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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135192
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】非接触式金銭トレー
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20230921BHJP
   G07D 9/02 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
G07D9/00 481C
G07D9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040279
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】721008925
【氏名又は名称】佐藤 友彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤玖
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA06
3E141AA08
3E141GA10
3E141LA19
(57)【要約】
【課題】
従来、非接触式金銭トレーから供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13を受け取りこぼすことなく受け取ることができないという課題があった。
【解決手段】
本発明の非接触式金銭トレー1は、主に、金銭トレー2と、金銭トレー2を保持するトレー保持体4と、授受する紙幣や硬貨又はレシート13を供給排出する底部開閉体3A及び底部開閉体3Bと、制御ボックス18と、下方に受け体11を備える。さらに、紙幣や硬貨又はレシート13の排出を補助する排出補助手段を備える。また、金銭トレー2に設置された上部位置誘導灯6と、受け体11に設置された位置誘導センサー7と、下部位置誘導灯10と、下部位置検知センサー9と、上下距離検知センサー8と、光源や音声による報知手段を備える。この構造により、金銭トレー2から供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13を受け取りこぼすことなく受け取ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣や硬貨又はレシートの少なくとも1つを供給排出する非接触式金銭トレーであって、底部に前記紙幣や硬貨又はレシートを排出する底部開閉体を有する金銭トレーを備え、かつ、前記紙幣や硬貨又はレシートの排出を補助する排出補助手段を備えることを特徴とする非接触式金銭トレー。
【請求項2】
前記紙幣や硬貨又はレシートを、中央分割部に集めながら供給排出する集約構造を備えることを特徴とする請求項1に記載の非接触式金銭トレー。
【請求項3】
前記紙幣や硬貨又はレシートを、排出口に集めながら供給排出する片側傾斜構造を備えることを特徴とする請求項1に記載の非接触式金銭トレー。
【請求項4】
前記紙幣や硬貨又はレシートを手の平で受け取ることができる位置を誘導する受け取り位置誘導手段を備えることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の非接触式金銭トレー。
【請求項5】
前記受け取り位置誘導手段は、前記紙幣や硬貨又はレシートを手の平で受け
取る位置を、光又は音声の少なくとも1つで知らせる報知手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の非接触式金銭トレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金銭等を供給排出する非接触式金銭トレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコイントレーとして、様々な構造のものが知られている。特許文献1は、主に、金銭又はレシートの少なくとも1つを供給排出する非接触式金銭トレーであって、底部に金銭又はレシートを排出する底部開閉体を有する金銭トレーを備え、トレーに手又は指が触れることなく、金銭又はレシートを、中央分割部に集めながら供給排出する集約構造を備える。
【0003】
特許文献1に示す非接触式金銭トレーでは、金銭の授受が行われる際、金銭又はレシートを底部開閉体の中央分割部に集めながら供給排出する集約構造により、受け取り者は、金銭トレーに手又は指が触れることなく金銭又はレシートの少なくとも1つを授受できる。
【0004】
また、従来の紙幣出金装置として、特許文献2に示す構造が知られている。主にサイズの異なる紙幣を安定した束に集積して一括して出金を行うことができる紙幣入出金装置である。
【0005】
特許文献2に示す紙幣入出金装置では、紙幣を出金する際、ローラー等の機構装置により紙幣を搬送し出金する。
【0006】
また、従来の位置誘導システムとして、特許文献3に示す構造が知られている。主に、位置誘導する手段として、音声又はLED又はレーザーポインタを備える。
【0007】
特許文献3に示す位置誘導システムでは、外観の検査部分を検査台上で指示するLED又はレーザーポインタの点灯手段を有することで、外観検査工程での作業効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第7025588公報
【特許文献2】特開2012-247947公報
【特許文献3】特開2007-18870公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
最近のコロナ禍において、コンビニエンスストアのレジや店舗等、金銭等の授受が発生する場所では、授受者間に、例えば、金銭トレーを使用することで、授受者がお互いに直接接触しない工夫をしている。
