区画内の水酸化リチウムの濃度を測定する手段をさらに含み得る。
【0154】
例えば、水酸化リチウムは、水酸化リチウム1水和物として結晶化し、任意に乾燥され、得られた金属水酸化物と固体状態で反応して、金属水酸化物の混合物を得ることができる。
【0155】
例えば、金属硫酸塩は、電池を浸出させることによって得られ得る。
【0156】
例えば、電池は、LFP(LiFePO4)を含み得る。
【0157】
例えば、水酸化リチウムは、それを金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を形成する前に、濃縮され得る。
【0158】
例えば、濃縮は、逆浸透を使用することによって、または加熱することによって実行され得る。
【0159】
例えば、水酸化リチウムは、それを金属水酸化物と反応させて、金属水酸化物の混合物を形成する前に、結晶化し得る。
【0160】
例えば、金属酸化物は、ラメラ構造Li(M2+)O2を有し得る。
【0161】
例えば、金属酸化物は、スピネル構造Li(Mx+)2O4、avec 3<X<4を有し得る。
【0162】
例えば、水酸化リチウム組成物は、金属硫酸塩と反応する前に濃縮され得る。
【0163】
例えば、濃縮は、逆浸透を使用することによって、または加熱することによって実行され得る。
【0164】
例えば、キレート剤は、NH3であり得る。
【0165】
例えば、LiOHは濃縮され、次いで結晶化せずに金属水酸化物と直接反応し得る。例えば、LiOHは濃縮され、結晶化し、任意に乾燥され、次いで金属水酸化物と直接反応し得る。
【0166】
例えば、LiOHは、気流乾燥機で処理され得る。
【0167】
例えば、LiOHおよび金属水酸化物は、一緒に反応して、混合物を得ることができ、次いで一緒に加熱される。
【0168】
例えば、LiOHおよび金属水酸化物は、一緒に反応して、混合物を得ることができ、次いで噴霧乾燥機で一緒に加熱される。
【0169】
例えば、硫酸リチウム1水和物の結晶は、セルに挿入されて、Li2SO4濃度を増加させ得る。
【0170】
例えば、硫酸塩または水酸化物は、溶媒抽出法によって精製され得る。例えば、溶媒抽出に使用される溶媒は、亜リン酸をベースにすることができ、例えば、Cyanex 272、Cyanex 301、Cyanex 302、ジ-(2-エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)、DEHTPA、Baysolvex DEDP、Ionquest 801、Hoe F 3787、MEHPA、P204、PC88A、P507、またはヒドロキシ-オキシム抽出剤(例えば、Acorga P50、Acorga K2000、LIX 84-I、SME 529、LIX 65N、LIX 64、LIX 70、LIX 860、LIX 622)、またはβ-ジケトン金属カチオン抽出剤(例えば、LIX 54、XI-N54、XI-55、XI-57)である[出典:溶媒抽出(Solvent extraction):抽出冶金の背後にある配位化学(the coordination chemistry behind extractive metallurgy).Chem.Soc.Rev.,2014,43,123]。
【0171】
例えば、水酸化物の共沈後の濾過された硫酸塩溶液は、膜電解に入る前に、任意に精製および/または濃縮され得る。
【0172】
例えば、浸出された溶液は、水酸化物の共沈前に精製され得る。精製の例は、金属の選択的分離、例えば水酸化物の沈殿、不溶性塩の沈殿、酸化沈殿、イオン交換、溶媒抽出、電気化学めっき、結晶化に関連し得る。
【0173】
例えば、選択的沈殿は、例えば、O2、SO2またはH2SO5、過硫酸塩((NH4)2S2O8)、シュウ酸アンモニウム(NH4)2C2O4、塩素、塩素化合物(HCl、ClO2、HClO3)、O3、NaOCl、CoS、Na2S、NaHS、CaCO3、Na3PO4の添加によって実行され得る。
【0174】
例えば、水酸化物の沈殿は、例えば、LiOH、NaOH、NH4OHの添加によって得られ得る。
【0175】
例えば、不溶性塩の沈殿は、ジメチルグリオキシムの添加によって得られ得る。
【0176】
例えば、LiPF6電解質は、回収され得る。
【0177】
例えば、浸出工程のg/Lでの固体/液体(材料のグラム/液体の体積)比は、1/5~1:100の間で構成され得る。
【0178】
例えば、浸出溶液は、H2SO4、H2O2、HNO3、HCl、硝酸、クエン酸、シュウ酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルコースのうちの少なくとも1種の混合物であり得る。
【0179】
例えば、金属硫酸塩M(SO4)(M=Ni、Co、Mnである)および/またはAl2(SO4)3は、水酸化物の合成における前駆体として使用される前に、任意に結晶化し得る。
【0180】
例えば、ここで最終材料が共沈法を使用して得られたとしても、リチウム含有硫酸塩溶液のリサイクルを伴う層状酸化物材料の合成につながる任意の他の種類の合成方法は、本開示の範囲内に包含される。
【0181】
一例によれば、本開示によるプロセスは、
図1に提示される。
