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特開2023-134602結婚式における音楽選曲のための自動選曲システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134602
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】結婚式における音楽選曲のための自動選曲システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230920BHJP
   G10K 15/02 20060101ALN20230920BHJP
【FI】
G06Q50/10
G10K15/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113342
(22)【出願日】2023-07-10
(62)【分割の表示】P 2018072957の分割
【原出願日】2018-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】518118404
【氏名又は名称】株式会社サウスポイント
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】満田 和哉
(57)【要約】
【課題】各種イベントの背景に流される音楽の選曲を、バーチャルアシスタントを介して用行うことができる自動選曲システムを提供する。
【解決手段】システムサーバと、スタッフ端末と、ユーザ端末とが公衆通信回線網により相互に通信可能に接続されている自動選曲システムにおいて、システムサーバは、ユーザとバーチャルアシスタントとが会話形式で、各種イベントの背景に流れる音楽を選曲する音楽選曲手段と、ユーザに提示する音楽のランキングするランキング手段と、音楽選曲手段における音楽選曲画像をユーザ端末に送信する音楽選曲画像送信手段と、を備え、ユーザ端末は、システムサーバからの音楽選曲画像を受信する画像受信手段と、システムサーバからのバーチャルアシスタントの音声を出力する音声出力手段と、ユーザが発した音声をシステムサーバに送信する音声入力手段と、を備えた自動選曲システム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結婚式の主催者が運用するシステムサーバと、前記主催者のスタッフが管理するスタッフ端末と、複数の新郎新婦であるユーザが所有するユーザ端末と、が公衆通信回線網を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている自動選曲システムにおいて、前記システムサーバは、前記ユーザ端末において、前記新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとが会話形式で、各種イベントの背景に流れる音楽を選曲する音楽選曲手段と、前記音楽選曲手段において前記新郎新婦であるユーザに提示する音楽のランキングを含む音楽選曲画像を決定するランキング手段と、前記音楽選曲手段における音楽選曲画像を前記ユーザ端末に送信する音楽選曲画像送信手段と、を備え、
前記ユーザ端末は、前記システムサーバからの前記音楽選曲手段における音楽選曲画像を受信する画像受信手段と、前記システムサーバからの前記バーチャルアシスタントの音声を出力する音声出力手段と、前記新郎新婦であるユーザが発した音声を前記システムサーバに送信する音声入力手段と、を備え、
前記システムサーバは、前記音楽選曲手段における前記バーチャルアシスタントを、前記音楽選曲画像に重ねて2Dモーフィングの技術を用いて動作させるとともに、自然言語処理を行うことで前記新郎新婦であるユーザと前記バーチャルアシスタントとの会話を成立させ、
前記ランキング手段は、前記新郎新婦であるユーザの年齢、性別、音楽の嗜好に基づいて、前記新郎新婦であるユーザに提示する音楽のランキングを含む音楽選曲画像を決定し、前記音楽選曲手段は、前記ランキング手段で決定した音楽選曲画像を前記新郎新婦であるユーザに提案し、
前記音楽選曲手段は、前記新郎新婦であるユーザが選曲したイベント毎に選曲されたバーチャルアシスタントの画像とイベント毎のランキングと音楽名とよりなる音楽を、他の新郎新婦であるユーザが選曲した音楽と比較して、音楽の類似性や共起性をアソシエーション分析して前記新郎新婦であるユーザに提案する音楽を決定し、
前記新郎新婦であるユーザによる各種イベントの背景に流れる音楽の選曲後に、前記スタッフは、前記新郎新婦であるユーザによる未選曲のイベントがあった場合は、前記スタッフ端末を介して前記ユーザ端末を操作する前記新郎新婦であるユーザとの会話により未選曲のイベントに流す音楽を決定するとともに、全てのイベントに流す音楽の最終確認を行うことを特徴とする結婚式における音楽選曲のための自動選曲システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動選曲システムに関し、詳しくは、結婚式の背景に流される音楽の自動選曲システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冠婚葬祭等の各種イベントにおいては、当該イベントを盛り上げるために、各種イベントに応じた音楽が背景に流されている。特に、結婚式等では、各種イベント(例えば、新郎新婦入場、ウェディングケーキ入刀、御両親への花束贈呈等)の数が多く、ユーザと式場スタッフとによる各種イベントに応じた音楽の選曲の打ち合わせには多大な時間を要していた。
【0003】
