(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134552
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】まつ毛またはまつ毛エクステンション用の炭接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
C09J 4/02 20060101AFI20230920BHJP
C09J 133/04 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
C09J4/02
C09J133/04
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023109325
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2022520018の分割
【原出願日】2020-09-29
(31)【優先権主張番号】62/908,143
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/034,715
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518343176
【氏名又は名称】ラシファイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Lashify, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ロッティ サハラ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】まつ毛エクステンションを接着させるための接着剤組成物を提供する。
【解決手段】アクリレート成分、および炭成分を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリレート成分、および
炭成分
を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物。
【請求項2】
アクリレート成分を接着剤組成物の総質量に対して約10質量パーセント(質量%)~約90質量%の量で含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
アクリレート成分が、アクリレート、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー、アルキルアクリレート、(メタ)アクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、C1-6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、C1-6アルコキシC1-6アルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C1-6アルキルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C8-22アルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、その共重合体、その第四級塩、エチルヘキシルアクリレート共重合体、エチルヘキシルアクリレートおよびアクリレート共重合体、アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、アクリレート/C12-22アルキルメタクリレート共重合体、スチレン/アクリレート共重合体、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、アクリル酸カリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸ナトリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アミノメチルプロパノール-アクリレート共重合体、アクリル酸グリセリル/アクリル酸共重合体、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート共重合体、ナトリウムヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、ポリグリセリルメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、またはその組合せを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
炭成分が、木材、竹、堅木、泥炭、石炭、コークス、石油、骨、ヤシ殻、堅果の殻、コイア、亜炭、またはその組合せに由来する炭質材料を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
炭成分が、活性炭、酸洗浄活性炭、高純度活性炭、添着活性炭、医薬品グレードの活性炭、ヤシ殻から作製された酸洗浄顆粒状活性炭、またはその組合せを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
炭成分を接着剤組成物の総質量に対して約0.001質量%~約5質量%の量で含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
炭成分が、粉末、粒子、顆粒、押出品、ペレット、またはその組合せを含む複数の単位を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
炭成分が、約1mm未満のサイズを含むかまたは約1mmの平均サイズを含む複数の単位を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
水を接着剤組成物の総質量に対して約1質量%~約90質量%の量でさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項10】
着色料をさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物であって、前記着色料が、カーボンブラック、アゾ染料、キノフタロン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、サンセットイエロー染料、アルラレッド染料、アマランス染料、コキネイル(koki neil)レッド染料、アゾゲラニン染料、タルトラジン染料、ブリリアントブラック染料、カンタキサンチン染料、パテントブルー染料、ファストグリーン染料、ブリリアントブルー染料、アシッドグリーン染料、エリトロシン染料、キノリンイエロー、インジゴチン、クルクミン、またはその組合せを含む、前記接着剤組成物。
【請求項11】
防腐剤をさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物であって、前記防腐剤が、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、カルボン酸、またはその組合せを含む、前記接着剤組成物。
【請求項12】
シアノアクリレート、ラテックス、ホルムアルデヒド、またはその任意の組合せを含まない、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項13】
水、着色料、および防腐剤をさらに含み、アクリレート成分が約45質量%~約55質量%の量であり、炭成分が約0.001質量%~約2質量%の量であり、水が約40質量%~約50質量%の量であり、着色料が約1質量%~約4質量%の量であり、防腐剤が約0.01質量%~約1.0質量%の量である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項14】
基剤とアクリレート成分とを組み合わせてアクリレート混合物を形成するステップと、
アクリレート混合物と炭成分とを組み合わせて接着剤組成物を形成するステップと
を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物を調製する方法。
【請求項15】
基剤とアクリレート成分とを約20℃~約40℃の温度で組み合わせる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
基剤を、水、防腐剤、および着色料を約20℃~約40℃の温度で組み合わせることにより形成し、水、防腐剤、および着色料を混合槽中で約1分間~約5分間ブレンドして均一混合物を形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
アクリレート成分を混合槽に加えるステップと、アクリレート成分と均一混合物とを約1分間~約30分間混合するステップとをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
アクリレート成分および炭成分を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物と、
接着剤組成物を保管するように構成された容器と、
容器に保管された接着剤組成物を1つまたは複数の美容品に塗布するように構成されたアプリケーターと
を含む、キット。
【請求項19】
保管容器が、アプリケーターを受け入れるように構成された開口部を含み、保管容器が、アプリケーターの少なくとも一部を保管容器内に接着剤組成物と接触させて保管するようにさらに構成されている、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
アプリケーターが、天然まつ毛、天然ひげ、毛髪、皮膚、プラスチック、金属、およびその組合せからなる群から選択される少なくとも1つの表面に接着剤組成物を塗布するように構成された分配装置を含む、請求項18に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、まつ毛またはまつ毛エクステンションなどの美容品での使用のための接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、まつ毛エクステンションの使用の人気が高まっている。磁石から様々な種類の接着剤にわたる、まつ毛エクステンションを接着させるための様々なアプローチが存在する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】本明細書のいくつかの実施形態の接着剤組成物を含むキットの例示的な実施形態を示す。
【
図2】本明細書のいくつかの実施形態による接着剤組成物が取り付けられたまつ毛またはまつ毛エクステンションを含むキットの例示的な実施形態を示す。
【
図3】本明細書に記載の接着剤組成物を調製する方法の1つの実施形態を示す。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による眼域の図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による例示的な人工まつ毛エクステンションの図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な人工まつ毛エクステンションの図である。
【
図7】本明細書に記載の接着剤組成物を使用する方法の1つの実施形態を示す。
【
図8A】本明細書に記載のまつ毛またはまつ毛エクステンションを保管するためのカートリッジ組立体の1つの実施形態を示す。
【
図8B】本明細書に記載のまつ毛またはまつ毛エクステンションを保管するためのカートリッジ組立体の1つの実施形態を示す。
【
図9】本明細書の実施形態によるまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り出して付けるためのまつ毛アプリケーターの1つの実施形態を示す。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態によれば、まつ毛またはまつ毛エクステンションを天然まつ毛に接着させる上での使用のための接着剤組成物が提供される。これらの接着剤組成物は炭(チャコール)を含む。
いくつかの実施形態では、まつ毛またはまつ毛エクステンションを眼域に接着させるための接着剤組成物は、アクリレート成分および炭成分を含みうる。
