(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135056
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】流体浄化装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/18 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
A61L9/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040068
(22)【出願日】2022-03-15
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業「優れた空間遮断力とウィルス不活化機能をもつ卓上型エアーカーテンの生成装置の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 知実
(72)【発明者】
【氏名】高牟禮 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 恭晃
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直樹
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH05
4C180HH19
4C180LL11
4C180MM08
(57)【要約】
【課題】流体を浄化することができる新規で有用な技術を提供する。
【解決手段】流体浄化装置は、並列に配置される複数の浄化ユニットを備えている。複数の浄化ユニットのそれぞれは、流入部と、流出部と、つづら折り状の流体通路と、を備えている。流体通路は、第1方向に並んでおり、第1方向に直交する第2方向に延びる複数の直線路と、1以上の第1の接続路であって、複数の直線路のうち、第2方向において隣り合う2個の直線路の第1方向の第1側の端部を接続する1以上の第1の接続路と、1以上の第2の接続路であって、複数の直線路のうち、第2方向において隣り合う2個の直線路の第1方向の第2側の端部を接続する1以上の第2の接続路と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置される複数の浄化ユニットを備え、
前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、
流体が流入する流入部と、
流体が流出する流出部と、
前記流入部と前記流出部とを接続するつづら折り状の流体通路と、を備え、
前記流体通路は、
第1方向に並んでおり、前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の直線路であって、最上流側に配置されており、上流端が前記流入部に接続されている最上流側直線路と、最下流側に配置されており、下流端が前記流出部に接続されている最下流側直線路と、前記最上流側直線路と前記最下流側直線路との間に設けられている1以上の中央側直線路と、を含む前記複数の直線路と、
1以上の第1の接続路であって、前記複数の直線路のうち、前記第1方向において隣り合う2個の直線路の前記第2方向の第1側の端部を接続する前記1以上の第1の接続路と、
1以上の第2の接続路であって、前記複数の直線路のうち、前記第1方向において隣り合う2個の直線路の前記第2方向の第2側であって、前記第1の側と反対側の前記第2の側の端部を接続する前記1以上の第2の接続路と、を備え、
前記最上流側直線路の下流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの一方に接続されており、
前記最下流側直線路の上流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの一方に接続されており、
前記1以上の中央側直線路の上流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの一方に接続されており、前記1以上の中央側直線路の下流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの他方に接続されている、
流体浄化装置。
【請求項2】
前記流体浄化装置は、3個~6個の浄化ユニットを備えている、請求項1に記載の流体浄化装置。
【請求項3】
前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、4以上の第1の接続路を備えている、請求項1又は2に記載の流体浄化装置。
【請求項4】
前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、
前記流入部に設けられるフィルタを備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載の流体浄化装置。
【請求項5】
前記複数の浄化ユニットのそれぞれに流入する流量は、500L/min以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の流体浄化装置。
【請求項6】
前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、
前記複数の直線路に設けられているLEDを備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の流体浄化装置。
【請求項7】
前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、
