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特開2023-135098冷蔵庫及び冷蔵庫システムの生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135098
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】冷蔵庫及び冷蔵庫システムの生産方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/06 20060101AFI20230921BHJP
   F25D 25/00 20060101ALI20230921BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
F25D17/06 308
F25D25/00 G
F25D23/00 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040130
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 真司
(72)【発明者】
【氏名】三井 賀貴
(72)【発明者】
【氏名】丹野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】上甲 康之
(72)【発明者】
【氏名】額賀 晴樹
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA12
3L345AA14
3L345AA18
3L345AA24
3L345BB05
3L345CC01
3L345DD12
3L345DD13
3L345DD15
3L345DD18
3L345DD66
3L345DD70
3L345EE04
3L345EE33
3L345EE53
3L345HH12
3L345HH32
3L345HH34
3L345HH36
3L345HH42
(57)【要約】
【課題】貯蔵空間の高さ方向寸法を長尺化可能な貯蔵庫及び情報出力装置を提供する。
【解決手段】冷蔵庫1は、下段容器11が配置された野菜室10を備え、下段容器11内の貯蔵空間32から離れたところで、下段容器11の外側面に沿って、野菜室10の床面14から離れた位置で水平方向に沿って流れる、野菜室10外から供給された冷気の、冷気流15を形成する。冷気流15は、下段容器11の少なくとも2側面に沿って形成される。冷蔵庫1は、冷気流15を形成する流路が内部に形成された流路形成部材40を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器が配置された貯蔵室を備え、
前記容器内の空間から離れたところで、前記容器の外側面に沿って、前記貯蔵室の床面から離れた位置で水平方向に沿って流れる、前記貯蔵室外から供給された冷気の、冷気流を形成する
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷気流は、前記容器の少なくとも2側面に沿って形成される
ことを特徴とする請求項1の冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷気流を形成する流路が内部に形成された流路形成部材を備え、
前記流路形成部材は、
前記容器の外方に、前記貯蔵室外から供給された冷気を放出し、前記容器の側面に沿って配置された吐出口と、
前記吐出口が形成され、水平方向に沿って、かつ前記容器の外側面に沿って延在し、前記流路形成部材の延在方向に沿って冷気が流れる水平流路部と、
を備える
ことを特徴とする請求項2の冷蔵庫。
【請求項4】
前記貯蔵室の前方に形成される開口を閉塞する扉と、
前記扉を前後方向に移動可能に前記貯蔵室の左右壁面に支持し、前記流路形成部材とは別体に構成される支持部材と、を備え、
前記水平流路部は、前記支持部材とは高さ方向で異なる位置に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記水平流路部は、
前記貯蔵室の後側で左右方向に延在する第1水平流路部と、
前記第1水平流路部に対して繋ぎ流路部によって接続され、前記貯蔵室の左右それぞれの側で前後方向に延在する第2水平流路部と、
を含み、
前記第1水平流路部は、前記支持部材よりも上方に配置され、
前記第2水平流路部は、前記支持部材よりも下方に配置される
ことを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記流路形成部材は、更に、前記水平流路部に前記貯蔵室の外の冷気を案内し、前記冷蔵庫の箱体とは別体に構成された案内部を備える
ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記案内部は、
前記貯蔵室に冷気を供給する供給口に接続される開口を備え、
前記開口と前記水平流路部とを繋ぎ、
前記開口から前記水平流路部に向かって流路断面積が拡がるように構成される
ことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記水平流路部は、
前記冷気流の形成方向で下流端のうち水平方向が閉塞する、又は、
前記冷気流の形成方向で下流端のうち水平方向に開口が形成され、前記開口から吐出される単位時間当たりの冷気量が、前記水平流路部の中央に形成された吐出口からの単位時間当たりの冷気量以下になる、
ように構成される
ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記容器の内部に形成され、前記水平流路部による冷却対象となる後側空間と、
前記後側空間の前側に形成され、前記後側空間とは仕切りによって仕切られた前側空間と、を備え、
前記吐出口のうち最も前側に配置される部分は、前記仕切りの前側近傍又は前記仕切りより後方に配置される
ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記流路形成部材は、前記吐出口から吐出される単位時間当たりの冷気量を、前記水平流路部の上流側と下流側とで同程度にする均し部を備える
ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記均し部は、メッシュ状の部材である
ことを特徴とする請求項10に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記均し部は、前記冷気流の上流側から下流側に向けて開口面積を大きくした前記吐出口である
ことを特徴とする請求項10に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
前記均し部は、
前記流路形成部材を構成し、上方に前記冷気流が生じる底壁と、
前記流路形成部材を構成し、下方に前記冷気流が生じる天井壁と、
前記底壁から前記天井壁に向かって前記底壁から立設するとともに、前記底壁と前記天井壁との間の長さよりも短い高さを有する第1側壁と、
対向する前記第1側壁との間に前記冷気流が生じ、前記底壁から前記天井壁まで立設する第2側壁とを備え、
前記吐出口は、前記第1側壁の上端と前記天井壁との間を通る冷気を吐出するように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の冷蔵庫。
