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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134974
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】道路工事検知装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039946
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】山中 暁
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 晃平
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181FF05
5H181FF10
5H181MC19
5H181MC27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検知された道路工事に関する不要な通知を低減することが可能な道路工事検知装置を提供する。
【解決手段】道路工事検知装置100は、撮像装置12と、撮像装置12で取得された画像から道路工事を認識する道路工事認識部22と、道路工事の位置情報を取得する位置情報取得部23と、時間情報を取得する時間情報取得部24と、位置情報に基づいて地図上に所定領域の工事エリアを配置した工事エリア情報、及び工事エリア情報に対応する時間情報を記録する工事情報地図記録部25と、工事情報地図記録部25に記録された工事エリア情報に係る工事エリアが地図上に二以上配置された場合に、隣接する二以上の工事エリアの少なくとも一部が重畳して記録されたことを条件として、隣接する二以上の工事エリアを一つの工事エリアであると判定する工事判定部26とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、
前記撮像装置で取得された画像から道路工事を認識する道路工事認識部と、
前記道路工事の位置情報を取得する位置情報取得部と、
時間情報を取得する時間情報取得部と、
前記位置情報に基づいて地図上に所定領域の工事エリアを配置した工事エリア情報、及び前記工事エリア情報に対応する前記時間情報を記録する工事情報地図記録部と、
前記工事情報地図記録部に記録された前記工事エリア情報に係る前記工事エリアが前記地図上に二以上配置された場合に、隣接する二以上の前記工事エリアの少なくとも一部が重畳して記録されたことを条件として、隣接する二以上の前記工事エリアを一つの前記工事エリアであると判定する工事判定部とを備えること、を特徴とする道路工事検知装置。
【請求項2】
前記工事情報地図記録部に記憶された前記工事エリア情報及び前記時間情報は、所定時間毎にリセットされること、を特徴とする請求項1に記載の道路工事検知装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、車両に搭載されており、
前記車両の前記撮像装置により撮像された画像に基づいて取得された前記工事エリア情報及び前記時間情報をサーバからユーザへ通知可能とされていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の道路工事検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路工事検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路工事検知装置に関し、特に、道路工事に関する情報の取得や道路の異常を監視することが可能な種々の装置が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ガス管の埋設領域に発生し得る様々な異常を監視することが可能な監視システムが記載されている。上記特許文献1には、地中に埋設されたガス管に隣接して設けられた検知装置によって、遠隔でガス管の異常を検知可能であること、が記載されている。具体的には、上記特許文献1には、監視システムは検知装置と管理装置とを備えており、検知装置がガス管の振動を検知してその検知結果を管理装置に送信し、検知装置から送信された検知結果に基づいて、管理装置がガス管の埋設領域において発生した異常を判別すること、が記載されている。
【0004】
上記特許文献2には、撮影画像から抽出された道路工事情報を反映した経路を設定可能なナビゲーション装置が記載されている。上記特許文献2には、ナビゲーション装置が工事情報記憶部と工事区間排除判定部とを備えており、撮影画像から道路工事情報を示す標示施設が抽出されると共に標示施設から工事区間を含む工事情報が抽出されることによって工事情報が工事情報記憶部に保存され、過去に抽出された工事情報を参照して工事区間を目的地までの経路設定から排除するべきかどうかを工事区間排除判定部が判定すること、が記載されている。
【0005】
上記特許文献3には、工事によって地物の位置が移動され或いは地物の種別が変更された場合等であっても、工事後の地物情報を迅速に収集することが可能な地物情報収集装置が記載されている。上記特許文献3には、収集された工事後の地物情報を利用して、地物との関係で自車位置を認識可能であること、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-60243号公報
