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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134983
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】集塵装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/10 20060101AFI20230921BHJP
   B01D 45/12 20060101ALI20230921BHJP
   B04C 5/28 20060101ALI20230921BHJP
   B04C 5/185 20060101ALI20230921BHJP
   B04C 5/103 20060101ALI20230921BHJP
   B04C 5/04 20060101ALI20230921BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
F24F7/10 101C
B01D45/12
B04C5/28
B04C5/185
B04C5/103
B04C5/04
F24F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039968
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】522104624
【氏名又は名称】伊藤 裕一
(74)【代理人】
【識別番号】100181087
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 知久
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕一
【テーマコード(参考)】
3L080
4D031
4D053
【Fターム(参考)】
3L080AA03
3L080AC01
4D031AC04
4D031BA01
4D031BA03
4D031BA10
4D031CA02
4D031DA02
4D053AA03
4D053AB01
4D053BA04
4D053BB02
4D053BC01
4D053BD04
4D053CA04
4D053CB11
4D053CD22
(57)【要約】
【課題】メンテナンスの手間を軽減し、天井配置に適したコンパクトな構造とすることができる集塵装置を提供する。
【解決手段】実施形態の集塵装置1Xは、埃分離部2X、埃集積部3X及び構造躯体部4Xを備え、埃分離部2Xは、埃分離部2Xと構造躯体部4Xとの配設により、天井9の貫通孔91の360度周辺方向に向けて吸気口212xを配置することが可能なインテーク部210xと、吸気口212xと連通される筒形状に形成された外筒213xを有する外筒部21xと当該外筒213xの筒形状における同芯軸上を中心として、外筒213xの内側に外筒213xの内径よりも小さい筒形状に形成されたを有する内筒部とが設けられた、少なくとも一つのサイクロンドラム部20xを有している。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の屋内の天井に設けられた排気ダクトに接続可能な集塵装置であって
吸気口から吸入された空気から、当該空気と当該空気に含まれる埃を渦流れによって分離する埃分離部と、
下部側に前記埃分離部から落下する埃を一定量まで集積可能な埃集積部と、
前記埃分離部を前記天井に設けられた貫通孔を介して、前記排気ダクトへ接続し前記天井に固定するための構造躯体部と、を備え、
前記埃分離部は、前記埃分離部と前記構造躯体部との配設により、前記天井の前記貫通孔の360度周辺方向に向けて複数の前記吸気口を配置することが可能なインテーク部と、
前記インテーク部の前記吸気口と連通される筒形状に形成された外筒と、当該外筒の筒形状における同芯軸上を中心として、前記外筒の内側に前記外筒の内径よりも小さい筒形状に形成された内筒とが設けられた、1又は複数のサイクロンドラム部と、を有し、
前記サイクロンドラム部の前記外筒は、前記内筒よりも下方まで延設されて、前記吸気口から吸気された前記空気が、前記外筒の内周側と前記内筒の外周側との間を通り、前記空気と前記空気に含まれる埃を前記内筒の前記筒形状に沿って渦流れを生じさせ、前記空気に含まれる埃を前記内筒の下方にある前記埃集積部へ落下させると共に、分離された前記空気を前記内筒の下端側の開口から上端側の開口へ通気させて前記排気ダクトへ排出させる
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
前記埃分離部が複数の前記サイクロンドラム部を有する場合に、
前記埃分離部の上下方向に沿った中心軸の周辺に、隣接する前記サイクロンドラム部が等間隔となるように複数の前記サイクロンドラム部が設けられ、かつ、複数の前記サイクロンドラム部の上部側に円周方向に間隔を開けて複数の前記吸気口が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
