(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134958
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】データ管理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/34 20060101AFI20230921BHJP
G06F 11/30 20060101ALI20230921BHJP
G06F 21/64 20130101ALI20230921BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230921BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20230921BHJP
【FI】
G06F11/34 176
G06F11/30 140A
G06F21/64
G06Q50/04
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039918
(22)【出願日】2022-03-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】522250482
【氏名又は名称】株式会社MEDIUS
(74)【代理人】
【識別番号】100143111
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】久米 隆司
【テーマコード(参考)】
5B042
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5B042GB07
5B042MA08
5B042MA10
5B042MA13
5B042MC35
5B042MC40
5L049CC03
5L099AA25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サーバに監査証跡を作成するための統合データをまとめる過程に、ユーザが関与する余地がなく、データの真正性を保証するデータ管理システムを提供する。
【解決手段】データ管理システム1は、ログデータを含む第1データと生産重要データを含む第2データとを、生産設備100を駆動・操作させる生産設備用制御手段(操作機器10、PC11)に仮記憶させておき、第1データと第2データとを、生産設備に応じて設定させたタイミングでサーバ300に通信させ、全ての第1データと第2データとが、夫々に又は一体に、汎用形式データとされた統合データに統合させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の生産設備と、通信手段と、サーバとを含み、前記生産設備の操作に係るログデータと物の生産に係る生産重要データとをサーバにおいて管理させるデータ管理システムにおいて、
前記ログデータとその発生時刻を第1データとし、前記生産重要データとその発生時刻を第2データとし、前記通信手段を通してサーバに、第1データと第2データとを取得させるデータ管理システムであって、
前記生産設備が、生産設備用制御手段を備え、
前記生産設備用制御手段が、データ処理手段と記憶手段とを備え、
前記データ処理手段が、第1データと第2データとを前記記憶手段に仮記憶させておき、
サーバが、データ統合手段とサーバ記憶手段とを備え、
前記データ統合手段が、前記生産設備用制御手段から通信された第1データと第2データとを、各々の生産設備に応じて設定させたタイミングで、前記通信手段を通してサーバに通信させ、全ての第1データと第2データとが、夫々に又は一体に、汎用形式データとされた統合データに統合され、前記サーバ記憶手段に記憶される、
ことを特徴とするデータ管理システム。
【請求項2】
いずれかの前記生産設備用制御手段が、汎用OSにより制御されていない操作機器とされる、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項3】
サーバが、更にデータ復号手段を備え、
サーバに取得された第1データと第2データとのいずれかが、生産設備に固有のアルゴリズムによる難読形式データである場合には、
前記データ復号手段が、サーバに取得された前記難読形式データを汎用形式データに復号させてから、前記統合データに統合させて、前記サーバ記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ管理システム。
【請求項4】
前記サーバが、前記データ復号手段に追加手段を備え、
前記追加手段が、新たな復号アプリケーションを追加させる、
ことを特徴とする請求項3に記載のデータ管理システム。
【請求項5】
第2データを通信させるタイミングが、生産設備に適した所定ロットに応じたタイミングとされている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項6】
サーバが、タイミング変更手段を備え、
前記タイミング変更手段が、前記タイミングを変更可能としている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項7】
前記通信手段が、正規時刻取得手段を備え、
前記正規時刻取得手段が、真正な正規時刻を取得し、