図1から分かるように、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、および硫酸マンガンは、一緒に混合されて、様々な金属硫酸塩を含む組成物を得ることができる。このような組成物は、水性組成物、例えば、酸性水性組成物であり得る。例えば、少なくとも1種の金属を含む材料が、H
2SO
4で浸出され、それによって、所望の金属硫酸塩組成物を得ることができる。あるいは、様々な金属硫酸塩は、水性酸性組成物と反応して、所望の金属硫酸塩組成物を得ることができる。次いで、LiOHおよびキレート剤(例えば、NH
3)が、この混合物に添加されて、混合物を形成し、最終的に所望の金属水酸化物を沈殿させる。LiOHは、硫酸金属反応が高pHで開始するため、pH向上剤であり、NH
3は、キレート剤として作用し得る。反応が開始すると、固相が沈殿し(すなわち水酸化物化合物となり)、高pH、例えば、10≦pH≦13で液相から分離され得る。この固相沈殿物は、さらに水で洗浄され、空気中、120℃で8時間乾燥される。次いで、水酸化物相NMC(OH)
2が得られる。先に集められた液相は、溶解したLi
2SO
4を含有し、それは、液相濾過後に回収され得る。このLi
2SO
4硫酸リチウムは、膜電解槽で水酸化リチウムLiOHに電解され得、これは、別の混合物を形成するためのpH向上剤として使用され得る。
【0182】
当業者は、電気膜プロセスが、多くの異なる様式で、かつ様々な異なるパラメータに従って実行され得ることを理解するであろう。例えば、このような電気膜プロセスは、以下の参考文献、WO2013/159194、WO2013/177680、WO2014/138933、WO2015/058287、WO2015/058287、WO2015/123762、WO2017/031595、およびWO2018/035618のうちのいずれか1つに定義されているように実行され得る。これらの文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0183】
水酸化物相NMC(OH)2は、さらに使用されて、Li2SO4の電解から得られたLiOHと混合されて、金属水酸化物の混合物を得ることができる。例えば、金属水酸化物のこの混合物は、異なる温度で焙煎され得る。例えば、それは、空気中、450℃の第1の温度で約8時間、焙煎され得、次いで、空気中、800℃で12時間、焙煎され得る。次いで、それは、粉砕、篩い分け、水で洗浄され、最終的に、空気中、600℃で約8時間乾燥される。次いで、ニッケル-マンガン-コバルトリチウム酸化物Li-(NixMnyCoz)O2、式中、0<x、y、z<1およびx+y+z=1が得られる。[LiNixM1yM2zO2]コア/[LiNiaM1bM2cO2]シェルのような、異なる金属についてコアから表面への勾配濃度を有するコア-シェル材料、x+y+z=1、a+b+c=1、M1=Mn、Co、またはAl、M2=Mn、Co、またはAl、例えば、Niが異なる場合はa≠x、も得られ、最終材料中に濃度勾配をもたらし得る。
【0184】
例えば、金属源は、電気化学的発生硫酸によって浸出された少なくとも実質的に純粋な金属であり得る。
【0185】
例えば、金属源は、電気化学的発生硫酸によって浸出されたニッケル精鉱(コバルト、場合によっては他の元素も含有)であり得る。
【0186】
例えば、金属源は、電気化学的発生硫酸によって浸出されたニッケルコバルト含有材料(例えば、酸化ニッケル鉱石、ニッケルマット、硫化ニッケル、ニッケルとコバルトとの混合硫化物、銅製錬プロセスから生成される粗硫酸ニッケル、および酸化ニッケル)であり得る。
【0187】
例えば、金属源は、電気化学的発生硫酸によって浸出された、
図31、
図32、および
図33のCまたはDと称される溶液などのニッケル-コバルト水溶液であり得る。
【0188】
例えば、金属源は、電気化学的発生硫酸によってストリッピングされ得るニッケル(およびコバルト、場合によっては他の元素)を含有する有機溶液であり得る。
【0189】
例えば、金属源は、電気化学的発生硫酸によって浸出された使用済み電池またはその構成要素(例えば、カソード、アノード、ブラックマス、スラグ、またはこれらの混合物)(例えば、カソードのみ、またはアノードおよびカソードの両方もしくはブラックマスなど)であり得る。
【0190】
当業者は、
図1に示されるプロセスが、出発物質として使用される少なくとも1種の金属硫酸塩の性質に従って変化し得ることを理解するであろう。したがって、様々な金属およびその様々な混合物は、出発物質として使用され得る。
【実施例0191】
リチウムイオン電池のカソード材料のための高電位での酸化物の合成
【0192】
カソード材料を合成して、特定の式、LipNixMnyCozAlqO2を有するリチウム遷移金属酸化物を生成した。式は、業界の特定の種類の材料に到達するための具体的な割合を有する。得られたカソード材料は、LiCoO2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、およびLiNi0.6Mn0.2Co0.2O2である。
【0193】
実施例1 Co(OH)2の合成
28.11gのCoSO4・7H2O(Strem Chemicals,inc)を、100mLの蒸留水中に溶解して、1Mの溶液(pH約4~5)を生成した。10.49gのLiOH・H2O(Sigma-Aldrich)を、250mLの蒸留水中に溶解して、1Mの溶液(pH12超)を得た。28~30体積%のアンモニア(Sigma-Aldrich)の溶液から5.841mLを採取して、2Mの溶液(pH>12)を得た。
