(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134892
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230921BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039814
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江守 厳裕
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】プロジェクトの作業種と、作業の各種費用の費目との明確な対応関係に基づく予実管理を可能とする。
【解決手段】取得部が、プロジェクトの作業種が記憶された第1の記憶部から、各作業種を示す作業種データを取得し、プロジェクトに要する各種費用の費目が記憶された第2の記憶部から、各費目を示す費目データを取得する。データ生成部は、それぞれ取得された作業種の作業種データ、各種費用の費目のうち、各作業種にそれぞれ対応する費目の費目データ、及び、各作業種の各費目に対応する予算金額を示す予算金額データを関連付けた予算内訳データを生成する。この予算内訳データにより、プロジェクトの作業種と、作業の各種費用の費目との対応関係を明確に認識できる。このため、迅速かつ正確な予実管理を行うことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクトの作業種が記憶された第1の記憶部から、各前記作業種を示す作業種データを取得し、前記プロジェクトに要する各種費用の費目が記憶された第2の記憶部から、各前記費目を示す費目データを取得する取得部と、
それぞれ取得された前記作業種の作業種データ、各種費用の前記費目のうち、各前記作業種にそれぞれ対応する費目の費目データ、及び、各前記作業種の各費目に対応する予算金額を示す予算金額データを関連付けた予算内訳データを生成するデータ生成部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
前記データ生成部は、操作部を介して手動で入力された、各前記作業種の各費目に対応する予算金額の前記予算金額データを、前記作業種データ及び前記費目データに関連付けして前記予算内訳データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記データ生成部は、前記予算内訳データに基づいて、発注番号、前記作業種データ、前記費目データ、及び、前記予算内訳データに含まれる前記予算金額データ又は新たに手動で入力された予算金額データを含む発注データを生成すること、
を特徴とする請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、前記予算内訳データに基づいて、仕入番号、前記発注番号、前記作業種データ、前記費目データ、及び、仕入先からの前記費目毎の請求金額を示す請求金額データを含む仕入データを生成すること、
を特徴する請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記データ生成部は、前記予算内訳データに基づいて生成された前記発注データ及び前記仕入データに基づいて、前記費目データ、前記発注データに含まれる前記予算金額データ、及び、前記仕入データに含まれる前記請求金額データを含む予実管理データを生成すること、
を特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
取得部が、プロジェクトの作業種が記憶された第1の記憶部から、各前記作業種を示す作業種データを取得し、前記プロジェクトに要する各種費用の費目が記憶された第2の記憶部から、各前記費目を示す費目データを取得する取得ステップと、
データ生成部が、それぞれ取得された前記作業種の作業種データ、各種費用の前記費目のうち、各前記作業種にそれぞれ対応する費目の費目データ、及び、各前記作業種の各費目に対応する予算金額を示す予算金額データを関連付けた予算内訳データを生成するデータ生成ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、
プロジェクトの作業種が記憶された第1の記憶部から、各前記作業種を示す作業種データを取得し、前記プロジェクトに要する各種費用の費目が記憶された第2の記憶部から、各前記費目を示す費目データを取得する取得部と、
それぞれ取得された前記作業種の作業種データ、各種費用の前記費目のうち、各前記作業種にそれぞれ対応する費目の費目データ、及び、各前記作業種の各費目に対応する予算金額を示す予算金額データを関連付けた予算内訳データを生成するデータ生成部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等においては、予算及び予算の実行結果となる実績を比較分析することで目標値とのズレを確認し、目標達成のための具体的な課題及び対策を検討する予実管理が行われることが多い。