このため、結婚式における各種イベント(以下、シーンともいう)の背後に流す音楽の選曲を補助するために、結婚式の披露宴において、披露宴シーン(イベント)に応じて推奨曲リストを提示し、さらに、新郎新婦であるユーザの嗜好に応じて、楽曲の変更ができる披露宴用放送楽曲の選曲支援システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、結婚式シミュレータにおいて、シーン毎に、そのシーンに対応した推薦曲を列挙した推薦曲リストを用意しておき、そのリストから選択した楽曲を試聴させて、シーン毎の楽曲の選択リストを出力し、これに基づき選択した楽曲のCDやDVDを作成することができる結婚シミュレータが開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-123351号公報
【特許文献2】特開2005-004262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冠婚葬祭等のイベント特に、結婚式は、新郎新婦であるユーザの思い入れが大きく、また、近年進む晩婚化により、結婚式を挙げるユーザの年齢層も様々である。このため、上述した特許文献1や特許文献2のように、推奨曲リスト(又は、推薦曲リスト)を提示し、ユーザに選択させるシステムでは、一様な推奨曲リスト(又は、推薦曲リスト)を提示するだけで様々な年齢層に対して新郎新婦であるユーザが満足する音楽の選曲が困難である。
【0007】
さらに、いくら思い入れがあるとは言っても、あまりに独創的な音楽の選曲では、一般の参列者等が楽しめない(感情移入できない)恐れがある。また、近年では、人口知能(AI)を有し、通信回線(インターネット回線等)を介してコンピュータ上で対話による双方向でやり取りできるバーチャルアシスタント等の技術の進歩が顕著である。すなわち、従来では、各種イベントの主催者スタッフが新郎新婦であるユーザとの直接の打ち合わせで行っていた各種イベント(シーン)に応じた音楽を選曲する作業は、このバーチャルアシスタントでも十分に行うことができる。
【0008】
そこで、本発明は、結婚式の背景に流される音楽の選曲を、ウエディングプランナー等に該当するバーチャルアシスタントを用いて、公衆通信回線(インターネット回線等)を介してコンピュータ上のシステムで行うことができる結婚式における音楽選曲のための自動選曲システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、結婚式の主催者が運用するシステムサーバと、前記主催者のスタッフが管理するスタッフ端末と、複数の新郎新婦であるユーザが所有するユーザ端末と、が公衆通信回線網を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている自動選曲システムにおいて、前記システムサーバは、前記ユーザ端末において、前記新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとが会話形式で、各種イベントの背景に流れる音楽を選曲する音楽選曲手段と、前記音楽選曲手段において前記新郎新婦であるユーザに提示する音楽のランキングを含む音楽選曲画像を決定するランキング手段と、前記音楽選曲手段における音楽選曲画像を前記ユーザ端末に送信する音楽選曲画像送信手段と、を備え、前記ユーザ端末は、前記システムサーバからの前記音楽選曲手段における音楽選曲画像を受信する画像受信手段と、前記システムサーバからの前記バーチャルアシスタントの音声を出力する音声出力手段と、前記新郎新婦であるユーザが発した音声を前記システムサーバに送信する音声入力手段と、を備え、前記システムサーバは、前記音楽選曲手段における前記バーチャルアシスタントを、前記音楽選曲画像に重ねて2Dモーフィングの技術を用いて動作させるとともに、自然言語処理を行うことで前記新郎新婦であるユーザと前記バーチャルアシスタントとの会話を成立させ、前記ランキング手段は、前記新郎新婦であるユーザの年齢、性別、音楽の嗜好に基づいて、前記新郎新婦であるユーザに提示する音楽のランキングを含む音楽選曲画像を決定し、前記音楽選曲手段は、前記ランキング手段で決定した音楽選曲画像を前記新郎新婦であるユーザに提案し、前記音楽選曲手段は、前記新郎新婦であるユーザが選曲したイベント毎に選曲されたバーチャルアシスタントの画像とイベント毎のランキングと音楽名とよりなる音楽を、他の新郎新婦であるユーザが選曲した音楽と比較して、音楽の類似性や共起性をアソシエーション分析して前記新郎新婦であるユーザに提案する音楽を決定し、前記新郎新婦であるユーザによる各種イベントの背景に流れる音楽の選曲後に、前記スタッフは、前記新郎新婦であるユーザによる未選曲のイベントがあった場合は、前記スタッフ端末を介して前記ユーザ端末を操作する前記新郎新婦であるユーザとの会話により未選曲のイベントに流す音楽を決定するとともに、全てのイベントに流す音楽の最終確認を行うことを特徴とする結婚式における音楽選曲のための自動選曲システムを提供せんとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、システムサーバとユーザ端末間で、音楽選曲手段における新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとの会話により各種イベントの背景に流れる音楽の選曲ができる。これにより、本発明の音楽選曲手段をユーザに対するフォローとして活用でき、従来、各種イベントの主催者のスタッフと新郎新婦であるユーザとの開催する結婚式の披露宴の打ち合わせに要する時間を短縮することができる。
【0011】
さらに、音楽選曲手段による各種イベントの背景に流れる音楽の選曲の結果を、スタッフ端末とユーザ端末間で、新郎新婦であるユーザとスタッフとの会話により、音楽選曲手段による新郎新婦であるユーザの音楽の選曲を最終的に確認(又は確定)することができる。これにより、イベントの開催期日前にイベントに必要な新郎新婦であるユーザによる音楽の選曲を確定・確認することができ、機械(プログラム)任せでなく、イベントの安全な開催が可能となる。
【0012】
