(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134656
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】工具刃の製造方法
(51)【国際特許分類】
B23P 15/28 20060101AFI20230920BHJP
B23D 63/06 20060101ALI20230920BHJP
B23K 1/005 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
B23P15/28 Z
B23D63/06
B23K1/005 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115384
(22)【出願日】2023-07-13
(62)【分割の表示】P 2021114030の分割
【原出願日】2016-07-14
(31)【優先権主張番号】1512361.5
(32)【優先日】2015-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1519222.2
(32)【優先日】2015-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】509118581
【氏名又は名称】シーフォー・カーバイズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】C4 CARBIDES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ニコルソン
(57)【要約】
【課題】工具刃を提供する。
【解決手段】工具刃は、裏当てストリップ(12)と、研磨材料の粒子(26)と、裏当てストリップ(12)の端部に沿って研磨粒子を結合する結合材料(14)の結合層とを含み、裏当てストリップ(12)の端部には歯が予め形成されており、その上で研磨粒子(26)が結合材料(14)によって結合される。輪郭成形された切削部分(28)は、予め形成された歯を超えて延在する。予め形成された歯(16)は、概ね三角波として成形されている、または、切削部分(28)が少なくとも部分的に配置される上端に沿って少なくとも部分的に平坦にされている。刃の製造方法も提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯が予め形成されている裏当てストリップの端部に結合材料及び研磨材料の粒子(研磨粒子)を供給するステップと、
レーザ放射線で前記結合材料を加熱し、予め形成されている前記歯の先端に結合層を形成するステップであって、前記結合層は、予め形成されている前記歯の先端にのみ研磨粒子を結合するステップと、
を具備し、
レーザ放射線で前記結合材料を加熱することで、予め形成されている前記歯に鋭い端部として前記結合層を形成することを特徴とする、工具刃を製造する方法。
【請求項2】
前記歯を、所望のサイズよりも小さいサイズになるように予め形成し、前記研磨粒子と結合材料は、前記歯を被覆して前記被覆された歯のサイズを前記所望のサイズまで増すことを特徴とする、請求項1に記載の工具刃を製造する方法。
【請求項3】
前記歯を、所望のサイズよりも小さいサイズになるように予め形成し、前記研磨粒子と結合材料は、前記歯を被覆して、前記所望のサイズよりも大きいサイズを有する被覆歯を作製し、前記被覆歯を処理して前記所望のサイズにすることを特徴とする、請求項1に記載の工具刃を製造する方法。
【請求項4】
前記研磨粒子を、前記裏当てストリップの端部の上に噴射するか、または流すことによって導入し、高温結合マトリクス粉末を独立して噴射するか、または流すことにより、前記粒子を位置決めすることを特徴とする、請求項1に記載の工具刃を製造する方法。
【請求項5】
前記研磨粒子は、500ミクロン以下の粒径を有することを特徴とする、請求項1に記載の工具刃を製造する方法。
【請求項6】
前記結合材料を粒子形態で導入することを特徴とする、請求項1に記載の工具刃を製造する方法。
【請求項7】
前記裏当てストリップの端部の上に噴射する、流す、又は滝状に前記結合材料を落とすことにより、前記結合材料を前記研磨材料に独立して導入することを特徴とする、請求項1に記載の工具刃を製造する方法。
【請求項8】