前記通信手段が、第1データと第2データとをサーバに通信させる際に、各々のデータに前記正規時刻を付与して通信させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項8】
前記データ統合手段が、重複データの判定手段と重複表示手段を備え、
前記判定手段が、第1データ又は第2データについて、各々の発生時刻が共通し正規時刻が異なる場合には、古い正規時刻が付与された第1データ又は第2データを重複データと判定し、
前記重複表示手段が、前記重複データに重複表示をしたうえで、
全ての第1データと第2データとが、統合データとしてサーバに記憶され、前記統合データから前記重複データを除外した監査証跡作成用統合データが作成される、
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産設備に係る操作ログ、動作ログ、環境ログ等の生産に関するデータを、サーバ用コンピュータ(以下、サーバという。)で一体管理させるデータ管理システムに関する。具体的には、生産設備用制御手段の操作に伴い発生される操作ログデータと生産重要データとを、サーバにおいて一体に管理させるデータ管理システムに関する。
【0002】
より具体的には、生産設備用制御手段が汎用OSにより制御されているか否かに拘わらず、特に、生産設備で発生されたデータが可読な汎用形式データであるか否かに拘わらず、全てのデータを生産設備の特性に応じたタイミングでサーバに取得させる。そして、サーバにおいては、監査証跡レポートをまとめるための全てのデータを、真正性が保証された単一の可読な汎用形式データとして、自動的に一体に統合させるデータ管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
物品、例えば医薬品に規格外品が発見されると、製造・運搬・保管等の過程のどこに問題があったか、規格外品が、どの時点で、どれだけの量が発生されたかが監査される。従来は、データ改ざんを防止するために紙媒体に出力させたデータを基に監査されていたが、調査の負担軽減の要請から、近年では電子データに基づく監査に移行しつつある。
【0004】
ユーザのログイン認証データ、操作時点、操作内容等の操作ログデータだけでなく、個々の生産設備の駆動に伴い発生される生産速度等の動作ログデータ、生産設備に係る原材料の種別・調合、温度・湿度・圧力等の環境ログデータ等を含む生産重要データも、監査証跡と併せて抽出され、規格外品を発生させた原因が究明される。
【0005】
オフィスワークの分野においては、パーソナルコンピュータの汎用OS上で多くのアプリケーションが使用されている。各アプリケーションは、汎用OSのアップデートに対応してアップデートされている。一方、生産管理の分野では、マイクロプロセッサとメモリだけを搭載させたマイクロコンピュータが、タッチスクリーン機器等(以下、操作機器という)により操作され、生産設備に必要な動作を一定の手順で処理させていることが多い。
【0006】
生産の分野でも、汎用OSで動作するアプリケーションにより、PCを使って生産管理させることも可能である。しかし汎用OSのアップデートの際に、不具合が発生しないかの点検が煩雑であると共に、不具合が発生した場合には生産計画が狂うため、生産の現場では前記操作機器から汎用OSにより駆動されるPCへの切り替えが進みにくい。
【0007】
多くの生産設備は、前記操作機器により駆動され、そのメーカ毎による固有のアルゴリズムに基づいて設計された操作プログラムとデータ管理プログラムの実行により、ログデータと生産重要データとを、汎用形式データ以外のメーカ独自のアルゴリズムによる難読形式データで、前記操作機器の中で発生させている。
【0008】
本願の出願人は、特許文献1において、前記操作機器が発生させた各種の情報をサーバに通信させる中継器の技術を提供している。操作ログデータと生産重要データは、監査証跡用データとして、操作機器から前記中継器を介した通信手段によりサーバに通信され、又は可搬型記憶手段であるUSBメモリ等を介してサーバに移動され記憶されていた。
【0009】
生産設備により発生される各種のデータは、テキストデータ、CSVデータ等の汎用形式データ、又は、人が容易に判読できない難読形式データとして発生される。難読形式データの場合には、それが復号されて汎用形式データとされ監査証跡を作成する基のデータとされている。
【0010】
生産設備が発生させるデータを、そのままでは人が判読しにくく且つ改ざんしにくい難読形式データとさせておけば、データ改ざんがされにくく監査証跡用のデータとして真正性が担保されやすいという利点がある。こうした難読形式データの場合には、個々の生産設備のユーザが、各生産設備メーカにより提供された復号規則に基づく復号アプリケーションにより、テキストデータ、CSVデータ等の人が閲覧可能且つ編集可能な汎用形式データに復号させていた。
【0011】
生産設備の汎用形式データがサーバに集積されて、生産設備全体の監査証跡を作成するための一体のデータとしてまとめられていた。しかし、複数の生産設備から、異なった難読形式データが収集され、汎用形式データに復号され、監査証跡を作成するためのデータとしてまとめられる過程に、ユーザが関与する余地があったため、その真正性が必ずしも保証されないという課題があった。
【0012】
