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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135063
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】復水器、及び化学蓄熱システム
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/00 20060101AFI20230921BHJP
   F25B 17/08 20060101ALI20230921BHJP
   F28D 1/06 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
F28D20/00 G
F25B17/08 Z
F28D1/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040076
(22)【出願日】2022-03-15
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期、「熱/電気バッテリーで構築するエネルギーマネジメント技術」に係る委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】茨木 満雄
(72)【発明者】
【氏名】野口 優弥
(72)【発明者】
【氏名】河合 智広
(72)【発明者】
【氏名】小林 敬幸
【テーマコード(参考)】
3L093
3L103
【Fターム(参考)】
3L093BB33
3L103AA35
(57)【要約】
【課題】水の冷却を安定させる効果を発揮する復水器、及び化学蓄熱システムを提供する。
【解決手段】復水器41は、水蒸気WV2を凝縮させる凝縮部44と、凝縮部44よりも下側に位置し、水を冷却する冷却部45と、冷却部45で冷却された水を収容する収容部46とを備える。凝縮部44及び冷却部45は、冷却媒体CMを流通する第1流路42を有する。冷却部45は、水W2を流通する第2流路45aを有する。第2流路45aは、第1流路42と隣り合うように配置される。収容部46は、底壁部46aと周壁部46bとを有し、周壁部46bが冷却部45を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気を凝縮させる凝縮部と、
前記凝縮部よりも下側に位置し、水を冷却する冷却部と、
前記冷却部で冷却された水を収容する収容部と、を備える復水器であって、
前記凝縮部及び前記冷却部は、冷却媒体を流通する第1流路を有し、
前記冷却部は、水を流通する第2流路を有し、
前記第2流路は、前記第1流路と隣り合うように配置され、
前記収容部は、底壁部と周壁部とを有し、前記周壁部が前記冷却部を備える、復水器。
【請求項2】
前記凝縮部は、前記第1流路に接続される熱交換器を備える、請求項1に記載の復水器。
【請求項3】
前記冷却部の前記第1流路と前記第2流路とは、互いに並走するとともに前記周壁部を螺旋状に周回するように配置される、請求項1又は請求項2に記載の復水器。
【請求項4】
前記冷却部の前記第1流路を流通する前記冷却媒体と前記第2流路を流通する前記水とが流れる方向は、互いに反対方向である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の復水器。
【請求項5】
前記冷却部の前記第1流路は、前記収容部の前記周壁部において前記第2流路よりも内側となるように配置される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の復水器。
【請求項6】
前記第1流路に前記冷却媒体を流入する流入部は、前記凝縮部に接続され、前記第1流路から前記冷却媒体を流出する流出部は、前記冷却部に接続される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の復水器。
【請求項7】
蓄熱動作時に脱水反応し、放熱動作時に水和反応する化学蓄熱材と前記化学蓄熱材と熱交換する熱交換器とを有する蓄熱器と、
水蒸気を吸収する吸収材を有し、前記化学蓄熱材から発生した水蒸気を回収する回収器と、
前記吸収材から発生した水蒸気を凝縮させる復水器と、
前記化学蓄熱材と反応させる水蒸気を前記蓄熱器に供給する蒸発器と、を備える化学蓄熱システムであって、
前記回収器は、前記吸収材と熱交換する熱交換器を有し、
前記蒸発器は、排熱源から加熱媒体が供給される熱交換器を有し、
前記復水器で冷却された水を前記回収器の前記熱交換器に送る回収器冷却用流路と、
前記蒸発器で加熱した水又は前記蒸発器で発生させた水蒸気を前記回収器の前記熱交換器に送る回収器加熱用流路と、を備え、
前記回収器冷却用流路と前記回収器加熱用流路とは、切り替え可能に構成され、
前記復水器は、
水蒸気を凝縮させる凝縮部と、
前記凝縮部よりも下側に位置し、水を冷却する冷却部と、
前記冷却部で冷却された水を収容する収容部と、を備え、
前記凝縮部及び前記冷却部は、冷却媒体を流通する第1流路を有し、
前記冷却部は、水を流通する第2流路を有し、
前記第2流路は、前記第1流路と隣り合うように配置され、
