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特開2023-135230情報処理装置、情報処理方法、および、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135230
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230921BHJP
   G06Q 30/0201 20230101ALI20230921BHJP
   G06Q 30/0203 20230101ALI20230921BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20230921BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20230921BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20230921BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20230921BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20230921BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/02 300
G06Q30/02 312
G16Y10/45
G16Y20/10
G16Y20/40
G16Y40/10
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040334
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】立浪 秀喜
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049BB04
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】エリア内における利用者の商品の購入順序を把握する。
【解決手段】本発明の一態様は、エリア内の利用者の動きに関する動線情報を取得する動線取得部と、利用者がエリア内で購入した購入済み商品の商品情報を取得する商品情報取得部と、動線情報に基づいて、エリア内のうち予め決められた商品配置領域ごとに利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定する特定部と、特定部により特定された商品配置領域ごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、商品情報取得部により取得した商品情報とに基づき、利用者による前記購入済み商品の購入順序を決定する順序決定部と、を備えた情報処理装置である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内の利用者の動きに関する動線情報を取得する動線取得部と、
前記利用者が前記エリア内で購入した購入済み商品の商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記動線情報に基づいて、前記エリア内のうち予め決められた商品配置領域ごとに前記利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定する特定部と、
前記特定部により特定された商品配置領域ごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、前記商品情報取得部により取得した商品情報とに基づき、前記利用者による前記購入済み商品の購入順序を決定する順序決定部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記動線情報に基づいて、前記利用者の滞留時間の統計量を示す第1基準値を算出する基準値算出部を備え、
前記順序決定部は、前記利用者が通過した複数の商品配置領域に前記購入済み商品が配置されている場合、前記複数の商品配置領域のうち前記利用者の滞留時間が前記第1基準値以上である商品配置領域において前記利用者が前記購入済み商品を購入した可能性を高くする、
請求項1に記載された情報処理装置。
【請求項3】
前記順序決定部は、前記利用者が通過した複数の商品配置領域に前記購入済み商品が配置されている場合、前記複数の商品配置領域のうち前記利用者の滞留時間がより長い商品配置領域であるほど当該商品配置領域において前記利用者が前記商品を購入した可能性を高くし、前記複数の商品配置領域のうち前記利用者の滞留回数がより多い商品配置領域であるほど当該商品配置領域において前記利用者が前記購入済み商品を購入した可能性を高くする、
請求項1又は2に記載された情報処理装置。
【請求項4】
前記順序決定部は、各商品配置領域について前記利用者の滞留時間の長さを前記利用者の滞留回数よりも優先して、前記複数の商品配置領域のうち前記利用者が前記購入済み商品を購入した可能性が高い商品配置領域を特定する、
請求項3に記載された情報処理装置。
【請求項5】
前記エリア内の各商品配置領域は、配置される商品が複数の細分化された商品分類のいずれかに対応付けられており、
前記順序決定部は、前記購入済み商品が配置されている商品配置領域における前記購入済み商品の商品分類に基づいて、前記利用者による前記購入済み商品の購入順序を決定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項6】
前記順序決定部は、前記利用者が通過した複数の商品配置領域に前記購入済み商品が配置されている場合、前記複数の商品配置領域のうち前記商品に対応付けられた商品分類がより細かい商品配置領域であるほど当該商品配置領域において前記利用者が前記購入済み商品を購入した可能性を高くする、
請求項5に記載された情報処理装置。
【請求項7】
前記エリア内に格子状に配置される仮想ポイントを定義し、各仮想ポイントが、前記動線情報によって示される位置を中心に設定した所定の範囲内に継続して含まれる時間を計測する計測部と、
前記計測部により計測された各仮想ポイントの計測時間を商品配置領域ごとに集計し、各商品配置領域の滞留時間とする滞留時間算出部と、を備えた、
請求項1から6のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項8】
前記順序決定部は、前記利用者が所持する商品運搬用具に商品を入れた順序を前記購入済み商品の購入順序として決定する、
請求項1から7のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項9】
前記順序決定部は、商品配置領域に対する前記利用者の滞留時間が第2基準値未満である場合には、前記商品配置領域において前記購入済み商品を前記商品運搬用具に入れていないと判定する、
請求項8に記載された情報処理装置。
【請求項10】
前記順序決定部は、前記商品配置領域に滞留する滞留時間の長さに応じた重み付け、及び前記商品配置領域の滞留回数に応じた重み付けの少なくとも1つに基づき、前記利用者による前記購入済み商品の購入順序を決定する、
請求項1から9のいずれか一項に記載された情報処理装置。
【請求項11】
エリア内の利用者の動きに関する動線情報を取得するステップと、
前記利用者が前記エリア内で購入した商品の商品情報を取得するステップと、
前記動線情報に基づいて、前記エリア内のうち予め決められた商品配置領域ごとに前記利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定するステップと、
前記特定するステップにより特定された商品配置領域ごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、前記商品情報を取得するステップにより取得した商品情報とに基づき、前記利用者による前記商品の購入順序を決定するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに所定の方法を実行させるプログラムであって、
前記方法は、
エリア内の利用者の動きに関する動線情報を取得するステップと、
前記利用者が前記エリア内で購入した商品の商品情報を取得するステップと、
前記動線情報に基づいて、前記エリア内のうち予め決められた商品配置領域ごとに前記利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定するステップと、
前記特定するステップにより特定された商品配置領域ごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、前記商品情報を取得するステップにより取得した商品情報とに基づき、前記利用者による前記商品の購入順序を決定するステップと、を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケット、ショッピングモール等の店舗において、利用者の消費動向を把握し、さらに販売を増加させるため、消費者がどのように施設内を移動しているかについての情報を分析することが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ショッピングエリア内においてユーザが携行可能であって、商品が収容される可搬コンテナに配設される信号発信器から発信される信号を受信することで、ショッピングフロアにおける顧客ユーザの行動ログ(移動履歴)を集積するようにした、位置情報収集装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-33442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の技術では顧客の店舗フロア内での移動履歴はわかるものの、顧客が店舗フロア内を移動中に商品を買い物かごやカートに入れた順番を把握することはできない。また、近年、利用者端末により商品のコード情報をスキャンすることにより商品を購入する仕組みが導入されつつあり、このような仕組みでは顧客による商品の購入順序を把握できるが、システムの導入には多額の費用が発生する。
そこで、本発明は、エリア内における利用者の商品の購入順序を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、エリア内の利用者の動きに関する動線情報を取得する動線取得部と、前記利用者が前記エリア内で購入した購入済み商品の商品情報を取得する商品情報取得部と、前記動線情報に基づいて、前記エリア内のうち予め決められた商品配置領域ごとに前記利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定する特定部と、前記特定部により特定された商品配置領域ごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、前記商品情報取得部により取得した商品情報とに基づき、前記利用者による前記購入済み商品の購入順序を決定する順序決定部と、を備えた情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、エリア内における利用者の商品の購入順序を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の利用者行動分析システムを概略的に示す図である。
図2】動線データセットのデータ構成例を示す図である。
図3】第1の実施形態の利用者行動分析システムが適用される例示的な店舗フロアの平面図である。
図4】商品配置テーブルのデータ構成例を示す図である。
図5図3に示す店舗フロアにおいて1つの無線タグの動線を例示する図である。
図6図3に示す例示的な店舗フロアにおいて仮想ポイントの配置例を示す図である。
図7】仮想ポイントの設定例について説明する図である。
図8】例示的な店舗フロアにおいて設定される仮想円の例を示す図である。
図9】第1の実施形態の利用者行動分析システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
図10】購入データセットのデータ構成例を示す図である。
図11】商品取得順序決定処理を示すフローチャートである。
図12】行動データセットのデータ構成例を示す図である。