【0194】
モンタージュを、4つ口丸底フラスコ(Dima glass inc)で作成した。フラスコ内を不活性雰囲気にするために、口のうちの1つを窒素流に使用した。他の2つの開口部を、LiOHおよびNH3を注ぐために使用し、第4の開口部を、冷却器を通してNH3の回収専用とした。
【0195】
モンタージュを、フラスコの底にあるCoSO4の溶液で設定した。1MのCoSO4溶液10mLを、最初に窒素流によってすべて脱気し、システムを窒素流下で15分間維持した。温度を、60℃に調節した。20mLのNH3および25mLのLiOHを、一滴ずつ導入し、溶液を、常に撹拌しながらフラスコ内に保持した。反応を、溶液のpHが10に達したときに開始した。生成物が反応すると(すなわち、10分後)、溶液をさらに20分間撹拌した。基質を濾過し、蒸留水で3回洗浄した。
【0196】
濾過後、試料を120℃で8時間加熱した。次いで、1gのCo(OH)2を回収した(ピンク色)。全体的な反応は、式1で与えられる。
CoSO4+2LiOH+NH3→Co(OH)2+Li2SO4+NH3
式1
【0197】
この式では、すべての試薬は、水溶液である。式1の反応の生成物である水酸化コバルトは、酸化コバルトの合成の前駆体として使用される(例2を参照)。母液中で、Li2SO4の水溶液を、LiOHの残りと、反応中過剰に混合した。すべてのLiOHを硫酸リチウムに変換するために、式2に示されるように、H2SO4を使用して溶液を中和した。
2LiOH+H2SO4→Li2SO4・H2O+H2O
式2
【0198】
濾過されたLi2SO4は電解され、LiOH・H2Oに変換され得る。X線回折を、化合物に対して、その高純度を強調するために実行した。
【0199】
図2は、Co(OH)
2のX線回折パターンを表す。それは、水酸化コバルトの理論上の回折ピークで指数化方式にされ得る。加えて、20°で小さな強度ピークが観察されるため、不純物に気づき得る。水酸化物の合成反応では、高pHで水酸化物の形成反応が開始するため、LiOHがpH向上剤源として使用される。例えば、LiOHは、NaOHで置き換えられ得、X線回折を、化合物に対して、その高純度を強調するために実行した。このような場合、電気膜プロセスは、Na
2SO
4をNaOHに変換するために使用され得る。
【0200】
図3は、pH向上剤源としてNaOHでのCo(OH)
2合成のX線回折パターンを表す。この化合物のX線回折パターンは、水酸化コバルトの理論上の回折ピークで指数化方式にされ得る。加えて、LiOH回折図で観察されたように、20°で小さな強度ピークが観察されるため、不純物に気づき得る。
【0201】
pH向上剤源としてのNaOHまたはLiOHに基づくこのCo(OH)2材料は、様々な潜在的な生成物(以下を参照)の前駆体であった。
【0202】
実施例2 LiCoO2の合成
以前に得られた水酸化コバルトを、リチウムコバルト酸化物、LiCoO2の合成のための前駆体として使用した。ここで、最初の工程は、LiOH・H2Oを、Co(OH)2と混合することであった。式3に示されるように、これは化学量論的反応であった。
Co(OH)2+LiOH・H2O+0.25O2→LiCoO2+2.5H2O
式3
【0203】
前駆体を混合し、粉砕し、ペレット化を熱処理前に行った。これらのペレットを、空気中、450℃で8時間炉に入れた。この工程後、ペレットを粉砕し、ペレットに戻した。炉を、空気中、800℃で12時間設定した。ペレットを再度粉砕し、次いで水で洗浄した。懸濁液を濾過し、粉末を回収し、再びペレットに圧縮した。最後の工程は、空気中、600℃で8時間の別の熱処理で構成された。
【0204】
X線回折パターンによって、リチウムコバルト酸化物の高純度が確認された。
【0205】
図4は、リチウムコバルト酸化物のX線回折パターンを提示する。水酸化コバルトの残留物であり得る不純物が、20°で確認され得る(同じ不純物が観察された)。この不純物は、既に文献で何度か報告されている。
【0206】
リチウム化コバルト酸化物は、NaOHで得られた水酸化コバルトからも生成され得る。このような化合物のX線回折は、
図5に見られ得、水酸化物合成中の塩基源の性質に応じて差異が観察されないことが指摘されている。
【0207】
次の工程は、電気化学でLiCoO2の特性を決定することであった。カソード電極を、n-メチルピロリドン(NMP)溶媒中で、83重量%のLiCoO2、9重量%のカーボンブラックTimcal C65、および8重量%のポリビニリデンジフルオリド(PVDF)を混合することによって調製して、スラリーを形成した。スラリーを、数時間混合して均質にし、ドクターブレード法を使用して、炭素被覆アルミニウム箔上に広げた。真空オーブンで70℃で一晩乾燥させた後、0.5±0.1mg/cm2の活物質を装填した電極ディスクを切断し、カレンダー処理した。標準のコインセル(2032)を、Arが充填されたグローブボックス内で組み立てた。電極を調製すると、リチウム箔をアノードとして使用し、1MのLiPF6をエチレンカーボネート中に溶解し、ジエチルカーボネート(1:2の体積比)溶媒を液体電解質として使用した。セパレーターとしてポリプロピレン膜(Celgard inc.)を使用した。電気化学試験を、30℃のセルで、VMP電気化学ステーション(Bio-Logic、フランス)で、定電流サイクルの0.1CレートでLi/Li+に対して、3および4.3Vのカットオフ電圧で、実行した。結果の再現性を確保するために、試料ごとに3つのコインセルを調製した。標準偏差を、±1mAh/gと決定した。
