IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

特開2023-135025支援装置、端末装置、及び支援プログラム
<>
  • 特開-支援装置、端末装置、及び支援プログラム 図1
  • 特開-支援装置、端末装置、及び支援プログラム 図2
  • 特開-支援装置、端末装置、及び支援プログラム 図3
  • 特開-支援装置、端末装置、及び支援プログラム 図4
  • 特開-支援装置、端末装置、及び支援プログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135025
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】支援装置、端末装置、及び支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/20 20200101AFI20230921BHJP
   G06F 30/13 20200101ALN20230921BHJP
   G06F 30/28 20200101ALN20230921BHJP
   G06F 113/08 20200101ALN20230921BHJP
【FI】
G06F30/20
G06F30/13
G06F30/28
G06F113:08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040025
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 千顕
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146DC03
5B146DJ01
5B146DJ03
5B146DJ11
5B146EA02
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】居住空間の温熱環境の改善を支援する。
【解決手段】支援装置10は、居住空間に関する情報を取得する居住空間情報取得部と、居住空間情報取得部により取得された居住空間に関する情報に基づいて、居住空間の温熱環境を算出する温熱環境算出部と、温熱環境算出部により算出された居住空間の温熱環境を提示する提示部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居住空間に関する情報を取得する居住空間情報取得部と、
前記居住空間情報取得部により取得された前記居住空間に関する情報に基づいて、前記居住空間の温熱環境を算出する温熱環境算出部と、
前記温熱環境算出部により算出された前記居住空間の温熱環境を提示する提示部と、
を備える支援装置。
【請求項2】
前記居住空間情報取得部により取得された前記居住空間に関する情報に基づいて、前記居住空間の画像を生成する居住空間画像生成部を更に備え、
前記提示部は、前記居住空間画像生成部により生成された前記居住空間の画像を更に提示する
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記温熱環境算出部は、前記居住空間の少なくとも一部を変更した場合の前記居住空間の温熱環境を算出する
請求項1から2のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項4】
前記温熱環境算出部は、所定の条件における前記居住空間の温度分布を算出する
請求項1から3のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項5】
前記温熱環境算出部は、所定の条件における前記居住空間の所定位置の温度を算出する
請求項1から3のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項6】
前記居住空間情報取得部は、前記居住空間の形状を表す情報を取得し、
前記温熱環境算出部は、前記居住空間の形状に基づいて、数値流体力学によって前記居住空間の温熱環境を算出する
請求項1から5のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項7】
前記居住空間情報取得部により取得された情報に基づいて、前記居住空間に設置された建材、設備、機器、及び装置のうち少なくともいずれかの仕様を推定し、前記温熱環境を算出するための条件を設定する
請求項1から6のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項8】
コンピュータを、
居住空間に関する情報を取得する居住空間情報取得部と、
前記居住空間情報取得部により取得された前記居住空間に関する情報に基づいて、前記居住空間の温熱環境を算出する温熱環境算出部と、
前記温熱環境算出部により算出された前記居住空間の温熱環境を提示する提示部と、
として機能させるための支援プログラム。
【請求項9】
居住空間に関する情報を、居住空間に関する情報に基づいて居住空間の温熱環境を算出する支援装置に送信する居住空間情報送信部と、
前記居住空間の温熱環境を含む表示画面を前記支援装置から取得する表示画面取得部と、
前記表示画面取得部により取得された表示画面を表示装置に表示する表示制御部と、