【特許文献2】特開2021-85831号公報
【特許文献3】特開2009-156784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来、無届の道路工事によるガス管等の損傷を検知するために、ガス管近傍に振動装置等のセンサを設置して遠隔監視する技術が提案されているが、地中に埋設されている多数のガス管にセンサを配置するのは経済的ではない。このため、問題となる無届の道路工事を検知するために、カメラ等の撮像装置を用いて走行中の車両から工事位置(工事現場)を撮像し、画像認識処理により検知して道路工事に関する情報を利用者に通知することが考えられる。
【0008】
ところが、工事現場は所定の区間に亘って設定されており、さらに工事区間は時間経過に伴って変更されることが多い。このため、道路工事が検知される度に工事位置を利用者へ迅速に通知することは煩わしく、通信量の観点からも不要な通知は低減することが好ましい。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消すべくなされたものであって、検知された道路工事に関する不要な通知を低減することが可能な道路工事検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、次のように構成されている。
【0011】
(1)本発明による道路工事検知装置は、撮像装置と、前記撮像装置で取得された画像から道路工事を認識する道路工事認識部と、前記道路工事の位置情報を取得する位置情報取得部と、時間情報を取得する時間情報取得部と、前記位置情報に基づいて地図上に所定領域の工事エリアを配置した工事エリア情報、及び前記工事エリア情報に対応する前記時間情報を記録する工事情報地図記録部と、前記工事情報地図記録部に記録された前記工事エリア情報に係る前記工事エリアが前記地図上に二以上配置された場合に、隣接する二以上の前記工事エリアの少なくとも一部が重畳して記録されたことを条件として、隣接する二以上の前記工事エリアを一つの前記工事エリアであると判定する工事判定部とを備えること、を特徴とする道路工事検知装置。
【0012】
本発明による道路工事検知装置によれば、検知された道路工事の位置を示す地図上の一の工事エリアに対して、地図上の他の工事エリアの少なくとも一部が重畳する場合に、これらの工事エリアを同一の工事位置とみなすことができる。これにより、同一の工事位置に関する工事エリア情報について、道路工事が検知される度に利用者へ通知されることがなくなる。その結果、検知された道路工事に関する不要な通知を低減することができる。
【0013】
(2)本発明による道路工事検知装置において、好ましくは、前記工事情報地図記録部に記憶された前記工事エリア情報及び前記時間情報は、所定時間毎にリセットされること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、工事情報地図記録部に記憶されている工事エリア情報及び時間情報に係る道路工事が所定時間経過すると終了している可能性があるため、工事エリア情報及び時間情報を古い情報から順に所定時間毎に順次削除することができる。
【0014】
(3)本発明による道路工事検知装置において、好ましくは、前記撮像装置は、車両に搭載されており、前記車両の前記撮像装置により撮像された画像に基づいて取得された前記工事エリア情報及び前記時間情報をサーバからユーザへ通知可能とされていること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、サーバからユーザに対して工事エリア情報及び時間情報が自動的に通知されるため、ユーザは工事エリア情報及び時間情報を容易に取得することができる。
【0015】
(4)この場合において、好ましくは、前記撮像装置は、複数台の前記車両に搭載されており、前記サーバは、前記複数台の前記車両の各々が同様の前記工事エリア情報を取得した場合に、前記複数台の前記車両のうち一つの前記車両が取得した前記工事エリア情報を前記ユーザに通知すると共に、前記複数台の前記車両のうち他の前記車両が取得した前記工事エリア情報は前記ユーザに通知しないこと、を特徴とするとよい。このように構成すれば、複数台の車両の各々が取得した同様の工事エリア情報を複数回にわたってユーザが受信しないようにすることができる。これにより、不要な工事エリア情報がユーザに対して通知されることを削減できる。
【0016】
(5)上記サーバが工事エリア情報及び時間情報をユーザへ通知する構成において、好ましくは、前記ユーザは、前記工事エリア情報を取得する端末装置を備える会社であること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、ユーザとしての会社は端末装置を介してサーバから通知される工事エリア情報及び時間情報を容易に取得することができる。
【0017】
(6)本発明による道路工事検知装置において、好ましくは、前記位置情報取得部は、前記道路工事の行われている位置の緯度経度情報を位置情報として取得すること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、道路工事が行われている場所の位置情報を緯度経度情報に基づいて容易に取得することができる。これにより、緯度経度情報に基づいて地図上に所定領域の工事エリアを配置することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る態様によれば、検知された道路工事に関する不要な通知を低減することが可能な道路工事検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る道路工事検知装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る道路工事検知装置において認識される工事現場の例を示す図である。