【請求項14】
前記流路形成部材の内部を流れる冷気の流量は、前記底壁近傍の冷気が昇温して軽くなることで前記第1側壁を超えるようになる前に、冷気を前記吐出口から吐出させる流量である
ことを特徴とする請求項13に記載の冷蔵庫。
【請求項15】
前記吐出口を形成する開口の領域は、前記冷気流による冷却対象の貯蔵空間の側面視で、前記貯蔵空間の前後方向寸法の全体に対して、50%以上である
ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項16】
前記吐出口は、前記容器に向かう水平方向、又は、前記容器に向かう水平方向よりも下方に開口する
ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項17】
前記容器の内側に形成され、前記冷気流によって冷却される貯蔵空間は、設定温度を、少なくとも、第1温度と、前記第1温度よりも低温の第2温度とに切り替え可能であり、
前記吐出口としての第1吐出口とは異なる別の吐出口であり、前記貯蔵室の後側に配置された第2吐出口を備え、
記貯蔵空間の設定温度が前記第1温度に設定されたことに応じて、
前記第1吐出口からの単位時間当たりの冷気供給量が、前記第2温度に設定時の単位時間当たりの冷気供給量よりも低下又は遮断され、
前記第2吐出口からの単位時間当たりの冷気供給量が、前記第2温度に設定時の単位時間当たりの冷気供給量よりも増加する
ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項18】
前記第1吐出口の開口面積は、前記第2吐出口の開口面積よりも大きい
ことを特徴とする請求項17に記載の冷蔵庫。
【請求項19】
前記容器の内側に形成され、前記冷気流によって冷却される貯蔵空間は、設定温度を、少なくとも、第1温度と、前記第1温度よりも低温の第2温度とに切り替え可能であり、
前記吐出口としての第1吐出口とは異なる別の吐出口であり、前記貯蔵室の後側に配置された第2吐出口を備え、
前記貯蔵空間の設定温度が前記第1温度に設定されたことに応じて、前記第1吐出口及び前記第2吐出口のうち、冷気を吐出する吐出口の開口面積の全体が、前記第2温度に設定時に吐出する吐出口の開口面積の全体よりも減少する
ことを特徴する請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項20】
前記貯蔵室外から供給された冷気が、前記容器の外側面に沿って流れた後、前記貯蔵室に冷気を放出させずに前記貯蔵室外に送り出す流路を備える
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項21】
容器が配置された貯蔵室を備え、前記容器内の空間から離れたところで、前記容器の外側面に沿って、前記貯蔵室の床面から離れた位置で水平方向に沿って流れる、前記貯蔵室外から供給された冷気の、冷気流を形成する冷蔵庫と、情報出力装置と、を備える冷蔵庫システムの生産方法であって、
前記情報出力装置に、前記冷蔵庫に作用するプログラムを提供し、
前記プログラムは、前記情報出力装置を、
前記冷蔵庫での前記容器の内部に形成された第1貯蔵空間の設定温度を変更する変更部と、
前記第1貯蔵空間の設定温度に応じて、前記第1貯蔵空間に収納されることが適切な食品の種類を、人が知覚可能な形態で出力する出力部と、して機能させる
ことを特徴とする冷蔵庫システムの生産方法。
【請求項22】
前記冷蔵庫は、更に、前記記第1貯蔵空間から仕切られた第2貯蔵空間を備え、
前記出力部は、前記第1貯蔵空間及び前記第2貯蔵空間のそれぞれの設定温度に応じて、前記第1貯蔵空間及び前記第2貯蔵空間のうちの一方の貯蔵空間よりも他方の貯蔵空間に収納されることが適切な食品の種類を出力する
ことを特徴とする請求項21に記載の冷蔵庫システムの生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は冷蔵庫及び冷蔵庫システムの生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の請求項1には、「野菜室の天面を断熱壁で形成するとともに、内部に野菜室冷却用風路を設け、前記断熱壁の下面周縁部から冷気が吹き出す構成としたことを特徴とする冷蔵庫。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-205732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、冷気は、貯蔵室の天面を構成する断熱壁内部を流れ、容器端部で下方に向きを変え、容器の側方を下方に流れる。このため、貯蔵室の天面を構成する部材が厚くなり、貯蔵空間の高さ方向寸法が小さくなる。
本開示が解決しようとする課題は、貯蔵空間の高さ方向寸法を長尺化可能な貯蔵庫及び冷蔵庫システムの生産方法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の冷蔵庫は、容器が配置された貯蔵室を備え、前記容器内の空間から離れたところで、前記容器の外側面に沿って、前記貯蔵室の床面から離れた位置で水平方向に沿って流れる、前記貯蔵室外から供給された冷気の、冷気流を形成する。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の冷蔵庫の正面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図2において下段容器及び上段容器を取り外した状態の断面図である。
図4】流路形成部材の斜視図である。
図5】流路形成部材の下面図である。
図6】別の実施形態に係る流路形成部材の断面図である。
図7】別の実施形態に係る流路形成部材の下面図である。
図8】別の実施形態に係る流路形成部材の下面図である。
図9】別の実施形態に係る流路形成部材の下面図である。
図10】扉を外した野菜室の正面斜視図である。
図11】扉を外した野菜室の下方からの正面図である
図12】野菜室での冷気の流れ方を説明する正面図である。
図13】別の実施形態に係る流路形成部材を説明する図である。
図14図13のB-B線断面図である。
図15図13及び図14に示す流路形成部材を備えた下段容器の着脱を説明する図である。
図16】別の実施形態に係る流路形成部材を説明する図である。
図17】別の実施形態に係る冷蔵庫の後側の構造を説明する断面図である。
図18】別の実施形態に係る冷蔵庫を説明する図である。
図19】本開示の情報出力装置の機能ブロック図である。
図20】本開示の情報出力装置に備えられる演算装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための形態(実施形態と称する)を説明する。以下の一の実施形態の説明の中で、適宜、一の実施形態に適用可能な別の実施形態の説明も行う。本開示は以下の実施形態に限られず、異なる実施形態同士を組み合わせたり、本開示の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形したりできる。また、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。更に、同じ機能を有するものは同じ名称を付すものとする。図示の内容は、あくまで模式的なものであり、図示の都合上、本開示の効果を著しく損なわない範囲で実際の構成から変更したり、図面間で一部の部材の図示を省略したり変形したりすることがある。
