(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013478
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230119BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117691
(22)【出願日】2021-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】津村 光美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】走行中の相乗りを可能にする情報処理装置及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】複数の利用者によって車両を共有するカーシェアリングシステムにおいて、サーバは、ユーザーからの予約時に、相乗り可能な意思表示を含む予約情報を登録する登録手段と、ユーザーが乗車するシェアカーの位置情報に基づき当該シェアカー周辺の他のユーザーに相乗り可能なシェアカーがあることを通知する通知手段と、を有する。相乗りを希望する他のユーザーは、リクエスト画面から相乗り宣言を行う。サーバは、相乗りを希望する他のユーザーが存在することをユーザーに知らせる。ユーザーが相乗りを承認すると、サーバは、他のユーザーに相乗りが承認されたことを知らせ、その場に待機させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーからの予約時に、相乗り可能な意思表示を含む予約情報を登録する登録手段と、
相乗り可能な意思表示をしたユーザーが乗車するシェアカーの位置情報に基づき当該シェアカー周辺の他のユーザーに相乗り可能なシェアカーがあることを通知する第1の通知手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置はさらに、前記第1の通知手段の通知に応答して前記他のユーザーから相乗りリクエストを受信したとき、当該相乗りリクエストがあったことを前記ユーザーに通知する第2の通知手段を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記相乗りリクエストはさらに、前記他のユーザーの現在位置情報を含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置はさらに、前記第2の通知手段の通知に応答して前記ユーザーが相乗りリクエストの承認を受信したとき、前記他のユーザーに相乗り承認を通知する第3の通知手段を含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記相乗り承認は、前記他のユーザーに現在位置で待機することのメッセージを含む、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予約情報はさらに、相乗り可能区間または相乗り可能な移動先を含み、
前記第1の通知手段は、前記相乗り可能区間または相乗り可能な移動先を通知する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予約情報はさらに、相乗り可能な人数を含み、
前記第1の通知手段は、前記相乗り可能な人数を通知する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか1つに記載の情報処理装置と、
複数のユーザーがそれぞれ所持する複数の情報端末であって、複数の情報端末が前記情報処理装置と通信が可能である、前記複数の情報端末とを含み、
前記ユーザーが所持する情報端末には、前記他のユーザーの相乗り位置までのルートを含む道路地図が表示される、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理システムに関し、特に複数の利用者によって車両を共有するカーシェアリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が料金を支払うことで車両を一定期間借りるレンタカーシステム、または、複数の車両を予め登録された複数の会員が共同して使用するカーシェアリングシステムが普及してきている。
【0003】
