(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134787
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】帯域幅部切替えによるランダムアクセス
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20230920BHJP
H04W 72/02 20090101ALI20230920BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20230920BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/02
H04W72/0453
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118924
(22)【出願日】2023-07-21
(62)【分割の表示】P 2022076727の分割
【原出願日】2017-11-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】トゥルティネン サムリ
(72)【発明者】
【氏名】ウー チュンリ
(72)【発明者】
【氏名】セビール ベノア
(57)【要約】
【課題】種々の通信システムは、改良されたランダムアクセス動作から恩恵を得ることができる。
【解決手段】特定の実施形態は、複数の帯域幅部が1つのセルの中でユーザ機器へ構成される改良されたランダムアクセスから恩恵を得ることができる。特定の実施形態の方法は、ユーザ機器でランダムアクセス手順をトリガーすることを含むことができる。方法は、ユーザ機器で、ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部からランダムアクセス手順のトリガーの後でランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンク帯域幅部への切替えを含むこともできる。切替えは、ユーザ機器によって自律的に実行することができる。加えて、方法は、ユーザ機器で、第2のアップリンク帯域幅部で構成されているランダムアクセスチャネルを用いてランダムアクセス手順を実行することを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器でランダムアクセス手順をトリガーすることと、
前記ユーザ機器で、ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部から、前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの後に構成された前記ランダムアクセスチャネルを有する第2のアップリンク帯域幅部に切り替えることであって、前記切り替えることが前記ユーザ機器によって自律的に実行される、前記切り替えることと、
前記ユーザ機器で、前記第2のアップリンク帯域幅部で構成された前記ランダムアクセスチャネルを用いて前記ランダムアクセス手順を実行することと、
を備えている、方法。
【請求項2】
前記切り替えることは、前記ユーザ機器が、前記第1のアップリンク帯域幅部を自律的に非有効化させて前記第2のアップリンク帯域幅部を有効化させることを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
時間アライメントタイマーが満了したとみなされる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間アライメントタイマーが、前記第1のアップリンク帯域幅部と前記第2のアップリンク帯域幅部とのうちの少なくとも1つを備えている時間アライメントグループと関連付けられている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ機器で、前記第1のアップリンク帯域幅部から前記第2のアップリンク帯域幅部への前記切替えと共にアクティブダウンリンク帯域幅部を切り替えることをさらに備えている、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1のダウンリンク帯域幅部の前記切替えは、前記トリガーされたランダムアクセス手順が競合ベースのランダムアクセス手順または競合無しのランダムアクセス手順のうちの少なくとも1つであるときに発生する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ機器で、前記ランダムアクセス手順の一部としてネットワークエンティティから競合解決メッセージを受信することであって、前記第1のアップリンク帯域幅部または前記ダウンリンク帯域幅部のうちの少なくとも1つの前記切替えが前記競合解決メッセージの前記受信に応じて発生する、前記受信することをさらに備えている、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ機器で、前記ネットワークエンティティから構成指示を受信することと、
前記構成指示に基づいて前記第2のアップリンク帯域幅部を複数の帯域幅部から選択することと、
をさらに備えている、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記複数の帯域幅部が単一セルの中で前記ユーザ機器に構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ機器で、前記ユーザ機器の実装、デフォルトまたは初期帯域幅部、前記ランダムアクセス手順をトリガーする論理チャネル、または前記論理チャネルの優先度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2のアップリンク帯域幅部を選択することをさらに備えている、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ機器によって、数秘学または前記ランダムアクセスチャネルの周波数のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2のアップリンク帯域幅部を選択することをさらに備えている、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記ネットワークエンティティが一次セルまたは二次セルに含まれ得る、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ機器が前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの間、無線リソース制御接続状態である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ランダムアクセス手順の前記トリガーが、前記ユーザ機器によってビーム障害が検出された後に発生する、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいる少なくとも1つのメモリとを備えている装置であって、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、プロセスを実行させるように構成され、