図13】購入済み商品に対するゾーンマッチング処理を示すフローチャートである。
図14】スコア付与処理を示すフローチャートである。
図15】スコア付与処理の具体例を説明する図である。
図16】取得順序データセットのデータ構成例を示す図である。
図17】第2の実施形態の利用者行動分析システムを概略的に示す図である。
図18】第2の実施形態の利用者行動分析システムにおいて、動線データから行動データセットを作成する例を示す図である。
図19】表示管理データベースのデータ構成例を示す図である。
図20】異なる条件IDに対応した複数の滞在順序条件データを例示する図である。
図21】第2の実施形態の利用者行動分析システムにおいて店舗内の表示装置に表示される画面例を示す図である。
図22】第2の実施形態の利用者行動分析システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
図23】第2の実施形態のサーバによって実行される表示制御処理を示すフローチャートである。
図24】第2の実施形態の利用者行動分析システムにおいて店舗内の表示装置に表示される画面例を示す図である。
図25】第2の実施形態の利用者行動分析システムにおいて店舗内の表示装置に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの一実施形態について説明する。以下では、情報処理装置を含むシステムの一例として、買い物カートや買い物かご等の商品運搬用具に取り付けられた通信デバイスの動線情報から利用者の動きに関する動線情報を特定する利用者行動分析システムについて説明する。
【0010】
例えば、スーパーマーケット等、複数の売り場が混在する店舗では、多数の来店者が店舗内を移動して売り場から商品を取得し、レジ(キャッシュレジスタ)で会計する。このとき、商品を手に取り、レジまで運搬するために、買い物かごや買い物カートが使用される。そのため、店舗を利用する利用者の行動を分析するために、例えば買い物かごや買い物カートに通信デバイスを取り付けて買い物かごや買い物カートの動線(つまり、通信デバイスの動線)を利用者の動きに関する動線として取得することが考えられる。
【0011】
以下では、買い物カート又は買い物かごに取り付けられる通信デバイスが無線タグである場合について説明するが、通信デバイスの種類についてはその限りではなく、スマートフォン、ウェアラブル端末、タブレット端末等の他の通信デバイスであってもよい。
【0012】
一実施形態の情報処理装置は、店舗等のエリア内の利用者の動きに関する動線情報を取得する動線取得部と、利用者がエリア内で購入した購入済み商品の商品情報を取得する商品情報取得部と、動線情報に基づいて、エリア内のうち予め決められた商品配置領域ごとに利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定する特定部と、特定部により特定された商品配置領域ごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、商品情報取得部により取得した商品情報とに基づき、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する順序決定部と、を備える。この情報処理装置によれば、利用者の動線情報に基づいて、利用者による購入済み商品の購入順序を把握でき、商品の売り場設計の改善等に役立てることができる。
【0013】
一実施形態の情報処理装置は、動線情報に基づいて、利用者の滞留時間の統計量を示す第1基準値を算出する基準値算出部を備える。この場合、上記順序決定部は、利用者が通過した複数の商品配置領域に購入済み商品が配置されている場合、複数の商品配置領域のうち利用者の滞留時間が第1基準値以上である商品配置領域において利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。これにより、利用者による購入済み商品の購入順序を決定するときの精度が高くなる。
【0014】
一実施形態の情報処理装置において、上記順序決定部は、利用者が通過した複数の商品配置領域に購入済み商品が配置されている場合、複数の商品配置領域のうち利用者の滞留時間がより長い商品配置領域であるほど当該商品配置領域において利用者が商品を購入した可能性を高くし、複数の商品配置領域のうち利用者の滞留回数がより多い商品配置領域であるほど当該商品配置領域において利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。これにより、利用者による購入済み商品の購入順序を決定するときの精度が高くなる。
【0015】
一実施形態の情報処理装置において、上記順序決定部は、各商品配置領域について前記利用者の滞留時間の長さを前記利用者の滞留回数よりも優先して、複数の商品配置領域のうち利用者が購入済み商品を購入した可能性が高い商品配置領域を特定する。滞留時間が長い場合に商品の購入に時間を掛けたと考えることができるため、滞留時間を優先することで利用者による購入済み商品の購入順序を決定するときの精度が高くなる。
【0016】
一実施形態の情報処理装置において、エリア内の各商品配置領域は、配置される商品が複数の細分化された商品分類のいずれかに対応付けられている。この場合、上記順序決定部は、購入済み商品が配置されている商品配置領域における購入済み商品の商品分類に基づいて、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する。例えば、上記順序決定部は、利用者が通過した複数の商品配置領域に購入済み商品が配置されている場合、複数の商品配置領域のうち商品に対応付けられた商品分類がより細かい商品配置領域であるほど当該商品配置領域において利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。これにより、利用者による購入済み商品の購入順序を決定するときの精度が高くなる。
【0017】
一実施形態の情報処理装置は、エリア内に格子状に配置される仮想ポイントを定義し、各仮想ポイントが、動線情報によって示される位置を中心に設定した所定の範囲内に継続して含まれる時間を計測する計測部と、計測部により計測された各仮想ポイントの計測時間を商品配置領域ごとに集計し、各商品配置領域の滞留時間とする滞留時間算出部と、を備える。このように滞留時間を算出することで、商品配置領域の境界において滞留時間を誤って計測することが回避される。
【0018】
一実施形態の情報処理装置において、上記順序決定部は、利用者が所持する商品運搬用具(例えば、買い物カートや買い物かご)に商品を入れた順序を購入済み商品の購入順序として決定する。
【0019】
一実施形態の情報処理装置において、上記順序決定部は、商品配置領域に対する利用者の滞留時間が第2基準値未満である場合には、商品配置領域において購入済み商品を商品運搬用具に入れていないと判定する。例えば、商品配置領域の滞留時間が第2基準値未満である場合には、当該商品配置領域を利用者が単に通過したに過ぎないと考えられるため、上記判定を行うことで購入済み商品を入れた商品配置領域をより正しく特定することができる。
【0020】
一実施形態の情報処理装置において、上記順序決定部は、商品配置領域に滞留する滞留時間の長さに応じた重み付け、及び商品配置領域の滞留回数に応じた重み付けの少なくとも1つに基づき、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する。これにより、利用者による購入済み商品の購入順序を決定するときの決定方法を柔軟に設定することができる。
【0021】
一実施形態の情報処理装置は、エリア内に配置された出力装置と通信可能であって、エリア内の利用者の動きに関する動線情報を取得する動線取得部と、動線情報に基づいて、エリア内の予め決められた商品配置領域のうち、利用者が滞在した商品配置領域の滞在順序を示す滞在順序情報を取得する滞在順序取得部と、滞在順序取得部により取得された滞在順序情報と、商品配置領域で販売される商品の購入順序情報とに基づき、利用者が将来購入する商品を予測する購入商品予測部と、購入商品予測部により予測された商品が配置された商品配置領域に利用者が存在する場合に、商品配置領域に配置された出力装置に商品に関連するコンテンツを出力させる出力制御部と、を備える。この情報処理装置によれば、利用者が将来購入する商品を当該利用者に対して効果的に訴求することができる。
【0022】
出力装置は、例えばデジタルサイネージであるが、その限りではなく店舗内で画像(動画を含む)を表示可能な出力機器であればいかなる装置でもよい。また出力装置は、利用者が利用する利用者端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末、買い物カート等に取り付けられた端末等)であってもよい。この場合、利用者の位置に応じて商品に対応するコンテンツをプッシュ通知してもよい。例えば、利用者端末に店舗の利用に関連するアプリケーションがインストールされている場合、アプリケーションが自動的に商品に対応するコンテンツを通知(プッシュ通知)してもよい。
【0023】
一実施形態の情報処理装置において、上記出力制御部は、動線情報に基づいて、利用者が表示装置に表示された画像が視認できる位置まで近付いていると推定される場合に、商品に関連するコンテンツを出力装置に出力させる。これにより、利用者が将来購入する商品を当該利用者に対してより直接的に訴求することができる。
【0024】
一実施形態の情報処理装置において、上記購入商品予測部が、利用者が将来購入する複数の商品を予測した場合に、表示制御部は、複数の商品にそれぞれに関連する複数のコンテンツを、同時に出力装置に出力させる。これにより、1台の出力装置で複数の商品を利用者に訴求することができる。
【0025】
一実施形態の情報処理装置において、上記購入商品予測部が、利用者が将来購入する複数の商品を予測した場合に、出力制御部は、複数の商品にそれぞれに関連する複数のコンテンツを、所定時間ごとに切り替えて出力装置に出力させる。これにより、1台の出力装置で複数の商品を利用者に訴求することができる。
【0026】
一実施形態の情報処理装置において、上記滞在順序取得部は、エリア内の予め決められた商品配置領域のうち利用者が所定時間以上滞在した商品配置領域を、利用者の滞在順序に含める。これにより、利用者が単に通過したに過ぎない商品配置領域を利用者の滞在順序を決定する際に考慮しないで済む。
【0027】
一実施形態の情報処理装置において、上記出力制御部は、商品が配置された商品配置領域における利用者の移動速度及び/又は滞留時間に応じて、商品に関連するコンテンツの出力時間及び/又は出力内容を決定する。これにより、利用者の行動特徴に対応させたコンテンツの出力制御が可能となる。
【0028】
一実施形態の情報処理装置において、上記出力制御部は、購入商品予測部により予測された商品が配置された位置までの情報又は当該位置までの経路に関する情報を、出力装置に出力させる。これにより、利用者を商品まで案内することができる。
【0029】
一実施形態の情報処理装置は、出力装置の周辺に存在する利用者数に関する利用者数情報を取得する利用者数取得部を備える。その場合、上記出力制御部は、購入商品予測部により予測された商品の商品配置領域に配置された出力装置の周辺に存在する利用者数に応じて、商品に関連するコンテンツの出力時間、出力内容、及び出力タイミングのうち少なくともいずれかを決定する。これにより、出力装置の周辺の混雑状況に応じたコンテンツの出力制御が可能となる。
【0030】
一実施形態の情報処理装置において、上記出力制御部は、出力装置の所定距離以内に他の利用者がいる場合には、出力装置の所定距離以内に他の利用者がいない場合よりも、商品に関連するコンテンツの出力時間を短くする。これにより、ターゲットとなる利用者の周辺に他の利用者が存在するか否か等の状況に応じたコンテンツの出力時間とすることができる。
【0031】
一実施形態の情報処理装置において、上記購入商品予測部は、エリア内の複数の利用者の各々が将来購入する商品を予測する。その場合、上記出力制御部は、購入商品予測部により複数の利用者に対して予測された商品に共通性がある商品が含まれており、かつ共通性がある商品が配置された商品配置領域に複数の利用者が存在する場合に、商品配置領域に配置された出力装置に共通性がある商品に関連するコンテンツを出力させる。これにより、出力装置を最大限効果的に活用することができる。