前記1以上の第1の接続路のうち少なくとも1個の第1の接続路に設けられている1以上のLEDを備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載の流体浄化装置。
【請求項8】
前記第2方向における前記第1の接続路と前記第2の接続路との間の第1の長さが、前記第1方向における前記直線路の第2の長さの10倍よりも大きい、請求項7に記載の流体浄化装置。
【請求項9】
前記第1の長さが、前記第2の長さの20倍よりも小さい、請求項8に記載の流体浄化装置。
【請求項10】
前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、
前記1以上の接続路のうち少なくとも1個の第2の接続路に設けられている1以上のLEDを備えている、請求項8又は9に記載の流体浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、流体浄化装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、LEDから照射される紫外光によって、流体を殺菌処理する流体浄化装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、流体を浄化することができる新規で有用な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される流体浄化装置は、並列に配置される複数の浄化ユニットを備え、前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、流体が流入する流入部と、流体が流出する流出部と、前記流入部と前記流出部とを接続するつづら折り状の流体通路と、を備え、前記流体通路は、第1方向に並んでおり、前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の直線路であって、最上流側に配置されており、上流端が前記流入部に接続されている最上流側直線路と、最下流側に配置されており、下流端が前記流出部に接続されている最下流側直線路と、前記最上流側直線路と前記最下流側直線路との間に設けられている1以上の中央側直線路と、を含む前記複数の直線路と、1以上の第1の接続路であって、前記複数の直線路のうち、前記第1方向において隣り合う2個の直線路の前記第2方向の第1側の端部を接続する前記1以上の第1の接続路と、1以上の第2の接続路であって、前記複数の直線路のうち、前記第1方向において隣り合う2個の直線路の前記第2方向の第2側であって、前記第1の側と反対側の前記第2の側の端部を接続する前記1以上の第2の接続路と、を備え、前記最上流側直線路の下流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの一方に接続されており、前記最下流側直線路の上流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの一方に接続されており、前記1以上の中央側直線路の上流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの一方に接続されており、前記1以上の中央側直線路の下流端は、前記第1の接続路及び前記第2の接続路のうちの他方に接続されていてもよい。
【0006】
上記の流体浄化装置の浄化ユニットは、つづら折り状の流体通路を備えている。このような構成によると、流体がつづら折り状の流体通路の第1接続路、及び、第2接続路を通過する際に、流体内のウイルス等が第1接続路、及び、第2接続路に捕獲される。第1の接続路、及び、第2の接続路の数が多い程、流体浄化装置によって除去されるウイルス等の量を増やすことができる。しかしながら、第1接続路、及び、第2接続路の数が増えるにつれて、浄化ユニットにおける入口側の圧力と出口側の圧力との差分(以下では、「圧力損失」と記載する)が大きくなる。この場合、流体浄化装置に流体を送出する機械の出力を大きくする必要がある。上記の構成によると、複数の浄化ユニットが並列に配置されていることで、流体浄化装置における第1接続路、及び、第2接続路の数を増やすことができ、流体浄化装置による流体を浄化する能力を向上させることができる。また、複数の浄化ユニットが並列に配置されているために、複数の浄化ユニットが直列に配置されている構成と比較して、複数の浄化ユニットのそれぞれに送出される流量を低減させることができる。この場合、複数の浄化ユニットのそれぞれにおける圧力損失を小さくすることができる。従って、流体浄化装置に流体を送出する機械の出力を大きくすることなく、流体浄化装置による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0007】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記流体浄化装置は、3個~6個の浄化ユニットを備えていてもよい。
【0008】
浄化ユニットの数が多い程、流体浄化装置に流体を送出する機械の出力を大きくする必要がある。一方、浄化ユニットの数が少ない程、流体を浄化する能力が低くなる。上記の構成によると、流体浄化装置に流体を送出する機械の出力を大きくすることなく、流体浄化装置による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0009】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、4以上の第1の接続路を備えていてもよい。
【0010】