また、音楽選曲手段におけるバーチャルアシスタントは、音楽選曲画像に重ねて2Dモーフィングの技術を用いて動作させるとともに、自然言語処理を行うことで新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとの会話を成立させる。これにより、新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとの会話がスムーズに進行し、あたかも新郎新婦であるユーザは、各種イベントの主催者のスタッフと打ち合わせているような感覚でイベントの背景に流れる音楽の選曲を可能としている。
【0013】
ここで、2Dモーフィングの技術とは、コンピュータグラフィックの手法でもあり、画像上のキャラクター画像(本発明では、バーチャルアシスタントの画像)をなめらかに変形させ、キャラクターや表情の変化などのモーション(動き)を付与するための技術である。
【0014】
また、自然言語処理(Natural Language Processing、略称:NPL)は、人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術(人工知能と言語学の一分野)である。このように、2Dモーフィングの技術や自然言語処理の技術を用いることで、新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとの会話が、あたかも実際の人間と自然な会話をしているような感覚を新郎新婦であるユーザに与えることができる。
【0015】
また、音楽選曲手段は、新郎新婦であるユーザが選曲した音楽のパターンを、他のユーザが選曲した音楽のパターンと比較して、ユーザ同士の選曲した音楽の類似性や共起性を分析して新郎新婦であるユーザに提案する音楽を決定する。この新郎新婦であるユーザ同士の選曲した音楽の類似性や共起性を分析には、例えば、アソシエーション分析が好適に用いられ、このアソシエーション分析により新郎新婦であるユーザの嗜好に合った音楽を提案できる。
【0016】
ここで、アソシエーション分析とは、マーケットバスケット分析とも呼ばれ、2つ以上の選曲された音楽の関連性ルールを探るための手法である。また、蓄積された新郎新婦であるユーザ毎の音楽の選曲状況を分析し、類似性や共起性が強い音楽の組合せを提案するという、統計的に見て強い相関関係を持つ事象間の関係(ルール)を抽出するデータマイニング手法である。このアソシエーション分析の分析結果から、どの音楽が新郎新婦であるユーザの嗜好に合うか等の選曲傾向を分析することができる。このように、新郎新婦であるユーザ同士の音楽の類似性や共起性に基づいた音楽の選曲を新郎新婦であるユーザに促すことで、新郎新婦であるユーザが納得した状態で、イベントの背景に流れる音楽の選曲が可能となる。
【0017】
また、ランキング手段は、新郎新婦であるユーザの年齢、性別、音楽の嗜好に基づいて、ユーザに提示する音楽のランキングを決定する。これにより、幅広い新郎新婦であるユーザの様々な年齢層に対して、新郎新婦であるユーザが好むイベントの背景に流れる音楽の選曲を可能としている。
【0018】
このように、エージェントを用いた音声入出力を行う際にエージェントの画像を会話に併せて動くように処理するだけではなく、音声出力に関して、できるだけ新郎新婦であるユーザと自然な会話が成り立つように会話の内容を自然言語処理することができ、あたかも実際の人間と会話をしているような感覚を新郎新婦であるユーザに与えることができるので、各種イベントの背景に流れる音楽の選曲を自然と行うことが可能となる。
【0019】
また、新郎新婦であるユーザが各種イベントで流す音楽を選曲した後に実行されるものであり、新郎新婦であるユーザが各種イベントで流す音楽が未選曲(つまり、保留)だった場合に、自動選曲システムを運用するスタッフが、スタッフ端末を介してユーザ端末を操作する新郎新婦であるユーザとの会話により未選曲のイベントに流す音楽を決定するとともに、全てのイベントに流す音楽の最終確認を新郎新婦であるユーザに対して行うことができる。
【0020】
また、新郎新婦であるユーザによる各種イベントで流す音楽の選曲を、まず、ランキング手段で決定した音楽選曲画像に重ねてバーチャルアシスタントをユーザ端末に送信し、バーチャルアシスタントを2Dモーフィングの技術を用いて動作させるとともに、自然言語処理を行うことで新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとの自然な会話により各種イベントの背景で流す音楽の選曲を新郎新婦であるユーザに促し、次に、未選曲のイベントがあった場合は、新郎新婦であるユーザが選曲した音楽のパターンを、他の新郎新婦であるユーザが選曲した音楽のパターンと比較して、音楽の類似性や共起性をアソシエーション分析して、新郎新婦であるユーザの好みに近い音楽をバーチャルアシスタントと重ねてユーザ端末に送信し、バーチャルアシスタントを2Dモーフィングの技術を用いて動作させるとともに、自然言語処理を行うことで新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとの自然な会話により未選曲のイベントで流す音楽の選曲を新郎新婦であるユーザに促すことができる。音楽選曲処理が終了すると、選曲・確認処理が実行され自動選曲システムを運用するスタッフが、スタッフ端末を介してユーザ端末を操作する新郎新婦であるユーザとの会話により未選曲のイベントがあった場合は、当該イベントに流す音楽を決定するとともに、全てのイベントに流す音楽の最終確認を新郎新婦であるユーザに対して行うことができる効果がある。
【0021】
このように、音楽選曲処理において2段階の工程で、各種イベントの背景に流す音楽の選曲を新郎新婦であるユーザに促し、最終的には、スタッフによる選曲・確認処理においてスタッフと新郎新婦であるユーザとの対話により、全てのイベントで流す音楽を漏れなく決定することができる。従って、結婚式で実行される各種イベントにおいて、新郎新婦であるユーザが所望する最適な音楽(バックグランドミュージック)を、スタッフの負担を可及的に低減して決定することができるとともに、最終的に未選曲のイベントあればスタッフと新郎新婦であるユーザとの会話で決定し、決定した音楽の最終確認をスタッフが新郎新婦であるユーザに対して行うため、冠婚葬祭で実行される各種イベントで流す音楽を遺漏なく確実に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態の自動選曲システムの構成を示す図である。