いくつかの実施形態によれば、アクリレート成分および炭成分を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物が提供される。いくつかの実施形態では、アクリレート成分は接着剤組成物の総質量に対して約10質量パーセント(質量%)~約90質量%の量である。アクリレート成分はアクリレート、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー、アルキルアクリレート、(メタ)アクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、C1-6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、C1-6アルコキシC1-6アルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C1-6アルキルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C8-22アルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、その共重合体、その第四級塩、エチルヘキシルアクリレート共重合体、アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、アクリレート/C12-22アルキルメタクリレート共重合体、スチレン/アクリレート共重合体、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、アクリル酸カリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸ナトリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アミノメチルプロパノール-アクリレート共重合体、アクリル酸グリセリル/アクリル酸共重合体、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート共重合体、ナトリウムヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、ポリグリセリルメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、またはその組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、アクリレート成分はアクリレート/エチルヘキシルアクリレート共重合体を含む。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、炭成分は、木材、竹、硬木、泥炭、石炭、コークス、石油、骨、ヤシ殻、堅果の殻、コイア、亜炭、またはその組合せに由来する炭質材料を含む。炭成分は活性炭、酸洗浄活性炭、高純度活性炭、添着活性炭、医薬品グレードの活性炭、ヤシ殻から作製された酸洗浄顆粒状活性炭、またはその組合せを含みうる。いくつかの実施形態によれば、炭成分は接着剤組成物の総質量に対して約0.001質量%~約5質量%の量である。炭成分は、粉末、粒子、顆粒、押出品、ペレット、またはその組合せを含む複数の単位を含みうる。いくつかの実施形態では、炭成分は、約1mm未満のサイズを含むかまたは約1mmの平均サイズを含む複数の単位を含む。炭成分は活性炭粉末を含みうる。
【0006】
接着剤組成物は水を含みうる。水は接着剤組成物の総質量に対して約1質量%~約90質量%の量でありうる。接着剤組成物は着色料を含みうる。着色料はカーボンブラック、アゾ染料、キノフタロン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、サンセットイエロー染料、アルラレッド染料、アマランス染料、コキネイル(koki neil)レッド染料、アゾゲラニン染料、タルトラジン染料、ブリリアントブラック染料、カンタキサンチン染料、パテントブルー染料、ファストグリーン染料、ブリリアントブルー染料、アシッドグリーン染料、エリトロシン染料、キノリンイエロー、インジゴチン、クルクミン、またはその組合せを含みうる。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は防腐剤を含みうる。防腐剤はフェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、カルボン酸、またはその組合せを含みうる。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、接着剤組成物はシアノアクリレート、ラテックス、ホルムアルデヒド、またはその任意の組合せを含まない。いくつかの実施形態では、接着剤組成物は水、着色料、および防腐剤をさらに含む。接着剤組成物はアクリレート成分を約45質量%~約55質量%の量で、炭成分を約0.001質量%~約2質量%の量で、水を約40質量%~約50質量%の量で、着色料を約1質量%~約4質量%の量で、防腐剤を約0.01質量%~約1.0質量%の量で含みうる。いくつかの実施形態では、接着剤組成物はアクリレート成分を約51.5質量%の量で、炭粉末を約0.5質量%の量で、水を約44.5質量%の量で、着色料を約3質量%の量で、防腐剤を約0.5質量%の量で含みうる。いくつかの実施形態によれば、アクリレート成分は約51.5質量%の量で、炭粉末は約0.99質量%未満の量で、水は約44.5質量%の量で、着色料は約3質量%の量で、防腐剤は約0.1質量%の量でありうる。いくつかの実施形態では、アクリレート成分はアクリレート/エチルヘキシルアクリレート共重合体を含み、炭成分は活性炭粉末を含み、接着剤組成物は水、フェノキシエタノール、ビオチン、およびカーボンブラックをさらに含む。
【0008】
本明細書に記載の、まつ毛またはまつ毛エクステンションを眼域に接着させるための接着剤組成物を製造する方法の実施形態は、アクリレート成分と炭成分とを混合することで接着剤組成物を形成するステップを含みうる。いくつかの実施形態では、基剤とアクリレート成分とを組み合わせることでアクリレート混合物を形成するステップと、アクリレート混合物と炭成分とを組み合わせることで接着剤組成物を形成するステップとを含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物を調製する方法が提供される。基剤とアクリレート成分とは温度約20℃~約40℃で組合せ可能である。いくつかの実施形態では、基剤が、水、防腐剤、および着色料を組み合わせることで形成される。水、防腐剤、および着色料は温度約20℃~約40℃で組合せ可能である。いくつかの実施形態によれば、水、防腐剤、および着色料が混合槽中で約1分間~約5分間ブレンドされることで均一混合物が形成される。いくつかの実施形態では、調製方法は、アクリレート成分を混合槽に加えるステップと、アクリレート成分と基剤(すなわち均一混合物)とを約1分間~約30分間混合するステップとを含みうる。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、上記調製方法により調製される接着剤組成物は、米国材料試験協会(ASTM)D 1084-97によって25℃で測定される粘度約10,000cP~約50,000cPを含む。接着剤組成物は表面に対する接着強度約0.5MPa~約100MPaを含みうる。
【0010】
いくつかの実施形態では、調製方法において使用されるアクリレート成分はアクリレート、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー、アルキルアクリレート、(メタ)アクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、C1-6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、C1-6アルコキシC1-6アルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C1-6アルキルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C8-22アルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、その共重合体、その第四級塩、エチルヘキシルアクリレート共重合体、アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、アクリレート/C12-22アルキルメタクリレート共重合体、スチレン/アクリレート共重合体、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、アクリル酸カリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸ナトリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アミノメチルプロパノール-アクリレート共重合体、アクリル酸グリセリル/アクリル酸共重合体、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート共重合体、ナトリウムヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、ポリグリセリルメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、またはその組合せを含み、炭成分は活性炭、酸洗浄活性炭、高純度活性炭、添着活性炭、医薬品グレードの活性炭、ヤシ殻から作製された酸洗浄顆粒状活性炭、またはその組合せを含む。
【0011】
アクリレート成分および炭成分を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物と、接着剤組成物を保管するように構成された容器と、容器に保管された接着剤組成物を1つまたは複数の美容品に塗布するように構成されたアプリケーターとを含むキットが、本明細書にさらに記載される。いくつかの実施形態によれば、キット内に含まれる接着剤組成物は感圧性接着剤組成物である。いくつかの実施形態によれば、保管容器は、アプリケーターを受け入れるように構成された開口部を含み、保管容器は、アプリケーターの少なくとも一部を保管容器内に接着剤組成物と接触させて保管するようにさらに構成されている。アプリケーターを、保管容器のねじ付きカラーと嵌合するように構成されたねじ付きキャップに連結させることができる。いくつかの実施形態では、アプリケーターは、天然まつ毛、天然ひげ、毛髪、皮膚、プラスチック、金属、およびその組合せからなる群から選択される少なくとも1つの表面に接着剤組成物を塗布するように構成された分配装置(dispensing unit)を含む。分配装置は、接着剤組成物を少なくとも1つの表面に塗布するように構成されたブラシを含みうる。いくつかの実施形態によれば、容器は天然ポリマー、合成ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン、その共重合体、またはその組合せで構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、キットは、接着剤組成物を使用して表面へ付けるための少なくとも1つの美容品を含む。1つまたは複数の美容品は1つまたは複数の天然まつ毛、天然まつ毛エクステンション、人工まつ毛、人工まつ毛エクステンション、ラインストーン、宝石、天然毛髪、人工毛髪、紙、プラスチック、金属、ガラス、光沢材、およびその組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の美容品はまつ毛またはまつ毛エクステンションを含みうる。
いくつかの実施形態によれば、アクリレート成分および炭成分を含む接着剤組成物を天然まつ毛の下側に塗布するステップと、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けるステップとを含む、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付ける方法が提供される。1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションは天然まつ毛、人工まつ毛、またはその組合せを含みうる。本方法は、接着剤組成物を塗布するステップの前に天然まつ毛をクリーニングするステップを含みうる。天然まつ毛をクリーニングするステップは、天然まつ毛とクリーニング液とを接触させることを含みうる。天然まつ毛とクリーニング液とを接触させることは、コットンパッドをクリーニング液で湿らせて、天然まつ毛を拭くこと、もしくはクリーニングアプリケーターをクリーニング液で湿らせて、天然まつ毛をブラッシングすること、またはその組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、クリーニングアプリケーターはブラシ、スプーリー、ピック、またはその組合せである。クリーニング液は水、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-6カプリル酸/カプリン酸グリセリド、ポリエチレングリコール-7カプリル酸/カプリン酸グリセリド、フェノキシエタノール、ラウリルベタイン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、またはその任意の組合せを含みうる。
【0013】
いくつかの実施形態では、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付ける方法は、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けるステップの前にまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り出すステップをさらに含む。1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションは、容器、1本もしくは複数本のまつ毛もしくはまつ毛エクステンションが着脱可能に取り付けられたカートリッジ、またはその組合せから取り出し可能である。いくつかの実施形態では、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り出すステップは、まつ毛アプリケーターを使用して容器から1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り外すことを含む。まつ毛アプリケーターはワンド、ピック、ピンセット、またはその組合せでありうる。接着剤組成物を塗布するステップは、接着剤アプリケーターを使用して接着剤組成物を天然まつ毛の下側に分配することを含む。接着剤アプリケーターはスプーリー、ブラシ、ピック、またはその組合せを含みうる。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付ける方法は、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けるステップの前に接着剤組成物を約10秒間~約2分間乾燥させるステップをさらに含みうる。1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けるステップは、接着剤組成物上の1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションに圧力を加えることを含みうる。圧力は約10秒間~約2分間加えることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、まつ毛アプリケーターを使用して接着剤組成物上の1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションに圧力を加えることをさらに含みうる。いくつかの実施形態では、まつ毛アプリケーターの先端部を覆うカバー(またはスリーブ)を使用することができる。まつ毛アプリケーターはワンド、ピック、ピンセット、またはその組合せでありうる。いくつかの実施形態では、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付けるステップは、接着剤組成物上に1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを配置することを含む。配置することは、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを天然まつ毛の下側に位置づけることを含みうる。