【0008】
図1は、本開示の冷蔵庫1の正面図である。冷蔵庫1は、上から順に、冷蔵室(不図示)、左右に配置される製氷室及び急速冷凍室(いずれも不図示)、冷凍室(不図示)、及び野菜室10(図2)を備える。冷蔵室は、冷蔵庫1の左右両端にそれぞれ軸支された扉21,22の回動により、前側(正面側)に露出する。左側に配置された製氷室は、引き出し可能な扉3の引き出しにより、前側に露出する。右側に配置された急速冷凍室は、引き出し可能な扉4の引き出しにより、前側に露出する。冷凍室は、引き出し可能な扉5の引き出しにより、前側に露出する。野菜室10は、引き出し可能な扉6の引き出しにより、前側に吐出する。扉6は、野菜室10の前方に形成される開口を閉塞する。野菜室10は例えば0℃以上7℃以下に設定される冷蔵温度帯の貯蔵室である。
【0009】
図2は、図1のA-A線断面図である。野菜室10は、箱体7の内側に形成される。野菜室10には、下段容器11(容器の一例)が配置される。下段容器11の上端に開口121が形成され、開口121を通じて、下段容器11に野菜が収容される。開口121の上端には、上段容器12(容器の一例)の左右両端が支持される。上段容器12は、開口121の上端に沿って前後方向に摺動可能である。
【0010】
上段容器12の内部には、貯蔵空間33(後側上段空間)が形成される。貯蔵空間33には、上段容器12の上部開口を通じて食品を出し入れできる。貯蔵空間33は、例えば5℃以上7℃以下に設定される。貯蔵空間33に貯蔵される野菜としては、冷蔵温度帯の中でも比較的高温保存が好ましい野菜(例えばトマト等)が挙げられる。上段容器12の下方であって、下段容器11の内部には、貯蔵空間32(後側空間。後側下段空間)が形成される。貯蔵空間32は、流路形成部材40(具体的には水平流路部43(図4))による冷却対象である貯蔵空間である。貯蔵空間32は、貯蔵空間33よりも低温で、例えば0℃以上2℃以下に設定される。貯蔵空間32に貯蔵される野菜としては、冷蔵温度帯の中でも比較的低温保存が好ましい野菜(例えばレタス等)が挙げられる。
【0011】
上段容器12の前側であって、下段容器11の内部には、貯蔵空間31(前側空間)が形成される。貯蔵空間31は、貯蔵空間32,33の前側に形成される。貯蔵空間31に貯蔵される野菜としては、冷蔵温度帯の中でも比較的高温保存が好ましく、かつ、高さを有する野菜(例えばアスパラガス等)が挙げられる。
【0012】
貯蔵空間31と貯蔵空間32とは、断熱構造を含む仕切り34によって仕切られる。貯蔵空間32と貯蔵空間33とは、断熱構造を含む上段容器底面35によって仕切られる。これにより、貯蔵空間32は密閉性がある程度確保され、高湿度に保つことができる。貯蔵空間31と貯蔵空間33とは、上段容器12の前側に備えられた連通口(不図示。例えばスリット)を通じて連通する。従って、冷蔵庫1は、貯蔵空間31,32,33を備えるが、貯蔵空間32は、貯蔵空間31,33から仕切られる。
【0013】
冷蔵庫1は冷気流15を形成する。冷気流15は、下段容器11の外側面に沿って、野菜室10の床面14から離れた位置で水平方向に沿って流れる、野菜室10(貯蔵室の一例)外から供給された冷気の流れである。この冷気の流れは、貯蔵空間32の外側から貯蔵空間32を冷却する冷気の流れである。冷気流15は、詳細は後記するが、流路形成部材40の内部に生じる。「水平方向に沿って」とは、厳密な水平方向(前後方向)に限定されず、貯蔵空間32を冷却できる程度に傾いてもよく、具体的には例えば、水平方向に対して例えば10°以下の角度を有する方向も含む。以下、特に断らない限り、同じ表現は同じ意味である。
【0014】
冷気流15は、主に、下段容器11内の貯蔵空間32(空間の一例)から離れたところで、下段容器11の外側面である壁面を介して貯蔵空間32を冷却する。比重の関係から、冷気は野菜室10の床面14付近を流れ易いため、下段容器11の下方が冷え易い。また、冷気は、床面14と下段容器11の外側底面との間にも流れるため、一層、下段容器11の下方が冷え易い。しかし、床面14から離れた位置で冷気流15が形成されることで、下段容器11の高い部分でも下段容器11を冷やすことができ、冷却ムラを抑制できる。また、下段容器11の外側面に沿うことで、貯蔵空間32と貯蔵空間33とを仕切る上段容器底面35を薄くできる。これにより、貯蔵空間32の高さ方向寸法を長尺化できる。
【0015】
冷気流15は、下段容器11の少なくとも2側面に沿って形成される。これにより、複数の面から下段容器11に形成される貯蔵空間32を冷却でき、冷却ムラを抑制できる。なお、側面は、下段容器11の左右側面に加えて、前側に形成される側面(前側面)、及び、後側に形成される側面(後側面)も含む。本開示の例では、冷気流15は、左右側面及び後側面の3側面に沿って形成される。
【0016】
野菜室10に吐出した冷気は、破線矢印で示すように野菜室10を流れ、天面に形成された戻り口36を通じ、冷凍サイクル(不図示)を構成する第1蒸発器(不図示)を収容する室(不図示)に戻される。本実施形態の冷蔵庫1は、野菜室10、製氷室及び急速冷凍室、並びに冷凍室に冷気を供給する第1蒸発器と、冷蔵室に冷気を供給する別の第2蒸発器(不図示)とを備えている。この際、第1蒸発器は、冷凍温度帯の冷気を生成することがあるため、第1蒸発器と第1蒸発器を収納する室とは、野菜室10の過度な冷却を抑制すべく、野菜室10の直後方を避けて配置されることができる。例えば、野菜室10の天井よりも上方の冷凍室の直後方に配置されることができる。
【0017】
図3は、図2において下段容器11(図2)及び上段容器12(図2)を取り外した状態の断面図である。詳細は後記するが、野菜室10の左右内壁には、扉6及び下段容器11を支持する支持部材60が配置される。
【0018】
冷蔵庫1は、冷気流15(図2)を形成する流路が内部に形成された流路形成部材40を備える。流路形成部材40は、野菜室10の背面側に備えられる供給口41に接続される。供給口41は、野菜室10に冷気を供給するものである。供給口41は、例えば、冷蔵庫1に備えられる冷凍サイクル(不図示)を構成する蒸発器(不図示)を収容する室(不図示)に接続される。蒸発器において生成した冷気が供給口41を通じて流路形成部材40に流入する。
【0019】
流路形成部材40の下方には吐出口42が形成され、吐出口42を通じて、冷気が野菜室10に吐出される。吐出口42は、下段容器11(図2)の外方に、野菜室10外から供給された冷気を放出し、下段容器11の側面に沿って配置されたものである。従って、冷気は、直接的には下段容器11には流入しない。吐出口42は、図示の例では、貯蔵空間32の前後方向でほぼ全域に亘って連続的に形成される。なお、吐出口42の例は、図6図8等を参照して後記する。
【0020】
吐出口42を形成する開口の領域は、冷気流15による冷却対象の貯蔵空間32の側面視で、貯蔵空間32の前後方向寸法の全体に対して、50%以上である。このようにすることで、貯蔵空間32の冷却ムラを抑制でき、均一に冷却し易くできる。
【0021】
