(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134794
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】蒸気発生装置用の誘導加熱組立体
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20230920BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230920BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119260
(22)【出願日】2023-07-21
(62)【分割の表示】P 2020535582の分割
【原出願日】2018-12-20
(31)【優先権主張番号】17210843.3
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー ロバート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジル,マーク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】蒸気発生装置用の誘導加熱組立体が提供される。
【解決手段】蒸気発生装置1用の誘導加熱組立体10であって、誘導加熱組立体は、外側本体、外側本体の内側に配置された誘導コイル16、誘導コイルの内側に画成され、且つ使用中、気化可能な物質22と誘導加熱可能なサセプタ24とを含む物体を収容するように配置された加熱室を含み、外側本体と誘導コイルとの間の離隔によって、空気が誘導コイルの周り及び加熱室へと流れることができるように配置された空気孔14を画成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生装置用の誘導加熱組立体であって、前記加熱組立体は:
外側本体;
前記外側本体の内側に配置された誘導コイル;
前記誘導コイルの内側に画成され、且つ使用中、気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体を収容するように配置された加熱室を含み、
前記外側本体と前記誘導コイルとの間の離隔が、空気が前記誘導コイルの周り及び前記加熱室へ流れるのを可能にするように配置された空気孔を画成する、誘導加熱組立体。
【請求項2】
前記空気孔は、空気の流れを前記加熱室へ向ける前に、空気の流れを前記誘導コイルの周りに向けるように形づくられている、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項3】
さらに、前記外側本体と誘導コイルとの間に配置されて、空気孔の2つ以上の層を画成する1つ以上のセパレータを含む、請求項1又は2に記載の誘導加熱組立体。
【請求項4】
空気孔の前記層は、1つの空気孔層から別の空気孔層へ通過する複数の空気孔層を通過する空気流路を提供するように配置されている、請求項3に記載の誘導加熱組立体。
【請求項5】
空気孔の前記層は、それぞれの空気孔層を分けることによって少なくとも2つの空気孔層を通過する空気流路を提供するように配置されている、請求項3に記載の誘導加熱組立体。
【請求項6】
さらに、前記外側本体、誘導コイル、及び任意選択的にセパレータを機械的結合で支持し且つ前記空気孔を複数のセグメントに分割するリブを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体。
【請求項7】
さらに、1つ以上の空気流路を画成するように配置された前記空気孔内の構造を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体。
【請求項8】
前記空気流路は;
誘導コイルの周りでスパイラル;
前記コイルの長手方向にジグザグ;及び
前記コイルの横断方向にジグザグ
のうちの1つ以上であるように配置されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体。
【請求項9】
前記空気流路は、前記誘導コイルの外表面の50%超を網羅する、請求項7又は8に記載の誘導加熱組立体。
【請求項10】
さらに電磁シールドを含み、前記シールドは:
前記コイルと最も内側の空気孔との間に;
同心の空気孔の間に;
前記最も外側の空気孔の周囲を実質的に取り囲んで;又は
前記空気孔の前記壁の一部である
ように配置されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体。
【請求項11】
前記誘導コイルは、前記加熱室を収納する壁内に配置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体。
【請求項12】
前記気化可能な物質及び前記誘導加熱可能なサセプタは、前記物体によって包含されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体。
【請求項13】
前記空気孔の少なくとも一部を形成するチューブ状形状を有する誘導加熱可能なサセプタがある、請求項1~12のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の誘導加熱組立体;
気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体