【0032】
一実施形態の情報処理装置において、上記購入商品予測部は、利用者が将来購入する複数の商品を予測する。その場合、出力制御部は、複数の商品に共通性がある商品配置領域に配置され、かつ共通性がある商品配置領域に利用者が存在する場合に、共通性がある商品配置領域に配置された出力装置に、複数の商品のうち所定の条件を満たす商品に関連するコンテンツを出力させる。これにより、利用者に対して将来購入する複数の商品が予測された場合に、所望の商品(例えば店舗の意向に沿った商品)を販促することができる。
【0033】
(1)第1の実施形態
一実施形態の利用者行動分析システムでは、サーバ(情報処理装置の一例)は、店舗フロア内の利用者の動線を示す動線データを取得するとともに、当該利用者が店舗フロア内で購入した購入済み商品の商品情報を取得する。
本開示において、「商品情報」とは、商品を個別に特定する情報である。商品情報には、例えば、商品名称、商品コード、商品型式等が含まれる。商品コードは、商品を個別に特定する識別情報である。購入済み商品の商品情報(例えばPOSデータ等)は、例えば店舗のレジに接続されたPOSシステム等から取得できる。
【0034】
一実施形態の利用者行動分析システムでは、サーバは、動線情報に基づいて、店舗フロア内のうち予め決められたゾーン(商品配置領域の一例)ごとに利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定する。店舗フロアの各ゾーンには店舗で扱う同一のカテゴリの商品が配置されている。
「滞留時間」は、利用者がゾーンに滞在した時間に限られない。利用者がゾーンを単に通過したときの時間が滞留時間に含まれないように、滞留時間を利用者がゾーンに所定時間以上継続して滞在した場合の時間であってもよい。
一実施形態の利用者行動分析システムでは、サーバは、特定されたゾーンごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、取得した購入済み商品の商品情報とに基づき、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する。
「商品の購入順序」は、店舗において利用者が商品を購入する意思をもって商品を買い物カート又は買い物かごに入れた順序を意味し、店舗において利用者が商品を取得した順序(つまり、商品取得順序)と同じである。
以下、一実施形態の利用者行動分析システムについて、図面を参照してより具体的に説明する。
【0035】
図1は、本実施形態の利用者行動分析システム1を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態の利用者行動分析システム1は、例えば店舗内で各利用者が使用するカートCTやかご等に取り付けられた無線タグ2、受信機3、店舗端末4、及び、サーバ5を備える。図1では、カートCTに無線タグ2が取り付けられる場合を例示している。
【0036】
無線タグ2は、通信デバイスの一例であり、例えば比較的小型の無線通信装置である。無線タグ2は、所定周期で電波(ビーコン信号)を放射する。ビーコン信号は、周囲の電波環境にもよるが、所定の範囲で受信可能となるように放射される。ビーコン信号には、例えば、無線タグ2を識別する識別情報(タグID等)の情報が含まれる。
受信機3とサーバ5は、ネットワークNWで接続され、来店者の店舗内での位置を特定する位置特定システムを構成する。ネットワークNWは、例えば、セルラー網や、Wi-Fi網、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、公衆回路、専用回路、無線基地局等である。
【0037】
一実施形態では、無線タグ2の測位は、店舗の天井に受信機3を設置し、無線タグ2から放射される電波(ビーコン信号)を受信機3が受信し、受信したビーコン信号の入射角を算出するAOA(Angle of Arrival)方式を利用する。受信機3では、無線タグ2から受信するビーコン信号の入射角(到来方向)を測定し、測定した入射角の情報をサーバ5に送る。サーバ5では、送信元の受信機3の店舗内での位置(XYZ座標の位置)と、当該位置を基準とした入射角とから、無線タグ2の位置(XY座標)を特定する。
無線タグ2と受信機3との通信プロトコルは問わないが、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy(以下、BLE)等が挙げられる。
【0038】
1つの受信機3(ロケータ)によっても無線タグ2の位置を推定可能であるが、ビーコン信号の受信信号強度(RSSI)の大きさや店舗面積、店舗の電波環境に応じて、より多くの受信機3を設けることが好ましい。例えば、店舗の天井には、等間隔で受信機3を配置し、売り場が密集している場所等の特に測位精度が要求される場所には、より短い間隔で受信機3を配置することが好ましい。なお、無線タグ2の測位方法はAOA方式に限定するものではなく、TOA(Time of Arrival)方式等の他の方法を利用してもよい。
無線タグ2の測位間隔は、任意に設定してよいが、利用者の行動を正確に把握するために必要な時間(例えば、100ms~2秒)に設定される。
【0039】
サーバ5は、無線タグ2の位置を算出(取得)し、無線タグ2の動線データセットを記録する。図2に示すように、動線データセットでは、動線IDごとに、無線タグ2の位置(XY座標の位置)のデータと、時刻のデータ(時刻情報)とが対応付けられている。以下の説明では、1つの動線IDに対して、無線タグ2の位置情報と時刻情報とが対応付けられたデータを「動線データ」(動線情報の一例)という。
動線IDは、無線タグ2の識別情報であるタグIDと1対1で対応している。つまり、動線データセットは、複数のタグIDの各々に対応する複数の動線データからなる。1つのタグIDに対応する動線データは、1利用者の店舗内の動線に対応する。
以下の説明では、ある動線IDの動線データと、当該動線IDに対応するタグIDに対応する動線データとは同じ意味である。
【0040】
サーバ5は、利用者が移動する店舗フロア(エリアの一例)の平面上の二次元情報と、店舗フロアを分割する複数のゾーンの各ゾーンの境界位置に関する二次元情報と、を含む店舗マップを有する。
図3は、例示的な店舗フロアSFの平面図である。図3には、ゾーンZ11~Z44からなる4×4の16ゾーンに店舗フロアSFを分割した例が示される。なお、図3は個々のゾーンを矩形又は正方形で示した例であるが、その限りではなく、各ゾーンは、全体的なフロア形状や配置される商品に応じて任意の形状とすることができる。
【0041】
サーバ5は、店舗フロアの各ゾーンに配置される商品のカテゴリが設定されている商品配置テーブルを有する。
図4に、商品配置テーブルのデータ構成例を示す。図4に示す例では、ゾーンZ11~Z44の各々に対して、カテゴリC1~C6(複数の細分化された商品分類の一例)のうち少なくともいずれかが設定されている。ここで、カテゴリC1,C2,C3,C4,C5,C6はこの順に細分化されており、カテゴリC1は最も大分類のカテゴリであり、カテゴリC6は最も小分類のカテゴリであり商品自体を示している。例えば、ゾーンZ32には、カテゴリC1:加工食品、カテゴリC2:カレー、カテゴリC3:カレールーが設定されており、この順でカテゴリが細分化されている。なお、例えばゾーンZ42,Z43に示すように、カテゴリC1の設定が同一である場合がある。
図4に示すように、各ゾーンについてすべてのカテゴリC1~C6が設定されている必要はない。図4では、各ゾーンを6つのカテゴリに細分化した例を示しているが、その限りではなく、細分化するときのカテゴリ数は任意に設定することができる。
【0042】
図5は、図3に示した店舗フロアSFにおいて1つのタグIDに対応する動線FLを例示している。動線FLは、図2に示した動線データに対応している。動線データと、各ゾーンが定義された店舗マップと、に基づいて、サーバ5は、タグIDに対応する利用者が店舗フロアにおいて滞在したゾーンの順序(滞在順序)や各ゾーンの滞留時間(後述する)を把握できる。
サーバ5は、例えばタグIDに対応する利用者が購入した商品(購入済み商品)の情報(後述する購入データセット)をPOSシステム7等から取得する。
サーバ5は、利用者に対応するタグIDの動線データと、店舗マップと、当該利用者の購入済み商品の情報と、に基づき、後述する動線解析プログラムを実行して当該利用者の購入済み商品の取得順序(つまり、カートCT等に商品を入れた順序)を決定する。
【0043】
再度図1を参照すると、店舗端末4は、例えば、店舗の事務所等に配置され、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の表示パネルを備えた端末である。店舗端末4は、ネットワークNWを介してサーバ5と通信可能である。店舗端末4は、例えば、サーバ5から動線データを取得して図3に示すように動線を表示したり、サーバ5から動線解析プログラムの実行結果を取得して表示したりする端末であるが、利用者行動分析システム1に必ずしも必須の構成ではない。
【0044】
次に、利用者の店舗内の各ゾーンにおける滞留時間の計測方法について、図6図8を参照して説明する。
滞留時間とは、店舗内を巡回した利用者が店舗内で立ち止まった時間である。図5に示したように、無線タグ2の動線FLは、利用者の店舗内の行動についての経路情報のみを含むものであるため、後述するように、商品取得順序を特定する際に滞留時間の情報を考慮することで、商品取得順序の特定精度を向上させることができる。
【0045】
図6に示すように、本実施形態の利用者行動分析システム1では、利用者の店舗内での滞留時間を計測するために、店舗内のゾーンZ11~Z44を含むエリアに仮想ポイントVPが設定される。つまり、図7図6のエリアの一部を拡大して示すように、店舗内のゾーンのエリアのX軸およびY軸に沿って格子状に配置される仮想線Lx,Lyの交点である仮想ポイントVPが定義される。そして、この仮想ポイントVPごとに利用者の滞留時間が計測される。
隣接する2個の仮想ポイントVPの間隔は任意に設定可能であるが、好ましくは、受信機3とサーバ5によって構成される位置特定システムの測位精度に応じて設定される。例えば、位置特定システムの測位精度が50cmであれば、隣接する2個の仮想ポイントVPの間隔を50cmに設定してもよい。
【0046】
具体的な滞留時間の計測方法について、図8を参照して説明する。
図8において、無線タグ2の位置がCmである場合を想定する。このとき、位置Cmを中心とした所定の直径Dの仮想円CRを設定し、この仮想円CRの円形領域内に位置する仮想ポイント(図8の例では仮想ポイントVP1,VP2)が特定される。そして、利用者が同じ位置に留まり、例えば仮想ポイントVP1,VP2が仮想円CRの円形領域内に継続して位置している時間を滞留時間として計測する。なお、図8では、所定の範囲として円形領域を例示しているが、所定の領域であれば、その形状は円形に限られず、楕円(直線部分を含む実質的に楕円となる形状も含む)、正方形、矩形であってもよい。
【0047】
利用者が店舗内を巡回するにつれて移動する無線タグ2と共に仮想円CRが移動し、当該無線タグ2に設定される仮想円CRの円形領域内に含まれる仮想ポイントVPが変動する。店舗フロア内に設定された各仮想ポイントVPについて、利用者に対応する仮想円CRに含まれる継続時間を滞留時間とする。つまり、一人の利用者に対して(つまり、1個の無線タグ2に対して)仮想ポイントVPごとの滞留時間が計測される。
【0048】
ここで、各仮想ポイントVPの滞留時間を積算値(積算時間)として計測してもよいし、最大値(最大継続時間)として計測してもよい。以下では、1つの仮想ポイントについて、滞留時間を積算値として算出する場合を「滞留時間(積算値)」と表記し、滞留時間を最大値として算出する場合を「滞留時間(最大値)」と表記する。滞留時間(積算値)と滞留時間(最大値)について、共通する事項を参照するときには、単に「滞留時間」と表記する。滞留時間は、計測時間の一例である。
ゾーンの滞留時間(積算値)は、利用者が当該ゾーンに進入してから退出するまでの間、各仮想ポイントVPで計測された時間をリセットすることなく積算することで算出される値である。
ゾーンの滞留時間(最大値)は、利用者が当該ゾーンに進入してから退出するまでの間において、各仮想ポイントVPが仮想円CRの円形領域内に位置している継続時間の最大値である。仮想ポイントVPが仮想円CRの円形領域内に位置している継続時間は、その都度測定され、いったん仮想円CRの円形領域から外れた場合はリセットされる。