複数の前記サイクロンドラム部の各々の前記内筒の外周面側には、前記吸気口の吸入方向に沿った前記内筒の下方側に向かう螺旋状の突起が少なくとも当該外周面側の一部に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の集塵装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内の部屋を換気するための集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
24時間換気システムの仕組みは、外気をリビングや個室にある給気口によって取り込み、部屋全体の空気をきれいにした後、洗面所やトイレにある天井排気口から外に排出されるというのが一連の流れである。24時間換気システムを採用している住宅に住んでいても、効率的な空気循環のために定期的なメンテナンスを怠ると、空気の出入り口部分や、換気装置中のフィルターがほこりで詰まってしまい、電気消費量の無駄になる。換気装置のフィルターの汚れ具合は、周辺環境によって変わるため、交換頻度は各家庭などにより異なる状況があるものの、次第に汚れが溜まってくるので、数週間~数ヶ月程度に一度は給気口や排気口のチェックや、清掃を行う必要がある。
【0003】
例えば、近年のマンションでは、風呂・洗面所・トイレは、一つの集中型の換気システム(以降では、集中換気システムと称す)が、各排気口の排気量を制御している。メッシュ状の樹脂フィルターに通過する空気中の埃を絡め取るモノが一般的であり、換気用に天井に取り付けられた排気口にそのフィルターが取り付けられて、換気システムへの埃の侵入を防ぐ方法が一般的となっている。
【0004】
なお、集塵装置において、外筒部の上部側面に設けた吸気口から導入した空気を、外筒部と、その内側に配置された内筒部との間で旋回させることにより空気中の塵埃類を遠心分離し、塵埃類が分離された空気を内筒部の下端から上端へと導くように構成されたサイクロンドラムと、該サイクロンドラムの上部に設けられたチャンバーボックスとを具備し、チャンバーボックスの内径が、内筒部の内径と略同径ないしそれよりも大径に形成されるとともに、チャンバーボックスの側面には、空気を周方向に排出する排気口が設けられていることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4362787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図15に、従来例のマンションにおける集中換気システムの一例を示す。また、図16に、従来例のトイレ及び洗面所に備えられた換気ユニット200の一例を示す。
【0007】
図15に示す集中換気システムでは、例えば集中換気装置100が給排気の流れを強制的に発生させる排気ファンを有している。屋内の天井9に設けられた排気ダクト(換気ダクト)8に取り付けられた集中換気装置100により、戸外の新鮮な空気を外気吸入管路400から屋内へ取り込む。
【0008】
また、集中換気装置100は、天井9に配設した換気ユニット200から各室内(例えば、トイレ、洗面所など)の汚れた空気を回収し、回収した空気を、排気管路110を介して戸外500に排出する。なお、図15に示す集中換気システムでは、例えば浴室の換気・乾燥・暖房・涼風等と、排気用の吸込グリルが設けられた浴室換気ユニット300がある。
【0009】
トイレ・洗面所などでは、トイレットペーパーや衣服の繊維くず等の埃700が発生する為、利用状況や清掃状況によっては、図16に示すように、換気ユニット200のフィルター202の埃が気になる状況になる。例えば、集中換気システムでは、風呂換気時、トイレ換気量が減少するため、また、排気ファンの停止時などに捕集した溜まった埃700が不意に頭上に落下する事態も発生することがある。
【0010】
また、例えば、図16に示すような内部のフィルター202を掃除するためには、構造躯体部201からグリル203を外す必要があり、その作業には、高所で相応の力と要領が必要となる。その際、フィルター202及びグリル203に付着した埃700が落下する場合もあり、頻繁に掃除することに対するストレスが少なからず有する作業となる。
【0011】
一方、例えば、特許文献1等に示すようなサイクロン式集塵装置では、吸気口が一方向設けられたものであり、室内の天井に配置するには、天井配置の換気性能に課題があった。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、メンテナンスの手間を軽減し、天井配置に適したコンパクトな構造の集塵装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る集塵装置は、建造物の屋内の天井に設けられた排気ダクトに接続可能な集塵装置である。当該集塵装置は、吸気口から吸入された空気から、当該空気と当該空気に含まれる埃を渦流れによって分離する埃分離部と、下部側に前記埃分離部から落下する埃を一定量まで集積可能な埃集積部と、前記埃分離部を前記天井に設けられた貫通孔を介して、前記排気ダクトへ接続し前記天井に固定するための構造躯体部と、を備えている。