前記プロセスは、
ランダムアクセス手順をトリガーすることと、
ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部から、前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの後に構成された前記ランダムアクセスチャネルを有する第2のアップリンク帯域幅部に切り替えることであって、前記切り替えることが前記装置によって自律的に実行される、前記切り替えることと、
前記第2のアップリンク帯域幅部を使用して前記ランダムアクセス手順を実行することと、
を備えている、前記装置。
【請求項16】
前記切り替えることが前記第1のアップリンク帯域幅部を自律的に非有効化させて、前記第2のアップリンク帯域幅部を有効化させる前記装置を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
前記第1のアップリンク帯域幅部から前記第2のアップリンク帯域幅部への前記切替えと共にアクティブダウンリンク帯域幅部を切り替えさせるように構成されている、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
ネットワークエンティティから構成指示を受信させ、
前記構成指示に基づいて前記第2のアップリンク帯域幅部を複数の帯域幅部から選択させるように構成されている、請求項15から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
前記装置の実装、デフォルトもしくは初期帯域幅部、前記ランダムアクセス手順をトリガーする論理チャネル、または前記論理チャネルの優先度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2のアップリンク帯域幅部を選択させるように構成されている、請求項15から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記装置が前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの間、無線リソース制御接続状態である、請求項15から19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいる少なくとも1つのメモリとを備えている装置であって、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、少なくとも、請求項3、4、6、7、9及び11から14のいずれかに記載の方法を含んでいるプロセスを実行させるように構成されている、前記装置。
【請求項22】
ハードウェアにおいて実行されると、プロセスを実行する命令によってコード化された、非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記プロセスは、請求項1から14のいずれかに記載の方法を含んでいる、
前記非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
請求項1から14のいずれかに記載の方法を含んでいるプロセスを実行するための手段を備えている装置。
【請求項24】
請求項1から14のいずれかに記載の方法を含んでいるプロセスを実行するための命令によってコード化された、コンピュータプログラム製品。
【請求項25】
非一時的コンピュータ可読媒体に実装されており、ハードウェアにおいて実行されると請求項1から14のいずれかに記載の方法を含んでいるプロセスを実行する命令によってコード化された、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の通信システムは、改良されたランダムアクセス動作から恩恵を得ることができる。例えば、特定の実施形態は、複数の帯域幅部が1つのセルの中でユーザ機器へ構成される改良されたランダムアクセスから恩恵を得ることができる。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(LTE)及び進化型LTE(LTE-A)などの第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))技術において、ユーザ機器(UE)は一旦UEがネットワークと同期すると、ネットワークサービスにアクセスし始めることができる。ランダムアクセス手順は、通常、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介してUEをアップリンク方向のネットワークと同期させるために用いる。ランダムアクセス手順は、競合ベースのランダムアクセス手順または非競合/競合無しのランダムアクセス手順でもよい。
【0003】
複数のUEが同時にネットワークにアクセスすることを試みるとき、競合ベースのランダムアクセス手順を用いることができる。競合ベースのランダムアクセス手順を用いて、複数のUEの間の潜在的衝突を解決するとともに、UEをネットワークと同期させることもができる。この競合ベースのランダムアクセス手順は、UEとネットワークの間に送信される4つの別々のメッセージを含むことができる。UEは、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA-RNTI)を含むランダムアクセスチャネルプリアンブルを有する第1のメッセージを初めに送る。それから、ネットワークエンティティは、受信したRA-RNTIをデコードして、第2のメッセージでランダムアクセス応答を送信することによって応答する。ランダムアクセス応答は、一時セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)、タイミングアドバンス値及びアップリンク許可リソースを一般に含む。
【0004】
UEは、そのタイミングアドバンス値を使用してネットワークと同期して、第3のメッセージで、一時C-RNTIを用いて、無線リソース制御(RRC)接続要求を送信する。UEは、第3のメッセージ中にランダム値または一時移動加入者識別子(TMSI)も含み、それをネットワークにより用いて、一時C-RNTIが複数のUEに割り当てられていた場合、新規なC-RNTIを決定することができる。それから、ネットワークエンティティは、新規なC-RNTIを含む競合解決メッセージまたはRRC接続設定メッセージによって応答することができる。新規なC-RNTIは、UEが被接続RRC状態のままの間は、UE及びネットワークエンティティの両方により用いられてデータを互いと交換する。
【0005】