例えば、特許文献1のカーシェアリングシステムでは、ラウンドトリップ型の利用予約とワンウェイ型の利用予約を受け付け、利用条件を満たすユーザーの相乗りを可能にしている。また、特許文献2のカーシェアリングシステムでは、複数の相乗り候補のユーザーに対し、同一の車両に相乗りして所定の目的地まで移動することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-164453号公報
【特許文献2】特開2019-185334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のカーシェアリングシステムは、シェアカー利用前の利用条件のマッチングの上、複数ユーザーの相乗りを行っていた。このため、街中でシェアカーを見かけても、道中での相乗りマッチングをするのはできなかった。また、事前の利用条件のマッチングだけでは相乗り率が向上しないという一面もある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、走行中の相乗りを可能にする情報処理装置および情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、ユーザーからの予約時に、相乗り可能な意思表示を含む予約情報を登録する登録手段と、相乗り可能な意思表示をしたユーザーが乗車するシェアカーの位置情報に基づき当該シェアカー周辺の他のユーザーに相乗り可能なシェアカーがあることを通知する第1の通知手段とを有する。
【0008】
ある態様では、情報処理装置はさらに、前記第1の通知手段の通知に応答して前記他のユーザーから相乗りリクエストを受信したとき、当該相乗りリクエストがあったことを前記ユーザーに通知する第2の通知手段を含む。ある態様では、前記相乗りリクエストはさらに、前記他のユーザーの現在位置情報を含む。ある態様では、情報処理装置はさらに、前記第2の通知手段の通知に応答して前記ユーザーが相乗りリクエストの承認を受信したとき、前記他のユーザーに相乗り承認を通知する第3の通知手段を含む。ある態様では、前記相乗り承認は、前記他のユーザーに現在位置で待機することのメッセージを含む。ある態様では、前記予約情報はさらに、相乗り可能区間または相乗り可能な移動先を含み、前記第1の通知手段は、前記相乗り可能区間または相乗り可能な移動先を通知する。ある態様では、前記予約情報はさらに、相乗り可能な人数を含み、前記第1の通知手段は、前記相乗り可能な人数を通知する。
【0009】
本発明に係る情報処理システムは、上記記載の情報処理装置と、複数のユーザーがそれぞれ所持する複数の情報端末であって、複数の情報端末が前記情報処理装置と通信が可能である、前記複数の情報端末とを含み、前記ユーザーが所持する情報端末には、前記他のユーザーの相乗り位置までのルートを含む道路地図が表示される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予約時に相乗り可能な意思表示をしたユーザーが乗車するシェアカー周辺の他のユーザーに相乗り可能なシェアカーがあることを通知するようにしたので、シェアカーの走行中であっても相乗り可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係るカーシェアリングサービスを説明する図である。
【
図2】本発明の実施例に係るカーシェアリングシステムの全体構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施例に係るカーシェアリングシステムの各部の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施例に係るカーシェアリングシステムにおける予約アプリ画面の表示例である。
【
図5】本発明の実施例に係る相乗りマッチング機能の構成を示す図である。
【
図6】本発明の実施例に係る相乗りマッチング機能の動作を説明するフローである。
【
図7】本実施例による相乗りを希望するユーザーの検索例を示す図である。
【
図8】本実施例による相乗りを希望するユーザーへの通知例を示す図である。
【
図9】本実施例による相乗りをさせるユーザーへの通知例を示す図である。
【
図10】本実施例による相乗りをさせるユーザーへの通知例を示す図である。
【
図11】本実施例による相乗りをさせるユーザーの端末に表示されるルート案内画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る情報処理装置は、カーシェアリングシステムを実施するためのサーバあるいはコンピュータ等の電子装置に関する。