を含む、蒸気発生システムであって;
前記物体は、使用中、前記組立体の前記加熱室内に配置されている、蒸気発生システム。
【請求項15】
前記気化可能な物質は、固形又は半固形のタバコ物質である、請求項14に記載の蒸気発生システム。
【請求項16】
前記サセプタは、前記気化可能な物質内に保持され且つそれによって取り囲まれており、前記気化可能な物質が、使用中、前記サセプタと前記組立体の前記外表面との間に熱吸収層を形成するようにする、請求項14又は15に記載の蒸気発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気発生装置用の誘導加熱組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入用蒸気を生じさせるために、近年、物質を燃焼させるのではなく加熱する装置が、消費者の間で人気になってきている。
【0003】
そのような装置は、物質に熱をもたらすためのいくつもの異なる手法のうちの1つを使用し得る。1つのそのような手法は、単に、加熱素子を加熱するための電力がもたらされ、次に、加熱素子が、蒸気を発生させる物質を加熱する、加熱素子を提供することである。
【0004】
そのような蒸気発生を達成するための1つの方法は、誘導加熱手法を用いる蒸気発生装置を提供することである。そのような装置では、誘導コイル(以下、誘導体及び誘導加熱装置とも呼ぶ)がその装置を備え、及びサセプタが蒸気発生物質を備えている。ユーザがその装置を起動させると誘導体に電気エネルギーがもたらされ、それにより、次に、電磁(EM)場を生じる。サセプタは電磁場と結合して熱を発生させ、これがその物質へ伝達されて、その物質が加熱されるために蒸気が生じる。
【0005】
蒸気を発生するために誘導加熱を使用することは、加熱の制御、それゆえ蒸気発生の制御をもたらす可能性がある。しかしながら、実際には、そのような手法は、蒸気発生装置内で、知らないうちに、不適切な温度を生じてしまうこととなり得る。これは、電力を浪費させ、その動作を高価なものにし、且つ構成要素を損傷させたり又は蒸気発生装置を無駄遣いさせたりするリスクがあり、単純且つ信頼性の高い装置を期待するユーザに不便をかけ得る。
【0006】
これについて、以前から、装置の温度を監視することによって対処されてきている。しかしながら、いくつかの監視された温度は信頼性を欠くことが分かっており、及び温度監視の提供は、部品数を追加し、並びに全体的な電力使用量が温度監視に起因してより効率的である場合でも、追加的な電力を使用することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題の少なくともいくつかを軽減しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、蒸気発生装置用の誘導加熱組立体が提供され、加熱組立体は:外側本体;外側本体の内側に配置された誘導コイル;誘導コイルの内側に画成され、且つ使用中、気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体を収容するように配置された加熱室を含み、ここで、外側本体と誘導コイルとの間の離隔によって、空気が誘導コイルの周り及び加熱室へと流れることができるように配置された空気孔を画成する。
【0009】
サセプタは、限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼及びそれらの合金、例えばニッケルクロムのうちの1つ以上を含み得る。電磁場をその近傍に印加することによって、サセプタは、渦電流及び磁気ヒステリシス損失による熱を発生させ、電磁エネルギーから熱エネルギーへのエネルギーの変換を生じ得る。
【0010】
本出願人らは、空気が誘導コイルの周囲を、加熱室の長手方向端部まで流れることができるようにすることによって、空気が加熱室に入る前に、熱を空気へ伝達できることを見出した。これにより誘導コイルを冷却し、これにより、誘導コイルがより効率的に機能できるようにし、且つその動作を安定させ、並びに、加熱室内へ通過する空気も気化可能な物質を加熱する(又は少なくともそれが有する冷却効果を低下させる)ために、気化可能な物質へ直接加えられる必要のある熱量を低下させる。これにより、気化可能な物質を加熱するために必要なエネルギーの量を減少させる。さらなる利益は、外側本体への熱の伝達が制限され、これにより、外側本体、それゆえ外表面が熱くなるのを防止することである。これらの利益は、物体が加熱室内に配置されているときには、誘導コイルと誘導加熱可能なサセプタとの間の距離を長くする必要なく、達成される。これは、誘導コイルからサセプタへのエネルギー伝達が減少されず、可能な限り効率的に、エネルギー伝達、それゆえ、熱の生成が可能になることを意味する。
【0011】
誘導コイルは、シリンダー状誘導コイルとし得る。そのような場合、誘導コイルは、外側本体の半径方向内側に配置され得、加熱室が、誘導コイルの半径方向内側に画成され、及び空気孔を画成する外側本体と誘導コイルとの間の離隔は、半径方向の離隔とし得る。シリンダー状誘導コイルの代替形態として、誘導コイルは渦巻き状平面誘導コイルとし得る。
【0012】
空気孔は、空気の流れを加熱室へ向ける前に、空気の流れを誘導コイルの周囲へ向けるように形づくられ得る。これは、空気孔内の空気によって誘導コイルを外側本体から分離することによって、外側本体を絶縁するだけでなく、空気が加熱室へ通過する前に空気を加熱して、加熱室に加えられる必要がある熱量を減少させもする。これは、電力使用量を減少させるだけでなく、ユーザが熱に曝露されることから保護もする。