前記収容部は、底壁部と周壁部とを有し、前記周壁部が前記冷却部を備える、化学蓄熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復水器、及び化学蓄熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に開示されるように、化学蓄熱材を備える蓄熱器と、水蒸気を吸収する吸収材を有する回収器とを備える化学蓄熱システムが知られている。回収器は、化学蓄熱システムの蓄熱動作の際に、蓄熱器の化学蓄熱材の脱水反応で発生する水蒸気を回収することで、蓄熱動作を促進する。このような回収器の吸収材から排出される水蒸気を凝縮するために復水器が用いられる。復水器は、熱交換器と、熱交換器を収容する容器とを備えている。この復水器は、容器内の水を冷却することも可能であるため、蓄熱動作時に回収器の冷却に使用することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-220165号公報
【特許文献2】特開2014-153029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように水蒸気の凝縮と水の冷却を行うように熱交換器を容器内に配置した復水器では、容器内の水位の変動により水と熱交換器との接触面積が変化する。これにより、復水器による水の冷却が不安定になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する復水器は、水蒸気を凝縮させる凝縮部と、前記凝縮部よりも下側に位置し、水を冷却する冷却部と、前記冷却部で冷却された水を収容する収容部と、を備える復水器であって、前記凝縮部及び前記冷却部は、冷却媒体を流通する第1流路を有し、前記冷却部は、水を流通する第2流路を有し、前記第2流路は、前記第1流路と隣り合うように配置され、前記収容部は、底壁部と周壁部とを有し、前記周壁部が前記冷却部を備える。
【0006】
この構成によれば、冷却部の第2流路を流通する水を、冷却部の第1流路を流通する冷却媒体と確実に熱交換させることができる。また、収容部の周壁部が冷却部を備えるため、収容部内の水は、外気の影響を受け難くなる。これにより、収容部内の水温を安定させることが可能となる。
【0007】
上記復水器において、前記凝縮部は、前記第1流路に接続される熱交換器を備えてもよい。この構成によれば、冷却媒体と水蒸気との熱交換が促進されるため、水蒸気を効率的に凝縮することができる。
【0008】
上記復水器において、前記冷却部の前記第1流路と前記第2流路とは、互いに並走するとともに前記周壁部を螺旋状に周回するように配置されてもよい。この構成によれば、第1流路を流通する冷却媒体と、第2流路を流通する水との熱交換の効率を高めることができるため、水を効率的に冷却することができる。
【0009】
上記復水器において、前記冷却部の前記第1流路を流通する前記冷却媒体と前記第2流路を流通する前記水とが流れる方向は、互いに反対方向であってもよい。この構成によれば、第1流路を流通する冷却媒体と、第2流路を流通する水との熱交換の効率を高めることができるため、水を効率的に冷却することができる。
【0010】
上記復水器において、前記冷却部の前記第1流路は、前記収容部の前記周壁部において前記第2流路よりも内側となるように配置されてもよい。この構成によれば、収容部に収容された水の温度上昇を、周壁部において第2流路よりも内側に配置された第1流路を流通する冷却媒体によって抑えることができる。
【0011】
上記復水器において、前記第1流路に前記冷却媒体を流入する流入部は、前記凝縮部に接続され、前記第1流路から前記冷却媒体を流出する流出部は、前記冷却部に接続されてもよい。この構成によれば、凝縮部を冷却部よりも優先的に冷却することができる。これにより、凝縮部の性能を安定させることができる。
【0012】
上記課題を解決する一態様の化学蓄熱システムは、蓄熱動作時に脱水反応し、放熱動作時に水和反応する化学蓄熱材と前記化学蓄熱材と熱交換する熱交換器とを有する蓄熱器と、水蒸気を吸収する吸収材を有し、前記化学蓄熱材から発生した水蒸気を回収する回収器と、前記吸収材から発生した水蒸気を凝縮させる復水器と、前記化学蓄熱材と反応させる水蒸気を前記蓄熱器に供給する蒸発器と、を備える化学蓄熱システムであって、前記回収器は、前記吸収材と熱交換する熱交換器を有し、前記蒸発器は、排熱源から加熱媒体が供給される熱交換器を有し、前記復水器で冷却された水を前記回収器の前記熱交換器に送る回収器冷却用流路と、前記蒸発器で加熱した水又は前記蒸発器で発生させた水蒸気を前記回収器の前記熱交換器に送る回収器加熱用流路と、を備え、前記回収器冷却用流路と前記回収器加熱用流路とは、切り替え可能に構成され、前記復水器は、水蒸気を凝縮させる凝縮部と、前記凝縮部よりも下側に位置し、水を冷却する冷却部と、前記冷却部で冷却された水を収容する収容部と、を備え、前記凝縮部及び前記冷却部は、冷却媒体を流通する第1流路を有し、前記冷却部は、水を流通する第2流路を有し、前記第2流路は、前記第1流路と隣り合うように配置され、前記収容部は、底壁部と周壁部とを有し、前記周壁部が前記冷却部を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、水の冷却を安定させる効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態における化学蓄熱システムを示す概略図である。
