(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134832
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】ゲル及び結晶性粉末
(51)【国際特許分類】
A24B 15/167 20200101AFI20230920BHJP
【FI】
A24B15/167
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023122275
(22)【出願日】2023-07-27
(62)【分割の表示】P 2021523255の分割
【原出願日】2019-10-31
(31)【優先権主張番号】1817861.6
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100135242
【弁理士】
【氏名又は名称】江守 英太
(72)【発明者】
【氏名】カボット, ロス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】全体的なベイピング体験を最適化する、電子エアロゾル供給システムの使用者による吸入のためのゲル又は結晶性粉末を提供する。
【解決手段】(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水と、(ii)ニコチンと、(iii)水溶性酸とを含む、ゲルが提供される。(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水と、(ii)ニコチンと、(iii)水溶性酸と、(iv)1種又は複数の香料と、(v)カプセル化材料とを含む、結晶性粉末を特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と
を含む、ゲル。
【請求項2】
水が、前記ゲルに基づいて1~15wt.%の量で存在する、請求項1に記載のゲル。
【請求項3】
水が、前記ゲルに基づいて1~10wt.%の量で存在する、請求項1又は2に記載のゲル。
【請求項4】
前記ニコチンが、前記ゲルに基づいて90wt.%以下の量で存在する、請求項1、2又は3に記載のゲル。
【請求項5】
ニコチンが、前記ゲルに基づいて50~75wt.%の量で存在する、請求項4に記載のゲル。
【請求項6】
(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と、
(iv)1種又は複数の香料と、
(v)カプセル化材料と
を含む、結晶性粉末。
【請求項7】
前記ニコチンが、前記結晶性粉末に基づいて10wt.%以下の量で存在する、請求項6に記載の結晶性粉末。
【請求項8】
ニコチンが、前記結晶性粉末に基づいて1~3wt.%の量で存在する、請求項7に記載の結晶性粉末。
【請求項9】
水が、前記結晶性粉末に基づいて10wt.%未満の量で存在する、請求項6~8のいずれか一項に記載の結晶性粉末。
【請求項10】
水が、前記結晶性粉末に基づいて8wt.%未満の量で存在する、請求項6~9のいずれか一項に記載の結晶性粉末。
【請求項11】
酸対ニコチンのモル比が5:1~1:5である、請求項1~10のいずれか一項に記載のゲル又は結晶性粉末。
【請求項12】
酸対ニコチンのモル比が3:1~1:3である、請求項11に記載のゲル又は結晶性粉末。
【請求項13】
酸対ニコチンのモル比が2:1~1:2である、請求項11に記載のゲル又は結晶性粉末。
【請求項14】
前記水溶性酸が、酢酸、乳酸、ギ酸、クエン酸、安息香酸、ピルビン酸、レブリン酸、コハク酸、酒石酸、ソルビン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載のゲル又は結晶性粉末。
【請求項15】
前記水溶性酸が、クエン酸、安息香酸、レブリン酸、乳酸、ソルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載のゲル又は結晶性粉末。
【請求項16】
前記水溶性酸が少なくともクエン酸である、請求項1~15のいずれか一項に記載のゲル又は結晶性粉末。
【請求項17】
前記カプセル化材料が1種又は複数のシクロデキストリンである、請求項6~16のいずれか一項に記載の結晶性粉末。
【請求項18】
前記1種又は複数のシクロデキストリンが、置換又は非置換(α)-シクロデキストリン、置換又は非置換(β)-シクロデキストリン、置換又は非置換(γ)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の結晶性粉末。
【請求項19】
前記1種又は複数のシクロデキストリンが、前記結晶性粉末に基づいて85wt.%以下の総量で存在する、請求項17又は18に記載の結晶性粉末。
【請求項20】
前記1種又は複数のシクロデキストリンが、前記結晶性粉末に基づいて50~85wt.%の総量で存在する、請求項17~19のいずれか一項に記載の結晶性粉末。
【請求項21】
前記1種又は複数の香料が、(4-(パラ-)メトキシフェニル)-2-ブタノン、バニリン、γ-ウンデカラクトン、メントン、5-プロペニルグアエトール、メンソール、パラ-メンタ-8-チオール-3-オン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6~20のいずれか一項に記載の結晶性粉末。
【請求項22】
前記香料が少なくともメンソールである、請求項21に記載の結晶性粉末。
【請求項23】
前記1種又は複数の香料が、前記ゲル又は結晶性粉末に基づいて2wt.%以下の総量で存在する、請求項21又は22に記載の結晶性粉末。
【請求項24】
前記1種又は複数の香料が、前記ゲル又は結晶性粉末に基づいて0.01~1wt.%の総量で存在する、請求項21~23のいずれか一項に記載の結晶性粉末。
【請求項25】
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と
を含むゲルを生成するための方法であって、
(a)
(i)ニコチン溶液に基づいて50~90wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)前記水溶性酸
を含むニコチン溶液を用意するステップと、
(b)前記ニコチン溶液を脱水して、前記ゲルを得るステップと
を含む、方法。
【請求項26】
前記ゲルが、請求項2~24のいずれか一項に記載のゲルである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
(i)結晶性粉末に基づいて15wt%未満の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と、
(iv)1種又は複数の香料と、
(v)カプセル化材料と
を含む結晶性粉末を生成するための方法であって、
(a)
(i)ニコチン溶液に基づいて50~95wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含むニコチン溶液を用意するステップと、
(b)前記ニコチン溶液を脱水して、前記結晶性粉末を得るステップと
を含む、方法。
【請求項28】
前記結晶性粉末が、請求項6~24のいずれか一項に記載の結晶性粉末である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
(a)請求項1~24のいずれか一項に記載のゲルを、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含む香料溶液と接触させて、ニコチン溶液を生成するステップと、
(b)前記ニコチン溶液を脱水して、前記結晶性粉末を得るステップと
を含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むゲルを再水和するための方法であって、前記ゲルを水と接触させるステップを含む、方法。
【請求項31】
(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含む結晶性粉末を再水和するための方法であって、前記結晶性粉末を水と接触させるステップを含む、方法。
【請求項32】
(a)容器と、
(b)
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むゲルと
を含む、収容されたゲル。
【請求項33】
(a)容器と、
(b)
(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含む結晶性粉末と
を含む、収容された結晶性粉末。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本開示は、ゲル及び結晶性粉末、ゲル及び結晶性粉末を生成する方法、ゲル及び結晶性粉末を含む容器、ゲル及び結晶性粉末を含むデバイス並びにゲル及び結晶性粉末の方法及び使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
eシガレットなどの電子エアロゾル供給システムは、ニコチンを典型的に含む気化される液体のリザーバを一般的に含む。使用者がデバイスで吸入すると、ヒーターが作動して少量の液体を気化させ、したがって気化した液体が使用者により吸入される。
【0003】
英国におけるeシガレットの使用は急速に増えており、今や、英国においてeシガレットを使用する人は百万人を超えると推定されている。
【0004】