を備える端末装置。
【請求項10】
コンピュータを、
居住空間に関する情報を、居住空間に関する情報に基づいて居住空間の温熱環境を算出する支援装置に送信する居住空間情報送信部と、
前記居住空間の温熱環境を含む表示画面を前記支援装置から取得する表示画面取得部と、
前記表示画面取得部により取得された表示画面を表示装置に表示する表示制御部と、
として機能させるための支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、居住空間の温熱環境の改善を支援するための支援装置、端末装置、及び支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、政府主導のもと、生活を快適にするリフォームの普及が進められている。具体的には消費エネルギーを抑えながら住宅の温熱環境を改善する技術や、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH:ゼッチ)の普及に向けた取り組みが行われている。ZEHとは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」である。「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」という政府目標を達成するために、ハウスメーカー等は、ZEHを実現するための様々な技術の開発を進めている。
【0003】
住宅などに使用される建材の断熱性能は以前よりも大幅に向上しているので、新築戸建住宅においては大幅な省エネルギー化が実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-067448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、中古住宅においては、断熱気密などの外皮性能が十分に備えられていないのが現状である。断熱性能の高い建材が使用されていない中古の戸建住宅であっても、断熱性能の高い建材を設置するリフォームを実施することによって、住宅の断熱性能を大幅に向上させることが可能であるが、一般的な所有者は、建材やリフォームに関する知識を持ち合わせていないので、リフォームの有用性を認識しておらず、リフォームが必要であると感じていない。
【0006】
顧客が住宅に関する知識を深めることを可能とする技術として、温度環境などをシミュレーションしてユーザに提示する住宅情報提供システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、住宅に関する知識が深まったとしても、他人事として捉えられてしまいがちであり、自己が所有する住宅のリフォームを実施するための行動にはつながりにくいことを本発明者らは課題として認識した。
【0007】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、居住空間の温熱環境の改善を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の支援装置は、居住空間に関する情報を取得する居住空間情報取得部と、居住空間情報取得部により取得された居住空間に関する情報に基づいて、居住空間の温熱環境を算出する温熱環境算出部と、温熱環境算出部により算出された居住空間の温熱環境を提示する提示部と、を備える。
【0009】
本開示の別の態様は、端末装置である。この装置は、居住空間に関する情報を、居住空間に関する情報に基づいて居住空間の温熱環境を算出する支援装置に送信する居住空間情報送信部と、居住空間の温熱環境を含む表示画面を支援装置から取得する表示画面取得部と、表示画面取得部により取得された表示画面を表示装置に表示する表示制御部と、を備える。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る支援システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。
図3】実施の形態に係る支援装置の構成を示す図である。
図4】実施の形態に係る端末装置の構成を示す図である。
図5】端末装置に表示される表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施の形態において、住宅などの居住空間の温熱環境の改善を支援する技術について説明する。
【0013】
本実施の形態の支援システムは、居住空間に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて居住空間の温熱環境を算出して提示する。これにより、居住者は、自己の居住空間の温熱環境を把握することができるので、温熱環境を改善するためのリフォームなどを検討することができる。また、居住空間の温熱環境を改善するためのリフォームを促進し、ZEHを普及させることができる。
【0014】
本実施の形態では、ユーザが自宅をリフォームする場合について主に説明する。本実施の形態の技術は、住宅などの居住空間を含む任意の建築物を新築したりリフォームしたりする場合にも適用可能である。
【0015】
図1は、実施の形態に係る支援システムの構成を示す。支援システム100は、ユーザが使用する端末装置2、ユーザが居住する住宅1の温熱環境の改善を支援する支援装置10、及びこれらの装置を接続する通信網の一例であるインターネット3を備える。
