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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013525
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】アロマシール
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/12 20060101AFI20230119BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20230119BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20230119BHJP
   A61L 9/12 20060101ALI20230119BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20230119BHJP
   C11B 9/00 20060101ALN20230119BHJP
【FI】
B32B27/12
G09F3/02 V
A61L9/01 Q
A61L9/12
C09J7/38
C11B9/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117768
(22)【出願日】2021-07-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】505048460
【氏名又は名称】オーティス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】藤本 将之
【テーマコード(参考)】
4C180
4F100
4H059
4J004
【Fターム(参考)】
4C180AA13
4C180CA07
4C180GG17
4C180MM10
4F100AK01C
4F100AT00A
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100CB00B
4F100DC21
4F100DG10C
4F100DG15C
4F100GB90
4F100JL14C
4H059BC23
4H059DA09
4H059DA17
4H059EA36
4J004AB01
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE02
4J004DB02
4J004FA10
(57)【要約】
【課題】図柄やマークを印刷した印刷媒体シールの裏面に不織布片を設け、印刷媒体シールの裏面の一部をマスクに貼り付けて使用可能にしたアロマシールを提供する。
【解決手段】マスクの表面に貼り付けて使用するアロマシール(1)は、表面に図柄やマークを印刷可能な印刷媒体シール(2)と、印刷媒体シール(2)の裏面に形成された粘着層(3)と、印刷媒体シール(2)の裏面の粘着層(3)の外周側領域(4a)に粘着された剥離紙(5)と、印刷媒体シール(2)の裏面の粘着層(3)のうち外周側領域(4a)の内側の中心側領域(4b)に粘着された合成樹脂製のフィルム(6)と、合成樹脂製フィルム(6)に固着されると共に水性又は油性の液体(芳香剤等)を含浸可能な不織布片(7)とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの表面に貼り付けて使用するアロマシールであって、
表面に図柄やマークを印刷可能な印刷媒体シールと、
前記印刷媒体シールの裏面に形成された粘着層と、
前記印刷媒体シールの裏面の前記粘着層の外周側領域に粘着された剥離紙と、
前記印刷媒体シールの裏面の前記粘着層のうち前記外周側領域の内側の中心側領域に粘着された合成樹脂製フィルムと、
前記合成樹脂製フィルムに固着されると共に水性又は油性の液体を含浸可能な不織布片と、
を有することを特徴とするアロマシール。
【請求項2】
マスクの表面に貼り付けて使用するアロマシールであって、
表面に図柄やマークを印刷可能な印刷媒体シールを複数設けた印刷媒体シートと、
前記印刷媒体シートの裏面に形成された粘着層と、
前記印刷媒体シートの裏面の前記粘着層のうち複数の印刷媒体シールにおける複数の外周側領域の内側の複数の中心側領域以外の領域に粘着された剥離紙と、
前記印刷媒体シートの裏面の前記粘着層のうち複数の中心側領域に対応する部分に粘着された複数の合成樹脂製フィルムと、
前記複数の合成樹脂製フィルムに固着されると共に水性又は油性の液体を含浸可能な複数の不織布片と、
を有することを特徴とするアロマシール。
【請求項3】
前記印刷媒体シートにおいて各印刷媒体シールは分断線にて分断されていることを特徴とする請求項2に記載のアロマシール。
【請求項4】
前記印刷媒体シートはハガキサイズに形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のアロマシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマシールに関し、特にマスクに取り付けて使用するアロマシールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々のアロマシールが実用化されている。
特許文献1に記載の香りのステッカーは、離型紙、接着層、第1樹脂層、芳香剤を含浸させた不織布、接着層、第2樹脂層等を有する。離型紙を剥がして物品(自動車の窓等)の表面に貼り付け、表面から芳香を発散させる。