図3】隣接する二以上の工事エリアを一つの工事エリアであると判定する例を説明するための概念図である。
図4】本実施形態に係る道路工事検知装置の検知手順を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る道路工事検知装置の検知手順の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る道路工事検知装置を説明する。これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付して示す。
【0021】
図1図3を参照して、本実施形態における道路工事検知装置100の構成について説明する。
【0022】
図1に示すように、道路工事検知装置100は、主に、車載システム(エッジ側車載システム)10と、クラウドシステム(サーバ)20と、ユーザ側システム(ユーザインタフェース:UI)30とにより構成されている。ユーザ側システム30の操作等を行うユーザは、道路工事に関する情報(工事エリア情報)を取得する端末装置等を備える会社等であり、例えばガス会社や水道会社等のインフラ業者である。
【0023】
車載システム10は、車両(図示省略)に搭載されるものである。車両には、主に、制御部11と、撮像装置12と、GPSモジュール13と、エッジ端末14と、通信部15とが搭載されている。
【0024】
制御部11は、車載システム10全体の制御を司るものである。撮像装置12は、前方や後方の他の車両や人物等を撮像するカメラ等であるが、本実施形態では、主に道路工事現場を撮像して、工事現場の画像を取得するために用いられるものである。
【0025】
GPSモジュール13は、撮像された工事現場の位置情報を取得することが可能である。位置情報の一例としては、緯度経度情報等である。エッジ端末14は、例えば、PC(Personal Computer)、演算機、及び画像処理計算機等であり、この端末には道路工事を検知する工事検知ソフト等が予め組み込まれている。エッジ端末14は、撮像された工事現場の時間情報(時刻情報)を取得することが可能である。通信部15は、クラウドシステム20の通信部28と互いに情報通信可能である。
【0026】
クラウドシステム(サーバ)20は、主に、制御部21と、道路工事認識部22と、位置情報取得部23と、時間情報取得部24と、工事情報地図記録部25と、工事判定部26と、送信パケット生成部27と、通信部28とを備えている。
【0027】
制御部21は、クラウドシステム20全体の制御を司るものである。
【0028】
道路工事認識部22は、撮像装置12で取得された画像から道路工事(工事現場)を認識(物体検知)する。具体的には、図2に示すように、道路工事認識部22は、工事現場において使用される工事標識、法令許可票、チューブライト、禁止標識、ガードフェンス、減速路板、安全ベスト、工事看板、大型回転灯、クッションドラム、矢印表示板、及び黒板・白板のうち少なくともいずれかに基づいて、道路工事現場であることを認識する。上記のような工事現場において使用される物品等に係る情報は、予め記憶部(図示省略)等に記憶されている。
【0029】
図1に示すように、位置情報取得部23は、道路工事認識部22により道路工事が認識(物体検知)されたことを条件として、撮像装置12で取得された画像における道路工事が行われている場所(位置情報)を取得する。位置情報取得部23は、道路工事が行われている位置の緯度経度情報を位置情報として取得する。
【0030】
時間情報取得部24は、道路工事認識部22により道路工事が認識(物体検知)されたことを条件として、撮像装置12で取得された画像に係る時間情報を取得する。
【0031】
工事情報地図記録部25は、予め記憶された地図上に、工事エリア情報及び時間情報を記録する。工事エリア情報とは、位置情報に基づいて所定領域の工事エリアが配置された道路工事の場所(範囲)を示した情報である。時間情報とは、工事エリア情報に対応する時間に関する情報である。なお、工事情報地図記録部25に記憶された工事エリア情報及び時間情報は、所定時間毎にリセットされる。
【0032】
ここで、本実施形態では、工事判定部26は、工事情報地図記録部25に記録された工事エリア情報に係る工事エリアが地図上に二以上配置された場合に、隣接する二以上の工事エリアの少なくとも一部が重畳して記録されたことを条件として、隣接する二以上の工事エリアを一つの工事エリアであると判定する。
【0033】
例えば、最初に検知された工事エリア情報に係る道路工事の工事位置(緯度経度)に対して半径10mの工事エリア(円心エリア)を設定し、次に検知された工事エリア情報に係る半径10mの工事エリアが最初の工事エリアに隣接あるいは重畳(重複)すれば、それらの工事エリアを同一工事とみなして、ユーザ側システム30の表示部32上に表示しない。さらに、複数の検知された工事エリアはそのまま配置(プロット)し、複数の工事エリアからなるエリアの外周のみを記録し、同一工事エリアとする。
【0034】