【0010】
しかしながら、上記金銭トレーを使用する状況下では、金銭トレーに付着したウイルス及び細菌からの2次感染を防止するため、定期的にアルコール等を用いた消毒や、ビニールで保護して使用する必要があり、その消毒作業やビニールの交換作業が手間となる課題がある。さらには、上記金銭トレーの消毒作業やビニール交換作業時に、その作業者が、ウイルスや細菌等に2次感染してしまうリスクもある。
【0011】
同様に、上記金銭トレーにおける消毒作業やビニール交換作業は、買い物客等、金銭又はレシートの授受者が変わる毎の作業が手間となっており、授受者が変わる毎の作業が実施されていない事が多く見受けられる。そのため、既に金銭トレーに付着したウイルスや細菌等が、金銭トレーを介し、他の買い物客等に2次感染させてしまうリスクもある。
【0012】
上記課題を解決するために、特許文献1に示す非接触式金銭トレーの、底部開閉体や集約構造の様に、金銭トレーに手又は指が触れることなく紙幣や硬貨又はレシートの少なくとも1つを授受できることも考えられる。
【0013】
しかしながら、特許文献1に示す底部開閉体や集約構造を備える非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートを排出する際、底部開閉体に紙幣や硬貨又はレシートが引っかかってしまい、完全に供給排出されない可能性がある。
【0014】
また、特許文献1に示す非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートを受け取る位置の誘導手段がなく、供給排出される紙幣や硬貨又はレシートを適切に受け取ることができる位置を確認できず、紙幣や硬貨又はレシートを取りこぼしてしまう可能性がある。
【0015】
また、取りこぼした紙幣や硬貨又はレシートは、底部開閉体の下方に備える受け体に落下するため、取りこぼした紙幣や硬貨又はレシートを拾う際、受け体に触れてしまうことにより、既に受け体に付着したウイルスや細菌等が、受け体を介し、他の買い物客等に2次感染させてしまうリスクもある。
【0016】
また、特許文献2に示す紙幣入出金装置では、紙幣を出金する際、ローラー等の機構装置により紙幣を搬送し出金する装置であり、底部開閉体の開放動作のように、紙幣や硬貨又はレシートを落下させて供給排出する装置ではない。
【0017】
また、特許文献3に示す位置誘導システムにおいては、作業指示に基づいて、製品の外観検査位置をおこなう装置であり、人体の動作位置を誘導する装置ではない。
【0018】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、底部開閉体の開放動作による、紙幣や硬貨又はレシートの授受が生じる場所において、底部開閉体に紙幣や硬貨又はレシートが引っかかることなく、供給排出することができる排出補助手段を備える非接触式金銭トレーを提供することにある。さらに、受け取り位置誘導手段により、供給排出される紙幣や硬貨又はレシートを適切に受け取ることができる非接触式金銭トレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートの少なくとも1つを供給排出する非接触式金銭トレーであって、底部に前記紙幣や硬貨又はレシートを排出する底部開閉体を有する金銭トレーを備え、かつ、前記紙幣や硬貨又はレシートの排出を補助する排出補助手段を備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、前記紙幣や硬貨又はレシートを、中央分割部に集めながら供給排出する集約構造を備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、前記紙幣や硬貨又はレシートを、排出口に集めながら供給排出する片側傾斜構造を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、前記紙幣や硬貨又はレシートを手の平で受け取ることができる位置を誘導する受け取り位置誘導手段を備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、前記紙幣や硬貨又はレシートを手の平で受け取る位置を、光又は音声の少なくとも1つで知らせる報知手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートの少なくとも1つを供給排出する非接触式金銭トレーであって、底部に金銭又はレシートを排出する底部開閉体を有する金銭トレーを備え、かつ、金銭又はレシートの排出を補助する排出補助手段を備える。この構造により底部開閉体に引っかかることなく、紙幣や硬貨又はレシートを供給排出することができる。
【0025】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートを、中央分割部に集めながら供給排出することができる。この構造により紙幣や硬貨又はレシートを確実に受け取ることができる。
【0026】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートを、排出口に集めながら供給排出することができる。この構造により紙幣や硬貨又はレシートを確実に受け取ることができる。
【0027】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートを手の平で受け取ることができる位置を誘導する受け取り位置誘導手段を備えている。この構造により手の平を紙幣や硬貨又はレシートの受け取りこぼしのない位置に誘導することができる。
【0028】
また、本発明の非接触式金銭トレーでは、紙幣や硬貨又はレシートを受け取る位置を、光又は音声の少なくとも1つで知らせることができる。この構造により手の平を紙幣や硬貨又はレシートの受け取りこぼしのない位置に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態である非接触金式銭トレーを説明する斜視図である。