前記結合材料は、ろう付け材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の工具刃を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具刃および工具刃の製造方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の実施例は、工具刃の製造方法を提供する。この方法では、
裏当てストリップを与え、
研磨材料の粒子を供給し、
結合材料を供給し、
結合材料は、裏当てストリップの端部に沿って研磨粒子を結合する結合層を形成し、
研磨粒子および結合材料の導入前に、裏当てストリップの端部に歯を予め形成し、
結合材料を放射線のビームで加熱して結合層を形成する。
【0003】
歯を、所望のサイズよりも小さいサイズになるように予め形成してもよく、研磨粒子と結合材料は、歯を被覆してこの歯のサイズを所望のサイズまで増す。
【0004】
これに代えて、所望のサイズよりも小さいサイズになるように歯を予め形成してもよく、研磨粒子と結合材料は、歯を被覆して歯のサイズを所望のサイズよりも大きくなるように増し、歯は処理されて所望のサイズに戻される。歯を、研削もしくはその他の機械加工によって、またはレーザ切断によって処理してもよい。この処理により、1つ以上の鋭い刃先が作製されてもよい。
【0005】
歯を、所望のサイズおよび所望の形状よりも小さいサイズになるように形成してもよい。研磨粒子と結合材料は、仕上げられた歯の表面で均一な層を形成し得る。
【0006】
歯を研削して鋭くしてもよい。歯は、研磨粒子と結合材料で被覆した後に研削してもよい。
【0007】
裏当てストリップを、歯の切削部分のみにおいて被覆してもよい。
結合材料をレーザ放射線で加熱してもよい。
【0008】
研磨粒子を、裏当てストリップの端部の上に噴射するまたは流すことによって導入してもよく、高温結合マトリクス粉末を独立して噴射するまたは流すことにより、粒子を正確に位置決めしてもよい。研磨粒子の粒径は500ミクロン以下であってもよい。研磨粒子は、炭化タングステンを含み得る、または炭化タングステンのみを含み得る、または、他の硬質金属を含み得る。研磨粒子は、少なくとも1つの超砥粒材料(ダイヤモンドまたは立方晶窒化ホウ素等)を含み得る。
【0009】
結合材料を粒子形態で導入してもよい。結合材料を、裏当てストリップの端部の上に、独立して噴射する、流す、または滝状に落とすことによって導入してもよい。結合材料はろう付け材料を含み得る。
【0010】
本発明の実施例はまた、3Dプリンタに、上記方法に従って工具刃をプリントさせる、コンピュータで実行可能な命令を含む、コンピュータ読取可能な媒体を提供する。
【0011】
本発明の実施例はまた、工具刃を提供し、この工具刃は、
裏当てストリップと、
研磨材料の粒子と、
裏当てストリップの端部に沿って研磨粒子を結合する結合材料の結合層とを含み、
裏当てストリップの端部には歯が予め形成されており、歯の上で研磨粒子が結合材料によって結合されている。
【0012】
結合材料と研磨粒子は、刃先を与えるように輪郭成形された切削部分を形成していてもよい。
【0013】
輪郭成形された切削部分は、予め形成された歯を超えて延在していてもよい。
予め形成された歯は、好ましくは概ね三角波として成形されている。
【0014】
予め形成された歯は、切削部分が少なくとも部分的に配置されている上端に沿って少なくとも部分的に平坦にされていてもよい。
【0015】
裏当てストリップの歯のサイズは所望のサイズよりも小さくてもよく、研磨粒子と結合材料は、歯を被覆して歯のサイズを所望のサイズまで増大させる。
【0016】
これに代えて、所望のサイズよりも小さいサイズになるように歯を予め形成してもよく、研磨粒子と結合材料は、歯を被覆して歯のサイズを所望のサイズよりも大きくなるように増し、歯は処理されて所望のサイズに戻される。歯を、研削もしくはその他の機械加工によって、またはレーザ切断によって処理してもよい。この処理により、1つ以上の鋭い刃先が作製されてもよい。
【0017】
歯を、所望のサイズおよび所望の形状よりも小さいサイズになるように形成してもよい。研磨粒子と結合材料は、仕上げられた歯の表面で均一な層を形成し得る。
【0018】
歯を研削して鋭くしてもよい。歯は、研磨粒子と結合材料で被覆した後に研削してもよい。
【0019】
裏当てストリップを、歯の切削部分のみにおいて被覆してもよい。