【実施例0013】
図1は、本発明の実施例に係るカーシェアリングサービスの利用例を説明する図である。カーシェアリングサービスでは、複数のユーザーU1、U2、U3、U4、U5、U6(以下、総称するときユーザーUと称す)が車両Mの使用を共有する。共有される車両Mをシェアカーと称す。ユーザーUは、インターネットなどの回線を介してカーシェアリングサービスを提供する会社のサイトにアクセスし、そこでユーザー登録を行うことで、シェアカーMの利用が可能になる。ユーザー登録を完了したユーザーには、例えば、シェアカーMを施錠するための認証カード、サーバにログインするためのパスワードやユーザーIDなどの認証情報が与えられる。
【0014】
図2は、カーシェアリングサービスを実現するためのカーシェアリングシステムの全体構成を示す図である。カーシェアリングシステム100は、複数のユーザーU1~U6(総称するとき、ユーザーUと称す)がそれぞれ所持するスマートフォン200_1~200_6(総称するとき、スマートフォン200と称す)と、シェアカーMの予約管理や相乗り情報の提供等を行うサーバ300とを含む。
【0015】
スマートフォン200には、カーシェアリングサービスを利用するためのアプリケーション(以下、シェアアプリという)がインストールされており、ユーザーUは、シェアアプリを介して予約を入力したり、サーバ300にアクセスすることができる。
【0016】
サーバ300は、ユーザーUを認証する機能、シェアカーMの予約を管理する機能、ユーザーUに相乗り情報などを提供する機能を備えている。また、サーバ300は、シェアカーMの利用回数に応じてユーザーUにポイントを付与する機能を備えることも可能である。このようなポイントは、例えば、シェアカーMを利用するときの料金の割引等に利用することができる。なお、本例では、サーバ300にアクセスするユーザー端末としてスマートフォン200を例示しているが、これは一例であり、例えば、ノート型PC、タブレット型PC、その他の通信機能を備えた情報端末であってもよい。
【0017】
図3は、本実施例のカーシェアリングシステムのスマートフォン200とサーバ300構成を示すブロック図である。スマートフォン200は、
図3に示すように、ユーザーからの指示等を入力する入力部210、表示部220、記憶部230、通信部240、位置検出部250および制御部260等の基本構成を含む。なお、ここには図示しないが、スマートフォン200は、画像を撮像する撮像カメラ、音声を入力するマイクロフォン、音声を出力するスピーカなどの機能を備えることができる。
【0018】
入力部210は、例えば、タッチパネル式の入力や音声入力を含み、この入力は、制御部260へ提供される。表示部220は、液晶パネルや有機ELパネル等により情報を表示する。記憶部230は、データやアプリケーションソフトウエアなどを格納する。上記したように、記憶部230は、シェアアプリを格納したり、あるいは目的地までのルートを探索し、探索したルートを道路地図に表示する機能を備えたナビゲーションアプリなどを格納する。通信部240は、WiFi、LAN、赤外線通信、電話回線などを利用した有線または無線によるデータ通信が可能であり、ここでは、インターネット等のネットワークNWを介してサーバ300との間でデータ通信を行う。
【0019】
位置検出部250は、スマートフォン200の現在位置を検出する。位置検出方法は、特に限定されないが、例えば、GPS測位による絶対位置検出や外部のネットワークを介しての位置情報配信サイトなどから現在地を取得してもよい。
【0020】
制御部260は、スマートフォン200の各部を制御する。制御部260は、例えば、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ等を含み、ROM/RAMに格納されたプログラムや記憶部230に格納された種々のアプリケーション(例えば、シェアアプリやナビゲーションアプリなど)を実行する。
【0021】
ユーザーUは、カーシェアリングサービスを利用するとき、入力部210を介してシェアアプリのアイコンを選択し、制御部260は、シェアアプリを起動させる。シェアアプリが起動されると、制御部260は、表示部220にアプリ画面を表示させ、アプリ画面を通してユーザーUからの入力を受け取り、あるいはアプリ画面にサーバ300から取得した情報を表示する。