【0208】
図6は、LiCoO
2の5回の最初の充電および放電を示した。容量は、175mAhg
-1に達したが、サイクルに伴って減少した。LiCoO
2の容量は、電位範囲に応じて変化するが、電位が高くなると、不可逆的な反応が発生し得る。しかしながら、4.3Vでは、化合物は安定しているはずである。LiCoO
2の容量および安定性を最適化するには、いくつかの最適化を行う必要がある。
【0209】
実施例3 Ni0.8Co0.15Al0.05(OH)2の合成
2.3121gのNiSO4・6H2O(Strem Chemicals,inc)、0.4628gのCoSO4・6H2O(Strem Chemicals,inc)、および0.0944gのAl2(SO4)3・H2O(Sigma-Aldrich)を、10mLの水中に溶解した。
【0210】
モンタージュおよび反応条件は、実施例1に記載された通りであった。最終生成物は、緑色に着色した、Ni
0.8Co
0.15Al
0.05(OH)
2を示した。X線回折パターンは、
図7に提示される回折パターンが、Ni
0.8Co
0.15Al
0.05(OH)
2の理論上の回折パターン(垂直バー)に適合し得るため、水酸化物の形成を確認した。
【0211】
実施例4 LiNi0.8Co0.15Al0.05O2の合成
次の実験は、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2の形成であった。実験手順は、実施例1と同じであった。X線回折を、酸化物形成の特性を決定するために使用した。
【0212】
図8は、化合物の回折パターンが、LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2の理論上の回折ピークに適合し得ることを強調している。最後の特性評価は、化合物の電気化学であった。
【0213】
図9は、0.1CレートでのLiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2の充電および放電を示した。電気化学手順を、実施例2で詳述した。この化合物の理論上の容量は、279mAh/gで、実験的に得られた比容量は、180mAh/gであった。
図9では、放電曲線に2つの勾配が見られ得る。この挙動は、活物質の粒子サイズによって説明することができ、幅が広く、電気化学の目的に最適化されていない。
【0214】
実施例5 Ni0.8Mn0.1Co0.1(OH)2の合成
2.3131gのNiSO4・6H2O(Strem Chemicals,inc)、0.3092gのCoSO4・6H2O(Strem Chemicals,inc)、および0.1859gのMnSO4・H2O(Sigma-Aldrich)を、10mLの水中に溶解した。
【0215】
モンタージュおよび反応条件は、実施例1に記載された通りであった。
【0216】
図10は、化合物の回折パターンが、Ni
0.8Mn
0.1Co
0.1(OH)
2の理論上の回折ピークに適合し得ることを強調している。
【0217】
実施例6 LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2の合成
次の工程は、酸化物LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2の形成であった。実験装置は、実施例2と同じであった。X線回折を、酸化物形成の特性を決定するために使用した。
【0218】
図11は、化合物の回折パターンが、LiNi
0.8Mn
0.1Co
0.1O
2の理論上の回折ピークに適合し得ることを強調している。
【0219】
容量は、175mAhg-1に達したが、サイクルに伴って減少した。LiCoO2の容量は、電位範囲に応じて変化するが、電位が高くなると、不可逆的な反応が発生し得る。
【0220】
実施例7 Ni0.6Mn0.2Co0.2(OH)2の合成
1.7348gのNiSO4・6H2O(Strem Chemicals,inc)、0.6184gのCoSO4・6H2O(Strem Chemicals,inc)、および0.3674gのMnSO4・H2O(Sigma-Aldrich)を、10mLの水中に溶解した。
【0221】
モンタージュおよび反応条件は、実施例1に記載された通りであった。
【0222】
図12は、化合物の回折パターンが、Ni
0.6Mn
0.2Co
0.2(OH)
2の理論上の回折ピークに適合し得ることの強調を示している。
【0223】
実施例8 LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2の合成
次の工程は、酸化物LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2の形成であった。実験工程は、実施例2と同じであった。X線回折を、酸化物形成の特性を決定するために使用した。
【0224】
図13は、化合物の回折パターンが、LiNi
0.6Mn
0.2Co
0.2O
2の理論上の回折ピークに適合し得ることを強調している。
【0225】