図2】本実施形態の自動選曲システムのシステムサーバの電気的構成を説明するブロック図である。
図3】本実施形態の自動選曲システムのフローチャートである。
図4】本実施形態の自動選曲システムのフローチャートである。
図5】本実施形態の音楽選曲処理における相関分析を説明する図である。
図6】本実施形態の自動選曲システムのユーザ端末における画像データの表示例である。
図7】本実施形態の自動選曲システムのユーザ端末における画像データの表示例である。
図8】本実施形態の自動選曲システムのユーザ端末における画像データの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の要旨は、結婚式の主催者が運用するシステムサーバと、前記主催者のスタッフが管理するスタッフ端末と、複数の新郎新婦であるユーザが所有するユーザ端末と、が公衆通信回線網を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている自動選曲システムにおいて、前記システムサーバは、前記ユーザ端末において、前記新郎新婦であるユーザとバーチャルアシスタントとが会話形式で、各種イベントの背景に流れる音楽を選曲する音楽選曲手段と、前記音楽選曲手段において前記新郎新婦であるユーザに提示する音楽のランキングを含む音楽選曲画像を決定するランキング手段と、前記音楽選曲手段における音楽選曲画像を前記ユーザ端末に送信する音楽選曲画像送信手段と、を備え、前記ユーザ端末は、前記システムサーバからの前記音楽選曲手段における音楽選曲画像を受信する画像受信手段と、前記システムサーバからの前記バーチャルアシスタントの音声を出力する音声出力手段と、前記新郎新婦であるユーザが発した音声を前記システムサーバに送信する音声入力手段と、を備え、前記システムサーバは、前記音楽選曲手段における前記バーチャルアシスタントを、前記音楽選曲画像に重ねて2Dモーフィングの技術を用いて動作させるとともに、自然言語処理を行うことで前記新郎新婦であるユーザと前記バーチャルアシスタントとの会話を成立させ、前記ランキング手段は、前記新郎新婦であるユーザの年齢、性別、音楽の嗜好に基づいて、前記新郎新婦であるユーザに提示する音楽のランキングを含む音楽選曲画像を決定し、前記音楽選曲手段は、前記ランキング手段で決定した音楽選曲画像を前記新郎新婦であるユーザに提案し、前記音楽選曲手段は、前記新郎新婦であるユーザが選曲したイベント毎に選曲されたバーチャルアシスタントの画像とイベント毎のランキングと音楽名とよりなる音楽を、他の新郎新婦であるユーザが選曲した音楽と比較して、音楽の類似性や共起性をアソシエーション分析して前記新郎新婦であるユーザに提案する音楽を決定し、前記新郎新婦であるユーザによる各種イベントの背景に流れる音楽の選曲後に、前記スタッフは、前記新郎新婦であるユーザによる未選曲のイベントがあった場合は、前記スタッフ端末を介して前記ユーザ端末を操作する前記新郎新婦であるユーザとの会話により未選曲のイベントに流す音楽を決定するとともに、全てのイベントに流す音楽の最終確認を行うことを特徴とする結婚式における音楽選曲のための自動選曲システムである。
【0024】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の自動選曲システムの構成を示す図である。図2は、本実施形態の自動選曲システムのシステムサーバの電気的構成を説明するブロック図である。図3は、本実施形態の自動選曲システムのフローチャートである。図4は、本実施形態の自動選曲システムのフローチャートである。図5は、本実施形態の音楽選曲処理における相関分析を説明する図である。図6は、本実施形態の自動選曲システムのユーザ端末における画像データの表示例である。図7は、本実施形態の自動選曲システムのユーザ端末における画像データの表示例である。図8は、本実施形態の自動選曲システムのユーザ端末における画像データの表示例である。
【0025】
[1.自動選曲システムの構成]
以下、本実施形態における自動選曲システムの構成の概要を、図1を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、自動選曲システム1は、各種イベントの主催者100が管理するシステムサーバ10と、複数の新郎新婦であるユーザ200が所持するユーザ端末20と、主催者100の複数のスタッフ300が管理するスタッフ端末30とが公衆通信回線網50を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている。
【0027】
システムサーバ10、ユーザ端末20及びスタッフ端末30としては、周知のコンピュータが好適に用いられる。なお、周知のコンピュータは、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット型パソコン等が好適に用いられるが、公衆通信回線網50を介して相互に通信可能な機能を備えたものであればよい。また、ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、モバイル用のノートパソコン等でもよい。公衆通信回線網50は、周知のインターネット回線、携帯電話通信回線、電話回線、通信衛星回線等である。
【0028】
主催者100は、自動選曲システム1のシステムサーバ10の管理者であり、例えば、冠婚葬祭(例えば、結婚式や葬式)にかかる各種イベントを開催する事業者(結婚式場や葬祭場の経営者)や各種イベントを開催する事業者から運用を委託された業者(例えば、IT業者等)である。そして、本実施形態における自動選曲システム1のシステムサーバ10を管理運用する。複数スタッフ300は各種イベントの開催をサポートする主催者100の複数のスタッフ300である。新郎新婦であるユーザ200は自動選曲システム1に登録されている本システムの利用者である。