ネットワークエンティティ及びUEによってダウンリンクトランスミッション及びアップリンクトランスミッションの両方のために使われる、所与のセルのシステムの帯域幅は、1つ以上の帯域幅部に分割されてもよい。ペアのスペクトルに対して、ダウンリンク帯域幅部及びアップリンク帯域幅部(BWP)は、各サービングセルのUEのために別個に、そしてそれぞれに構成される。ペアのスペクトルは、周波数分割複信(FDD)を用いて上側周波数帯のスペクトルのブロックと関連付けられている下側周波数帯のスペクトルのブロックを特徴とする。一方で、時分割複信(TDD)を利用するペアとなっていないスペクトルについては、ダウンリンクBWP及びアップリンクBWPはペアとして共同して構成されるが、同じ中心周波数を共有する。
【0006】
一次セルにおいて、例えば、ランダムアクセスチャネルは各アップリンクBWPに構成することができて、各ダウンリンクBWPはランダムアクセス応答のための共通サーチ空間(CSS)を有しなければならない。一次セルのいくつかのBWPがRACHによって構成されていない場合、少なくとも、初期BWPはランダムアクセスチャネルをサポートする。3GPP(登録商標)第五世代(5G)または新無線(New Radio,NR)技術では、スケジューリング要求の数をカウントすることができる。スケジューリング要求の数がスケジューリング要求送信最大値以上になると、ユーザ機器は、LTEまたはLTE-Aと同様にランダムアクセス手順を開始することができる。
【発明の概要】
【0007】
特定の実施形態によれば、装置は、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって、装置に、少なくとも、ユーザ機器でランダムアクセス手順をトリガーさせるように構成することができる。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって、装置に、少なくとも、ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部からランダムアクセス手順のトリガーの後でランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンク帯域幅部へ切り替えさせるように構成することもできる。切替えは、装置によって自律的に実行することができる。加えて、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって、装置に、少なくとも、第2のアップリンク帯域幅部で構成されるランダムアクセスチャネルを用いてランダムアクセス手順を実行させるように構成することができる。
【0008】
特定の実施形態の方法は、ユーザ機器でランダムアクセス手順をトリガーすることを含むことができる。方法は、ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部からランダムアクセス手順のトリガーの後でランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンク帯域幅部へのユーザ機器での切替えを含むこともできる。切替えは、ユーザ機器によって自律的に実行することができる。加えて、方法は、ユーザ機器で、第2のアップリンク帯域幅部で構成されているランダムアクセスチャネルを用いてランダムアクセス手順を実行することを含むことができる。
【0009】
特定の実施形態の装置は、手段がユーザ機器でランダムアクセス手順をトリガーすることを含む手段を含むことができる。装置は、ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部からランダムアクセス手順のトリガーの後でランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンク帯域幅部へのユーザ機器での切替えのための手段も含む。切替えは、ユーザ機器によって自律的に実行することができる。加えて、装置は、ユーザ機器で、第2のアップリンク帯域幅部で構成されているランダムアクセスチャネルを用いてランダムアクセス手順を実行するための手段を含むことができる。
【0010】
特定の実施形態によれば、装置は、ハードウェアにおいて実行されるとプロセスを実行する命令によってコード化された非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。プロセスは、ユーザ機器でランダムアクセス手順をトリガーすることを含むことができる。プロセスは、ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部からランダムアクセス手順のトリガーの後でランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンク帯域幅部へのユーザ機器での切替えを含むこともできる。切替えは、ユーザ機器によって自律的に実行することができる。加えて、プロセスは、ユーザ機器で、第2のアップリンク帯域幅部で構成されているランダムアクセスチャネルを用いてランダムアクセス手順を実行することを含むことができる。
【0011】
特定の他の実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、プロセスを実行するための命令によってコード化され得る。プロセスは、ユーザ機器でランダムアクセス手順をトリガーすることを含むことができる。プロセスは、ランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部からランダムアクセス手順のトリガーの後でランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンク帯域幅部へのユーザ機器での切替えを含むこともできる。切替えは、ユーザ機器によって自律的に実行することができる。加えて、プロセスは、ユーザ機器で、第2のアップリンク帯域幅部で構成されているランダムアクセスチャネルを用いてランダムアクセス手順を実行することを含むことができる。
【0012】
本発明の適切な理解のために、添付図面を参照しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】特定の実施形態によるフローチャートの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
特定の実施形態は、ビーム障害検出を含むことができる。ビーム障害が検出されると、UEはビーム回復要求を送信することができる。連続的な検出ビーム障害インスタンスの数が所与の閾値を超えると、ビーム回復要求をトリガーするかまたは開始することができる。閾値は、例えば、ブロックエラー率(BLER)として定義することができる。いくつかの実施形態は、1つ以上の閾値を有することができる。複数の閾値の実施形態において、例えば、1つの閾値は同期信号ブロック(SSB)に関するものとすることができる一方で、他方の閾値はチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)のためのものとすることができる。NR技術では、ネットワークエンティティ、例えば5GまたはNR NodeB(gNB)は、ネットワークによってUEに提供されるPRACHシーケンスを用いて、ビーム障害回復要求からユーザ機器を固有に識別することができる。