図4は、流路形成部材40の斜視図である。流路形成部材40は、貯蔵空間32とは区画される冷気流15を内部に形成する部材である。流路形成部材40は、流路形成部材40を構成する部材(例えば壁)の延在方向と概ね同方向に単一の冷気流15を形成する。即ち、冷気流15は、概ね単一の方向に形成される。ただし、その単一の冷気流15から適宜一部分岐して、例えば下面に形成される吐出口42に向かう別の冷気流15が形成される。また、流路形成部材40は、例えば、野菜室10を区画する壁とは異なる部材によって区画される。ただし、流路形成部材40は、野菜室10を区画する壁を少なくとも一部に含む部材によって区画されてもよい。流路形成部材40は、例えば、ダクト状、管状等により構成される。
【0022】
流路形成部材40の内部には、ファン等の、冷気流15を積極的に生じさせる機構は備えられない。流路形成部材40は、吐出口42と、吐出口42が例えば下面に形成された水平流路部43とを備える。水平流路部43は、水平方向に沿って、かつ下段容器11の外側面に沿って延在するものである。吐出口42及び水平流路部43を備えることで、下段容器11の外側面に沿って床面14(図2)から離れた位置で冷気を吐出できる。
【0023】
流路形成部材40は、更に、案内部44を備える。案内部44は、水平流路部43に野菜室10の外の冷気を案内し、冷蔵庫1の箱体7(図2)とは別体に構成されたものである。このようにすることで、案内部44を含む流路形成部材40を、既設の供給口41(図3)に接続できる。これにより、既存の冷蔵庫1の設計を大きく変えることなく、流路形成部材40を設置できる。図示の例では、流路形成部材40の全体が箱体7とは別体に構成される。また、案内部44は、野菜室10の後側で、下段容器11及び上段容器12の真上を避ける位置に配置される。
【0024】
案内部44は、供給口41(図3)に接続される開口45を備える。案内部44は、開口45と水平流路部43とを繋ぐ。更に、案内部44は、供給口41から水平流路部43に向かって流路断面積が拡がるように構成される。これらにより、開口45から水平流路部43までの冷気の流速を低下させて、案内部44と水平流路部43との接続部分46での冷気の衝突を抑制して圧力損失を小さくし、騒音を低減できる。また、流路形成部材40の下面図である図5(後記)に示すように、接続部分46では、下方に吐出口42が設けられている。このため、流速を低下させることで、接続部分46の下方の吐出口42での局所的な吐出を抑制でき、吐出口42の全域で冷気の吐出を均一にし易くできる。
【0025】
水平流路部43は、冷気流15(図2)の形成方向で下流端のうち、水平方向が閉塞するように構成される。これにより、冷気流15の水平方向への吐出を抑制でき、下方に配置される下段容器11(図2)への冷却を促進できる。図示の例では、水平流路部43の前側端部には面47が形成され、これにより、冷気流15(図2)の流通方向で下流端のうち、水平方向が閉塞される。
【0026】
水平流路部43は、野菜室10の後側で左右方向に延在する水平流路部431(第1水平流路部)と、野菜室10の左右それぞれの側で前後方向に延在する水平流路部432(第2水平流路部)とを含む。水平流路部432は、水平流路部431に対し、繋ぎ流路部48によって接続される。繋ぎ流路部48の詳細は図10及び図11を参照して後記する。
【0027】
図5は、流路形成部材40の下面図である。図5には、貯蔵空間32及び仕切り34が破線で図示される。吐出口42は、下段容器11に向かう水平方向(図4の矢印V1方向)、又は、下段容器11に向かう水平方向よりも下方に開口(図4の矢印V1方向から下方に向かって行き、矢印V1に垂直な矢印V2方向に至るまでの間)する。これにより、下段容器11の外側面に沿って冷気を下方に吐出できる。特に、水平方向に開口する場合においても、冷気は下段容器11の外側面に衝突した後、自身の密度によって下方に移動するため、冷気を下方に流すことができる。図示の例では、吐出口42は、下段容器11に向かう水平方向よりも下方である鉛直下方(図4の矢印V2方向)に開口する。また、開口は、水平方向よりも上方には形成されないことが好ましい。こうすると吐出口42を介した水平流路部431,432への異物の侵入を抑制できる。
【0028】
なお、例えば、吐出口42が水平方向に開口するとき、又は、水平方向よりも下方に開口する場合であって、吐出口42から吐出された冷気が下段容器11の外側面に衝突するとき、冷気の衝突部位には断熱材を設けることが好ましい。これにより、下段容器11の外側面での局所的な冷え過ぎを抑制できる。
【0029】
流路形成部材40は、吐出口42から吐出される単位時間当たりの冷気量を、水平流路部43の上流側と下流側とで同程度にする均し部50を備える。これにより、下段容器11の全側面で同じように冷却でき、下段容器11の冷却ムラを抑制できる。
【0030】
均し部50は、冷気の吐出を抑制する部材である。これにより、吐出口42の場所に応じて抑制の程度を変え、吐出量を均一にし易くできる。このような部材としては、例えば、冷気流15を一時的に防止する又は緩慢にする部材が挙げられる。防止する部材としては、例えば部分的に配置された板であり、緩慢にする部材としては例えば局所的に大きさが小さくなるスリット等が挙げられる。
【0031】
図示の例では、均し部50は、メッシュ状の部材である。これにより、メッシュの開口径を変えることで、メッシュの開口のそれぞれから吐出する冷気量を制御できる。メッシュ径(開口径)は、例えば、冷気流15の上流ほど小さく、下流ほど大きくできる。具体的なメッシュ径は、例えばシミュレーション又は実験の少なくとも一方に基づき決定できる。
【0032】
均し部50は、冷気流15(図2)の上流側から下流側に向けて開口面積を大きくした吐出口42である。図示の例では、上記のように吐出口42にはメッシュ状部材が配置されるため、メッシュ部分の開口が吐出口42に相当する。これにより、相対的に風圧が高い上流側では吐出し難くでき、相対的に風圧が低い下流側で吐出し易くできる。この結果、吐出口42の全体で吐出を均一化し易くできる。なお、例えばメッシュ状の部材により構成される均し部50は、流路形成部材40の全域に配置されてもよく、一部のみに配置されてもよい。一部のみに配置される場合、例えば、下流側の目が粗いメッシュに代えて、メッシュを配置しない(即ち、均し部50を配置しない)ことで単に開口している形態にすることができる。
【0033】
吐出口42のうち最も前側に配置される部分421は、仕切り34の前側近傍又は仕切り34より後方に配置される。これにより、水平流路部43による冷却対象となる貯蔵空間32を中心に冷却でき、意図しない貯蔵空間31,33での過度の冷却を抑制できる。部分421は、仕切り34の近傍に配置されることが好ましく、図示の例では、仕切り34より後方であり、仕切り34の後側近傍に配置される。
【0034】
図6は、別の実施形態に係る流路形成部材40の断面図である。図6は、冷蔵庫1の前側から視た流路形成部材40の断面視であり、流路形成部材40の内部には、紙面奥側から手前側に向かう冷気流15が形成される。
【0035】
流路形成部材40に備えられる均し部50は、図6の例では、底壁51と、天井壁52と、第1側壁53と、第2側壁54とを備える。底壁51は、流路形成部材40を構成し、上方に冷気流15が生じるものである。天井壁52は、流路形成部材40を構成し、下方に冷気流15が生じるものである。第1側壁53は、底壁51から天井壁52に向かって底壁51から立設するとともに、底壁51と天井壁52との間の長さよりも短い高さを有するものである。第1側壁53の上端531と天井壁52との間には、隙間55が形成される。第2側壁54は、対向する第1側壁53との間に冷気流15が生じ、底壁51から天井壁52まで立設するものである。