研磨粒子の粒径は500ミクロン以下であってもよい。研磨粒子は、炭化タングステンを含み得る、または炭化タングステンのみを含み得る、または、他の硬質金属を含み得る。研磨粒子は、少なくとも1つの超砥粒材料(ダイヤモンドまたは立方晶窒化ホウ素等)を含み得る。
【0020】
結合材料はろう付け材料を含み得る。
次に、添付の図面を参照しながら専ら例示を目的として本発明の実施例をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【発明を実施するための形態】
【0022】
概要
図1は、
図1において全体として10で示されている工具刃の製造方法を示すが、明確にするために詳細は省いている。この例では裏当てストリップ12が設けられている。結合材料14が供給される。結合材料は、粉末形態であり、この例では、ホッパー18として示されているソースから、ビームまたは噴流として裏当てストリップ12の上に噴射される。この例において、これは、裏当てスリップ12が矢印23の方向に移動してワークステーション21を通過するときに、このワークステーション21において行なわれる。
2つのホッパー18、20を有する1つのワークステーションが示されている。これ以外の数のワークステーションおよびホッパーが選択されてもよい。
【0023】
結合材料の粉末14および裏当てストリップ12は、ワークステーション21において、放射線源24からの放射線のビーム22によって加熱されて、結合層(後で説明する)が形成される。研磨粒子26も供給される。粒子26は、この例ではワークステーション21においてホッパー20から供給される。研磨粒子は、裏当てストリップ12の端部11に沿って結合されることになる。この結合は、結合材料によって形成されている結合層によってなされる。
【0024】
裏当てストリップ12の端部11には、研磨粒子26および結合材料14の導入前に、歯16が予め形成されている。この例において、歯16は端部11に沿って概ね三角波として成形されている。直線もしくは曲線部分、凹部分、さらなる尾根部分、またはその他の特徴を有する形状を含む、その他の形状が選択されてもよい。
【0025】
研磨粒子26は炭化タングステンを含み得る。一例において、研磨粒子26は炭化タングステンのみを含む。硬質金属または超砥粒(ダイヤモンドもしくは立方晶窒化ホウ素等)といった他の研磨粒子を使用してもよい。研磨粒子の粒径は500ミクロン以下であってもよい。
【0026】
本方法に使用される装置
より詳しくは、
図1は、長い帯鋼の形態の裏当てストリップ12を示す。ストリップ12が加工されてストリップ12の端部に沿って刃先が作製された後に、このストリップは、帯鋸、弓鋸、糸鋸、往復式のこぎり、穴鋸およびその他同様の工具の、刃先が直線状である刃の形態の工具として使用するのに適したものになる。裏当てストリップ12に他の材料が使用されてもよい。
【0027】
この例では、ストリップ12の端部11を、刃10の形成のためにワークステーション21に対して相対的に移動させる。ワークステーション21は、ストリップ12の端部11の上に噴射される粉末形態の材料を供給するためのホッパー18、20を含む。この例では、別々の2つのホッパー18、20が示されており、これらのホッパーを、結合材料14および研磨材料26をストリップ12の端部11に対して別々にまたは一緒に供給できるようにそれぞれが結合材料14および研磨材料26を供給するものとして説明する。
他の例では、混合物としてのこれらの材料の1つのソースのみがあってもよい。それぞれのソースから、または、1つのもしくは組合された2つ以上のソースから供給される、2つ以上の結合材料の混合物を使用してもよい。ホッパー18、20の制御機構によって、結合材料14および研磨粒子26の送達を制御する。送達速度を制御してもよく、送達の開始と停止を制御してもよい。これらの材料が別々に送達されて端部11で混合されるようにすると、特に異なる材料の粒径または重量が異なっている場合に、利用できる制御のレベルが改善されると考えられる。
【0028】
研磨粒子26は、炭化タングステンを含むものであってもよく、または、炭化タングステンのみを含むものであってもよい。
【0029】
ワークステーション21はまた、放射線源24を含む。この例において、放射線源24はレーザ光源である。代わりに、電子ビーム、プラズマビームその他といった、他の種類の放射線源を使用してもよい。以下で説明するように、放射線源24の目的は、結合層を形成するために、ストリップ12の端部11で結合材料14の加熱を生じさせることである。したがって、放射線源24の選択は、以下で説明する結果を得ることを目的として、結合材料16、裏当てストリップ12の材料、および研磨粒子26の材料の性質を考慮して行なえばよい。