【0015】
ビーム障害回復のための専用のPRACHリソースを決定するために、UEに関連した特定のパラメータを構成することができる。例えば、プリアンブルシーケンス関連のパラメータ、例えばルートシーケンス、循環シフト及び/またはプリアンブルインデックスを設定することができる。別の例では、送信の最大数、電力ランピングの最大数、ターゲット受信電力、再送信電力ランピングステップサイズ及び/またはUEのビーム障害回復タイマーを構成することができる。いくつかの実施形態では、専用のPRACHリソースパラメータを構成することもできる。例えば、周波数位置情報、時間位置及び/または関連するSSBまたはCSI-RS情報である。ビーム障害起動が満たされると、UEは専用のPRACHプリアンブルを送信してランダムアクセス手順を介してリンクを回復することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、総アップリンク帯域幅部のサブセットだけが、以下ではランダムアクセスチャネル(RACH)とも呼ばれるPRACHを介して、ランダムアクセス手順をサポートすることができる。したがって、UEは、一次セル(PCell)またはアップリンク帯域幅部のサブセット内のみの一次二次セル(PSCell)に向けてランダムアクセス手順を実行することに制限することができる。特定の実施形態によって、RRC接続モードのUEがランダムアクセス手順のUEベースのトリガーを、ネットワークがこのようなイベントを知らないときに取扱うことを可能とすることができる。言い換えれば、第1のアップリンクBWPと呼ばれてもよい現在のアクティブBWPがランダムアクセスチャネルをサポートしない場合であっても、UEは自律的にランダムアクセス手順をトリガーすることが可能となり得る。
【0017】
例えば、ランダムアクセス手順がUEによってトリガーされて、現在アクティブのBWPがランダムアクセスチャネルをサポートしていないとき、特定の実施形態は、UEが自律的に、ランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンクBWPと呼ぶことのできる別のアップリンクBWPへ切り替えることを可能にしている。自律的に切替えを実行しているUEは、切替えがネットワークからいかなる知識または関与を受けなくても実行できることを意味することができる。現在アクティブなBWPがRACHをサポートしておらず、及び/またはRACHのために構成されていないので、ネットワークは、UEがランダムアクセス手順を開始することを試みていることを認識していない可能性がある。第1のアップリンクBWP及び第2のアップリンクBWPは、異なってもよい。
【0018】
図1は、特定の実施形態によるフローチャートの例を示す。特に、
図1は、方法またはプロセスを実行しているユーザ機器の例を示す。ステップ110において、UEは、ランダムアクセス手順をトリガーすることができる。ランダムアクセス手順は、RACHを介してトリガーされてもよい。UEは、ランダムアクセス手順のトリガーの間、RRC接続状態であってもよい。ステップ150に示すように、UEは、ランダムアクセスチャネルをサポートしていない第1のアップリンクBWPから、ランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンクBWPへ切り替えることができる。言い換えれば、第2のアップリンクBWPは、構成されたRACHをすでに有していてもよい。
【0019】
複数のアップリンクBWPがランダムアクセスチャネルをサポートしている特定の実施形態において、gNBなどのネットワークエンティティは、UEがどのアップリンクBWPにおいてランダムアクセスチャネルを開始しなければならないかを決定することができる。複数のBWPは、単一セルの中のUEに構成されてもよい。ネットワークエンティティは、例えば、PCellまたはPSCellに含まれてもよい。ネットワークエンティティは、構成指示の一部としてアップリンクBWPの決定をUEに送信することができる。ステップ120に示すように、UEは、ネットワークエンティティから構成指示を受信することができる。構成された指示に基づいて、UEは、ステップ130に示すように、第2のアップリンクBWPを複数のBWPから選択することができる。いくつかの他の実施形態において、UEは、ステップ120に示すように、ステップ110のランダムアクセス手順のトリガーの前に、ネットワークエンティティから構成情報を受信することができる。
【0020】
他の実施形態において、別であるか第2のアップリンク帯域幅部かは、ステップ140に示すようにネットワークエンティティから指示された構成無しにUEによって決定されてもよい。例えば、第2のアップリンク帯域幅部は、数秘学及び/またはランダムアクセスチャネルの周波数のうち少なくとも1つに基づいてUEによって決定されてもよい。数秘学は、副搬送波スペーシングでもよい。NR技術は、複数の副搬送波スペーシングに関連した複数の数秘学オプションをサポートする。副搬送波スペーシングは、例えば、15、30、60、120及び240キロヘルツ(kHz)でもよい。UEは、上記の複数の数秘学オプションのいずれか及び/またはBWPによって利用される周波数に基づいて、第2のBWPを決定することができる。いくつかの実施形態では、UEは、少なくとも複数のBWPからのデフォルトBWPによって構成することができる。UEは、それがデフォルトBWPであるかどうかに基づいて第2のBWPを決定することができる。
【0021】
上記のように、ステップ140で、ユーザ機器は、第2のアップリンクBWPを選択する。いくつかの実施形態では、第2のBWPは、UEの実装に基づいて選択されることができ、ならびに/もしくはデフォルト及び/または初期BWPに基づいて選択されてもよい。デフォルト及び/または初期BWPは、省エネルギー性などの他の目的のために構成することができて、RACHのためのフォールバックとして使うことができる。UEの実装に基づく選択は、RACHを構成しているセルのBWPを選択することがUE実装次第であることを意味することができる。また別の実施形態において、UEは、ランダムアクセス手順をトリガーする論理チャネルまたは論理チャネルの優先度に基づいて第2のBWPを選択することができる。例えば、いくつかの論理チャネルは特定の副搬送波スペーシングを有するアップリンクチャネルにマップされるように制限されることができて、そのため、論理チャネルが制限される特定の副搬送波スペーシングをサポートしているRACHを有するBWPは優先することができる。
【0022】
一旦第2のBWP部が選択されると、ステップ140に示すように、ユーザ機器はランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部から、ステップ150に示すように、ランダムアクセスチャネルが構成されている第2のアップリンク帯域幅部に機器を切り替えることができる。第1のアップリンク帯域幅部から第2のアップリンク帯域幅部への切替えは、ユーザ機器によって自律的に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークは、UEがランダムアクセス手順を実行していることを意識することさえしなくてもよい。ステップ150で例示される切替えは、UEが自律的に第1のアップリンクBWPを非有効化させて第2のアップリンクBWPを有効化させることを含むことができる。
