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  • 特開-聴診器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134946
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】聴診器
(51)【国際特許分類】
   A61B 7/04 20060101AFI20230921BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
A61B7/04 C
A61B5/02 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039895
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】720009479
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中山 由美子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 誠
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA04
4C017AB04
4C017AC04
(57)【要約】
【課題】聴取される対象者の体格に左右されずに、複数のセンサーによって聴診音を採取可能な手段を提供すること。
【解決手段】聴診器1は、聴診音を採取するためのセンサー22を有するメインユニット2と、聴診音を採取するためのセンサーを有するサブユニット3と、を備える。メインユニット2は、センサー22を収容する筐体21を有する。サブユニット3は、センサーを収容する筐体31を有する。メインユニット2が有するセンサー22、サブユニット3が有するセンサーは、オン、又は、オフに制御される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴診音を採取するための第1センサーを有する第1ユニットと、
聴診音を採取するための第2センサーを有する第2ユニットと、
を備えることを特徴とする聴診器。
【請求項2】
前記第1ユニットは、前記第1センサーを収容する第1筐体をさらに有し、
前記第2ユニットは、前記第2センサーを収容する第2筐体をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の聴診器。
【請求項3】
前記第1ユニットと前記第2ユニットとを接続するケーブルをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の聴診器。
【請求項4】
前記第1ユニットは、無線通信を行うための第1通信部をさらに備え、
前記第2ユニットは、無線通信を行うための第2通信部をさらに備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項5】
前記第1ユニットは、複数の前記第1センサーを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項6】
前記第1ユニットは、2つの前記第1センサーを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項7】
前記第1ユニットは、1つの前記第1センサーを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項8】
前記第2ユニットは、複数の前記第2センサーを有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項9】
前記第2ユニットは、2つの前記第2センサーを有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項10】
前記第1ユニットは、1つの前記第2センサーを有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項11】
前記第1センサーは、有効又は無効に制御されることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の聴診器。
【請求項12】
前記第2センサーは、有効又は無効に制御されることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の聴診器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、聴診器に関する。
【背景技術】
【0002】
聴診器の中には、マイク等のセンサーにより電子的に心音等の音を採取し、採取した音を増幅し、増幅した音を医師等に聴取させる、いわゆる電子聴診器と呼ばれるものがある(例えば、特許文献1参照。)。出願人らは、聴診音を採取するための複数のセンサーを備える聴診器を特許出願している(特願2021-120549号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-242849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数、例えば、4つ(4ch)のセンサーを備える聴診器は、心臓の心尖部・心基部等、それぞれ、音が発生する位置が異なる心音を採取するのに適している。しかしながら、複数のセンサーを備える聴診器には、複数のセンサーが身体から浮くことなく、密着させることが困難であるという問題がある。また、聴診される対象者によっては、身体の凹凸・大きさなど、体格が異なるため、複数のセンサーが固定された位置関係では、聴診器の使用者は、適切に聴診器を身体に当てることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、聴取される対象者の体格に左右されずに、複数のセンサーによって聴診音を採取可能な手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の聴診器は、聴診音を採取するための第1センサーを有する第1ユニットと、聴診音を採取するための第2センサーを有する第2ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、聴診器は、聴診音を採取するための第1センサーを有する第1ユニットと、聴診音を採取するための第2センサーを有する第2ユニットと、を備える。従って、聴診器の使用者は、第1ユニットと、第2ユニットとを、聴診音を採取する対象者の所望の位置に当てることができる。これにより、対象者が、どのような体格であっても対応が可能となり、複数のセンサーで正確に聴診音を採取することができる。このように、本発明によれば、聴取される対象者の体格に左右されずに、複数のセンサーによって聴診音を採取することができる。