第1の接続路の数が多い程、1個の浄化ユニットによって除去されるウイルス等の量を増やすことができる。しかしながら、第1の接続路の数が多い程、圧力損失も大きくなる。上記の構成によると、圧力損失が比較的に大きくなることを抑制しながら、流体浄化装置による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、前記流入部部に設けられるフィルタを備えていてもよい。
【0012】
上記の構成によると、フィルタによって、浄化ユニット内に埃が浸入することを抑制することができるとともに、フィルタによって、ウイルス等を捕獲することができる。従って、流体浄化装置による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記複数の浄化ユニットのそれぞれに流入する流量は、500L/min以下であってもよい。
【0014】
1個の浄化ユニットに流入する流量が500L/minを超えると、圧力損失が大幅に増加し得る。上記の構成によると、複数の浄化ユニットのそれぞれにおける圧力損失を低減させることができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、前記複数の直線路に設けられているLEDを備えてもよい。
【0016】
上記の構成によると、直線路を流れる流体に直線路に設けられているLEDから照射される紫外光が照らされる。この場合、LEDから照射される紫外光によって、流体内のウイルス等が不活化される。従って、流体浄化装置による流体を浄化する能力をより向上させることができる。なお、LEDは、例えば、紫外線を発する紫外線LEDであるが、深紫外線を発する深紫外線LEDであるとより好ましい。深紫外線は、紫外線と比較してウイルス等を不活化させる能力が高い。このため、深紫外線LEDを用いることで、流体浄化装置による流体を浄化する能力をより向上させることができる。
【0017】
複数の浄化ユニットのそれぞれは、前記1以上の第1の接続路のうち少なくとも1個の第1の接続路に設けられている1以上のLEDを備えていてもよい。
【0018】
上記の構成によると、直線路を流れる流体に第1の接続路に設けられているLEDから照射される紫外光が照らされる。この場合、LEDから照射される紫外光によって、流体内のウイルス等が不活化される。従って、流体浄化装置による流体を浄化する能力をより向上させることができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第2方向における前記第1の接続路と前記第2の接続路との間の第1の長さが、前記第1方向における前記直線路の第2の長さの10倍よりも大きくてもよい。
【0020】
LEDから照射される紫外光は、直進性が高い。このため、仮に、第1の長さが、第2の長さの10倍よりも小さい場合、第1接続路に接続される直線路を流れる流体のうち、LEDから照射される紫外光によって照らされる流体の量が少ない。第1の長さを第2の長さの10倍よりも大きくすることによって、第1接続路に接続される直線路を流れる流体のうち、LEDから照射される紫外光によって照らされる流体の量を多くすることができる。LEDから照射される紫外光によって照らされる流体の量を多くすることで、不活化されるウイルス等の量を多くすることができる。従って、流体浄化装置による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1の長さが、前記第2の長さの20倍よりも小さくてもよい。
【0022】
LEDの発光強度は、LEDから離れる程、減衰して小さくなる。このため、第1方向において、第1接続路から比較的に遠い位置を流れる流体を照らす紫外光の発光強度が小さくなる。この場合、流体中のウイルス等が不活化されなくなる可能性がある。上記の構成によると、第1の長さを第2の長さの20倍よりも小さくすることで、発光強度が比較的に高い紫外光によって直線路を流れる流体を照らすことができ、流体内のウイルス等を不活化させることができる。従って、流体浄化装置による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記複数の浄化ユニットのそれぞれは、前記1以上の接続路のうち少なくとも1個の第2の接続路に設けられている1以上のLEDを備えていてもよい。
【0024】
上記の構成によると、直線路を流れる流体を、第2の接続路に設けられているLEDから照射される紫外光によって照らすこともできる。このため、LEDによって不活化されるウイルス等の量をより多くすることができる。従って、流体浄化装置による流体を浄化する能力をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1実施例に係るエアーカーテン2の概略構成図である。
【
図2】第1実施例に係る除去ユニット30の前断面図である。
【
図3】第1実施例に係るLED46の表面温度のシミュレーション結果を示す図である。
【
図4】3個の除去ユニット130に流体が送出される場合の圧力のシミュレーション結果を示す図である。
【
図5】除去ユニット230に流体が送出される場合の圧力のシミュレーション結果を示す図である。
【
図6】1個の除去ユニット130に流体が送出される場合の圧力のシミュレーション結果を示す図である。
【
図7】第2実施例に係る除去ユニット330の前断面図である。
【
図8】第2実施例に係るLED346の表面温度のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施例)