前記埃分離部は、前記埃分離部と前記構造躯体部との配設により、前記天井の前記貫通孔の360度周辺方向に向けて複数の前記吸気口を配置することが可能なインテーク部と、前記インテーク部の前記吸気口と連通される筒形状に形成された外筒と、当該外筒の筒形状における同芯軸上を中心として、前記外筒の内側に前記外筒の内径よりも小さい筒形状に形成された内筒とが設けられた、1又は複数のサイクロンドラム部と、を有し、前記サイクロンドラム部の前記外筒は、前記内筒よりも下方まで延設されて、前記吸気口から吸気された前記空気が、前記外筒の内周側と前記内筒の外周側との間を通り、前記空気と前記空気に含まれる埃を前記内筒の前記筒形状に沿って渦流れを生じさせ、前記空気に含まれる埃を前記内筒の下方にある前記埃集積部へ落下させると共に、分離された前記空気を前記内筒の下端側の開口から上端側の開口へ通気させて前記排気ダクトへ排出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る集塵装置によれば、メンテナンスの手間を軽減し、天井配置に適したコンパクトな構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る集塵装置の第1の実施形態の構造の一例を示す図である。
図2】本発明に係る集塵装置の第1の実施形態の他の構造の一例を示す図である。
図3】第2の実施形態の集塵装置の構造の一例を示す斜視図である。
図4図3に示す集塵装置の構造の概要を示す中央付近の縦断面を示す図である。
図5図4に示すI-I矢視線方向からII-II矢視線方向までを視た埃分離部の底面側の構造を示す図である。
図6】第3の実施形態の集塵装置の構造の一例を示す斜視図である。
図7図6に示す集塵装置の部分透視図である。
図8図7に示す集塵装置のIII-III矢視線方向とIV-IV矢視線方向から視た埃分離部の構造を示す斜視透視図である。
図9図7に示す集塵装置のIII-III矢視線方向から視た埃分離部の底面の構造を示す底面図である。
図10図6及び図7に示す埃分離部における斜視図である。
図11図10に示す埃分離部を分解した場合の(a)内筒部、(b)外筒部、および(c)下抑え部を示す図である。
図12図11(a)に示す内筒部と、一つの内筒の構造を示す図である。
図13図11(b)に示す外筒部と、その外筒部を上面から側から斜視した図である。
図14】第3の実施形態の集塵装置に対応する装置を試作した場合の撮影画像である。
図15】従来例のマンションにおける集中換気システムの一例を示す図である。
図16】従来例のトイレ及び洗面所に備えられた換気ユニットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る集塵装置のいくつかの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。ここで、本発明に係る集塵装置の構造等についての説明するために、以降の実施形態ではいずれも、マンションのトイレの天井に取り付けられた場合の一例をとりあげて説明する。なお、本発明に係る集塵装置は、マンションだけでなく、この他にも、アパート、一般住宅、オフィスビルなどにも適用可能である。
【0017】
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る集塵装置の第1の実施形態の構成について、図1及び図2を用いて説明する。ここで、図1は、本発明に係る集塵装置の第1の実施形態の集塵装置1Xの構成の一例を示す側面図である。図2は、本発明に係る集塵装置の第1の実施形態の他の集塵装置1Yの構成の一例を示す側面図である。
【0018】
図1に示す本実施形態に係る集塵装置1Xは、換気用に天井9の貫通孔91に取り付けられて、換気システムへの埃の侵入を防ぐ換気装置である。本実施形態に係る集塵装置1Xは、建造物の屋内の天井9に設けられた排気ダクト8に接続可能とされる。
【0019】
集塵装置1Xは、図1に示すように、埃分離部2Xと、埃集積部3Xと、構造躯体部4Xとを備えている。また、集塵装置1Yは、図2に示すように、埃分離部2Yと、埃集積部3Yと、構造躯体部4Yとを備えている。
【0020】
集塵装置1Xおよび集塵装置1Yの主な構成は、同様であるが、図1及び図2に示すように、天井9に配置される構造において相違する。図1に示す集塵装置1Xは、天井9の水平位置よりも下部側に、吸気口212xが配設された構造である。一方、図2に示す集塵装置1Yは、天井9の水平位置よりも上部側に、吸気口212yが配設された構造である。以降では、主に、図1に示す集塵装置1Xの構造について説明する。
【0021】
埃分離部2Xは、吸気口212xから吸入された空気Kinから、当該空気Kinと当該空気Kinに含まれる埃を渦流れによって分離する。埃分離部2Xは、埃分離部2Xと構造躯体部4Xとの配設により、天井9の貫通孔91の360度周辺方向に向けて吸気口212xを配置することが可能なインテーク部210xを有する。
【0022】
埃分離部2Xは、さらに、インテーク部210xの吸気口212xと連通される筒形状に形成された外筒213xを有する外筒部21xと、当該外筒213xの筒形状における同芯軸上(上下方向に中心軸)を中心として、外筒213xの内側に外筒213xの内径よりも小さい筒形状に形成された内筒(図示省略)を有する内筒部とが設けられた、少なくとも一つのサイクロンドラム部20xを有している。
【0023】
インテーク部210xでは、サイクロンドラム部20xの上部側の筒形状の周方向又は下方側に沿って、空気Kinを複数の吸気口212xからサイクロンドラム部20xへ流入させる。吸気口212xの形状は、外筒213xの筒側面の上面側に、単純に開口された形状でもよく、筒側面側に突起(凸)形状で開口されたものでもよく、また、凹形状で開口されたものでもよい。