【0003】
このような予実管理に関しては、例えば特許文献1(特開2016-045819号公報)に、予算情報を効率的に作成する業績管理システムが開示されている。この業績管理システムは、先行案件に関する実績情報を記憶する実績情報データベースと、作成対象案件に関する予算情報を記憶する予算情報データベースとを備える。また、予算情報を作成する予算システムと、ユーザとの間で情報を交換する予算入力画面とを備える。予算システムは、作成対象案件に対応付けられた識別情報に基づいて、実績情報データベースに記憶された先行案件の実績情報のうち、作成対象案件に関連する関連先行案件の実績情報を抽出する。そして、抽出した関連先行案件の実績情報と作成対象案件の予算情報とを関連付けて出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、同じプロジェクトの予実管理であっても、現場では工種に基づく予算金額で予実管理が行われるのに対し、経理部では工事に使用された材料の材料費及び外注費等の費目に基づく予算金額で予実管理が行われる。このため、同じプロジェクトの予実管理であっても、現場の予実管理で使用される工種と、経理部で使用される費目との対応関係が認識困難となっていた。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、プロジェクトの作業種と、作業の各種費用の費目との明確な対応関係に基づく予実管理を可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、プロジェクトの作業種が記憶された第1の記憶部から、各作業種を示す作業種データを取得し、プロジェクトに要する各種費用の費目が記憶された第2の記憶部から、各費目を示す費目データを取得する取得部と、それぞれ取得された作業種の作業種データ、各種費用の費目のうち、各作業種にそれぞれ対応する費目の費目データ、及び、各作業種の各費目に対応する予算金額を示す予算金額データを関連付けた予算内訳データを生成するデータ生成部と、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、取得部が、プロジェクトの作業種が記憶された第1の記憶部から、各作業種を示す作業種データを取得し、プロジェクトに要する各種費用の費目が記憶された第2の記憶部から、各費目を示す費目データを取得する取得ステップと、データ生成部が、それぞれ取得された作業種の作業種データ、各種費用の費目のうち、各作業種にそれぞれ対応する費目の費目データ、及び、各作業種の各費目に対応する予算金額を示す予算金額データを関連付けた予算内訳データを生成するデータ生成ステップと、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、プロジェクトの作業種が記憶された第1の記憶部から、各作業種を示す作業種データを取得し、プロジェクトに要する各種費用の費目が記憶された第2の記憶部から、各費目を示す費目データを取得する取得部と、それぞれ取得された作業種の作業種データ、各種費用の費目のうち、各作業種にそれぞれ対応する費目の費目データ、及び、各作業種の各費目に対応する予算金額を示す予算金額データを関連付けた予算内訳データを生成するデータ生成部として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、プロジェクトの作業種と、作業の各種費用の費目との明確な対応関係に基づく予実管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、現場の予実管理と経理部の予実管理を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態の業務支援装置における経理予算内訳データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、現場予算データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、経理予算データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、経理予算内訳データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態の業務支援装置における発注データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態の業務支援装置における仕入データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施の形態の業務支援装置における現場管理データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施の形態の業務支援装置で生成される現場管理データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