図2】化学蓄熱システムの蓄熱動作を説明する概略図である。
図3】化学蓄熱システムの再生動作を説明する概略図である。
図4】復水器を示す断面図である。
図5図4の5-5線に沿った断面図である。
図6図4の6-6線に沿った断面図である。
図7】第2実施形態における復水器を示す断面図である。
図8】第3実施形態における復水器を示す断面図である。
図9図8の9-9線に沿った断面図である。
図10】第4実施形態における復水器を示す断面図である。
図11】第5実施形態における復水器を示す断面図である。
図12】第6実施形態における復水器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、復水器、及び化学蓄熱システムの第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
<化学蓄熱システムの全体構成>
図1に示すように、化学蓄熱システム11は、蓄熱器21と、回収器31と、復水器41と、蒸発器51とを備えている。化学蓄熱システム11は、排熱源HSを用いて蓄熱した後、排熱源HSよりも高い温度の放熱を行うケミカルヒートポンプとして用いることができる。化学蓄熱システム11の放熱動作時には、加熱対象61に水蒸気を送ることができる。
【0017】
<蓄熱器>
蓄熱器21は、化学蓄熱システム11の蓄熱動作時に脱水反応し、化学蓄熱システム11の放熱動作時に水和反応する化学蓄熱材HMを有する。化学蓄熱材HMとしては、周知の固体材料を用いることができる。化学蓄熱材HMは、化学蓄熱物質のみから構成してもよいし、粒子状の化学蓄熱物質を水蒸気透過性樹脂等の水蒸気透過性のバインダーで結合した材料であってもよい。化学蓄熱物質としては、例えば、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸カルシウム等が挙げられる。化学蓄熱材HMは、一種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
化学蓄熱物質の一種である塩化カルシウムの脱水反応及び水和反応は、例えば、下記式(A)で表される。
CaCl・HO+HO⇔CaCl・2HO・・・(A)
蓄熱器21は、化学蓄熱材HMと熱交換する第1熱交換器22を備えている。蓄熱器21は、化学蓄熱材HMから発生した熱を利用して第1熱交換器22の流路内で飽和蒸気を発生させる。蓄熱器21は、化学蓄熱材HM及び第1熱交換器22を収容する第1容器23を備えている。蓄熱器21の第1容器23は、化学蓄熱材HMの水和反応に用いられる水蒸気が導入可能に構成されている。また、蓄熱器21の第1容器23は、化学蓄熱材HMの脱水反応で生じる水蒸気が排出されるように構成されている。
【0019】
蓄熱器21の第1熱交換器22としては、例えば、フィンチューブ型の熱交換器、フィンレス熱交換器等が挙げられる。なお、以下で説明する熱交換器についても、同様の熱交換器を用いることができる。
【0020】
<回収器>
回収器31は、水蒸気を吸収する吸収材LMを有し、蓄熱器21の化学蓄熱材HMから発生した水蒸気を回収する。回収器31は、吸収材LMと熱交換する第2熱交換器32と、吸収材LMと第2熱交換器32とを収容する第2容器33とを備えている。
【0021】
吸収材LMは、化学蓄熱材HMを脱水反応させる温度を下げるために用いられる。吸収材LMを用いることで、より低い温度の排熱であっても、化学蓄熱材HMの脱水反応を進行させて蓄熱することが可能となる。また、吸収材LMは、排熱源HSの加熱媒体の温度において、脱水反応可能な物質が用いられる。これにより、排熱源HSを利用して吸収材LMを再生することができる。
【0022】
冷却源CSの温度における吸収材LMの平衡蒸気圧VP2Cは、排熱源HSの温度における化学蓄熱材HMの平衡蒸気圧VP1Hよりも低いことで、化学蓄熱材HMの脱水反応を好適に促進することができる。一方、排熱源HSの温度における吸収材LMの平衡蒸気圧VP2Hは、同じく排熱源HSの温度における化学蓄熱材HMの平衡蒸気圧VP1Hよりも高いことが好ましい。このような吸収材LMは、化学蓄熱材HMよりも脱水し易いため、排熱源HSを用いて吸収材LMを再生することで、次の蓄熱動作に効率的に使用することができる。また、排熱源HSの温度における吸収材LMの平衡蒸気圧VP2Hは、冷却源CSの温度における水の平衡蒸気圧VP3Cよりも高いことが好ましい。これにより、排熱源HSにより吸収材LMを加熱して発生した水蒸気を冷却源CSによる冷却で凝縮させることで、吸収材LMの再生を効率的に行うことができる。
【0023】
吸収材LMとしては、例えば、ゼオライト、水酸化リチウム、硫酸マグネシウム、シュウ化ストロンチウム、活性炭、多孔性金属錯体(MOF)等が挙げられる。吸収材LMは、一種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