いくつかの実施形態によれば、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付ける方法は、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付けるステップの後に接着剤組成物の別の層を1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションに塗布するステップをさらに含みうる。1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションは接着剤組成物に少なくとも約5日間付けられたままでありうる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
接着剤組成物
従来のまつ毛接着剤組成物は、アクリレート、ホルムアルデヒド、およびラテックスを含む種々の化学物質を含む。ヒトの目の感作性、および接着剤が硬化する際にこれらの化学成分から放出される煙霧が理由で、多くのユーザーは、まつ毛接着剤を塗布するときに目およびその周囲の刺激を経験する。さらに、多くのユーザーはまつ毛接着剤に対するアレルギーまたはアレルギー様反応を経験する。
これらの有害反応を減少させるかまたは防止するために、ユーザーは、換気の十分な部屋で接着剤を塗布するように、また、接着剤が目に入らないことを確実にするよう気をつけるように助言される。しかし、これらの注意事項を守った場合であっても、多くのユーザーはなお、接着剤中の化学物質に対するアレルギー反応などの有害反応を経験する。有害反応を減少させるかまたは防止するための他のアプローチは、接着剤中の化学物質の量を、特に特定の接着剤組成物からのラテックスおよびホルムアルデヒドの除去を通じて減少させることである。
【0016】
本開示の態様は、まつ毛またはまつ毛エクステンションを接着させるための、炭成分を含む接着剤組成物を提供することで、上記のおよび他の課題に対処する。本明細書の実施形態による接着剤組成物は抗菌性および抗微生物性を有しうる。接着剤組成物は防水性でありうるし、水分および熱を吸収するように構成されうる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の接着剤組成物はアクリレート成分および炭成分を含む。アクリレート成分は、人工まつ毛接着剤中で有用でありうる任意の好適なアクリレートまたはアクリレートの組合せを含みうる。アクリレート成分に好適な材料としてはアクリレート、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー、アルキルアクリレート、(メタ)アクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、C1-6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、C1-6アルコキシC1-6アルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C1-6アルキルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C8-22アルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、その共重合体、その第四級塩、エチルヘキシルアクリレート共重合体、アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、アクリレート/C12-22アルキルメタクリレート共重合体、スチレン/アクリレート共重合体、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、アクリル酸カリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸ナトリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アミノメチルプロパノール-アクリレート共重合体、アクリル酸グリセリル/アクリル酸共重合体、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート共重合体、ナトリウムヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、ポリグリセリルメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、および/またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。いくつかの実施形態では、接着剤組成物はアクリレート成分を接着剤組成物の総質量に対して約10質量パーセント(質量%)~約90質量%、約15質量%~約85質量%、約20質量%~約80質量%、約25質量%~約75質量%、約30質量%~約50質量%、または約45質量%~約55質量%の量で含みうる。
【0017】
特定の理論に拘束されるものではないが、アクリレート成分と活性炭とが混合される場合、得られる混合物が、従来のまつ毛接着剤に比べて、熱を潜在的に吸収することで耐熱性がさらに高くなりうるし、例えばシャワーまたは他の高温環境において熱に曝される際にさらに長時間接着しうると考えられる。炭成分は任意の好適な炭材料または炭材料の組合せを含みうる。炭、例えば活性炭とは、木材(例えば竹、堅木など)、泥炭、石炭、コークス、石油、骨、ヤシ殻、堅果の殻、コイア、および亜炭などの炭質材料から、例えば炭質材料の物理的再活性化(熱分解)、化学的再活性化(燃焼-高温での強酸、強塩基、もしくは塩による処理)、および/または過熱を通じて生成されうる炭素を意味する。本明細書に記載の接着剤組成物の炭成分に好適な材料としては活性炭、顆粒状活性炭、押出活性炭、ペレット化活性炭、粉末活性炭、酸洗浄活性炭、高純度活性炭、添着活性炭、医薬品グレードの活性炭、ヤシ殻から作製された酸洗浄顆粒状活性炭、および/またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。いくつかの実施形態では、炭成分は接着剤組成物の総質量に対して約0.001質量%~約50質量%、約0.001質量%~約5質量%、約0.005質量%~約4質量%、約0.01質量%~約3質量%、約0.05質量%~約2質量%、約0.1質量%~約1質量%、または約2質量%、約5質量%、約10質量%、約15質量%、約20質量%、もしくは約30質量%の量で存在する。
【0018】
いくつかの実施形態では、炭成分は複数の単位という形態である。複数の単位としては粉末、粒子、顆粒、押出品、ペレット、および/またはその組合せを挙げることができるがそれに限定されない。複数の単位は約1ミリメートル(mm)未満、約0.75mm未満、約0.5mm未満、約0.25mm未満、約0.2mm未満、約0.1mm未満、約0.05mm未満、または約0.01mm未満のサイズを有しうる。いくつかの実施形態では、複数の単位は約1mm、約0.75mm、約0.5mm、約0.25mm、約0.2mm、約0.1mm、約0.05mm、または約0.01mmの平均サイズを有しうる。
皮膚接着剤においては、毒性の問題に対処するために、かつ皮膚の刺激およびアレルギー応答を減少させるために、シアノアクリレート(例えばオクチルシアノアクリレート、または瞬間接着剤、強力接着剤、もしくはスーパーグルーとして一般的に公知のもの)が使用されている。シアノアクリレートは、これらの目的にもかかわらず、まつ毛接着剤として使用される際に、目および周囲皮膚の刺激を引き起こすことがあり、アレルギー応答を惹起することもある。ラテックス系接着剤も皮膚接着剤として使用されているが、一部のユーザーはラテックスに対して感作性および/またはアレルギー性がある。ホルムアルデヒドも同様に接着剤において使用されることがあるが、ホルムアルデヒドは皮膚および呼吸器感作性物質であり、ホルムアルデヒドに対する長期曝露は皮膚硬化、皮膚腫脹、皮膚剥離、皮膚炎、湿疹、肺機能障害、および癌を引き起こすことがある。本明細書に記載のいくつかの実施形態の接着剤組成物は、シアノアクリレート、ラテックス、および/またはホルムアルデヒドのうち1種または複数を含まなくてもよい。
【0019】
特定の理論に拘束されるものではないが、炭成分が、目およびその周囲の炎症、刺激、そう痒、痛み、発赤、および/または感染症などのアレルギー反応の可能性を減少させることを促進しうる抗菌性を有すると考えられる。さらに、炭を有する接着剤組成物は、驚くべきことに、接着剤組成物を塗布して乾燥させたときに粘着性の低下を示し、したがってユーザーに好まれうる。配合処方中で0.001%~50%などの広範なパーセントの炭を使用することができる。異なる範囲によって、接着剤組成物の粘着性を変化させることができ、さらに、異なるレベルの抗微生物作用を実現することができる。
【0020】
いくつかの実施形態による接着剤組成物は着色料を含みうる。好適な着色料としてはカーボンブラック、アゾ染料、キノフタロン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、サンセットイエロー染料、アルラレッド染料、アマランス染料、コキネイルレッド染料、アゾゲラニン染料、タルトラジン色素、ブリリアントブラック染料、カンタキサンチン染料、パテントブルー染料、ファストグリーン染料、ブリリアントブルー染料、アシッドグリーン染料、エリトロシン染料、キノリンイエロー、インジゴチン、クルクミン、および/またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。
【0021】
さらなる実施形態では、接着剤組成物は1種または複数の防腐剤、例えば抗菌性を有する防腐剤を含む。これらの防腐剤としてはフェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、カルボン酸、および/またはその組合せを挙げることができるがそれに限定されない。安全でかつ規制当局により承認された他の種類の防腐剤または弱防腐剤、例えばエチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、任意の他の防腐剤、またはその任意の組合せを安全なレベルで利用することができる。いくつかの実施形態による接着剤組成物は1種または複数の防腐剤を約0.1質量%~約10質量%の量で含みうる。いくつかの実施形態では、1種または複数の防腐剤の量は約1質量%以下、約3質量%以下、またはその他でありうる。いくつかの実施形態では、防腐剤はフェノキシエタノールである。これらの組成物では、フェノキシエタノールの量は約0.1質量%未満でありうる。ここで、約0.1質量%であるとは、フェノキシエタノールの量が0.1質量%よりもわずかに多い量、例えば10質量%(すなわち0.11質量%)でありうることを意味する。1種または複数の防腐剤の量は、組成に応じて約1質量%以下、約3質量%以下、またはその他でありうる。
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は水を接着剤組成物の総質量に対して約1質量%~約90質量%、約5質量%~約80質量%、または約40質量%~約50質量%の量で含みうる。本明細書に記載の接着剤組成物は、ビタミンチアミン(例えばビタミンB1)、リボフラビン(例えばビタミンB2)、ナイアシン(例えばビタミンB3)、ビタミンB6、葉酸(例えばビタミンB9)、ビタミンB12(例えばメチルコバラミン)、ビオチン(例えばビタミンB7)、パントテン酸(例えばビタミンB5)、その誘導体、および/またはその組合せを含むがそれに限定されない水溶性ビタミンを含みうる。いくつかの実施形態では、接着剤組成物は可溶性ビタミンを接着剤組成物の総質量に対して約0.1質量%~約20質量%、約0.5質量%~約15質量%、または約1質量%~約15質量%の量で含みうる。いくつかの実施形態によれば、接着剤組成物はラテックスを含みうる。ラテックスは接着剤組成物の総質量に対して約0質量%~約80質量%、または約0.1質量%~約75質量%、または約0.5質量%~約60質量%、または約1質量%~約50質量%の量で存在しうる。
【0022】
例示的な実施形態では、接着剤組成物はアクリレート成分を約45質量%~約55質量%の量で、水を約40質量%~約50質量%の量で、着色料を約1質量%~約4質量%の量で防腐剤を約0.10質量%~約1.0質量%の量で、炭成分(例えば活性炭粉末)を約0.10質量%~約1質量%の量で含みうる。いくつかの実施形態では、アクリレート成分は約45質量%~約55質量%の量であり、炭成分は約0.001質量%~約2質量%の量であり、水は約40質量%~約50質量%の量であり、着色料は約1質量%~約4質量%の量であり、防腐剤は約0.01質量%~約1.0質量%の量である。例示的な実施形態では、接着剤組成物はアクリレート/エチルヘキシルアクリレート共重合体、水、炭粉末(例えば活性炭粉末)、フェノキシエタノール、ビオチン、およびカーボンブラックを含みうる。複数の実施形態では、接着剤組成物は、ユーザーが接着剤組成物を表面に押し付けることで美容品をそこに接着させることを可能にする、感圧性接着剤である。