【0013】
加熱室は、誘導コイルに隣接し得る。誘導コイルは加熱室の壁に埋め込まれ得るが、誘導コイルが埋め込まれている壁と加熱室のチャンバーとの間には他の要素がないため、及び壁は、一部には加熱室を画成するため、本出願人らは、これは、用語「隣接する」の意味に含まれるものとする。
【0014】
上述の通り、物体は、気化可能な物質及び誘導加熱可能なサセプタを含む。気化可能な物質及び誘導加熱可能なサセプタは、物体によって包含され得る。この構成では、誘導によって生じる熱は、物体内でのみ発生する。そのようなものとして、加熱室内で生成される熱は、物体が加熱室内に置かれているときには、物体外では生成されない。換言すると、加熱室は、物体が加熱室内に存在するときには、物体内で加熱をもたらすにすぎないように配置され得る。これは、電流が誘導コイルを通過するときに誘導加熱可能なサセプタによって生じる熱が、そのような構成の物体内にのみ生じるためである。
【0015】
熱は、加熱室外で生成されてもよい。一般に、加熱室外で生成される熱は、誘導コイルによって生成される。この熱は、加熱室内のいずれの気化可能な物質も追加的に加熱し得る。
【0016】
空気孔は、空気が誘導コイルの周囲に、及び加熱室のいずれの部分へも流れることができるように、配置され得る。しかしながら、一般に、空気孔は、空気が誘導コイルの周囲に、及び加熱室の軸端へ流れることができるように、配置される。これにより、空気孔が誘導コイルといずれの方法でも干渉することを回避し、及び加熱室の軸端へのその経路は、空気孔が加熱室の任意の他の部分へ通過した場合よりも長いため、空気孔内の空気へ最大の熱量を伝えることができるようにする。
【0017】
第1の態様では、物体が加熱室内に位置しているとき、物体は加熱室の側面に当接し得、好ましくは、加熱室内には、物体が加熱室内に位置しているとき、物体を通り抜ける空気流路があるだけである。この場合、誘導コイルと物体との間の、入口から加熱室、加熱室の出口までの空気流路はなくてもよい。これにより、物体と加熱室の側面との間の物体の周りでの空気の流れを制限する。これにより、サセプタを誘導コイルの可能な限り近くに置くことができるようにし、及び物体の周りの代わりに、物体内を通る空気の流れを増加させる。
【0018】
空気孔は、任意の好適な方法で形成され得る。一般に、誘導加熱組立体は、さらに、外側本体と誘導コイルとの間に配置されて空気孔の2つ以上の層を画成する1つ以上のセパレータを含む。これにより、誘導コイルから空気へより効率的に熱を伝えることができるようにし、それゆえ、複数の層が、熱伝達のための空気の量に対して、より大きな表面積を提供するため、外側本体への熱の伝達を制限する。
【0019】
その代わりに又はそれに加えて、誘導加熱組立体はさらにリブを含み得、リブは、外側本体、誘導コイル、及び、任意選択的にセパレータを、機械的結合で支持し、且つ空気孔を複数のセグメントに分割する。これによって、本出願人らは、外側本体と、誘導コイルと、存在する場合にはセパレータとの間に機械的結合を提供するリブがあってもよく、それらリブは、これらの構成要素を支持し、且つ空気孔を複数のセグメントに分割することを意味するものとする。これは、様々な構成要素のための好適な構造用支持材を提供する一方で、空気が大表面積を通り過ぎることができるようにし、それにより、伝熱効果を増加させる。誘導コイルがシリンダー状誘導コイルであるとき、セグメントは環状セグメントとし得る。
【0020】
空気孔の複数の層を有することによって、空気が空気孔の入口から加熱室へどのように空気孔を通過するかに関して、いくつかのオプションを提供する。一般に、空気孔の複数の層は、1つの空気孔層から別の空気孔層へ通過する複数の空気孔層を通過する空気流路を提供するように配置される。これにより、複数の層を通過することによって空気流路を長くすることができ、空気孔を通過する空気に熱が伝達することができる長さを、より長くする。これはまた、1つの層中の空気が内側の層中の空気によって暖められるため、より効率的に熱を伝達させる。この配置構成では、好ましくは、空気経路は、1つの層では加熱室の長さに沿って通過し得、及び次の層では加熱室の長さに沿って逆方向に通過する。
【0021】
空気孔の代替的な配置構成では、空気孔の層は、それぞれの空気孔層を分けることによって、少なくとも2つの空気孔層を通過する空気流路を提供するように配置され得る。これはまた、複数の層中の空気を同時に暖めることができるようにすることによる、より効率的な熱伝達を提供する手段である。当然ながら、複数の層、すなわち層間で空気流路が分けられる層は、半径方向に隣接している(すなわち同心状の)層とし得る。
【0022】
一般に、誘導加熱組立体は、さらに、空気孔内に、1つ以上の空気流路を画成するように配置された構造を含み得る。これは、熱を伝達するために空気が通り過ぎる表面積を増加させる。
【0023】
空気の流れは、任意の好適な経路を辿り得る。一般に、1つ又は複数の空気流路は;誘導コイルの回りでスパイラル;コイルの長手方向にジグザグ;及びコイルの横断方向にジグザグのうちの1つ以上であるように配置される。これにより、各空気流路の長さを最大にして、誘導コイルからの熱の伝達をより効率的にできる。なぜなら、空気は、それぞれの空気流路に沿って通過するのにより長い期間をかけ、より多くの熱を吸収できるようにするためである。誘導コイルがシリンダー状誘導コイルであるとき、スパイラルは、誘導コイルの周囲で回転するスパイラルとし得、コイルの長手方向のジグザグは、コイルの軸方向とし得、及びコイルの横断方向のジグザグは、コイルの円周方向とし得る。