【0049】
無線タグ2の位置を中心に設定される仮想円CRの大きさは、隣接する2個の仮想ポイントVPの間隔である基準間隔d(図8参照)に基づいて決定することが好ましい。具体的には、仮想円CRの直径Dを隣接する2個の仮想ポイントの間隔である基準間隔dよりも大きく設定する。その理由は以下のとおりである。
【0050】
すなわち、仮に、仮想円CRの円形領域内に1個も仮想ポイントVPがないとしたならば滞留時間を計測することができない。仮に、仮想円CRの円形領域内に1個の仮想ポイントVPのみが含まれるとしたならば、実際には利用者があるゾーン内に止まっているのにも関わらず、無線タグ2の測位誤差によって当該ゾーンに隣接する別のゾーン内にいるものとして計測されてしまう可能性がある。それに対して、本実施形態では、仮想円CRの円形領域内に少なくとも2個の仮想ポイントVPが常に含まれることになり、それぞれの仮想ポイントVPで滞留時間が計測されるため、ゾーンの境界において滞留時間を誤って計測することが回避される。
【0051】
なお、仮想円CRの直径Dを基準間隔dより大きくし過ぎる場合には、実際に利用者がいる位置から離れた仮想ポイントVPを対象として滞留時間が計測されることになり、実際の状況と乖離する。そのため、エリア内の各仮想ポイントVPの滞留時間の誤差が大きくなる。
そこで、仮想円CRの円形領域内には仮想ポイントVPが2~5個含まれるように仮想円CRの直径Dを設定することが好ましい。例えば、d<D≦2dを満たすように仮想円CRの直径Dを設定することが好ましい。
【0052】
仮想ポイントVPごとの滞留時間を基に、ゾーンごとに、各仮想ポイントの滞留時間の総和(総滞留時間)が算出される。それによって、利用者が、店舗を巡回しているときに、どのゾーンにどの程度の時間立ち止まっていたかについての情報(つまり、ゾーンごとの滞留時間の情報)を得ることができる。
すなわち、利用者が店舗に入店してから退店するまでの間に特定のゾーンに含まれる複数の仮想ポイントの各々に対して算出された滞留時間の総和が、当該ゾーンについての総滞留時間になる。この場合、各仮想ポイントを滞留時間(積算値)として算出したか、あるいは滞留時間(最大値)として算出したかに応じて、ゾーンごとの総滞留時間についても、総滞留時間(積算値)あるいは総滞留時間(最大値)のいずれかが算出されるが、いずれを適用してもよい。ゾーンについての総滞留時間は、集計された計測時間の一例である。ゾーンについて算出される総滞留時間は、当該ゾーンに利用者が継続して滞留していた時間であり、単に当該ゾーンにおける「滞留時間」という。
【0053】
次に、利用者行動分析システム1の内部構成について、図9のブロック図を参照して説明する。
【0054】
図9に示すように、無線タグ2は、例えば、制御部21と通信部22を備える。
制御部21は、マイクロコントローラを主体として構成され、無線タグ2の全体を制御する。例えば、制御部21は、受信信号および送信信号に対する処理(ベースバンド信号の処理)を行う。
通信部22は、受信機3と通信を行うためのインタフェースであり、例えば、受信機3への送信信号(例えばビーコン信号)の変調を行い、例えばBLEに従ってブロードキャスト送信する。ビーコン信号には、無線タグ2のタグIDが含まれる。
【0055】
図9に示すように、受信機3は、例えば電波受信部31と、入射角測定部32と、通信部と33を備える。
電波受信部31は、無線タグ2から送信されるビーコン信号(電波)を受信するアンテナを含む。
入射角測定部32は、電波受信部31で受信した無線タグ2からの電波の入射角を測定する。
通信部33は、無線タグ2およびサーバ5と通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信部33は、無線タグ2からの受信信号を復調する。また、通信部33は、入射角測定部32によって測定された入射角の情報を、受信したビーコン信号に含まれるタグIDと対応付けて、ネットワークNWを介してサーバ5に送信する。
【0056】
図9に示すように、店舗端末4は、例えば、制御部41と、表示部42と、通信部43とを備える。
制御部41は、マイクロコントローラを主体として構成され、店舗端末4の全体を制御する。
制御部41は、例えば、通信部43を介して表示のために、サーバ5から動線データを取得して図3に示すように動線を表示部42に表示し、及び/又は、サーバ5から動線解析プログラムの実行結果を取得して表示部42に表示する。
表示部42は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルと、サーバ5から取得する表示データに基づいて表示パネルを駆動する駆動回路とを含む。
通信部43は、ネットワークNWを介してサーバ5との通信を行うための通信インタフェースとして機能する。
【0057】
図9に示すように、サーバ5は、例えば制御部51と、ストレージ52と、通信部53とを備える。
制御部51は、マイクロコントローラを主体として構成され、サーバ5の全体を制御する。例えば、制御部51のマイクロコントローラが動線解析プログラムを実行することで、制御部51は、動線取得部511、商品情報取得部512、特定部513、順序決定部514、基準値算出部515、計測部516、及び、滞留時間算出部517として機能する。
【0058】
動線取得部511は、店舗フロア内の利用者の動きに関する動線データを取得する。動線データは、例えば、無線タグ2の位置(XY座標の位置)と時刻のデータ(時刻情報)とが対応付けられたものであり、利用者の動きに関する情報である。
商品情報取得部512は、利用者が店舗フロア内で購入した購入済み商品の商品情報を含む購入データセットをPOSシステム7から取得する。購入データセットは、利用者が購入した商品と、商品ごとにカテゴリが対応付けられたデータ等である。カテゴリとは、商品分類を示す情報である。
図10に、購入データセットのデータ構成例を示す。図10に示すように、購入データセットは、動線IDに対応する利用者が購入した商品と、各商品に対応するカテゴリC1~C3とが対応付けられたデータである。ここでは、最大3個のカテゴリに分類されているが、カテゴリ数は任意に設定できる。
【0059】
特定部513は、動線データに基づいて、店舗フロア内のうち予め決められたゾーンごとに利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定する。具体的には、特定部513は、動線データセットの各動線データ(図2参照)と店舗マップに基づいて、利用者が入店してから退店するまでの各ゾーンへの進入時刻及び退出時刻を特定し、滞在したゾーンごとに行動順序IDを対応付けた行動データセット(後述する;図12参照)を作成することで、ゾーンごとに利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定する。
順序決定部514は、特定部513により特定されたゾーンごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、商品情報取得部512により取得した購入データセットとに基づき、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する。順序決定部514は、利用者が所持するカートやかごに商品を入れた順序を購入済み商品の購入順序として決定する。
順序決定部514は、購入済み商品が配置されているゾーンにおける購入済み商品のカテゴリに基づいて、利用者による購入済み商品の購入順序を決定してもよい。
【0060】
一実施形態では、順序決定部514は、利用者が通過した複数のゾーンに購入済み商品が配置されている場合、複数のゾーンのうち利用者の滞留時間が、利用者の滞留時間の統計量を示す第1基準値以上であるゾーンにおいて利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。
一実施形態では、順序決定部514は、利用者が通過した複数のゾーンに購入済み商品が配置されている場合、複数のゾーンのうち利用者の滞留時間がより長いゾーンであるほど当該ゾーンにおいて利用者が商品を購入した可能性を高くし、複数のゾーンのうち利用者の滞留回数がより多いゾーンであるほど当該ゾーンにおいて利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。
一実施形態では、順序決定部514は、各ゾーンについて利用者の滞留時間の長さを利用者の滞留回数よりも優先して、複数のゾーンのうち利用者が購入済み商品を購入した可能性が高いゾーンを特定する。
一実施形態では、エリア内の各ゾーンは、配置される商品が複数の細分化されたカテゴリのいずれかに対応付けられており、順序決定部514は、購入済み商品が配置されているゾーンにおける購入済み商品の商品分類に基づいて、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する。
一実施形態では、順序決定部514は、利用者が通過した複数のゾーンに購入済み商品が配置されている場合、複数のゾーンのうち商品に対応付けられた商品分類がより細かいゾーンであるほど当該ゾーンにおいて利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。
一実施形態では、順序決定部514は、利用者が所持する買い物カートや買い物かごに商品を入れた順序を購入済み商品の購入順序として決定する。
一実施形態では、順序決定部514は、ゾーンに対する利用者の滞留時間が第2基準値未満である場合には、ゾーンにおいて購入済み商品を買い物かごや買い物カートに入れていないと判定する。
一実施形態では、順序決定部514は、ゾーンに滞留する滞留時間の長さに応じた重み付け、及びゾーンの滞留回数に応じた重み付けの少なくとも1つに基づき、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する。
【0061】
基準値算出部515は、動線データに基づいて、利用者の滞留時間の中央値(統計量を示す第1基準値の一例)を算出する。なお、滞留時間の中央値に代えて、滞留時間の平均値や四分位数を算出してもよい。
【0062】
計測部516及び滞留時間算出部517は、図6図8を参照して説明したように、利用者のゾーンごとの滞留時間を算出するために設けられている。
すなわち、計測部516は、店舗フロア内に格子状に配置される仮想ポイントを定義し、各仮想ポイントが、動線データによって示される位置を中心に設定した所定の範囲内に継続して含まれる時間を計測する。滞留時間算出部517は、計測部により計測された各仮想ポイントの計測時間をゾーンごとに集計し、各ゾーンの滞留時間とする。
【0063】
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)装置等の大容量記憶装置であり、例えば店舗マップ(図3参照)、動線データセット(動線DS;図2参照)、購入データセット(購入DS;図10参照)、商品配置テーブル(図4参照)、行動データセット(行動DS;後述する)、及び、取得順序データセット(取得順序DS;後述する)等を格納する。ストレージ52内の各データは、制御部51からのアクセスに応じて適宜、更新、追加、又は削除され得る。
通信部53は、ネットワークNWを介して、受信機3、店舗端末4、及び、POSシステム7との通信を行うための通信インタフェースとして機能する。
【0064】
次に、図11図16を参照して、サーバ5によって実行される商品取得順序決定処理について説明する。商品取得順序決定処理は、サーバ5の制御部51が動線解析プログラムを実行することで行われる処理である。
商品取得順序決定処理を実行する時点では、タグIDに対応付けられた動線IDごとに、購入データセットが対応付けられていることが前提となる。つまり、動線IDに対応付けられた個々の利用者の動線と購入済み商品のデータとが対応付けられていることが前提となる。
【0065】
図11は、商品取得順序決定処理を示すフローチャートである。
図11を参照すると、制御部51は、所定期間内に集計された複数の動線データから処理対象の1つの動線データ(1つのタグIDに対応付けられた動線IDの動線データ)を順次取り出して、ステップS4~S14の処理を実行する(ステップS2,S16)。