図14は、0.1CレートでのLiNi0.6Mn0.2Co0.2O2の充電/放電曲線を表す。電気化学測定器および方法は、実施例2に記載された通りであった。この化合物の理論上の容量は、275mAh/gで、実験的に得られた比容量は、170mAh/gであった。
図14では、放電曲線に2つの勾配が見られ得る。この挙動は、活物質の粒子サイズによって説明することができ、幅が広く、電気化学の目的に最適化されていない。
【0226】
実施例9 硫酸リチウムの電解および水酸化リチウムへの変換
硫酸リチウムの電解を、WO2015/058287の実施例1に記載されている一般的な手順に従って、2区画セルICI FM-21内で(WO2015/058287の
図2のセルと同様に)実行した。実験条件は、以下の通りであった。
セル:FM-21 2400cm
2
電流密度:4.0kA/m
2
温度:60℃
Li
2SO
4:300g/L(バッチ)
LiOH・H
2O:2M
【0227】
得られた結果は、以下の通りであった。
変換率:40%
H2SO4:10.2%
電流効率:76.9%
LiOH流量:14.4L/時
生産性:4.75kgのLiOH・H2O/h/m2
(セルでの)電圧:4.39V
エネルギー:3678kWh/TM LiOH・H2O
【0228】
図15~22は、Li
2SO
4の電解中に得られた結果を示す。
【0229】
図15は、陽極液流中の硫酸濃度を、バッチ時間の関数として示すプロットである。
図16は、陽極液および陰極液の導電性を、バッチ時間の関数として示すプロットである。
図17は、陽極液および陰極液の温度を、バッチ時間の関数として示すプロットである。
図18は、セルおよび電流発生器での電圧を、バッチ時間の関数として示すプロットである。
図19は、1分当たりの水酸化リチウム1水和物当量のミリリットルでの生産性を、陽極液中の硫酸濃度の関数として示すプロットである。
図20は、1時間当たりの水酸化リチウム1水和物当量のリットルでの生産性を、陽極液中の硫酸濃度の関数として示すプロットである。
図21は、電流効率を、陽極液中の硫酸濃度の関数として示すプロットである。
図22は、電気活性領域の1平方メートル当たり1時間当たりの水酸化リチウム1水和物当量のキログラムでの生産性を、陽極液中の硫酸濃度の関数として示すプロットである。
図23は、水酸化リチウム1水和物当量の1メートルトン当たりキロワット時での電気化学的変換に関連する電気エネルギー消費量を、陽極液中の硫酸濃度の関数として示すプロットである。
【0230】
図24に示されるように、LiOHは、金属水酸化物(複数可)の沈殿のために、金属硫酸塩(複数可)の混合物にpH向上剤源として添加され得る。金属水酸化物(複数可)の沈殿後、Li
2SO
4は、水溶液中に溶解した種として回収されて、膜電解槽に挿入され得、LiOHに変換され得、任意に蒸発、結晶化、乾燥させてから、金属水酸化物(複数可)と反応させて、金属酸化物(複数可)を形成する。硫酸は、遷移金属源の浸出に使用され、硫酸塩の形態で溶解した種として金属を発生させる。
【0231】
図25に示されるように、NaOHは、金属水酸化物(複数可)の沈殿のために、金属硫酸塩(複数可)の混合物にpH向上剤源として添加され得る。金属水酸化物(複数可)の沈殿後、Na
2SO
4は、水溶液中に溶解した種として回収されて、膜電解槽に挿入され得る。LiOHは、金属水酸化物(複数可)と反応して、金属酸化物(複数可)を形成し得る。遷移金属源にリチウムが存在する場合、それは金属硫酸塩溶液中で実行され、得られたLi2SO4は、Na2SO4から分離されて、膜電解槽に挿入される前に、Na2SO4溶液を精製し得る。リチウム化金属酸化物との反応に使用されるLiOHは、別の電気膜プロセスに由来する場合と、市販のLiOHの場合がある。
【0232】
図26に示されるように、NaOHとLiOHとの混合物は、金属水酸化物(複数可)の沈殿のために、金属硫酸塩(複数可)の混合物にpH向上剤源として使用される。金属水酸化物(複数可)の沈殿後、Li
2SO
4とNa
2SO
4との混合物は、水溶液中に溶解した種として回収されて、膜電解槽に挿入され得、Li
2SO
4は、LiOHに変換され、金属水酸化物(複数可)と反応して、金属酸化物(複数可)を形成し得る。LiOHは、NaOHから分離され得る。例えば、LiOHは、NaOH上で(例えば、蒸発、結晶化、および乾燥工程を介して)実質的に選択的に沈殿し得、したがってそれから分離される。また、Li2SO4は、電気膜プロセスにおいて反応する前に、任意にNa2SO4から分離され得る。得られたLiOHは、反応して、最終的に使用されて、金属水酸化物(複数可)と反応させて、金属酸化物(複数可)を形成することによって、金属酸化物(複数可)を発生させ得る。
【0233】
図27に示されるように、NaOHは、金属水酸化物(複数可)の沈殿のために、金属硫酸塩(複数可)の混合物にpH向上剤源として添加され得る。例えば、NaOHは、経済的理由から、pH向上剤としてLiOHの代わりに使用され得る。金属水酸化物(複数可)の沈殿後、Li
2SO
4とNa
2SO
4との混合物は、水溶液中に溶解した種として回収されて、膜電解槽に挿入され得、Li
2SO