【0024】
1つ又は複数の空気流路は、任意の量の誘導コイルを網羅して、誘導コイルからの熱伝達を可能にし得る。一般に、空気流路は、誘導コイルの外表面の50%超、好ましくは50~90%、一層好ましくは50~80%を網羅し得る。本出願人らは、これにより、熱伝達を生じることができる一方で、構造的剛性を維持し、且つ製造を過度に複雑にしない、好適な量の表面積を提供することを見出した。
【0025】
誘導加熱組立体は、さらに、電磁シールドを含み得、シールドは:コイルと最も内側の空気孔との間に;同心の空気孔間に;最も外側の空気孔の周囲を実質的に取り囲んで;又は空気孔の壁の一部として、配置されている。EMシールドは、組立体から出されるEM放射線量を制限する。この場合のように、空気孔に隣接してEMシールドを提供することによって(依然として囲まれていても又はそうでなくても)、熱はまた、空気孔内の空気の温度を上回る温度までEMシールドを暖める場合、EMシールドから空気へ伝達されることができる。
【0026】
誘導コイルは、任意の好適な位置に置かれ得る。一般に、誘導コイルは、加熱室を収容する壁内に配置される。これにより、空気中の環境要因から、及び物体内の、その構成成分から、誘導コイルを保護する。
【0027】
組立体は、使用中、最高濃度点で約0.5テスラ(T)~約2.0Tの磁束密度を有する、変動する電磁場で動作するように構成され得る。
【0028】
電源及び回路は、高周波数で動作するように構成され得る。好ましくは、電源及び回路は、約80kHz~500kHz、好ましくは約150kHz~250kHz、一層好ましくは約200kHzの周波数で動作するように構成され得る。
【0029】
誘導コイルは、任意の好適な材料を含み得るが、一般に、誘導コイルは、Litzワイヤ又はLitzケーブルを含み得る。
【0030】
サセプタは、使用中に空気が通過できるようにする孔を提供するような形状にされ得る。これは、チューブの形状で提供されたサセプタによって、すなわちチューブ状サセプタを提供することによって、達成され得る。これは、サセプタが熱を発生させ、且つ空気がチューブを通過するときに、物体/カートリッジに入る空気の効率的な予加熱を可能にするため、有益である。チューブ状サセプタはまた、他の形状のサセプタよりも良好に熱を発生させることも分かっており、そのようなものとして、チューブ状サセプタは、閉鎖円の電気路を有する。サセプタはまた、その形状及びそれに対する電磁的な影響と相互作用する方法に起因して、ユーザに対して電磁シールドを提供する。それに応じて、サセプタは、熱を発生させるためにのみ使用され得るが、一般に、空気孔の少なくとも一部を形成するチューブ状形状を有する誘導加熱可能なサセプタがある。当然ながら、このサセプタは、物体を構成するサセプタに加えて、別のサセプタとし得る。
【0031】
第2の態様によれば、第1の態様による誘導加熱組立体;気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体を含む、蒸気発生システムが提供され;ここで、物体は、使用中、組立体の加熱室内に配置されている。
【0032】
気化可能な物質は、蒸気をつくることができる任意の好適な物質とし得る。物質は、植物由来の材料を含み得、特に、物質はタバコを含み得る。一般に、気化可能な物質は、固形又は半固形のタバコ物質である。これにより、サセプタを物体内の適所に保持できるようにするため、加熱を繰り返し且つ一貫してもたらすことができる。例示的なタイプの蒸気を発生させる固形物は、粉体、顆粒、ペレット、たばこ刻(shreds)、ストランド、多孔質材又はシートを含む。
【0033】
好ましくは、気化可能な物質は、エアロゾルフォーマ(aerosol-former)を含み得る。エアロゾルフォーマの例は、多価アルコール及びその混合物、例えばグリセリン又はプロピレングリコールを含む。一般に、気化可能な物質は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含量を含み得る。好ましくは、気化可能な物質は、乾燥重量ベースで約15%のエアロゾルフォーマ含量を含み得る。
【0034】
また、気化可能な物質は、エアロゾルフォーマ自体とし得る。この場合、気化可能な物質は、液体とし得る。また、この場合、物体は、加熱器などの気化器によって気化される液体を保持する液体保持物質(liquid retaining substance)(例えば繊維束、セラミックなどの多孔質材など)を有し得、及び液体保持物質から蒸気をつくり、且つ空気出口の方へ放出/放射し、ユーザによって吸入できるようにする。
【0035】
加熱すると、気化可能な物質は揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン又はフレーバー化合物、例えばタバコ香料を含み得る。
【0036】