【0022】
ユーザーUは、カーシェアリングサービスを利用する場合、最初にユーザー登録を行う。ユーザー登録を行うと、ユーザーUには、ログインIDやパスワード等の認証情報が与えられる。また、認証情報には、ユーザーUが所持するスマートフォン200の識別情報(例えば、デバイスID、電話番号、メールアドレスなど)が関連付けされるようにしてもよい。シェアアプリの起動後、ユーザーUは、アプリ画面から認証情報を入力し、サーバ300がユーザー認証を行い、これにより、ユーザーUは、サーバ300へのアクセスが許可され、カーシェアリングサービスを利用することができる。
【0023】
カーシェアリングサービスでは、シェアカーMを複数のユーザーUによってシェアするため、予め利用日時や利用時間などを予約する必要がある。制御部260は、シェアアプリの起動後、表示部220に予約アプリ画面を表示させ、シェアカーの予約を可能にする。
図4に、予約アプリ画面の一例を示す。予約アプリ画面には、同図に示すように、借りたい車種、乗車日時、返却日時などの入力を含む。本実施例ではさらに、相乗りが可能か否かを表す意思表示の入力を含み、相乗りが可能な場合にはさらに、相乗り可能な移動先または相乗り可能な区間、相乗り可能な人数を含む。制御部260は、予約アプリ画面へのユーザー入力が完了すると、予約アプリ画面に入力された予約情報をサーバ300へ送信する。シェアカーの予約がサーバ300によって承認されると、その旨がスマートフォン200に送信され、制御部260は、予約が承認されたことを表示部220に表示させる。
【0024】
ユーザーUがシェアカーに乗車している間、制御部260は、位置検出部250によって検出されたスマートフォン200の現在位置、つまりシェアカーの現在位置をサーバ300へ随時送信する。また、シェアカーに乗車していないユーザー、あるいはシェアカーの予約をしていないユーザーのスマートフォン200において、制御部260は、シェアアプリが動作されている期間中、位置検出部250によって検出された現在位置を随時サーバ300に送信する。
【0025】
サーバ300は、通信部310、記憶部320および制御部330を含んで構成される。通信部310は、ネットワークNWを介してユーザーUのスマートフォン200との間で双方向のデータ通信を可能にする。記憶部320は、カーシェアリングに関するデータとして、カーシェアリングサービスにユーザー登録したユーザーに関するユーザー情報322、ユーザーUから入力されたシェアカーに関する予約情報324(
図4に示す予約アプリ画面から予約された内容を含む)、ユーザーUがシェアカーを利用したことにより獲得したポイント情報326などを格納する。
【0026】
制御部330は、カーシェアリングシステム100を制御するためのソフトウエアおよびハードウエアを搭載する。本実施例において、制御部330は、カーシェアリングシステムの機能の1つとして、相乗りを希望するユーザーと相乗りを承認するユーザーとのマッチングを行う相乗りマッチング機能を搭載する。
【0027】
図5は、相乗りマッチング機能の構成を示すブロック図である。相乗りマッチング機能400は、ユーザー位置情報取得部410、シェアカー位置情報取得部420、相乗りユーザー検索部430、相乗り通知部440を基本構成として含む。
【0028】
ユーザー位置情報取得部410は、シェアアプリを起動させているユーザーUのスマートフォン200からそれぞれの位置情報を取得する。スマートフォン200は、一定の時間間隔で現在の位置情報をサーバ300に送信するようにしてもよいし、ユーザー位置情報取得部410からのリクエストに応じて位置情報を送信するようにしてもよい。
【0029】
シェアカー位置情報取得部420は、現在走行中のシェアカーMの位置情報を取得する。この位置情報は、シェアカーMに乗車しているユーザーUのスマートフォン200送信されるものであってもよいし、シェアカーMに搭載された車載装置とユーザーUのスマートフォン200とを連携させた場合には、車載装置から送信されるものであってもよい(この場合、位置情報は、車載装置が検出したものであってもよい)。
【0030】
相乗りユーザー検索部430は、予約時に相乗り意思表示を示したユーザーUがシェアカーで走行している間に、シェアカーに相乗りを希望するユーザーUを検索する。具体的には、ユーザー位置情報取得部410によって取得されたユーザーU(スマートフォン200)の位置情報と、シェアカー位置情報取得部420によって取得されたシェアカーMの位置情報とを用いて、シェアカーMの現在位置から一定の距離範囲内に存在するユーザーUを検索する。