【0023】
本明細書の実施形態による接着剤組成物は、皮膚または他の表面にまつ毛または他の装飾を取り付けるために好適な接着強度を有しうる。接着強度とは、表面に粘着して2つの表面を接着させる接着剤の能力を意味しうる。接着強度は、接着剤を基材に対して垂直に脱着または剥離するために必要な最大引張応力を確定することで測定可能である。接着強度は、界面において可能な最大引張応力でありうる。いくつかの実施形態によれば、皮膚または他の表面に対する接着剤組成物の接着強度は約0.5MPa~約100MPa、約1MPa~約50MPa、約1MPa~約25MPaである。いくつかの実施形態では、本明細書の実施形態による接着剤組成物は剥離強度約1kN/m~約25kN/m、または約3kN/m~約10kN/mを有しうる。いくつかの実施形態によれば、乾燥前の接着剤組成物は、ASTM D 1084-97接着剤粘度標準試験法によって測定される粘度約10,000cP~約50,000cPを有しうる。
【0024】
キット
本明細書に記載の接着剤組成物と、アプリケーターとを含む、キットがさらに開示される。
図1に関して、いくつかの実施形態によるキット100は、接着剤組成物を収容および/または保管するための容器102を含みうる。容器102は、アプリケーター108を受け入れるように構成された開口部104を画定する、カラー106、例えばねじ付きカラーを含みうる。カラー106は、アプリケーター108の対応するキャップ110、例えばねじ付きキャップと嵌合するように構成されうる。アプリケーター108は、例えば天然まつ毛の下側に接着剤組成物を均一に広げるように構成された分配装置112を含みうる。いくつかの実施形態では、任意の好適な種類の分配装置112を使用して接着剤組成物を塗布して広げることができる。好適な分配装置としてはブラシ、スティック、パドル、スワブ、フォーム、ピック、またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。容器102は任意の好適な材料で形成可能である。容器102に好適な材料としては天然ポリマー、合成ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン、その共重合体、および/またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。
【0025】
いくつかの実施形態では、キット100は、接着剤組成物を使用して表面へ付けるための美容品などの少なくとも1つの物品をさらに含みうる。好適な美容品としてはまつ毛(例えば個々のまつ毛)、まつ毛エクステンション(例えば個々のまつ毛のクラスター)、ラインストーン、宝石、毛髪、人工毛髪、紙、プラスチック、金属、ガラス、光沢材、および/またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。まつ毛またはまつ毛エクステンションはヒトもしくは動物の天然毛髪で、または人工毛髪で形成可能である。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの美容品は、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンション(天然または人工)である。接着剤組成物は、接着剤組成物を少なくとも1つの美容品に塗布した後に、該物品を表面、例えばユーザーのまぶたに押し付けて、乾燥させ、表面に接着させることができる、感圧性接着剤組成物でありうる。
【0026】
図2に関して、いくつかの実施形態によれば、キット200は、接着剤組成物204が予め取り付けられた(例えば押して付ける用に)、1本または複数本のまつ毛エクステンション202を含む。いくつかの実施形態では、接着剤組成物204は、まつ毛エクステンション202に予め取り付けられずに、
図1に関して図示および記載のように、容器に保管されて、アプリケーターを使用して塗布されてもよい。1本または複数本のまつ毛エクステンション202および接着剤組成物204は一緒に包装されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤組成物204が取り付けられた1本または複数本のまつ毛エクステンション202は、接着剤組成物204の乾燥を防止するために1つまたは複数の気密区画に封止されていてもよい。ユーザーが例えばプラスチックフィルムカバーを剥ぎ取ることで区画を開くとき、接着剤組成物204は粘着性でかつ皮膚などの表面に接着可能でありうる。いくつかの実施形態では、キット200は、1本または複数本のまつ毛エクステンション202を保持して付けるためのまつ毛アプリケーター208を含む。まつ毛アプリケーター208を使用することで、ユーザーは、1本または複数本のまつ毛エクステンション202を天然まつ毛206の下側に配置し、1本または複数本のまつ毛エクステンション202および接着剤組成物を天然まつ毛206に押し付けることができる。ユーザーは、接着剤組成物を1本または複数本のまつ毛エクステンション202および天然まつ毛206に接着させながらまつ毛に約1分間~約5分間押し付け続けることができる。
【0027】
本明細書に記載のように、本明細書の様々な実施形態によるキットは、接着剤組成物、ならびに任意の他の好適な装飾および/またはまつ毛もしくはまつ毛エクステンションを含みうる。本明細書の様々な実施形態によるキットは、1本もしくは複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンション、例えば容器内に存在する1本もしくは複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションと、
図8に関して記載のカートリッジ組立体、または1本もしくは複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションが着脱可能に取り付けられたカートリッジ組立体が容器内に存在するカートリッジ組立体とを含みうる。キットは、接着剤組成物、例えば
図1に関して図示および記載の容器内に保管されている接着剤組成物と、やはり
図1に関して図示および記載のアプリケーターとをさらに含みうる。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載のクリーニング液と、場合によってはクリーニング液を天然まつ毛に塗布するためのパッド、クロス、またはスプーリーなどのクリーニングアプリケーターとを含みうる。本明細書に記載のキットは、
図9に関して記載のまつ毛アプリケーター900などの任意の好適なまつ毛アプリケーターを含みうる。いくつかの実施形態では、キットは、
図7に示す方法700の1つまたは複数のブロックが記載されている説明書を含みうる。
【0028】
調製方法
本明細書の様々な実施形態による接着剤組成物を調製するための方法がさらに記載される。
図3に関して、いくつかの実施形態では、方法300は、ブロック302において、他の成分を溶解させるために好適な基剤、例えば溶液を形成するステップを含みうる。いくつかの実施形態では、基剤を、水、本明細書に記載の防腐剤、および/または本明細書に記載の着色料のうち1種または複数を混合容器中で組み合わせることで形成することができる。好適な混合容器としてはビーカー、タンク、ブレンダー、ドラム、リザーバ、ならびに/または液体成分、または液体成分および固体成分を組み合わせるために好適な任意の他の混合容器が挙げられるがそれに限定されない。基剤成分を、動的混合、静的混合、パドルミキサー、ポンプ再循環、スパージング、ジェット混合、およびその任意の組合せを含むがそれに限定されない任意の好適な混合装置および混合方法を使用して混合することができる。基剤は1種または複数の成分の均一混合物でありうる。いくつかの実施形態によれば、1種または複数の成分、例えば水、防腐剤、および/または着色料を混合容器中で約1分間~約5分間ブレンドすることで均一混合物を形成することができる。いくつかの実施形態では、基剤を温度約20℃~約40℃および大気圧で形成することができる。
【0029】
方法300は、ブロック304において、基剤と本明細書に記載のアクリレート成分とを組み合わせることでアクリレート混合物を形成するステップを含みうる。アクリレート成分を上記混合容器中で基剤に加え、上記混合装置を使用して撹拌することができる。アクリレート混合物は基剤とアクリレート成分との均一混合物でありうる。いくつかの実施形態では、基剤とアクリレート成分とを温度約20℃~約40℃および大気圧で組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、方法300は、アクリレート成分を、基剤を収容する混合槽に加えるステップと、アクリレート成分と均一混合物とを約1分間~約30分間混合するステップとを含みうる。
方法300は、ブロック306において、アクリレート混合物と本明細書に記載の炭成分とを組み合わせることで接着剤組成物を形成するステップを含みうる。炭成分とアクリレート混合物とを混合容器中で上記混合装置を使用して組み合わせることができる。形成時の接着剤組成物は、温度約20℃または約25℃および大気圧で例えば測定される際に、ASTM D 1084-97接着剤粘度標準試験法によって測定される粘度約10,000cP~約50,000cPを例えば有する、流動性液体でありうる。
【0030】
使用方法
物品を表面に接着させるために本明細書に記載の接着剤組成物を使用する方法が本明細書に開示される。本明細書に記載の接着剤組成物は、皮膚、プラスチック、金属、および/またはマネキンなどの表面に対するまつ毛および他の物品の長時間の装着および柔軟な保持に好適でありうる。本明細書に開示の接着剤組成物を、天然および人工のまつ毛およびまつ毛エクステンション(例えば人工まつ毛のクラスター、人工まつ毛のストリップ)などを含む様々な種類のまつ毛(例えば個々のまつ毛)またはまつ毛エクステンションを眼域に接着させるために使用することができる。使用時に、本明細書に開示の接着剤をユーザーの天然まつ毛、まつ毛線、皮膚、および/またはその組合せの下側に塗布することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の接着剤組成物を、ラインストーン、宝石、毛髪、人工毛髪、紙製物品、プラスチック品、金属品、ガラス品、光沢材、および/またはその組合せを含むがそれに限定されない表面に他の装飾を接着させるために使用することができる。
【0031】
接着剤組成物は、天然まつ毛または他の毛髪に塗布されるときに、ユーザーのまつ毛を健康かつ衛生的に保つことができ、天然まつ毛または他の毛髪を例えば黒色に着色することもできる。接着剤組成物は熱、細菌、および微生物に耐えることができ、過剰な水分を吸収することができる。複数の実施形態では、接着剤組成物は、天然まつ毛に栄養を与えるためのビオチンを含みうる。本明細書のいくつかの実施形態による接着剤組成物は、ユーザーがまつ毛(または他の装飾)を1日または数日間、例えば少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間などの間装着することを可能にしうる。いくつかの実施形態による接着剤組成物は防水性でありうる。例えば、ユーザーは、シャワーを浴びているかまたは泳いでいる間に、本明細書に記載の接着剤組成物を使用してユーザーの天然まつ毛に接着したまつ毛またはまつ毛エクステンションを、接着を維持しながら装着することができる。
図4は、本開示のいくつかの実施形態による眼域の図である。
図4に示すように、眼域400、例えばヒト眼域は天然上まつ毛402A(本明細書では「天然まつ毛(natural lashes)402A」または「天然まつ毛(natural lash)402A」とも呼ばれる)および天然下まつ毛402B(本明細書では「天然まつ毛(natural lashes)402B」または「天然まつ毛(natural lash)402B」とも呼ばれる)を含みうる。天然まつ毛402Aおよび402Bは下側および上側を有しうる。例えば、天然まつ毛402Aは下側408を示す。天然まつ毛402Bは上側を示す。本明細書では天然まつ毛402Aおよび402Bを天然まつ毛402と総称する。
【0032】
眼域400は上まつ毛線404(本明細書では「まつ毛線404」とも呼ぶ)および上側ウォーターライン406(本明細書では「ウォーターライン406」とも呼ぶ)を含む。いくつかの実施形態では、まつ毛線、例えば、上まつ毛線404、または天然まつ毛402Bの下まつ毛線は、天然まつ毛間の領域を含みうる。まつ毛線は曲線状でありうるし、天然まつ毛402の整列に従いうる。いくつかの実施形態では、上まつ毛線404は、天然まつ毛402Aの上方(例えば直接上方)にある皮膚の一部領域を含みうる。同様に、下まつ毛線は、天然まつ毛402Bの下方(例えば直接下方)にある皮膚の一部領域を含みうる。いくつかの実施形態では、ウォーターライン(「ウェットライン」とも呼ばれる)、例えば、上側ウォーターライン406、および天然まつ毛402Bに対応する下側ウォーターラインは、天然まつ毛402と目との間で露出している皮膚の領域(または線)を含みうる。
【0033】
本明細書において使用される空間的相対性の用語、例えば「下(under)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「上(top)」、「下(bottom)」などは、1つの要素の別の要素に対する相対的な位置を指す。別途指定がない限り、空間的相対性の用語は、絶対配向に限定されるようには意図されておらず、図に示される配向に加えて要素の様々な配向(例えば90度回転、反転、裏返し)を包含するように意図されている。例えば、図中の要素が反転している場合、「上側」要素として記載されている要素は、本開示の態様を逸脱することなく、「下側」要素として配向していると見なされうる。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による例示的な人工まつ毛エクステンションの図である。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による別の例示的な人工まつ毛エクステンションの図である。