【0023】
特定の実施形態では、1つ以上のアップリンクキャリアは、同じアップリンクタイミングアライメントを共有することができて、同じタイミングアドバンスグループ(TAG)の中にグループ化することができる。UEがランダムアクセス手順に関連したもの以外のいかなるアップリンク信号も送信するのを防止するために、時間アライメントタイマー(TAT)は、満了したとみなしてもよい。いくつかの実施形態では、TATは、第1のBWP及び第2のBWPを含むTAGと関連付けられてもよい。言い換えれば、第1のBWP上のいかなる信号も送信することを防止するために、第1のBWP及び/または第2のBWPを含むTAGと関連したTATは、満了したとみなしてもよい。したがってUEは、第1のBWP上のいかなる信号も、それがネットワークから新規なタイミングアドバンス値を受信するまで、送信することが可能ではない。新規なタイミングアドバンス値は、時間アライメントタイマーが再び開始されるランダムアクセス手順を通して受信することができる。UEが、例えば、第1のBWP上で送信することを試みることができる信号は、進行中のランダムアクセス手順を知らないネットワークエンティティからUEで受信されるダウンリンク割当てまたはアップリンク許可に応答したものであることができる。
【0024】
ステップ160において、UEは、ステップ150に示される第1のアップリンク帯域幅部から第2のアップリンク帯域幅部への切替えと共にアクティブダウンリンクBWPを切り替えることができる。例えば、トリガーされたランダムアクセス手順が競合ベースのランダムアクセス手順であるとき、アクティブダウンリンクBWPは第1のアップリンクBWPから第2のアップリンクBWPへの切替えと共に切り替えられる。例えば、メディアアクセス制御(MAC)層のスケジューリング要求の最大数に達すると、競合ベースのランダムアクセス手順がトリガーされてもよい。第2のアップリンクBWPと共にアクティブダウンリンクBWPの切替えは、ダウンリンクBWPが、UEがネットワークエンティティからランダムアクセス応答を受信するのを予想しているBWPに対応することができるように、実行することができる。ネットワークが受信プリアンブルからUEを識別することは可能でないことがあり得るので、ランダムアクセス応答は既知のダウンリンクBWPで送信されることを必要とする場合がある。このようなダウンリンクBWPは、CSSを有するダウンリンクBWPの少なくとも1つでもよい。
【0025】
一方で、特定の実施形態は、競合無しのランダムアクセス手順を利用することができる。このランダムアクセス手順は、例えば、UEによってビーム障害が検出された後、または、ビーム回復要求がUEによって送信された後にトリガーさせることができる。競合無しのランダムアクセス手順では、競合ベースのランダムアクセス手順と同様に、UEは第2のアップリンク帯域幅部への第1のアップリンク帯域幅部の切替えと共にアクティブダウンリンクBWPを切り替えることができる。しかしながら、他の実施形態では、UEは、第1のアップリンクBWPが切り替えられるのに関係なく、競合無しのランダムアクセス手順の現在のダウンリンクBWPを保持することができる。
【0026】
特定の実施形態では、UEが競合無しのランダムアクセス手順でダウンリンクBWPを切り替えるか保持するかどうかは、ネットワークまたはその中のネットワークエンティティによって構成することができる。このような実施形態のネットワークは、受信プリアンブルからUEを識別してもよく、以前のダウンリンクBWPで応答することが可能でもよい。ネットワークがダウンリンクBWPの保持または切替えを決定するいくつかの実施形態は、ダウンリンク及びアップリンクBWPが個別に構成されるかまたは切り替えられる、ペアとなったスペクトルにおいて使われてもよい。いくつかの実施形態では、以前のダウンリンクBWPはCSSを有することができるが、以前のダウンリンクBWPのいくつかの他の実施形態では、BWPはUE特有サーチ空間(USS)を有することができるだけである。
【0027】
ステップ170において、UEは、ランダムアクセス手順の一部としてネットワークエンティティから競合解決メッセージを受信することができる。競合解決メッセージは、競合ベースのランダムアクセス手順の第4のメッセージである。アップリンクBWP及び/またはダウンリンクBWPのうち少なくとも1つの切替えは、UEでの競合解決メッセージの受信の際に発生してもよい。いくつかの実施形態では、競合解決メッセージはUEのC-RNTIに直接向かって送信されて、その場合には、アップリンクBWP及び/またはダウンリンクBWPのうち少なくとも1つの切替えを実施することができる。ステップ180において、UEは、第2のアップリンク帯域幅部で構成されるランダムアクセスチャネルを用いて、ランダムアクセス手順を実行することができる。述べてきた実施形態は、UEがランダムアクセス手順をすでにトリガーしてしまっているときに、誤ったネットワークスケジューリングを防止するのを助ける。これはネットワークにより用いられるリソースの量を削減し、それにより、ネットワーク全体としての、またネットワークの中に含まれるネットワークエンティティの機能を高める。
【0028】
図2は、特定の実施形態によるシステムを示す。
図1の各ブロックが、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、1つ以上のプロセッサ及び/または回路などの種々の手段またはそれらの組み合わせによって実装することができることを理解すべきである。一実施形態において、システムは、例えば、ネットワークエンティティ220またはUE210などのいくつかのデバイスを含むことができる。システムは2つ以上のUE210及び2つ以上のネットワークエンティティ220を含むことができるが、説明目的のために1つのネットワークエンティティだけを示している。ネットワークエンティティは、ネットワークノード、アクセスノード、基地局、発展型NodeB(eNB)、gNB、サーバ、ホストまたは本明細書において述べられる他のアクセスもしくはネットワークノードのいずれかでもよい。
【0029】
これらの各デバイスは、それぞれ211及び221として示される少なくとも1つのプロセッサ、制御装置またはモジュールを含むことができる。少なくとも1つのメモリが各デバイスに設けられることができて、それぞれ、212及び222として示される。メモリは、その中に収容されるコンピュータプログラム命令またはコンピュータコードを含むことができる。1つ以上のトランシーバ213及び223は設けられることができて、各デバイスはそれぞれ214及び224として例示するアンテナを含むこともできる。それぞれ1つのアンテナだけが示されているが、多くのアンテナ及び複数のアンテナ素子を各デバイスに設けてもよい。より高いカテゴリのUEは、複数のアンテナパネルを一般に含む。例えばこれらのデバイスの他の構成も設けることができる。例えば、ネットワークエンティティ220及びUE210は、無線通信に加えて、有線通信のために追加して構成することができて、この場合には、アンテナ214及び224は、単にアンテナだけに限らず、いかなる形の通信ハードウェアも例示することができる。