【0024】
サイクロンドラム部20xは、同芯軸上を中心として、内筒と内筒の外周側を囲む外筒213xとが設けられ、当該外筒213xは内筒よりも下方まで延設され、外筒部21xの下端側に連結されたダストカップ接続部(埃分離部2Xと埃集積部3Xとの接続部)が設けられている。ダストカップ接続部には、埃集積部3Xが着脱可能に取り付けられる。
【0025】
サイクロンドラム部20xの外筒213xは、内筒よりも下方まで延設されて、吸気口212xから吸気された空気Kinが、外筒213xの内周側と内筒の外周側との空間を通り、空気と空気に含まれる埃を内筒の筒形状に沿って渦流れを生じさせる。サイクロンドラム部20xは、吸気された空気Kinに含まれる埃を内筒の下方にある埃集積部3Xへ落下させると共に、埃が分離された空気Koutを内筒の下端側の開口から上端側の開口へ通気させて排気ダクト8へ排出させる。
【0026】
埃集積部3Xは、埃分離部2Xの下部側から落下する埃を一定量まで集積可能とする収納容器である。埃集積部3Xの収納容器の側面には、目盛り等の目印が付けられてもよく、この目盛り等により、どのくらいの期間で、どの程度の量の埃が集積するかを相対的に知ることができる。これにより、定期的な埃回収のための清掃作業のサイクル期間等を予測することがより容易となる。
【0027】
構造躯体部4Xは、埃分離部2Xを天井9に設けられた貫通孔91を介して、排気ダクト8へ接続し天井9に固定するための部材である。埃分離部2Xから排出される空気Koutが排気ダクト8のダクト管口へ導かれるように、構造躯体部4Xにより埃分離部2Xと排気ダクト8とが密着性を保って接続される。
【0028】
本実施形態に係る集塵装置1Xは、天井9側へ上昇した空気を、サイクロンドラム部20xの上部側の筒形状の周方向又は下方側に沿って空気Kinを流入させ、除塵後の空気Koutをサイクロンドラム部20xの軸方向上向き(縦方向)に、サイクロンドラム部20xの上方側から流出させて、天井9の裏側に設けられている排気ダクト8へ排出させることができる。
【0029】
本実施形態の集塵装置1X及び1Yは、目詰まりするメッシュフィルターなどを用いないため、排気ファンの停止時に捕集した埃が落下しない構造であり、かつ、捕集した埃を所定の容器(埃集積部3X)に集積できるため、容易に回収、および、回収した容器から埃を取り出して、容易に元の位置へその容器を戻すことができる。このため、集塵装置1X及び1Yの掃除、保守の作業頻度やそれらに関するストレスを大幅に低減することができる。
【0030】
また、本実施形態の集塵装置1X及び1Yは、既存の換気装置用の天井の貫通孔に取り付け可能であり、製造コストを抑えることが可能な簡易な構造で実現できる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の集塵装置によれば、メンテナンスの手間を軽減し、天井配置に適したコンパクトな構造とすることができる。
【0032】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の集塵装置1Aの構成等について、図3乃至図5を用いて説明する。ここで、図3は、本発明に係る集塵装置の第2の実施形態の構成の一例を示す斜視図である。図4は、図3に示す集塵装置1Aの構造の概要を示す中央付近の部分縦断面を示す図である。また、図5は、図4に示すI-I矢視線方向からII-II矢視線方向までを視た埃分離部2Aの底面側の構造を示す図である。
【0033】
第2の実施形態の集塵装置1Aは、図3及び図4に示すように、例えば建造物の屋内の天井9の貫通孔91に取り付けられて、天井9に設けられた排気ダクト8に接続可能とされる換気システムへの埃の侵入を防ぐ換気装置である。このために、集塵装置1Aは、埃分離部2Aと、埃集積部3Aと、構造躯体部4Aとを備えている。
【0034】
埃分離部2Aは、図3乃至図5に示すように、埃分離部2Aと構造躯体部4Aとの配設により、天井9の貫通孔91の360度周辺方向に向けて吸気口212aを配置することが可能なインテーク部210aを有している。
【0035】
また、埃分離部2Aは、インテーク部210aの吸気口212aと連通される筒形状に形成された外筒213aを有する外筒部21aと、当該外筒213aの筒形状における同芯軸上(上下方向に中心軸)を中心として、外筒213aの内側に外筒213aの内径よりも小さい筒形状に形成された内筒223aを有する内筒部22aとが設けられた、サイクロンドラム部20aを有している。
【0036】
インテーク部210aでは、サイクロンドラム部20aの上部側の筒形状の周方向又は下方側に沿って、空気Kinを吸気口212aからサイクロンドラム部20aへ流入させる。吸気口212aは、例えば外筒213aの上部側端部に流入する空気の方向性が絞られるような図5に示す構造等により、サイクロンドラム部20bの渦流の発生に寄与することができる。吸気口212aの開口形状は、外筒213aの筒側面の上面側に、単純に開口された形状でもよく、筒側面側に突起(凸)形状で開口されたものでもよく、また、凹形状で開口されたもの等でもよい。
【0037】