図1に示すように、エアーカーテン2は、流体送出装置4と、ウイルス除去装置6と、流体輸送機械8と、を備えている。流体輸送機械8は、機械側流入口8aから機械側流出口8bへ向けて流体を送出する。流体輸送機械8は、空気を流動させる送風ファンである。ウイルス除去装置6は、流体内のウイルス、細菌、真菌等を除去(例えば、不活化、殺菌、捕獲)することによって、流体を浄化させる装置である。
【0027】
流体送出装置4は、第1流体通路10~第4流体通路16を備えている。第1流体通路10の上流端は、流体輸送機械8の機械側流出口8bに接続されている。第1流体通路10の下流端には、第2流体通路12の上流端が接続されている。第2流体通路12は、第1流体通路10の下流端から上方に延びる第1直線部12aと、第1直線部12aの上流端から前方に延びる第2直線部12bと、を有している。第2直線部12bの下面には、送出口12cが形成されている。送出口12cは、細長い略長方形状の開口であって、下方を向いて配置されている。第2流体通路12を流れる流体は、第1直線部12aを後方から前方に流れるとともに、送出口12cから下方に向けて流れて、送出口12cを介して外部に送出される。
【0028】
第4流体通路16の下流端は、ウイルス除去装置6に接続されている。第4流体通路16の上流端には、第3流体通路14の下流端が接続されている。第3流体通路14は、直線部16aを有している。直線部14aは、第2流体通路12の第2直線部12bの下方に設けられている。直線部14aの上面には、吸込口14bが形成されている。吸込口14bは、細長い略長方形状の開口であって、上方を向いて配置されている。吸込口14bは、送出口12cに対向して配置されている。外部から吸込口14bを介して第3流体通路14の直線部14aに流入する流体は、第3流体通路14、及び、第4流体通路16を通過して、ウイルス除去装置6に流入する。
【0029】
ウイルス除去装置6は、6個の除去ユニット30を備えている。6個の除去ユニット30は、前後方向に並んで配置されている。6個の除去ユニット30は、ユニット流入路32と、ユニット本体部34と、ユニット流出路36と、を備えている。6個のユニット流入路32の上流端は、流体送出装置4の第4流体通路16の下流端に接続されている。6個のユニット流入路32の下流端のそれぞれは、ユニット本体部34に接続されている。6個のユニット流出路36の上流端のそれぞれは、ユニット本体部34に接続されている。6個のユニット流出路36の下流端は、流体輸送機械8の機械側流入口8aに接続されている。6個の除去ユニット30は、流体送出装置4と流体輸送機械8との間において、並列に配置されている。なお、ウイルス除去装置6は、3個~6個の除去ユニット30を有しているとよい。
【0030】
ユニット本体部34は、直方体形状を有している。
図2に示すように、ユニット本体部34の右面の下部には、本体側流入口34aが形成されている。本体側流入口34aには、ユニット流入路32の下流端が接続されている。本体側流入口34aには、フィルタ35が設けられている。ユニット本体部34の右面の上部には、本体側流出口34bが形成されている。本体側流出口34bには、ユニット流出路36の上流端が接続されている。
【0031】
ユニット本体部34は、つづら折りに形成されたユニット内流体通路38を有している。ユニット内流体通路38は、10個の直線路40a~40jと、第1左側接続路42a~第5左側接続路42eと、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dと、を有している。10個の直線路40a~40jは、左右方向に延びており、上下方向に並んで配置されている。10個の直線路40a~40jは、最上流に配置されている最上流側直線路40aと、8個の中央側直線路40b~40hと、最下流に配置されている最下流側直線路40jと、を含んでいる。最上流側直線路40aと最下流側直線路40jとの間に、8個の中央側直線路40b~40hが配置されている。最上流側直線路40aの上流端(右端)は、本体側流入口34aに接続されている。最下流側直線路40jの下流端(右端)は、本体側流出口34bに接続されている。第1左側接続路42a~第5左側接続路42eは、上下方向において隣り合う2個の直線路の左端を接続している。例えば、第1左側接続路42aは、最上流側直線路40aの左端(即ち下流端)と、中央側直線路40bの左端(即ち上流端)と、を接続する。第1右側接続路44a~第4右側接続路44dは、上下方向において隣り合う2個の直線路の右端を接続している。例えば、第1右側接続路44aは、中央側直線路40bの右端(即ち下流端)と、中央側直線路40cの右左端(即ち上流端)と、を接続する。以下では、直線路40a~40j、第1左側接続路42a~第5左側接続路42e、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dを総称して、それぞれ、「直線路40」、「左側接続路42」、「右側接続路44」と記載することがある。
【0032】
直線路40の上面には、10個のLED46が設けられている。10個のLED46は、前後方向に並んで設けられている。10個のLED46は、直線路40の上面の内壁から下方に突出している。なお、変形例では、直線路40の下面にLEDが設けられていてもよい。
【0033】