物体は、使用中、通気性シェル内に気化可能な物質を含むカプセルとし得る。通気性材料は、電気絶縁性及び非磁性である材料とし得る。材料は、高い通気性を有して、空気が、高温に抵抗する材料を流れることができるようにする。好適な通気性材料の例は、セルロース繊維、紙、綿及び絹を含む。通気性材料はまた、フィルタの機能を果たし得る。或いは、物体は、紙に包まれた気化可能な物質とし得る。或いは、物体は、通気性ではないが、空気の流れを可能にするために適切な穿孔又は開口部を含む材料内に保持された、気化可能な物質とし得る。或いは、物体は、気化可能な物質自体とし得る。物体は、実質的にスティック形状に形成され得る。
【0037】
サセプタは、物体内の任意の好適な位置に及び任意の好適な方法で、置かれ得る。一般に、1つ又は複数のサセプタは、気化可能な物質内に保持され且つそれに取り囲まれて、気化可能な物質が、使用中、1つ又は複数のサセプタと組立体の外表面との間に熱吸収層を形成する。これは、気化可能な物質を効果的に加熱するだけでなく、蒸気発生システムの他の構成要素へ移る熱量を制限もする。
【0038】
誘導加熱組立体の例を、添付図面を参照して、下記で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図3】
図2に示す蒸気発生装置の、
図2の平面A-Aに沿って取った断面を示す。
【
図4】
図3に示すものと同じ平面に沿って取った代替的な例示的な蒸気発生装置の断面を示す。
【
図5】
図3に示すものと同じ平面に沿って取ったさらなる例示的な蒸気発生装置の断面を示す。
【
図6】
図3に示すものと同じ平面に沿って取った別の例示的な蒸気発生装置の断面を示す。
【
図7】
図6の例に対応する例の部分的な概略図を示す。
【
図8】
図6の例に対応する代替的な例の部分的な概略図を示す。
【
図9】例示的な空気流路を備える例示的な蒸気発生装置の一部分の概略図を示す。
【
図10】代替的な例示的な空気流路を備える例示的な蒸気発生装置の一部分の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本出願人らは、ここで、例示的な誘導加熱組立体及び例示的な誘導加熱可能なカートリッジの説明を含めて、蒸気発生装置の例を説明する。蒸気発生装置内の温度を監視するための例示的な方法も説明される。
【0041】
ここで、
図1及び
図2を参照して説明すると、例示的な蒸気発生装置が、
図1には組立構成で、及び
図2では未組立構成で、全体的に1で示されている。
【0042】
例示的な蒸気発生装置1はハンドヘルド装置であり(これにより、本出願人らは、ユーザが助けを受けずに片手で保持及び支持できる装置を意味するものとする)、この装置は、誘導加熱組立体10、誘導加熱可能なカートリッジ20及びマウスピース30を有する。カートリッジが加熱されるとカートリッジによって蒸気が放出される。それに応じて、誘導加熱可能なカートリッジを加熱するために誘導加熱組立体を使用することによって、蒸気を発生させる。その結果、蒸気は、ユーザによってマウスピースで吸入されることができる。
【0043】
この例では、カートリッジが加熱されるときに、空気を引き入れ、装置1に、誘導加熱可能なカートリッジ20中を又はその周囲を通って流入し、及びマウスピース30から出すようにすることによって、ユーザが蒸気を吸入する。これは、誘導加熱組立体10の一部分によって画成された加熱室12内に置かれているカートリッジと、装置が組み立てられたとき、組立体内に形成された空気入口14及びマウスピース内に形成された空気出口32とガス接続している加熱室とによって達成される。これにより、通常ユーザが空気を空気出口から吸い込むことにより生じる陰圧が加えられることによって、空気を、装置内を通って引き入れるようにすることができる。
【0044】
カートリッジ20は、気化可能な物質22及び誘導加熱可能なサセプタ24を含む物体である。この例では、気化可能な物質は、タバコ、保湿剤、グリセリン及びプロピレングリコールのうちの1種以上を含む。サセプタは、導電性である複数のプレートである。この例では、カートリッジはまた、気化可能な物質及びサセプタを包含する層又は膜26を有し、層又は膜は通気性を有する。他の例では、膜は存在しない。
【0045】
上述の通り、誘導加熱組立体10は、カートリッジ20を加熱するために使用される。組立体は、誘導コイル16の形態の誘導加熱装置、及び電源18を含む。電源と誘導コイルは電気的に接続されて、それら2つの構成要素間に電力が選択的に伝えられ得るようにする。
【0046】
この例では、誘導コイル16は実質的にシリンダー状であり、誘導加熱組立体10の形状も実質的にシリンダー状であるようにする。加熱室12は、誘導コイルの半径方向内側に画成され、誘導コイルの軸端にベースと、誘導コイルの半径方向内側の周囲に側壁とを備えている。加熱室は、誘導コイルの、ベースに対向する軸端において、開放している。蒸気発生装置1が組み立てられると、開口部はマウスピース30によって覆われ、空気出口32への開口部が、加熱室の開口部に位置するようにする。図面に示す例では、空気入口14は、加熱室のベースに、加熱室への開口部が設けられている。
【0047】
上述の通り、蒸気を生じさせるようにするために、カートリッジ20が加熱される。これは、直流電流から変換された交流電流を電源18によって誘導コイル16へ供給することによって、達成される。この交流電流は、誘導コイルを通って流れ、コイル付近の領域に制御されたEM場を生成する。生成されたEM場は、外部サセプタ(この場合、カートリッジのサセプタプレート)の電源を提供し、このサセプタが、EMエネルギーを吸収し、且つそれを熱に変換し、それにより、誘導加熱を達成する。
【0048】