【0034】
いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工まつ毛エクステンション500または人工まつ毛エクステンション600(本明細書ではいずれも「まつ毛エクステンション」または「人工まつ毛エクステンション」とも呼ばれる)は、天然まつ毛の下側に付けられるように設計または構成されている。いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工まつ毛エクステンション500または人工まつ毛エクステンション600は複数本の人工まつ毛エクステンションのセットの一部でありうる。いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工まつ毛エクステンション500または人工まつ毛エクステンション600は、複数本の人工まつ毛エクステンションが互いに隣接して天然まつ毛(例えば天然まつ毛402A)の下側に配置される際に、配置された人工まつ毛エクステンションが天然まつ毛の長さ全体にわたる、「完全な」人工まつ毛エクステンションの1つのセグメントでありうる。人工まつ毛エクステンションは、ユーザーのまつ毛線に実質的に整列するように配置されうる。独立したセグメントである人工まつ毛エクステンションを使用することで、天然まつ毛の下側に接着した際に個々の人工まつ毛エクステンションが独立して動くようにして、天然まつ毛の動きを模倣することができ、また、人工まつ毛エクステンションの感触、快適さ、および耐用寿命を改善することができる。
【0035】
人工まつ毛エクステンション500および人工まつ毛エクステンション600はそれぞれ人工毛髪502A~502N(本明細書では「人工毛髪502」と総称する)および人工毛髪602A~602N(本明細書では「人工毛髪602」と総称する)を示す。いくつかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション500または人工まつ毛エクステンション600などの人工まつ毛エクステンションの人工毛髪は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリル樹脂、ポリエステル、または他の合成材料を含むがそれに限定されない1種または複数の合成材料から形成されうる。代替的な実施形態では、天然毛髪(例えばヒト毛髪またはミンク毛髪)などの天然材料が使用されうる。いくつかの実施形態では、特定の人工まつ毛エクステンションの人工毛髪は1つもしくは複数の長さおよび/または1つもしくは複数の直径を有しうる。いくつかの実施形態では、人工毛髪の直径は約0.0075ミリメートル(mm)(例えば0.0075mm±0.0025mm)~0.3mm(例えば0.3mm±0.05mm)でありうる。いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工毛髪の末端は先細り状でありうる。いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工毛髪はカール状でありうるか、または特定の方向に形状化されうる。例えば、人工毛髪502の末端508または人工毛髪602の末端608は先細り状もしくはカール状、またはその両方でありうる。いくつかの実施形態では、人工毛髪は長さ3mm~30mmの範囲、またはいくつかの場合ではそれ以上でありうる。
【0036】
いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工まつ毛エクステンション500または人工まつ毛エクステンション600は基部、例えばそれぞれ基部506、基部606を含みうる。基部は上側(例えば頁外および読者の方に面する)、下側、後側、前側、ならびに2つの横側を含みうる。いくつかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの複数本の人工毛髪のうち1本または複数本は基部の前側から突出する。人工まつ毛エクステンションの裏側は、天然まつ毛の下側に配置されるとき、ユーザーの目の方に向かいうる。基部の厚さ(例えば上側と下側との間の)は約0.05ミリメートル(mm)~約0.15mm(例えば0.05mm±0.01mm)でありうる。基部の低い形状は、人工まつ毛エクステンションが、天然まつ毛の下側により良く接着するほど軽量になるように、かつユーザーの視界の妨げを防止するように設計されている。基部の低い形状は、少なくとも部分的には基部の形成時に熱が加えられることに起因しうる。
いくつかの実施形態では、基部の上側または下側(例えば表面)のうち1つまたは複数は実質的に平坦である(例えば平坦度制御公差値±0.03mmまたは±0.015mmを有する)。いくつかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション500の基部の平坦度は、表面、例えば天然まつ毛の下側または別の人工まつ毛エクステンションの対向面に対する接触および接着の改善を可能にするように設計されている。基部の平坦度は、少なくとも部分的には基部の形成時に熱が加えられることに起因しうる。
【0037】
いくつかの実施形態では、基部は、形成すべき基部の領域またはその近傍に熱を加えることで形成されうる。加熱によって、人工まつ毛エクステンションの1本または複数本の人工毛髪(例えばすべての人工毛髪)を基部に接続することができる。いくつかの実施形態では、加熱備品、例えば加熱プラテン、加熱クリンプ、加熱用ランプ、または他の装置を使用して(例えば人工毛髪に押し付けて)、少なくとも一部の人工毛髪を少なくとも部分的に溶融させることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に溶融した人工毛髪は、基部の少なくとも一部、または全体を形成する。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に溶融した人工毛髪は、複数本の人工毛髪を人工まつ毛エクステンションの基部に接続するように溶融する。
いくつかの実施形態では、何らかの追加の人工材料、例えば1本もしくは複数の人工毛髪または他の材料を、基部が形成されるべき領域における人工毛髪に対して直交に配置することができる。基部が形成されるべき領域(追加の人工材料を含む)に熱を加えることができる。1本もしくは複数本の人工毛髪、または追加の人工材料は、基部の少なくとも一部、または全体を形成するように少なくとも部分的に溶融しうる。いくつかの実施形態では、追加の人工材料は接着剤(例えば接着剤の塗布)および/または支持糸を含みうる。いくつかの実施形態では、加熱を使用することで、塗布された接着剤の硬化を促進することができる。接着剤を加熱と共に使用するいくつかの実施形態では、人工毛髪を部分的に溶融させても溶融させなくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、加熱の前に、人工毛髪を支持または基礎用の糸または繊維に結ぶ(例えば結びつける)ことで、人工毛髪を整列させ、人工毛髪の水平方向の広がりを防止することができる。支持糸が基部の一部を形成するように、熱を上記のように加えることができる(人工毛髪を支持糸に結びつけながら)。他の場合では、水平支持糸の下方で熱を加えることができる。例えば、支持糸によって人工毛髪を定位置に保持することができ、加熱によって支持糸の下方に基部を形成することができる。他の実施形態では、加熱を使用して基部を形成する前または間に人工毛髪を支持糸に整列させない(例えば、支持糸に結びつけない)。他の実施形態では、加熱を使用して基部を形成する前または間にステンシルまたは他の配置装置を使用して人工毛髪を配置することができる。いくつかの実施形態では、熱を1回または複数回加えることで基部を形成することができる。代替的な実施形態では、化学的プロセスを使用して基部の一部または全体を形成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工まつ毛エクステンション500および人工まつ毛エクステンション600は、クラスター504A~504G(本明細書では「クラスター504」と総称する)およびクラスター604A~604G(本明細書では「クラスター604」と総称する)としてそれぞれ構成された人工毛髪502および人工毛髪602を含む。いくつかの実施形態では、毛髪のクラスターは、一緒にまとめられた2本以上の人工毛髪を指しうる。いくつかの実施形態では、3本~30本の人工毛髪がクラスターに含まれうる。いくつかの実施形態では、人工毛髪の1つまたは複数の個々のクラスターが、上記のように加熱を使用することで形成されうる。したがって、クラスターは基部(例えばクラスター基部)を有しうる。別の基部(例えば人工まつ毛エクステンション基部)を形成するために、クラスターを配置することができ、熱をクラスター基部に上記のように加えることができる。いくつかの実施形態では、加熱を使用することで、クラスターを作り出すことなく、人工まつ毛エクステンションが形成される。いくつかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの少なくとも2本の人工毛髪が互いに十字交差している。例えば、特定のクラスターの2本の人工毛髪が互いに十字交差しうる。
いくつかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション500または600は幅4~10mmでありうるが、複数の実施形態は幅5~6mmでありうる。いくつかの実施形態では、これは、通常は幅1.5~2mmである1つのクラスターに比べてはるかに幅広いものであり、したがって天然まつ毛をより広く覆うものである。
【0040】
人工まつ毛エクステンション600は、十字交差する人工毛髪602の交差部分610A~610K(本明細書では「交差部分610」と総称する)において互いに連結または固着された隣接する人工毛髪(または隣接するクラスター604)をさらに示す。交差部分610は、加熱、接着剤の塗布、または本明細書に記載の化学プロセスのうち1種または複数を使用して互いに連結または固着されうる。いくつかの実施形態では、交差部分610は基部の形成後または形成中に形成されうる。例えば、十字交差する人工毛髪602は基部606の約1mm~約5mm(±0.5mm)上方で一緒に接続または固着される。いくつかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション600が基部606を含まないように、交差部分610の形成後に基部606を取り除くことができる。固着された交差部分610は、基部606の非存在下で人工まつ毛エクステンション600の人工毛髪602を一緒に保持しうる。いくつかの実施形態では、基部606は形成されない。十字交差する人工毛髪602の交差部分610は、基部606の形成なしに形成されうる。
図7に関して、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付ける方法700が本明細書に開示される。まつ毛またはまつ毛エクステンションは天然毛髪(例えば天然まつ毛)または人工材料(例えば本明細書に記載の人工まつ毛エクステンション)で形成可能である。まつ毛は1本のまつ毛であってもよく、複数本のまつ毛を個々に上まつ毛線に付けることで眼域を広げてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法700は、ブロック702において、接着剤組成物を塗布するステップの前に表面、例えばユーザーの天然毛髪、天然まつ毛、あごひげ、まつ毛線、まぶた、皮膚、または他の物品(例えばマネキン、プラスチック、金属など)をクリーニングするステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、天然まつ毛の下側に接着剤組成物を塗布するステップの前にユーザーの天然まつ毛をクリーニングするステップを含む。天然まつ毛をクリーニングするステップは、天然まつ毛とクリーニング液とを接触させることを含みうる。好適なクリーニング液は水、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-6カプリル酸/カプリン酸グリセリド、ポリエチレングリコール-7カプリル酸/カプリン酸グリセリド、フェノキシエタノール、ラウリルベタイン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、またはその組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、天然まつ毛とクリーニング液とを接触させることは、パッド(例えば使い捨てコットンパッド)またはクロス(例えばタオル)をクリーニング液で湿らせて、天然まつ毛、まつ毛線、まぶた、皮膚、またはその組合せをクリーニング液で拭くことを含む。いくつかの実施形態では、天然まつ毛とクリーニング液とを接触させることは、クリーニングアプリケーターをクリーニング液で湿らせて、天然まつ毛をクリーニング液でブラッシングすることを含みうる。いくつかの実施形態では、表面とクリーニング液とを接触させることは、パッドまたはクロスで拭くこと、およびクリーニングアプリケーターでブラッシングすることの両方を含みうる。好適なクリーニングアプリケーターとしてはブラシ、スプーリー(例えば使い捨てもしくは再利用型マスカラブラシ)、ピック、またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。
【0042】