(概要)
例えば、建設業の現場においては、
図1(a)に例示するように、掘削積込み、埋戻し、土砂運搬工等のように、実際の施工内容に沿った工種別(作業種別)の予算金額及び実績で予実管理が行われる。これに対して、建設業の経理部は、会計との関連性が強い。また、協力業者から受領した請求書のシステム処理は、主に経理部で行われる。このため、
図1(b)に示すように、経理部においては、鉄筋、鋼材、スクラップ、外注費等の費目別(又は科目別)の予算金額及び実績で予実管理が行われる。
【0014】
このように現場では工種別に、また、経理部では費目別に予実管理が行われる。このため、例えば現場では、経理部が処理した仕訳伝票の摘要情報等に基づいて、工種に対応する費目を判断して予実管理を行う必要があった。このため、予実管理に時間を要し、また、正確な予実管理が困難となる問題があった。
【0015】
このようなことから、実施の形態の業務支援装置は、現場予算データ及び経理予算データに基づいて、現場の工種と経理部の費目を関連付け、各工種の予算金額を、対応する費目毎に分割して入力した経理予算内訳データ(予算内訳データの一例)を生成する。これにより、工種に対応する費目を正確かつ迅速に判断して予実管理を行うことができる。
【0016】
(ハードウェア構成)
図2は、実施の形態の業務支援装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この実施の形態の業務支援装置1は、現場側の端末装置として用いてもよいし、経理部側の端末装置として用いてもよい。一例ではあるが、以下、業務支援装置1は、現場側の端末装置であることとして説明を進める。
【0017】
この
図2に示す業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0018】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、記憶領域である現場管理テーブル11及び経理管理テーブル12が設けられている。また、記憶部2には、現場の工種と経理部の費目を関連付け、各工種の予算金額を、対応する費目毎に分割して入力した経理予算内訳データの生成等を行うための業務支援プログラムが記憶されている。
【0019】
現場管理テーブル11には、工事番号及び工種別の予算金額を含む現場予算データが記憶されている。現場予算データは、業務オペレータが入力装置6を操作することで、手動で入力してもよいし、ネットワーク等を介して、他のサーバ装置から取得してもよい。経理管理テーブル12には、工事番号、費目及び予算金額を含む経理予算データが記憶されている。経理予算データは、業務オペレータが入力装置6を操作することで、手動で入力してもよいし、ネットワーク等を介して、他のサーバ装置から取得してもよい。詳しくは、後述する。
【0020】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、取得部21、データ生成部22、表示制御部23及び記憶制御部24として機能する。
【0021】
取得部21は、現場管理テーブル11から現場予算データを取得し、また、経理管理テーブル12から経理予算データを取得する。データ生成部22は、取得された現場予算データ及び経理予算データに基づいて、現場の工種と経理部の費目を関連付け、各工種の予算金額を、対応する費目毎に分割して入力した経理予算内訳データを生成する。また、データ生成部22は、この経理予算内訳データに基づいて、発注データ及び仕入データを生成する。また、データ生成部22は、工種毎の予算金額、発注金額及び仕入金額を比較するための現場管理データ(予実比較データ)を生成する。表示制御部23は、出力装置7を介して各種データを表示する。記憶制御部24は、記憶部2に対して各種データを記憶する。
【0022】
(経理予算内訳データの生成動作)
次に、実施の形態の業務支援装置1における、上述の経理予算内訳データの生成動作を説明する。
図3は、この経理予算内訳データの生成動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、このフローチャートの各処理を実行する。
【0023】
ステップS1では、取得部21が、記憶部2から現場予算データを取得する。
図4は、この現場予算データの一例を示す図である。この
図4に示すように、現場予算データは、工事番号、大工種コード、大工種名、中工種コード、中工種名、小工種コード、小工種名、及び、予算金額(金額)を含んで構成されている。この
図4は、掘削工の掘削積込み(C1)に対する予算金額が「35万円」であり、掘削工の掘削積込み(C2)に対する予算金額が「45万円」であり、掘削工の掘削積込み(C3)に対する予算金額が「300万円」である例を示している。
【0024】
ステップS2では、取得部21が、記憶部2から経理予算データを取得する。