より詳細には、誘導コイル16へもたらされる電力によって、電流を、誘導コイルを通って流れるようにして、EM場を生成させるようにする。上述の通り、誘導コイルに供給される電流は交流(AC)電流である。これは、カートリッジ内に熱を発生させる。なぜなら、カートリッジが加熱室12内に位置するとき、意図的に、図面に示すように、サセプタプレートが、誘導コイル16の半径に対して(実質的に)平行に配置させるか、又は少なくとも、ある長さの部分を誘導コイルの半径に対して平行となるようにしているためである。それに応じて、カートリッジが加熱室内に位置している間にAC電流が誘導コイルに供給されると、配置されているサセプタプレートは、誘導コイルによって生成されたEM場が各サセプタプレートに結合されることによって、各プレート内に渦電流が誘導されるようにする。これにより、誘導によって各プレートに熱を発生させる。
【0049】
カートリッジ20のプレートは、この例では各サセプタプレートと気化可能な物質との間が直接又は間接的に接触することによって、気化可能な物質22と熱を伝達し合う状態にある。これは、サセプタ24が誘導加熱組立体10の誘導コイル16によって誘導加熱されるとき、熱がサセプタ24から気化可能な物質22へ伝達され、気化可能な物質22を加熱して蒸気を生じることを意味する。
【0050】
誘導コイル16は壁28に埋め込まれる。これにより、誘導コイルと誘導コイルの周囲の環境との間の接触を制限する。使用中、熱が、加熱室12から、誘導コイルが埋め込まれていて加熱室の側壁を提供する壁へと通過する。誘導コイルはまた、コイルの抵抗に起因して少量の熱を発生させる。
【0051】
この熱を利用し、且つ熱を誘導コイルから逃して誘導コイルを冷却するために、上述の通り、加熱室のベースに接続される空気入口14は、マウスピース30と誘導加熱組立体10が接触する箇所に隣接する誘導コイルの一方の端部にある開口部から、誘導コイルが埋め込まれている壁を越えて、誘導コイルの対向端部へ、この端部を横切って、加熱室のベースの開口部へと通過する。ユーザがマウスピース内の空気出口32を通じて空気を吸い込むとき、空気は、空気入口を通って加熱室へ(
図1の矢印48によって示すように)、カートリッジ(1つ存在するはずである)を通って、及び空気出口を通って引かれる(
図1の矢印50によって示すように)。
【0052】
空気入口14内の空気が、誘導コイル16が埋め込まれている壁28よりも冷たいとき、熱が壁から(それゆえ誘導コイルから)空気へ伝達される。これにより空気を暖めて、壁及び誘導コイルを冷却する。それゆえ、カートリッジを通過する空気は、蒸気発生装置1外の空気よりも暖かくなる。
【0053】
図1及び
図2に示す例では、空気入口14は外壁34によって囲まれている。外壁は、空気入口と蒸気発生装置1の外部との間のバリアを提供する。外壁が空気入口内の空気よりも暖かい場合、熱はまた、外壁から空気入口内の空気へ伝達される。
【0054】
上述の通り、空気は、矢印48によって示すように、空気入口14から加熱室12へ移る。カートリッジ20は加熱室とぴったり合っている。そのようなものとして、空気は、カートリッジを含む加熱室を通過するとき、カートリッジ内を通過する必要がある。それゆえ、カートリッジの周囲の空気の流れは制限され、及びカートリッジと誘導コイル16が埋め込まれる壁28との間のカートリッジの周囲には、意図的な空気流路はない。加熱室へ移る空気は、加熱室及びカートリッジに入る前に暖められているため、カートリッジから空気へと失われる熱量を制限し、それにより、カートリッジをより暖かい状態に保つ。
【0055】
図2には、誘導コイル16が埋め込まれる壁28に埋め込まれるEMシールド36がある。EMシールドは、誘導コイルの半径方向外側に位置する。蒸気発生装置1が使用中であるとき、EMシールドは、誘導コイルによって加熱室12内に生じた熱に起因して暖かくなり、及びシールドプロセスに起因してシールド内に生じた電流に起因して暖かくなり得る。
【0056】
図3に、
図2の平面A-Aに沿って取った断面を示す。これは、蒸気発生装置が全体的にシリンダー状であることを示す、円形本体を示す。加熱室12は、EMシールド36と一緒に誘導コイル16が埋め込まれた壁28によって囲まれて、中心にある。
図2におけるように、EMシールドが、コイルの半径方向外側の誘導コイルに沿って位置していることが分かる。
【0057】
空気孔14は、誘導コイル16及びEMシールド36が埋め込まれている壁28の周りに位置する。空気孔は複数の孤状孔38に分割され、それらそれぞれが空気流路を提供する。空気孔は、リブ40によって分割される。リブは、誘導コイル及びEMシールドが埋め込まれている壁と、その半径方向外側にある空気孔を取り囲む外壁34との間で接続される。
【0058】
図4は、代替的な例示的な蒸気発生装置に関する、
図3に示すものと同じ断面を示す。これによれば、装置は依然として円形であり、加熱室12はその中心に位置している。加熱室は、ここでも、
図2及び
図3に示す蒸気発生装置と同じ構成で、誘導コイル16及びEMシールド36が埋め込まれている壁28によって囲まれている。空気孔用の空気流路を形成する孤状孔の代わりに、この例では、空気孔14は、
図4にあるように、EMシールドの半径方向外側の円環に均等に分布した複数の円形ボア39によって、提供される。ボアのそれぞれは、空気流路を提供し、並びにコイル及びEMシールドが埋め込まれている壁を、蒸気発生装置の外壁を形成する外壁34に接続するリブ40によって、隣接するボアから分離されている。