4は、LiOHに変換され、金属水酸化物(複数可)と反応して、金属酸化物(複数可)を形成し得る。LiOHは、NaOH上で(例えば、蒸発、結晶化、および乾燥工程を介して)実質的に選択的に沈殿し得る。得られたLiOHは、反応して、最終的に使用されて、金属水酸化物(複数可)と反応させて、金属酸化物(複数可)を形成することによって、金属酸化物(複数可)を発生させ得る。当業者は、例えば遷移金属源が使用済み電池である場合、その中に含まれるリチウムの100%が、必ずしも電解されない可能性があるため、Li
2SO
4の外部源が、電気膜プロセスに提供されて、LiOHに変換され得ることを理解するであろう。
【0234】
図28に示されるように、水酸化物の沈殿に使用されるLiOHは、任意に結晶化し得る。さらに、硫酸リチウム溶液は、電気膜プロセスに挿入される前に、精製および濃縮され得る。例えば、この場合、Li
2SO
4の外部源が提供され得る。実際、発生したLiOHは、(i)金属硫酸塩との反応、および(ii)得られた金属水酸化物(複数可)との混合に使用されるので、Li
2SO
4の外部源が提供され得る。
【0235】
図29に示されるように、陽極液溶液と呼ばれる電気化学的発生硫酸溶液は、濃縮されて、遷移金属源、例えば、電池活物質を浸出させ得る。
【0236】
図29に記載される陽極液濃縮プロセスは、WO2015/123762、WO2017/031595、およびWO2018/035618のうちのいずれか1つにおいて記載されているような方法またはプロセスによって実行され得る。これらの文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。当業者は、
図29の陽極液濃縮が、したがって、
図24~
図28のうちのいずれにも応用され得ることを理解するであろう。濃縮後の陽極液溶液は、リチウムが欠乏し、Li2SO4豊富の溶液が、処理される電気膜システムに再度挿入される。陽極液濃縮後に得られた硫酸リチウム溶液は、
図29に記載されるように、水酸化物沈殿後に回収されたLi
2SO
4溶液と混合され得る。Li
2SO
4溶液のこのような混合物は、電気膜プロセスに戻され得る。
【0237】
図30は、コア-シェル設計材料の合成を説明する。コア-シェル設計を有する金属水酸化物は、
図24~
図29に記載されるように沈殿し得、リチウム化材料のコア-シェル酸化物は、LiOHの添加後に得られ得る。
【0238】
図28~
図29、当業者は、任意に結晶化したLiOHが、NaOHまたは両方の混合物によって置き換えられて、pHを高め得ることを理解し得る。Na
2SO
4または両方の混合物で置き換えられ得るLi2SO4にも同じことが当てはまる。当業者はまた、
図29に記載されるような硫酸塩溶液の濃縮および精製が、
図24~
図30の任意のプロセスに応用され得ることも理解し得る。
【0239】
図31は、金属水酸化物の代わりに金属炭酸塩の沈殿を説明する。そうするために、膜電解から発生したLiOHは、炭酸化されて、Li
2CO
3を形成し得る。例えば、炭酸化は、WO2013/177680、WO2006/104367、WO2018/134536、またはWO2015/058287に記載されているように実施され得、それらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。この炭酸リチウムは、金属硫酸塩と反応して、金属炭酸塩を形成し得る。硫酸リチウム溶液は、
図24~30に記載されるように回収され得る。
【0240】
当業者は、
図24~
図31に記載されるすべての可能な実施形態が、硫酸塩を硝酸塩に置き換えて、
図32にも応用され得る(例えば、Li
2SO
4溶液の濃縮、および/またはLi
2SO
4、およびNa
2SO
4との混合物)ことを理解するであろう。
【0241】
加えて、当業者は、LiOHが、NaOHまたは
図24~31のいずれかにおける両方の混合物によって置き換えられることを理解し得る。Na2SO4または両方の混合物で置き換えられ得るLi2SO4にも同じことが当てはまる。
【0242】
図24~
図31、様々な酸溶液源が、遷移金属源との反応に使用され得る、例えば、それは、硫酸溶液(
図24)、硫酸リチウム溶液(
図29)、および陽極液溶液であり得る。例えば、浸出溶液用のこれらの様々な酸溶液源は、(A)陽極液溶液と呼ばれる、電気化学的発生硫酸溶液、(B)(希釈)硫酸リチウム溶液と呼ばれる、膜電解によって発生する部分的に濃縮された硫酸溶液、または(C)硫酸であり得る。(a)陽極液溶液は、表1に提示されるような化学組成物を有する、膜電解からの電気化学的発生硫酸溶液に関する。この溶液の濃度は、≒1.5M H
2SO
4である。
【表1】
【0243】
(b)(希釈)硫酸リチウム溶液と呼ばれる、膜電解によって発生する部分的に濃縮された硫酸溶液は、リチウムが欠乏した以前の陽極液溶液からなり、濃縮され、次いで水で希釈されて、≒1M H2SO4の濃度に到達する。
【0244】
図32より、硝酸は、Li2SO4の代わりに使用されるLiNO3の塩分解から発生し得る。遷移金属源の硝酸での浸出によって、溶液に溶解した金属硝酸塩の生成がもたらされる。次いで、水酸化物の沈殿のために、LiOHが添加され、硝酸リチウム化溶液が濾過され得る。このLiNO3溶液は、電気膜プロセスに入り、LiOHおよびHNO3に変換され得る。
図32によって硫酸塩を置き換える場合、
図24~
図31のすべての実施形態が本明細書に応用される。
【0245】
NiおよびCo精鉱から開始する全体的なプロトコルは、
図33、
図34、