【0016】
端末装置2は、住宅1に関する情報をユーザから受け付けて、支援装置10に送信する。支援装置10は、端末装置2から取得した情報に基づいて、住宅1の温熱環境を算出し、端末装置2に提示する。
【0017】
支援装置10は、住宅1の内部の三次元形状に基づいて、数値流体力学によって住宅1の内部の温度分布を算出してもよい。住宅1の内部の三次元形状は、住宅1の内部の撮像画像などに基づいて算出してもよいし、LiDARなどの技術により取得された点群データを利用してもよい。支援装置10は、算出した温熱環境を表す画像のみを提示してもよいし、住宅1の内部の画像に、算出した住宅1の温熱環境を表す画像を重畳して提示してもよい。これにより、予め準備された居住空間のサンプルにおける温熱環境ではなく、ユーザ自身が居住する住宅1の温熱環境であることを分かりやすく提示することができるので、ユーザの興味をより強く誘起することができ、リフォームの実施を促すことができる。
【0018】
支援装置10は、住宅1が存在する地域の夏期、冬期などにおける平均気温を外気温として設定し、夏期、冬期などにおける住宅1の内部の温熱環境を算出してもよい。これにより、リフォームの必要性や重要性をより強くユーザに印象づけることができる。
【0019】
支援装置10は、住宅1に使用されている建材を断熱などの性能がより高い建材に置き換えるなど、住宅1の少なくとも一部を変更するリフォームを実施する前後の住宅1の内部の温熱環境を算出して提示してもよい。これにより、リフォームの効果を分かりやすく提示することができるので、リフォームの必要性や重要性をより強くユーザに印象づけ、リフォームの実施を促すことができる。
【0020】
支援装置10は、より簡易な方法で住宅1の内部の温熱環境を算出してもよい。例えば、数値流体力学におけるメッシュを計算結果に大きな差異が出ない程度に粗くして、計算点の数を削減してもよい。また、数式やテーブルなどを使用して住宅1の内部の所定位置における温度を算出してもよい。数式は、外気温、壁の厚さ、部屋の広さ、向き、などのパラメータを入力し、温度を出力するものであってもよい。テーブルは、これらのパラメータと温度との対応関係を定めたものであってもよい。これにより、住宅1の温熱環境を算出するための負荷を軽減することができるので、ユーザに住宅1の温熱環境を提示するまでの時間を短縮することができる。
【0021】
図2は、実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。ユーザは、端末装置2によって住宅1の内部を撮像する(S10)。ユーザは、住宅1の内部を移動しながら動画像を撮像してもよいし、複数の位置において複数の方向の静止画像を撮像してもよい。本実施の形態では、撮像画像に基づいて住宅1の内部の形状や設置物の形状を算出するので、測距機能を有するカメラを使用することが好ましいが、測距機能を有しないカメラを使用する場合には、視点の異なる複数の撮像画像の視差から三角測量により距離を算出し、各画素の三次元位置を取得してもよい。すなわち、撮像対象までの距離は、ステレオカメラにより測定されてもよいし、赤外線深度センサー、超音波センサー、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)などにより測定されてもよいし、複視点の画像から三次元形状を再現するSfM(Structure from Motion)により取得されてもよいし、その他の既知の任意の技術を利用して取得されてもよい。端末装置2は、撮像した動画像又は静止画像を支援装置10に送信する(S11)。
【0022】
ユーザは、住宅1に関する情報を端末装置2に入力する(S12)。住宅1に関する情報は、例えば、住宅1が存在する地域、住宅1の築年数、構造(木造、軽量鉄骨造、RC造など)、部屋の数、向き、階数、住宅1において使用されているガラスなどの建材の仕様、外壁の色などであってもよい。これらの情報は、支援装置10が住宅1の温熱環境を算出する際に、計算条件を設定するために使用される。住宅1において使用されている建材の種類、数、位置、仕様や機能などの詳細などが分かる場合は、ユーザは、これらの情報を端末装置2に入力してもよい。端末装置2は、入力された情報を支援装置10に送信する(S13)。
【0023】
支援装置10は、端末装置2から取得した撮像画像に基づいて、住宅1の内部の形状を算出する(S14)。支援装置10は、撮像画像において床、壁、天井、柱、梁などの構造物を識別し、それぞれの形状を算出してもよい。なお、床や壁などを区別する必要はなく、外空間から区切られている空間の形を室内空間(シミュレーション領域)として認識できればよい。設置物などで隠れている箇所や、端末装置2により撮像できなかった箇所などの形状は、人工知能などの任意の技術を用いて補完してもよい。住宅1の設計図などを取得できる場合は、設計図などを参照して住宅1の内部の形状を算出してもよい。
【0024】
支援装置10は、撮像画像に基づいて、住宅1の内部に存在する設備、機器、家具、建材などを含む設置物の形状を算出してもよい(S16)。設置物は、例えば、キッチン、洗面台などの設備や、照明器具、家電機器などの機器や、テーブル、棚などの家具や、窓、ドアなどの建材などを含む。この場合も同様に、隠れている箇所や撮像できなかった箇所などの形状は、人工知能などの任意の技術を用いて補完してもよい。