【0059】
図5に、さらに代替的な例示的な蒸気発生装置の同じ断面が示されている。装置は、ここでも円形であり、加熱室12はその中心に位置している。壁28が加熱室を取り囲んでいる。誘導コイル16は、この壁に埋め込まれている。しかしながら、
図3に示す例のように、EMシールドもこの壁に埋め込まれる代わりに、EMシールド36は外壁34に埋め込まれている。外壁は、コイルが埋め込まれている壁から、空気孔14によって分離されている。
図3に示す例のように、空気孔は孤状孔38に分割され、これら孤状孔はリブ40によって分離されている。この構成では、孤状孔38は、金属管によって提供され得る。この場合、金属管は、サセプタとして働き、且つ加熱室12に入る空気の予加熱をもたらすことができる。金属管もEMシールドとして働くことができてもよい。
【0060】
図6は、
図3~5と同じ平面に沿った別の代替的な例示的な蒸気発生装置の断面を示す。この例では、装置は、
図5の例と同じ構造を有するが、EMシールドが埋め込まれている壁は、外壁である代わりに、中間壁42である。この中間壁から半径方向外側に、外壁34がある。外壁と中間壁との間には空気孔14があり、並びに、中間壁と、誘導コイル16が埋め込まれ且つ加熱室12を取り囲む壁28との間には、空気孔がある。各空気孔は、それぞれの空気孔に関するそれぞれの壁の間に延在するリブ40によって、複数の孤状孔38に分割される。各孤状孔は、ここでも、空気流路を提供する。
【0061】
図6に示す例では、空気孔14は、複数の配置構成のうちの1つを有し得る。
図7及び
図8に、2つのそのような配置構成を示す。
【0062】
図7は、例示的な蒸気発生装置の配置構成を、
図6に示すものと同様の断面で示す。
図7に示す配置構成では、蒸気発生装置は、装置の外周壁を提供する外壁34を有する。外壁の半径方向内側には、外壁から半径方向に離隔し、及び誘導コイル16が埋め込まれている壁28から半径方向に離隔する中間壁42がある。誘導コイルが埋め込まれている壁は、中間壁の半径方向内側に位置し、及びこの壁の半径方向内側に画成された加熱室12の側壁を提供する。
【0063】
装置の外部から加熱室へ通過する空気孔14がある。空気孔を通って延びる単一の空気流路があり、これを、
図7に48で示す。流路は、加熱室12の軸端と一致する箇所で、外壁34を通過して蒸気発生装置に入る。その後、流路は、外壁と中間壁42との間を、加熱室の対向する軸端に一致する箇所まで通過した。この箇所において、外壁と中間壁との間の半径方向の離隔によって設けられた間隙と、中間壁と誘導コイル16が埋め込まれる壁28との間の半径方向の離隔によって設けられた間隙との間に、通路がある。空気流路は、この通路を通過し、及び中間壁と誘導コイルが埋め込まれている壁との間を、ここでも加熱室の最初の軸端と一致するが、流路が蒸気発生装置に入るときよりも加熱室からの半径方向の離隔の距離が短い箇所へと戻る。そのため、流路は、加熱室のその軸端において、加熱室内までさらなる通路を辿る。
【0064】
図8は、例示的な蒸気発生装置の、
図6に示すものと同様の、
図7に断面で示すものに対する代替的な配置構成を示す。
図7に示す配置構成のように、
図8に示す配置構成では、蒸気発生装置は、装置の外周壁を提供する外壁34を有する。外壁の半径方向内側には、外壁から半径方向に離隔し、及び誘導コイル16が埋め込まれている壁28から半径方向に離隔する中間壁42がある。誘導コイルが埋め込まれている壁は、中間壁の半径方向内側に位置し、及びこの壁の半径方向内側に画成される加熱室12の側壁を提供する。
【0065】
図7のように、
図8では、装置の外部から加熱室へ通過する空気孔14がある。しかしながら、
図7の単一の空気流路48の代わりに、
図8に示す配置構成は、
図8に50で示す空気流路を有し、これは、共通の始まり及び共通の終わりを有するが、始まりと終わりとの間に2つのほぼ平行なセクションを有する。流路は、加熱室12の軸端と一致する箇所で、外壁34を通過して蒸気発生装置に入る。その後、流路は、分岐する。流路の一方のセクションは、これらの壁の半径方向の離隔によって設けられた間隙において、外壁と中間壁42との間を通過する。流路の他方のセクションは、通路を、中間壁と誘導コイル16が埋め込まれる壁28との間の半径方向の離隔によって設けられた間隙へと通過する。そのため、流路のこのセクションは、この間隙を通過する。2つのセクションは、加熱室12の対向端部と一致する箇所で再結合する。これは、流路の、外壁と中間壁との間を通過してから、中間壁にある通路を通過して、中間壁と誘導コイルが埋め込まれている壁との間を通過するセクションを、加熱室の対向する軸端に等価の箇所へ結合するセクションによって、達成される。その後、流路は、共通の最後のセクションに沿って、加熱室のその軸端にある加熱室内へと続く。
【0066】
図6に示す例のように、
図7及び
図8に示す配置構成は、空気孔14にある孤セクションを形成する様々な壁を接続し且つ支持するリブ(
図7及び
図8には図示せず)を有する。
【0067】
図9及び
図10は、それぞれ、蒸気発生装置内で使用されることができる例示的な空気流路を示す。これらの図面はそれぞれ、誘導コイルが埋め込まれている壁28を表すシリンダーを示す。
【0068】
図9は、空気孔(
図9及び