【0029】
自動選曲システム1における複数の新郎新婦であるユーザ200は、主催者100と契約した自身に係る各種イベント実行時における各種イベントの背景に流れる音楽の選曲を、本実施形態の自動選曲システム1を用いて行う。なお、以下の説明では、結婚式における各種イベント(新郎新婦入場、ウェディングケーキ入刀、両親への花束贈呈等)の背景に流れる音楽の選曲を一例として説明する。
【0030】
自動選曲システム1における複数の新郎新婦であるユーザ200は、システムサーバ10から送信される音楽選曲手段における音楽選曲画像をユーザ端末20の表示画面に表示した状態で、新郎新婦であるユーザ200とバーチャルアシスタント23との会話により各種イベントの背景に流れる音楽の選曲を実行する(図7図8参照)。このとき、バーチャルアシスタント23は、音楽選曲画像と同時に2Dモーフィングの技術を用いて動作するとともに、自然言語処理を行うことで新郎新婦であるユーザ200とバーチャルアシスタント23との自然な会話を成立させることができる。これにより、あたかも実際の人間(例えば、スタッフ300)と会話をしているような感覚を新郎新婦であるユーザ200に与えることができるので、各種イベントの背景に流れる音楽の選曲を自然と行うことが可能となる。
【0031】
上述した構成において、本実施形態における自動選曲システム1では、本システムを管理する主催者100のシステムサーバ10に開設されている専用サイトに、新郎新婦であるユーザ200、スタッフ300がそれぞれ所有する各端末(ユーザ端末20、スタッフ端末30)により公衆通信回線網50を介して会員登録することで運用される。そして、会員登録された新郎新婦であるユーザ200スタッフ300には、会員登録時にシステムサーバ10の専用サイトが自動生成した専用IDと暗証番号が送信される。以下、会員として登録された新郎新婦であるユーザ200及びスタッフ300は、専用IDと暗証番号を用いてシステムサーバ10に開設されている専用サイトにアクセスすることにより、自動選曲システム1が実行されることになる。
【0032】
[2.システムサーバの構成]
以下、図2を参照して、本実施形態の自動選曲システム1におけるシステムサーバ10の電気的構成を説明する。システムサーバ10は、記憶部11、入出力制御部12、制御部13、外部通信I/F(InterFace)制御部14などから構成されている。
【0033】
記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の大容量記憶装置により構成され、本実施形態において、本システムに登録された複数の新郎新婦であるユーザ200の各種情報(住所、氏名、年齢、音楽の嗜好等の新郎新婦であるユーザ情報)、音楽データ、過去の顧客が選曲した音楽データ、イベントに応じた音楽のランキングデータ等が記憶されている。なお、音楽データは、大量の容量を占有するため、システムサーバ10とは別に、音楽のビッグデータが記憶された他の記憶装置を利用してもよい。
【0034】
入出力制御部12は、システムサーバ10に接続されている図示しない液晶表示装置や、キーボード/マウスなどの外部入出力装置との各種データの入出力を制御する。
【0035】
制御部13は、図示しないCPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどで構成されている。また、この制御部13のCPUは、ROM又は記憶部11に予め記憶されている各種プログラムを実行することにより、後述の音楽選曲処理(音楽選曲手段)等として機能することになる。
【0036】
外部通信I/F制御部14は、外部の公衆通信回線網50と接続され、制御部13の指示に基づいて、自動選曲システム1における複数の新郎新婦であるユーザ200が所有するユーザ端末20、複数のスタッフ300が所有するスタッフ端末30との通信を制御する。外部通信I/F制御部14は、制御部13の指示に基づいて、新郎新婦であるユーザ200が所有するユーザ端末20に対してバーチャルアシスタント23の画像(図6~8参照)を含む音楽選曲画像を送信し、2Dモーフィングの技術を用いてバーチャルアシスタント23を動作させるとともに、自然言語処理を行うことで新郎新婦であるユーザ200とバーチャルアシスタント23との自然な会話を成立させる。
【0037】
[3.音楽選曲処理]
以下、図3図6~8を参照して、本実施形態の自動選曲システム1における音楽選曲処理を説明する。なお、この音楽選曲処理は上述したシステムサーバ10の制御部13(以下、単に制御部13という。)において実行される処理である。また、音楽選曲処理は本実施形態の音楽選曲手段として機能する。
【0038】
図3に示すように、新郎新婦であるユーザ200がユーザ端末20を介してシステムサーバ10にアクセスすると、音楽選曲処理を実行する制御部13は、各種イベントにおける自動選曲を所望する新郎新婦であるユーザ200のユーザ端末20に音楽選曲画像を送信する(ステップS10)。この処理は本実施形態の音楽選曲画像送信手段として機能する。この処理により、図6に示すように、ユーザ端末20の表示装置21(液晶表示装置)には、バーチャルアシスタント23の画像が表示される。そして、バーチャルアシスタント23の画像は、2Dモーフィングの技術を用いて動作するとともに、自然言語処理された音声メッセージ24(図中の吹出し)が、ユーザ端末20の音声出力手段であるスピーカ25から出音される。なお、図6に示すバーチャルアシスタント23が出音する音声メッセージ24は、自動選曲システム1におけるバーチャルアシスタント23の役割、各種イベントに応じた背景に流れる音楽の選曲であること、また、音楽選曲処理における音楽の選曲の流れ(手順)等である。
【0039】