吸収材LMの一種である臭化ストロンチウムの脱水反応及び水和反応は、例えば、下記式(B)で表される。
SrBr・HO+5HO⇔SrBr・6HO・・・(B)
<復水器>
復水器41は、吸収材LMから発生した水蒸気を凝縮させる。復水器41は、冷却源CSから供給される冷却媒体を流通する第1流路42と、第3容器43とを備えている。復水器41の第1流路42は、復水器41の第3容器43内に導入される水蒸気を凝縮する。また、復水器41の第1流路42は、復水器41の第3容器43に流入される水W2を冷却する。本実施形態の復水器41の構造の詳細については、後述する。
【0025】
<蒸発器>
蒸発器51は、化学蓄熱材HMと反応させる水蒸気を蓄熱器21に供給する。蒸発器51は、排熱源HSから加熱媒体が供給される第4熱交換器52と、第4熱交換器52を収容する第4容器53とを備えている。蒸発器51では、第4容器53内の水W1を第4熱交換器52により加熱することで水蒸気を発生させることができる。蒸発器51には、図示を省略した流路によって復水器41の水W2が送液可能に構成されている。これにより、復水器41の水W2は、蒸発器51の水W1として再利用される。
【0026】
<流路構成>
次に、化学蓄熱システム11の主な流路構成について説明する。
まず、化学蓄熱システム11の蓄熱動作に用いられる流路について説明する。
【0027】
図2に示すように、化学蓄熱システム11は、蓄熱器21から回収器31に水蒸気WV1を送る回収用水蒸気流路L1を有している。化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1をポンプ71によって蓄熱器21の第1熱交換器22に送る蓄熱器加熱用流路L2と、第1熱交換器22を通じた水W1を蒸発器51に戻す蒸発器用第1流路L3とを有している。化学蓄熱システム11は、復水器41で冷却した水W2をポンプ72によって回収器31の第2熱交換器32に送る回収器冷却用流路L4と、第2熱交換器32を通じた水W2を復水器41に戻す復水器用第1流路L5とを有している。
【0028】
次に、化学蓄熱システム11の再生動作に用いられる流路について説明する。
図3に示すように、化学蓄熱システム11は、回収器31から復水器41に水蒸気WV2を送る復水器用第2流路L6を有している。化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1をポンプ71によって回収器31の第2熱交換器32に送る回収器加熱用流路L7と、第2熱交換器32を通じた水W1を蒸発器51に戻す蒸発器用第2流路L8とを有している。化学蓄熱システム11は、上述した回収器冷却用流路L4と回収器加熱用流路L7とが切り替え可能に構成されている。これにより、上述した回収器冷却用流路L4を用いる化学蓄熱材HMの蓄熱と、回収器加熱用流路L7を用いる吸収材LMの再生とを交互に行うことができる。なお、回収器冷却用流路L4と回収器加熱用流路L7との切り替えは、バルブの開閉により行うことができる。
【0029】
次に、化学蓄熱システム11の放熱動作に用いられる流路について説明する。
図1に示すように、化学蓄熱システム11は、蒸発器51から蓄熱器21に水蒸気を送る蓄熱器用水蒸気流路L9を有している。化学蓄熱システム11は、蓄熱器21の第1熱交換器22内の水蒸気を加熱対象61に送る蒸気供給流路L10を備えている。加熱対象61は、特に限定されない。加熱対象61としては、例えば、蒸気発生装置等が挙げられる。
【0030】
<化学蓄熱システムの動作>
次に、化学蓄熱システム11の動作の一例について説明する。
(化学蓄熱システムの蓄熱動作)
図2に示すように、化学蓄熱システム11の蓄熱動作では、蓄熱器21の化学蓄熱材HMから排出される水蒸気WV1を回収器31により回収する。詳述すると、蓄熱器21の化学蓄熱材HMから排出される水蒸気WV1は、回収用水蒸気流路L1を通じて回収器31に送られる。回収器31の第2熱交換器32には、復水器41で冷却された水W2が回収器冷却用流路L4を通じて送られる。回収器31の第2熱交換器32に送られた水W2は、復水器用第1流路L5を通じて復水器41に戻される。このように復水器41で冷却された水W2は、回収器冷却用流路L4及び復水器用第1流路L5を通じて、復水器41と回収器31の第2熱交換器32との間を循環される。
【0031】
蓄熱器21の化学蓄熱材HMから排出される水蒸気WV1が回収器31に送られることで、化学蓄熱材HMの脱水反応が行われる。ここで、化学蓄熱材HMの脱水反応の進行に伴って、化学蓄熱材HMの温度が低下する。化学蓄熱材HMの温度が排熱源HSの加熱媒体の温度よりも低くなったとき、蒸発器51で加熱した水W1を蓄熱器加熱用流路L2及び蒸発器用第1流路L3を通じて、蓄熱器21の第1熱交換器22と蒸発器51との間を循環させる。蒸発器51では、排熱源HSから蒸発器51の第4熱交換器52に加熱媒体を供給することで、水W1を加熱することができる。
【0032】
上記のように排熱源HSを利用して蓄熱器21の化学蓄熱材HMを加熱することで、化学蓄熱材HMの脱水反応を進行させる。化学蓄熱システム11の蓄熱動作は、蓄熱器21と回収器31との間のバルブを閉じることにより停止させることができる。