【0031】
相乗り通知部440は、相乗りユーザー検索部430によって検索されたユーザーUに、相乗り可能なシェアカーが近くにいることを通知する。また、相乗り通知部440は、この通知に応答してユーザーUから相乗りを希望する通知を受け取った場合には、シェアカーMのユーザーUと相乗りを希望するユーザーUとの間で必要な情報の送受を行う。
【0032】
次に、本実施例の相乗りマッチング機能400の動作を
図6のフローを参照して説明する。ここで、シェアカーMを予約し、相乗り可能な意思表示をしたユーザーをユーザーU1とし、シェアカーMへの相乗りを希望するユーザーをユーザーU2とする。
【0033】
ユーザーU1は、自身のスマートフォン200のシェアアプリを起動し、
図4に示すような予約アプリ画面から必要な予約情報を入力する。ここでは、ユーザーU1は、相乗り意思表示が可能であることにチェックし、相乗り可能な移動先または区間として「A駅」から「B施設」を入力し、定員が「6名」、相乗り可能な人数が「2名」であることを入力する(S10)。予約が完了すると、スマートフォン200からサーバ300に予約情報が送信され、サーバ300は、ユーザーU1の予約を登録し(S12)、ユーザーU1によるシェアカーの利用を可能にする。
【0034】
ユーザーU1がシェアカーMに乗車しその利用を開始すると(S14)、ユーザーU1すなわちシェアカーMの現在位置情報が一定間隔でサーバ300へ送信される。サーバ300のシェアカー位置情報取得部420は、ユーザーU1から送信されたシェアカーMの位置情報を取得する。一方、ユーザーU2を含む他のユーザーが所持するスマートフォン200からの位置情報が一定の時間間隔でサーバ300に送信され、ユーザー位置情報取得部410は、ユーザーU2を含む他のユーザーの位置情報を取得する。
【0035】
サーバ300の相乗りユーザー検索部430は、シェアカーMの位置情報に基づきシェアカーMへの相乗り候補となるユーザーを検索する(S16)。
図7は、相乗りユーザー検索部430による検索例を説明する図である。相乗りユーザー検索部430は、ユーザーU1が乗車するシェアカーMの現在位置を中心にそこから一定距離の範囲内に存在する他のユーザーを検索する。図の例では、ユーザーU2、U3、U4が検索された状態を示している。なお、検索範囲は、必ずしも円ではなく、シェアカーMの進行方向あるいは予約情報に入力された移動先を考慮してもよい。例えば、シェアカーMの現在位置を中心に、シェアカーMの進行方向に対し一定の角度範囲の中で他のユーザーを検索したり、シェアカーMが走行中の道路の進行方向に対し一定の範囲内の他のユーザーを検索するようにしてもよい。
【0036】
相乗りユーザー検索部430によって他のユーザーU2、U3、U4が検索されると、相乗り通知部440は、ユーザーU2、U3、U4に対して近くに相乗り可能なシェアカーMが存在することを通知する。この通知には、予約情報に基づきシェアカーの移動方向、相乗り可能な人数、車種、シェアカーの現在位置などを含めることができる。
【0037】
相乗り通知部440からの通知に応答して、ユーザーU2、U3、U4のスマートフォン200のシェアアプリは、表示部210に、
図8(A)に示すようなプッシュ通知500を表示する(S18)。プッシュ通知500は、例えば、B施設へ向かうシェアカーが近くに存在することのメッセージが含まれる。プッシュ通知500はさらに、相乗り可能な人数や車種などを含むものであってもよい。プッシュ通知500とともに、シェアアプリは、プッシュ通知500のメッセージを音声出力させるようにしてもよい。ユーザーU2、U3、U4は、相乗りを希望する場合には、プッシュ通知500を押下する。ここでは、ユーザーU2がプッシュ通知500を押下するものとする。この押下は、タッチ操作に限らず、音声による指示であってもよい。
【0038】
ユーザーU2がプッシュ通知500を押下すると、シェアアプリは、表示部210に、
図9に示すような相乗りリクエスト画面510を表示させる(S20)。相乗りリクエスト画面510は、相乗りを宣言するための「乗りたい」の入力ボタン520を含む。さらに相乗りリクエスト画面510は、シェアカーMとユーザーU2との位置関係を表す道路地
図530を含むことができる。道路地