図2】本発明の実施形態である非接触式金銭トレーの底部開閉体の開放状態を説明する斜視図である。
図3】本発明の実施形態である非接触式金銭トレーの底部開閉体の集約構造及び硬貨集約構造を説明する斜視図である。
図4】本発明の実施形態である非接触式金銭トレーの排出補助手段の構造を説明する(A)底部開閉体の閉鎖構造斜視図、(B)底部開閉体の開放構造斜視図、(C) (A)とは異なる底部開閉体の開放構造斜視図である。
図5】本発明の実施形態である非接触式金銭トレーの機構部品における図4(A)、(B)、(C)とは異なる構造の可変カム構造を説明する(A)下方排出状態斜視 図、(B)収納状態斜視図である。
図6】本発明の実施形態である非接触式金銭トレーの底部開閉体における片側傾斜構造の傾斜状態を説明する斜視図である。
図7】本発明のスタンドを備えた実施形態である非接触式金銭トレーを説明する (A)斜視図、(B)側面図である。
図8】本発明のウイルスや細菌等の除去機能を備えた実施形態である非接触式金銭トレーの正面内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る非接触式金銭トレー1を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の本実施形態の説明の際には、同一部材には原則として同一の符号を用い、繰り返しの説明は省略する。また、上下方向は非接触式金銭トレー1の高さ方向を示し、左右方向は非接触式金銭トレー1の横幅方向を示し、前後方向は非接触式金銭トレー1の奥行方向を示す。
【0031】
図1は、本実施形態の排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1を説明する斜視図である。図2は、本発明の実施形態の排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1における底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開放状態を説明する斜視図である。図3は、本発明の実施形態である非接触式金銭トレー1の底部開閉体3A及び底部開閉体3Bにおける集約構造45及び硬貨集約構造37を説明する斜視図である。図4は、本実施形態の非接触式金銭トレー1の排出補助手段の構造を説明する(A)底部開閉体の閉鎖構造斜視図、(B)底部開閉体の開放構造斜視図、(C)(A)とは異なる底部開閉体の開放構造斜視図である。図5は、本発明の実施形態である非接触式金銭トレー1の機構部品における図4(A)、(B)、(C)とは異なる構造の可変カム構造38を説明する(A)下方排出状態斜視図、(B)収納状態斜視図である。図6は、本実施形態の排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1における他の実施形態を説明する非接触式金銭トレー1の片側傾斜構造の底部開閉体3Cの傾斜状態を示した斜視図である。図7は、本発明のスタンド28を備えた実施形態である非接触式金銭トレー1を説明する(A)斜視図、(B)側面図である。図8は、本発明のウイルスや細菌等の除去機能35を備えた実施形態である非接触式金銭トレー1の正面内部構造図である。
【0032】
図1に示すように、排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1は、主に、金銭トレー2と、金銭トレー2を保持するトレー保持体4と、授受する紙幣や硬貨又はレシート13を供給排出する底部開閉体3A及び底部開閉体3Bと、制御ボックス18と、下方に受け体11を備える。
【0033】
また、図1図2図4に示すように、排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1は、主に、金銭トレー2の上部に備えられた排出補助アーム22と連結した押し出しアーム23と、制御ボックス18内に備えられた支持板19と、モーター20と、動作アーム21(図4(A)から構成される。
【0034】
また、図1に示すように、供給者は紙幣や硬貨又はレシート13を底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの中央分割部に集めながら供給排出する集約構造45(図3参照)を備えた金銭トレー2の底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの上に載置する。紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は金銭トレー2の底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの下方と、受け体11の間の金銭受け取り部12に手の平を上向きに挿入する。この際、受け体11に設置された動作センサー5が手の挿入を感知することで、押し出しアーム23と連動し、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bが開放動作(図2参照)する。
【0035】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13は、押し出しアーム23に押されながら排出することで、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bに引っかかることなく、供給排出することができる。また、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、金銭トレー2に触れずに底部開閉体3A及び底部開閉体3Bから供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13を受け取ることができる。つまり、排出補助手段を備えた非接式触金銭トレー1の紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、金銭トレー2を介した、ウイルスや細菌等の2次感染を防ぐことができる。