【0036】
吐出口42は、第1側壁53の上端531と天井壁52との間に形成された隙間55を通る冷気を吐出するように構成される。図示の例では、吐出口42は、第1側壁53から視て第2側壁54とは反対側に、第1側壁53と下段容器11との間に配置される。隙間55から吐出された冷気は、天井壁52の下段容器11側から下方に立設するガイド壁56に衝突して下方に向かう。ガイド壁56の下端561と第1側壁53及び底壁51との間には吐出口42が形成され、ガイド壁56に衝突して下方に向かう冷気は、この吐出口42を通じて吐出される。
【0037】
均し部50をこのように構成することで、冷気流15は第1側壁53を乗り越えて吐出口42から吐出される。これにより、冷気の吐出を一時的に抑制できる。
【0038】
流路形成部材40の内部を流れる冷気の流量は、底壁51近傍の冷気が昇温して軽くなることで第1側壁53を超えるようになる前に、冷気を吐出口42から吐出させる流量である。従って、流路形成部材40の内部での自然対流速度よりも、上記の蒸発器(不図示)からの強制対流速度が大きくなる。このようにすることで、過度に昇温する前の冷気を吐出口42から吐出でき、下段容器11を所望の通りに冷却できる。このような冷気流15を生じさせる流路形成部材40の構造(例えば第1側壁53の高さ等)は、例えばシミュレーション、実験等によって決定できる。
【0039】
図7は、別の実施形態に係る流路形成部材40の下面図である。上記図5に示す例では、流路形成部材40の内部に形成される流路の断面積は、冷気流15の上流側から下流側迄の全域で同じであった。しかし、図7に示す例では、流路形成部材40の内部に形成される流路の断面積は、冷気流15の上流側から下流側に向かって大きくなる。なお、均し部50は、全範囲で同じメッシュ径(開口面積)を有するメッシュ状の部材である。
【0040】
流路形成部材40の下流側に向かって流路断面積を大きくすることで、下流側ほど、冷気流15を生じ易くできる。従って、均し部50は、上流側から下流側に向かって流路断面積が大きくなっている部分である。これにより、上流側での吐出及び圧力損失等によって下流側で冷気が流れ難くなっても、上流側よりも大きな流路断面積により流れ易くなり、冷気の局所的な吐出を抑制できる。これにより、流路形成部材40の上流側から下流側迄、冷気を均一に吐出し易くできる。
【0041】
図8は、別の実施形態に係る流路形成部材40の下面図である。図8に示す例では、流路形成部材40の流路断面積は上流側と下流側とで同じであるが、吐出口42の開口面積が上流側から下流側に向かって大きくなっている。これにより、上流側から下流側に向かって吐出口42での圧力損失を低減でき、吐出し易くできる。この結果、下流側の圧力損失を低減でき、全体で均一に吐出し易くできる。なお、均し部50は、全範囲で同じメッシュ径(開口面積)を有するメッシュ状の部材である。
【0042】
図9は、別の実施形態に係る流路形成部材40の下面図である。図9に示す例では、上記図4に示す流路形成部材40において、面47に、冷気流15が形成される流路と連通する開口471が形成される。開口471には、メッシュ状部材が配置され、これにより、吐出量が抑制される。開口471は、冷気流15の形成方向で下流端のうち水平方向に形成される。従って、図9に示す例では、冷気の一部は、開口471を通じて、前側にも吐出される。
【0043】
開口471から吐出される単位時間当たりの冷気量が、水平流路部43の中央に形成された吐出口42からの単位時間当たりの冷気量以下になる。これにより、貯蔵空間32を直接的に冷却する下方への冷気量を増やし、冷却効率を向上できる。
【0044】
図10は、扉6(図2)を外した野菜室10の正面斜視図である。図11は、扉6(図2)を外した野菜室10の下方からの正面図である。冷蔵庫1は、支持部材60を備える。支持部材60は、扉6を前後方向に移動可能に野菜室10の左右壁面に支持し、流路形成部材40とは別体に構成される。支持部材60は、野菜室10に向かって左右壁面から突出し、野菜室10の左右壁面にそれぞれに配置される。支持部材60は、レール61と、固定面62と、レールガイド63(図12)とを備える。レール61は、前側に固定面62を備え、レールガイド63によって支持される。レール61は、下段容器11(図2)の外側面に固定される。固定面62は、扉6(図2)の後側で扉6を固定する。レールガイド63は、野菜室10の左右壁面に固定される。
【0045】
野菜室10において左右それぞれに配置された水平流路部43は、支持部材60とは冷蔵庫1の高さ方向で異なる位置に配置される。これにより、水平流路部43と支持部材60とが左右方向に並んで配置される場合と比べて、野菜室10への壁面からの突出を抑制できる。この結果、下段容器11(図2)の左右方向寸法を大きくでき、収容量を大きくできる。図10及び図11の例では、水平流路部43は、支持部材60の下方に配置されるが、上方に配置されてもよい。また、水平流路部43は、支持部材60とは異なる高さ方向での位置に配置されることが好ましいが、これらは同じ高さ位置に配置されてもよい。この場合、例えば、水平流路部43と支持部材60とは一体に構成することが好ましく、例えば、支持部材60を中空に構成し、水平流路部43を支持部材60の内部に形成できる。
【0046】
上記図4を参照して説明したように、流路形成部材40は、繋ぎ流路部48を備える。繋ぎ流路部48は、本開示の例では、異なる高さ位置に配置される水平流路部43同士が接続される。具体的には、水平流路部431は、支持部材60よりも上方に配置され、水平流路部432は、支持部材60よりも下方に配置される。従って、繋ぎ流路部48は、後側の水平流路部431のそれぞれの左右端から下るようにして、左右それぞれに配置されたそれぞれの水平流路部432の後端に接続される。繋ぎ流路部48を備えることで、支持部材60の例えば下方に水平流路部432を配置する場合に、例えば野菜室10の後側上部に沿って配置した後側の水平流路部431に対して、水平流路部432を接続できる。これにより、比較的空間に余裕がある野菜室10の後側上部の空間を有効利用できる。
【0047】
図12は、野菜室10での冷気の流れ方を説明する正面図である。図12において破線矢印は冷気流15を示す。なお、便宜のため、破線矢印によって冷気流15の一部のみが図示されるが、実際には、上記図5に示す吐出口42のように、冷気は、水平流路部43のほぼ全域から下方に吐出する。
【0048】
上記のように、流路形成部材40は均し部50を備え、冷気の吐出量(冷気の流れ方)が流路形成部材40の全体でほぼ同じになっている。従って、冷気流15は、貯蔵空間32(図2)を区画する下段容器11(図2)の外側面で略同一に生じる。これにより、貯蔵空間32の冷却ムラを抑制できる。
【0049】
図13は、別の実施形態に係る流路形成部材571を説明する図である。図14は、図13のB-B線断面図である。図13及び図14に示す例でも、下段容器11内の貯蔵空間32から離れたところで、下段容器11の外側面に沿って冷気流15が形成される。ただし、図13及び図14の例では、流路形成部材571に吐出口42(図3)は備えられない。従って、冷蔵庫1は、野菜室10外から供給された冷気が、下段容器11の外側面に沿って流れた後、野菜室10に冷気を放出させずに野菜室10に送り出す流路57を備える。流路57は、流路形成部材571の内部に形成され、流路57に冷気流15が生じる。