制御部13は、新郎新婦であるユーザ200のユーザ端末20にイベント毎にランキングした音楽を送信する(ステップS11)。この処理により、図7に示すように、ユーザ端末20の表示装置21には、バーチャルアシスタント23の画像と同時にイベント毎のランキングと音楽名が、例えば、イベント1の音楽ランキング22として表示される。そして、バーチャルアシスタント23の画像は、2Dモーフィングの技術を用いて動作するとともに、自然言語処理された音声メッセージ24を、ユーザ端末20の音声出力手段であるスピーカ25から出音する。
【0040】
なお、このステップS11の処理では、ランキングした音楽(音楽ランキング22)だけではなく、過去のデータをもとに計算した多様な切り口からのレコメンド(勧める、推薦・推奨する)リストや担当スタッフからのレコメンドリスト等のイベントに応じた音楽リストを新郎新婦であるユーザ200のユーザ端末20に送信することもできる。これにより、ユーザ端末20の表示装置21には、バーチャルアシスタント23やイベント毎の音楽ランキング22に併せてレコメンドリストとしての音楽リストも表示されるため、新郎新婦であるユーザ200に音楽の選曲における多様な選択肢を付与することができる。
【0041】
制御部13は、新郎新婦であるユーザ200により、全てのイベントの音楽の選曲が実行されたか否かを判定(ステップS12)し、全てのイベントの音楽の選曲が実行されたと判別した場合(ステップS12:Yes)は、制御部13は、ステップS13へ処理を移す。一方、全てのイベントの音楽の選曲が実行されていないと判別した場合(ステップS12:No)は、制御部13は、ステップS11に処理を移す。本実施形態における新郎新婦であるユーザ200が選択した各種イベント数は、最大10種類(10個)用意されている(図5参照)。そして、イベント毎にランキングされた音楽は異なるため、このイベント毎の音楽の選曲は、最大10回繰り返される。なお、この各種イベントの数は最大10種類に限定されるものではなく、それより多くても少なくてもよいが、本実施形態においては、一例として、理解を容易にするために最大10種類で説明する。
【0042】
また、新郎新婦であるユーザ200による音楽の選曲は、図7に示すユーザ端末20の表示装置21に、バーチャルアシスタント23の画像とイベント毎のランキングと音楽名とが表示された状態で、新郎新婦であるユーザ200が、例えば、ランキングと音楽名をユーザ端末20の音声入力手段であるマイク26を介してシステムサーバ10に送信することで実行される。なお、必ずしも、新郎新婦であるユーザ200がイベント毎の音楽の選曲を行う必要は無く、例えば、保留、次の選曲等を、ユーザ端末20のマイク26を介してシステムサーバ10に送信することで、図5に示すように、当該イベントの選曲は未選曲(つまり、‘-’)として処理され、システムサーバ10の記憶部11の所定の領域に記憶される。
【0043】
制御部13は、イベント毎に選曲された音楽をイベントと関連付けて記憶部11の所定の領域に記憶する(ステップS13)。続いて、制御部13は、全イベントの音楽の選曲が終了したか否かを判定する(ステップS14)。そして、全イベントの音楽の選曲が終了したと判別した場合(ステップS14:Yes)は、制御部13は、音楽選曲処理を終了する。一方、全イベントの音楽の選曲が終了していないと判別した場合(ステップS14:Yes)は、制御部13は、ステップS15へ処理を移す。
【0044】
この処理においては、制御部13は、図5に示す記憶部11の所定の領域を読み出し、未選曲(つまり、‘-’)として処理されたイベントの有無を判断する。これは、音楽が選曲されていないイベントに対して、ランキングとは異なる別のパターンでイベントに応じた音楽の提案を実行するためである。
【0045】
制御部13は、ランキングとは異なる別のパターンでイベントに応じた音楽の提案を実行するか否かを判定する(ステップS15)。そして、提案を実行しないと判別した場合(ステップS15:No)は、制御部13は、音楽選曲処理を終了する。一方、提案を実行すると判別した場合(ステップS15:Yes)は、制御部13は、ステップS16へ処理を移す。
【0046】
制御部13は、選曲中の新郎新婦であるユーザ200がイベントに応じて選曲した音楽と、過去の新郎新婦であるユーザ200がイベントに応じて選曲した音楽との、類似性や共起性をイベント毎に分析し、この分析結果に基づいた音楽の選曲を新郎新婦であるユーザ200に提案する。
【0047】
ここで、本実施形態における選曲中の新郎新婦であるユーザ200と、過去の新郎新婦であるユーザ200との、類似性や共起性の判断は、図5に示すアソシエーション(相関関係)分析を用いて実行される。アソシエーション分析とは、マーケットバスケット分析とも呼ばれ、2つ以上の選曲された音楽の関連性ルールを探るための手法である。つまり、図5に示すように、顧客X(選曲中の新郎新婦であるユーザ200)の未選曲「-」のセルのデータを除いて、顧客A~E(過去の新郎新婦であるユーザ200)の選曲データと比較すると、図中点線の資格で囲われた顧客C(相関係数1.000)、顧客E(相関係数0.612)、顧客C(相関係数0.500)の順序で相関係数が顧客Xと近いことがわかる。この相関係数が近い顧客ほど、グルーピング(組み分け)の傾向が似た顧客であるといえる。
【0048】
これにより、相関係数が近い顧客C~Eにおいては、イベント5において選曲されたセルには、「1」が記録されている(未選曲は除く)ことから、顧客Xへのイベント5におけるおすすめ度「1.00」となり、イベント5においては音楽aが顧客Xの嗜好に合うといえる。
【0049】
制御部13は、上述したアソシエーション(相関関係)分析結果に基づいて、新郎新婦であるユーザ200に対して、イベント5に対応した音楽aを提案する(ステップS16)。これにより、図8に示すように、ユーザ端末20の表示装置21には、バーチャルアシスタント23の画像と同時にイベント5において新郎新婦であるユーザ200の嗜好と一致する「音楽a」が表示される。そして、バーチャルアシスタント23の画像は、2Dモーフィングの技術を用いて動作するとともに、自然言語処理された音声メッセージ24を、ユーザ端末20の音声出力手段であるスピーカ25から出音する。