【0025】
支援装置10は、住宅1の温熱環境を算出するための計算条件を設定する(S18)。計算条件は、例えば、計算方法(数値流体力学、数式、テーブルなど)、計算方法におけるパラメータ(数値流体力学におけるメッシュ数、境界条件など)、環境条件(外気温、入射日射量、室内の湿度、風速など)、住宅1の構造に関する条件(壁の厚さ、部屋の数、位置、向きなど)、住宅1に設置された建材や設備などに関する条件(断熱材の有無、種類、数、位置、換気設備による換気の有無、換気速度、冷暖房設備により供給される空気の温度、風速など)などであってもよい。
【0026】
支援装置10は、住宅1に関する情報から、住宅1の構造や住宅1に設置されている建材や設備などを推定し、計算条件を設定してもよい。例えば、支援装置10は、住宅1の築年数と構造から、設置されている断熱材の仕様を推定して設定してもよい。支援装置10は、部屋の向きと窓ガラスの仕様から、入射日射量を推定して設定してもよい。
【0027】
支援装置10は、住宅1の少なくとも一部を変更するリフォームが実施された後の住宅1の温熱環境を算出するための計算条件を設定してもよい。この場合、支援装置10は、リフォームによって変更、追加、削除、修繕される建材の種類、数、位置、仕様などを設定する。
【0028】
支援装置10は、設定された計算条件にしたがって、住宅1の温熱環境を算出する(S20)。支援装置10は、住宅1の内部の所定位置における温度を算出してもよいし、住宅1の内部の温度分布を算出してもよい。支援装置10は、住宅1の内部の湿度、風速、酸素濃度、二酸化炭素濃度などを算出してもよい。支援装置10は、住宅1の内部の温度、温度分布、湿度、風速、酸素濃度、二酸化炭素濃度などから、住宅1の内部の温熱快適性を表す指数や、知的生産性を表す指数などを算出してもよい。
【0029】
支援装置10は、端末装置2から取得した撮像画像に基づいて、住宅1の内部の画像を生成してもよい(S22)。支援装置10は、住宅1の内部の画像に基づいて算出された住宅1の内部の三次元形状データをレンダリングすることにより、住宅1の内部の画像を生成してもよい。支援装置10は、住宅1の内部の撮像画像や点群データの少なくとも一部を利用して住宅1の内部の画像を生成してもよい。
【0030】
支援装置10は、住宅1の温熱環境を提示するための表示画面を生成する(S24)。支援装置10は、住宅1の内部の画像に、住宅1の内部の所定位置における温度を示す情報を重畳してもよい。支援装置10は、住宅1の内部の画像に、住宅1の内部における温度分布を示す画像や等温線を重畳してもよい。
【0031】
支援装置10は、表示画面において、計算条件を示す情報を表示してもよい。例えば、支援装置10は、住宅1の温熱環境を算出したときの外気温などの条件を表示画面に表示してもよい。支援装置10は、住宅1の一部を変更するリフォームを実施した後の住宅1の温熱環境を提示する場合、変更の内容を表示画面に表示してもよい。例えば、設置した断熱材の種類、数、位置などを表示画面に表示してもよい。支援装置10は、そのリフォームに要する費用の見積もりを算出し、表示画面に表示してもよい。
【0032】
図3は、実施の形態に係る支援装置10の構成を示す。支援装置10は、記憶装置14、通信装置16、及び制御装置20を備える。支援装置10は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピューターなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0033】
通信装置16は、端末装置2との間で通信を行い、端末装置2との間でデータを受信する。また、通信装置16は、インターネット3を介して他の装置との間で通信を行う。
【0034】
記憶装置14は、制御装置20により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置14は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。また、記憶装置14は、支援装置10の内部に設置されていてもよく、クラウド上に設置されていてもよい。記憶装置14は、端末装置2から取得された住宅1の撮像画像、住宅1の内部や設置物などの形状データ、住宅1や設置物などに関する情報などを保持するデータ保持部15を備える。
【0035】
制御装置20は、居住空間画像取得部21、居住空間情報取得部22、居住空間形状算出部23、設置物形状算出部24、居住空間画像生成部25、計算条件設定部26、温熱環境算出部27、表示画面生成部28、及び提示部29を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、回路、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0036】
居住空間画像取得部21は、端末装置2から住宅1の撮像画像を取得する。居住空間画像取得部21は、住宅1の点群データなど、撮像画像以外の情報を取得してもよい。居住空間情報取得部22は、端末装置2から住宅1に関する情報を取得する。