【0036】
図1に示すように、受け取り位置誘導手段を備えた非接触式金銭トレー1は、主に、金銭トレー2と、金銭トレー2を保持するトレー保持体4と、授受する紙幣や硬貨又はレシート13を供給排出する底部開閉体3A及び底部開閉体3Bと、制御ボックス18と、下方に受け体11を備える。
【0037】
また、図1に示すように、受け取り位置誘導手段は、上部位置誘導灯6と、位置誘導センサー7と、上下距離検知センサー8と、下部位置検知センサー9と、下部位置誘導灯10から構成される。
【0038】
また、図1に示すように、供給者は紙幣や硬貨又はレシート13を金銭トレー2の底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの上に載置する。紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、金銭トレー2の底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの下方と、受け体11の間の金銭受け取り部12に手の平を上向きに挿入する。この際、上部位置誘導灯6から、下方に備えられた受け体11に設置される上下距離検知センサー8の周辺に向けて照射されるLED等の光源を目印に、供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13の受け取る位置を目視確認しながら挿入する。併せて、LED等の光源による下部位置誘導灯10を目印に手の挿入位置を目視確認しながら挿入する。この際、動作センサー5が手の挿入を感知することで、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bが開放動作(図2参照)する。
【0039】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、上部位置誘導灯6、及び下部位置誘導灯10の光源誘導により、金銭トレー2に触れずに底部開閉体3A及び底部開閉体3Bから供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13を手の平から受け取りこぼすことなく受け取ることができる。つまり、受け取り位置誘導手段を備えた非接式触金銭トレー1の紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、金銭トレー2を介した、ウイルスや細菌等の2次感染を防ぐことができる。
【0040】
図2に示すように、受け体11に備えられた位置誘導センサー7により、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り位置の大幅なズレを、下部位置検知センサー9により、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り位置の細かなズレを、上下距離検知センサー8により、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り位置の最適な手の平の高さを、それぞれのセンサーで検知することで、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者に対し、確実に受け取る事の出来る位置を、ブザー等の音声報知装置(報知手段)14、及びLED等の光源報知装置(報知手段)15で報知することができる。
【0041】
また、図2に示すように、放置手段は、位置誘導センサー7と、上下距離検知センサー8と、下部位置検知センサー9と、音声報知装置(報知手段)14と、及光源報知装置(報知手段)15から構成される。
【0042】
また、ブザー等の音声報知装置(報知手段)14、及びLED等の光源報知装置(報知手段)15は、手の平が下部位置検知センサー9のエリアに入った時に、音声やLED等で報知を開始し、上下距離検知センサー8で、手の平が紙幣や硬貨又はレシート13を受け取ることができる最適な高さになった時には、音量や音の速度、LEDの光量、LEDの色、LEDの点滅速度を変更し報知することができる。
【0043】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者に対し、音声報知装置(報知手段)14、及び光源報知装置(報知手段)15での報知により、紙幣や硬貨又はレシート13の取りこぼしのない受け取り位置を、受け取り者に知らせることができる。つまり音声報知装置(報知手段)14や光源報知装置(報知手段)15での報知により、聴覚や視覚に対して、手の平が紙幣や硬貨又はレシート13の取りこぼしのない受け取り位置にあることを、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者に知らせることができる。
【0044】
図3に示すように、紙幣や硬貨又はレシート13を載置する底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの形状は、紙幣や硬貨又はレシート13を中央分割部へ集約させるための、集約構造45を備えている。さらに、硬貨を中央分割部の中心に集約させることができる硬貨集約構造37を備えている。
【0045】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、集約構造45により、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bから供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13を手の平から受け取りこぼすことなく受け取ることができる。さらに、硬貨集約構造37により、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bから供給排出される硬貨の受け取り者は、硬貨を中央分割部の中心より、手の平から受け取りこぼすことなく受け取ることができる。つまり、集約構造45により、紙幣や硬貨又はレシート13を確実に受け取る事ができる。さらに硬貨集約構造37により、硬貨を中央分割部の中心から、より確実に受け取る事ができる。