【0050】
流路形成部材571は、貯蔵空間32とは区画される冷気流15を内部に形成する部材である。流路形成部材571は、流路形成部材571を構成する部材(例えば壁)の延在方向と概ね同方向に単一の冷気流15を形成する。即ち、冷気流15は、概ね単一の方向に形成される。また、流路形成部材571は、例えば、野菜室10を区画する壁とは異なる部材によって区画される。ただし、流路形成部材571は、野菜室10を区画する壁を少なくとも一部に含む部材によって区画されてもよい。流路形成部材571は、例えば、ダクト状、管状等により構成される。
【0051】
流路57は、床面14から離れたところで、下段容器11の左右外側面及び前側面に沿って形成される。流路57は、上段容器12の下方に形成され、少なくとも貯蔵空間32(図2)を冷却する冷気流15を形成する。従って、流路形成部材571は、上段容器12の下方において、下段容器11の左右外側面及び前側面のそれぞれに固定される。流路57は、後右側の供給口41、及び、後左側の戻り口59に接続される。戻り口59は、例えば上記の蒸発器(不図示)を収容する室(不図示)に繋がる。接続は、例えばシール部材(不図示)等を含む接続部58を介して、着脱可能に行われる。供給口41から野菜室10に供給された冷気は、下段容器11の右側面の流路形成部材571、前側面の流路形成部材571、及び左側面の流路形成部材571のそれぞれの内部を通り、戻り口59に戻される。
【0052】
図15は、図13及び図14に示す流路形成部材571を備えた下段容器11の着脱を説明する図である。扉6(図2)を前側に引き出すと、支持部材60(図10図11)により、下段容器11が前側に引き出される。このとき、下段容器11に固定された流路形成部材571は、左右それぞれの接続部58から分離する。一方で、扉6を後側に押し込むと、支持部材60(図10図11)により、下段容器11が野菜室10に押し込まれる。そして、下段容器11が最も奥まで押し込まれると、左右それぞれの流路形成部材571の後端が、流路形成部材571の外形状とほぼ同じ形状となる内壁を有する接続部58に押し込まれる。これにより、流路形成部材571は、左右それぞれの接続部58に接続される。
【0053】
図16は、別の実施形態に係る流路形成部材641を説明する図である。図16に示す例でも、上記図14及び図15に示す例と同様に冷気流15(図14図15)が形成される。冷気流15は流路64に生じる。流路64は、野菜室10外から供給された冷気が、下段容器11の外側面に沿って流れた後、野菜室10に冷気を放出させずに再び野菜室10の外に戻るように冷気を送り出すものである。流路64は、流路形成部材641の内部に形成される。
【0054】
流路形成部材641は、貯蔵空間32とは区画される冷気流(不図示)を内部に形成する部材である。流路形成部材641は、流路形成部材641を構成する部材(例えば壁)の延在方向と概ね同方向に単一の冷気流を形成する。即ち、冷気流15は、概ね単一の方向に形成される。また、流路形成部材641は、例えば、野菜室10を区画する壁とは異なる部材によって区画される。ただし、流路形成部材641は、野菜室10を区画する壁を少なくとも一部に含む部材によって区画されてもよい。流路形成部材641は、例えば、ダクト状、管状等により構成される。流路形成部材641と、供給口41及び戻り口59(いずれも図14)とは、図16では図示しないが、例えば接続部58(図14)と同様の機構によって接続できる。
【0055】
流路64は、床面14(図14)から離れたところで、下段容器11の左右外側面及び後側面に沿って形成される。従って、流路形成部材641は、下段容器11の左右外側面及び後側面のそれぞれに固定される。流路形成部材641は、各側面において、上下に合計2本配置される。図16において実線矢印に示すように、供給口41(図2)から流入した冷気は、下段容器11の後側面において下方の流路形成部材641を通る。下方の流路形成部材641は、上段容器12の下方に配置される。そして、冷気は、右側後端から右側面に配置された流路形成部材641を流れる。右側面に固定された流路形成部材641のうち、下方に配置された流路形成部材641も、上段容器12の下方に配置される。
【0056】
上段容器12の前方において、下方の流路形成部材641を流れた冷気は上方に向きを変え、更に上段容器12の方向である後側に向きを変える。そして、冷気は、後側に向かって上段容器12の側方に配置された流路形成部材641を流れ、下段容器11の後右端で再度向きを変えて、左側に流れる。左端に至った冷気は、前方向に向きを変え、上段容器12の側方を流れ、上段容器12の前方で下方及び後方に向きを変える。向きを変えた冷気は、上段容器12の斜め下を後側に向かって流れ、戻り口59(図14)に戻される。なお、流路形成部材641は、下段容器11の左右外側面及び後側面のそれぞれに固定されていなくてもよい。例えば、流路形成部材641は、扉6を後側に最も押し込んだ状態における下段容器11の外側面から、野菜室10の壁面を形成する箱体7までの空間に静止させられていてもよい。この場合、流路を箱体7内部に形成する場合に比して、より下段容器11に近しい位置で冷気を流通させることができるため、下段容器11を冷却しやすい。また、箱体7に設ける断熱材の厚みを奪わずに済む。
【0057】
これらのように、供給口41から流入した十分に冷えた冷気は、はじめに後側面及び右側面で下段容器11の貯蔵空間32(図2)を冷却する。これにより、貯蔵空間32の上方に配置される貯蔵空間33よりも、貯蔵空間32を低温に冷却できる。一方で、貯蔵空間32の冷却により多少昇温した冷気によって貯蔵空間33を適度に冷却できる。これにより、貯蔵空間33が過度に冷却されることを抑制できる。
【0058】
図17は、別の実施形態に係る冷蔵庫1の後側の構造を説明する断面図である。上記のように、冷気流15によって冷却される貯蔵空間32の設定温度は貯蔵空間33の設定温度よりも低い。このため、貯蔵空間32は、冷蔵温度帯の中でも特に低温貯蔵が好ましい野菜等の食品の貯蔵に適する。しかし、食品の中には、このような低温貯蔵では寧ろ劣化し易い食品があり、このような食品が多い場合には、貯蔵スペースが不足する可能性がある。そこで、図17に示す例では、貯蔵空間32は、設定温度を、少なくとも、第1温度と、前記第1温度よりも低温の第2温度とに切り替え可能である。第1温度は、例えば貯蔵空間33と同じ例えば5℃以上7℃以下であり、第2温度は、例えば上記各実施形態での貯蔵空間32の設定温度である例えば0℃以上2℃以下である。
【0059】
冷蔵庫1は、吐出口42(第1吐出口)に加えて、吐出口42とは異なる別の吐出口73(第2吐出口)を備える。吐出口73は、野菜室10の後側(下段容器11の後側)に配置され、吐出口73から吐出された冷気は、野菜室10の床面14に沿って流れる。これにより、野菜室10の全体が冷却される。以下、野菜室10では実際には区別できるものではないが、便宜的な区別のため、吐出口73から吐出される冷気に起因する冷気流(吐出口73の上流側での冷気流を含む)を冷気流151という。
【0060】