特許文献2には、監査証跡用データの一要件である同時性を充たさせるデータ管理システムの技術が開示されている。データ管理システムに、装置の駆動規制手段を備えさせ、装置、サーバ又は通信手段のいずれかが機能しない場合に、装置の駆動による処理記録を生成させないように装置の駆動を規制させ、監査証跡用データをサーバだけに記憶させるようにしている。
【0013】
この技術によれば、同時性を厳密に捉え、監査証跡用データの発生と同時にサーバだけに記録を残すようにし、監査証跡用データの同時性を担保させていた。しかし生産設備の中には、1分あたり数百個の生産重要データを発生させる設備もあり、こうした生産設備が多く存在する場合には、膨大な単位数のデータを通信させるために通信手段やサーバに大きな負荷を発生させることもあった。
【0014】
また、特定の生産工場に適用させるデータ管理システムを開発しても、それが適用先の生産環境に適しているか否かは、その生産工場の通信能力・サーバの能力・生産設備自体等の制御手段能力に依存しているため、データ管理システムの開発者内の適用テストだけでは、適合性を完全には確認しにくいという課題もあった。
【0015】
特許文献3には、出力されたログ情報を解析し、操作や動作記録を平易な自然言語に翻訳したレポートを出力するとした技術が開示されている。具体的には、専門的な知識を有さないユーザが、ログ情報を理解しやすいように、ログ情報に必要なデータを加え、ログ情報テーブルの一部を処理対象外とし、必要なデータのみを自然言語に翻訳するとしている。
【0016】
この技術によれば、ログデータの一部を改変しているため、欠落のない真正なデータを再生できない。また、膨大なデータ量となる生産重要データを考慮していない点でも、生産システムには適していない技術であった。
【0017】
特許文献4には、ウェブサーバからの情報をログ収集サーバに集積させる技術が開示されている。この技術によれば、ウェブサーバからログ収集サーバにログデータを送信するタイムテーブルを備えさせ、「何分毎」といった送信間隔を設定させ、又は「午前9時から5分おき」といった起算点及び送信間隔を設定させ、送信タイミングを分散させることにより、ログサーバの負担が軽減できるとされている。
【0018】
しかし、生産重要データは、操作ログの発生タイミングとは異なるタイミング、例えば、原料の調合、錠剤化、錠剤詰め等の生産プロセスにより異なる多様なタイミングで、多種類且つ膨大な数の情報が発生される。そのため、単に送信間隔を設定させるだけでは、サーバの負荷低減と不可欠なデータのタイムリーな取得を両立させるということが困難であるという課題があった。
【0019】
また、オペレーティングシステムの違いに基づくフォーマットの相違を統一するためのフォーマット統一手段を備えるとされているが、汎用OSの違いに対応しているにすぎなかった。汎用OSの違いに対応して、ログ出力文字コードの違い等を統一させるにすぎなかったため、生産設備のメーカによりアルゴリズムが異なる複数の操作機器により発生された難読化データに対応することはできないという課題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
特許文献1:特願2021-559204号公報
特許文献2:特開2021-140288号公報
特許文献3:特開2017-49962号公報
特許文献4:特開2004-295303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明が解決しようとする課題は、サーバに監査証跡を作成するための統合データをまとめる過程に、ユーザが関与する余地がなく、データの真正性が保証されるデータ統合システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の第1の発明のデータ管理システムは、複数の生産設備と、通信手段と、サーバとを含み、前記生産設備の操作に係るログデータと物の生産に係る生産重要データとをサーバにおいて管理させるデータ管理システムにおいて、前記ログデータとその発生時刻を第1データとし、前記生産重要データとその発生時刻を第2データとし、前記通信手段を通してサーバに、第1データと第2データとを取得させるデータ管理システムであって、前記生産設備が、生産設備用制御手段を備え、前記生産設備用制御手段が、データ処理手段と記憶手段とを備え、前記データ処理手段が、第1データと第2データとを前記記憶手段に仮記憶させておき、サーバが、データ統合手段とサーバ記憶手段とを備え、前記データ統合手段が、前記生産設備用制御手段から通信された第1データと第2データとを、各々の生産設備に応じて設定させたタイミングで、前記通信手段を通してサーバに通信させ、全ての第1データと第2データとが、夫々に又は一体に、汎用形式データとされた統合データに統合され、前記サーバ記憶手段に記憶されることを特徴としている。
【0023】
第1の発明の生産設備用制御手段は、汎用OSにより生産設備を駆動させるPCであってもよく、前記操作機器であってもよく、両者が混在していてもよい。また、操作機器が操作されるアルゴリズムは、統一されてなくてもよく、複数の操作機器が、夫々異なるアルゴリズムにより操作されていてもよい。
【0024】
生産設備用制御手段で発生されるデータは、可読な汎用形式データとされていても、人為的なデータ加工が困難な難読形式データとされていてもよい。生産設備用制御手段で発生されたデータは、生産設備用制御手段をなす記憶手段に仮記憶され、生産設備に応じて設定させたタイミングでサーバに通信させ取得させる。サーバに通信させるタイミングは、生産設備、第1データ、第2データの特性に応じて設定されればよい。