先ず、制御部51は、処理対象の動線IDの購入データセットをPOSシステム7から取得する(ステップS4)。次いで制御部51は、処理対象の動線IDの動線データを基に行動データセットを生成する(ステップS6)。行動データセットを生成することは、動線データに基づいてゾーンごとの利用者の滞留時間、及びゾーン滞在順序のうち少なくとも1つを特定することに相当する。
【0066】
図12に、1つの動線IDに対応付けられた動線データに基づく行動データセットのデータ構成例を示す。行動データセットは、利用者の店舗内の行動を示すデータであり、利用者が店舗内に滞在した各ゾーンと各ゾーンにおける滞留時間とを順に示している。ここで、滞留時間は、ゾーンごとに、図6図8を参照して説明したようにして算出される。なお、利用者のゾーンにおける滞留時間が短く、当該ゾーンを単に通過したに過ぎないと考えられる場合には、行動データセットに当該ゾーンに関するレコードを含めなくてよい。
行動データセットでは、動線の時刻の経過順に付番された行動順序IDごとのレコードを有しており、各レコードは、ゾーン、当該ゾーンでの滞留時間、当該ゾーンの滞留回数の値を含む。
ここで、滞留回数は、同じゾーンに滞留した回数を示している。例えば、「行動順序ID:5」では最初にゾーンZ42に滞留し、「行動順序ID:7」では2回目にゾーンZ42に滞留していることから、「行動順序ID:7」に対応する滞留回数の値が「2」となっている。
【0067】
次いで、制御部51は、行動データセットを基に滞留時間の中央値を算出する(ステップS8)。図12に示す例では、行動順序ID:1~11の各滞在時間の中央値が算出される。
滞留時間の中央値を算出するのは、後述するスコア付与処理において適切なスコアを付与するためである。すなわち、後述するスコア付与処理では、商品を購入したゾーンを特定するために購入済み商品に対してゾーンごとにスコアを付与するが、滞留時間の中央値を算出することで利用者の店舗内の移動速度や行動の癖等を考慮してスコアを設定できる。
【0068】
次いで、制御部51は、購入済み商品に対するゾーンマッチング処理を実行する(ステップS10)。ゾーンマッチング処理については後述する。
制御部51は、ゾーンマッチング処理において各ゾーンに付与された平均スコアを基に、購入済み商品に対して行動順序IDを割り当てる(ステップS12)。さらに制御部51は、各購入済み商品に対応付けられた行動順序IDに基づいて、商品取得順序を決定する(ステップS14)。商品取得順序を決定する処理については具体的に後で説明する。
【0069】
次に、ステップS10で行われる購入済み商品に対するゾーンマッチング処理について図13を参照して説明する。図13は、購入済み商品に対するゾーンマッチング処理を示すフローチャートである。
このフローでは、ステップS4で取得した購入データセットと、ステップS6で生成した行動データセットとが参照される。以下の説明では、購入データセットにおいて、商品(購入済み商品)に対応付けられた1つのレコードを「購入データ」という。行動データセットにおいて、各行動順序IDに対応付けられた1つのレコードを「行動データ」という。
【0070】
図13を参照すると、制御部51は、購入データセットから処理対象の1つの購入データを順次取り出して、ステップS32~S40の処理を実行する(ステップS30,S42)。ステップS32~S40の処理は、処理対象の購入データに含まれる購入済み商品が利用者によって取得された可能性があるゾーンを特定してスコアを付与する処理である。
先ず、制御部51は、取り出した処理対象の購入データからゾーンの値を取り出す(ステップS32)。例えば、図10において、「商品:おいしいカレー」が示す購入データでは、「カテゴリC1:加工食品」,「カテゴリC2:カレー」,「カテゴリC3:カレールー」が対応付けられており、これらのカテゴリに対応するゾーンは商品配置テーブルからゾーンZ32であることがわかる。
なお、ステップS32では、購入データに示すすべてのカテゴリに基づいてゾーンを特定しなくてもよく、例えばカテゴリC1のみに基づいてゾーンの値を1以上取り出してもよい。例えば、図10において、「商品:おいしいカレー牛肉」が示す購入データのカテゴリC1は「肉」であるが、このカテゴリC1に基づいて商品配置テーブルを参照し、ゾーンZ42及びゾーンZ43を取り出してもよい。
【0071】
次いで制御部51は、ステップS32で取り出したゾーンの値が、行動データセットのいずれかの行動順序IDに対応するゾーンと一致するか否か判断する。すなわち、制御部51は、購入データセットから処理対象の1つの行動データを順次取り出して、ステップS36,S38の処理を実行する(ステップS34,S40)。つまり、制御部51は、ステップS32で取り出したゾーンの値と、行動データから取り出したゾーンの値とがマッチ(一致)するか否か判断し(ステップS36)、一致する場合には当該ゾーンに対してスコア付与処理を実行する(ステップS38)。
例えば、図10において、「商品:おいしいカレー」が示す購入データから取り出されたゾーンZ32は、行動データセットにおいて「行動順序ID:8」が示すゾーンZ32とマッチする。
購入済み商品に対するゾーンマッチング処理を行うことで、利用者が購入済み商品を購入した可能性があるゾーン(1以上の行動順序IDに対応するゾーン)が特定される。スコア付与処理は、各購入済み商品に対して、1以上の行動順序IDに対応するゾーンが特定された場合に、各ゾーンに対して購入済み商品を取得した可能性を示すスコアを付与する処理である。
【0072】
なお、処理対象の行動データが示す滞留時間が所定値(第2基準値の一例)未満である場合には、対応するゾーンにおいて利用者が購入済み商品をカートやかごに入れていないと判定し、当該行動データに対する処理を行わなくてもよい。ゾーンにおける滞留時間が非常に短い場合には利用者が当該ゾーンを単に通過したに過ぎないと考えられるためである。
【0073】
図14に、ステップS38のスコア付与処理に対する詳細なフローを示す。
制御部51は、対象となるゾーン(図13のステップS36でマッチしたゾーン)について、カテゴリスコアを抽出し(ステップS50)、滞留回数スコアを抽出し(ステップS52)、滞留時間スコアを抽出する(ステップS54)。
制御部51は、カテゴリスコア、滞留回数スコア、滞留時間スコアを、それぞれ、例えば後述するカテゴリスコア基準、滞留回数スコア基準、滞留時間スコア基準に基づいて抽出する。
【0074】
ステップS50では、制御部51は、図13のステップS36においてマッチしたゾーンを処理対象として、いずれのカテゴリレベルで特定されたかに応じて、カテゴリスコアを処理対象となるゾーンに付与する。より小分類となるカテゴリが特定できる場合、処理対象となるゾーンで商品を購入した可能性が高いと考えられるため、より大きなカテゴリスコアが付与される。すなわち、制御部51は、利用者が通過した複数のゾーンに購入済み商品が配置されている場合、複数のゾーンのうち商品に対応付けられたカテゴリがより細かいゾーンであるほど当該ゾーンに対するカテゴリスコアを大きくすることで、当該ゾーンにおいて利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。
カテゴリスコア基準の一例を以下に示す。
【0075】
[カテゴリスコア基準]
・ゾーンでカテゴリC6(商品)が特定できる場合、カテゴリスコア=2.0
・ゾーンでカテゴリC5が特定できる場合、カテゴリスコア=1.8
・ゾーンでカテゴリC4が特定できる場合、カテゴリスコア=1.6
・ゾーンでカテゴリC3が特定できる場合、カテゴリスコア=1.4
・ゾーンでカテゴリC2が特定できる場合、カテゴリスコア=1.2
・ゾーンでカテゴリC1が特定できる場合、カテゴリスコア=1.0
【0076】
例えば、図10において、「商品:おいしいカレー」が示す購入データ(「カテゴリC1:加工食品」,「カテゴリC2:カレー」,「カテゴリC3:カレールー」)は、商品配置テーブルを参照すると、カテゴリC1,C2,C3においてゾーンZ32とマッチする。このように、マッチしたゾーンで複数のカテゴリが特定される場合、カテゴリスコア基準に則して最も高いカテゴリスコアの値を、対象となるゾーンに付与する。この例では、カテゴリスコア=1.4となる。
【0077】
ステップS52では、制御部51は、図13のステップS36においてマッチしたゾーンの滞留回数に応じて、滞留回数スコアを、対象となるゾーンに付与する。ゾーンに対する滞留回数がより多い場合、当該ゾーンで商品を購入した可能性が高いと考えられるため、より大きな滞留回数スコアが付与される。すなわち、制御部51は、利用者が通過した複数のゾーンに購入済み商品が配置されている場合、例えば図12に示す行動データセットのゾーンごとの滞留回数を参照し、複数のゾーンのうち利用者の滞留回数がより多いゾーンであるほど当該ゾーンに対する滞留回数スコアを大きくすることで、当該ゾーンにおいて利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする
滞留回数スコア基準の一例を以下に示す。
【0078】
[滞留回数スコア基準]
・滞留回数が5回以上である場合、滞留回数スコア=1.8
・滞留回数が4回である場合、滞留回数スコア=1.6
・滞留回数が3回である場合、滞留回数スコア=1.4
・滞留回数が2回である場合、滞留回数スコア=1.2
・滞留回数が1回である場合、滞留回数スコア=1.0
【0079】
ステップS54では、制御部51は、図13のステップS36においてマッチしたゾーンでの滞留時間に応じて、滞留時間スコアを、対象となるゾーンに付与する。ゾーンにおける滞留時間がより長い場合、利用者がそのゾーンで商品選びに時間を費やし、商品を購入した可能性が高いと考えられるため、より大きな滞留時間スコアが付与される。すなわち、制御部51は、利用者が通過した複数のゾーンに購入済み商品が配置されている場合、例えば図12に示す行動データセットのゾーンごとの滞留時間を参照し、複数のゾーンのうち利用者の滞留時間がより長いゾーンであるほど当該ゾーンに対する滞留時間スコアを大きくすることで、当該ゾーンにおいて利用者が商品を購入した可能性を高くする。
滞留時間スコア基準の一例を以下に示す。なお、滞留時間スコアを抽出する際に、ステップS8(図11)で算出済みの滞留時間の中央値STM(滞留時間の統計量を示す第1基準値の一例)が参照される。
【0080】
[滞留時間スコア基準]
・STM×2.5≦滞留時間である場合、滞留時間スコア=1.8
・STM×2.0≦滞留時間<STM×2.5である場合、滞留時間スコア=1.6
・STM×1.5≦滞留時間<STM×2.0である場合、滞留時間スコア=1.4
・STM×1.0≦滞留時間<STM×1.5である場合、滞留時間スコア=1.2
・滞留時間<STM×1.0である場合、滞留時間スコア=1.0
【0081】
この場合、基準値算出部としての制御部51は、動線データに基づいて、利用者の滞留時間の中央値STMを算出する。制御部51は、利用者が通過した複数のゾーンに購入済み商品が配置されている場合、複数のゾーンのうち利用者の滞留時間が中央値STM以上であるゾーンにおいて滞留時間スコアを大きくすることで、当該ゾーンにおいて利用者が購入済み商品を購入した可能性を高くする。
【0082】
次いで、制御部51は、ステップS50,S52,S54で抽出されたカテゴリスコア、滞留回数スコア、滞留時間スコアの平均スコアを算出し、処理対象のゾーンに対して平均スコアを付与する(ステップS56)。
上記スコア付与処理によって、購入済み商品ごとに、利用者が商品を取得した可能性がある1以上のゾーンの各ゾーンに対して平均スコアが付与されたことになる。
【0083】
以上説明した図13の購入済み商品に対するゾーンマッチング処理について、図4の商品配置テーブル、図10に例示した購入データセット、及び、図12に例示した行動データセットを基に、具体的に説明する。なお、図12の行動データセットにおいて滞留時間の中央値STMは、例えば5秒である。また、説明では、上記カテゴリスコア基準、滞留回数スコア基準、及び、滞留時間スコア基準を採用した場合の例である。
【0084】
(i)「商品:おいしいカレー」に対応する購入データを抽出した場合