このようなシステムの提供において直面する1つの課題は、許容できる体験を消費者に提供する吸入されるエアロゾルをエアロゾル供給デバイスから供給することである。紙巻タバコなどのタバコ製品から吸入される煙によく「似ている」エアロゾルを発生させるeシガレットを一部の消費者が好むことがある。eシガレットからのエアロゾル及び紙巻タバコなどのタバコ製品からの煙は、使用者に口内の風味の複雑な連鎖、口内及び喉内のニコチン吸収、続いて肺内のニコチン吸収をもたらす。これらの様々な態様は、風味、強度/質、衝撃、刺激/滑らかさ及びニコチン報酬の点から使用者により記述されている。ニコチンは、いくつかのこれらの因子に寄与し、衝撃、刺激及び滑らかさなどの因子に強く関連し、これらは消費者により容易に知覚され、eシガレットは、個人の好みに応じて、消費者にこれらのパラメータをあまりにも多く又はあまりにも少なく与えることがある。ニコチン報酬は、ニコチンが口腔粘膜から吸収される量及び速度(これは典型的には蒸気相のニコチンである)並びに肺から吸収されるニコチンの量及び速度(これは典型的には吸入されるエアロゾルの粒子相のニコチンである)の両方の結果生じるため、特に複雑である。これらの因子のそれぞれ、及び因子のバランスは、eシガレットの消費者受容性に強く寄与し得る。したがって、全体的なベイピング体験を最適化する提供手段がeシガレット製造者に望ましい。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様において、
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と
を含む、ゲルが提供される。
【0006】
1つの態様において、
(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と、
(iv)1種又は複数の香料と、
(v)カプセル化材料と
を含む、結晶性粉末が提供される。
【0007】
1つの態様において、
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と
を含むゲルを生成するための方法であって、
(a)
(i)ニコチン溶液に基づいて50~90wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むニコチン溶液を用意するステップと、
(b)ニコチン溶液を脱水して、ゲルを得るステップと
を含む、方法が提供される。
【0008】
1つの態様において、
(i)結晶性粉末に基づいて15wt%未満の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と、
(iv)1種又は複数の香料と、
(v)カプセル化材料と
を含む結晶性粉末を生成するための方法であって、
(a)
(i)ニコチン溶液に基づいて50~95wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と、
(iv)1種又は複数の香料と、
(v)カプセル化材料と
を含むニコチン溶液を用意するステップと、
(b)ニコチン溶液を脱水して、結晶性粉末を得るステップと
を含む、方法が提供される。
【0009】
1つの態様において、
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むゲルを再水和するための方法であって、ゲルを水と接触させるステップを含む、方法が提供される。
【0010】
1つの態様において、
(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含む結晶性粉末を再水和するための方法であって、結晶性粉末を水と接触させるステップを含む、方法が提供される。
【0011】
1つの態様において、
(a)容器と、
(b)
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むゲルと
を含む、収容されたゲルが提供される。
【0012】
1つの態様において、
(a)容器と、
(b)
(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含む結晶性粉末と
を含む、収容された結晶性粉末が提供される。
【詳細な説明】
【0013】
本明細書で1つの態様において論じるように、1つの態様において、(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水と、(ii)ニコチンと、(iii)水溶性酸とを含む、ゲルが提供される。さらなる態様において、(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水と、(ii)ニコチンと、(iii)水溶性酸と、(iv)1種又は複数の香料と、(v)カプセル化材料とを含む、結晶性粉末が提供される。
【0014】
本発明者らは、ゲルがニコチン及び水溶性酸から生成される有利な系を提供することができ、このゲルを、水、ニコチン、水溶性酸、1種又は複数の香料、及びカプセル化材料を含む結晶性粉末の生成において使用することができることを見出した。ゲルは、ニコチン、水、水溶性酸の溶液から、この溶液を続いて脱水してゲルを生成することによって、生成される。ゲルは、不必要な量の水を運搬する必要なく容易に運搬される。ゲルは取り扱いも容易であり、液体に見られる漏れの問題を回避する。必要なときは、次いで、ゲルを使用して、水、ニコチン、水溶性酸、1種又は複数の香料及びカプセル化材料の溶液を生成することができる。これは、ゲルを水、1種又は複数の香料及びカプセル化材料と接触させることにより実現される。この方法は、ゲルを加熱なしで容易に溶解することができるのでさらに有利である。これは揮発性のニコチン及び/又は香料の損失を回避する。このさらなる溶液を脱水して、結晶性粉末を生成することができる。この結晶性粉末は、エアロゾル化可能な液体を生成するために必要な成分を含む。この液体の生成は、製造者又は最終使用者により行ってもよい。結晶性粉末は十分な量の水が用意されたときのみ溶解し、したがって送達されたあらゆる溶液がニコチンに関して濃縮されすぎることはないことを本発明者らは見出したので、結晶性粉末は特に有利である。これは、望ましくなく濃縮されたニコチン溶液が最終使用者に提供されないことを保証するために重要である。
【0015】
参照を容易にするため、ここで適切なセクション見出しの下、本発明のこれらの態様及びさらなる態様を論じる。しかし、各セクションの教示は、各特定のセクションに必ずしも限定されない。
【0016】
当業者に理解されるように、ニコチンは、非プロトン化形態、モノプロトン化形態又はジプロトン化形態で存在してもよい。これらの形態のそれぞれの構造を以下に示す。
【化1】
【0017】
本明細書におけるプロトン化形態という言及は、モノプロトン化ニコチン及びジプロトン化ニコチンの両方を意味する。本明細書におけるプロトン化形態の量という言及は、モノプロトン化ニコチン及びジプロトン化ニコチンの合わせた量を意味する。さらに、完全にプロトン化された配合物に言及するとき、どの時点でも、存在する非常に少量の非プロトン化ニコチン、例えば1%未満の非プロトン化ニコチンが存在してもよいことが理解されるであろう。
【0018】
水
本明細書で論じるように、ゲルは、ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水を含む。1つの態様において、水は、ゲルに基づいて1~20wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、ゲルに基づいて1~15wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、ゲルに基づいて1~10wt.%の量で存在する。
【0019】
本明細書で論じるように、結晶性粉末は、結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水を含む。1つの態様において、水は、結晶性粉末に基づいて10wt.%未満の量で存在する。1つの態様において、水は、結晶性粉末に基づいて8wt.%未満の量で存在する。
【0020】
ニコチン
風味、衝撃、刺激、滑らかさ及び/又は使用者へのニコチン報酬の望ましい特性を有するニコチン配合物を提供することができる。
【0021】
1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて6wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~10wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~10wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~10wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~10wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~10wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~10wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~10wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて1~10wt%の量で存在する。
【0022】
1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて8wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて1~8wt%の量で存在する。
【0023】
1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて6wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~6wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~6wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~6wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~6wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~6wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~6wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~6wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて1~6wt%の量で存在する。