【0033】
(化学蓄熱システムの再生動作)
図3に示すように、化学蓄熱システム11の再生動作では、回収器31の吸収材LMから排出される水蒸気WV2を復水器41によって凝縮させる。詳述すると、回収器31の吸収材LMから排出される水蒸気WV2は、復水器用第2流路L6を通じて復水器41に送られる。復水器41の第1流路42には、冷却源CSから冷却媒体が供給されている。化学蓄熱システム11の再生動作は、回収器31と復水器41との間のバルブを閉じることにより、停止させることができる。
【0034】
(化学蓄熱システムの放熱動作)
化学蓄熱システム11の放熱動作では、排熱源HSから蒸発器51の第4熱交換器52に加熱媒体を供給することで、蒸発器51で水蒸気を発生させる。蒸発器51で発生させた水蒸気は、図1に示される蓄熱器用水蒸気流路L9を通じて蓄熱器21に送られる。これにより、蓄熱器21の化学蓄熱材HMの水和反応が行われる。
【0035】
蓄熱器21の第1熱交換器22の流路内の水は、化学蓄熱材HMの水和反応による発熱により加熱される。これにより、第1熱交換器22の流路内において水蒸気を発生させることができる。第1熱交換器22の流路内の水蒸気は、図1に示される蒸気供給流路L10を通じて加熱対象61に送られる。化学蓄熱システム11の放熱動作は、蒸発器51と蓄熱器21との間のバルブを閉じることにより停止することができる。
【0036】
化学蓄熱システム11では、放熱動作の前に、蒸発器51で加熱した水W1を、上記蓄熱器加熱用流路L2を通じて蓄熱器21の第1熱交換器22に送ることが好ましい。
<蓄熱方法>
以上の化学蓄熱システム11を用いた蓄熱方法では、化学蓄熱材HMの脱水反応を行う蓄熱ステップと、化学蓄熱材HMの水和反応を行う放熱ステップとを繰り返すことができる。蓄熱方法では、蓄熱ステップの後、次の蓄熱ステップを開始するまでに、吸収材LMを再生する再生ステップが行われる。蓄熱方法では、上述した回収器加熱用流路L7を用いて吸収材LMを再生する再生ステップと、上述した回収器冷却用流路L4を用いて化学蓄熱材HMに蓄熱する蓄熱ステップとを切り替える。蓄熱方法は、放熱ステップの前に、上記蓄熱器加熱用流路L2を用いて蓄熱器21の第1熱交換器22を加熱する蓄熱器加熱ステップを含むことが好ましい。
【0037】
<復水器の構成及び動作の詳細>
図4に示すように、復水器41は、水蒸気WV2を凝縮させる凝縮部44と、凝縮部44よりも下側に位置し、水W2を冷却する冷却部45と、冷却部45で冷却された水W2を収容する収容部46とを備えている。
【0038】
図4図6に示すように、凝縮部44及び冷却部45は、冷却媒体CMを流通する第1流路42を有している。第1流路42には、上述したように冷却源CSから冷却媒体CMが供給される。詳述すると、第3容器43は、第1流入部T1aと第1流出部T1bとを有している。第1流入部T1aは、凝縮部44に接続されている。第1流出部T1bは、冷却部45に接続されている。第1流路42は、凝縮部44、冷却部45の順に冷却媒体CMを流通する。すなわち、第1流路42は、冷却媒体CMを下方に向けて流通する。
【0039】
図4に示すように、第3容器43は、水蒸気WV2を凝縮部44に流入する水蒸気流入部43aを有している。水蒸気流入部43aから第3容器43内に流入した水蒸気WV2は、凝縮部44の第1流路42を流通する冷却媒体CMによって冷却される。本実施形態の水蒸気流入部43aは、第3容器43の上壁に設けられているが、第3容器43の周壁を貫通するように設けることもできる。
【0040】
図4図6に示すように、冷却部45は、水W2を流通する第2流路45aを有している。第2流路45aは、第1流路42と隣り合うように配置されている。詳述すると、図4及び図6に示すように、第3容器43は、水W2を流入する第2流入部T2aを有している。第2流入部T2aから流入し、第2流路45aを流通した水W2は、収容部46内に流入される。すなわち、第2流路45aは、水W2を上方に向けて流通する。
【0041】
図4図6に示すように、収容部46は、底壁部46aと周壁部46bとを有している。この周壁部46bは、上述した冷却部45を備えている。冷却部45の第2流路45aは、収容部46の上方の空間と連通している。これにより、第2流路45aを流通した水W2は、第2流路45aを形成する流路壁を越えて周壁部46bの内側の空間に流入される。すなわち、水W2は、第2流路45aから溢れ出すことで、周壁部46bの内側の空間に流入される。なお、第2流路45aを構成する流路壁の上部に第2流路45aと周壁部46bの内側の空間を連通する貫通孔を設けてもよい。このような貫通孔を通じて第2流路45aを流通する水W2を周壁部46bの内側の空間に流入させることもできる。このように、第2流路45aを通じた水W2は、収容部46の周壁部46bの内側、すなわち冷却部45の内側に収容される。収容部46は、水W2を流出する第2流出部T2bを有している。本実施形態の第2流出部T2bは、周壁部46bの下部を貫通するように設けられているが、底壁部46aを貫通するように設けることもできる。
【0042】