【0030】
ワークステーション21の位置を固定し、送り機構(図示せず)を設けて、ストリップ12を、ワークステーション21を通過するように送ってもよい。これは連続的でも段階的でもよい。その代わりにまたはこれに加えて、ワークステーション21(および特にレーザ24)を、機械的手段または光学手段いずれかによって、ストリップ12の端部11に沿って走査するまたはストリップ12の端部11との間で前後方向に走査するように、配置してもよい。また、レーザ24を、可変強度、持続時間可変のパルス、デューティサイクル(オン期間の長さとオフ期間の長さの比率)可変のパルスのストリームを与えるように配置してもよい。放射線の周波数または波長を変化させてもよい。放射線ビームの焦点位置または放射線ビームの焦点の形状もしくはサイズを変化させてもよい。ストリップ12に対する放射線の入射角度または後退角度(drag angle)を変化させてもよい。ストリップ12に対する放射線の走査速度を変化させてもよい。これらおよびその他の変化を利用して、ストリップ12内部における制御可能な加熱効果を生み出してもよい。これによって、形成している結合層の表面の温度を制御することができる。
【0031】
第2のワークステーションが32で示されており、このワークステーションは、後で説明するように、研削もしくはその他の機械加工作業、レーザ切断を実行するための、そうでなければ刃の仕上げのための、仕上げステーションである。代わりに、第2のワークステーション32が刃の仕上げのための別のラインの一部であってもよい。他の代替例において、ワークステーション32は、最初の機械加工または仕上げを提供して、他の場所における、後の最終的な仕上げのための、加工前状態の刃を作製してもよい。
【0032】
ワークステーション21、32を1つ以上の計算装置25によって制御してもよい。その場合は、コンピュータで実行可能な命令により、ワークステーション21、32を3Dプリンタシステムとして機能させて、本明細書に記載の方法に従って研磨工具刃をプリントしてもよい。この命令は、装置25の中にあるかまたは25aで示されるように装置25から取出すことが可能なコンピュータ読取可能な媒体にある。
【0033】
裏当てストリップの形態
裏当てストリップ12には歯16が予め形成される。歯16のさまざまな異なる形状およびサイズを使用できる。歯16はすべて同一のサイズと形状であってもよい。代わりに、歯のサイズおよび/または歯の形状が裏当てストリップ12に沿って変化していてもよい。
【0034】
図2は概ね三角波の尾根の形状の歯16を示す。この歯16は、使用時に歯16の切削部を形成する露出した先端28を有する。結合材料14と研磨粒子26によって被膜30が歯16の上に形成される(
図3)。
図3では、被膜30の外面の形状が、裏当てストリップ12の歯16と異なっており、かつサイズがそれよりも大きいことがわかる。
【0035】
結合層および被膜の形成
図1は、結合層32が形成されて被膜30が得られる状態を示す。これはワークステーション21におけるプロセスである。結合材料14がストリップ12の端部11の上に噴射され、レーザ24を用いてストリップ12の端部11と結合材料を照射する。これには加熱を生じさせる効果がある。この加熱効果により、結合材料が裏当てストリップ12に結合される。一例では、結合材料および/または裏当てストリップ12が溶融してこれらの材料間に溶接効果をもたらす。研磨粒子26も、ストリップ12の端部11の上に噴射され、結合材料14の作用によって端部11に沿って結合される。歯16の先端28のみで裏当てストリップ12が被覆されるように、ワークステーション21を制御してもよい。代わりに、裏当てストリップ12はその端部に沿って連続的に被覆されてもよい。
【0036】
結合材料は、延性ろう付け材料からなる、または延性ろう付け材料を含むものであってもよい。代わりに、硬質ろう付け材料を使用してもよい。硬質ろう付け材料はニッケルろう付け材料であってもよい。結合材料の望ましい機能は、硬質の歯の先端または刃の刃先または歯16の他の切削部分を作製することである。この先端、刃先、または切削部分は、研磨粒子26が存在することと、結合材料14によって得られる、裏当てストリップ12に対する研磨粒子26の結合の品質とにより、研磨部分でもある。