先ず、購入データセット(図10)から「商品:おいしいカレー」に対応する購入データを抽出する(ステップS30)。この購入データの「商品:おいしいカレー」は、商品カテゴリとして「カテゴリC1:加工食品」,「カテゴリC2:カレー」,「カテゴリC3:カレールー」が対応付けられている。「カテゴリC1:加工食品」,「カテゴリC2:カレー」,「カテゴリC3:カレールー」は、商品配置テーブル(図4)のゾーンごとに設定された商品カテゴリのうち、ゾーンZ32に設定されたカテゴリに対応する(ステップS32)。ゾーンZ32は、行動データセット(図12)のうち「行動順序ID:8」に対応する(ステップS34,S36)。
ゾーンZ32に対するカテゴリスコアは、商品配置テーブルのゾーンZ32に設定されたカテゴリのうち、カテゴリC3(「カレールー」)にマッチするためカテゴリスコア=1.4である(ステップS50)。ゾーンZ32に対する滞留回数スコアは、行動データセットにおけるゾーンZ32の滞留回数が「1」であるため滞留回数スコア=1となる(ステップS52)。ゾーンZ32に対する滞留時間スコアは、行動データセットにおけるゾーンZ32の滞留時間が「10秒」であるため滞留時間スコア=1.6となる(ステップS54)。よって、「行動順序ID:8」のゾーンZ32に対する平均スコアは、1.333333となる(ステップS38,S56)。
【0085】
(ii)「商品:産直じゃがいも」に対応する購入データを抽出した場合
次に、購入データセット(図10)から「商品:産直じゃがいも」に対応する購入データを抽出する(ステップS30)。この購入データの「商品:産直じゃがいも」は、商品カテゴリとしてカテゴリC1(「野菜」)が対応付けられている。カテゴリC1(「野菜」)は、商品配置テーブル(図4)のゾーンごとに設定された商品カテゴリのうち、ゾーンZ21に設定されたカテゴリに対応する(ステップS32)。ゾーンZ21は、行動データセット(図12)のうち「行動順序ID:2」に対応する(ステップS34,S36)。
ゾーンZ21に対するカテゴリスコアは、商品配置テーブルのゾーンZ21に設定されたカテゴリのうち、カテゴリC1(「野菜」)にマッチするためカテゴリスコア=1である(ステップS50)。ゾーンZ21に対する滞留回数スコアは、行動データセットにおけるゾーンZ21の滞留回数が「1」であるため滞留回数スコア=1となる(ステップS52)。ゾーンZ21に対する滞留時間スコアは、行動データセットにおけるゾーンZ21の滞留時間が「20秒」であるため滞留時間スコア=1.8となる(ステップS54)。よって、「行動順序ID:2」のゾーンZ21に対する平均スコアは、1.266667となる(ステップS38,S56)。
【0086】
(iii)「商品:産直にんじん」に対応する購入データを抽出した場合
次に、購入データセット(図10)から「商品:産直にんじん」に対応する購入データを抽出する(ステップS30)。この購入データの「商品:産直にんじん」は、商品カテゴリとしてカテゴリC1(「野菜」)が対応付けられている。カテゴリC1(「野菜」)は、商品配置テーブル(図4)のゾーンごとに設定された商品カテゴリのうち、ゾーンZ21に設定されたカテゴリに対応する(ステップS32)。ゾーンZ21は、行動データセット(図12)のうち「行動順序ID:2」に対応する(ステップS34,S36)。
ゾーンZ21に対するカテゴリスコアは、商品配置テーブルのゾーンZ21に設定されたカテゴリのうち、カテゴリC6(「産直にんじん」)にマッチするためカテゴリスコア=2である(ステップS50)。ゾーンZ21に対する滞留回数スコアは、行動データセットにおけるゾーンZ21の滞留回数が「1」であるため滞留回数スコア=1となる(ステップS52)。ゾーンZ21に対する滞留時間スコアは、行動データセットにおけるゾーンZ21の滞留時間が「20秒」であるため滞留時間スコア=1.8となる(ステップS54)。よって、「行動順序ID:2」のゾーンZ21に対する平均スコアは、1.600000となる(ステップS38,S56)。
【0087】
(iv)「商品:おいしいカレー牛肉」に対応する購入データを抽出した場合
次に、購入データセット(図10)から「商品:おいしいカレー牛肉」に対応する購入データを抽出する(ステップS30)。この購入データの「商品:おいしいカレー牛肉」は、商品カテゴリとしてカテゴリC1(「肉」)が対応付けられている。カテゴリC1(「肉」)は、商品配置テーブル(図4)のゾーンごとに設定された商品カテゴリのうち、ゾーンZ42,Z43に設定されたカテゴリに対応する(ステップS32)。ゾーンZ42,Z43は、行動データセット(図12)のうち「行動順序ID:5」、「行動順序ID:6」、及び、「行動順序ID:7」に対応する(ステップS34,S36)。
【0088】
「行動順序ID:5」、「行動順序ID:6」、及び、「行動順序ID:7」に対する平均スコアは、以下のようになる(ステップS38,S56)。
「行動順序ID:5」のゾーンZ42に対するカテゴリスコアは、商品配置テーブルのゾーンZ42に設定されたカテゴリのうち、カテゴリC1(「肉」)が特定できるため、カテゴリスコア=1となる(ステップS50)。「行動順序ID:5」のゾーンZ42に対する滞留回数スコアは、行動データセットにおける「行動順序ID:5」のゾーンZ42の滞留回数が「1」であるため滞留回数スコア=1となる(ステップS52)。「行動順序ID:5」のゾーンZ42に対する滞留時間スコアは、行動データセットにおける「行動順序ID:5」のゾーンZ42の滞留時間が「6秒」であるため滞留時間スコア=1.2となる(ステップS54)。よって、「行動順序ID:5」のゾーンZ42に対する平均スコアは、1.066667である(ステップS38,S56)。
【0089】
「行動順序ID:6」のゾーンZ43に対するカテゴリスコアは、商品配置テーブルのゾーンZ43に設定されたカテゴリのうち、カテゴリC2(「牛肉」)が特定できるため、カテゴリスコア=1.2となる(ステップS50)。「行動順序ID:6」のゾーンZ43に対する滞留回数スコアは、行動データセットにおける「行動順序ID:6」のゾーンZ43の滞留回数が「1」であるため滞留回数スコア=1となる(ステップS52)。「行動順序ID:6」のゾーンZ43に対する滞留時間スコアは、行動データセットにおける「行動順序ID:6」のゾーンZ43の滞留時間が「30秒」であるため滞留時間スコア=1.8となる(ステップS54)。よって、「行動順序ID:6」のゾーンZ43に対する平均スコアは、1.333333である(ステップS38,S56)。
【0090】
「行動順序ID:7」のゾーンZ42に対するカテゴリスコアは、商品配置テーブルのゾーンZ42に設定されたカテゴリのうち、カテゴリC1(「肉」)が特定できるため、カテゴリスコア=1となる(ステップS50)。「行動順序ID:7」のゾーンZ42に対する滞留回数スコアは、行動データセットにおける「行動順序ID:7」のゾーンZ42の滞留回数が「2」であるため滞留回数スコア=1.2となる(ステップS52)。「行動順序ID:7」のゾーンZ42に対する滞留時間スコアは、行動データセットにおける「行動順序ID:7」のゾーンZ42の滞留時間が「2秒」であるため滞留時間スコア=1となる(ステップS54)。よって、「行動順序ID:7」に対する平均スコアは、1.066667である(ステップS38,S56)。
【0091】
以上説明したようにして、図4の商品配置テーブル、図10に例示した購入データセット、及び、図12に例示した行動データセットを例にした場合には、購入データセット内の商品(購入済み商品)ごとに、行動順序ID、ゾーン、カテゴリスコア、滞留回数スコア、滞留時間スコア、及び、平均スコアが対応付けられる。
【0092】
図15は、上述した具体的なゾーンマッチング処理の処理結果として、商品、行動順序ID、ゾーン、及び、各スコアをまとめたスコアテーブルを示す図である。図15には、ゾーンマッチング処理(図11のステップS10)を実行した直後のスコアテーブルST1と、スコアテーブルST1に対してステップS12を実行した後のスコアテーブルST2と、が示されている。
図15に示すように、例えばスコアテーブルST1では、「商品:おいしいカレー牛肉」に対して複数の行動順序IDが対応付けられている。
スコアテーブルST1に示す「商品:おいしいカレー牛肉」は、「行動順序ID:6」のゾーンZ43に対して最も平均スコアが大きい。このように最も平均スコアが大きい場合に当該商品を取得した可能性が最も高い。そこで、図15に示すスコアテーブルST2に示すように、「商品:おいしいカレー牛肉」に対しては、「行動順序ID:6」が割り当てられる。
【0093】
図16は、取得順序データセットのデータ構成例を示す図である。図16に示す取得順序データセットは、図15のスコアテーブルST2に対して、図11のステップS14を実行することで得られる。
具体的には、スコアテーブルST2では、「商品:おいしいカレー」,「商品:産直じゃがいも」,「商品:産直にんじん」,「商品:おいしいカレー牛肉」に対してそれぞれ、「行動順序ID:8」,「行動順序ID:2」,「行動順序ID:2」,「行動順序ID:6」が割り当てられている。そこで、スコアテーブルST2の各商品を、対応する行動順序IDの昇順で並べ替えることで、商品取得順序が「商品:産直じゃがいも」(「商品:産直じゃがいも」,「商品:産直にんじん」,「商品:おいしいカレー牛肉」,「商品:おいしいカレー」)の順に決定される。
なお、図16の例では、2つの商品(「産直じゃがいも」,「産直にんじん」)に対して同一の行動順序IDが対応付けられ、この2つの商品については同一の商品取得順序(「1」)が割り当てられている。
【0094】
上述したように、一実施形態では、制御部51は、ゾーンに滞留する滞留時間の長さに応じた滞留時間スコア(重み付けの一例)、及びゾーンの滞留回数に応じた滞留回数スコア(重み付けの一例)の少なくとも1つに基づき、利用者による購入済み商品の購入順序を決定する。なお、カテゴリスコアを考慮せずに平均スコアを算出して、利用者による購入済み商品の購入順序を決定してもよい。
【0095】
以上説明したように、一実施形態の利用者行動分析システム1では、サーバ5は、店舗フロア内の利用者の動きに関する動線データを取得し、利用者が店舗フロア内で購入した購入済み商品の商品情報をPOSシステム7から取得する。サーバ5はさらに、動線データに基づいて、店舗フロアのうち予め決められたゾーンごとに利用者の滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つを特定し、特定したゾーンごとの滞留時間、及び滞在順序のうち少なくとも1つと、購入済み商品の商品情報とに基づき、利用者による購入済み商品の取得順序(購入順序)を決定する。そのため、利用者の動線データに基づいて、店舗フロア内における利用者の商品の購入順序を把握することができる。顧客が店舗フロア内を移動中に商品を購入した順序がわかれば、顧客による商品の購買行動を分析することができ、例えば売上向上に繋がる売り場設計に反映させることができる。その際、上述したように、滞留回数スコア、滞留時間スコア、及び、カテゴリスコアによって平均スコアを算出することで利用者による購入済み商品の購入順序を決定するため、演算負荷が軽いという利点がある。
【0096】
上記利用者行動分析システム1では、利用者による商品の店舗内における購入順序(取得順序)がわかるため、店舗の売り場設計を改善することができる。例えば、購入済み商品が配置されているゾーンに複数回利用者が滞留している場合、商品の配置が適切でないことが考えられるため、利用者の購入順序に応じた商品配置となるように売り場レイアウトを改善することができる。また、購入順序が最初になることが多い商品が店舗の入口から奥まった場所にある場合には、当該商品を入口付近に配置し、当該商品以外の商品の売り上げに繋げるようにすることができる。
【0097】
一実施形態では、制御部51は、各ゾーンについて利用者の滞留時間の長さを利用者の滞留回数よりも優先して、複数のゾーンのうち利用者が購入済み商品を購入した可能性が高いゾーンを特定してもよい。特定のゾーンにおける滞留時間が長い場合には商品選びに時間を掛けたと考えられ、滞留回数が多いゾーンよりも滞留時間が長いゾーンにおいて商品を購入した可能性が高いためである。各ゾーンについて利用者の滞留時間の長さを利用者の滞留回数よりも優先するには、滞留回数スコアよりも滞留時間スコアを相対的に大きな値にすればよい。
【0098】
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態の利用者行動分析システムについて説明する。