また、冷蔵庫1は、吐出口73と、上記蒸発器(不図示)を収容する室(不図示)とは、冷気流151を生じる流路76により接続される。流路76の途中には、野菜室10への冷気供給量を調整する開度を調整可能なダンパ72が配置される。また、流路形成部材40に接続される供給口41と、上記蒸発器(不図示)を収容する室(不図示)とは、冷気流15を生じる流路77により接続される。流路77の途中には、流路形成部材40への冷気供給量を調整する開度を調整可能なダンパ71が配置される。ダンパ71,72の開閉制御は、冷蔵庫1に備えられる制御装置(不図示)によって実行される。
【0061】
吐出口42,73を通じた冷気供給量は、貯蔵空間32の設定温度に応じて、変化する。具体的には、貯蔵空間32の設定温度が上記第1温度に設定されたことに応じて、吐出口42からの単位時間当たりの冷気供給量が、上記第2温度に設定時の単位時間当たりの冷気供給量よりも低下又は遮断される。これに加えて、吐出口73からの単位時間当たりの冷気供給量が、上記第2温度に設定時の単位時間当たりの冷気供給量よりも増加する。これらにより、貯蔵空間32の設定温度が第2温度よりも高温の第1温度に設定された場合に、貯蔵空間32を直接的に冷却する流路形成部材40への冷気量を減らすとともに、野菜室10の後側に配置された吐出口73からの冷気を増加できる。この結果、下段容器11の全体を野菜室10の全体で少なくとも冷気流151によって冷却できるため、貯蔵空間32を第1温度に設定できる。
【0062】
また、図17の例では、吐出口42の開口面積は、吐出口73の開口面積よりも大きい。第1温度設定時には、第2温度設定時よりも冷気による冷却の程度を緩めればよく、冷却に必要な冷気量が第1温度の設定時よりも少ない。そこで、吐出口42の開口面積を、吐出口73の開口面積よりも大きく、即ち、吐出口73の開口面積を吐出口42の開口面積よりも小さく設計することで、省スペース化を図り、下段容器11を大きくできる。一方で、吐出口42の開口面積が吐出口73よりも大きく設計されるため、第2温度設定時には、貯蔵空間32の全体を速やかに冷却できる。
【0063】
ダンパ71,72の開度制御は、例えば以下のように実行できる。貯蔵空間32が第2温度設定時には、例えば、図17に示すようにダンパ71が全開、ダンパ72が全閉に制御される。このようにして、野菜室10では、貯蔵空間32の側方から冷気が供給され、貯蔵空間32が冷却される。吐出口42から吐出され、床面14に流れ落ちた冷気は、野菜室10の天面に設けられた戻り口36(図2)に至るまでに野菜室10の空間全体に行き渡り、貯蔵空間31,33も冷却する。これにより、貯蔵空間31,33は、貯蔵空間32の設定温度より高温の第1温度で冷却される。
【0064】
一方で、貯蔵空間32が第1温度設定時、即ち、野菜室10の全体が第1温度設定時には、例えば、ダンパ71の開度小(全閉でもよい)、ダンパ72が全開に制御される。これにより、流路形成部材40からの吐出量が低下又はゼロになるとともに、野菜室10の後側から冷気が吐出される。このようにすることで、貯蔵空間32の冷え過ぎを抑制できるとともに、野菜室10の全体を冷気流151によって第1温度に冷却できる。
【0065】
別の実施形態では、図17に示す冷蔵庫1において、以下の形態が含まれる、具体的には、貯蔵空間32の設定温度が第1温度に設定されたことに応じて、吐出口42及び吐出口73のうち、冷気を吐出する吐出口42,73の開口面積の全体が、第2温度に設定時に吐出する吐出口42,73の開口面積の全体よりも減少する。第1温度は第2温度よりも高温であるため、野菜室10の冷却に使用される冷気量は少なくてよい。このため、第1温度設定時には、吐出口42,73の開口面積の全体を、第2温度に設定時の吐出する吐出口42,73の開口面積の全体より減少させることで、野菜室10の冷え過ぎを抑制できる。
【0066】
ダンパ71,72の開度制御は、例えば以下のように実行できる。貯蔵空間32が第2温度設定時には、例えば、ダンパ71,72がいずれも全開に制御される。従って、冷気を吐出する吐出口42,73の開口面積の全体は、吐出口42の開口面積と吐出口73の開口面積との合計である。このようにすることで、野菜室10の全体を速やかに冷却できる。特に、下段容器11の後側に配置された吐出口73の開口面積が吐出口42よりも小さいため、冷気の吐出量が吐出口42よりも少なく、野菜室10の冷え過ぎを抑制できる。
【0067】
一方で、貯蔵空間32が第1温度設定時、即ち、野菜室10の全体が第1温度設定時には、例えば、ダンパ71の全閉、ダンパ72が全開に制御される。従って、冷気を吐出する吐出口42,73の開口面積の全体は、吐出口73の開口面積であり、第2温度設定時の開口面積よりも減少する。そして、流路形成部材40からの吐出量が低下又はゼロになるとともに、野菜室10の後側から冷気が吐出される。このようにすることで、貯蔵空間32の冷え過ぎを抑制できるとともに、野菜室10の全体を第1温度に冷却できる。
【0068】
なお、ダンパ71,72の一方の開度を全閉にする際、冷気が漏れることがある。しかし、漏れる場合には、冷気を積極的に吐出するものではなく、やむを得ない漏れであるため、漏れ量は無視できる程度である。従って、このような漏れは、冷気の吐出には含めないことにする。
【0069】
図18は、別の実施形態に係る冷蔵庫1を説明する図である。図18に示す冷蔵庫1は、野菜室10(貯蔵室の一例)と、ファン161(送風機の一例)とを備える。野菜室10は、下段容器11及び上段容器12(いずれも容器の一例)を収納する。ファン161は、冷却器160の冷気を下段容器11及び上段容器12の周囲に向かって送風する。冷却器160は、野菜室10を冷却するものであり、例えば0℃~1℃の平均温度を有する。冷却器160は、冷凍サイクルを構成する冷却器でもよく、例えばペルチェ素子等の、その他の冷却機構でもよい。ファン161は、図示の例では野菜室10の外部に備えられているが、野菜室10の内部に備えられてもよい。
【0070】
下段容器11及び上段容器12と、冷却器160との間には障害物が無い。従って、ファン161の駆動により冷却器160から生じた冷気の流れは、下段容器11及び上段容器12の全域を通る。野菜室10を冷却するための専用の冷却器160を備えるため、冷却器160の温度を安定化させることで、下段容器11及び上段容器12の内部に形成された貯蔵空間31,32,33の温度を安定化でき、これらの温度変動を抑制できる。
【0071】
また、図18に示す冷蔵庫1において、別の実施形態として、冷蔵庫1は、いずれも不図示の、第2貯蔵室と、第2冷却器と、第3貯蔵室とを備える。第2貯蔵室は、野菜室10とは異なる温度帯の貯蔵室であり、これに限定されないが例えば冷凍室である。第2冷却器は、第2貯蔵室を冷却する、冷却器160とは異なる冷却器である。第3貯蔵室は、任意で、野菜室10の温度帯と同じ温度帯の貯蔵室であり、これに限定されないが例えば冷蔵室である。
【0072】
従って、この実施形態では、冷蔵用の冷却器(上記第2冷却器)と、野菜室10用の冷却器160と、冷蔵用の冷却器とが備えられる。ただし、冷蔵用の冷却器の配置は任意であり、冷蔵用の冷却器は備えられてなくてもよい。なお、冷蔵用の蒸発器が備えられない場合には、任意の形態で、例えば野菜室10から冷蔵室に冷気を運ぶ風路が備えられることができる。冷却器160は、例えば、野菜室10と、任意で第3貯蔵室とのみに冷気を供給する。このようにしても、野菜室10、第2貯蔵室及び第3貯蔵室のそれぞれの温度変動を抑制できる。