【0003】
特許文献2の芳香・消臭シートは、剥離紙、粘着層、基部、成分保持層(不織布)、表層部等を有する。剥離紙を剥がして物品の表面に貼り付け、成分保持層から表層部を介して芳香を発散させる。
【0004】
特許文献3の芳香紙は、剥離紙の表面に複数の図柄付きのラベルを粘着しておき、ラベルを剥離して物品の表面に貼り付け、ラベルの表面から芳香を発散させる。
【0005】
特許文献4,5,6の精油含浸用シール(アロマセラピーシール)は、保護シート、粘着層、精油を含浸させた保持層を有し、保護シートを剥離して保持層を物品の表面に貼り付け、保持層の表面から芳香を発散させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-114378号公報
【特許文献2】特開2007-244714号公報
【特許文献3】実用新案登録第3018351号公報
【特許文献4】特開2017-105009号公報
【特許文献5】実用新案登録第3223409号公報
【特許文献6】実用新案登録第3225977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のアロマシール(精油含浸用シール)は、何れも物品の表面に貼り付けた状態にし、そのアロマシールの表面側に芳香を発散させるように構成されている。
ここで、マスクの表面に貼り付けて使用するアロマシールの場合、芳香をアロマシールの裏面側に発散させる必要がある。しかし、従来のアロマシールではその表面側へ発散させる構成であるため、本来のアロマの芳香の効果が十分に発揮されていないことが想定される。
【0008】
また、図柄やマークを印刷した印刷媒体シールの裏面や表面に、芳香剤を含浸させる不織布片を固着する場合、不織布片に含浸させた芳香剤が印刷媒体シールに沁み出してしまい、芳香剤を所定期間保持することが難しい。
【0009】
本発明の目的は、図柄やマークを印刷した印刷媒体シールの裏面に不織布片を設け、印刷媒体シールの裏面の一部をマスクに貼り付けて使用可能にしたアロマシールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のアロマシールは、マスクの表面に貼り付けて使用するアロマシールであって、表面に図柄やマークを印刷可能な印刷媒体シールと、前記印刷媒体シールの裏面に形成された粘着層と、前記印刷媒体シールの裏面の前記粘着層の外周側領域に粘着された剥離紙と、前記印刷媒体シールの裏面の前記粘着層のうち前記外周側領域の内側の中心側領域に粘着された合成樹脂製フィルムと、前記合成樹脂製フィルムに固着されると共に水性又は油性の液体を含浸可能な不織布片とを有することを特徴としている。
尚、水性又は油性の液体としては、芳香剤、保湿成分を含んだ美容液、制汗成分を含んだ液体等(以下、芳香剤等という)を採用することができる。
【0011】
上記の構成によれば、印刷媒体シールの表面には図柄やマークが予め印刷され、このアロマシールをマスクの表面に貼り付けて使用する場合には、まず不織布片に芳香剤等を滴下して含浸させ、印刷媒体シールから剥離紙を剥離し、粘着層の外周側領域をマスクに粘着させることでアロマシールをマスクに貼り付けると、印刷媒体シールの裏面側にある不織布片から発散する芳香剤等の蒸発ガスがマスクの布地を透過してマスクの内部へ発散していく。
【0012】
不織布片は粘着層に粘着された合成樹脂製フィルムに固着されているため、不織布片に含浸させた芳香剤等が印刷媒体シールの方へ沁み出ることがないから、芳香剤等の有効期間が短くなることもなく、芳香剤等が図柄やマークに悪影響を及ぼすこともない。また、不織布片の外周側はマスクに粘着されるため、芳香等の蒸発ガスが不織布片から外周側へ発散することもない。
【0013】
請求項2のアロマシールは、マスクの表面に貼り付けて使用するアロマシールであって、表面に図柄やマークを印刷可能な印刷媒体シールを複数設けた印刷媒体シートと、前記印刷媒体シートの裏面に形成された粘着層と、前記印刷媒体シートの裏面の前記粘着層のうち複数の印刷媒体シールにおける複数の外周側領域の内側の複数の中心側領域以外の領域に粘着された剥離紙と、前記印刷媒体シートの裏面の前記粘着層のうち複数の中心側領域に対応する部分に粘着された複数の合成樹脂製フィルムと、前記複数の合成樹脂製フィルムに固着されると共に水性又は油性の液体(芳香剤等)を含浸可能な複数の不織布片とを有することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、1枚の印刷媒体シートに請求項1と同様の複数の印刷媒体シールを配置し、複数のアロマシールを構成したもので、請求項1と同様の作用、効果を奏する。
印刷媒体シールの表面に図柄やマークを予め印刷してない形態のアロマシールの場合には、プリンターにより印刷媒体シートの表面のうち複数の印刷媒体シールに対応する部位に所望の図柄やマークを印刷することができる。
【0015】
請求項3のアロマシールは、請求項2の発明において、前記印刷媒体シートにおいて各印刷媒体シールは分断線にて分断されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、各印刷媒体シールは分断線にて分断されているため、各印刷媒体シールを剥離紙から簡単に剥離して使用することができる。
【0016】