【0025】
「生産設備に応じて」とは、具体的には薬品工場を例とすれば、昼勤・夜勤の別、薬品の原材料の調合ロット、薬剤シートの区切数、薬剤シートの帯掛け区切数等のように、個々の生産設備における生産の区切りに応じて設定されればよい。第1データは、ログイン及びログインの後に操作指令されたログデータであるため、ログイン毎にサーバに通信させればよいが限定されない。
【0026】
第2データは、発生された生産重要データの種類と量に応じて、サーバに通信されるタイミングが設定されればよい。生産重要データが微細に分割された膨大な数のデータである場合には、所定量がまとまるタイミングを設定してサーバに通信させればよい。
【0027】
従来から使っていた操作機器に中継器を追加してサーバに通信させる場合には、操作機器の改造を少なくさせるため、通信する毎に、仮記憶している全てのデータをサーバに通信させるようにしてもよい。なお、仮記憶するデータは、古いデータから削除し、新しいデータを追加するようにし、仮記憶容量の範囲内で仮記憶させておけばよいが限定されない。仮記憶させたデータのうちのサーバに通信させたデータは、所定のタイミング毎に削除させてもよい。
【0028】
一方、新たな生産設備を導入する際には、生産過程の細かな不具合を早期に発見しつつ、不具合を限定させ、早期に不具合を是正させるために、当初は生産の区切りを少量に設定させておき、順調な生産の進展に合わせ、データを通信させる生産の区切りを拡大させるようにしてもよい。
【0029】
また、第1データ、第2データを夫々、個別の統合データとしてもよく、第1データと第2データとを一体の統合データとしてもよい。個別の統合データとしておけば、データの特性に応じて監査証跡レポートの作成が容易であり、一体の統合データとし、データを時系列に並ぶようにしておけば、発生された生産重要データとログデータとの関係を追跡しやすい。
【0030】
本発明の第1の発明によれば、第1データ、第2データを、生産設備の特性に応じて設定したタイミングで通信させるため通信負荷をかけにくく、人為的な加工を経ないでデータが自動でサーバに取得されるためデータの真正性が高く、サーバにはすべてのデータが可読な汎用形式データで記憶されるため、監査証跡レポートの作成が容易であるという従来にない有利な効果を奏する。
【0031】
本発明の第2の発明は、第1の発明のデータ管理システムであって、いずれかの前記生産設備用制御手段が、汎用OSにより制御されていない操作機器とされることを特徴としている。
【0032】
第2の発明によれば、いずれかの生産設備に備えられる生産設備用制御手段が、汎用OSで駆動されていない操作機器とされている。各々の生産設備専用に開発されたアルゴリズムが異なる操作機器に生産設備を駆動されていてもよいため、操作機器をPCに置き換える必要がなく、従来使用していた操作機器であってもそのまま使用でき、仮記憶させたデータをサーバに自動的に取得させ、真正性が高い監査証跡レポートの作成が可能であるという効果を奏する。
【0033】
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明のデータ管理システムであって、サーバが、更にデータ復号手段を備え、サーバに取得された第1データと第2データとのいずれかが、生産設備に固有のアルゴリズムによる難読形式データである場合には、前記データ復号手段が、サーバに取得された前記難読形式データを汎用形式データに復号させてから、前記統合データに統合させて、前記サーバ記憶手段に記憶させることを特徴としている。
【0034】
第3の発明によれば、第1データと第2データのいずれかが、そのままでは人が判読しにくく且つ改ざんしにくい難読形式データ、換言すれば暗号化されたデータであっても、サーバにおいては、難読形式データが可読な汎用形式データに変換されて統合されるため、統合データから監査証跡レポートの作成が容易である。
【0035】
汎用形式データに復号させるには、前記操作機器のメーカから提供を受けた復号規則に基づいた復号アプリケーションを復号手段とし、予めサーバ記憶手段に記憶させておけばよい。復号アプリケーションは、予め生産設備と関連付け、データに付与されている生産設備IDから特定させればよいが、これに限定されない。
【0036】
汎用形式データは、テキストデータ、CSVデータ等の人が閲覧可能且つ編集可能な形式であればよく、汎用形式データ相互間で変換されてもよい。第3の発明によれば、難読形式データとさせたデータがあっても、サーバにおいては汎用形式データに変換されるため、操作機器で発生させるデータを難読形式データとし、改ざんの余地を減少させることができるという効果を奏する。
【0037】
本発明の第4の発明は、第3の発明のデータ管理システムであって、サーバが、前記データ復号手段に追加手段を備え、前記追加手段が、新たな復号アプリケーションを追加させることを特徴としている。
【0038】
第4の発明によれば、ユーザが新たなメーカの生産設備を導入したときに、その生産設備に対応する復号アプリケーションを容易に追加することができる。これにより、新たなメーカの生産設備を導入した場合であっても、データ管理システムを僅かに改修するだけでよく、汎用性の高いデータ管理システムとすることができる。
【0039】