図5は、この経理予算データの一例を示す図である。この
図5に示すように、経理予算データは、工事番号、原価種別コード、原価種別名、原価科目コード、原価科目名、及び、予算金額(金額)を含んで構成されている。
図5の例は、材料費である仮設材に対する予算金額が「3万円」であり、外注費に対する予算金額が「377万円」である例を示している。
【0025】
データ生成部22は、現場予算データ及び経理予算データに基づいて、
図6に示すように工事番号、シーケンス番号(SEQ)、原価種別コード、原価科目コード、原価科目名、小工種コード、小工種名、及び、予算金額を含む経理予算内訳データを生成する。
【0026】
具体的には、
図5に示した経理予算データにおいて、「X23456789012-1」との工事番号の原価科目は、「仮設材」及び「外注費」となっている。これに対して、
図4に示した現場予算データにおいて同じ、「X23456789012-1」との工事番号の工種は、「掘削積込み(C1)」、「掘削積込み(C2)」、「掘削積込み(C3)」となっている。このため、データ生成部22は、
図6に示すように「仮設材」の原価科目に対して、「掘削積込み(C1)」、「掘削積込み(C2)」及び「掘削積込み(C3)」の工種を関連付けすると共に、「外注費」の原価科目に対して、「掘削積込み(C1)」、「掘削積込み(C2)」及び「掘削積込み(C3)」の工種を関連付けする。
【0027】
業務オペレータは、「仮設材-掘削積込み(C1)」のレコードに対する予算金額、「仮設材-掘削積込み(C2)」のレコードに対する予算金額、及び、「仮設材-掘削積込み(C3)」のレコードに対する予算金額をそれぞれ入力する。この
図6の例では、「仮設材-掘削積込み(C1)」のレコードに対して「5千円」の予算金額が入力され、「仮設材-掘削積込み(C2)」のレコードに対して「5千円」の予算金額が入力され、「仮設材-掘削積込み(C3)」のレコードに対して「2万円」の予算金額が入力された例である。
【0028】
また、業務オペレータは、「外注費-掘削積込み(C1)」のレコードに対する予算金額、「外注費-掘削積込み(C2)」のレコードに対する予算金額、及び、「外注費-掘削積込み(C3)」のレコードに対する予算金額をそれぞれ入力する。この
図6の例では、「外注費-掘削積込み(C1)」のレコードに対して「34万5千円」の予算金額が入力され、「外注費-掘削積込み(C2)」のレコードに対して「44万5千円」の予算金額が入力され、「外注費-掘削積込み(C3)」のレコードに対して「298万円」の予算金額が入力された例である。
【0029】
なお、この例では、経理予算内訳データに対する予算金額は、業務オペレータが手動で入力することとしたが、データ生成部22が、それぞれ記憶部である所定のマスタ又は所定のテーブルを参照して自動で入力してもよい。
【0030】
図3のフローチャートのステップS3では、データ生成部22が、このような予算金額の入力の有無を監視している。そして、予算金額が入力されると(ステップS3:Yes)、ステップS4において、データ生成部22が予算金額を入力した、
図6に示す経理予算内訳データを生成し、この経理予算内訳データを記憶制御部24が記憶部2に記憶して、
図3のフローチャートの処理が終了する。
【0031】
このような経理予算内訳データは、
図6に示すように、原価科目(費目)に対する各工種が関連付けされ、また、工種毎の予算金額が入力される。換言すると、経理予算内訳データは、現場で作成した工種別予算を更に科目別(費目別)にブレイクダウンしたものとなり、工種別にサマリすると現場予算と一致し、科目別にサマリすると経理予算と一致する。さらに換言すると、経理予算内訳データは、経理で管理する費目別又は科目別の予算の下位階層に予算の内訳情報を有しており、そこに工種と関連付け可能なコード値を持たせている。この経理予算内訳データにより、費目に関連する工種及び各工種の予算金額を容易、迅速かつ正確に把握することができる。このため、迅速かつ正確な予実対比を行うことができる。
【0032】
(発注データの生成動作)
次に、このような経理予算内訳データに基づく発注データの生成動作を説明する。
図7は、この発注データの生成動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、このフローチャートの各処理を実行する。
【0033】
ステップS11では、取得部21が、上述のように生成され記憶部2に記憶された経理予算内訳データを取得する。ステップS12では、データ生成部22が、取得された経理予算内訳データに基づいて、
図8に示すように、発注番号、発注明細番号、発注日、仕入先コード、仕入先名、工事番号、原価種別コード、原価科目コード、原価科目名、内訳シーケンス、及び、発注金額を含む発注データを生成する。
【0034】
図8の例は、工事番号が「X23456789012-1」の工事で用いる仮設材を「株式会社ABC」に発注した例である。また、