続いて、10個の直線路40a~40j、第1左側接続路42a~第5左側接続路42e、及び、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの長さについて説明する。10個の直線路40a~40jの上下方向の長さは、長さD1である。第1左側接続路42a~第5左側接続路42e、及び、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの上下方向の長さは、長さD2である。最上流側直線路40a及び最下流側直線路40jの左右方向の長さは、長さD3である。8個の中央側直線路40b~40hの左右方向の長さは、長さD4である。第1左側接続路42a~第5左側接続路42e、及び、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの左右方向の長さは、長さD5である。第1左側接続路42aの左面と第1右側接続路44aの右面との間の長さは、長さD6である。10個の直線路40a~40jの上下方向の長さD1は、第1左側接続路42a~第5左側接続路42e、及び、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの左右方向の長さD5と同じである。即ち、長さD2は、長さD1及び長さD5の2倍の長さである。本実施例では、第1左側接続路42aの左面と第1右側接続路44aの右面との間の長さD6は、第1左側接続路42a~第5左側接続路42e、及び、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの左右方向の長さD1の10倍~20倍の範囲になるように、各路の長さが設定されている。長さD1は、例えば、50mmであり、長さD6は、500mm~1000mmの範囲内である。また、長さD2、D5は、例えば、100mmである。
【0034】
本実施例のウイルス除去装置6では、除去ユニット30内を通過する流体がLED46から照射される紫外光によって照らされる時間が、5秒以上になるように、除去ユニット30に流入する流量、ユニット内流体通路38の長さが決定されている。例えば、6個の除去ユニット30のそれぞれに流入する流量は、500L/minである。LED46から照射される紫外光によって照らされる時間を5秒以上にすることによって、流体内のウイルスが不活化する可能性を高めることができる。
【0035】
(LED46の表面温度)
続いて、
図3を参照して、除去ユニット30のLED46の表面温度のシミュレーション結果について説明する。
図3の実線は、流体輸送機械8が駆動されており、かつ、LED46が点灯している状態(以下では、「送出状態」と記載することがある)におけるLED46の表面温度を示す。
図3の破線は、流体輸送機械8の駆動が停止されており、かつ、LED46が点灯している状態(以下では、「停止状態」と記載することがある)におけるLED46の表面温度を示す。
【0036】
図3の初期状態におけるLED46の表面温度は、約20℃である。停止状態(
図3の破線)において、LED46の表面温度は約150℃まで上昇する。一方、送出状態(
図3の実線)において、LED46の表面温度の上昇は、約70℃に抑制される。送出状態では、ユニット内流体通路38(詳細には、直線路40)内を流れる流体がLED46に接触することによって、LED46が冷却され、LED46の表面温度の上昇が抑制される。LED46の表面温度の上昇が抑制されることによって、LED46から照射される紫外光の発光強度が弱くなることを抑制することができる。
【0037】
(圧力損失)
続いて、
図4~
図6を参照して、除去ユニット130に流体が送出される場合の圧力(
図4参照)と、除去ユニット230に流体が送出される場合の圧力(
図5参照)と、除去ユニット130に流体が送出される場合の圧力(
図6参照)と、のシミュレーション結果について説明する。
図4の除去ユニット130は、シミュレーション用のユニットであり、ユニット内流体通路の構造が、除去ユニット30のユニット内流体通路38(
図2参照)の構造とは異なる。
図4は、3個の除去ユニット130が並列に配置されている場合の圧力の分布図を示す図である。
図5に示すように、除去ユニット230では、3個の除去ユニット130が直列に配置されている。即ち、
図5は、3個の除去ユニット130が直列に配置されている場合の圧力の分布図を示す図である。
図6は、1個の除去ユニット130が配置されている場合の圧力の分布図を示す図である。
図4~
図6は、除去ユニット130、230に送出される流量が1500L/minの場合のシミュレーション結果である。
【0038】
図4の場合、3個の除去ユニット130が並列に配置されているために、3個の除去ユニット130のそれぞれに流入する流量は、500L/minである。この場合、入口側の圧力と出口側の圧力との差分(以下では、「圧力損失」と記載する)は、約100Paである。一方、
図5の場合、3個の除去ユニット130が直列に配置されているために、1個の除去ユニット230に流入する流量は、1500L/minである。この場合の圧力損失は、約2150Paである。このように、
図4と
図5との比較から、3個の除去ユニット130を並列に配置させることによって、3個の除去ユニット130を直列に配置させる構成と比較して、圧力損失を大幅に低減させることができることが分かる。
【0039】
図6の場合、1個の除去ユニット130のみが配置されているために、1個の除去ユニット130に流入する流体量は、1500L/minである。この場合の圧力損失は、約770kPaである。このように、
図4と
図6との比較から、1個の除去ユニット130に流入する流量を500L/min以下にすることで、圧力損失が大幅に低減させることができる。
【0040】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図1、