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明のデータ管理システムであって、第2データを通信させるタイミングが、生産設備に適した所定ロットに応じたタイミングとされていることを特徴としている。
【0040】
第5の発明によれば、第2データを生産設備に適した所定ロットに応じたタイミングでサーバに通信させている。「生産設備に適した所定ロット」とは、一つの不良品が発生したときに、その不良品を含めて一体に廃棄する必要があるロットとすればよいが限定されない。所定ロットは、他の生産設備の所定ロットと対比して、無理のないロットが設定されればよい。
【0041】
第5の発明によれば、ロットを少量に設定すれば生産設備に応じて不良率を低減でき、ロットを大量に設定すれば、頻繁なデータ送信による通信手段等の負荷を低減でき、既存の通信手段の能力の範囲で、好適なデータ管理システムを構築することができるという効果を奏する。
【0042】
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明のデータ管理システムであって、サーバが、タイミング変更手段を備え、前記タイミング変更手段が、前記タイミングを変更可能としていることを特徴としている。
【0043】
第6の発明によれば、サーバに備えられるタイミング変更手段により、データがサーバに通信されるタイミングを変更することが可能とされている。新しい生産設備を導入したときなどには、不良品の発生に応じて、他の生産設備のデータ通信タイミングを変更することができるため、生産設備ライン全体としてデータを無理なく管理することができるという効果を奏する。
【0044】
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明のデータ管理システムであって、前記通信手段が、正規時刻取得手段を備え、前記正規時刻取得手段が、真正な正規時刻を取得し、前記通信手段が、第1データと第2データとをサーバに通信させる際に、各々のデータに前記正規時刻を付与して通信させることを特徴としている。
【0045】
第7の発明によれば、夫々の生産設備を制御させている操作機器又はPCの内部時刻に違いがあっても、全てのデータの時系列を正確に記憶することができる。これにより、統合データをより信頼性の高い真正なデータとすることができる。
【0046】
本発明の第8の発明は、第7の発明のデータ管理システムであって、前記データ統合手段が、重複データの判定手段と重複表示手段を備え、前記判定手段が、第1データ又は第2データについて、各々の発生時刻が共通し正規時刻が異なる場合には、古い正規時刻が付与された第1データ又は第2データを重複データと判定し、前記重複表示手段が、前記重複データに重複表示をしたうえで、全ての第1データと第2データとが統合データとしてサーバに記憶され、前記統合データから前記重複データを除外した監査証跡作成用統合データが作成されることを特徴としている。
【0047】
第8の発明によれば、データ通信中に電源ダウンが発生しても、電源ダウンによる一部が欠損した不具合データを含めてサーバに記憶させている。しかし、正規時刻を基準に全ての重複データを判定して、古い重複データに重複表示をさせているため、不具合データを含めた全てのデータが統合データに統合されていても、重複データを判別して削除することが容易である。
【0048】
監査証跡レポートを作成する前の統合データが、改ざんされていない全データであるため、統合データの真正性が保証されている。加えて、重複データを除外した監査証跡作成用統合データが作成されているため、監査証跡レポートが作成しやすいという効果を奏する。
【発明の効果】
【0049】
・本発明の第1の発明によれば、第1データ、第2データを、生産設備の特性に応じて設定したタイミングで通信させるため通信負荷をかけにくく、人為的な加工を経ないでデータが自動でサーバに取得されるためデータの真正性が高く、サーバにはすべてのデータが可読な汎用形式データで記憶されるため、監査証跡レポートの作成が容易であるという従来にない有利な効果を奏する。
・第2の発明によれば、操作機器をPCに置き換える必要がなく、従来使用していた操作機器であってもそのまま使用でき、仮記憶させたデータをサーバに自動的に取得させ、真正性が高い監査証跡レポートの作成が可能であるという効果を奏する。
【0050】
・第3の発明によれば、難読形式データとさせたデータがあっても、サーバにおいては汎用形式データに変換されるため、操作機器で発生させるデータを難読形式データとし、改ざんの余地を減少させることができるという効果を奏する。
・本発明の第4の発明によれば、新たなメーカの生産設備を導入した場合であっても、データ管理システムを僅かに改修するだけでよく、汎用性の高いデータ管理システムとすることができる。
・本発明の第5の発明によれば、ロットを少量に設定すれば生産設備に応じて不良率を低減でき、ロットを大量に設定すれば、頻繁なデータ送信による通信手段等の負荷を低減でき、既存の通信手段の能力の範囲で、好適なデータ管理システムを構築することができるという効果を奏する。
【0051】
・本発明の第6の発明によれば、新しい生産設備を導入したときなどには、不良品の発生に応じて、他の生産設備のデータ通信タイミングを変更することができるため、生産設備ライン全体としてデータを無理なく管理することができるという効果を奏する。