具体的には、図3(a)に示すように、工事エリア情報に係る工事エリアa、b、及びcが地図上に配置された場合に、隣接する工事エリアa、b、及びcが部分的に重畳して記録されたとする。この場合に、工事判定部26は、図3(b)に示すように、上記の工事エリアa、b、及びcを一つの工事エリアX1(斜線部)であると判定して、工事エリアの外周が記録される。
【0035】
さらに、図3(c)に示すように、工事エリアX1に対して、新たな工事エリア情報に係る工事エリアdが地図上に配置された場合に、隣接する工事エリアX1及びdが部分的に重畳して記録されたとする。この場合に、工事判定部26は、図3(d)に示すように、上記の工事エリアX1及びdを一つの工事エリアX2(斜線部)であると判定して工事エリアの外周が記録される。
【0036】
図1に示すように、送信パケット生成部27は、撮像装置12により撮像された道路工事(工事現場)の画像、位置情報、及び時間情報(時刻情報)をパケットとしてまとめるものである。
【0037】
通信部28は、車載システムの通信部15、及びユーザ側システム30の通信部34と互いに情報通信可能である。送信パケット生成部27により生成された送信パケット(データ)は、通信部28を介して、ユーザ側システム30の通信部34に送信される。言い換えると、クラウドシステム20は、車両の撮像装置12により撮像された画像に基づいて取得された工事エリア情報及び時間情報をユーザ側システム30(ユーザ)へ通知することとなる。
【0038】
図1に示すように、ユーザ側システム30(ユーザ)は、主に、制御部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34とを備えている。制御部31は、ユーザ側システム30全体の制御を司るものである。表示部32は、クラウドシステム20から受信した工事エリア情報及び時間情報を表示するためのものであり、液晶パネルや有機ELパネル等により構成されている。操作部33は、表示部32に表示された情報を確認操作するためのものであり、キーボード、マウス、及びタッチパネル等である。通信部34は、クラウドシステム20の通信部28と互いに情報通信可能である。
【0039】
また、撮像装置12は、複数台の車両に搭載されている。複数台の車両の各々が同様の工事エリア情報を取得した場合に、クラウドシステム20は、複数台の車両のうち一の車両が取得した工事エリア情報をユーザに通知すると共に、複数台の車両のうち他の車両が取得した工事エリア情報はユーザに通知しない。これにより、道路工事検知装置100を搭載した複数台の車両が連続して同じ工事現場を通過した場合に、同じ道路工事の画像がユーザ側システム(ユーザインタフェース)30に大量に送信されることや、ユーザが見にくく使いづらくなることや、データ料金が高くなることが抑制される。
【0040】
次に、図4を参照して、本実施形態による道路工事検知装置100の検知手順について説明する。
【0041】
まず、ステップS11において、車両に搭載された撮像装置12(カメラ等)により道路工事に係る検知画像が撮像(取得)される。
【0042】
次に、ステップS12において、GPSモジュール13により、撮像された道路工事の画像に係る緯度経度情報が取得されるとともに、エッジ端末14により、撮像された道路工事の画像に係る時間情報(時刻情報)が取得される。
【0043】
次に、ステップS13において、取得された緯度経度を中心として検知エリア(工事エリア)が設定される。例えば、半径10mの検知エリアが設定され、検知エリアの形状は円形や四角形等に任意に決定される。また、車載システム10からクラウドシステム20に対して検知エリアに関する情報(工事エリア情報)が送信される。
【0044】
次に、ステップS14において、クラウドシステム20(サーバ)が別車両に搭載された道路工事検知装置100において検知された検知済みエリア(A)との接触又は重畳がないか否かが判断される。ステップS14において、検知済みエリアとの接触又は重畳がある(No)と判断されたことを条件として、ステップS15及びS16に進む。
【0045】
ステップS15において、検知済エリア(A)に重ねてエリア(A)の外周を変更(アップデート)した後に、処理を終了する。また、ステップS16において、検知画像を消去した後に、処理を終了する。
【0046】
一方、ステップS14において、検知済みエリアとの接触又は重畳がない(Yes)と判断されたことを条件として、ステップS17、S18、及びS19に進む。
【0047】
ステップS17において、車載システム10からクラウドシステム20に対して検知画像が送信された後に、処理を終了する。また、ステップS18において、検知エリアを検知済みエリア(B)として設定した後に、処理を終了する。また、ステップS19において、クラウドシステム20(サーバ)は、ユーザ側システム(ユーザインタフェース)30に対して、検知画像、位置情報、及び時間情報等を送信した後に、処理を終了する。
【0048】
次に、図5を参照して、本実施形態による道路工事検知装置100の検知手順の変形例について説明する。
【0049】
道路工事検知装置100の検知手順の変形例では、上記説明した検知手順のステップS14が変形例ではS21に変更され、ステップS15が変形例ではS22に変更され、ステップS18が省略されている。なお、その他の検知手順(ステップ)は、上記説明した検知手順と同様である。
【0050】
まず、ステップS11~S13において、上記と同様の検知手順が行われる。
【0051】