サイクロンドラム部20aは、上部側に空気Kinを吸入する吸気口212aが少なくとも1つ連通された、上下方向に沿って筒状の筒径が下方向に縮径された外筒213aが配置された外筒部21aと、外筒213aの内側に上下方向の軸芯を外筒213aと同芯とする筒状の内筒223aが配置された内筒部22aとを有している。
【0038】
図4に示すように、内筒223aの内筒下端224aは、外筒213aの外筒下端214aよりも上方側であり、内筒223aは吸気口212aから吸入された空気Kinを外筒213aと内筒223aとの間で渦流れを発生させて、旋回させることにより吸入された空気Kinに含まれる塵埃類を遠心分離し、塵埃類が分離された空気Koutを内筒下端224aから排気口225aへと導くように形成されている。一方、分離された塵埃類Gmは、内筒223aの内筒下端224aから埃集積部3Aへ落下する。
【0039】
塵埃類が分離された空気Koutは、外筒部21aの中間付近から内筒部22aの下端開口内へ巻き込まれ、旋回を続けながら内筒部22a内を上昇し、内筒223aの排気口225aを経由して、排気ダクト8から集中換気装置(例えば、図15に示すような集中換気装置100)へと送り出される。サイクロンドラム部20a内で分離された塵埃類Gmは、外筒部21aの下端開口を経由して埃集積部3A内へと落下する。
【0040】
好ましくは、埃集積部3Aは、埃分離部2Aから着脱自在に取り付け可能とされる。例えば、埃分離部2Aにダストカップ接続部が設けられ、ダストカップ接続部には、埃集積部3Aが着脱可能に取り付けられる。接続手段として、例えば互いに螺合して係止可能である構造や、埃分離部2Aの接続部に凸形状の係止構造を設け、埃集積部3Aの接続部には凹形状の被係止構造を設けて係止する等である。
【0041】
例えば、図4に示すように、内筒223aの排気口225aから排出される空気Koutが、排気ダクト8のダクト管口へ導かれるように、埃分離部2Aと排気ダクト8とが接続される構造部(構造躯体部4A)が設けられる。構造躯体部4Aは、埃分離部2Aから排気する空気を排気ダクト8へ排気するための排気路を接続する接続管41aと、集塵装置1Aを天井9の貫通孔91へ嵌め込み固定するためのグリル42aとから構成される。構造躯体部4Aにより、天井9の板に取り付けられる埃分離部2Aと排気ダクト8のダクト管口との密着性を保つようにされる。
【0042】
例えば、図15及び図16に示す既存の集中換気装置100において、既設の換気ユニット200に代えて、実施形態の集塵装置1Aを天井9の貫通孔91に取り付け可能である。例えば、図15に示す集中換気システムの例のような集中換気装置100では、住宅内での給排気の流れを強制的に発生させる排気ファンを内蔵している。排気ファンの運転によって集塵装置1A内に負圧が生じ、これにより、インテーク部210aの複数の吸気口212aを通じて、サイクロンドラム部20a内に空気が吸入される。
【0043】
本実施形態の集塵装置1Aは、目詰まりするメッシュフィルターなどを用いないため、排気ファンの停止時に捕集した埃が落下しない構造であり、かつ、捕集した埃を所定の容器(埃集積部3A)に集積できるため、容易に回収、および、回収した容器から埃を取り出して、容易に元の位置へその容器を戻すことができる。このため、集塵装置1Aの掃除、保守の作業頻度やそれらに関するストレスを大幅に低減することができる。
【0044】
また、本実施形態の集塵装置1Aは、既存の換気装置用の天井の貫通孔に取り付け可能であり、製造コストを抑えることが可能な簡易な構造で実現できる。
【0045】
集塵装置1Aのすべて、もしくは、一部にプラスチックなどの樹脂製の材料を用いることができる。これにより、簡易な構造で、かつ、軽量の装置を実現でき、また、量産化して製造コスト等を下げることも可能である。
【0046】
この他にも、例えば埃集積部3Aの容器の側面部分や、底面部分等に、意匠性や、美観のすぐれた模様を付加、装飾用シール貼付等することにより、単なる集塵装置として天井に配置するだけでなく、美観を優れた装飾具の一面としても据え付けることもできる。また、災害・停電の非常時用に、埃集積部3Aの容器の側面部分や、底面部分等に、蛍光塗料、光蓄積塗料などを塗装等することにより、非常灯などの用途でも役に立つものとなる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の集塵装置によれば、メンテナンスの手間を軽減し、天井配置に適したコンパクトな構造とすることができる。
【0048】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の集塵装置1Bの構成等について、図6乃至図13を用いて説明する。ここで、図6は、第3の実施形態の集塵装置1Bの構造の一例を示す斜視図である。図7は、図6に示す集塵装置1Bの部分透視図である。また、図8は、図7に示す集塵装置1BのIII-III矢視線方向とIV-IV矢視線方向から視た埃分離部2Bの構造を示す斜視透視図であり、図9は、図7に示す集塵装置1BのIII-III矢視線方向から視た埃分離部2Bの底面の構造を示す底面図である。なお、図10図13の内容については、後述する。
【0049】