【0030】
トランシーバ213及び223はそれぞれ、無関係に、送信機、受信機もしくは送信機及び受信機の両方、または送信と受信の両方のために構成することができるユニットもしくはデバイスであってもよい。他の実施形態において、UAVまたはネットワークエンティティは、少なくとも1つの別個の受信機または送信機を有することができる。送信機及び/または受信機(無線部品が関する限り)は、デバイス自体でなく例えばマストに配置されている、リモート無線ヘッドとして実装することもできる。動作及び機能性は、ノード、ホストまたはサーバなどの異なるエンティティにおいて柔軟な方法で実行することができる。言い換えれば、分業は、ケースバイケースで変化することができる。1つのあり得る使用法は、ネットワークノードにローカルコンテンツを配信させることである。1つ以上の機能性は、サーバで実行することができるソフトウェアの仮想アプリケーション(複数可)として実装することもできる。
【0031】
ユーザ装置またはユーザ機器は、携帯電話、スマートフォンまたはマルチメディアデバイスなどの移動局(MS)、無線通信能力を備えているタブレットなどのコンピュータ、無線通信能力を備えている個人データまたは携帯情報端末(PDA)、無線通信能力を備えている携帯メディアプレーヤ、デジタルカメラ、ポケットビデオカメラ、ナビゲーションユニットもしくはいかなるそれらの組み合わせでもよい。他の実施形態において、UEはマシンタイプ通信(MTC)デバイスまたはモノのインターネットデバイスでもよく、それはセンサ、メーターまたはアクチュエータのように人間のインタラクションを必要としなくてもよい。
図1に示される方法及び/またはプロセスは、ユーザ機器210によって実行することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置、例えばユーザ機器210またはネットワークエンティティ220は、
図1に関して上記の実施形態を実行するための手段を含むことができる。特定の実施形態では、コンピュータプログラムコードを含んでいる少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって、装置に、少なくとも本明細書において記載されているプロセスのいずれかを実行させるように構成することができる。装置は、例えば、ユーザ機器210またはネットワークエンティティ220でもよい。
【0033】
プロセッサ211及び221は、中央演算処理装置(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル的拡張回路または相当するデバイス、またはそれらの組み合わせなどの、いかなる計算またはデータ処理装置によっても実施することができる。プロセッサは、単一のコントローラまたは複数のコントローラまたはプロセッサとして実装することができる。
【0034】
ファームウェアまたはソフトウェアのために、実装は、少なくとも1つのチップセットのモジュールまたはユニット(例えば、手順、関数など)を含むことができる。メモリ212及び222は、それぞれに任意の適切な記憶装置、例えば非一時的コンピュータ可読媒体であってもよい。ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリまたは他の適切なメモリが用いられてもよい。メモリは、プロセッサとして単一の集積回路に結合してもよく、または、そこから分離していてもよい。さらに、コンピュータプログラム命令は、プロセッサによって処理することができるメモリに保存されてもよく、任意の適切な形のコンピュータプログラムコード、例えば、任意の適切なプログラミング言語で書き込まれているコンパイルされたか翻訳されたコンピュータプログラムであり得る。メモリまたはデータ記憶実体は、通常は内蔵しているが、例えば追加の記憶容量がサービス提供者から取得される場合には、外付けまたはそれらの組み合わせであってもよい。メモリは、固定式でもよく、または、着脱可能でもよい。
【0035】
メモリ及びコンピュータプログラム命令は、特定のデバイス用のプロセッサによって、ネットワークエンティティ220またはUE210などのハードウェア装置に上記のプロセスのいずれか(例えば、
図1参照)を実行させるように構成することができる。したがって、特定の実施形態で、非一時的コンピュータ可読媒体は、ハードウェアにおいて実行されるときにプロセス、例えば本明細書において記載されているプロセスの1つを実行することのできる、コンピュータ命令または1つ以上のコンピュータプログラム(例えば追加されたか更新されたソフトウェアルーチン、アプレットまたはマクロ)によってコード化することができる。コンピュータプログラムはプログラミング言語によってコード化することができ、それは高水準プログラミング言語、例えば対物-C、C++、C#、Javaなど、または低水準プログラミング言語、例えばマシン語またはアセンブラでもよい。あるいは、特定の実施形態は、ハードウェアにおいて完全に実行してもよい。
【0036】
さらに、
図2がネットワークエンティティ220及びUE210を含むシステムを例示しているが、特定の実施形態は、本明細書において例示して述べているように、他の構成及び追加要素を含んでいる構成に適用可能であり得る。例えば、複数のユーザ機器装置及び複数のネットワークエンティティは存在してもよく、または、同様の機能性を提供する他のノード、例えばユーザ機器及び中継ノードなどのネットワークエンティティの機能性を結合するノードであってもよい。UE210は、同様に通信ネットワークエンティティ220以外の通信のための各種の構成を備えていてもよい。例えば、UE210は、デバイス対デバイス、マシン対マシン及び/または車両対車両の送信のために構成することができる。
【0037】
上述の実施形態は、ネットワークの機能に対して、ならびに/またはユーザ機器及びネットワークの中に含まれるネットワークエンティティの機能に対して、著しい改善を提供することができる。具体的には、特定の実施形態によって、ユーザ機器は、アクティブであるか第1のアップリンクBWPがランダムアクセスチャネルをサポートしていないときでも、ランダムアクセス手順を実行することができるようになり得る。UEは、第1のアップリンクBWPを、ランダムアクセスチャネルが構成されている第2のBWPに切り替えることができる。そうすることは、スケジューリング要求にすでに失敗したUE及び/またはランダムアクセス手順をすでにトリガーしたUEをネットワークがスケジューリングし得るというエラーを、防止するのを助ける。
【0038】