図8の例は、工事番号が「X23456789012-1」の工事に必要となる外注(外注費)を、「株式会社EFG」に発注した例である。
【0035】
ここで、データ生成部22は、仮設材の各発注金額、及び、外注費の各発注金額としては、
図6に示した経理予算内訳データの仮設材の各予算金額、及び、外注費の予算金額を、
図8に示すように仮設材の各発注金額、及び、外注費の各発注金額として、デフォルトで入力する。
図6の例は、仮設材の各予算金額が「5千円」、「5千円」及び「2万円」であるため、データ生成部22は、
図8に示すように仮設材の各発注金額として「5千円」、「5千円」及び「2万円」をデフォルトで入力する。同様に、
図6の例は、外注費の各予算金額が「34万5千円」、「44万5千円」及び「298万円」であるため、データ生成部22は、
図8に示すように仮設材の各発注金額として「34万5千円」、「44万5千円」及び「298万円」をデフォルトで入力する。
【0036】
このような
図8に示す発注金額は、業務オペレータ等が手動で変更可能となっている。
図7のフローチャートのステップS13では、データ生成部22が、業務オペレータ等による発注金額の入力操作の有無を監視している。発注金額の入力操作が行われた場合(ステップS13:Yes)、データ生成部22は、ステップS14において、入力された発注金額に、
図8に示す発注金額を更新する。
【0037】
ステップS15では、データ生成部22が、業務オペレータの入力に応じて発注金額が更新された発注データ、又は、デフォルトで
図6に示す予算金額が入力されたままの発注データ(ステップS13:No)を生成する。そして、この発注データを記憶制御部24が記憶部2に記憶して、
図7フローチャートの処理が終了する。
【0038】
このように、経理予算内訳データに基づいて発注データを生成することで、経理予算内訳データの明細となる各行の各レコードと、発注データの明細となる各行の各レコードとをそれぞれ関連付けた状態の発注データを生成できる。このため、正確かつ迅速に発注金額等を認識可能とすることができる。
【0039】
(仕入データの生成動作)
次に、上述の経理予算内訳データに基づく仕入データの生成動作を説明する。
図9は、この仕入データの生成動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、このフローチャートの各処理を実行する。
【0040】
ステップS21では、取得部21が、上述のように生成され記憶部2に記憶された経理予算内訳データを取得する。ステップS22では、データ生成部22が、取得された経理予算内訳データに基づいて、
図10に示すように、仕入番号、仕入日、発注番号、発注明細番号、仕入先コード、仕入先名、工事番号、原価種別コード、原価種別名、原価科目コード、原価科目名、内訳シーケンス、及び、仕入金額を含む仕入データを生成する。
【0041】
図10の例は、発注番号が「H220100123」で発注明細番号をそれぞれ「1」、「2」、「3」として発注した仮設材を「株式会社ABC」から仕入れることで、「株式会社ABC」からそれぞれ「5千円」、「5千円」及び「2万円」の金額の請求があったことを示している。
【0042】
また、
図10の例は、発注番号が「H220100124」で発注明細番号をそれぞれ「1」、「2」、「3」として、「株式会社EFG」に対して外注の発注を行うことで、「株式会社EFG」からそれぞれ「34万5千円」、「20万円」及び「150万円」の金額の請求があったことを示している。
【0043】
ここで、
図8に示すように、発注時における外注費は、「34万5千円」、「44万5千円」、「298万円」であるのに対し、仕入時における外注費は、
図10に示すように「34万5千円」、「20万円」及び「150万円」となっている。すなわち、「44万5千円」の発注に対して「34万5千円」が請求され、「298万円」の発注に対して「150万円」が請求されている。これは、工事が竣工となっていない途中の段階までの外注費が請求されたことを意味している。「44万5千円」と「34万5千円」の差額となる「10万円」、及び、「298万円」と「150万円」の差額となる「148万円」は、工事が竣工した後に請求される。
【0044】
このような仮設材及び外注費の請求金額は、業務オペレータが、手動入力又はデータ生成部22が仮設材及び外注費の請求データから取得して仕入れデータに入力する。
図9のフローチャートのステップS23では、データ生成部22が、業務オペレータ等による請求金額の入力操作の有無を監視している。請求金額の入力操作が行われた場合(ステップS23:Yes)、データ生成部22は、ステップS24において、入力された請求金額に、
図10に示す請求金額を更新する。
【0045】
ステップS25では、データ生成部22が、業務オペレータの入力に応じて請求金額が更新された仕入データを生成する。そして、記憶制御部24が、この仕入データを記憶部2に記憶して、
図9フローチャートの処理が終了する。
【0046】