【0073】
図19は、本開示の情報出力装置100の機能ブロック図である。情報出力装置100は、冷蔵庫1に関する情報を例えば使用者に出力する装置である。情報出力装置100は、演算装置101と、入力装置102と、出力装置103とを備える。演算装置101は、変更部110と、取得部111と、出力部112とを備える。
【0074】
変更部110は、冷蔵庫1での貯蔵空間32(第1貯蔵空間)の設定温度を変更するものである。設定温度は、入力装置102を通じて使用者によって入力される。入力装置102は、例えば出力装置103(後記)を構成可能な画面に表示されるボタン、物理的なボタン、スイッチ等を含む。変更は、ネットワーク104(インターネット、イントラネット(無線LAN、Bluetooth(登録商標)等を含む)等)を介して、冷蔵庫1に備えられる制御装置(不図示)を制御することで行われる。
【0075】
取得部111は、貯蔵空間32の設定温度を冷蔵庫1から取得するものである。取得部111は、例えば、ネットワーク104を介して、冷蔵庫1に備えられる制御装置(不図示)に接続することで、設定温度を取得する。ただし、変更部110が設定温度を記憶することで、取得部111は記憶された設定温度を変更部110から読み込んでもよい。
【0076】
出力部112は、貯蔵空間32の設定温度に応じて、貯蔵空間32に収納されることが適切な食品の種類を、人が知覚可能な形態で出力するものである。知覚は、例えば、視覚、聴覚等を含む。また、出力は、出力装置103によって行われ、出力装置103は例えば表示装置(LED、液晶、有機EL等の画面)、スピーカ等を含む。
【0077】
出力部112は、例えば、貯蔵空間32の設定温度と、貯蔵空間32に貯蔵されることが適切な食品の種類とを関連付けたデータベース(不図示)を保有する。従って、出力部112は、当該データベースに基づき、設定温度から食品の種類を決定して出力する。上記のように、食品の種類によって、好ましい貯蔵時の温度が異なる。そこで、例えば、貯蔵空間32の設定温度が例えば0℃以上2℃以下(上記の第2温度)である場合、データベースには、例えば食品の種類としてレタス等が登録される。また、例えば、貯蔵空間32の設定温度が例えば5℃以上7℃以下(上記の第1温度)である場合、データベースには、例えば食品の種類としてトマト等が登録される。
【0078】
このような情報出力装置100によれば、使用者によって変更された貯蔵空間32の設定温度に基づき、使用者が取扱説明書を探すことなく、貯蔵空間32での貯蔵庫に好ましい食品を把握できる。これにより、使用者の手を過度に煩わせることなく食品の劣化を抑制でき、食品を長期間保存できる。
【0079】
また、本開示の冷蔵庫システム200の生産方法(以下、本開示の生産方法という)は、冷蔵庫1と、情報出力装置100とを備える冷蔵庫システム200を生産するための方法である。本開示の生産方法は、情報出力装置100に、冷蔵庫1に作用するプログラムを提供する方法である。プログラムは、情報出力装置100(より具体的には後記するCPU1011(図20))を、変更部110、取得部111、出力部112として機能させるものである。本開示の生産方法により、プログラムをユーザが例えばダウンロードすることで、例えば、冷蔵庫1に取り付けられた携帯端末(不図示)、ユーザが所持する携帯端末(不図示)等を情報出力装置100として使用できる。
【0080】
別の実施形態では、情報出力装置100は、以下の出力部112を備える。即ち、出力部112は、貯蔵空間32(第1貯蔵空間)及び貯蔵空間31(第2貯蔵空間)のそれぞれの設定温度に応じて、貯蔵空間32及び貯蔵空間31のうちの一方の貯蔵空間よりも他方の貯蔵空間に収納されることが適切な食品の種類を出力する。出力部112は、上記データベースに基づき、貯蔵空間32,31のそれぞれの設定温度に対応する食品の種類を決定して出力する。
【0081】
このような情報出力装置100によれば、貯蔵空間32と貯蔵空間31との設定温度が異なる場合に、使用者が取扱説明書を探すことなく、貯蔵しようとする食材をどちらの貯蔵空間に収容すればよいのかを容易に把握できる。これにより、使用者の手を過度に煩わせることなく食品の劣化を抑制でき、食品を長期間保存できる。
【0082】
なお、この場合において、第2貯蔵空間は、貯蔵空間31に加えて更に貯蔵空間33を含んでもよく、貯蔵空間31に代えて貯蔵空間33でもよい。
【0083】
図20は、本開示の情報出力装置100に備えられる演算装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。演算装置101は、例えばCPU(Central Processing Unit)1011、RAM(Random Access Memory)1012、ROM(Read Only Memory)1013等を備えて構成される。演算装置101は、ROM1013に格納されている所定の制御プログラム(例えば情報出力方法)がRAM1012に展開され、CPU1011によって実行されることにより具現化される。情報出力装置100は、冷蔵庫1に取付けられていてもよいし、ユーザが別に所有するスマートフォン等の端末装置であってもよい。
【0084】
本開示は、次の技術的思想を包含する。
(付記1-1)
容器及び冷却器を収納した貯蔵室と、
前記冷却器の冷気を前記容器の周囲に向かって送風する送風機と、を備える冷蔵庫。
(付記1-2)
付記1-1の冷蔵庫において、
前記貯蔵室とは異なる温度帯の第2貯蔵室と、
前記第2貯蔵室を冷却する、前記冷却器とは異なる第2冷却器と、
任意で、前記貯蔵室の温度帯と同じ温度帯の第3貯蔵室と、を備え、
前記冷却器は、前記貯蔵室と、任意で前記第3貯蔵室とのみに冷気を供給する冷蔵庫。
【符号の説明】
【0085】
1 冷蔵庫
10 野菜室(貯蔵室)
11 下段容器(容器)
12 上段容器
121 開口
14 床面
141 流路
15 冷気流
151 冷気流
160 冷却器
161 ファン
200 冷蔵庫システム
21 扉
22 扉
3 扉
31 貯蔵空間(空間、前側空間、第2貯蔵空間)
32 貯蔵空間(空間、後側空間、第1貯蔵空間)
33 貯蔵空間(空間、第2貯蔵空間)
34 仕切り
35 上段容器底面
36 戻り口
4 扉
40 流路形成部材
41 供給口
42 吐出口(第1吐出口)
421 部分
43 水平流路部
431 水平流路部
432 水平流路部
44 案内部
45 開口
46 接続部分
47 面
471 開口
48 繋ぎ流路部
5 扉
50 均し部
51 底壁
52 天井壁
53 第1側壁
531 上端
54 第2側壁
55 隙間
56 ガイド壁
561 下端
562 流路形成部材
57 流路
571 流路形成部材
58 接続部
59 戻り口
6 扉
60 支持部材
61 レール
62 固定面
63 レールガイド
64 流路
641 流路形成部材
7 箱体
71 ダンパ
72 ダンパ
73 吐出口(第2吐出口)
76 流路
77 流路
773 吐出口
100 情報出力装置
101 演算装置
1011 CPU
1012 RAM
1013 ROM
102 入力装置
103 出力装置
104 ネットワーク
110 変更部
111 取得部
112 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20