上記のように構成された復水器41において、凝縮部44に流入した水蒸気WV2は、第1流路42を流通する冷却媒体CMにより冷却されることで凝縮する。凝縮部44で凝縮した水は、凝縮部44から冷却部45に流下する。すなわち、凝縮部44で凝縮した水を冷却部45の水W2として利用することができる。また、復水器41において、第2流路45aを流通する水W2は、第1流路42を流通する冷却媒体CMと熱交換されることで冷却される。復水器41では、冷却媒体CMにより冷却された水W2を収容部46に収容することができる。
【0043】
<第1実施形態の作用及び効果>
第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1-1)復水器41において、凝縮部44及び冷却部45は、冷却媒体CMを流通する第1流路42を有している。冷却部45は、水W2を流通する第2流路45aを有している。第2流路45aは、第1流路42と隣り合うように配置されている。復水器41の収容部46は、底壁部46aと周壁部46bとを有し、周壁部46bは、冷却部45を備えている。この構成によれば、冷却部45の第2流路45aを流通する水W2を、冷却部45の第1流路42を流通する冷却媒体CMと確実に熱交換させることができる。また、収容部46の周壁部46bが冷却部45を備えるため、収容部46内の水W2は、外気の影響を受け難くなる。これにより、収容部46内の水温を安定させることが可能となる。従って、水W2の冷却を安定させることができる。
【0044】
(1-2)冷却部45の第1流路42を流通する冷却媒体CMは、下方に向かって流れる。また、冷却部45の第2流路45aを流通する水W2は、上方に向かって流れる。すなわち、冷却部45の第1流路42を流通する冷却媒体CMと第2流路45aを流通する水W2とが流れる方向は、互いに反対方向である。この場合、第1流路42を流通する冷却媒体CMと、第2流路45aを流通する水W2との熱交換の効率を高めることができるため、水W2を効率的に冷却することができる。
【0045】
(1-3)第1流路42に冷却媒体CMを流入する第1流入部T1aは、凝縮部44に接続されている。第1流路42から冷却媒体CMを流出部は、冷却部45に接続されている。この場合、凝縮部44を冷却部45よりも優先的に冷却することができる。これにより、凝縮部44の性能を安定させることができる。
【0046】
(1-4)化学蓄熱システム11は、復水器41で冷却された水W2を回収器31の第2熱交換器32に送る回収器冷却用流路L4と、蒸発器51で加熱した水W1を回収器31の第2熱交換器32に送る回収器加熱用流路L7とを備えている。回収器冷却用流路L4と回収器加熱用流路L7とは、切り替え可能に構成されている。
【0047】
この構成によれば、冷却源CSの冷却媒体の流路とは独立した回収器冷却用流路L4を通じる水W2と、排熱源HSの加熱媒体の流路とは独立した回収器加熱用流路L7を通じる水W1により回収器31を冷却及び加熱することができる。このため、回収器31の第2熱交換器32において、冷却源CSの冷却媒体に排熱源HSの加熱媒体が混入することを回避することができる。これにより、冷却源CSの系統は、排熱源HSの加熱媒体の性質の影響を受けることはない。また、回収器31の第2熱交換器32において、排熱源HSの加熱媒体に冷却源CSの冷却媒体が混入することを回避することができる。これにより、排熱源HSの系統は、冷却源CSの冷却媒体の性質の影響を受けることはない。従って、化学蓄熱システム11の導入先における冷却源CSの系統と排熱源HSの系統とを独立した状態に維持することが可能となる。
【0048】
(1-5)化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1を放熱動作の前に蓄熱器21の第1熱交換器22に送る蓄熱器加熱用流路L2をさらに備えている。この場合、蓄熱器21の第1熱交換器22を放熱動作の前に予め加熱することができるため、放熱動作時には、化学蓄熱材HMから発生した熱を効率的に輸送することができる。
【0049】
(1-6)蓄熱器21の第1熱交換器22に排熱源HSの加熱媒体を供給する場合では、第1熱交換器22が排熱源HSの加熱媒体の性質や清浄度の影響を受けることになる。これにより、例えば、第1熱交換器22のメンテナンス等に手間を要するおそれがある。これに対して、本実施形態の化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1を蓄熱器21の第1熱交換器22に送る蓄熱器加熱用流路L2をさらに備えている。この場合、蓄熱器21の第1熱交換器22に供給される水W1の性質の安定化や清浄性の確保が容易である。これにより、例えば、蓄熱器21の第1熱交換器22のメンテナンス等の手間を軽減することが可能となる。
【0050】
(第2実施形態)
復水器41を変更した第2実施形態について第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0051】