【0050】
制御部13は、上述したアソシエーション(相関関係)分析結果に基づいて、新郎新婦であるユーザ200に提案したイベント5に対応した音楽aが新郎新婦であるユーザ200により選曲されたか否かを判定する(ステップS17)。そして、音楽aが新郎新婦であるユーザ200により選曲されていないと判別した場合(ステップS17:No)は、制御部13は、音楽選曲処理を終了する。一方、音楽aが新郎新婦であるユーザ200により選曲されたと判別した場合(ステップS17:Yes)は、制御部13は、ステップS18において、制御部13は、イベントに対応して選曲された音楽をイベントと関連付けて記憶部11の所定の領域に記憶する(ステップS18)。この処理が終了すると、制御部13は、音楽選曲処理を終了する。
【0051】
新郎新婦であるユーザ200による音楽の選曲は、図8に示すユーザ端末20の表示装置21に、バーチャルアシスタント23の画像とイベント5に対応した音楽aとが表示された状態で、新郎新婦であるユーザ200が、例えば、「選曲する」とユーザ端末20のマイク26を介してシステムサーバ10に送信することで実行される。なお、必ずしも、新郎新婦であるユーザ200がイベント5に対応した音楽aを選曲する必要は無く、例えば、「保留」等を、ユーザ端末20のマイク26を介してシステムサーバ10に送信することで、図5に示すように、当該イベントの選曲は未選曲(つまり、‘-’)として処理され、システムサーバ10の記憶部11の所定の領域に記憶される。
【0052】
[4.スタッフによる選曲・確認処理]
以下、図4を参照して、本実施形態の自動選曲システム1におけるスタッフによる選曲・確認処理を説明する。なお、この処理は、スタッフ300が操作するスタッフ端末30と、新郎新婦であるユーザ200のユーザ端末20との間で実行される処理である。つまり、スタッフ300と新郎新婦であるユーザ200との間の音声による会話で実行される処理である。
【0053】
図4に示すように、スタッフによる選曲・確認処理を実行するスタッフ300のスタッフ端末30から新郎新婦であるユーザ200のユーザ端末20に接続する(ステップS20)。この処理により、ユーザ端末20の表示装置21(液晶表示装置)には、スタッフ300の画像(又は、動画でもよい。)が表示される。
【0054】
スタッフ300のスタッフ端末30は、システムサーバ10から新郎新婦であるユーザ200の各種イベント毎の音楽の選曲状況(図5参照)を入手し、新郎新婦であるユーザ200は全イベント(つまり、新郎新婦であるユーザ200が実行する全てのイベント)の音楽の選曲が終了しているか否を判定する(ステップS21)。そして、スタッフ端末30は、全イベントの音楽の選曲が終了していると判別(ステップS21:Yes)した場合は、ステップS24に処理を移す。一方、全イベントの音楽の選曲が終了していないと判別(ステップS21:No)した場合は、ステップS22に処理を移す。
【0055】
スタッフ300は、上述したステップS21で入手した新郎新婦であるユーザ200の各種イベント毎の音楽の選曲状況(図5参照)を確認しながら、音楽が未選曲のイベントの音楽を、新郎新婦であるユーザ200との通話により、新郎新婦であるユーザ200の要望に応じる形で選曲する(ステップS22)。
【0056】
スタッフ300は、音楽が未選曲のイベントの有無を判定(ステップS23)し、音楽が未選曲のイベントが有ると判別した場合(ステップS23:Yes)は、上述したステップS22を繰り返し実行する。音楽が未選曲のイベントが無いと判別した場合(ステップS23:No)は、スタッフ300は、新郎新婦であるユーザ200に対して、全イベントの音楽の選曲の最終確認を行い(ステップS24)、スタッフによる選曲・確認処理を終了する。
【0057】
上述したスタッフによる選曲・確認処理においては、スタッフ300と新郎新婦であるユーザ200が直接通話して会話することで、音楽が未選曲のイベントが無くなるまで、新郎新婦であるユーザ200による音楽の選曲を行うが、この直接の通話以外の上述したシステムサーバ10からの新郎新婦であるユーザ200の各種イベント毎の音楽の選曲状況(図5参照)の入手(ステップS21)は、予めスタッフ300のスタッフ端末30に搭載されている専用プロクラムにより実行されるものである。
【0058】
ここで、図6~8を参照して、本実施形態の自動選曲システム1における上述したシステムサーバ10の音楽選曲処理において、システムサーバ10から送信され、ユーザ端末20の表示装置21に表示される音楽選曲画像の一例を説明する。図6~8に示すように、ユーザ端末20としては、表示装置21(液晶表示装置)、スピーカ25、マイク26を備えた、例えば、ノートパソコン等が好適に用いられる。なお、ユーザ端末20としては、システムサーバ10にアクセスする機能(相互通信機能)、画像の表示機能、スピーカ25及びマイク26を備えたものであればよい。
【0059】
図6に示すように、新郎新婦であるユーザ200がユーザ端末20を介してシステムサーバ10にアクセスすると、システムサーバ10から送信された音楽選曲画像がユーザ端末20の表示装置21に表示される(画像受信手段)。そして、音楽選曲画像に重ねてバーチャルアシスタント23の画像が表示される。なお、図中に示す音楽選曲画像には、図示しない現在流行の音楽CDのケースの写真等を表示することができる。バーチャルアシスタント23の画像は、2Dモーフィングの技術を用いて動作するとともに、自然言語処理された音声メッセージ24(図中の吹出し)が、ユーザ端末20の音声出力手段であるスピーカ25から出音される。なお、図6に示すバーチャルアシスタント23が出音する音声メッセージ24は、自動選曲システム1におけるバーチャルアシスタント23の役割等を説明するメッセージである。
【0060】