【0046】
図4(A)に示すように、排出補助手段の構造は、主に、支持板19と、指示板と連結した排出補助アーム22と、排出補助アーム22と連結した押し出しアーム23と、モーター20と、動作アーム21から構成される。
【0047】
また、図4(B)に示すように、押し出しアーム23と連結する排出補助アーム22は、支持板19と連結しており、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開放動作と連動し、支持板19が動作することで、排出補助アーム22と連結した押し出しアーム23が、紙幣や硬貨又はレシート13を下方に押出しながら供給排出することができる。
【0048】
また、図4(B)に示すように、モーター20の動力により、モーター20と連結した動作アーム21を上下させることで、支持板19が動作する。これにより、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bを開閉動作させることができる。つまり、図4(A)に示すように、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの閉鎖状態から、モーター21と連結した動作アーム21の上昇に伴い、支持板19が連動し図4(B)に示すように、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bを下方に向けて開放動作する。これにより底部開閉体3A及び底部開閉体3Bに載置された紙幣や硬貨又はレシート13を押し出しアーム23が下方に押出しながら供給排出する。
【0049】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13を供給排出する際、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bに紙幣や硬貨又はレシート13が引っかかることなく排出することができる。つまり、押し出しアーム23により、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、紙幣や硬貨又はレシート13を確実に受け取ることができる。
【0050】
排出補助手段の紙幣や硬貨又はレシート13を押し出す構造は、押し出しアーム23の他の実施形態として、押出ローラー、押出シャフト、押出球、押出板、送風押出(図示せず)、からも構成することができる。また、紙幣や硬貨又はレシート13を押し出しながら供給排出する構造であれば、種々の設計変更が可能である。
【0051】
また、図4(B)に示すように、排出補助手段におけるモーター20の速度を遅延させることにより、モーター20と連結した動作アーム21、動作アーム21と連動する支持板19の動作速度が遅延することで、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開閉動作の速度を遅延させることができる。
【0052】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bから供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13を手の平から受け取りこぼすことなく受け取ることができる。つまり底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開放速度を遅延させることで、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bに備えられた集約構造45により、紙幣や硬貨又はレシート13を受け体11の中央に向けて供給排出させることができる。つまり紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、紙幣や硬貨又はレシート13を確実に受け取ることができる。
【0053】
また、図4(A)に示すように、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの紙幣や硬貨又はレシート13を載せる載置面には、複数の凹凸形状24又は摩擦材25を備えている。
【0054】
図4(B)に示すように、載置面の凹凸形状24又は摩擦材25は、紙幣や硬貨又はレシート13の供給排出時、紙幣や硬貨又はレシート13が、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bを滑り落ちる際の抵抗となることで、紙幣や硬貨又はレシート13の滑り落ちる速度を遅延させることができる。
【0055】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bから供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13を手の平から受け取りこぼすことなく受け取ることができる。つまり紙幣や硬貨又はレシート13が底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの滑り落ちる速度を遅延させることで、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bに備えられた集約構造45により、紙幣や硬貨又はレシート13を受け体11の中央に向けて供給排出させることができる。つまり金銭又はレシート13の受け取り者は、紙幣や硬貨又はレシート13を確実に受け取ることができる。
【0056】