【0037】
居住空間形状算出部23は、端末装置2から取得した撮像画像などの情報に基づいて、住宅1の内部の形状を算出する。設置物形状算出部24は、端末装置2から取得した撮像画像などの情報に基づいて、住宅1の内部に存在する設備、機器、家具、建材などを含む設置物の形状を算出してもよい。
【0038】
居住空間画像生成部25は、端末装置2から取得した撮像画像に基づいて、住宅1の内部の画像を生成してもよい。
【0039】
計算条件設定部26は、住宅1の温熱環境を算出するための計算条件を設定する。温熱環境算出部27は、設定された計算条件にしたがって、住宅1の温熱環境を算出する。
【0040】
表示画面生成部28は、住宅1の温熱環境を提示するための表示画面を生成する。提示部29は、表示画面生成部28により生成された表示画面を端末装置2に提示する。
【0041】
図4は、実施の形態に係る端末装置2の構成を示す。端末装置2は、通信装置51、表示装置52、入力装置53、撮像装置54、記憶装置55、及び制御装置60を備える。端末装置2は、パーソナルコンピューターなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0042】
通信装置51は、支援装置10との間で通信を行い、支援装置10との間でデータを受信する。また、通信装置51は、インターネット3を介して他の装置との間で通信を行う。
【0043】
表示装置52は、制御装置60により生成される画面を表示する。表示装置52は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置53は、端末装置2の使用者による指示入力を制御装置60に伝達する。入力装置53は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置52及び入力装置53は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0044】
撮像装置54は、住宅1の画像を撮像する。記憶装置55は、制御装置60により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置55は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。
【0045】
制御装置60は、居住空間撮像制御部61、居住空間画像送信部62、居住空間情報入力部63、居住空間情報送信部64、表示画面取得部65、及び表示制御部66を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、回路、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0046】
居住空間撮像制御部61は、住宅1の画像の撮像を制御する。居住空間撮像制御部61は、撮像位置や撮像方向などをユーザに指示してもよい。居住空間画像送信部62は、撮像装置54により撮像された住宅1の画像や点群データなどを支援装置10に送信する。
【0047】
居住空間情報入力部63は、住宅1に関する情報の入力を受け付ける。居住空間情報入力部63は、入力すべき情報の種類などを表示装置52に表示し、入力装置53から入力を受け付けてもよい。居住空間情報送信部64は、居住空間情報入力部63により入力を受け付けた情報を支援装置10に送信する。
【0048】
表示画面取得部65は、支援装置10により生成された表示画面を取得する。表示制御部66は、表示画面取得部65により取得された表示画面を表示装置52に表示する。
【0049】
図5は、端末装置2に表示される表示画面の例を示す。表示画面には、現状の住宅1の温熱環境と、壁に断熱材を設置した場合の温熱環境が表示される。表示画面には、現状とリフォーム後のそれぞれの場合について、住宅1の内部の画像と、夏期及び冬期における住宅1の内部の温度と、温熱環境性及び知的生産性の評価結果が表示される。これにより、ユーザは、現状の住宅1の温熱環境を把握することができるとともに、リフォームの効果を理解することができる。したがって、温熱環境を改善するリフォームの実施を促進することができ、ZEHの普及に寄与することができる。
【0050】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【0051】
上記の実施の形態では、主に住宅について説明したが、実施の形態の技術は、住宅以外の建築物にも適用可能である。また中古住宅のリフォームに限定されず、新築住戸の温熱環境シミュレーションにも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 住宅、2 端末装置、10支援装置、21 居住空間画像取得部、22 居住空間情報取得部、23 居住空間形状算出部、24 設置物形状算出部、25 居住空間画像生成部、26 計算条件設定部、27 温熱環境算出部、28 表示画面生成部、29 提示部、54 撮像装置、61 居住空間撮像制御部、62 居住空間画像送信部、63 居住空間情報入力部、64 居住空間情報送信部、65 表示画面取得部、66 表示制御部、100 支援システム。
図1
図2
図3
図4
図5