【0008】
また、第1ユニットと第2ユニットとにより、同時に、希望の複数の位置の心音等を聴診(取得)できるため、診断にも役立てることができる
【0009】
第2の発明の聴診器は、第1の発明の聴診器において、前記第1ユニットは、前記第1センサーを収容する第1筐体をさらに有し、前記第2ユニットは、前記第2センサーを収容する第2筐体をさらに有することを特徴とする。
【0010】
第3の発明の聴診器は、第1又は第2の発明の聴診器において、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを接続するケーブルをさらに備えることを特徴とする。
【0011】
第4の発明の聴診器は、第1~第3のいずれかの発明の聴診器において、前記第1ユニットは、無線通信を行うための第1通信部をさらに有し、前記第2ユニットは、無線通信を行うための第2通信部をさらに有することを特徴とする。
【0012】
本発明では、第1ユニットは、無線通信を行うための第1通信部を有する。また、第2ユニットは、無線通信を行うための第2通信部を有する。これにより、第1ユニットと第2ユニットとの間で、無線通信を行うことができる。
【0013】
第5の発明の聴診器は、第1~第4のいずれかの発明の聴診器において、前記第1ユニットは、複数の前記第1センサーを有することを特徴とする。
【0014】
第6の発明の聴診器は、第1~第5のいずれかの発明の聴診器において、前記第1ユニットは、2つの前記第1センサーを有することを特徴とする。
【0015】
第7の発明の聴診器は、第1~第4のいずれかの発明の聴診器において、前記第1ユニットは、1つの前記第1センサーを有することを特徴とする。
【0016】
第8の発明の聴診器は、第1~第7のいずれかの発明の聴診器において、前記第2ユニットは、複数の前記第2センサーを有することを特徴とする。
【0017】
第9の発明の聴診器は、第1~第8のいずれかの発明の聴診器において、前記第2ユニットは、2つの前記第2センサーを有することを特徴とする。
【0018】
第10の発明の聴診器は、第1~第7のいずれかの発明の聴診器において、前記第1ユニットは、1つの前記第2センサーを有することを特徴とする。
【0019】
第11の発明の聴診器は、第1~第10のいずれかの発明の聴診器において、前記第1センサーは、有効又は無効に制御されることを特徴とする。
【0020】
第12の発明の聴診器は、第1~第11のいずれかの発明の聴診器において、前記第2センサーは、有効又は無効に制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、聴取される対象者の体格に左右されずに、複数のセンサーによって聴診音を採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る聴診器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る聴診器1を示す図である。聴診器1は、メインユニット2と、サブユニット3と、ケーブル4と、を備える。聴診器1は、対象者の聴診音を採取する。
【0024】
メインユニット2(第1ユニット)は、例えば、平面視、略8の字状の筐体21(第1筐体)を有する。筐体21の内部に、聴診音を採取するためのセンサー22(第1センサー)が収容されている。すなわち、筐体21は、センサー22を収容している。本実施形態では、メインユニット2は、2つ(複数)のセンサー22a、22bを有する。センサー22は、例えば、ピエゾ素子等から構成されるピエゾセンサーである。2つのセンサー22a、22bは、筐体21の長手方向に並べて配置されている。
【0025】
サブユニット3(第2ユニット)は、例えば、平面視、略円形状の筐体31(第2筐体)を有する。筐体31の内部に、聴診を採取するためのセンサー(第2センサー)(不図示)が収容されている。すなわち、筐体31は、センサーを収容している。本実施形態では、サブユニット3は、1つのセンサーを有する。センサーは、例えば、ピエゾ素子等から構成されるピエゾセンサーである。図示されているように、メインユニット2とサブユニット3とは、別筐体から構成されている。
【0026】
ケーブル4は、メインユニット2とサブユニット3とを接続している。本実施形態では、メインユニット2とサブユニット3とは、ケーブル4により、有線接続されている。これに限らず、メインユニット2とサブユニット3とは、Bluetooth(登録商標)(以下、「BT」という。)規格等に従って、無線接続されるようになっていてもよい。この場合、メインユニット2は、無線通信を行うための無線モジュール(例えば、BT規格に対応したBTモジュール)(第1通信部)を有する。サブユニット3は、無線通信を行うための無線モジュール(例えば、BT規格に対応したBTモジュール)(第2通信部)を有する。メインユニット2が有する無線モジュールと、サブユニット3が有する無線モジュールとによって、メインユニット2とサブユニット3との間で、無線通信を行うことができる。
【0027】
メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bは、オン(有効)、又は、オフ(無効)に制御される。また、サブユニット3が有する1つのセンサーは、オン(有効)、又は、オフ(無効)に制御される。メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22b、サブユニット3が有する1つのセンサーがオンに制御されている場合、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bと、サブユニット3が有する1つのセンサーと、の3つのセンサーによって、聴診音が採取される。すなわち、3chの聴診音採取が行われる。
【0028】
また、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bのうちのいずれか一方がオン、他方がオフ、サブユニット3が有する1つのセンサーがオンに制御されている場合、メインユニット2が有するいずれか一方のセンサー22a、22bと、サブユニット3が有する1つのセンサーと、の2つのセンサーによって、聴診音が採取される。すなわち、メインユニット2による1chの聴音採取、サブユニット2による1chの聴音採取、計2chの聴診音採取が行われる。
【0029】
また、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bがオン、サブユニット3が有する1つのセンサーがオフに制御されている場合、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bによって、聴診音が採取される。すなわち、メインユニット2による2chの聴診音採取が行われる。
【0030】
また、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bのうちのいずれか一方がオン、他方がオフ、サブユニット3が有する1つのセンサーがオフに制御されている場合、メインユニット2が有するいずれか一方のセンサー22a、22bによって、聴診音が採取される。すなわち、メインユニット2による1chの聴診音採取が行われる。
【0031】
また、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bがオフ、サブユニット3が有する1つのセンサーがオンに制御されている場合、サブユニット3が有する1つのセンサーによって、聴診音が採取される。すなわち、サブユニット3による1chの聴診音採取が行われる。
【0032】
このように、本実施形態では、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22bと、サブユニット3が有する1つのセンサーと、の組合せにより、1~3つのセンサーによって、聴診音が採取される。すなわち、1~3chの聴診音採取が行われる。
【0033】
本実施形態では、サブユニット3は、1つのセンサーを備えているが、2つのセンサーを備えていてもよい。この場合、メインユニット2が有する2つのセンサー22、サブユニット3が有する2つのセンサーと、の組合せにより、1~4つのセンサーによって、聴診音採取が行われる。すなわち、1~4chの聴診音採取が行われる。
【0034】
また、メインユニット2が有するセンサー22の数は、2つに限られず、1つ、又は、3つ以上であってもよい、サブユニット3が有するセンサーの数は、1つに限られず、2つ以上であってもよい。
【0035】
メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22b、サブユニット3が有する1つのセンサーのオン、又は、オフの制御は、例えば、PC等の外部機器から制御されるようになっていてもよい。外部機器は、聴診器1を制御する制御部として機能する。この場合、聴診器1と、外部機器と、によって、聴診システムが構成される。また、外部機器に、聴診器1によって聴取された送信されるようになっていてもよい。
【0036】
また、メインユニット2が、例えば、マイクロコンピューターを有しており、マイクロコンピューターが、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22b、サブユニット3が有する1つのセンサーのオン、又は、オフを制御するようになっていてもよい。
【0037】
また、サブユニット3が、例えば、マイクロコンピューターを有しており、マイクロコンピューターが、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22b、サブユニット3が有する1つのセンサーのオン、又は、オフを制御するようになっていてもよい。
【0038】
また、メインユニット2、サブユニット3が、それぞれ、例えば、マイクロコンピューターを有しており、それぞれのマイクロコンピューターが、メインユニット2が有する2つのセンサー22a、22b、サブユニット3が有する1つのセンサーのオン、又は、オフを制御するようになっていてもよい。これらの場合、マイクロコンピューターは、聴診器1を制御する制御部として機能する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態では、聴診器1は、聴診音を採取するためのセンサー22を有するメインユニット2と、聴診音を採取するためのセンサーを有するサブユニット3と、を備える。従って、聴診器1の使用者は、メインユニット2と、サブユニット3とを、聴診音を採取する対象者の所望の位置に当てることができる。これにより、対象者が、どのような体格であっても対応が可能となり、複数のセンサーで正確に聴診音を採取することができる。このように、本実施形態によれば、聴取される対象者の体格に左右されずに、複数のセンサーによって聴診音を採取することができる。
【0040】
また、メインユニット2とサブユニット3とにより、同時に、希望の複数の位置の心音等を聴診(取得)できるため、診断にも役立てることができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、聴診器に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0043】
1 聴診器
2 メインユニット(第1ユニット)
21 筐体(第1筐体)
22(22a、22b) センサー(第1センサー)
3 サブユニット
31 筐体(第2筐体)
4 ケーブル
図1