・本発明の第7の発明によれば、夫々の生産設備を制御させている操作機器又はPCの内部時刻に違いがあっても、全てのデータの時系列を正確に記憶することができ、統合データをより信頼性の高い真正なデータとすることができる。
・本発明の第8の発明によれば、監査証跡レポートを作成する前の統合データが、改ざんされていない全データであるため、統合データの真正性が保証されている。加えて、重複表示を手がかりに重複の無いデータが容易にまとめられるため、監査証跡レポートが作成しやすいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図2】データ通信タイミングの説明図(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0053】
複数の生産設備が通信手段によりサーバと通信し、生産設備の夫々が発生させたデータを、発生させたままの形式で、生産設備を操作する機器に仮記憶させておき、生産設備の特性に応じたタイミングで、サーバに通信させるようにした。そして、サーバにおいては全てのデータを可読な汎用形式データとされた真正且つ単一の統合データとして記憶させる。統合データからは、その一部を抽出・整列させて書き換え不能な監査証跡レポートを作成することが容易である。
【実施例0054】
実施例1では、薬品の生産ラインに適用されたデータ管理システム1を、
図1から
図5を参照して説明する。
図1は生産ラインの例を示している。
図2はデータをサーバに通信させるタイミングの例を示している。
図3はデータ管理システム1のブロック図を示している。
図4は、統合データの説明図を示し、
図5は統合データの具体例を示している。
【0055】
生産ラインには、機能分担された複数の生産設備100が、矢印に示すように生産工程順に配列されている(
図1参照)。データ管理システム1において、各々の生産設備100は、通信手段200によりサーバ300と通信される。通信手段200は、Wi-Fi接続により無線LAN接続されてもよく、イーサネット接続により有線接続されてもよく、通信規格は限定されない。
【0056】
例えば、作業員の携帯式操作機から近距離無線通信により送信されたログイン情報を、操作機器の受信部が受信しログインさせ、操作により操作機器が駆動され、生産重要データを発生させてもよい。サーバにデータ取得させる際に正規時刻も併せて取得させるように、通信手段には正規時刻取得手段400が接続されている。
【0057】
前記生産設備100を駆動制御させる生産設備用制御手段は、少なくとも一つがマイクロコンピュータを操作する操作機器10とされ、その他の生産設備用制御手段はPC11等とされてもよい。サーバ300には、操作機器10に仮記憶された第1データと第2データを始めとして、全ての第1データと第2データが取得され、可読な汎用形式データとされた統合データが記憶される。
【0058】
PTPシートの生産ラインには、上流に薬剤調合機12(
図1破線参照)が配され、錠剤をPTPシートに詰める錠剤詰機13、錠剤の欠品を検査する検査機14、PTPシートを重ねて結束させる帯掛機15等が、生産工程順に配列されている(
図1参照)。各々の生産設備100は、サーバ300にデータを通信させるタイミングを変更させるタイミング変更手段(
図2、
図3参照)により、その生産設備に適したタイミングで第1データと第2データをサーバに通信させている。
【0059】
ここで、本発明の理解を容易にするため、
図2を参照して、生産設備の操作に係るログデータとその発生時刻を第1データとし、物の生産に係る生産重要データとその発生時刻を第2データとし、各々の生産設備について、サーバにデータを通信させるタイミングを具体的に説明する。なお、
図2においてはデータを発生させるタイミングも変更可能とさせている。
【0060】
薬剤調合機12は、多量の錠剤をなす薬剤用の原料を所定の単位量ずつ投入させるが、第1データを発生させる機会は、装置の作動時・調合変更時に限られている。第2データである薬剤調合機に係る生産重要データは、混合させる薬剤原料を所定量ずつ計測し、調合させる1生産単位を1ロットとしてデータを発生させる。第1データ、第2データとも、新しい調合ロットとなる1生産単位毎に1回サーバに通信させればよいが、例えば、生産停止操作がされた場合、又は、データ転送指令がされた場合等に、サーバに通信させるように設定させてもよい。
【0061】
錠剤詰機13は、上流の工程で製造された錠剤を、PTPシートの窪部に投入し、防湿シートを熱溶着して錠剤詰めを行う。錠剤詰機の第1データは、作業開始時、PTPシートの形態変更時、熱溶着温度の変更等の操作・変更時に発生させればよく、サーバには1日あたり1回通信させるようにすればよい。
【0062】
一方、第2データは、上流の薬剤調合機において予め定めた1生産単位をなす錠剤数から生産可能なPTPシートの枚数毎に発生させればよい。例えば、1生産単位の錠剤数が20,000個であれば、シートあたり10個の錠剤を詰める場合には、発生タイミングをPTPシート2,000枚に設定させればよい。なお、熱溶着条件変更時には、短時間おきに第2データを発生させるように、前記設定数を500枚のように、より少ない数値に変更させてもよい。第2データは1生産単位分の錠剤が詰められる毎にサーバに通信させるようにすればよい。
【0063】