【0024】
1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて5wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて1~5wt%の量で存在する。
【0025】
1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて4wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて1~4wt%の量で存在する。
【0026】
1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて3wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて1~3wt%の量で存在する。
【0027】
1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて2wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、結晶性粉末の総重量に基づいて1~2wt%の量で存在する。
【0028】
1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて90wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて1~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて5~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて10~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて15~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて20~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて25~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて30~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて35~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて40~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて45~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて50~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて60~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて70~90wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて80~90wt%の量で存在する。
【0029】
1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて85wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて1~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて5~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて10~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて15~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて20~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて25~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて30~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて35~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて40~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて45~85wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて50~85wt%の量で存在する。
【0030】
1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて80wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて1~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて5~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて10~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて15~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて20~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて25~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて30~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて35~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて40~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて45~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて50~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて60~80wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて70~80wt%の量で存在する。
【0031】
1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて75wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて1~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて5~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて10~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて15~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて20~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて25~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて30~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて35~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて40~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて45~75wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて50~75wt%の量で存在する。
【0032】
1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて70wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて1~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて5~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて10~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて15~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて20~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて25~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて30~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて35~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて40~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて45~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて50~70wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて60~70wt%の量で存在する。
【0033】
1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて60wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて1~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて5~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて10~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて15~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて20~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて25~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて30~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて35~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて40~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて45~60wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて50~60wt%の量で存在する。
【0034】
1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて50wt%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて1~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて5~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて10~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて15~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて20~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて25~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて30~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて35~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて40~50wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、ゲルの総重量に基づいて45~50wt%の量で存在する。
【0035】
ゲル又は結晶性粉末は、プロトン化形態のニコチンを含む。ゲル又は結晶性粉末は、非プロトン化形態のニコチンを含んでもよい。1つの態様において、ゲル又は結晶性粉末は、非プロトン化形態のニコチン及びモノプロトン化形態のニコチンを含む。1つの態様において、ゲル又は結晶性粉末は、非プロトン化形態のニコチン及びジプロトン化形態のニコチンを含む。1つの態様において、ゲル又は結晶性粉末は、非プロトン化形態のニコチン、モノプロトン化形態のニコチン及びジプロトン化形態のニコチンを含む。
【0036】
1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも5wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも10wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも15wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも20wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも25wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも30wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも35wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも40wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも45wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも50wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも55wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも60wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも65wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも70wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも75wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも80wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも85wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも90wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも99wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの少なくとも99.9wt%はプロトン化形態である。
【0037】
1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの50~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの55~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの60~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの65~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの70~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの75~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの80~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの85~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在するニコチンの90~95wt%はプロトン化形態である。
【0038】
プロトン化形態で配合物中に存在するニコチンの関連量は、本明細書において指定される。これらの量は、当業者により容易に計算することができる。ニコチン(3-(1-メチルピロリジン-2-イル)ピリジン)は、ピリジン環については3.12、ピロリジン環については8.02のpKaを有する二酸塩基である。ニコチンは、異なるバイオアベイラビリティを有するpH依存性のプロトン化(モノ-及びジ-)形態及び非プロトン化(遊離塩基)形態で存在することができる。
【化2】
【0039】
プロトン化及び非プロトン化ニコチンの分布は、様々なpH上昇で変わることになる。
【化3】
【0040】
非プロトン化ニコチンの割合が高pHレベルで支配的になる一方、pHの低下は、プロトン化ニコチン(pHに応じてモノ-又はジ-)の割合の増加を見ることになる。サンプル中のプロトン化ニコチンの相対的な割合及びニコチンの総量が既知である場合、プロトン化ニコチンの絶対量を計算することができる。
【0041】
配合物中のプロトン化ニコチンの相対的な割合は、酸解離定数の式の導出としてpHを表すヘンダーソン-ハッセルバルヒ式を用いることにより計算することができ、ヘンダーソン-ハッセルバルヒ式は、化学系及び生物学系において広く使用されている。以下の平衡を考える:
【化4】
【0042】
この平衡のヘンダーソン-ハッセルバルヒ式は:
【数1】
である。
【0043】
式中、[B]は非プロトン化ニコチン(すなわち遊離塩基)の量、[BH+]はプロトン化ニコチン(すなわち共役酸)の量であり、pKaは、ニコチンのピロリジン環窒素の基準pKa値である(pKa=8.02)。プロトン化ニコチンの相対的な割合は、以下のようにヘンダーソン-ハッセルバルヒ式から計算された非プロトン化ニコチンのアルファ値から導くことができる:
【数2】
【0044】
ニコチン配合物のpKa値の決定は、「Spectroscopic investigations into the acid-base properties of nicotine at different temperatures」、Peter M.Clayton、Carl A.Vas、Tam T.T.Bui、Alex F.Drake及びKevin McAdam、Anal.Methods、2013、5、81-88に記載された基本手法を用いて行った。
【0045】
酸
