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  • 特開-残渣物の回収コンベヤ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135128
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】残渣物の回収コンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 45/26 20060101AFI20230921BHJP
   B65G 15/14 20060101ALI20230921BHJP
   B65G 21/14 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
B65G45/26
B65G15/14
B65G21/14 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040176
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】504385982
【氏名又は名称】株式会社JRC
(74)【代理人】
【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 實
【テーマコード(参考)】
3F023
3F025
【Fターム(参考)】
3F023AA01
3F023BA02
3F023BB06
3F023BC01
3F023BC04
3F023EA01
3F025AC01
(57)【要約】
【課題】回収した残渣物を一点に積み上げて回収する方式の残渣物の回収コンベヤを提供する。
【解決手段】荷受け水平部1、垂直部2、払い出し水平部3とで構成した主回収ベルトコンベヤ4と、主回収ベルトコンベヤ4の往行側上面に重なって荷受け残渣物を挟持する押さえ込み水平部5、主回収ベルトコンベヤ4の垂直部2とで残渣物を挟持して上送する垂直部6、主回収ベルトコンベヤ4の払い出し水平部3の上側に向かう押さえ込み部7とで構成した副回収ベルトコンベヤ8と、払い出し水平部3の先端ヘッドプーリ9とその手前迄の間で支点部12を中心に俯仰揺動する揺動フレーム10とからなる残渣物の回収コンベヤ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テール部分の往行側が回収残渣物の荷受け水平部となり、この荷受け水平部から連なって上記残渣物を片面側で荷受け挟持して上送するように設けた垂直部と、この垂直部から連なって前方に突出して突出上面に上記残渣物を荷受けして搬送するように設けた払い出し水平部とで構成した主回収ベルトコンベヤと、この主回収ベルトコンベヤのテール部分の往行側上面に重なって荷受け残渣物を挟持する押さえ込み水平部と、この押さえ込み水平部から連なって上向きに向かうと共に、上記主回収ベルトコンベヤの垂直部とで上記回収残渣物を挟持して上送するように設けた垂直部と、この垂直部から連なって前方に突出して上記主回収ベルトコンベヤの払い出し水平部の上側に向かう押さえ込み部とで構成した副回収ベルトコンベヤと、上記主回収ベルトコンベヤの上記払い出し水平部の先端ヘッドプーリと前記ヘッドプーリの手前迄の間の揺動フレームが俯仰揺動するように設けた支点部と、上記揺動フレームを俯仰揺動するように設けた作用手段とからなる残渣物の回収コンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、下層階(地上階を含む)から上層階の、ある角度の範囲を、主に残渣物を連続的に、そしてある限られたポイントに残渣物を回収するコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤ設備において、搬送物を排出した後にも帰りベルト側に付着し、各種のクリーナ装置で除去してもなお付着、かつ除去した残渣物のあと処理問題が、操業に与える影響として設備管理者の長年の懸念であり、悲願でもあった。
【0003】
特に、帰り側ベルト(リターンベルト)に付着した残渣物が、リターン側のプーリやローラ部に接触して下方に落下することによる清掃作業あるいは高価な原料や製品が無駄になるロスを少しでも無くすことへの日々の労力と費用は莫大なものと推察される。
【0004】
そして、地上に落下して無駄になる前にこれらを少しでも回収して所定の位置に戻す努力は、過去にも種々考えられ取り組まれてきたが(例えば、特許文献1,2,3参照)、設備がおかれている現状からもスペース上からも、回収することが困難な場合が多く効率よく回収できる方法が少なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3195653号公報
【特許文献2】特許第6978031号公報
【特許文献3】特開2001-31232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1、2及び3の方式によると、二条の平行するキャリヤ側ベルトで挟持する搬送物を上送しながら、次の二次搬送ベルトコンベヤ上に荷受けして搬送する方式で、二次搬送するベルトコンベヤに付着した搬送物をクリーニングで掻き落とすことにある。
【0007】
勿論、挟持上送ベルトコンベヤの付着物もクリーニングして回収するようになっている。
【0008】
すると、ベルトコンベヤの組み合わせ本数が多くなって、回収装置のコストが大幅に上昇するなどの問題があった。
【0009】