第3の実施形態の集塵装置1Bは、図6及び図7に示すように、例えば建造物の屋内の天井9の貫通孔91に取り付けられて、天井9に設けられた排気ダクト8に接続可能とされる換気システムへの埃の侵入を防ぐ換気装置である。このために、集塵装置1Bは、図6及び図7に示すように、埃分離部2Bと、埃集積部3Bと、構造躯体部4Bとを備えている。なお、図6では、図7に示す排気ダクト8と天井9とを図示省略している。
【0050】
本実施形態の集塵装置1Bは、天井9側へ上昇した空気Kinを、複数のサイクロンドラム部20bの上部側の筒形状の周方向又は下方側に沿って空気Kinを吸気口212bへ流入させ、各々のサイクロンドラム部20bで除塵後の空気Koutを各々のサイクロンドラム部20bの軸方向上向き(縦方向)側に設けられた排気口へ流出させて、天井9の裏側に設けられている排気ダクト8へ排出されるように構成されている。一方、各々のサイクロンドラム部20bで分離された塵埃類Gmは、サイクロンドラム部20bの下端側から埃集積部3Bへ落下する。
【0051】
このために、埃分離部2Bは、埃分離部2Bと構造躯体部4Bとの配設により、図9に示すように、天井9の貫通孔91の360度周辺方向に向けて、複数の吸気口212bを配置することが可能なインテーク部210bを有する。
【0052】
埃分離部2Bは、さらに、図7及び図8に示すように、インテーク部210bの吸気口212bと連通される筒形状に形成された外筒213bと、当該外筒213bの筒形状における同芯軸上(上下方向に中心軸)を中心として、外筒213bの内側に外筒213bの内径よりも小さい筒形状に形成された内筒223bとが設けられた、複数のサイクロンドラム部20bを有する。なお、図6乃至図13に示す例では、複数のサイクロンドラム部20bは、5つのサイクロンドラムを有する構造で示されるが、5つの数に限定されるものではない。例えば、3つのサイクロンドラムの場合でもよく、6つのサイクロンドラムの場合であってもよい。
【0053】
埃分離部2Bは複数のサイクロンドラム部20bを有する場合であり、埃分離部2Bの上下方向に沿った中心軸の周辺に、隣接するサイクロンドラム部20bが等間隔となるように複数のサイクロンドラム部20bが設けられている。さらに、複数のサイクロンドラム部20bの上部側に、円周方向に間隔を開けて複数の吸気口212bが設けられている。
【0054】
インテーク部210bでは、複数のサイクロンドラム部20bの上部側の筒形状の周方向又は下方側に沿って、空気Kinを複数の吸気口212bから複数のサイクロンドラム部20bへ流入させる。吸気口212bは、外筒213bの上部側端部に流入する空気の方向性が絞られるように、例えば図6乃至図10に示すような吸気口構造を有する。図8に示すような、例えば筒形状の筒接線に向けて方向性が定められる等の吸気口212bの構造により、サイクロンドラム部20bの渦流の発生に寄与することができる。
【0055】
集塵装置1Bにおいて、図7及び図8に示すように、例えば、室内の埃を含む空気Kinは、インテーク部210bの複数の吸気口212bから入り、その各々の吸気口212bに対応するサイクロンドラム部20b内に吸い込まれる。サイクロンドラム部20b内に吸入された空気Kinは、図7及び図8に示すように、外筒213bと内筒223bとの間に形成される環状の空間に沿って旋回しながら下降し、その際に作用する遠心力によって吸入された空気Kinに含まれる塵埃、砂などの浮遊物が分離される。
【0056】
特に、各々のサイクロンドラム部20b内において、吸気口212bに吸入された埃を含む空気Kinは、内筒223bの外周面に設けられたらせん状の構造体(図12(b)に示す内筒突起部222b)に沿って旋回し、下方に向かう渦流となる。前述したように、吸入された空気Kinに含まれた埃は、各々のサイクロンドラム部20b内にて、遠心力で分離されて、慣性で下に向い、埃分離部2Bの下方から落下して、埃集積部3Bの収容スペースへ蓄積される。
【0057】
一方、埃が分離された空気Koutは、各々のサイクロンドラム部20bにおいて、後述する図11(a)に示す内筒部22bの内筒下端224bを通って内筒223bの上部の排気口225bを通り、埃分離部2Bの上方の出口から出て、排気ダクト8へ排出される。また、サイクロンドラム部20b内で分離された塵埃類Gmは、図11(b)に示す外筒部21bの外筒下端214b及び図11(c)に示す下抑え部23bの下部孔234bを経由して埃集積部3B内へと落下する。なお、図8に示す埃分離部2Bでは、図10(a)及び(b)と、図11(a)に示す天板側部226bを図示省いている。
【0058】
好ましくは、埃集積部3Bは、埃分離部2Bから着脱自在に取り付け可能とされる。例えば、埃分離部2Bにダストカップ接続部が設けられ、ダストカップ接続部には、埃集積部3Bが着脱可能に取り付けられる。接続手段として、例えば互いに螺合して係止可能である構造や、埃分離部2Bの接続部に凸形状の係止構造を設け、埃集積部3Bの接続部には凹形状の被係止構造を設けて係止可能とする等である。
【0059】
図10(a)及び(b)に示す埃分離部2Bは、図11(a)に示す内筒部22bと、(b)に示す外筒部21bと、(c)に示す下部抑え23bとから構成されている。また、一つのサイクロンドラム部20bは、図11(a)に示す一つの内筒223bと、(b)に示す一つの外筒213bとから構成される。
【0060】