図7に示すように、第2実施形態では、復水器41における冷却部45の第1流路42及び第2流路45aの構成が第1実施形態と異なる。本実施形態の冷却部45の第1流路42と第2流路45aとは、互いに並走するように配置されている。また、冷却部45の第1流路42と第2流路45aとは、周壁部46bを螺旋状に周回するように配置されている。冷却部45の第1流路42を流通する冷却媒体CMは、下方に向かって螺旋状に流れる。冷却部45の第2流路45aを流通する水W2は、上方に向かって螺旋状に流れる。なお、螺旋状の第1流路42及び螺旋状の第2流路45aは、図7において傾斜して延びる流路壁を有しているが、この流路壁のハッチングについては省略している。以下の図8及び図10についても図7と同様に流路壁のハッチングを省略している。
【0052】
第2実施形態の作用及び効果について説明する。
(2-1)第2実施形態においても、第1実施形態の(1-1)~(1-6)欄に記載の効果と同様の効果が得られる。
【0053】
(2-2)冷却部45の第1流路42と第2流路45aとは、互いに並走するとともに周壁部46bを螺旋状に周回するように配置されている。この場合、第1流路42を流通する冷却媒体CMと、第2流路45aを流通する水W2との熱交換の効率を高めることができるため、水W2を効率的に冷却することができる。
【0054】
(第3実施形態)
復水器41を変更した第3実施形態について第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0055】
図8及び図9に示すように、第3実施形態における冷却部45の第1流路42と第2流路45aとは、第2実施形態と同様に、周壁部46bを螺旋状に周回するように配置されている。本実施形態の復水器41における凝縮部44は、第1流路42に接続される第3熱交換器81を備えている。凝縮部44に流入した水蒸気WV2は、第3熱交換器81を流通する冷却媒体CMにより冷却されることで、凝縮する。第3熱交換器81としては、例えば、フィンチューブ型の熱交換器、フィンレス熱交換器等が挙げられる。第3熱交換器81は、凝縮した水の流下を促進するという観点から、上下に開口するように配置されることが好ましい。
【0056】
第3実施形態の作用及び効果について説明する。
(3-1)第3実施形態においても、第1実施形態の(1-1)~(1-6)欄、及び第2実施形態の(2-2)欄に記載の効果と同様の効果が得られる。
【0057】
(3-2)復水器41の凝縮部44が第3熱交換器81を備えることで、冷却媒体CMと水蒸気WV2との熱交換が促進されるため、水蒸気WV2を効率的に凝縮することができる。
【0058】
(第4実施形態)
復水器41を変更した第4実施形態について第1実施形態及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0059】
図10に示すように、第4実施形態の凝縮部44では、第1流路42を形成する流路壁のうち、水蒸気WV2と接する壁面を、平坦面から第1凹凸面44aに変更している。なお、凝縮部44において、第1流路42を形成する流路壁のうち、冷却媒体CMと接する壁面を平坦面から第1凹凸面に変更してもよい。また、凝縮部44において、第1流路42を形成する流路壁のうち、水蒸気WV2と接する壁面と冷却媒体CMと接する壁面との両面を第1凹凸面に変更してもよい。
【0060】
本実施形態の冷却部45では、第1流路42と第2流路45aとを仕切る仕切壁の両壁面のうち、第2流路45a側となる壁面を平坦面から第2凹凸面45bに変更している。なお、冷却部45において、第1流路42と第2流路45aとを仕切る仕切壁の両壁面のうち、第1流路42側となる壁面を平坦面から第2凹凸面に変更してもよい。また、冷却部45において、第1流路42と第2流路45aとを仕切る仕切壁の両壁面を第2凹凸面に変更してもよい。本実施形態の第1凹凸面44a及び第2凹凸面45bは、波形状の凹凸面であるが、波形状以外の形状の凹凸面に変更することもできる。
【0061】
第4実施形態の作用及び効果について説明する。
(4-1)第4実施形態においても、第1実施形態の(1-1)~(1-6)欄、及び第2実施形態の(2-2)欄に記載の効果と同様の効果が得られる。
【0062】
(4-2)凝縮部44では、第1流路42を形成する流路壁のうち、水蒸気WV2と接する壁面及び冷却媒体CMと接する壁面の少なくとも一方の壁面を第1凹凸面44aから構成することができる。これにより、冷却媒体CMと水蒸気WV2との熱交換が促進されるため、水蒸気WV2を効率的に凝縮することができる。
【0063】
(4-3)冷却部45では、第1流路42と第2流路45aとを仕切る仕切壁の両壁面のうち、少なくとも一方の壁面を第2凹凸面45bから構成することができる。これにより、冷却媒体CMと水W2との熱交換が促進されることで、水W2を効率的に冷却することができる。
【0064】
(第5実施形態)
復水器41を変更した第5実施形態について第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
図11に示すように、第5実施形態の復水器41は、冷却部45の流路構成が第1実施形態と異なる。上述した第1実施形態における冷却部45の第1流路42は、収容部46の周壁部46bにおいて第2流路45aよりも外側となるように配置されている。これに対して、第5実施形態における冷却部45の第1流路42は、収容部46の周壁部46bにおいて第2流路45aよりも内側となるように配置されている。第2流路45aは、第1流路42を貫通する貫通流路T2cを有し、貫通流路T2cを流通した水W2は、周壁部46bの内側の空間に流入される。