次に、ステップS21において、検知済エリア(A)と(B)との接触がないか否かが判断される。ステップS21において、検知済エリア(A)と(B)との接触又は重畳がある(No)と判断されたことを条件として、ステップS16及びS22に進む。ステップS16において、検知画像を消去した後に、処理を終了する。また、ステップS22において、検知済エリア(A)及び(B)に重ねて、外周を変更(アップデート)した後に、処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS21において、検知済みエリアとの接触又は重畳がない(Yes)と判断されたことを条件として、ステップS17、及びS19に進み、上記と同様の検知手順が行われた後に、処理を終了する。
【0053】
上記説明した実施形態によれば、以下の効果(1)~(5)を得ることができる。
【0054】
(1)上記実施形態による道路工事検知装置100では、検知された道路工事の位置を示す地図上の一の工事エリアに対して、地図上の他の工事エリアの一部が重畳する場合に、これらの工事エリアを同一の工事位置とみなすことができる。これにより、同一の工事位置に関する工事エリア情報について、道路工事が検知される度に利用者へ通知されることがなくなる。その結果、検知された道路工事に関する不要な通知を低減することができる。また、道路工事が行われている位置の位置情報を緯度経度情報に基づいて容易に取得することができる。これにより、緯度経度情報に基づいて地図上に所定領域の工事エリアを配置することができる。
【0055】
(2)上記実施形態による道路工事検知装置100では、工事情報地図記録部25に記憶された工事エリア情報及び時間情報を、所定時間毎にリセットされるようにした。これにより、工事情報地図記録部25に記憶されている工事エリア情報及び時間情報に係る道路工事が所定時間経過すると終了している可能性があるため、工事エリア情報及び時間情報を古い情報から順に所定時間毎に順次削除することができる。
【0056】
(3)上記実施形態による道路工事検知装置100では、車両の撮像装置12により撮像された画像に基づいて取得された工事エリア情報及び時間情報を、クラウドシステム20(サーバ)からユーザ側システム30に対して通知するようにした。これにより、クラウドシステム20からユーザ側システム30に対して工事エリア情報及び時間情報が自動的に通知されるため、ユーザは工事エリア情報及び時間情報を容易に取得することができる。
【0057】
(4)上記実施形態による道路工事検知装置100では、クラウドシステム20は、複数台の車両の各々が同様の工事エリア情報を取得した場合に、複数台の車両のうち一つの車両が取得した工事エリア情報をユーザに通知すると共に、複数台の車両のうち他の車両が取得した工事エリア情報はユーザに通知しないようにした。これにより、複数台の車両の各々が取得した同様の工事エリア情報を複数回にわたってユーザが受信しないようにすることができる。これにより、不要な工事エリア情報がユーザに対して通知されることを削減できる。
【0058】
(5)上記実施形態による道路工事検知装置100では、ユーザとしての会社が工事エリア情報を取得するユーザ側システム30(端末装置)を備えるようにした。これにより、ユーザとしての会社は端末装置を介してクラウドシステム20(サーバ)から通知される工事エリア情報及び時間情報を容易に取得することができる。
【0059】
(変形例)
上記実施形態は、以下のように変更した構成とすることもできる。
【0060】
上記実施形態では、クラウドシステムにおいて工事判定部が隣接する二以上の工事エリアを一つの工事エリアであるか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、工事判定部を車載システム又はユーザ側システムに設けて、隣接する二以上の工事エリアを一つの工事エリアであるか否かを判定するようにすることも可能である。
【0061】
上記実施形態では、位置情報取得部が道路工事の行われている位置の緯度経度情報を位置情報として取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、位置情報取得部が緯度経度情報以外の位置情報を取得することも可能である。
【0062】
上記実施形態では、ユーザが工事エリア情報を取得する端末装置を備える会社である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザが端末装置以外の装置を用いて工事エリア情報を取得することも可能である。
【0063】
上記実施形態では、道路工事認識部、位置情報取得部、時間情報取得部、工事情報地図記録部、及び工事判定部をサーバに設けた例を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、これらの構成のうち一部又は全部を車両やその他の装置等に設けることも可能である。
【0064】
上記実施形態は、いずれも本発明の適応の例示であり、特許請求の範囲に記載の範囲内におけるその他いかなる実施形態も、発明の技術的範囲に含まれることは当然のことである。
【符号の説明】
【0065】
10 :車載システム
20 :クラウドシステム
21 :撮像装置
22 :道路工事認識部
23 :位置情報取得部
24 :時間情報取得部
25 :工事情報地図記録部
26 :工事判定部
30 :ユーザ側システム
100 :道路工事検知装置
図1
図2
図3
図4
図5