本明細書で論じるように、ゲル及び結晶性粉末のそれぞれは、水溶性である酸を含む。「水溶性」という用語により、酸が、20℃で少なくとも20g/Lの水中溶解度を有することを意味する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも50g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも100g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも200g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも300g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも400g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも500g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも600g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも700g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも800g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも900g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも1000g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも1100g/Lの水中溶解度を有する。
【0046】
1つの態様において、酸は有機酸である。1つの態様において、酸はカルボン酸である。1つの態様において、酸は有機カルボン酸である。
【0047】
1つの態様において、酸は、酢酸、乳酸、ギ酸、クエン酸、安息香酸、ピルビン酸、レブリン酸、コハク酸、酒石酸、ソルビン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、酸は、クエン酸、安息香酸、レブリン酸、乳酸、ソルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、酸は、クエン酸、安息香酸、レブリン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、酸は少なくともクエン酸である。1つの態様において、酸はクエン酸からなる。
【0048】
1つの態様において、酸は、(i)クエン酸と、(ii)クエン酸ではないさらなる酸との混合物である。1つの態様において、酸は、(i)クエン酸と、(ii)酢酸、乳酸、ギ酸、安息香酸、ピルビン酸、レブリン酸、コハク酸、酒石酸、ソルビン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸及びそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる酸との混合物である。1つの態様において、酸は、(i)クエン酸と、(ii)安息香酸、レブリン酸、乳酸、ソルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる酸との混合物である。1つの態様において、酸は、(i)クエン酸と、(ii)安息香酸、レブリン酸及びそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる酸との混合物である。
【0049】
1つの態様において、酸は、2~5のpkaを有する酸から選択される。1つの態様において、酸は弱酸である。1つの態様において、酸は弱有機酸である。
【0050】
酸対ニコチンのモル比は、所望の通り選択されてもよい。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は5:1~1:5である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は4:1~1:4である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は3:1~1:3である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は2:1~1:2である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.5:1~1:1.5である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.2:1~1:1.2である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は5:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は4:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は3:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は2:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.5:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.2:1~1:1である。
【0051】
1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて5モル当量以下である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて4モル当量以下である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて3モル当量以下である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて2モル当量以下である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて1モル当量以下である。
【0052】
1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.1モル当量以上である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.2モル当量以上である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.3モル当量以上である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.4モル当量以上である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.5モル当量以上である。1つの態様において、ゲル中又は結晶性粉末中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.7モル当量以上である。
【0053】
1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて6wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて4wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて3wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて2wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて1wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.6wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.01~0.1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.02~0.1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.05~0.1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.08~0.1wt%の量で存在する。
【0054】
1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて60wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~60wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~60wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~60wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~60wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~50wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~50wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~50wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~50wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて40wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~40wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~40wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~40wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~40wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて30wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~30wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~30wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~30wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~30wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて20wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~20wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~20wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~20wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~20wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて10wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~10wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~10wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~10wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~10wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて1~10wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて6wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて1~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて5wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて2wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて1wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.1~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.2~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.5~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、ゲル又は結晶性粉末の総重量に基づいて0.8~1wt%の量で存在する。
【0055】
酸の量及び酸の溶解度は、所与の量の酸が水に溶解するように選択されてもよい。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも20%が水に溶解する。1つの態様において、25℃で酸の少なくとも20%が水に溶解する。1つの態様において、30℃で酸の少なくとも20%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも35%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも40%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも45%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも50%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも55%が水に溶解する。
【0056】
1つの態様において、酸は、25℃で固体である酸から選択される。
【0057】
香料
本明細書で論じるように、結晶性粉末は、1種若しくは複数の香料又は加香成分を含む。1つの態様において、ゲルは、1種若しくは複数の香料又は加香成分をさらに含む。本明細書において使用されるとき、「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者向け製品において所望の味又は香りを作り出すために、局所制御が許す場合に使用することができる材料を指す。香料及び香味料は、抽出物(例えばカンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はメンタ(Mentha)属の任意の種由来のハッカ油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは感覚受容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えばスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール又はマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質又は息清涼剤などの他の添加剤を含んでもよい。これらは、模倣原料、合成原料若しくは天然原料又はそれらのブレンドでもよい。これらは、任意の適した形態、例えば、油、液体又は粉末でもよい。1種又は複数の香料は、(4-(パラ-)メトキシフェニル)-2-ブタノン、バニリン、γ-ウンデカラクトン、メントン、5-プロペニルグアエトール、メンソール、パラ-メンタ-8-チオール-3-オン及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。1つの態様において、香料は少なくともメンソールである。
【0058】
存在する場合、1種又は複数の香料は、任意の適した量で存在してもよい。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて10wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて7wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて5wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて4wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて3wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて2wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて1wt.%以下の総量で存在する。
【0059】
1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて0.01~5wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて0.01~4wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて0.01~3wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて0.01~2wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて0.01~1wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、ゲル又は結晶性粉末に基づいて0.01~0.5wt.%の総量で存在する。
【0060】
カプセル化材料
本明細書で論じるように、結晶性粉末はカプセル化材料を含む。カプセル化材料は、結晶性粉末中に任意の適した量で存在してもよい。
【0061】
1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて12wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて10wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて9wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて8wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて7wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて6wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて5wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて4wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、カプセル化材料は、結晶性粉末に基づいて3wt.%以下の総量で存在する。
【0062】
1つの態様において、1種又は複数のカプセル化材料は、ミセル、シクロデキストリン、カリックスアレーン、金属有機骨格、デンドリマー、ポリマー、親水コロイド、花粉胞子、酵母粒子、多孔質シリカ及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のカプセル化材料は、シクロデキストリン及びその混合物から選択される。
【0063】