方法700は、ブロック704において、本明細書に記載の接着剤組成物を表面に塗布するステップを含みうる。いくつかの実施形態では、接着剤組成物を天然まつ毛の下側に塗布することができ、天然まつ毛はブロック702に関して記載のようにクリーニングされていてもされていなくてもよい。接着剤組成物は、本明細書に記載の接着剤組成物の様々な態様のアクリレート成分および炭成分を含みうる。いくつかの実施形態では、接着剤組成物を、天然まつ毛の代わりに、または天然まつ毛との組合せで、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションに塗布することができる。
いくつかの実施形態によれば、接着剤組成物を表面に塗布するステップは、接着剤アプリケーターを使用して接着剤組成物を天然まつ毛の下側に分配することを含む。用語「分配する」は、接着剤組成物を広げること、接着剤組成物をブラシ塗布すること、または他のやり方で表面の少なくとも一部を接着剤組成物で覆うことを含む。接着剤組成物を表面に分配するために好適な接着剤アプリケーターとしてはスプーリー、ブラシ、ピック、またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。いくつかの実施形態では、接着剤組成物を表面に塗布するステップは、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けるステップの前に接着剤組成物を約10秒間~約2分間乾燥させるステップをさらに含みうる。
【0043】
方法700は、ブロック706において、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けるステップの前にまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り出すステップをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションが容器、カートリッジ組立体、またはその組合せに保管されうる。例えば、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションが着脱可能に取り付けられたカートリッジ組立体が容器内に存在しうる。1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションが着脱可能に取り付け可能である好適なカートリッジ組立体800を
図8Aおよび
図8Bに示す。カートリッジ組立体800は複数本のまつ毛エクステンション802A~802F(本明細書では「まつ毛エクステンション802」と総称する)を保持するように構成されうる。
図8Aおよび
図8Bに示すように、カートリッジ組立体800は上部804、下部806、およびそれらの間のカートリッジ808を含みうる。上部804は、上部804の陥凹812に係合するように構成された突出部材810を含みうる。
図8Aおよび
図8Bに示すように、突出部材810および陥凹812は卵形、アーモンド形、または目の形状を有しうる。複数の保持部材814は、陥凹812を取り囲む壁部818の上縁部816から半径方向に外側に延伸しうる。保持部材814は、下部806の突出要素824を受け入れるように離間しかつ構成されうる。カートリッジ808は、下部806の各通過部材822を受け入れるように構成された開口部820を含みうる。いくつかの実施形態では、開口部820および通過部材822はいずれも
図8Aおよび
図8Bに示すように円形でありうるし、通過部材822は少なくとも一部が開口部820中に延伸するように構成されうる。いくつかの実施形態では、上部804は、通過部材822に係合することで、上部804を下部806に事実上ロックし、
図8Aに示すようにカートリッジ808をそれらの間に固着するように構成された、円形部材(図示せず)を含みうる。
【0044】
図8Aおよび
図8Bに示すように、下部806の突出要素824は、保持部材814間の空間に係合するように構成されうる。カートリッジ808の保持部材814は、下部806の突出部材824と基礎壁部826との間に画定された空間に受け入れ可能である。下部806は、カートリッジ808を下部806に取り付けるロック機構を含みうる。ロック機構は、壁部818の外面に位置づけられた対応する係合部材(図示せず)を受け入れるように構成された陥凹828を含みうる。
図8Aに示すように上部804、下部806、およびカートリッジ808が組み立てられるとき、まつ毛エクステンション802は保持部材814と基礎部材826との間に位置づけられうる。まつ毛エクステンション802は、基礎部材826に対する保持部材814の力によって定位置に保持されうる。この力は、移動中にまつ毛エクステンション802を定位置に保持するために十分であるが、まつ毛エクステンション802をカートリッジ組立体800から半径方向に引っ張ることで克服可能である。
【0045】
方法700に関して、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り出すステップは、まつ毛アプリケーターを使用して容器、カートリッジ組立体800、またはその組合せから1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り外すことを含みうる。好適なまつ毛アプリケーターとしてはワンド、ピック、ピンセット、またはその組合せが挙げられるがそれに限定されない。いくつかの実施形態では、
図9に示すように、まつ毛アプリケーター900を使用して1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り出すことができる。まつ毛アプリケーター900は、一緒にかつ離間して動くように、かつ1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションをそれらの間に保持するように構成された、先端部902A、902Bを含みうる。まつ毛アプリケーター900は、まつ毛またはまつ毛エクステンションをカートリッジから掴み取って、まつ毛またはまつ毛エクステンションを優しく引き離すように構成されうる。接着剤組成物を表面に、例えばユーザーの天然まつ毛の下側に塗布した後で、まつ毛アプリケーター900を使用してまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物上に置くことができる。各先端部902A、902Bは曲線状、例えばまつ毛線の形状でありうる。いくつかの実施形態では、まつ毛アプリケーター900は第1の細長い部材904Aおよび第2の細長い部材904Bを含む。細長い部材904A、904Bは末端部906において結合しうる。いくつかの実施形態では、先端部902A、902Bは、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けながら力を分配するように構成されたプラスチックスリーブなどのスリーブ(カバーとも呼ばれる)(図示せず)で覆われうる。まつ毛アプリケーター900は目尻から鼻柱までの目の曲線に従って保持されうる。曲線状の先端部902A、902Bを使用して、まつ毛またはまつ毛エクステンションがその上に位置づけられた天然まつ毛を、スリーブの付いたまたは付いていない先端部902A、902Bの間に保持することで、まつ毛またはまつ毛エクステンションを天然まつ毛と一緒に接着させる(例えば圧迫し、接着し、把持し、解放する)ことができる。
【0046】
方法700は、ブロック708において、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けるステップを含みうる。本明細書に記載のまつ毛アプリケーター900を使用して、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物に付けることができる。1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付けるステップは、まつ毛またはまつ毛エクステンションを接着剤組成物上に配置すること、例えばまつ毛またはまつ毛エクステンションを天然まつ毛の下側の接着剤組成物上に位置づけることを含みうる。定位置にあるときに、まつ毛アプリケーターまたは他の好適な物品を使用することで、圧力をまつ毛またはまつ毛エクステンションに加えてそれを接着剤組成物に接着させることができる。いくつかの実施形態では、圧力を約10秒間~約10分間、約10秒間~約5分間、または約30秒間~約1分間加えることができる。
いくつかの実施形態によれば、方法700のブロック704、706、および708を必要に応じて独立して繰り返すことで、複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを取り出し、天然まつ毛などの表面に接着させることができる。いくつかの実施形態では、複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションをまつ毛の下側の接着剤組成物上に配置することができ、定位置にあるときに、まつ毛アプリケーターを使用することで、圧力を複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションに加えてそれらを接着剤組成物に接着させることができる。いくつかの実施形態では、まつ毛またはまつ毛エクステンションの第1のセットを天然まつ毛の下側に接着させることができ、次に方法700のブロック704、706、および708を繰り返して、まつ毛またはまつ毛エクステンションの第2のセットを、第1のセットの下側または天然まつ毛に、目の下部のまつ毛線に沿って付けることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付ける方法は、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションを付けるステップの後に接着剤組成物の別の層を1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションに塗布するステップを含みうる。天然まつ毛に既に接着したまつ毛またはまつ毛エクステンションに接着剤組成物のこの第2の層を塗布することで、まつ毛またはまつ毛エクステンションの装着長さを増加させることができる。例えば、1本または複数本のまつ毛またはまつ毛エクステンションは少なくとも約1日間、少なくとも約5日間、少なくとも約7日間、もしくは少なくとも約10日間、または最大10日間もしくは最大15日間、接着剤組成物に接着したままでありうる。接着剤組成物の第2の層が塗布されたときに、まつ毛アプリケーターを使用することで、圧力をまつ毛またはまつ毛エクステンションおよび接着剤組成物に約10秒間~約10分間、約10秒間~約5分間、または約30秒間~約1分間加えて、接着剤組成物の第2の層を十分に乾燥させることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、方法700は、1つまたは複数の上記行為(例えばブロック702~708)に加えて、その代わりに、またはそれとの組合せで、1つまたは複数の以下の行為を含みうる。1つの行為では、接着剤を天然上まつ毛などの天然上まつ毛の下側に塗布することができる。
別の行為では、まつ毛エクステンションのセットからの1本または複数本の人工まつ毛エクステンションを天然まつ毛の下側に配置することができる。接着剤は、粘着性でありうるし、人工まつ毛エクステンションを天然まつ毛の下側に接着させうる。いくつかの実施形態では、セットの各人工まつ毛エクステンションの各基部の上側を(まぶたよりもむしろ)天然まつ毛の下側に直接配置して付けることができる。いくつかの実施形態では、セットの1本または複数本の人工まつ毛エクステンションをまつ毛線の湾曲に整列するように配置することができる。例えば、基部がまつ毛線の湾曲に整列するように、複数本の人工まつ毛エクステンションを互いに隣接させて(例えば重複させずに、または重複させて)配置することができる。したがって、人工まつ毛エクステンションのセットは、まつ毛線の近位に配置される際に、まつ毛線と実質的に面一になりうる。いくつかの実施形態では、1本または複数本の人工まつ毛エクステンションを一度に天然まつ毛の下側に配置することができる。例えば、1本の人工まつ毛エクステンションを最初に配置することができ、別の人工まつ毛エクステンションを次に配置することができ、その後も同様にすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアプリケーターを使用することで人工まつ毛エクステンションのセットを配置することができる。さらに、所望であれば、ユーザーは人工まつ毛エクステンションのセットのうち1本または複数本を再配置することができる。
【0049】