図35に例示され、高純度のCoおよびNi水相(
図33、
図34、
図35では溶液AおよびBと呼ばれる)の生成、高純度のCoもしくはNi水相(CおよびDと呼ばれる)の生成、または硫酸コバルトもしくは硫酸ニッケル結晶塩(EおよびFと呼ばれる)をもたらし得る。例えば、pHは、溶液AからBに増加して、有機相中でのコバルトの回収の最大化を確実にする。例えば、硫酸リチウム溶液は、電気膜プロセスによって発生する陽極液溶液によって提供され得、
図29に記載されるように濃縮され得る。
【0246】
図33~
図35、様々な酸溶液源が、Li-Co精鉱の浸出に使用され得る、例えば、それは、硫酸溶液(
図33)、硫酸リチウム溶液(
図34)、および陽極液溶液(
図35)であり得る。
【0247】
当業者は、例えば、
図33~
図35で提供される実施形態が、
図24~
図31に示されるプロセスに応用され得、
図33~
図35で得られる金属硫酸塩は、
図24~
図31の遷移金属源ボックスであり得ることを理解するであろう。加えて、
図33~
図35の浸出に使用される硫酸源は、
図32に記載される硝酸塩の形態の遷移金属源を得るために硝酸で置き換えられ得る。
【0248】
当業者は、
図24~
図30および
図34において、金属水酸化物/炭酸塩と反応して、リチウム化金属酸化物(複数可)を形成するために使用されるLiOHが、炭酸化されて、金属水酸化物/炭酸塩と反応して、リチウム化金属酸化物(複数可)を形成するLi
2CO
3を発生させ得ることを理解するであろう。本開示に記載される他の炭酸塩、例えば、Na
2CO
3、K
2CO
3、Rb
2CO
3、Cs
2CO
3、MgCO
3、CaCO
3、SrCO
3、またはBaCO
3も使用され得る。
【0249】
当業者は、
図35で使用される硝酸塩が、
図24~
図34に提示されるような硫酸塩の代替物であり得、
図24~
図34に提示されるすべてのプロセスが、硫酸塩を硝酸塩に置き換えて使用され得ることを理解するであろう。
【0250】
例えば、金属炭酸塩から酸化リチウムへの変換は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO2006/104367に記載されている。
【0251】
例えば、
図24~28で発生した電気化学的発生硫酸(H
2SO
4溶液)は、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウムを含有し得る。H
2SO
4は、
図29に示されるように、陽極液濃縮を通して、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、および/または硫酸カリウムから分離され得る。例えば、このような分離は、硫酸塩1水和物の選択的結晶化によって達成され得る。例えば、陽極液濃縮は、WO2015/123762、WO2017/031595、およびWO2018/035618のうちのいずれか1つに記載されているような、選択的硫酸塩沈殿によって実行され得る。これらの文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0252】
さらに、当業者は、
図24~
図35の電気膜プロセスによって発生する酸性溶液が、
図29に提示されるように、陽極液溶液および濃縮工程によって置き換えられ得ることを理解し得る。
【0253】
当業者は、
図24~
図34に記載されるすべての可能な実施形態が、
図35にも応用され得る(例えば、Li
2SO
4溶液の濃縮、および/またはLi
2SO
4、およびNa
2SO
4との混合物)ことを理解するであろう。
【0254】
実施例10 コア-シェル合成
コア[LiNixM1yM2zO2]、x+y+z=1、およびシェル[LiNiaM1bM2cO2]、a+b+c=1から作製される、組成物Li[NidM1eM2f]O2、d+e+f=1であり、M1=Mn、Co、またはAl、M2=Mn、Co、またはAl、x<d<a、y<e<b、z<f<cを有する勾配濃度材料の合成について。
このような球状のコア-シェル材料を調製するためには、水酸化物前駆体を最初に得る必要があり、共沈を介して合成し得る。このような合成法において、一定量のNiSO4・6H2O(ならびに任意に、所与の濃度のM1、および異なる濃度のM2)、水溶液を、コア組成物NixM1yM2z(OH)2用の出発材料として使用した。金属水溶液を、一定量の脱イオン水、pH向上剤としてのNaOH(水溶液)、およびキレート剤としてのNH4OH(水溶液)が既に充填されたバッチ反応器に、窒素雰囲気下で連続的に供給した。同時に、所定の濃度のNaOHおよび適切な量のNH4OH(水溶液)を、ポンプで反応器に注入した。前駆体NixM1yM2z(OH)2が、溶液中で形成されると、第2の溶液、所望の金属NiaM1bM2c(OH)2(例えば、M1およびM2=Ni、Mn、Co、Al)の水溶液を、反応器に導入した。得られたNidM1eM2f(OH)2(x<d<a、y<e<b、z<f<c)粉末を濾過し、洗浄し、真空下、110℃で12時間乾燥させた。Li[NidM1eM2f]O2を調製するために、前駆体NidM1eM2f(OH)2をLiOH・H2Oと混合し、酸素雰囲気下、700℃で10時間か焼した。
【0255】