1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換シクロデキストリン、置換シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。1つの態様において、少なくとも1種のシクロデキストリンは非置換シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは非置換シクロデキストリンからなる群から選択される。1つの態様において、少なくとも1種のシクロデキストリンは置換シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは置換シクロデキストリンからなる群から選択される。
【0064】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換(α)-シクロデキストリン、置換(α)-シクロデキストリン、非置換(β)-シクロデキストリン、置換(β)-シクロデキストリン、非置換(γ)-シクロデキストリン、置換(γ)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換(β)-シクロデキストリン、置換(β)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0065】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換(α)-シクロデキストリン、非置換(β)-シクロデキストリン、非置換(γ)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは非置換(β)-シクロデキストリンから選択される。
【0066】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、置換(α)-シクロデキストリン、置換(β)-シクロデキストリン、置換(γ)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは置換(β)-シクロデキストリンから選択される。2-、3-及び6-ヒドロキシル部位における化学置換、特に2位における置換が想定される。
【0067】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、2-ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは少なくとも2-ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは少なくとも2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは少なくとも2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンである。
【0068】
2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリンの2-ヒドロキシプロピル誘導体は、β-シクロデキストリンなどの基本シクロデキストリンと比べたとき、水中溶解度を増加させた。
【0069】
1種又は複数のシクロデキストリンが、結晶性粉末中に任意の適した量で存在しても、存在しなくてもよい。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて12wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて10wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて9wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて8wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて7wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて6wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて5wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて4wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、結晶性粉末に基づいて3wt.%以下の総量で存在する。
【0070】
方法
本明細書で論じるように、1つの態様において、
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と
を含むゲルを生成するための方法であって、
(a)
(i)ニコチン溶液に基づいて50~90wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むニコチン溶液を用意するステップと、
(b)ニコチン溶液を脱水して、ゲルを得るステップと
を含む、方法が提供される。
【0071】
本明細書で論じるように、1つの態様において、
(i)結晶性粉末に基づいて15wt%未満の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と、
(iv)1種又は複数の香料と、
(v)カプセル化材料と
を含む結晶性粉末を生成するための方法であって、
(a)
(i)ニコチン溶液に基づいて50~95wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含むニコチン溶液を用意するステップと、
(b)ニコチン溶液を脱水して、結晶性粉末を得るステップと
を含む、方法が提供される。
【0072】
1つの態様において、ゲルを生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて55~90wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、ゲルを生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて60~90wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、ゲルを生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて65~90wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、ゲルを生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて70~90wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、ゲルを生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて75~90wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、ゲルを生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて75~85wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。
【0073】
1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて55~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて60~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて65~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて70~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて75~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて80~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて85~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。1つの態様において、結晶性粉末を生成するための方法において、ニコチン溶液に基づいて90~95wt.%の量の水を含むニコチン溶液が用意される。
【0074】
典型的な方法は以下のように記載される。
【0075】
調製中、配合物が調製され、配合物は撹拌され、およそ40℃まで加温される。これは、方法全体を通じて成分の適切な混合を可能にする。この温度では、シクロデキストリン((2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリンなど)は熱的に安定であり、最初に加えられるべきである。典型的には10%w/wの最大添加量を超えてはならない。
【0076】
この添加量は香料組成物百分率に依存することになり、より少量で水含有90%を達成すると予想される。
【0077】
次いで、ニコチンは既に水と混和しているので沈殿は観察されないことに念のため注意しながら、ニコチンが加えられてもよい。典型的な添加量範囲は0.1~1.2wt%である。
【0078】
香料成分は最後に加えられるべきであり、これは、シクロデキストリンホストとの(ニコチンに対して)一般的により高い結合エネルギーに起因する。本発明者らは、結合エネルギーの差が大きいほどニコチンとの競合複合体形成機構の可能性が小さくなることを見出した。メンソールの例の場合、おおよその結合エネルギーは-4.13Kcal.mol-1(ニコチン)及び-5.06Kcal.mol-1(メンソール)である。この例の場合、添加量に応じて、40℃から周囲温度まで冷却時にメンソールのわずかな沈殿が観察されることがあることに留意されたい。次いで、精密濾過を実施して、この場合、シクロデキストリンと複合体を形成しなかった過剰なメンソールを除去してもよい。