【0037】
歯の形状および歯の仕上げ
図2において、予め形成された歯16は、概ね三角形の形状である丸い波の形状を有する。歯16は、ワークステーション21において研磨粒子26と結合材料14で被覆される。被覆された歯16は
図3に示されている。この例では、この被覆プロセスによって、歯のサイズが、被膜30の外側の輪郭によって示される所望のサイズまで増す(
図3)。
被覆前(
図2)、歯16のサイズは所望のサイズよりも小さい。この例では、歯16が被覆されている間に歯の形状も変化する。すなわち、最初の歯の形状は所望の歯の形状と同一ではない。特に、被覆プロセスによって鋭いエッジ29が形成される。
【0038】
歯16の被覆後、歯16は、第2のステーション32(
図1)において研削処理によって仕上げられてもよい。たとえば、歯16は、特に先端28のエッジ29に沿って鋭くするために研削されてもよい。
【0039】
図4はこれに代わる可能性を示す。この場合も、被覆されていない歯16は概ね三角形の形状である丸い波の形状であり、この場合も、ワークステーション21において研磨粒子26と結合材料14の被膜30で被覆される。この例において、歯16のサイズは最初は所望のサイズよりも小さい。この例における所望のサイズは、上記第1の代替例と比較し易くするために、
図3に示されるサイズであると想定する。被膜30は、歯のサイズを増して所望の歯のサイズよりも大きくするのに十分厚くなるように与えられる。これは
図4に示されている。
図4において、(
図3に対応する)所望の歯のサイズは破線34で示され、専ら説明のためであるが、所望の歯のサイズの内側と外側でシェーディングを異ならせている。
【0040】
歯16が
図4の過剰なサイズ状態になるまで被覆された後、歯16は第2のワークステーション32に進む。ワークステーション32は、過剰サイズの歯16を所望の歯のサイズに戻す。これは、研削もしくはその他の機械加工、レーザ切断、または別の形態の処理によって行なえばよい。
【0041】
これら2つの例において、所望の歯のサイズと形状と比較して、最初の歯のサイズは小さく最初の歯の形状は正しくない。その結果、被膜30の厚みは仕上げられた歯の表面全体を通して均一ではない。他の例において、被覆プロセスによって、歯の形状が最初の歯16の形状から変わらないようにしてもよい。この場合、被膜30の厚みは仕上げられた歯の表面全体を通して均一であろう。
【0042】
図5は、上記のようにして(
図3および
図4)仕上げられた2つの歯と、歯がワークステーション21に達する前に観察されるであろう形態の、まだ被覆されていない1つの歯を示す。
【0043】
結びのコメント
上記実施例は、以下の理由を含めてさまざまな理由から、改善された切削刃を提供すると思われる。歯の機械的な完全性は、主として、裏当てストリップ上の歯の予め形成された形状によって得られ、機械加工、打抜き加工、レーザ切断、研削等といった従来の製造技術により、ストリップに沿って多くの異なる形状を容易に作製できる。(もしあれば)ワークステーション32が提供する仕上げを伴う、ワークステーション21が提供する被覆が、たとえば、さまざまな材料または用途に適した精密な成形と歯の形状変更の容易さによって、優れた歯の性能を生み出すと思われる。特に、炭化タングステンまたはその他の研磨材料が存在するものの予め形成されている歯によって得られる機械的完全性が損なわれないので、生産速度が増し、結果としてコストが低下すると思われる。また、レーザから得られる正確な制御は、熱の影響を受ける領域を最小にして、裏当てストリップのさらに高い可撓性と延性を確保するであろう。
【0044】
刃を上記のように被覆し、その後、まだ切断されていないストリップ形態で販売して、必要な研削または仕上げ工程を含む仕上げが他で行なわれるようにすることが考えられる。
【0045】
上記技術および装置には、本明細書に記載の発明の範囲から逸脱することなく数多くの変形および修正を施すことができる。たとえば、数多くの異なる材料、または、構造体の材料、形状、サイズ、相対形状および相対サイズを組合わせたものを選択できる。
【0046】
ここまで本明細書では特に重要と考える発明の特徴に注意を向けようと努めてきたが、出願人が、特に強調したか否かにかかわらず、ここまでに言及したおよび/または図面に示した特許可能な特徴または特徴の組合わせについて保護を求めていることが理解されるはずである。