第2の実施形態の利用者行動分析システムでは、店舗内の利用者の行動に基づいて利用者が将来購入する商品を予測し、当該商品に関連するコンテンツを店舗内に配置された表示装置に出力する。
コンテンツの内容は限定しないが、例えば、関連する商品の販促に寄与する広告等である。表示装置は、例えばデジタルサイネージであるが、その限りではなく店舗内で表示可能な表示機器であれば如何なる装置でもよい。利用者の位置に応じて商品に対応するコンテンツをプッシュ通知してもよい。例えば、利用者端末に店舗の利用に関連するアプリケーションがインストールされている場合、アプリケーションが自動的に商品に対応するコンテンツを通知(プッシュ通知)してもよい。
【0099】
第1の実施形態の利用者行動分析システムでは、利用者の実際の店舗での動線情報と対応付けられた利用者の購入商品情報とから、利用者の購入済み商品に対する商品取得順序(商品の購入順序)を把握し、多数の利用者に関する取得順序データセット(図16)を蓄積する。これは、利用者が実際に購入した商品(商品群)と利用者の店舗での行動特徴とが対応付けられている。つまり、取得順序データセットから、例えば店舗内において商品D→商品E→商品Gといった順番で商品を取得(購入)した利用者は、商品Jを購入する可能性が高い等、商品(商品群)を購入する利用者の行動をパターン化できる。このようにパターン化された順番で商品を取得している利用者に対して商品Gや商品Gに関連する商品が配置されているゾーンで広告コンテンツを出力させることで当該利用者に対して商品Gや商品Gに関連する商品を効果的に訴求することができる。
商品の効果的な訴求の具体例として、コンテンツに商品の長所の説明や商品購入を前提としたクーポン付与等が挙げられる。
以下、一実施形態の利用者行動分析システムについて、図面を参照してより具体的に説明する。
【0100】
図17は、本実施形態の利用者行動分析システム1Aを概略的に示す図である。以下の説明では、図1に示したシステムと同一の構成については同一の符号を付し、重複説明は行わない。図17に示すように、利用者行動分析システム1Aが利用者行動分析システム1(図1)と異なるのは、店舗内に表示装置8(出力装置の一例)が配置されている点である。図17では、表示装置8が1つのみ示されているが、その限りではなく、店舗内に2以上配置してもよいし、各ゾーンに配置してもよい。
表示装置8は、ネットワークNWを介してサーバ5Aと通信可能である。表示装置8の表示内容は、サーバ5Aによって制御される。
【0101】
本実施形態では、サーバ5Aは、店舗内をリアルタイムで移動している利用者に対して適時に適切なコンテンツを出力するために、図18に示すように、利用者の実時間の動線データから行動データセットを逐次生成する。図18は、タグIDに対応付けられた動線IDごとに、動線データ101から行動データセット102を作成する例を示したものである。
行動データセットの作成方法は、図12を作成する場合と同様である。すなわち、動線データから図6図8を参照して説明したように、動線に沿った各ゾーンの滞留時間を算出する。行動順序IDは、動線の時刻の経過順に付番される。なお、本実施形態では、店舗を移動している利用者に対してリアルタイムに行動データセットを作成する点が図12の場合とは異なる。なお、行動データセットには、図12と同様に滞留回数を含めてもよい。
【0102】
本実施形態では、サーバ5Aは、表示管理データベースを格納する。図19は、表示管理データベースのデータ構成例を示す図である。表示管理データベースでは、店舗内の利用者の行動に対して適用される条件を特定する条件IDと、条件が満たされたときに利用者が将来購入する商品(「購入予測商品」という。)と、条件が満たされたときに出力されるコンテンツを特定するコンテンツIDと、当該コンテンツの出力先IDと、が対応付けられる。
【0103】
条件IDは、ターゲットとなる商品(購入予測商品)を利用者が購入する可能性が高い商品の取得順序(購入順序)に関する条件となる情報(条件情報)を特定する識別情報である。利用者が購入する可能性が高い商品の取得順序(購入順序)は、ターゲットとなる商品(購入予測商品)を過去に購入した利用者の商品取得順序のデータ(図16の取得順序データセット)を蓄積して作成される。条件情報は、購入順序情報の一例である。
出力先IDは、店舗内に配置されている1以上の表示装置8のいずれかを特定する識別情報である。なお、図示しないが、各コンテンツIDに対応するコンテンツの内容と、各出力先IDに対応する表示装置8(店舗内の複数の表示装置8のいずれか)とは、予め定義されている。
コンテンツは、画像(静止画や動画を含む)及び音声等である。以下の説明では、コンテンツが画像である場合を例にする。
【0104】
図20は、異なる条件IDに対応した複数の滞在順序条件データを例示する図である。条件IDに対応する条件情報の例を示している。図20に示す条件情報はいずれも「購入予測商品:福神漬けA」に対応する条件を示す情報である。
図20において、「条件ID:R01」に対応する条件情報では、ゾーンの滞在順序が規定される。これは、利用者の行動データセットを基に、ゾーンZ21(「カテゴリC1:野菜」のゾーン)→ゾーンZ43(「カテゴリC1:肉」のゾーン)→Z32(「カテゴリC1:加工食品」のゾーン)の順に移動している場合には、当該利用者は、例えばカレー購入顧客である可能性が高いと推定する。店舗内の利用者が「条件ID:R01」に示す条件を満たす滞在順序を移動している場合、当該利用者がカレー購入顧客であると推定し、例えば、ゾーンZ32に配置した表示装置8に「福神漬けAの広告」のコンテンツを出力させることで、カレー購入顧客に対して福神漬けAを訴求し、ついで買いを誘発させることができる。
【0105】
図20において、「条件ID:R02」に対応する条件情報では、ゾーンの滞在順序と滞留時間が規定される。これは、利用者の行動データセットを基に、ゾーンZ21に10秒以上滞留→ゾーンZ43に10秒以上滞留→ゾーンZ32に5秒以上滞留、という条件が満たされた場合に、当該利用者は、カレー購入顧客である可能性が高いと推定する。条件に滞留時間を含めることで、カレー購入顧客である可能性が高いとする推定精度を上げることができる。
「条件ID:R03」に対応する条件情報では、「条件ID:R02」の場合と同様に、ゾーンの滞在順序と滞留時間が規定されるが、特定のゾーン(この例ではゾーンZ21)に繰り返し滞在したことが考慮されている。特定のゾーン繰り返し滞在したことを条件に含めることで、カレー購入顧客である可能性が高いとする推定精度を上げることができる。
【0106】
図19に示すように、表示管理データベースでは、条件IDに対応する条件が満たされたときに出力されるコンテンツIDは、それぞれ異なっていてもよい。例えば、図20に示した例では、「条件ID:R02」と「条件ID:R03」とでは、滞留ゾーンが共通しているが、繰り返し滞在したゾーンを含むか否かが異なる。このように繰り返し滞在したゾーンを含むか否かに応じて異なるコンテンツIDを割り当て、それぞれ異なるコンテンツが表示されてもよい。
また、異なる条件IDに対応する複数の条件が重複している場合、当該複数の条件に対して優先度を設定してもよい。つまり、複数の条件が同時にみたされた場合、当該複数の条件の中で優先度が相対的に高い条件に対応するコンテンツが表示される。
【0107】
サーバ5Aは、店舗内を移動している各利用者の動線データに基づくゾーンの滞在順序が、ゾーンに配置されているターゲットとなる商品(購入予測商品)の条件に合致し、当該ゾーンに利用者が存在する場合に、当該ゾーンに配置された表示装置8に対して購入予測商品に関連するコンテンツを出力させる。表示装置8に出力させるコンテンツの例を図21に示す。
図21は、本実施形態の利用者行動分析システム1Aにおいて店舗内の表示装置8に表示される画面例を示す。図21の例は、例えば購入予測商品である「福神漬けA」が販売されているゾーンに設置された表示装置8に表示される画面の例である。
【0108】
画面G1は、当該ゾーンに配置されているターゲットとなる商品(購入予測商品)の条件に合致する利用者が存在しない場合に表示される例であり、特定の商品に関連しない一般的な案内を含む例である。画面G2,G3は、当該ゾーンに配置されている購入予測商品の条件に合致する利用者が存在する場合に表示される例である。画面G2,画面G3は、購入予測商品が「福神漬けA」であり、当該商品に関連するコンテンツが「福神漬けAの広告」である場合に、表示装置8に表示される画面例を示している。画面G2は、例えば、図20の「条件ID:R02」に対応するコンテンツID:CT02のコンテンツである。画面G3は、例えば、図20の「条件ID:R03」に対応するコンテンツID:CT03のコンテンツである。画面G3に示すように、特定のゾーン(この例ではゾーンZ21)に繰り返し滞在したことを条件として表示されるコンテンツには、画面G2に示す情報に加えて、商品の購入を後押しする情報(画面G3の例では「クーポンプレゼント」)を加えてもよい。これにより、商品の購入を迷っている利用者に対して商品購入を促すことができる。
【0109】
図22は、本実施形態の利用者行動分析システム1Aの各装置の内部構成を示すブロック図である。以下、図22のブロック図において図9と異なる点について説明する。利用者行動分析システム1Aにおいてサーバ5Aのストレージ52は、上述した表示管理データベース(図19)を格納する。
サーバ5Aの制御部51は、マイクロコントローラが表示管理プログラムを実行することで、動線取得部511、滞在順序取得部521、購入商品予測部522、及び、出力制御部523として機能する。
滞在順序取得部521は、動線データに基づいて、店舗フロア内の予め決められたゾーンのうち、利用者が滞在したゾーンの滞在順序を示す行動データセット(滞在順序情報の一例)を取得する。
購入商品予測部522は、滞在順序取得部521により取得された行動データセットが示す滞在順序と、ゾーンで販売される商品の条件情報(購入順序情報の一例)とに基づき、利用者が将来購入する商品(購入予測商品)を予測する。ゾーンで販売される商品の条件情報は、図19に示す条件IDに対応する情報であり、購入予測商品を利用者が購入する可能性が高い商品の取得順序(購入順序)に関する条件となる情報である。条件情報の具体例が図20に例示される。
出力制御部523は、購入商品予測部522により予測された商品(購入予測商品)が配置されたゾーンに利用者が存在する場合に、ゾーンに配置された表示装置8に購入予測商品に関連するコンテンツを出力させる。
【0110】
次に、図23を参照して、利用者行動分析システム1Aの動作について説明する。図23は、サーバ5Aの制御部51によって逐次実行される表示制御処理を示すフローチャートである。
図23のフローチャートでは、店舗内を移動しているカートやカゴに取り付けられた無線タグ2のタグIDを処理対象として決定し、カートやカゴを運搬する利用者に対して適切なタイミングで広告等のコンテンツを表示させる。
【0111】
図23のフローチャートでは、複数のタグIDの中から処理対象のタグIDを順次決定し、ステップS62~S76の処理を実行する(ステップS60,S78)。先ず、制御部51は、処理対象のタグIDに対応する動線データを取得する(ステップS62)。この動線データは、例えば利用者が入店時にカートやカゴを移動し始めた時点から現時点までの動線データである。次いで制御部51は、図18を参照して説明したように、取得した動線データから行動データセットを作成する(ステップS64)。
【0112】
制御部51は、ステップS64で作成した行動データセットが表示管理データベースに含まれる条件IDに対応する条件を満たすか否か判断し(ステップS66)、条件IDに対応する条件を満たす場合(ステップS66:YES)、処理対象の条件IDを決定し順にステップS70~S74の処理を行う(ステップSS68,S76)。
先ず、制御部51は、表示管理データベースを参照して、処理対象の条件IDに対応する購入予測商品を決定する(ステップS70)。次いで制御部51は、ステップS64により作成した行動データセットに基づき、処理対象のタグIDが所定の出力条件を満たすか否か判断する(ステップS72)。出力条件の一例は、「処理対象のタグIDに対応する無線タグ2が、ステップS70で決定した購入予測商品が配置されているゾーンに存在すること」である。例えば、ステップS66で満たした条件に対応する購入予測商品が「福神漬けA」である場合、処理対象のタグIDに対応する利用者はカレー購入顧客であると推定し、当該利用者が「福神漬けA」が配置されているゾーンにいるときに、出力条件を満たす。