紙幣や硬貨又はレシート13が底部開閉体3A及び底部開閉体3Bを滑り落ちる際の抵抗としては、載置面の凹凸形状24又は摩擦材25に限定する物ではなく、紙幣や硬貨又はレシート13が滑り落ちる際に抵抗が生じ、供給排出速度が遅延する構造であれば、種々の設計変更が可能である。
【0057】
また、図4Cに示すように、図4(A)とは異なる底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開閉構造については、ソレノイド26等で支持板19を動作することができる。
【0058】
また、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開放速度は、支持板19にダンパー27等の機構を合わせることで、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開閉動作を遅延させることができる。
【0059】
また、図4における、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bにおける左右の分割比率は、たとえば7対3、このましくは6対4、さらにこのましくは5対5であって、紙幣や硬貨又はレシート13を下方へ供給排出することができる。
【0060】
図5(A)に示すように、支持板19(図4(C)参照)を動作させる変形実施形態である可変カム構造38は、主に、カム固定41を備えたカムカバー40と、カム固定受43を備えたカム42と、可変カム44を備える。
【0061】
また、図5(A)に示すように、可変カム構造38は、主に、カム固定41と、カムカバー40と、カム固定受43と、カム42と、可変カム44から構成される。
【0062】
また、図5(A)に示すように、可変カム構造38は、モーター20の動作と連動し、モーター20に備えられたモーター軸39と、モーター軸39と連結されたカム42が回転する。
【0063】
また、図5(A)に示すように、可変カム44の下方排出時は、カムカバー40に備えられたカム固定41がスプリング等の押し出し機構で押し出され、カム固定受43を貫通し、可変カム44を押して保持することで、可変カム44の下方排出状態を保持することができる。
【0064】
また、図5(B)に示すように、可変カム44は、カム42の中に備えられ、カム42に合わせて回転する。可変カム構造38は図5(A)の状態から、モーター20が回転することでカム42が回転する。可変カム44は、スプリング等の押し出し機構で押し出されているカム固定41が、カム固定受43を貫通し、カムカバー40に収納されることで、可変カム44の下方排出状態の保持を解除する。カム42に合わせて回転した可変カム44が、カムカバー40の上部に接した際、可変カム44は、カム42の内部に押し戻され収納される。
【0065】
その結果、可変カム構造38は、より小さな形状で、支持板19の動作範囲を大きくすることができる。つまり、制御ボックス18を小型化しても、支持板19の動作範囲を損なわない構造となる。
【0066】
カム固定41の押し出し機構は、カム固定41を押し出しながら保持する構造であれば、種々の設計変更が可能である。また、可変カム44を保持する構造は、可変カム44を保持する構造であれば、種々の設計変更が可能である。
【0067】
図6に示すように、排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1の片側傾斜構造は、主に、金銭トレー2と、金銭トレー2を保持するトレー保持体4と、授受する紙幣や硬貨又はレシート13を供給排出する底部開閉体3Cと、押し出しアーム23と、制御ボックス18と、下方に受け体11を備える。
【0068】
また、図6に示すように、排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1の片側傾斜構造は、主に、金銭トレー2と、トレー保持体4と、底部開閉体3Cと、押し出しアーム23と、制御ボックス18と、受け体11から構成される。
【0069】
また、図6に示すように、排出補助手段を備えた非接触式金銭トレー1の片側傾斜構造は、主に、前後に傾斜する底部開閉体3Cの上部に備えられた押し出しアーム23により、底部開閉体3Cに載置された紙幣や硬貨又はレシート13を排出口A16又は排出口B17へ押し出しながら供給排出することができる。
【0070】
また、図6に示すように、供給者は紙幣や硬貨又はレシート13を底部開閉体3Cの排出口A16又は排出口B17に集めながら供給排出する片側傾斜構造を備えた金銭トレー2の底部開閉体3Cの上に載置する。紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、金銭トレー2の底部開閉体3Cに備えられた排出口A16又は排出口B17の紙幣や硬貨又はレシート13が供給排出される方向の下方と、受け体11の間の金銭受け取り部12に手の平を上向きに挿入する。この際、紙幣や硬貨又はレシート13が供給排出される方向の受け体11に設置された動作センサー5が手の挿入を感知することで、押し出しアーム23と連動し、底部開閉体3Cが開放動作する。
【0071】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13は底部開閉体3Cに引っかかることなく、供給排出することができる。また、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、金銭トレー2に触れずに底部開閉体3Cから排出される紙幣や硬貨又はレシート13を受け取ることができる。つまり、排出補助手段を備えた非接式 触金銭トレー1の片側傾斜構造による、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、金銭トレー2を介した、ウイルスや細菌等の2次感染を防ぐことができる。
【0072】