検査機14は、PTPシートの欠錠や錠剤の欠け等を監視カメラで検査する。第1データは、操作者が検査機を作動させた作動時、検査速度の変更時などに発生させ、サーバに1日あたり1回取得させるようにすればよい。
【0064】
一方、第2データは、全てのPTPシートを検査して発生させる。不良率を下げるため、PTPシート100枚を検査の1ロットとしてサーバに通信させ、不良発生があれば下流で不良品を排除させる。不良発生がなければ、複数ロット毎、例えば2ロット毎にサーバに通信させるように変更し、不良率に応じて第2データをサーバに通信させるタイミングを変更させるとよい。このほか、不良品が検知されたときに生産ラインが自動停止されるように設定されている場合には、生産設備の停止毎に第2データを通信させてもよい。
【0065】
帯掛機15の第1データは、作業開始時、帯掛けの張力変更時等の操作時に発生させればよく、サーバへは作動・設定変更時にデータを通信させるようにすればよい。帯掛機の第2データは、予め設定した束数、例えば、1,000束を1ロットとして発生させ、第1データの通信時と同時に、サーバにデータを通信させればよい。または、帯掛機に同時に搭載される枚数、例えば20枚を一つのロットとして、第2データを発生させて、その都度第2データをサーバに通信させてもよい。
【0066】
薬剤調合機、錠剤詰機、検査機、帯掛機についての上記の例は単なる例示に過ぎず、第1データ、第2データとも、生産ラインにおいて不良率を低くし、高い生産効率を発揮できるように、生産設備の特性に応じて任意のタイミングで、データを発生させ、サーバに通信させればよい。
【0067】
なお、第1データについては、作動時と作動変更時が選択可能とされ、第2データについては、装置の特性に応じて、薬剤調合毎、所定の錠剤詰数、所定の検査数、所定の束数を一つの単位(所定ロット)とする等のように、サーバに取得させるタイミングを任意に変更可能としておくとよい。夫々のデータは、予め設定させたタイミングのほか、データ通信操作、生産設備の停止操作といった特定の操作がされたときに通信させてもよい。
【0068】
ここで
図3を参照して、データ管理システム1の全体構成を説明する。データ管理システム1は、錠剤詰機13と検査機14と帯掛機15等とからなる複数の生産設備100と、通信手段200と、サーバ300と、正規時刻取得手段400とを含んでいる。
【0069】
A社が製造した錠剤詰機13はマイクロコンピュータ16により駆動され、従来から生産ラインに組み込まれている操作機器10により操作される生産設備であり、前記の中継器17により通信手段200を介してサーバと通信される。B社が製造した検査機14はマイクロコンピュータ18により駆動され、錠剤詰機と同様に操作機器19により操作されるが、通信手段20を内蔵した操作機器である。C社が製造した帯掛機15は、内蔵の通信手段21を介してサーバと通信されるPC11により操作される。
【0070】
操作機器10等をなすタッチパネルスクリーン機器は、制御手段22と記憶手段23と入出力手段24と表示手段25を備えていればよい。また各々の生産設備は、マイクロコンピュータ又はPCにより駆動される搬送機、熱溶着機等の生産設備駆動部26と、生産重要データを取得する生産重要データ取得部27を備えている。
【0071】
サーバ300は、中央演算処理装置からなる制御手段30と、ハードディスク等からなるサーバ記憶手段31とを含んでいる。制御手段30は、データ統合手段、タイミング変更手段、データ復号手段として機能され、また、新しい復号アプリケーションをなすデータ復号手段の追加手段として機能される。
【0072】
サーバ記憶手段31は、第1データ、第2データ、又は第1データと第2データの全体の統合データの記憶手段、夫々の生産設備が発生させた難読化形式データを汎用形式データに復号させる復号アプリケーションの記憶手段、また、各々の生産設備からサーバにデータを通信させるタイミング情報を記憶させる記憶手段として機能される(
図3参照)。
【0073】
通信手段200は、無線LANにより通信されてもよく、通信規格は限定されないが、イーサネット接続により有線接続されると、通信が安定して好適である。通信手段には、正規時刻取得手段400が接続され、真正な正規時刻を取得し、生産設備から通信されたデータをサーバが取得する際に、正規時刻も併せてサーバに記憶させるようにしている(
図1、
図5参照)。正規時刻取得手段は、衛星電波時計として機能されるGPS、電波時計、時刻校正サーバ等のいずれであってもよく限定されない。
【0074】
夫々の生産設備100は、製造者毎に異なるアルゴリズムに基づいて、発生されたデータ形式が異なっている。錠剤詰機13はA社の規格により、バイナリデータからなる機械語形式データでデータを発生させ、検査機14はB社の規格により、人が容易に判読できないように暗号化された難読形式データでデータを発生させる。帯掛機15は汎用OSにより駆動されるアプリケーションにより、テキスト形式データ等の汎用形式データでデータを発生させる(
図4参照)。
【0075】
夫々の生産設備100で発生されたデータがサーバ300で統合されるまでを、
図4を参照して、具体的に説明する。錠剤詰機で発生された第1データと第2データは、機械語形式データ40のままサーバ300(
図4(A)図破線参照)に取得される。サーバにおいては、機械語形式データがA社のアルゴリズムに基づく復号アプリケーションにより復号され、第1データと第2データとが夫々汎用形式データとされる。
【0076】