【0113】
制御部51は、出力条件を満たすと判断した場合(ステップS72:YES)、制御部51は、コンテンツ出力制御を行う(ステップS74)。コンテンツ出力制御は、表示管理データベースを参照して、処理対象の条件IDに対応するコンテンツIDのコンテンツを、出力先IDに対応する表示装置8(例えば、「福神漬けA」が配置されているゾーンにある表示装置8)に出力させる。例えば、店舗内の利用者の動線データに基づいて作成された行動データセットから、当該利用者が図20の「条件ID:R01」に示す条件を満たす滞在順序を移動している場合には、当該利用者が福神漬けAのゾーンにいるときに、当該ゾーンに設置されている表示装置8に、「条件ID:R01」に対応する「福神漬けAの広告」のコンテンツを出力する。それによって、カレー購入顧客に対して福神漬けAを直接訴求することができる。
【0114】
ステップS72の出力条件の別の例では、「処理対象のタグIDに対応する無線タグ2に対応する利用者が、ステップS70で決定した購入予測商品が配置されているゾーンに設置された表示装置8に表示された画像が視認できる位置まで近付いていると推定されること」であってもよい。例えば、表示装置8に表示された画像が視認できる範囲等を予め設定しておき、その範囲内に処理対象のタグIDに対応する無線タグ2に対応する利用者が入ったことを出力条件としてもよい。このような出力条件とすることで、利用者に購入予測商品をより直接的に訴求することができる。
サーバ5Aは、処理対象の無線タグ2の位置データは逐次認識しており、また、店舗内の各表示装置8の位置情報や画面の向く方向は既知であるから、無線タグ2に対応する利用者が表示装置8に表示された画像を認識できる位置まで近付いているか否か推定することができる。例えば、表示装置8の向く方向から表示装置8に向かって利用者が近付いており、利用者と表示装置8との距離が所定値以内であることで、「画像を認識できる位置まで近付いている」と判断してもよい。
【0115】
以上説明したように、本実施形態の利用者行動分析システム1Aでは、動線データに基づいて、店舗フロア内のゾーンのうち、利用者のゾーンの滞在順序を示す行動データセットを取得し、当該滞在順序と、購入予測商品に対応付けられた条件情報(購入順序情報の一例)とに基づき、利用者の購入予測商品を予測する。さらに、利用者行動分析システム1Aでは、購入予測商品が配置されたゾーンにターゲットとなる利用者が存在する場合に、当該ゾーンに配置された表示装置8に購入予測商品に関連するコンテンツを出力させる。それにより、将来商品を購入すると考えられる個々の利用者に対して効果的に商品を訴求することができる。
また、店舗内の特定のゾーンに1台の表示装置が置かれている場合、ある利用者に対しては当該利用者が将来購入する可能性が高い商品に関するコンテンツを出力し、別の利用者に対しては当該別の利用者が将来購入する可能性が高い商品に関するコンテンツを出力する、といった具合に、利用者ごとに広告効果の高いコンテンツを出力することができる。つまり、個々のターゲットとなる利用者に応じたコンテンツを出力することにより、販促効果を発揮させることができる。
【0116】
なお、1人の利用者に対して複数の購入予測商品が特定される場合がある。例えば、図23のフローチャートのステップS66において複数の条件IDが示す条件を満たし、当該複数の条件IDが、同一ゾーンに配置される異なる購入予測商品に対応している場合等である。そこで、一実施形態では、利用者が将来購入する複数の商品を予測した場合に、制御部51は、複数の商品にそれぞれに関連する複数のコンテンツを、同時に表示装置8に出力させたり、所定時間ごとに切り替えて表示装置8に出力させたりするとよい。それによって、複数の購入予測商品を利用者に訴求することができる。
【0117】
図24は、利用者に対して2つの購入予測商品として「カレー」と「シチュー」に対応する条件が満たされた場合の表示例が示されている。購入予測商品として「カレー」に対応する条件が満たされた場合に表示されるコンテンツが「福神漬けA」を販促するためのコンテンツである。購入予測商品として「シチュー」に対応する条件が満たされた場合に表示されるコンテンツが「フランスパンC」を販促するためのコンテンツである。コンテンツを表示するための表示装置8は、加工食品とパン類の両方が売られている売り場の近くに配置される。
【0118】
図24では、「福神漬けA」と「フランスパンC」にそれぞれに関連するコンテンツを同時に表示装置8に出力させる例として画面G11が示される。画面G11では、1画面を2分割して、「福神漬けA」と「フランスパンC」にそれぞれに関連するコンテンツが同時に表示される例である。
図24では、「福神漬けA」と「フランスパンC」にそれぞれに関連するコンテンツを所定時間ごとに切り替えて表示装置8に出力させる例として画面G12,G13が示される。この例では、「福神漬けA」に関連するコンテンツ(画面G12)と、「フランスパンC」に関連するコンテンツ(画面G13)とが、所定時間ごとに切り替えて出力される。
【0119】
一実施形態では、店舗フロア内の予め決められたゾーンのうち利用者が所定時間以上滞在したゾーンを、滞在順序に含めるとよい。それによって、単に利用者がゾーンを通過したに過ぎない場合に当該ゾーンを考慮しなくて済む。そのため、利用者が購入予測商品に対応する条件を満たすか否かの判断の精度が向上する。
【0120】
一実施形態では、制御部51は、購入予測商品が配置されたゾーンにおける利用者の移動速度や滞留時間に応じて、購入予測商品に関連するコンテンツの出力時間や出力内容を決定してもよい。例えば、利用者の行動データセットにおける滞留時間の中央値から利用者の店舗内の移動速度や行動の癖が分かるため、ターゲットとなる利用者の移動速度が速い場合には表示装置8から出力されるコンテンツの出力時間を短くしたり、コンテンツの出力内容を簡潔にしたりして調整するとよい。これにより利用者の行動特徴に対応させたコンテンツの出力制御が可能となる。また、ターゲットとなる利用者の当該ゾーンにおける滞留時間が短い場合には表示装置8から出力されるコンテンツを変更し、別の利用者向けのコンテンツに切り替えるようにするとよい。
【0121】
一実施形態では、利用者の行動データセットの滞留時間や滞留回数から、利用者が購入予測商品を探していると判断できるため、購入予測商品が配置された位置又は当該位置までの経路に関する情報を、表示装置8に出力させてもよい。これにより、利用者を商品まで案内することができる。図25は、購入予測商品が配置された位置又は当該位置までの経路に関する情報を含む画面例である画面G14を示す。画面G14では、購入予測商品が「福神漬けA」の例である。画面G14のウィンドウ80には、表示装置8が設置されている位置81から購入予測商品(福神漬けA)が配置されている位置82までの経路83が示される。
【0122】
一実施形態では、制御部51は、表示装置8の周辺に存在する利用者数に関する利用者数情報を取得する利用者数取得部として機能してもよい。その場合、制御部51は、購入商品予測部により予測された商品の商品配置領域に配置されている表示装置8の周辺に存在する利用者数に応じて、商品に関連するコンテンツの出力時間、出力内容、及び出力タイミングのうち少なくともいずれかを決定する。例えば、表示装置8の周辺にターゲットとなる利用者の他、他の利用者が多く存在する場合には、ターゲットとなる利用者に長い時間コンテンツを出力しても他の多くの利用者に商品を訴求できない可能性があるため、コンテンツの出力時間を短くしたり、コンテンツの内容を簡潔にしたりするとよい。また、ターゲットとなる利用者が表示装置8により近付いた場合(表示装置8との距離がより短い場合)にコンテンツの出力を開始することで当該利用者に商品を訴求しやすくなる。
【0123】
一実施形態では、購入商品予測部により予測された商品の商品配置領域に配置された表示装置8の所定距離以内に他の利用者がいる場合には、他の利用者がいない場合よりも、商品に関連するコンテンツの出力時間を短くする。例えば、利用者に向けて購入予測商品に関連するコンテンツを表示させる場合、他の利用者が近くにいる場合には15秒のコンテンツを表示させ、他の利用者が近くにいない場合には30秒のコンテンツを表示させる。つまり、他の利用者が近くにいてコンテンツをゆっくり見られない状況では比較的コンテンツの表示時間を短くすることで、ターゲットとなる利用者の周辺に他の利用者が存在するか否か等の状況に応じたコンテンツの出力時間とすることができる。
【0124】
一実施形態では、複数の利用者に対する購入予測商品に共通性がある商品が含まれており、かつ表示装置8が配置された周辺に複数の利用者が存在する場合に、当該ゾーンに配置された表示装置8に共通性がある商品に関連するコンテンツを出力させる。それによって、表示装置8を最大限効果的に活用することができる。
【0125】
例えば、複数の利用者の中に、購入予測商品として「カレー」に対応する条件が満たされる利用者(カレー顧客)と、別の利用者が購入予測商品として「カレー」に対応する条件が満たされる利用者(シチュー顧客)と、が含まれる場合を想定する。
ここで、カレー及びシチューのいずれもデザート類の商品と同時に購入される傾向がある場合、購入予測商品であるカレー及びシチューに共通性がある商品として、デザート類の商品が挙げられる。この場合には、例えば、加工食品とデザート類が置かれている間に配置されている表示装置8に、デザート類の商品に関連するコンテンツを出力させる。
また、カレー及びシチューのいずれも肉類の商品(例えば、チキンやビーフ等)と同時に購入される傾向がある場合、購入予測商品であるカレー及びシチューに共通性がある商品として、肉類の商品が挙げられる。この場合には、例えば、加工食品と肉類が置かれている間に配置されている表示装置8に、肉類の商品に関連するコンテンツを出力させる。
【0126】
前述したように、1人の利用者に対して複数の購入予測商品が特定される場合がある。そのような場合、一実施形態では、複数の購入予測商品のうち所定の条件を満たす商品に関連するコンテンツを、共通性があるゾーンに配置された表示装置8に出力させてもよい。「所定の条件」は限定されないが、例えば、店舗の在庫状況を条件としてもよいし、店舗が積極的に売りたいことを条件としてもよい。それによって、複数の購入予測商品のうち、店舗の意向に沿った商品を販促することができる。「共通性があるゾーン」として、例えば、上記複数の購入予測商品が配置されている複数のゾーンの中央位置あるいは複数のゾーンの境界位置等が挙げられる。
【0127】
例えば、上述した実施形態では、店舗端末4とサーバ5の間のデータ授受がネットワークNW経由で行われる場合について説明したが、その限りではない。店舗端末4とサーバ5の間のデータ授受は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカード、HDD装置、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を経由して行うこともできる。
受信機3とサーバ5は、ネットワークNWを介して通信する場合に限られず、有線又は無線により1対1で通信を行ってもよい。サーバ5と店舗端末4の機能を複数の装置に分散させたり、サーバ5,5Aのストレージ52を複数の装置に分散させたりして構成してもよい。
【0128】
以上、情報処理装置、情報処理方法、および、プログラムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
【符号の説明】
【0129】
1,1A…利用者行動分析システム
2…無線タグ
21…制御部
22…通信部
3…受信機
31…電波受信部
32…入射角測定部
33…通信部
4…店舗端末
41…制御部
42…表示部
43…通信部
5,5A…サーバ
51…制御部
511…動線取得部
512…商品情報取得部
513…特定部
514…順序決定部
515…基準値算出部
516…計測部
517…滞留時間算出部
521…滞在順序取得部
522…購入商品予測部
523…出力制御部
52…ストレージ
53…通信部
7…POSシステム
8…表示装置
101…動線データ
102…行動データセット
NW…ネットワーク
CT…カート
SF…店舗フロア
Z11~Z44…ゾーン
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