図2に示すように、ウイルス除去装置6(「流体浄化装置」の一例)は、並列に配置される6個の除去ユニット30(「浄化ユニット」の一例)を備えている。6個の除去ユニット30のそれぞれは、流体が流入する本体側流入口34a(「流入口」の一例)と、流体が流出する本体側流出口34b(「流出口」の一例)と、本体側流入口34aと本体側流出口34bとを接続するつづら折り状のユニット内流体通路38(「流体通路」の一例)と、を備えている。ユニット内流体通路38は、上下方向(「第1方向」の一例)に並んでおり、左右方向(「第2方向」の一例)に延びる10個の中央側直線路40であって、最上流側に配置されており、右端(「上流端」の一例)がユニット流入路32に接続されている最上流側直線路40aと、最下流側に配置されており、右端(「下流端」の一例)がユニット流出路36に接続されている最下流側直線路40jと、最上流側直線路40aと最下流側直線路40jとの間に設けられている8個の中央側直線路40b~40iと、を含む10個の直線路40と、10個の直線路40のうち、上下方向に隣り合う2個の直線路40の左側(「第1の側」の一例)の端部を接続する5個の左側接続路42(「第1の接続路」の一例)と、直線路40のうち、上下方向において隣り合う2個の直線路40の右側(「第2の側」の一例)の端部を接続する4個の右側接続路44(「第2の接続路」の一例)と、を備えている。最上流側直線路40aの左端(「下流端」の一例)は、左側接続路42に接続されており、最下流側直線路40jの左端(「上流端」の一例)は、左側接続路42に接続されている。8個の中央側直線路40b~40iの上流端は、左側接続路42及び右側接続路44のうちの一方に接続されており、8個の中央側直線路40b~40iの下流端は、左側接続路42及び右側接続路44のうちの他方に接続されている。このような構成によると、流体がユニット内流体通路38の左側接続路42、及び、右側接続路44を通過する際に、流体内のウイルス等が左側接続路42、及び、右側接続路44に捕獲される。左側接続路42、及び、右側接続路44の数が多い程、ウイルス除去装置6によって除去されるウイルス等の量を増やすことができる。しかしながら、左側接続路42、及び、右側接続路44の数が増えるにつれて、除去ユニット30における圧力損失が大きくなる。この場合、流体輸送機械8の出力を大きくする必要がある。上記の構成によると、6個の除去ユニット30を並列に配置させることで、ウイルス除去装置6における左側接続路42、及び、右側接続路44の数を増やすことができ、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力を向上させることができる。また、6個の除去ユニット30が並列に配置されているために、6個の除去ユニット30が直列に配置されている構成と比較して、6個の除去ユニット30のそれぞれに送出される流量を低減させることができる。この場合、6個の除去ユニット30のそれぞれにおける圧力損失を小さくすることができる。従って、流体輸送機械8の出力を大きくすることなく、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0041】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ウイルス除去装置6は、6個の除去ユニット30を備えている。除去ユニット30の数が多い程、流体輸送機械8の出力を大きくする必要がある。一方、除去ユニット30の数が少ない程、ウイルスの除去率が低くなる。上記の構成によると、流体輸送機械8の出力を大きくすることなく、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0042】
1つまたはそれ以上の実施形態において、6個の除去ユニット30のそれぞれは、5個の左側接続路42を備えている。左側接続路42の数が多い程、1個の除去ユニット30によって除去されるウイルスの量を増やすことができる。しかしながら、左側接続路42の数が多い程、圧力損失も大きくなる。上記の構成によると、圧力損失が比較的に大きくなることを抑制しながら、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0043】
1つまたはそれ以上の実施形態において、6個の除去ユニット30のそれぞれは、本体側流入口34aに設けられるフィルタ35を備えている。上記の構成によると、フィルタ35によって、除去ユニット30内に埃が浸入することを抑制することができるとともに、フィルタ35によって、ウイルスを捕獲することができる。従って、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0044】
1つまたはそれ以上の実施形態において、6個の除去ユニット30のそれぞれに流入する流量は、500L/min以下である。1個の除去ユニット30に流入する流量が500L/minを超えると、圧力損失が大幅に増加し得る(
図4、
図6参照)。上記の構成によると、6個の除去ユニット30のそれぞれにおける圧力損失を低減させることができる。
【0045】
1つまたはそれ以上の実施形態において、6個の除去ユニット30のそれぞれは、直線路40に設けられているLED46を備えている。上記の構成によると、直線路40を流れる流体に直線路40に設けられているLED46から照射される紫外光が照らされる。この場合、LED46から照射される紫外光によって、流体内のウイルス等が不活化される。従って、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力をより向上させることができる。
【0046】
(第2実施例)
図7、
図8を参照して、第2実施例に係るウイルス除去装置6について説明する。本実施例のウイルス除去装置6は、除去ユニット330(
図7参照)の構成が、第1実施例の除去ユニット30(
図2参照)の構成と異なる。以下では、実施例間で共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