別の行為では、1本または複数本の人工まつ毛エクステンションを天然まつ毛の下側に固定する(例えば取り付けるかまたは接着させる)ことができる。いくつかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションのセットが所望の配置で配置されたとき、人工まつ毛エクステンションが表面に、例えば天然まつ毛の下側に固着されていっそう持続的に取り付けられる(例えば数日間)ように、人工まつ毛エクステンションを固定することができる。いくつかの実施形態では、接着剤を硬化するための1回または複数回の加圧または時間経過を使用することで、人工まつ毛エクステンションのセットを固定することを促進することができる。いくつかの実施形態では、アプリケーターを使用することで人工まつ毛エクステンションを天然まつ毛に固定する(例えば圧力を加える)ことができる。いくつかの実施形態では、配置する行為および固定する行為を組み合わせて単一の行為にすることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、接着剤組成物を、まつ毛またはまつ毛エクステンションの装着を延長し(例えば最大10日間または最大15日間)かつリフレッシュするように設計されたまつ毛コーティングとの組合せで使用することができる。このまつ毛コーティングは水、アルコール、PEG-32、ポリビニルアルコール、グリコシルトレハロース、ブチレングリコール、ベタイン、加水分解水添デンプン、カプリル酸グリセリル、ヒアルロン酸ナトリウム、ビワ(eriobotrya japonica)葉エキス、マコンブ(laminaria japonica)エキス、カワラヨモギ(artemisia capillaris)花エキス、オタネニンジン(panax ginseng)根エキス、チョウジ(eugenia caryophyllus)(クローブ)花エキス、アセチルデカペプチド-3、可溶性コラーゲン、パンテノール、ビオチノイルトリペプチド-1、ヒドロキシエチルセルロース、アクリレート、C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ポリウレタン-14、AMP-アクリレート共重合体、特別変性アルコール40-B、グリセリン、水酸化カリウム、EDTA二ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルパラベン、および/またはその組合せを含みうる。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、本明細書の実施形態による接着剤組成物をユーザーのまつ毛全体に軽くブラシ塗布することができる。まつ毛をブラッシングすることで凝集塊を除去および/または回避することができる。接着剤組成物を約1分間以上乾燥させることができ、部分乾燥後の接着剤組成物は非常に粘着性でありうる。接着剤組成物は風乾させてもよく、ドライヤーを使用して乾燥させてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザーは、接着剤組成物の第2のコーティングをまつ毛に対して第1のコーティングの上に塗布してもよいが、接着剤組成物をまつ毛の基部の下側にのみ軽く塗ってもよい(同じ場所にユーザーはマスカラを塗布し始めるであろう)。接着剤組成物の第2のコーティングを少なくとも1分間再度乾燥させることができる。次に、ユーザーは、粘着感を防止するために、人工まつ毛を接着剤組成物およびまつ毛アプリケーターに付けることができる。接着剤組成物は塗布中に粘着性でありうるが、平坦にかつ硬く乾燥する。塗布された接着剤組成物を封止用組成物で封止することで粘着性を取り除くことができる。封止用組成物はアクリレート/エチルヘキシルアクリレート共重合体、水、アルコール、ポリソルベート20、フェノキシエタノール、ヒドロキシエチルセルロース、セテアレス-25、プロピレングリコール、PEG-60、水添ヒマシ油、グリセリン、カーボンブラック(黒色2号)、および/またはその組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、封止用組成物は水、アルコール、PEG-32、ポリビニルアルコール、グリコシルトレハロース、ブチレングリコール、ベタイン、加水分解水添デンプン、カプリル酸グリセリル、ヒアルロン酸ナトリウム、ビワ葉エキス、マコンブエキス、カワラヨモギ花エキス、オタネニンジン根エキス、チョウジ(クローブ)花エキス、アセチルデカペプチド-3、可溶性コラーゲン、パンテノール、ビオチノイルトリペプチド-1、ヒドロキシエチルセルロース、アクリレート、C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ポリウレタン-14、AMP-アクリレート共重合体、Sdアルコール40-B、グリセリン、水酸化カリウム、EDTA二ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルパラベン、および/またはその組合せを含みうる。
【0052】
使用後に、接着剤組成物除去剤に浸した使い捨てマスカラスプーリー/ブラシでまつ毛および接着剤組成物を除去することができる。いくつかの実施形態では、接着剤組成物除去剤は水、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、イソヘキサデカン、ブチレングリコール、クエン酸ナトリウム、クエン酸、塩化ベンザルコニウム、芳香、EDTA二ナトリウム、ポロキサマー184、ベンジルアルコール、塩化セトリモニウム、グリチルリチン酸二カリウム、イネ(oryza sativa)(コメ)糠エキス、リョクトウ(phaseolus radiatus)種エキス、シトラス・オーランティアム・ダルシス(citrus aurantium dulcis)(オレンジ)果実エキス、カリカ・パパイヤ(carica papaya)(パパイヤ)果実エキス、青色1号(CI 42090)、および/またはその組合せを含みうる。すべての接着剤組成物が除去されるまで、ユーザーはまつ毛をゆっくりとブラッシングし、スクラビングすることができる。リントフリーコットンパッドを使用して目を拭くことができる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の接着剤組成物は任意の好適な化粧品組成物に含まれうる。好適な化粧品組成物としてはマスカラ、アイライナー、フェイスペイント、クリームブラッシュ、リップスティック、ファンデーション、アイシャドウが挙げられるがそれに限定されない。これらの化粧品組成物中の接着剤組成物は、化粧品組成物を任意の好適な色、例えば黒色に色付けるための着色料を含みうる。これらの化粧品組成物は防水性でありうる。接着剤組成物は、化粧品組成物に、化粧品組成物の総質量に対して約0.001質量%~約95質量%、約0.01質量%~約90質量%、約0.1質量%~約85質量%、約1質量%~約80質量%、約2質量%~約75質量%、約5質量%~約60質量%、または約10質量%~約50質量%の量で存在しうる。
【実施例0054】
(実施例1)
水、フェノキシエタノール、カーボンブラック、エチルヘキシルアクリレートとアクリレートとの共重合体、および/または炭粉末のうち1種または複数を有する、炭を含む例示的な接着剤組成物を調製した。水、フェノキシエタノール、およびカーボンブラックを混合槽中で約1分間~約30分間組み合わせることで基剤を調製した。次に混合槽中の基剤にエチルヘキシルアクリレートを加え、得られたアクリレート混合物をさらに混合した。続いて炭粉末(例えば活性炭粉末)を混合槽に加え、他の成分と組み合わせて接着剤組成物を形成した。
【0055】
(実施例2(予言的))
別の例示的な実施形態では、表1に記載の組成を有するラテックス系接着剤組成物を調製することができる。いくつかの実施形態では、水、フェノキシエタノール、およびカーボンブラックを組み合わせて基剤を形成することができ、基剤にエチルヘキシルアクリレートとアクリレートとの共重合体およびラテックスを加え、組み合わせることでアクリレート混合物を形成する。得られたアクリレート混合物に炭粉末を加えてラテックス系接着剤組成物を形成することができる。他の調製方法ならびに追加および/または代替の成分が利用可能であることを理解すべきである。
【0056】
【0057】
(実施例3(予言的))
溶媒系添加剤はゴム溶液でありうるし、水性接着剤はラテックス溶液でありうる。したがって、炭粉末(例えば活性炭粉末)が含まれる溶媒系接着剤または水性接着剤を調合する上で多種多様な範囲を使用することができる。表2は、炭を含む接着剤の例示的な実施形態の組成を示す。実施例2に記載の方法を使用して組成物を調製することができる。
【表2】
【0058】
【0059】
上記明細書は、開示される正確な形態または特定の使用分野に本開示を限定するようには意図されていない。したがって、本明細書に明確に記載されている場合であれ、暗示されている場合であれ、本開示の様々な代替的実施形態および/または修正が本開示に照らして可能であると想定される。これまで本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。一般に、本明細書中での添加剤に対する言及は、本明細書に別途記載が無い限り、有効な添加剤に対するものである。
【0060】
上記明細書では、本開示を具体的な実施形態に関連づけて説明してきた。しかし、当業者が認識するように、本開示の精神および範囲を逸脱することなく、本明細書に開示の様々な実施形態を様々な他の方法で修正または別途実行することができる。したがって、本明細書は例示的なものと見なされるべきであり、開示される化学系の様々な実施形態を作製および使用する様式を当業者に教示することを目的とする。本明細書に示され記載される本開示の形態が代表的実施形態と受け取られるべきであることを理解すべきである。本明細書において代表的に例示および記載されている要素または材料を、同等の要素または材料で置き換えることができる。さらに、本開示の本明細書の利益を享受した後の当業者にはまったく明らかなように、本開示の特定の特徴は、他の特徴の使用とは独立して利用可能である。本開示を記述および特許請求するために使用される「含む(including)」、「含む(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的に解釈され、すなわち、明確に記載されていない項目、成分、または要素も存在することを許容するように意図されている。単数形に対する言及は、複数形にも関係すると解釈されるべきである。
【0061】
文脈上別途明らかな指示がない限り、本明細書において使用される単数形「a」、「an」、および「the」は複数の言及対象を含む。したがって、例えば、「有効成分(an active ingredient)」に対する言及は、1種の有効成分、および2種以上の異なる有効成分の混合物を含む。本明細書において、用語「例」または「例示的」は、例、実例、または例示の役割を果たすことを意味するように使用される。本明細書において「例」または「例示的」として記載される任意の態様または設計は、他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。むしろ、用語「例」または「例示的」の使用は、概念を具体的に提示するように意図されている。本出願において使用される用語「または」は、排他的な「または」よりもむしろ包含的な「または」を意味するように意図されている。すなわち、別途規定がない限り、または文脈から明らかではない限り、「XはAまたはBを含む」は任意の包括的な自然順列を意味するように意図されている。したがって、XがAを含むか、XがBを含むか、またはXがAおよびBの両方を含む場合、任意の上記実例に基づいて「XはAまたはBを含む」が満たされる。
本明細書において使用される、測定量に関する用語「約」は、測定を行いかつ測定の目的および測定機器の精度に合った注意レベルを実行する上で当業者が予想する、測定量の通常の変動を意味する。特定の実施形態では、用語「約」は記載される数±10%を含み、したがって、「約10」は9~11を含むであろう。
【0062】
測定量に関する用語「少なくとも約」は、測定を行いかつ測定の目的および測定機器の精度に合った注意レベルを実行する上で当業者が予想する、測定量の通常の変動、ならびにそれよりも多い任意の量を意味する。特定の実施形態では、用語「少なくとも約」は記載される数マイナス10%、およびそれよりも多い任意の量を含み、したがって、「少なくとも約10」は9、および9よりも多い任意の数を含むであろう。この用語は「約10以上」と表されてもよい。同様に、用語「約~未満」は記載される数プラス10%、およびそれよりも少ない任意の量を通常は含み、したがって、「約10未満」は11、および11よりも少ない任意の数を含むであろう。この用語は「約10以下」と表されてもよい。
別途指示がない限り、すべての部およびパーセントは質量に基づく。別途指示がない限り、質量パーセント(質量%)は、揮発性物質を含まない組成全体に基づき、すなわち、乾燥固形分に基づく。
本明細書全体を通じての「1つの実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態」、「1つもしくは複数の実施形態」、または「1つの実施形態(an embodiment)」に対する言及は、当該実施形態に関して記載される特定の特徴、構造、材料、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じた様々な場所における「1つもしくは複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では(in one embodiment)」、または「1つの実施形態では(in an embodiment)」などの語句の出現は、本発明の同じ実施形態を必ずしも指してはいない。さらに、1つまたは複数の実施形態において、特定の特徴、構造、材料、または特性を任意の好適な様式で組み合わせることができる。
【0063】
さらに、本明細書に開示の様々な実施形態は、例示的および説明的意味で受け取られるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。接合に関するすべての言及(例えば取り付け、固定、連結、接続など)は、本開示に関する読者の理解を促進するためにのみ使用されるものであり、特に本明細書に開示のシステムおよび/または方法の位置、配向、または使用に関する限定を作り出すことはできない。したがって、接合に関する言及が存在する場合、広範に解釈されるべきである。さらに、接合に関するこれらの言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも示唆しない。
さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「一次的な」、「二次的な」、「主な」、または任意の他の通常語および/もしくは数値語などであるがそれに限定されないすべての数値語は、本開示の様々な要素、実施形態、変形、および/または修正に関する読者の理解を促進するための識別語としてのみ受け取られるべきであり、特に別の要素、実施形態、変形、および/または修正に対する任意の要素、実施形態、変形、および/または修正の順序または優先順位に関する限定を作り出すことはできない。