図6に示すように、受け取り位置誘導手段を備えた非接触式金銭トレー1の片側傾斜構造は、主に、金銭トレー2と、金銭トレー2を保持するトレー保持体4と、授受する紙幣や硬貨又はレシート13を供給排出する底部開閉体3Cと、制御ボックス18と、下方に受け体11を備える。
【0073】
また、図6に示すように、受け取り位置誘導手段は、上部位置誘導灯6と、位置誘導センサー7と、上下距離検知センサー8と、下部位置検知センサー9と、下部位置誘導灯10から構成される。
【0074】
また、図6に示すように、供給者は紙幣や硬貨又はレシート13を底部開閉体3Cの上に載置する。紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、紙幣や硬貨又はレシート13が供給排出される方向の排出口A16又は排出口B17の底部開閉体3Cの下方と、受け体11の間の金銭受け取り部12に手の平を上向きに挿入する。この際、紙幣や硬貨又はレシート13が供給排出される方向の排出口A16又は排出口B17に備えられる上部位置誘導灯6から、受け体11の紙幣や硬貨又はレシート13が供給排出される方向の排出口A16又は排出口B17の下方に備えられた上下距離検知センサー8の周辺に向けて照射されるLED等の光源を目印に、供給排出される紙幣や硬貨又はレシート13の受け取る位置を目視確認しながら挿入する。併せて、LED等の光源による下部位置誘導灯10を目印に手の挿入位置を目視確認しながら挿入する。この際、紙幣や硬貨又はレシート13が供給排出される方向の動作センサー5が手の挿入を感知することで、底部開閉体3Cは、紙幣や硬貨又はレシート13が供給排出される方向に傾斜する。
【0075】
その結果、紙幣や硬貨又はレシート13の受け取り者は、上部位置誘導灯6及び、下部位置誘導灯10の光源誘導により、金銭トレー2に触れずに底部開閉体3Cから排出される紙幣や硬貨又はレシート13を手の平から受け取りこぼすことなく受け取ることができる。つまり、受け取り位置誘導手段を備えた非接式触金銭トレー1の受け取り者は、金銭トレー2を介した、ウイルスや細菌等の2次感染を防ぐことができる。
【0076】
非接触式金銭トレー1の片側傾斜構造は、前後又は左右の他、紙幣や硬貨又はレシート13を傾斜して供給排出できる構造であれば、種々の設計変更が可能である。
【0077】
非接触式金銭トレー1においては、紙幣や硬貨又はレシート13の他、直接手の平で受け取り可能な大きさの商品等の受け取り時にも使用できる。
【0078】
図7(A)に示すように、スタンド28を備える非接触式金銭トレー1は、コンビニエンスストアのレジ用テーブルや銀行等のカウンターにおいて、紙幣や硬貨又はレシート13の供給排出が行われる近傍の床面に設置される。
【0079】
また、図7(B)に示すように、スタンド28(点線で示す)を備える非接触式金銭トレー1は、主に、ベース34から立設したスタンド28に設置された底部開閉体操作ペダル29を踏むことにより、底部開閉体操作ペダル29と連結したペダル連結部30と、ペダル連結部30と連結した稼働体32と、稼働体32と連結した開閉体連結部33と、スタンド28に固定された非接式触金銭トレー1の支持板19が連動し、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bが開放動作することで、紙幣や硬貨又はレシート13を受け取ることができる。踏み終えた底部開閉体操作ペダル29においては、ペダル戻しバネ31により元の位置に戻される。つまり、電源等を使用せず底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開閉動作を繰り返し行うことができる。
【0080】
図8に示すように、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bと、金銭受け取り部12の間には、LED等の紫外線光源による、ウイルスや細菌等の除去装置35が備えられており、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bの開放動作後から、紙幣や硬貨又はレシート13を受け取るまでの間に、紙幣や硬貨又はレシート13に付着しているウイルスや細菌等の除去を行う。つまり、紙幣や硬貨又はレシート13に付着したウイルスや細菌等を不活性化することができる。
【0081】
また、図8に示すように、底部開閉体3A及び底部開閉体3Bと、金銭受け取り部12の間には減速板36A及び36B及び36Cが備えられており、下方に供給排出する紙幣や硬貨又はレシート13の供給排出の速度を減速することができる。つまり、LED等の紫外線光源の照射時間を長くすることで、より効果的にウイルスや細菌等の除去をすることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 非接触式金銭トレー
2 金銭トレー
3A、3B、3C 底部開閉体
4 トレー保持体
5 動作センサー
6 上部位置誘導灯
7 位置誘導センサー
8 上下距離検知センサー
9 下部位置検知センサー
10 下部位置誘導灯
11 受け体
12 金銭受け取り部
13 紙幣や硬貨又はレシート
14 音声報知装置(報知手段)
15 光源報知装置(報知手段)
16 排出口A
17 排出口B
18 制御ボックス
19 支持板
20 モーター
21 動作アーム
22 排出補助アーム
23 押し出しアーム
24 凹凸形状
25 摩擦材
26 ソレノイド
27 ダンパー
28 スタンド
29 底部開閉体操作ペダル
30 ペダル連結部
31 ペダル戻しバネ
32 稼働体
33 開閉体連結部
34 ベース
35 除去装置
36A、36B、36C 減速板
37 硬貨集約構造
38 可変カム構造
39 モーター軸
40 カムカバー
41 カム固定
42 カム
43 カム固定受
44 可変カム
45 集約構造

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8