このような誤ったスケジューリングを防止することは、ネットワークによって利用されるリソースを削減するのを助け、それにより、全体としてネットワークの効率及びスループットを大幅に向上させる。この効率の向上は、ネットワークの中に含まれるネットワークエンティティの機能を向上させるだけでなく、不必要な送信を防止することによって、ユーザ機器の機能も大幅に向上させる。例えば、ネットワークによる不必要な送信を減らすことは、ユーザ機器によって消耗するバッテリの量を減らすのを助けることができる。
【0039】
本明細書の全体にわたって記載されている特定の実施形態の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態に任意の好適な方法で組み込むことができる。例えば、本明細書の全体にわたる「特定の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」というフレーズまたは他の類似の言語の使用は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれ得るという事実を指す。したがって、本明細書の全体にわたる「特定の実施形態において」「いくつかの実施形態において」、「他の実施形態において」というフレーズまたは他の類似の言語の出現は、必ずしも同じグループの実施形態に関連するというわけではなく、記載されている特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態に任意の好適な方法で組み込むことができる。
【0040】
当業者であれば、上述した本発明が異なる順序のステップによって、及び/または開示されている構成とは異なる構成のハードウェア要素によって実施することができると容易に理解する。したがって、本発明はこれらの好ましい実施形態に基づいて記載されているが、特定の修正、変形及び代替の構造が明らかであり、それと共に本発明の範囲内にとどまる、ということは当業者にとって明らかである。上述の実施形態の多くが3GPP(登録商標) 5GまたはNR技術に関するものであるが、実施形態は、他のいかなる3GPP(登録商標)技術にも、例えば第四世代(4G)、第三世代(3G)、LTE、LTE-A及び/またはモノのインターネットにも適用することができる。
【0041】
部分的用語集
3GPP(登録商標) 第三世代パートナーシッププロジェクト
5G 第五世代
NR 新無線技術(New Radio)
gNB NRノードB
UE ユーザ機器
LTE ロングタームエボリューション
LTE-A 進化型LTE
PRACH 物理ランダムアクセスチャネル
RA-RNTI ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子
C-RNTI セル無線ネットワーク一時識別子
RRC 無線リソース制御
TMSI 一時移動加入者識別子
FDD 周波数分割複信
BWP 帯域幅部
TDD 時分割複信
CSS 共通サーチ空間
USS UE特有サーチ空間
BLER ブロックエラー率
SSB 同期信号ブロック
CSI-RS チャネル状態情報基準信号
PCell 一次セル
PSCell 一次二次セル
TAG タイミングアドバンスグループ
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダムアクセス手順のためのランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部と、前記ランダムアクセス手順のための前記ランダムアクセスチャネルをサポートする第2のアップリンク帯域幅部とが構成されたユーザ機器で前記ランダムアクセス手順をトリガーすることと、
前記ユーザ機器で、前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの後に、前記第1のアップリンク帯域幅部から前記第2のアップリンク帯域幅部に切り替えることであって、前記切り替えることが前記ユーザ機器によって自律的に実行される、前記切り替えることと、
前記ユーザ機器で、前記第2のアップリンク帯域幅部で構成された前記ランダムアクセスチャネルを用いて前記ランダムアクセス手順を実行することと、
を備えており、
前記切り替えることは、前記ユーザ機器が、前記第1のアップリンク帯域幅部を自律的に非有効化させて前記第2のアップリンク帯域幅部を有効化させることを備える、方法。
【請求項2】
時間アライメントタイマーが満了したとみなされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間アライメントタイマーが、前記第1のアップリンク帯域幅部と前記第2のアップリンク帯域幅部とのうちの少なくとも1つを備えているタイミングアドバンスグループと関連付けられている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ機器で、前記第1のアップリンク帯域幅部から前記第2のアップリンク帯域幅部への前記切替えと共にアクティブダウンリンク帯域幅部を切り替えることをさらに備えている、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記アクティブダウンリンク帯域幅部の前記切替えは、前記トリガーされたランダムアクセス手順が競合ベースのランダムアクセス手順または競合無しのランダムアクセス手順のうちの少なくとも1つであるときに発生する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ機器で、ネットワークエンティティから構成指示を受信することと、
前記構成指示に基づいて前記第2のアップリンク帯域幅部を複数の帯域幅部から選択することと、
をさらに備えている、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ネットワークエンティティが一次セルまたは二次セルに含まれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のアップリンク帯域幅部及び前記第2のアップリンク帯域幅部が単一セルの中で前記ユーザ機器に構成される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ機器で、前記ユーザ機器の実装、デフォルト帯域幅部、前記ランダムアクセス手順をトリガーする論理チャネル、または前記論理チャネルの優先度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2のアップリンク帯域幅部を選択することをさらに備えている、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ機器によって、数秘学または前記ランダムアクセスチャネルの周波数のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2のアップリンク帯域幅部を選択することをさらに備えている、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ機器が前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの間、無線リソース制御接続状態である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記ランダムアクセス手順の前記トリガーが、前記ユーザ機器によってビーム障害が検出された後に発生する、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記セル内で、前記ランダムアクセスチャネルをサポートする複数のアップリンク帯域幅部が前記ユーザ機器に構成される、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記第2のアップリンク帯域幅部が初期帯域幅部である、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいる少なくとも1つのメモリとを備えているユーザ機器であって、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、プロセスを実行させるように構成され、
前記プロセスは、
ランダムアクセス手順のためのランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部と、前記ランダムアクセス手順のための前記ランダムアクセスチャネルをサポートする第2のアップリンク帯域幅部とが構成された前記ユーザ機器で前記ランダムアクセス手順をトリガーすることと、
前記ユーザ機器で、前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの後に、前記第1のアップリンク帯域幅部から前記第2のアップリンク帯域幅部に切り替えることであって、前記切り替えることが前記ユーザ機器によって自律的に実行される、前記切り替えることと、
前記ユーザ機器で、前記第2のアップリンク帯域幅部で構成された前記ランダムアクセスチャネルを用いて前記ランダムアクセス手順を実行することと、
を備えており、
前記切り替えることは、前記ユーザ機器が、前記第1のアップリンク帯域幅部を自律的に非有効化させて前記第2のアップリンク帯域幅部を有効化させることを備える、前記ユーザ機器。
【請求項16】
時間アライメントタイマーが満了したとみなされる、請求項15に記載のユーザ機器。
【請求項17】
前記時間アライメントタイマーが、前記第1のアップリンク帯域幅部と前記第2のアップリンク帯域幅部とのうちの少なくとも1つを備えているタイミングアドバンスグループと関連付けられている、請求項16に記載のユーザ機器。
【請求項18】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
前記第1のアップリンク帯域幅部から前記第2のアップリンク帯域幅部への前記切替えと共にアクティブダウンリンク帯域幅部を切り替えさせるように構成されている、請求項15から17のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項19】
前記アクティブダウンリンク帯域幅部の前記切替えは、前記トリガーされたランダムアクセス手順が競合ベースのランダムアクセス手順または競合無しのランダムアクセス手順のうちの少なくとも1つであるときに発生する、請求項18に記載のユーザ機器。
【請求項20】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
ネットワークエンティティから構成指示を受信させ、
前記構成指示に基づいて前記第2のアップリンク帯域幅部を複数の帯域幅部から選択させるように構成されている、請求項15から19のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項21】
前記ネットワークエンティティが一次セルまたは二次セルに含まれる、請求項20に記載のユーザ機器。
【請求項22】
前記第1のアップリンク帯域幅部及び前記第2のアップリンク帯域幅部が単一セルの中で前記ユーザ機器に構成される、請求項15から21のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項23】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
前記装置の実装、デフォルト帯域幅部、前記ランダムアクセス手順をトリガーする論理チャネル、または前記論理チャネルの優先度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2のアップリンク帯域幅部を選択させるように構成されている、請求項15から22のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項24】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
数秘学または前記ランダムアクセスチャネルの周波数のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2のアップリンク帯域幅部を選択させるように構成されている、請求項15から23のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項25】
前記ユーザ機器が前記ランダムアクセス手順の前記開始の間、無線リソース制御接続状態である、請求項15から24のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項26】
前記セル内で、前記ランダムアクセスチャネルをサポートする複数のアップリンク帯域幅部が前記ユーザ機器に構成される、請求項15から25のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項27】
前記第2のアップリンク帯域幅部が初期帯域幅部である、請求項15から26のいずれかに記載のユーザ機器。
【請求項28】
ランダムアクセス手順のためのランダムアクセスチャネルをサポートしない第1のアップリンク帯域幅部と、前記ランダムアクセス手順のための前記ランダムアクセスチャネルをサポートする第2のアップリンク帯域幅部とが構成されたユーザ機器で前記ランダムアクセス手順をトリガーするためのコードと、
前記ユーザ機器で、前記ランダムアクセス手順の前記トリガーの後に、前記第1のアップリンク帯域幅部から前記第2のアップリンク帯域幅部に切り替えることであって、前記切り替えることが前記ユーザ機器によって自律的に実行される、前記切り替えるためのコードと、
前記ユーザ機器で、前記第2のアップリンク帯域幅部で構成された前記ランダムアクセスチャネルを用いて前記ランダムアクセス手順を実行するためのコードと、
を含むコンピュータプログラムコード備えており、
前記切り替えることは、前記ユーザ機器が、前記第1のアップリンク帯域幅部を自律的に非有効化させて前記第2のアップリンク帯域幅部を有効化させることを備える、コンピュータプログラム。