図10は、図6及び図7に示す埃分離部2Bにおける斜視図である。図11は、図10に示す埃分離部2Bを分解した場合の(a)内筒部22b、(b)外筒部21b、および(c)下抑え部23bを示す図である。図12は、図11(a)に示す内筒部22bと、一つの内筒223bの構造を示す図である。図13は、図11(b)に示す外筒部21bと、その外筒部21bを上面から側から斜視した図である。
【0061】
図11(a)に示す複数の内筒223bが内筒天板221b、天板側部226bで連結されて組み合わされた構造の部材が、内筒部22bである。また、図11(b)に示す複数の外筒213bが外筒連結部211bで連結されて組み合わされた構造の部材が、外筒部21bである。また、図11(c)は、外筒部21bを下部側から支持する下抑え部23bである。図11(a)に示す内筒部22bと、図11(b)に示す外筒部21bと、図11(c)に示す下抑え部23bとが、組み合わされて、図10(a)及び(b)に示す埃分離部2Bとなる。
【0062】
例えば、図10(a)及び(b)に示す埃分離部2Bの組み立て方法の一例として、図11(a)に示す内筒部22bの各々の内筒223bの軸心を、図11(b)に示す外筒部21bの各々の外筒213bの軸心に合わせて、各々の内筒223bを外筒213bへ挿嵌する。さらに、図11(b)に示す外筒部21bの各々の外筒213bの軸心に合わせて、図11(c)に示す下抑え部23bの下板231bに設けられた各々の下部孔234bに外筒下端214bを挿嵌する。
【0063】
下抑え部23bの支柱233bは、外筒部21bの軸心沿いにサイクロンドラム部20bが占有していない空間の外筒部21bを通り、内筒部22bの内筒天板221bを支持する構造とされる。なお、支柱233bの下部には、支柱233bが中空状であるため、中空に通じる支柱孔232bが設けられているが、支柱233bは中空でなくてもよい。
【0064】
一つのサイクロンドラム部20bは、上部側に空気Kinを吸入する少なくとも一つの吸気口212bが連通された、筒径が下方向に縮径された外筒213bと、外筒213bの内側に上下方向の軸芯を外筒213bと同芯とする内筒223bとを有している。
【0065】
図7乃至図9に示すように、内筒223bの内筒下端224bは、外筒213bの外筒下端214bよりも上方側であり、内筒223bは吸気口212bから吸入された空気Kinを外筒213bと内筒223bとの間で渦流れを発生させて、旋回させることにより吸入された空気Kinに含まれる塵埃類を遠心分離し、塵埃類が分離された空気Koutを内筒下端224bから排気口225bへと導くように形成されている。一方、分離された塵埃類Gmは、内筒223bの内筒下端224bから下部孔234bを通って埃集積部3Bへ落下する。
【0066】
例えば、図7に示すように、内筒223bの排気口225bから排出される空気Koutが、排気ダクト8のダクト管口へ漏れなく導かれるように、埃分離部2Bと排気ダクト8とが接続される構造部(構造躯体部4B)が設けられる。構造躯体部4Bは、埃分離部2Bから排気する空気を排気ダクト8へ排気するための排気路を接続する接続管41bと、集塵装置1Bを天井9の貫通孔91へ嵌め込み固定するためのグリル42bとから構成される。構造躯体部4Bにより、天井9の板に取り付けられる埃分離部2Bと排気ダクト8のダクト管口との密着性を保つようにされる。
【0067】
以上のような構造躯体部4Bを埃分離部2Bと貫通孔91の形状等に合わせて製作すれば、例えば、図15及び図16に示す既存の集中換気装置100において、実施形態の集塵装置1Bを、既設の換気ユニット200に代えて、取り付け可能である。
【0068】
サイクロン式の集塵装置は、サイクロンドラムの直径が小さく、旋回流の速度が高いほど、分離性能が上昇する。したがって、上記のような換気システムに接続する集塵装置の分離性能を高めようとするならば、管路を部分的に縮径して風速を高める必要がある。
【0069】
内筒の筒形状を下方に向けて縮径していく場合には、ある程度、筒長が長くなる。この場合には、天井配置型の集塵装置とすると、使用者は、天井9から見える部分が多いと、見栄えがよくなく、好ましくないと感じるものである。しかしながら、集塵装置が吸気した空気から埃を十分に分離するために、筒体の軸方向長さがある程度必要であった。
【0070】
すなわち、吸気した空気から埃を十分に分離するために、サイクロン筒体の軸方向長さがある程度必要であり、装置寸法が大きいという課題があった。そこで、集塵装置1Bでは、サイクロンドラム部20bにおいて、吸気した空気Kinから埃を十分に分離する性能(分離性能)を高めるために、以降に説明する構造が設けられている。
【0071】
内筒223bの外周面側には、図7図12(a)及び(b)に示すように、吸気口212bの吸入方向に沿った内筒223bの下方側に向かう螺旋状の内筒突起部222bが少なくとも当該外周面側の一部に設けられている。
【0072】
埃分離部2Bでは、上下方向に沿った埃分離部2Bの軸心を中心として、その周辺方向に、外筒部21bの上部側に複数の吸気口212bが設けられている。一つの吸気口212bでは、埃分離部2Bの軸心を中心として特定の範囲に吸気方向が限られるため、複数の吸気口212bを設けることにより、優れた吸気能力を確保することができる。
【0073】
内筒223bの外周面側に螺旋状の内筒突起部222bが設けられていることにより、吸気口212bから流入された空気の渦流の勢いをさらに増すことができる。これにより、上下方向の内筒223bの筒長を短くすることが可能となり、コンパクトな集塵装置1Bとすることができる。