図530は、サーバ300が生成し、これをスマートフォン200に送信してもよいし、スマートフォン200にナビアプリが搭載されている場合には、当該ナビアプリが道路地
図530を生成するようにしてもよい。後者の場合、サーバ300からシェアカーMの位置情報を取得する。
【0039】
ユーザーU2が「乗りたい」の入力ボタン520を押下すると、スマートフォン200は、乗りたい宣言とユーザーU2の現在位置情報をサーバ300に送信する。相乗り通知部440は、ユーザーU2から乗りたい宣言とその位置情報を受け取ると、相乗りを希望するユーザーU2が存在することを認識し(S22)、シェアカーMに乗車しているユーザーU1に、相乗りを希望するユーザーU2が存在することおよびその位置情報を送信する。
【0040】
相乗り通知部440からの通知に応答して、ユーザーU1のスマートフォン200のシェアアプリは、表示部210に、
図10(A)に示すようなプッシュ通知540を表示する(S24)。このプッシュ通知は、例えば、相乗りを希望するユーザーU2が存在するメッセージを含む。ユーザーU1がプッシュ通知540を押下し、あるいは音声入力で押下を指示すると、シェアアプリは、表示部210に、
図10(B)に示すような相乗り承認画面550を表示する(S26)。相乗り承認画面550は、相乗りを承認するための「OK」の入力ボタン560を含む。さらに相乗り承認画面550は、シェアカーMとユーザーU2との位置関係を表す道路地
図570を含むことができる。道路地
図570は、サーバ300が生成し、これをスマートフォン200に送信してもよいし、スマートフォン200にナビアプリが搭載されている場合には、当該ナビアプリが道路地
図570を生成するようにしてもよい。
【0041】
ユーザーU1が「OK」の入力ボタン560を押下し、または音声入力により「OK」を指示すると、スマートフォン200は、ユーザーU1が相乗りを承認したことをサーバ300に送信する。相乗り通知部440は、ユーザーU1から相乗り承認を受け取ると、ユーザーU1が相乗りを承認したことを認識し(S28)、相乗りを希望するユーザーU2に、相乗りが承認されたことを送信する。この送信に応答して、ユーザーU2のスマートフォン200のシェアアプリは、表示部210に、
図8(B)に示すようなプッシュ通知580を表示する(S30)。このプッシュ通知580には、相乗りが承認されたこと、およびそこで待機することのメッセージが表示される。
【0042】
また、相乗りを承認した後、ユーザーU1のスマートフォン200の表示部210には、
図11に示すように、シェアカーMの現在位置から相乗りを希望するユーザーU2の相乗り地点までのルートRを示すルート案内画面590が表示される。スマートフォン200がナビアプリを搭載している場合には、当該ナビアプリによって探索されたルート案内画面590が表示部210に表示され、あるいは、サーバ300がルートRを探索し、そのルート案内画面をスマートフォン200に送信するようにしてもよい。
【0043】
このように本実施例によれば、シェアカーの予約時に、相乗り可能な否かを意思表示し、相乗り可能な意思表示をしたユーザーのシェアカーの走行中に、相乗りを希望する他のユーザーを検索し、相乗り可能なシェアカーがあることを通知することで、相乗りを希望するユーザーの相乗りが可能になる。このような利用中の相乗りを可能にすることで、利用者の移動負担を軽減し、サービスの利便性を向上させることができる。さらに相乗り率が向上することで、少ないシェアカーの台数でも利用者の利便性が上がり、運営側も低コストでカーシェアリングサービスの運営を行うことができる。
【0044】
なお、上記実施例では、ユーザーU2が相乗りを希望する例を示したが、相乗り可能な空席以下であれば、複数のユーザーの相乗りも可能である。例えば、ユーザーU2、U2が相乗り希望を宣言した場合、ユーザーU1には、複数の相乗りを希望するユーザーU2、U3が存在することが通知され、ユーザーU1が、ユーザーU2、U3の相乗りを承認すれば、ユーザーU2、U3に承認が通知され、かつそこでの待機が通知される。そして、ユーザーU1のスマートフォン200には、ユーザーU2、U3の相乗り位置までのルート案内画面が表示される。相乗り検索部430は、相乗り可能な空席が相乗りを希望するユーザーによって埋まった場合には、その後、相乗り検索の実施を停止する。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。