例えば、金属源は、電気化学的発生硫酸によって、浸出された使用済み電池または浸出されたその構成要素(例えば、カソード、アノード、ブラックマス、スラグ、またはこれらの混合物)(例えば、カソードのみ、またはアノードおよびカソードの両方もしくはブラックマスなど)であり得る。
【0256】
浸出金属硫酸塩溶液は、使用済みバッテリーから回収された金属(例えば、Li、Ni、Co、および/またはAl、および/またはMn)を含有し得る。例えば、NaOHは、金属水酸化物(複数可)の沈殿のために、金属硫酸塩(複数可)の混合物にpH向上剤源として添加され得る。金属水酸化物(複数可)の沈殿後、Li2SO4とNa2SO4との混合物は、水溶液中に溶解した種として回収されて、膜電解槽に挿入され得、Li2SO4は、LiOHに変換され、金属水酸化物(複数可)と反応して、金属酸化物(複数可)を形成し得る。
【0257】
当業者は、別の塩基が、NaOHの代わりに使用され得ることを理解するであろう。例えば、KOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、またはBa(OH)2が使用され得る。
【0258】
本開示の項[0036]~[00291]の実施形態は、応用が行われ得る場合、実施形態のあらゆる組み合わせを実証するために、本開示において、このような様式で提示される。したがって、これらの実施形態は、(前に提示された実施形態を包含する)先行する請求項のいずれかに従属するすべての実施形態の従属請求項を作成することと同等の様式で説明に提示され、それによって、それらがすべて可能な様式で一緒に組み合わされ得ることを実証する。例えば、応用可能な場合、項[0036]~[00291]の実施形態、および項[0005]~[0035]のプロセスの間のすべての可能な組み合わせは、本開示によってここに包含される。
【0259】
本開示は、具体例に関して説明されてきた。説明は、その範囲を限定するためではなく、本開示の理解に役立てることを意図された。本明細書に記載される開示の範囲から逸脱することなく、本開示に様々な変更を加えることができ、そのような変更は本文書に包含されることが意図されていることは、当業者には明らかであろう。
【0260】
すべての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願の各々が、参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同じ程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示における用語が、参照により本明細書に組み込まれる文書において異なるように定義されていることが判明した場合、本明細書に提供される定義は、その用語の定義として機能するものである。
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(ii)マンガン、リチウム、およびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属水酸化物の調製プロセスであって、
(i)ニッケルおよびコバルトから選択される少なくとも1種の金属と、任意に(iii)マンガンおよびアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、を含む、金属硫酸塩を、水酸化ナトリウムおよび任意にキレート剤と反応させて、前記金属水酸化物を含む固体と、硫酸ナトリウムを含む液体と、を得ることと、
前記液体および前記固体を互いに分離して、前記金属水酸化物を得ることと、
前記硫酸ナトリウムを含む液体を、前記硫酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換するための電気膜プロセスに提供することと、
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化ナトリウムを、前記金属硫酸塩と反応させるために再利用することと、を含む、プロセス。
前記キレート剤が、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、DCTA(トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、DTPA(ジエチレン-トリアミン五酢酸)、およびEGTA(エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N′,N′-四酢酸)から選択される、請求項1に記載のプロセス。
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、そのまま水性組成物中で使用され、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る、請求項1に記載のプロセス。
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化する、請求項1に記載のプロセス。
前記電気膜プロセスによって得られた前記水酸化リチウムが、前記得られた金属水酸化物と反応して、金属水酸化物の混合物を得る前に、結晶化し、次いで溶解する、請求項1に記載のプロセス。
前記プロセスが、前記硫酸塩を含む前記液体を、前記硫酸塩を前記水酸化物に変換するための前記電気膜プロセスに提供して、硫酸を発生させることを含む、請求項1に記載のプロセス。