【0074】
複数の部屋の排気を行う、集中換気システムの場合、各部屋の排気量を適切に分配する為、好ましくは、風量調節機能を有する。本実施形態の集塵装置1Bにおける風量調節機能として、例えば以降のような風量調節機能を有することができる。
【0075】
埃分離部2Bにおいて、稼働可能ないずれかのサイクロンドラム部20bを選択する手段として、図10(b)に示すように、各サイクロンドラム部20bの空気の排気口225bに出口封鎖板229bを設けることができる構造とする。この出口封鎖板229bは、例えば内筒天板221bにおいて、排気口225bを塞ぐ又は開口する状態とするように摺動可能とすることにより、排気口225bの出口を開閉可能な構造とされる。
【0076】
埃分離部2Bにおいて、例えば図10(b)に示すように、複数のサイクロンドラム部20bのうちの排気口225bを通気させるサイクロンドラム部20bと、出口封鎖板229bで排気口225bを塞ぐサイクロンドラム部20bとを選択することで、通気させるサイクロンドラム部20b内の渦流速度を確保しながら、集塵装置1Bでの1つの部屋の排気風量を調節することができる。
【0077】
図14(a)及び(b)は、第3の実施形態の集塵装置1Bに対応する装置を試作した場合の試作品等の撮影画像である。図14(a)は、図11(a)乃至(c)に示す内筒部22b、外筒部21b及び下抑え部23bに対応する構造部品を、3Dプリンタで試作したものを画像撮影したものである。
【0078】
また、図14(b)は、図2に対応する構造の集塵装置1Bとして、図14(a)の構造部品を用いて、埃分離部2Bに対応する部品を組み立て、その他の部品として、埃集積部3B、構造躯体部4Bなどを入手可能な部材を改造して、トイレの換気用の天井の貫通孔に取り付けた状態を撮影した画像である。
【0079】
本実施形態の集塵装置1Bは、目詰まりするメッシュフィルターなどを用いないため、排気ファンの停止時に捕集した埃が落下しない構造であり、かつ、捕集した埃を所定の容器(埃集積部3B)に集積できるため、容易に回収、および、回収した容器から埃を取り出して、容易に元の位置へその容器を戻すことができる。このため、集塵装置1Bの掃除、保守の作業頻度やそれらに関するストレスを大幅に低減することができる。
【0080】
また、本実施形態の集塵装置1Bは、既存の換気装置用の天井の貫通孔に取り付け可能であり、製造コストを抑えることが可能な簡易な構造で実現できる。
【0081】
集塵装置1Bのすべて、もしくは、一部にプラスチックなどの樹脂製の材料を用いることができる。これにより、簡易な構造で、かつ、軽量の装置を実現でき、また、量産化して製造コスト等を下げることも可能である。
【0082】
この他にも、例えば埃集積部3Bの容器の側面部分や、底面部分等に、意匠性や、美観のすぐれた模様を付加、装飾用シール貼付等することにより、単なる集塵装置として天井に配置するだけでなく、美観を優れた装飾具の一面としても据え付けることもできる。また、災害・停電の非常時用に、埃集積部3Bの容器の側面部分や、底面部分等に、蛍光塗料、光蓄積塗料などを塗装等することにより、非常灯などの用途でも役に立つものとなる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態の集塵装置によれば、メンテナンスの手間を軽減し、天井配置に適したコンパクトな構造とすることができる。
【0084】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、例えばこれらの実施形態の特徴をいくつか組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0085】
1A、1B、1X、1Y…集塵装置、2A、2B、2X、2Y…埃分離部、3A、3B、3X、3Y…埃集積部、4A、4B、4X、4Y…構造躯体部、8…排気ダクト、9…天井、20a、20b、20x、20y…サイクロンドラム部、21a、21b、21x、21y…外筒部、22a、22b…内筒部、23b…下抑え部、200…換気ユニット、201…構造躯体部、202…フィルター、203…グリル、210a、210b、210x…インテーク部、211b…外筒連結部、212a、212b、212x、212y…吸気口、213a、213b、213x…外筒、214a、214b…外筒下端、221b…内筒天板、222b…内筒突起部、223a、223b…内筒、224a、224b…内筒下端、225a、225b…排気口、226b…天板側部、229b…出口封鎖板、231b…下板、232b…支柱孔、233b…支柱、234b…下部孔、41a、41b…接続管、42a、42b…グリル、91…貫通孔、100…集中換気装置、110…排気管路、300…浴室換気ユニット、400…外気吸入管路、500…戸外、700…埃

図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
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図10
図11
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図16