第1左側接続路42a~第5左側接続路42eの左面には、上側LED346aと、中間LED346bと、下側LED346cと、が上下方向に並んで配置されている。なお、
図7では、見易くするために、第1左側接続路42aに設けられている上側LED346a、中間LED346b、及び、下側LED346c以外のLEDには符号を付していない。上側LED346a、中間LED346b、及び、下側LED346cは、第1左側接続路42aの左面の内壁から右方に突出している。上側LED346aは、第1左側接続路42aの上下方向の中央部に設けられている。中間LED346bは、第1左側接続路42aの上面と、中間LED346bとの上下方向の中央部に設けられている。下側LED346cは、第1左側接続路42aの下面と、中間LED346bとの上下方向の中央部に設けられている。符号を付すのを省略しているが、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの右面にも、上側LED346a、中間LED346b、及び、下側LED346cが配置されている。第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの右面に設けられている上側LED346a、中間LED346b、及び、下側LED346cは、第1右側接続路44a~第4右側接続路44dの右面の内壁から左方に突出している。以下では、上側LED346a、中間LED346b、及び、下側LED346cを総称して、「LED346」と記載することがある。
【0048】
本実施例の除去ユニット330において、第1左側接続路42aに設けられている上側LED346aから照射される紫外光のうちの3分の2の紫外光が中央側直線路40bに照射され、上側LED346aから照射される紫外光のうちの3分の1の紫外光が最上流側直線路40aに照射される。また、第1左側接続路42aに設けられている中間LED346bから照射される紫外光のうちの2分の1の紫外光が中央側直線路40bに照射され、中間LED346bからから照射される紫外光のうちの2分の1の紫外光が最上流側直線路40aに照射される。また、第1左側接続路42aに設けられている下側LED346cから照射される紫外光のうちの3分の1の紫外光が中央側直線路40bに照射され、下側LED346cから照射される紫外光のうちの3分の2の紫外光が最上流側直線路40aに照射される。従って、第1左側接続路42aに設けられている上側LED346a、中間LED346b、及び、下側LED346cから最上流側直線路40aに照射される紫外光の量と、第1左側接続路42aに設けられている上側LED346a、中間LED346b、及び、下側LED346cから中央側直線路40bに照射される紫外光の量と、を同じにすることができる。なお、本実施例のウイルス除去装置6では、除去ユニット30内を通過する流体がLED346から照射される紫外光によって照らされる時間が、5秒以上になるように、除去ユニット30に流入する流量、ユニット内流体通路38の長さが決定されている。例えば、6個の除去ユニット330のそれぞれに流入する流量は、500L/minである。このような構成によると、不活化や捕獲によって、流体中のウイルスの99.9%を除去することができる。
【0049】
(LED46の表面温度)
続いて、
図8を参照して、除去ユニット330のLED346の表面温度のシミュレーション結果について説明する。
図8の実線は、流体輸送機械8が駆動されており、かつ、LED346が点灯している状態(以下では、「送出状態」と記載することがある)におけるLED346の表面温度を示す。
図8の破線は、流体輸送機械8の駆動が停止されており、かつ、LED346が点灯している状態(以下では、「停止状態」と記載することがある)におけるLED346の表面温度を示す。
【0050】
図8の初期状態におけるLED346の表面温度は、約20℃である。停止状態(
図8の破線)において、LED346の表面温度は約150℃まで上昇する。一方、送出状態(
図8の実線)において、LED346の表面温度の上昇は、約60℃に抑制される。送出状態では、ユニット内流体通路38(詳細には、左側接続路42及び右側接続路44)内を流れる流体がLED346に衝突することによって、LED346が冷却され、LED346の表面温度の上昇が抑制される。LED346の表面温度の上昇が抑制されることによって、LED346から照射される紫外光の発光強度が弱くなることを抑制することができる。
【0051】
1つまたはそれ以上の実施形態において、6個の除去ユニット330のそれぞれは、左側接続路42に設けられているLED346を備えている。上記の構成によると、直線路40を流れる流体に左側接続路42に設けられているLED346から照射される紫外光が照らされる。この場合、LED346から照射される紫外光によって、流体内のウイルス等が不活化される。従って、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力をより向上させることができる。
【0052】