このように、経理予算内訳データに基づいて仕入データを生成することで、経理予算内訳データの明細となる各行の各レコードと、仕入データの明細となる各行の各レコードとをそれぞれ関連付けた状態の仕入データを生成できる。このため、正確かつ迅速に請求金額等を認識可能とすることができる。
【0047】
(予実比較データ(経理管理データ)の生成動作)
次に、上述の経理予算内訳データ、発注データ及び仕入データに基づく、予実比較データ(経理管理データ)の生成動作を説明する。
図11は、参考例となる予実比較データの一例を示す図である。
図11に示すように、参考例となる予実比較データは、種別、科目、予算金額(金額)、発注済金額、及び、仕入済み金額を含んで構成される。種別としては、「材料費」又は「外注費」等の入力が行われる。科目としては、「鉄筋」、「鋼材」、及び、「仮設材」等の入力が行われる。そして、例えば「3万円」等の予算金額に対応する発注及び仕入が行われ、これらの金額(発注済金額又は仕入金額)が入力される。
【0048】
これに対して実施の形態の業務支援装置1は、上述の経理予算内訳データ、発注データ及び仕入データに基づいて予実比較データ(経理管理データ)を生成することで、詳細かつ明確な予実比較データ(経理管理データ)を生成することができる。
図12は、この予実比較データの生成動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、このフローチャートの各処理を実行する。
【0049】
ステップS31では、取得部21が、上述のように生成され記憶部2に記憶された
図6に示す経理予算内訳データから予算金額を取得し、
図8に示す発注データから発注済金額を取得すると共に、
図10に示す仕入データから仕入済金額を取得する。
【0050】
ステップS32では、取得部21が、
図4に示す現場予算データから、大工種(大工種コード及び大工種名)、中工種(中工種コード及び中工種名)、及び、小工種(小工種コード及び小工種名)の各種データを取得する。
【0051】
ステップS33では、取得された予算金額、発注済金額、仕入済金額、及び、大中小の各工種のデータに基づいて、データ生成部22が、
図13に例示する予実比較データを生成する。記憶制御部24は、この予実比較データを記憶部2に記憶する。これにより、
図12のフローチャートの処理が終了する。
【0052】
予実比較データは、
図13に示すように、大工種、中工種、小工種、予算金額(金額)、発注済金額及び仕入済金額を含んで構成される。このような予実比較データは、経理予算内訳データに基づいて生成されるため、大工種→中工種→小工種の順に階層的に工種が細分化される。そして、「掘削積込み(C1)」、「掘削積込み(C2)」、「掘削積込み(C3)」等の小工種毎に、予算金額、発注済金額、及び、仕入済金額が入力される。表示制御部23は、業務オペレータから表示指定操作があった際に、このような予実比較データに基づいて、
図13に示す予実比較表を出力装置7に表示する。
【0053】
図11に示した参考例の場合、仕入データから発生する仕訳の備考等を人の目で判断して関連付けする必要があり、手間が掛かり、また正確性にも問題がある。しかし、実施の形態の業務支援装置1の場合、仕入データに経理予算内訳が関連付けされるため、どの工種に対する実績かを判断することができるようになり、現場で管理する工種別予算に対して実績を自動で関連付けすることができる。これにより、迅速かつ正確な予実比較を可能とすることができる。
【0054】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、現場での現場予算データの工種と、経理部の経理予算データの費目を関連付け、工種毎に予算金額を入力した経理予算内訳データを生成する。また、この経理予算内訳データに基づいて、発注データ、仕入データ、及び、予実比較データを生成する。
【0055】
これにより、経理部が処理した仕訳伝票の摘要情報等から、どの工種に関連する原価(実績)なのかを、その都度、人の目で判断する必要がなく、迅速かつ正確な予実管理を行うことができる。すなわち、工事等のプロジェクトの工種と、工事の各種費用の費目との明確な対応関係に基づく正確かつ迅速な予実管理を行うことができる。
【0056】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0059】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0064】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、建設業全般に利用できる他、要件定義・基本設計等、工程別に予算管理を行っている例えばIT(Information Technology)業にも利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 現場管理テーブル
12 経理管理テーブル
21 取得部
22 データ生成部
23 表示制御部
24 記憶制御部