そこで、この発明は、上述の問題を解消すべく、回収した残渣物を一点に積み上げて、積み上がった残渣物を回収する方式を採用したことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、この発明は、テール部分の往行側が回収残渣物の荷受け水平部となり、この荷受け水平部から連なって上記残渣物を片面側で荷受け挟持して上送するように設けた垂直部と、この垂直部から連なって前方に突出して突出上面に上記残渣物を荷受けして搬送するように設けた払い出し水平部とで構成した主回収ベルトコンベヤと、この主回収ベルトコンベヤのテール部分の往行側上面に重なって荷受け残渣物を挟持する押さえ込み水平部と、この押さえ込み水平部から連なって上向きに向かうと共に、上記主回収ベルトコンベヤの垂直部とで上記回収残渣物を挟持して上送するように設けた垂直部と、この垂直部から連なって前方に突出して上記主回収ベルトコンベヤの払い出し水平部の上側に向かう押さえ込み部とで構成した副回収ベルトコンベヤと、上記主回収ベルトコンベヤの上記払い出し水平部の先端ヘッドプーリと前記ヘッドプーリの手前迄の間の揺動フレームが俯仰揺動するように設けた支点部と、上記揺動フレームを俯仰揺動するように設けた作用手段とからなる構成を採用する。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、この発明によれば、主回収ベルトコンベヤと副回収ベルトコンベヤとで回収残渣物を上送しながら、上記主回収ベルトコンベヤの払い出し水平部から払い出した回収残渣物は、上記払い出し水平部のヘッドプーリの部分で落下排出されて、山形状に積み上がっていく。
【0012】
積み上がっていく残渣物の山形の頂部に払い出し水平部が位置し、かつ排出部分のヘッドプーリが埋没するおそれが近くなると、揺動フレームのヘッドプーリ側が作用手段により上昇するように俯仰揺動させることで、揺動フレームのヘッドプーリ側が埋没するのを防止し、この埋没防止を繰り返すことで回収残渣物の排出作業を連続して行うことができる。
【0013】
なお、回収する残渣物の山形排出が最大になると、積み上がった残渣物を人手などで取り除き、払い出し側のヘッドプーリの埋没阻止により連続回収作業が行える。
【0014】
すると、残渣物の回収作業が長時間極めてスムーズに、かつ能率よく行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施例を示す側面図である。
図2】同上の平面図である。
図3】同下層階の部分を示す拡大側面図である。
図4】同上の拡大側面図である。
図5】ベルトの牽引部分を示す拡大側面図である。
図6】上層階の部分を示す拡大側面図である。
図7】同上の拡大平面図である。
図8】揺動フレームの俯仰部分の作用を示す正面図である。
図9】主回収ベルトコンベヤ及び副回収ベルトコンベヤを示すベルトの側面図である。
図10図9のS-S線の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1から図4に示すように、テール部分の往行側が回収残渣物の荷受け水平部1となり、この荷受け水平部1から連なって残渣物を片面側で荷受け挟持して上送するように設けた垂直部2と、この垂直部2から連なって前方に突出して突出上面に残渣物を荷受けして搬送するように設けた払い出し水平部3とで構成した主回収ベルトコンベヤ4と、この主回収ベルトコンベヤ4のテール部分の往行側上面に重なって荷受け残渣物を挟持する押さえ込み水平部5と、この押さえ込み水平部5から連なって上向きに向かうと共に、上記主回収ベルトコンベヤ4の垂直部2とで回収残渣物を挟持して上送するように設けた垂直部6と、この垂直部6から連なって前方に突出して上記主回収ベルトコンベヤ4の払い出し水平部3の上側に向かう押さえ込み部7とで構成した副回収ベルトコンベヤ8とからなり、また、上記主回収ベルトコンベヤ4の払い出し水平部3のヘッドプーリ9の軸承先端とヘッドプーリ9の手前側迄揺動フレーム10が別形成されて、この揺動フレーム10のヘッドプーリ9の反対側末端が柱材11に支軸12を介し前記揺動フレーム10の先端(ヘッドプーリ9の反対側)が俯仰揺動するようになっている。
【0017】
また、揺動フレーム10は、支軸12を支点として作用手段Aで俯仰揺動するようになっている。
【0018】
上記の作用手段Aとしては、図示の場合、ワイヤ13の巻き取り、巻き戻し機Bで、ワイヤ13を巻き取り、巻き戻して俯仰するようにしたが、限定されず、その他の方式で揺動フレーム10を俯仰させることもある。
【0019】
図中14は、ワイヤ13の走行をガイドするプーリである。15はヘッドプーリ9のドライブ手段である。16は主回収ベルトコンベヤ4及び副回収ベルトコンベヤ8のベルトの走行ガイドプーリである。18は回収残渣物のすべり止め突条である。
【0020】
20は主回収ベルトコンベヤ4及び副回収ベルトコンベヤ8のベルト緊張手段である。21はヘッドプーリ9から払い出した残渣物を荷受けして集積場に積み上げた回収残渣物の排出コンベヤである。
【0021】
22は主回収ベルトコンベヤ4及び副回収ベルトコンベヤ8のベルトの走行ガイドローラである。23は、巻き取り巻き戻し機の据え付けベースである。
【0022】
上記のように構成すると、主回収ベルトコンベヤ4の払い出し水平部3で払い出された回収残渣物は、集積地上に排出されて山積み状になる。
【0023】
この山積みの山が上方に大きく突出してかさが高くなると、作用手段Aにより揺動フレーム10の先端を上昇させ、その上昇を繰り返すことで、ヘッドプーリ9が回収残渣物に埋没することなく、残渣物を極めて効率的に回収することができる。
勿論、回収した残債物は利用される。
【0024】
なお、この発明の搬送手段は、並列ベルトの挟持搬送方式あるいは並列ベルトの挟持と並列ベルトのねじれとを組み合わせることで、階下から階上に搬送する場合等において、数台のコンベヤをコンベヤの許容傾斜角でジグザグに迂回しながら乗り継いでいる従来の搬送方式のように多くのエリアを占有しながら搬送するのに比べて、格段に専有面積が少なくて済む特有の効果がある。
【符号の説明】
【0025】
1 荷受け水平部
2 垂直部
3 払い出し水平部
4 主回収ベルトコンベヤ
5 押さえ込み水平部
6 垂直部
7 押さえ込み部
8 副回収ベルトコンベヤ
9 ヘッドプーリ
10 揺動フレーム
11 柱材
12 支軸
13 ワイヤ
14 プーリ
15 ドライブ手段
A 作用手段
B 巻き取り巻き戻し機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10