図7に示すように、システムサーバ10からユーザ端末20にイベント毎にランキングした音楽が送信されると、ユーザ端末20の表示装置21には、受信した音楽ランキング22が音楽選曲画像に重ねて表示される。
【0061】
そして、バーチャルアシスタント23の画像は、2Dモーフィングの技術を用いて動作するとともに、自然言語処理された音声メッセージ24を、ユーザ端末20の音声出力手段であるスピーカ25から新郎新婦であるユーザ200に出音する。このとき、スピーカ25から出音される音声メッセージ24は、表示装置21に表示された音楽ランキング22の中から新郎新婦であるユーザ200に選曲を促すメッセージである。この状態で、新郎新婦であるユーザ200が音楽ランキング22の中から選曲したい「音楽名」を発生することで、新郎新婦であるユーザ200の音声が、音声入力手段であるマイク26からシステムサーバ10に送信されてシステムサーバ10の記憶部11の所定の領域に記憶され、新郎新婦であるユーザ200によるイベントに応じた選曲が実行される。
【0062】
なお、必ずしも、新郎新婦であるユーザ200がイベント毎の音楽の選曲を音楽ランキング22中から行う必要は無く、例えば、「保留」、「次の選曲」等を、ユーザ端末20のマイク26を介してシステムサーバ10に送信することで、図5に示すように、当該イベントの選曲は未選曲(つまり、‘-’)として処理され、システムサーバ10の記憶部11の所定の領域に記憶される。
【0063】
また、図7における音楽選曲画像には、音楽ランキング22だけではなく、過去のデータをもとに計算した多様な切り口からのレコメンド(勧める、推薦・推奨する)リストや担当スタッフからのレコメンドリスト等の音楽リストを表示させてもよい。
【0064】
図8に示すように、システムサーバ10からユーザ端末20へ、選曲中の新郎新婦であるユーザ200がイベントに応じて選曲した音楽と、過去の新郎新婦であるユーザ200がイベントに応じて選曲した音楽との、類似性や共起性をイベント毎に分析(アソシエーション(相関関係))し、この分析結果に基づいた音楽が送信されると、ユーザ端末20の表示装置21には、受信した音楽名22が音楽選曲画像に重ねて表示される。
【0065】
そして、バーチャルアシスタント23の画像は、2Dモーフィングの技術を用いて動作するとともに、自然言語処理された音声メッセージ24を、ユーザ端末20の音声出力手段であるスピーカ25から新郎新婦であるユーザ200に出音する。このとき、スピーカ25から出音される音声メッセージ24は、表示装置21に表示された音楽名22の選曲を促すメッセージである。この状態で、新郎新婦であるユーザ200が「選択する」と発生することで、新郎新婦であるユーザ200の音声が、音声入力手段であるマイク26からシステムサーバ10に送信されてシステムサーバ10の記憶部11の所定の領域に記憶され、新郎新婦であるユーザ200によるイベントに応じたおすすめの音楽の選曲が実行される。
【0066】
なお、必ずしも、新郎新婦であるユーザ200がおすすめの音楽を選曲する必要は無く、例えば、「保留」、「選曲しない」等を、ユーザ端末20のマイク26を介してシステムサーバ10に送信することで、図5に示すように、当該イベントの選曲は未選曲(つまり、‘-’)として処理され、システムサーバ10の記憶部11の所定の領域に記憶される。
【0067】
なお、図6~8に示す音楽選曲画像では、ユーザ端末20の表示装置21に表示される2Dモーフィングの技術を用いて動作するバーチャルアシスタント23の動きと、自然言語処理された音声メッセージ24(図中の吹出し)をユーザ端末20のスピーカ25から出音されるタイミングを同期させることが望ましい。例えば、図7においては、バーチャルアシスタント23にお辞儀する動作をさせ、その動作に合わせて音声メッセージ24を出音することで、より新郎新婦であるユーザ200に対して、バーチャルアシスタント23と自然に会話をしているようなイメージを与えることができる。
【0068】
ここで、本実施形態におけるランキング手段を説明する。新郎新婦であるユーザ200が自動選曲システム1に登録するときに、システムサーバ10の記憶部11には、新郎新婦であるユーザ情報(新郎新婦であるユーザ200毎に年齢、性別、音楽の嗜好)が登録される。このとき、システムサーバ10の制御部13は、予め新郎新婦であるユーザ200の年齢、性別、音楽の嗜好に基づいて、新郎新婦であるユーザ200に提示する音楽ランキングを決定する。ここで決定された音楽ランキングは、図7に示す音楽ランキング22として、バーチャルアシスタント23とともに、ユーザ端末20の表示装置21に表示されることになる。
【0069】
このように、新郎新婦であるユーザ200の年齢、性別、音楽の嗜好に基づいて、新郎新婦であるユーザ200に提示する音楽ランキングを決定することで、幅広い新郎新婦であるユーザ200の様々な年齢層に対して、新郎新婦であるユーザ200が好むイベントの背景に流れる音楽の選曲を可能としている。なお、図7に示す音楽ランキング22は、ランキング1~3の3件であるが、これは一例であり、ランキングを5件や10件と任意に増やしてもよい。これにより新郎新婦であるユーザ200の音楽の選曲における選択肢を増やすことができる。
【0070】
上述してきた実施形態においては、自動選曲システム1における各種イベントを結婚式のイベントを一例として説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、冠婚葬祭やパーティ等における様々なイベントに本発明の自動選曲システム1を用いることができる。
【0071】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1 自動選曲システム
10 システムサーバ
20 ユーザ端末
21 表示装置
23 バーチャルアシスタント
25 スピーカ
26 マイク
30 スタッフ端末
50 公衆通信回線網
100 主催者
200 新郎新婦であるユーザ
300 スタッフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8