図10には図示せず)によって設けられる空気流路44を示す。空気流路は、壁28の周りをジグザグパターンで通過する。これによって、本出願人らは、流路が平行なセクションを有し、これら平行なセクションは、シリンダー状壁の長手方向軸と位置合わせされ、且つ平行なセクションの最後で、空気流路の湾曲セクションによって隣接するセクションに結合されることを意味するものとする。この構成では、1つ以上の空気流路が壁全体の周囲に配置される。
【0069】
図10は空気流路46を示す。この空気流路も、空気孔(図示せず)によって設けられる。空気流路は、壁28の周囲をスパイラル状に通過し、壁の一方の軸端から壁の対向する軸端まで通過する。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生装置用の誘導加熱組立体であって、前記誘導加熱組立体は、
外側本体と、
前記外側本体の内側に配置された誘導コイルと、
前記誘導コイルの内側に画成され、且つ使用中、気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体を収容するように配置された加熱室と、を含み、
前記外側本体と前記誘導コイルとが互いに分離され、
使用中に、空気が前記物体に入る前に温められる空気流を可能にする空気孔が画成され、
前記誘導加熱組立体は、1以上の空気流路を画成する複数のリブを含む、誘導加熱組立体。
【請求項2】
前記空気孔は、前記誘導コイルに沿って前記空気流を方向づけるように形づくられている、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項3】
前記空気孔の1以上の層を画成するように前記外側本体の中に配置された1以上のセパレータを更に備える、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項4】
前記1以上の空気流路は、
前記誘導コイルの周りでスパイラル、
前記誘導コイルの長手方向にジグザグ、及び
前記誘導コイルの横断方向にジグザグ
のうちの1つ以上であるように配置されている、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項5】
前記1以上の空気流路は、前記誘導コイルの外表面の50%超を網羅する、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項6】
電磁シールドを更に含み、前記電磁シールドは、前記空気孔の周囲を実質的に取り囲んでいる、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項7】
前記誘導コイルは、前記加熱室を収納する壁内に実質的に配置されている、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項8】
前記誘導コイルは、前記加熱室を収納する壁に埋め込まれている、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項9】
前記加熱室は、前記誘導コイルに隣接している、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項10】
蒸気発生システムであって、
請求項1に記載の誘導加熱組立体と、
気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体と、を備え、
前記物体は、使用中、前記誘導加熱組立体の前記加熱室の中に配置される、蒸気発生システム。
【請求項11】
前記気化可能な物質と前記誘導加熱可能なサセプタとは、前記物体によって包含されている、請求項10に記載の蒸気発生システム。
【請求項12】
前記誘導加熱可能なサセプタは、前記空気孔の少なくとも一部を形成する、請求項10に記載の蒸気発生システム。
【請求項13】
前記気化可能な物質は、固形又は半固形のタバコ物質であり、
前記サセプタは、前記気化可能な物質内に保持され且つそれによって取り囲まれており、前記気化可能な物質が、使用中、前記サセプタと前記誘導加熱組立体の外表面との間に熱吸収層を形成するようにする、請求項10に記載の蒸気発生システム。
【請求項14】
前記誘導コイルは、前記誘導コイルを収納する壁によって前記空気孔から分離されている、請求項1に記載の誘導加熱組立体。
【請求項15】
蒸気発生装置用の誘導加熱組立体であって、前記誘導加熱組立体は、
外側本体と、
前記外側本体の内側に配置された誘導コイルと、
前記誘導コイルの内側に画成され、且つ使用中、気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体を収容するように配置された加熱室と、を含み、
前記外側本体と前記誘導コイルとが互いに分離され、
使用中に、空気が前記物体に入る前に温められる空気流を可能にする空気孔が画成され、
前記誘導加熱組立体は、1以上の空気流路を画成する構造を前記空気孔の中に含む、誘導加熱組立体。
【請求項16】
蒸気発生装置用の誘導加熱組立体であって、前記誘導加熱組立体は、
外側本体と、
前記外側本体の内側に配置された誘導コイルと、
前記誘導コイルの内側に画成され、且つ使用中、気化可能な物質と誘導加熱可能なサセプタとを含む物体を収容するように配置された加熱室と、を含み、
前記外側本体と前記誘導コイルとが互いに分離され、
前記誘導加熱組立体は、1以上の空気流路を画成する複数のリブを含む空気孔を画成し、前記空気孔は、前記誘導コイルに沿った空気流を可能にする、誘導加熱組立体。