また、特定の用途に従って有用であるように、図面/図に示される1つまたは複数の要素を、より分離的または一体的に実行してもよく、特定の場合では除外するかまたは実行不可能と見なすことさえしてもよいことが認識されよう。
アクリレート成分が、アクリレート、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー、アルキルアクリレート、(メタ)アクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、C1-6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、C1-6アルコキシC1-6アルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C1-6アルキルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C8-22アルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、その共重合体、その第四級塩、エチルヘキシルアクリレート共重合体、エチルヘキシルアクリレートおよびアクリレート共重合体、アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、アクリレート/C12-22アルキルメタクリレート共重合体、スチレン/アクリレート共重合体、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、アクリル酸カリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸ナトリウム/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アミノメチルプロパノール-アクリレート共重合体、アクリル酸グリセリル/アクリル酸共重合体、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート共重合体、ナトリウムヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、ポリグリセリルメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、またはその組合せを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
炭成分が、木材、竹、堅木、泥炭、石炭、コークス、石油、骨、ヤシ殻、堅果の殻、コイア、亜炭、またはその組合せに由来する炭質材料を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
炭成分が、活性炭、酸洗浄活性炭、高純度活性炭、添着活性炭、医薬品グレードの活性炭、ヤシ殻から作製された酸洗浄顆粒状活性炭、またはその組合せを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
着色料をさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物であって、前記着色料が、カーボンブラック、アゾ染料、キノフタロン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、サンセットイエロー染料、アルラレッド染料、アマランス染料、コキネイル(koki neil)レッド染料、アゾゲラニン染料、タルトラジン染料、ブリリアントブラック染料、カンタキサンチン染料、パテントブルー染料、ファストグリーン染料、ブリリアントブルー染料、アシッドグリーン染料、エリトロシン染料、キノリンイエロー、インジゴチン、クルクミン、またはその組合せを含む、前記接着剤組成物。
防腐剤をさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物であって、前記防腐剤が、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、カルボン酸、またはその組合せを含む、前記接着剤組成物。
水、着色料、および防腐剤をさらに含み、アクリレート成分が約45質量%~約55質量%の量であり、炭成分が約0.001質量%~約2質量%の量であり、水が約40質量%~約50質量%の量であり、着色料が約1質量%~約4質量%の量であり、防腐剤が約0.01質量%~約1.0質量%の量である、請求項1に記載の接着剤組成物。
さらに、本明細書に開示の様々な実施形態は、例示的および説明的意味で受け取られるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。接合に関するすべての言及(例えば取り付け、固定、連結、接続など)は、本開示に関する読者の理解を促進するためにのみ使用されるものであり、特に本明細書に開示のシステムおよび/または方法の位置、配向、または使用に関する限定を作り出すことはできない。したがって、接合に関する言及が存在する場合、広範に解釈されるべきである。さらに、接合に関するこれらの言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも示唆しない。
さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「一次的な」、「二次的な」、「主な」、または任意の他の通常語および/もしくは数値語などであるがそれに限定されないすべての数値語は、本開示の様々な要素、実施形態、変形、および/または修正に関する読者の理解を促進するための識別語としてのみ受け取られるべきであり、特に別の要素、実施形態、変形、および/または修正に対する任意の要素、実施形態、変形、および/または修正の順序または優先順位に関する限定を作り出すことはできない。
また、特定の用途に従って有用であるように、図面/図に示される1つまたは複数の要素を、より分離的または一体的に実行してもよく、特定の場合では除外するかまたは実行不可能と見なすことさえしてもよいことが認識されよう。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕アクリレート成分、および
炭成分
を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物。
〔2〕アクリレート成分を接着剤組成物の総質量に対して約10質量パーセント(質量%)~約90質量%の量で含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔3〕アクリレート成分が、アクリレート、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー、アルキルアクリレート、(メタ)アクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、C
1-6
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、C
1-6
アルコキシC
1-6
アルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C
1-6
アルキルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、C
8-22
アルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、その共重合体、その第四級塩、エチルヘキシルアクリレート共重合体、エチルヘキシルアクリレートおよびアクリレート共重合体、アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、アクリレート/C
12-22
アルキルメタクリレート共重合体、スチレン/アクリレート共重合体、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、アクリル酸カリウム/C
10-30
アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸ナトリウム/C
10-30
アルキルアクリレートクロスポリマー、アミノメチルプロパノール-アクリレート共重合体、アクリル酸グリセリル/アクリル酸共重合体、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート共重合体、ナトリウムヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウレート共重合体、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、ポリグリセリルメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、またはその組合せを含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔4〕炭成分が、木材、竹、堅木、泥炭、石炭、コークス、石油、骨、ヤシ殻、堅果の殻、コイア、亜炭、またはその組合せに由来する炭質材料を含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔5〕炭成分が、活性炭、酸洗浄活性炭、高純度活性炭、添着活性炭、医薬品グレードの活性炭、ヤシ殻から作製された酸洗浄顆粒状活性炭、またはその組合せを含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔6〕炭成分を接着剤組成物の総質量に対して約0.001質量%~約5質量%の量で含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔7〕炭成分が、粉末、粒子、顆粒、押出品、ペレット、またはその組合せを含む複数の単位を含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔8〕炭成分が、約1mm未満のサイズを含むかまたは約1mmの平均サイズを含む複数の単位を含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔9〕水を接着剤組成物の総質量に対して約1質量%~約90質量%の量でさらに含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔10〕着色料をさらに含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物であって、前記着色料が、カーボンブラック、アゾ染料、キノフタロン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、サンセットイエロー染料、アルラレッド染料、アマランス染料、コキネイル(koki neil)レッド染料、アゾゲラニン染料、タルトラジン染料、ブリリアントブラック染料、カンタキサンチン染料、パテントブルー染料、ファストグリーン染料、ブリリアントブルー染料、アシッドグリーン染料、エリトロシン染料、キノリンイエロー、インジゴチン、クルクミン、またはその組合せを含む、前記接着剤組成物。
〔11〕防腐剤をさらに含む、前記〔1〕に記載の接着剤組成物であって、前記防腐剤が、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、カルボン酸、またはその組合せを含む、前記接着剤組成物。
〔12〕シアノアクリレート、ラテックス、ホルムアルデヒド、またはその任意の組合せを含まない、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔13〕水、着色料、および防腐剤をさらに含み、アクリレート成分が約45質量%~約55質量%の量であり、炭成分が約0.001質量%~約2質量%の量であり、水が約40質量%~約50質量%の量であり、着色料が約1質量%~約4質量%の量であり、防腐剤が約0.01質量%~約1.0質量%の量である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔14〕基剤とアクリレート成分とを組み合わせてアクリレート混合物を形成するステップと、
アクリレート混合物と炭成分とを組み合わせて接着剤組成物を形成するステップと
を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物を調製する方法。
〔15〕基剤とアクリレート成分とを約20℃~約40℃の温度で組み合わせる、前記〔14〕に記載の方法。
〔16〕基剤を、水、防腐剤、および着色料を約20℃~約40℃の温度で組み合わせることにより形成し、水、防腐剤、および着色料を混合槽中で約1分間~約5分間ブレンドして均一混合物を形成する、前記〔14〕に記載の方法。
〔17〕アクリレート成分を混合槽に加えるステップと、アクリレート成分と均一混合物とを約1分間~約30分間混合するステップとをさらに含む、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕アクリレート成分および炭成分を含む、1つまたは複数の美容品を付けるための接着剤組成物と、
接着剤組成物を保管するように構成された容器と、
容器に保管された接着剤組成物を1つまたは複数の美容品に塗布するように構成されたアプリケーターと
を含む、キット。
〔19〕保管容器が、アプリケーターを受け入れるように構成された開口部を含み、保管容器が、アプリケーターの少なくとも一部を保管容器内に接着剤組成物と接触させて保管するようにさらに構成されている、前記〔18〕に記載のキット。
〔20〕アプリケーターが、天然まつ毛、天然ひげ、毛髪、皮膚、プラスチック、金属、およびその組合せからなる群から選択される少なくとも1つの表面に接着剤組成物を塗布するように構成された分配装置を含む、前記〔18〕に記載のキット。