1つまたはそれ以上の実施形態において、左右方向における左側接続路42と右側接続路44との間の長さD6(「第1の長さ」の一例)が、上下方向における直線路40の長さD1(「第2の長さ」の一例)の10倍よりも大きい。LED46から照射される紫外光は、直進性が高い。このため、仮に、左側接続路42と右側接続路44との間の長さD6が、直線路40の長さD1の10倍よりも小さい場合、左側接続路42に接続される直線路40を流れる流体のうち、LED346から照射される紫外光によって照らされる流体の量が少ない。左右方向における左側接続路42と右側接続路44との間の長さD6を直線路40の長さD1の10倍よりも大きくすることによって、左側接続路42に接続される直線路40を流れる流体のうち、LED346から照射される紫外光によって照らされる流体の量を多くすることができる。LED346から照射される紫外光によって照らされる流体の量を多くすることで、不活化されるウイルス等の量を多くすることができる。従って、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0053】
1つまたはそれ以上の実施形態において、左右方向における左側接続路42と右側接続路44との間の長さD6が、上下方向における直線路40の長さD1の20倍よりも小さい。直線路40が長い程、圧力損失も大きくなる。LED346の発光強度は、LED346から離れる程、減衰して小さくなる。このため、左右方向において、左側接続路42から比較的に遠い位置を流れる流体を照らす紫外光の発光強度が小さくなる。この場合、流体中のウイルス等が不活化されなくなる可能性がある。上記の構成によると、左右方向における左側接続路42と右側接続路44との間の長さD6を直線路40の長さD1の20倍よりも小さくすることで、発光強度が比較的に高い紫外光によって直線路40を流れる流体を照らすことができ、流体内のウイルス等を不活化させることができる。従って、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力を向上させることができる。
【0054】
1つまたはそれ以上の実施形態において、少なくとも1個の右側接続路44には、3個のLED346が設けられている。上記の構成によると、直線路40を流れる流体を、左側接続路42に設けられているLED346、及び、右側接続路44に設けられているLED346から照射される紫外光によって照らすことができる。このため、LED346によって不活化されるウイルス等の量をより多くすることができる。従って、ウイルス除去装置6による流体を浄化する能力をより向上させることができる。
【0055】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0056】
(第1変形例)ウイルス除去装置6が有する除去ユニット30の数は、2個でもよいし、7個以上でもよい。
【0057】
(第2変形例)除去ユニット30は、1個~3個の左側接続路42を有していてもよいし、5個以上の左側接続路42を有していてもよい。
【0058】
(第3変形例)除去ユニット30は、フィルタ35を有していなくてもよい。また、別の変形例では、本体側流出口34b、又は、ユニット内流体通路38にフィルタが設けられていてもよい。
【0059】
(第4変形例)除去ユニット30は、LED46を有していなくてもよい。
【0060】
(第5変形例)第1実施例において、直線路40に設けられているLEDの数は、10個に限定されず、1個~9個、又は、11個以上であってもよい。
【0061】
(第6変形例)第2実施例において、左側接続路42、及び、右側接続路44に設けられているLED46の数は、3個に限定されず、1個、2個、又は、4個以上であってもよい。
【0062】
(第7変形例)第2実施例において、第1左側接続路42a~第5左側接続路42eのうちの1個以上の左側接続路42にLED346が設けられていてもよい。即ち、全ての左側接続路42にLED346が設けられていなくてもよい。また、右側接続路44a~第4右側接続路44dのうちの1個以上の右側接続路44にLED346が設けられていてもよい。即ち、全ての右側接続路44にLED346が設けられていなくてもよい。
【0063】
(第8変形例)直線路40、左側接続路42、及び、右側接続路44にLEDが設けられていてもよい。別の変形例では、左側接続路42、及び、右側接続路44のうちの一方のみにLED46が設けられていてもよい。また、別の変形例では、左側接続路42、及び、右側接続路44のうちの一方の接続路と、直線路40と、にLEDが設けられていてもよい。
【0064】
(第9変形例)左右方向における左側接続路42と右側接続路44との間の長さD6が、上下方向における直線路40の長さD1の10倍以下であってもよいし、20倍以上であってもよい。
【0065】
(第10変形例)流体輸送機械8が送出する流体は、空気に限られず、その他の気体であってもよい。
【0066】
(参考例)第2実施例において、ウイルス除去装置6は、1個の除去ユニット330のみを有していてもよい。本参考例において、左右方向における左側接続路42と右側接続路44との間の長さD6は、上下方向における直線路40の長さD1の10倍~20倍の範囲である。また、左側接続路42、及び、右側接続路44の少なくとも一方に、LED346が設けられていればよい。
【0067】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0068】
2:エアーカーテン、4:流体送出装置、6:ウイルス除去装置、8:流体輸送機械、8a:機械側流入口、8b:機械側流出口、10:第1流体通路、12:第2流体通路、12a:第1直線部、12b:第2直線部、12c:送出口、14:第3流体通路、14a:直線部、14b:吸込口、16:第4流体通路、30:除去ユニット、32:ユニット流入路、34:ユニット本体部、34a:本体側流入口、34b:本体側流出口、35:フィルタ、36:ユニット流出路、38:ユニット内流体通路、40:直線路、40a~40j:直線路、42a~42e:左側接続路、44a~44d:右側接続路、46:LED、130:除去ユニット、230:除去ユニット、330:除去ユニット、346:LED