【0066】
第5実施形態の作用及び効果について説明する。
(5-1)第5実施形態においても、第1実施形態の(1-1)~(1-6)欄に記載の効果と同様の効果が得られる。
【0067】
(5-2)冷却部45の第1流路42は、収容部46の周壁部46bにおいて第2流路45aよりも内側となるように配置されている。この場合、収容部46に収容された水W2の温度上昇を、第2流路45aよりも内側に配置された第1流路42を流通する冷却媒体CMによって抑えることができる。従って、水W2の冷却をより安定させることが可能となる。
【0068】
(第6実施形態)
復水器41を変更した第6実施形態について第1実施形態及び第5実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0069】
図12に示すように、第6実施形態の復水器41は、冷却部45の流路構成が第1実施形態及び第5実施形態と異なる。第6実施形態における冷却部45の第1流路42は、収容部46の周壁部46bにおいて第2流路45aよりも内側となる位置と、第2流路45aよりも外側となる位置の両位置に配置されている。第3容器43は、第2流路45aの両側方に位置する第1流路42のそれぞれに冷却媒体CMを流入する一対の第1流入部T1aを有している。第3容器43は、第2流路45aの両側方に位置する第1流路42のそれぞれから冷却媒体CMを流出する一対の第1流出部T1bを有している。
【0070】
第6実施形態の作用及び効果について説明する。
(6-1)第6実施形態においても、第1実施形態の(1-1)~(1-6)欄、及び第5実施形態の(5-2)欄に記載の効果と同様の効果が得られる。
【0071】
(6-2)冷却部45の第1流路42は、収容部46の周壁部46bにおいて第2流路45aの両側方となる位置に配置されている。この場合、第2流路45aを流通する水W2をより効率的に冷却することが可能となる。
【0072】
(変更例)
上記実施形態を次のように変更してもよい。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0073】
・上記各実施形態の復水器41では、第1流路42に冷却媒体CMを流入する第1流入部T1aは、凝縮部44に接続され、第1流路42から冷却媒体CMを流出する第1流出部T1bは、冷却部45に接続されている。この構成に限定されず、第1流路42に冷却媒体CMを流入する第1流入部T1aを冷却部45に接続し、第1流路42から冷却媒体CMを流出する第1流出部T1bを凝縮部44に接続してもよい。
【0074】
・上記各実施形態の復水器41において、冷却部45の第1流路42を流通する冷却媒体CMと第2流路45aを流通する水W2とが流れる方向は、互いに反対方向である。これに限定されず、冷却部45の第1流路42を流通する冷却媒体CMと第2流路45aを流通する水W2とが同じ方向に沿って流れるように復水器41を変更することもできる。
【0075】
・上記各実施形態の化学蓄熱システム11では、蓄熱器21の第1熱交換器22に蒸発器51で加熱した水W1を供給しているが、蓄熱器21の第1熱交換器22に蒸発器51で発生させた水蒸気を供給してもよい。この場合であっても、例えば、第1実施形態の(1-5)欄で述べた作用及び効果を得ることができる。
【0076】
・上記実施形態の化学蓄熱システム11では、蒸発器51で加熱した水W1を蓄熱器21の第1熱交換器22に供給しているが、排熱源HSの加熱媒体を蓄熱器21の第1熱交換器22に供給するように変更することもできる。
【0077】
・上記実施形態の化学蓄熱システム11の蓄熱動作は、復水器41と回収器31とを用いて行うこともできる。すなわち、蓄熱方法において、化学蓄熱材HMの脱水反応を行う蓄熱ステップは、復水器作動ステップと、復水器作動ステップの後に行う回収器作動ステップとを含んでもよい。復水器作動ステップでは、化学蓄熱材HMから発生する水蒸気WV1を復水器41に導入する。回収器作動ステップでは、化学蓄熱材HMから発生する水蒸気WV1を回収器31に導入する。
【0078】
・上記各実施形態の復水器41は、上記化学蓄熱システム11以外の化学蓄熱システムに用いることもできる。また、上記各実施形態の復水器41は、化学蓄熱システム以外の用途に用いることもできる。
【符号の説明】
【0079】
11…化学蓄熱システム
21…蓄熱器
22…第1熱交換器
31…回収器
32…第2熱交換器
41…復水器
42…第1流路
44…凝縮部
45…冷却部
45a…第2流路
46…収容部
46a…底壁部
46b…周壁部
51…蒸発器
52…第4熱交換器
81…第3熱交換器
CM…冷却媒体
HM…化学蓄熱材
HS…排熱源
LM…吸収材
L4…回収器冷却用流路
L7…回収器加熱用流路
T1a…第1流入部
T1b…第1流出部
W1,W2…水
WV1,WV2…水蒸気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12