検査機で発生された第1データと第2データを含むデータは、単に機械語形式データであるだけでなく、人が容易に判読できないように難読処理がされた難読形式データ41とされている。そのため、サーバにおいては、B社のアルゴリズムに基づいた、暗号データを可読化処理させる復号アプリケーションにより復号されて、第1データと第2データとが夫々汎用形式データとされる。帯掛機(C)で発生されたデータは、いずれも汎用形式データ42であるためデータ復号処理がされないでサーバに通信される。
【0077】
サーバにおいては、夫々汎用形式データとされている錠剤詰機、検査機、帯掛機の第1データと第2データが統合データとして統合される。データ統合の際には、データの発生時刻50、生産設備を識別させる生産設備ID51、サーバにデータが取得された正規時刻52をインデックス(
図5▼印参照)として、データが統合されればよい。
【0078】
第1データと第2データを夫々、別々に統合させた例を
図4(A)図に示し、第1データと第2データを、生産設備ID、発生時刻、正規時刻をインデックスとして、一体に統合させた例を
図4(B)図に簡単に示している。ここで、更に理解を容易にするために、統合データの具体例を、
図5を参照して説明する。
【0079】
図5(A)図は第1データの統合データの例を示し、
図5(B)図は第2データの統合データの例を示し、
図5(C)図は第1データと第2データを一体に統合させた統合データの例を示している。第1データと第2データの夫々のデータは、データを区別させるためのインデックス(
図5各図の▼印参照)と、その他の任意情報とから構成される。第1データの任意情報は、例えばユーザID53のほか、ログイン、ログオフ、速度変更操作といった操作内容54等とされ、第2データの任意情報55は、例えば温度情報、湿度情報、不良判定情報等とされる。
【0080】
図5(A)図から
図5(C)図のいずれにおいても、発生時刻50と生産設備ID51と正規時刻52とがインデックス(
図5▼印参照)をなす必須情報として記憶されているが、発生時刻50と正規時刻52とが一致するように時刻制御されていれば、発生時刻と正規時刻のいずれかのみをインデックスとしてもよいことは勿論のことである。ログテータと発生時刻を含んだ第1データは、ユーザID等のユーザ情報、ログイン・速度変更等の操作内容が一体に記憶される(
図5(A)図参照)。
【0081】
生産重要データと発生時刻を含んだ第2データは、温度、湿度、正常、不良等のデータが一体に記憶されるが、そのデータ生成に係わったユーザID53等のユーザ情報が記憶されてもよい(
図5(B)図参照)。第1データと第2データとを一体に統合させた統合データは、第1データと第2データとを時系列順に統合させておけばよい(
図5(C)図参照)。一体に統合させた統合データにおいては、ログテータと生産重要データとの係わりが時系列順に分析容易である。
【0082】
データ統合手段は、夫々の第1データを、発生時刻、生産設備ID、正規時刻をインデックス(
図5(A)図▼印参照)として、正規時刻b1,b2,b3,b・・・,の順に、第1データだけの統合データに統合させることができる。仮に、生産設備毎の内部時刻、例えば生産設備Aと生産設備Bの内部時刻とが相違し、発生時刻が真正な時刻と異なっていても、サーバにデータが受信された真正な正規時刻に基づいて、生産設備Aと生産設備Bで発生されたデータを、データ発生順に整理することができる。
【0083】
また、データ統合手段は、夫々の第2データについても同様に、発生時刻、生産設備ID、正規時刻をインデックス(
図5(B)図▼印参照)として、正規時刻の順に統合させることができる。データ統合手段が、第1データと第2データを一体として統合データを作成させる場合においても、同様に正規時刻の順に統合させればよい(
図5(C)図参照)。監査証跡レポートを作成させるときには、統合データ全体から必要な範囲のデータを抽出して作成させればよい。
各々の生産設備を操作させる操作機器又はPCに仮記憶させたデータが、夫々に設定されたタイミングで通信手段を通して、サーバに通信される(S100)。サーバが夫々のデータを受信したときには、通信手段によりGPSから取得した正規時刻が付与される(S110)。次に、受信したデータの生産設備IDにより、復号処理を必要とする生産設備から取得されたデータか否かが判定される(S120)。
ステップ120にて復号が必要と判定されたときは、データ復号手段が、サーバ記憶手段から前記生産設備IDに対応する復号アプリケーションを読み出し(S130)、データが復号処理され、汎用形式データに復号される(S140)。ステップ120にて復号が不要な生産設備IDと判定されたときは、データの統合処理に進む(S150)。データ統合手段により汎用形式データの統合処理がされ(S150)、統合データがサーバ記憶手段に記憶される(S160)。
監査証跡レポートを作成する際には、新しい統合データから重複データを除外させて、書き換え不能な監査証跡レポートを書き出せばよいが、重複データに重複表示を付与したまま監査証跡レポートとしてもよいことは勿論のことである。
また、新しい生産設備を導入した場合のように、新種類の生産重要データを記憶すべき相当列が統合データにない場合には、データ統合処理においてデータベースに新しい情報列を追加し、新しい情報列を追加する前に記録されていたその他の行には、追加された情報列の項目をブランクとさせておけばよい。