【0079】
モル当量比1:1を使用してクエン酸及びニコチンの水性溶液を調製した。得られる液体は明るいオレンジ色であり、分離の徴候を示さない。デシケータを使用して、水及び任意の水溶性不純物が液体から除去し、それによりゲル様粘稠度を有する明るいオレンジ色の沈殿物が生成される。これを「クエン酸ニコチニウム」ゲルと呼ばれることがある。次いで、加熱ステップ又は濾過ステップは必要ないことを除いて、配合物を上記のように調製することができる。最終的な配合の段階においてニコチンの代わりにクエン酸ニコチニウムゲルを加えると、クエン酸ニコチニウムゲルは、対応するニコチニウム(+)イオン及びクエン酸(-)イオンに解離する。ニコチニウム(+)はもともとニコチンよりも大きいので、(ニコチニウム(+)は、対応するクエン酸(-)イオンからプロトンを引き継いでいる)、今度はメンソールが好ましいゲスト種であるので、ニコチニウム(+)はメンソール-シクロデキストリン複合体形成機構を妨げない。したがって目視できるメンソール沈殿物は全く存在しない。感覚的には、配合物は、この方法で調製されたとき、より強力である。香料送達が最適化され、もはやニコチン濃度の増加に伴って次第に弱くなることはない。ニコチンは今や蒸気相中ではなく粒子相中に存在するのでニコチン送達も最適化され、したがってニコチンは肺深部に侵入することができる。クエン酸(-)イオンの存在は、固有の苦味及び喉への引っ掛かり(throat catch)の向上をもたらすことにより、ニコチン属性を補う。この効果により、ニコチン濃度をさらに低減することが実現可能である。
【0080】
したがって、1つの態様において、
(i)結晶性粉末に基づいて15wt%未満の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)水溶性酸と、
(iv)1種又は複数の香料と、
(v)カプセル化材料と
を含む結晶性粉末を生成するための方法であって、
(a)
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むゲルを用意するステップと、
(b)
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含む香料溶液を用意するステップと、
ゲルを香料溶液と接触させて、ニコチン溶液を生成するステップと、
(c)ニコチン溶液を脱水して、結晶性粉末を得るステップと
を含む、方法が提供される。
【0081】
本明細書で論じるように、1つの態様において、
(i)ゲルに基づいて1~20wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、及び
(iii)水溶性酸
を含むゲルを再水和するための方法であって、ゲルを水と接触させるステップを含む、方法が提供される。
【0082】
本明細書で論じるように、1つの態様において、
(i)結晶性粉末に基づいて15wt.%未満の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)水溶性酸、
(iv)1種又は複数の香料、及び
(v)カプセル化材料
を含む結晶性粉末を再水和するための方法であって、結晶性粉末を水と接触させるステップを含む、方法が提供される。
【0083】
ゲル又は結晶性粉末は、任意の手段により収容又は送達されてもよい。1つの態様において、本発明は、(a)1つ又は複数の容器、及び(b)本明細書において定義されたゲル又は結晶性粉末を含む、収容されたゲル又は結晶性粉末を提供する。容器は、例えばゲル又は結晶性粉末の貯蔵又は送達を可能にするための、任意の適した容器でもよい。1つの態様において、容器は、電子エアロゾル供給システムと係合するように構成されている。容器は、ゲル又は結晶性粉末を電子エアロゾル供給システムに送達することができるように、電子エアロゾル供給システムと流体的に連通するように構成されてもよい。上述のように、本開示は、eシガレットなどの電子エアロゾル供給システムにおいて使用することができる容器に関する。以下の説明全体にわたって、「eシガレット」という用語が使用されるが、この用語は、電子エアロゾル供給システムと交換可能に使用することができる。
【0084】
本明細書で論じるように、本発明の容器は、eシガレットへの、又はeシガレット内のゲル又は結晶性粉末の送達のために典型的に提供される。ゲル又は結晶性粉末は、eシガレット内に保持されてもよいか、又はeシガレットとのその後の使用若しくはeシガレット内のその後の使用のための別個の容器として販売されてもよい。当業者に理解されるように、eシガレットは、ゲル又は結晶性粉末のリザーバ、ウィック材、及びゲル又は結晶性粉末を気化させるための加熱要素を典型的に備える取外し可能なカトマイザとして既知のユニットを含んでもよい。いくつかのeシガレットにおいて、カトマイザは、一体成形デバイスの一部であり、取り外せない。1つの態様において、容器はカトマイザであるか、又はカトマイザの一部である。1つの態様において、容器はカトマイザではないか、又はカトマイザの一部ではなく、タンクなどの容器であり、容器は、eシガレットに、又はeシガレット内でニコチンゲル又は結晶性粉末を送達するために使用することができる。
【0085】
1つの態様において、容器は、eシガレットの一部である。したがって、さらなる態様において、本発明は、電子エアロゾル供給システムであって、本明細書において定義されたゲル又は結晶性粉末を含み、電子エアロゾル供給システムの使用者による吸入のためのゲル又は結晶性粉末をエアロゾル化するためのエアロゾル化装置と、エアロゾル化装置に電力を供給するための電池又はバッテリーを備える電源とを備える、電子エアロゾル供給システムを提供する。
【0086】
本発明のゲル又は結晶性粉末並びにそれらを収容する容器及び電子エアロゾル供給システムなどのシステムに加えて、本発明は、エアロゾル化されたニコチンの感覚特性を改善するための方法を提供する。さらなる態様において、本発明は、エアロゾル化されたニコチンゲル又は結晶性粉末の貯蔵安定性を改善するための方法を提供する。
【0087】
気化されたニコチンの感覚特性の改善への言及は、使用者により知覚されるような気化されたニコチンの滑らかさの改善を含み得る。
【0088】
本発明の方法は、挙げられたステップの前、挙げられたステップの後、又は挙げられたステップのうちの1つ若しくは複数の間のいずれかに追加のステップを含んでもよい。
【0089】
ここで、以下の添付図面を参照して、単なる例として本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【
図1】ニコチン濃度に伴うp
sK
a2の変化を示すグラフである。
【実施例0091】
ここで、以下の非限定的な例を参照して、本発明を説明する。
【0092】
実施例1
イソプロピルアルコール(IPA)中の結晶性粉末の溶解度は、激しい撹拌後、20℃でおよそ1g/100mLであったことが実験により見出された。20mlの結晶性粉末抽出物を三つ組で調製し、GC-FIDによりニコチン/メンソール及び水含有量に関して分析した。
【0093】
ニコチン/メンソール測定用の各抽出物にN-ヘプタデカンを内部標準として125mg/mLの濃度で加え、水測定用の各抽出物にエタノール(100%)を内部標準として125mg/mLの濃度で加えた。
【0094】
3つすべてのサンプルについて、メンソールが0.0747mg/mlの報告限界値を下回って測定された。サンプルのうちの2つは、この方法の0.0251mg/mlの報告限界値を下回って測定されたニコチンを含んでいた。
【0095】
水は、すべてのサンプルにおいて、この方法の検量線の制限内(0.00~0.09mg/ml)に見出された。
【0096】
実施例2
クエン酸ニコチニウムの生成方法
モル当量比1:1を使用してクエン酸0.2044g及びニコチン0.2035gの水性溶液5mlを調製した。得られた液体は均質であり、分離の徴候を示さなかった。加熱ステップ又は濾過ステップは必要なかった。
【0097】
脱水方法
デシケータ及びシリカゲルを使用して、24時間にわたる真空により水及びあらゆる水溶性不純物を液体から除去し、ゲルのような粘稠度を有する沈殿物が生成した。生成されたゲルを一晩空気乾燥した。これを「クエン酸ニコチニウム」ゲルと呼んだ。
【0098】
香料とのクエン酸ニコチニウムの組合せ
最初に、40℃のホットプレート上でメンソール0.9%(w/w)及び2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%(w/w)をおよそ30分間撹拌することにより、10mlの水性溶液を調製した。次いで、香料化合物及びカプセル化材料を含む水溶液を乾燥ゲルに加え、さらに30分の溶解のために撹拌した。これは、分離の徴候が全くない均質な溶液が生じた。
【0099】
結晶性粉末の生成方法
次いで、生成された溶液を、同じ脱水方法を1週間にわたって適用することにより乾燥した。これは、ニコチン、香料、カプセル化材料、及び水約7%(w/w)を含む結晶性粉末(固体)が生じる。後に、水を単に加え、撹拌することにより、この粉末を再水和した。3分間撹拌後、粉末は完全に再水和されて、透明な溶液を与えた。
【0100】
官能試験を行うために、1.5gの結晶性粉末を室温で3分間撹拌することにより10mlの水に溶解した。得られた溶液を市販のネブライザーに充填した。再水和された配合物の感覚認識は許容できるとパネリストにより評価された。
【0101】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な修正及び変形が当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明が説明されてきたが、特許請求の範囲に記載の本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、化学分野又は関連分野の当業者に自明である、本発明を行うための記載されたモードの様々な修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。