請求項4のアロマシールは、請求項2又は3の発明において、前記印刷媒体シートはハガキサイズに形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、前記印刷媒体シートはハガキサイズに形成されているため、市販の印刷ソフトを用いて、複数の印刷媒体シールに種々の図柄やマークを印刷する上で有利である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記のような種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るアロマシールカードの表面図である。
図2】アロマシールカードの裏面図である。
図3】アロマシールカードの断面図である。
図4】アロマシールカードに含まれるアロマシールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係るアロマシールについて、図面に基づいて説明する。
図1図3に示すように、アロマシールカードACは、ハガキサイズのものであり、
8枚のアロマシール1であって、図柄Dやマークが予め印刷された8枚のアロマシール1を含むものである。但し、図柄Dやマークを印刷してない形態のアロマシール1を購入したユーザーが所望の図柄Dやマークを印刷する場合もある。
【0020】
このアロマシール1は、マスクの表面に貼り付けて使用するアロマシールである。
このアロマシール1は、表面に図柄Dやマークを印刷可能な円形の印刷媒体シール2を複数設けた印刷媒体シート2Aと、印刷媒体シート2Aの裏面の全面に形成された粘着層3と、印刷媒体シート2Aの裏面の粘着層3のうち複数の印刷媒体シール2における複数の円環状の外周側領域4aの内側の複数の円形の中心側領域4b以外の領域に粘着された剥離紙5と、印刷媒体シート2Aの裏面の粘着層3のうち複数の中心側領域4bに対応する部分に粘着された複数の合成樹脂製フィルム6と、複数の合成樹脂製フィルム6に固着されると共に水性又は油性の液体を含浸可能な複数の円形の不織布片7とを有する。
前記の水性又は油性の液体としては、芳香剤、保湿成分を含んだ美容液、制汗成分を含んだ液体等(以下、芳香剤等という)を採用することができる。
【0021】
前記印刷媒体シート2Aは、矩形状のハガキサイズのものであり、印刷に適した紙材(紙、合成紙、印刷可能なフィルム材等)で構成されている。
粘着層3は、一般的な粘着層の他に、繊維やフィルム等の芯材の両面に粘着層を形成した両面粘着シ―トを採用することもできる。
前記剥離紙5は、矩形状のハガキサイズのものであり、剥離紙5のうち8枚の不織布片7に対応する部位には不織布片7よりも僅かに大径の円形穴5aが形成されている。この剥離紙5の全面が粘着層3に剥離可能に粘着されている。
【0022】
印刷媒体シート2Aにおいて各印刷媒体シール2は円状の分断線8にて分断されているため、アロマシール1を1枚ずつ剥離紙5から剥離して使用することができる。
前記の外周側領域4aとは、円形穴5aより外周側で分断線8よりも内径側の領域であり、中心側領域4bとは外周側領域4aの内側の領域であって円形穴5aの内側の領域である。
【0023】
印刷媒体シート2Aはハガキサイズに形成されているため、市販の印刷ソフトを用いて、複数の印刷媒体シール2に種々の図柄Dやマークを印刷する上で有利である。
図1に示す図柄Dは、例示のため1つだけ図示したが、図柄付きの実際のアロマシールカードACにおいては、必要に応じて全部の印刷媒体シール2に同一の又は異なる図柄Dが印刷されている。
【0024】
前記のアロマシール1の単体の構成は次のようになっている。
図1図3に示すように、このアロマシール1は、表面に図柄Dやマークを印刷可能な印刷媒体シール2と、印刷媒体シール2の裏面に形成された粘着層3と、印刷媒体シール2の裏面の粘着層3の外周側領域4aに粘着された剥離紙5と、印刷媒体シール2の裏面の粘着層3のうち外周側領域4aの内側の中心側領域4bに粘着された合成樹脂製フィルム6と、合成樹脂製フィルム6に固着されると共に前記の水性又は油性の液体(芳香剤等)を含浸可能な不織布片7とを有する。
【0025】
上記の構成によれば、印刷媒体シール2の表面には図柄Dやマークを印刷可能であり、このアロマシール1をマスクの表面に貼り付けて使用する場合には、図4に示すように、アロマシール1の不織布片7に芳香剤等を含浸させてから、印刷媒体シート2Aから剥離したこのアロマシール1をマスクの外面に押し当てて、外周側領域4aの粘着層3をマスクに粘着させて使用する。つまり、不織布片7に芳香剤等を滴下して含浸させ、印刷媒体シール2から剥離紙5を剥離し、粘着層3の外周側領域4aをマスクに粘着させることでアロマシール1をマスクに貼り付けると、印刷媒体シール2の裏面側にある不織布片7から発散する芳香剤等の蒸発ガスがマスクの布地を透過してマスクの内部へ発散していく。
【0026】
このように、不織布片7に含浸している芳香剤等が不織布片7から蒸発又は発散し、マスクの布地を透過して口や鼻の周辺に芳香剤等の蒸発ガスを放出するため、芳香剤等のアロマ効果や美容効果や保湿効果を十分に発揮させることができる。
不織布片7は粘着層3に粘着された合成樹脂製フィルム6に固着されているため、不織布片7に含浸させた芳香剤等が印刷媒体シール2の方へ沁み出ることがないから、芳香剤等の有効期間が短くなることもなく、芳香剤等が図柄Dやマークに悪影響を及ぼすこともない。また、不織布片7の外周側はマスクに粘着されるため、芳香剤等の蒸発ガスが不織布片7から外周側へ発散することもない。
【0027】
次に前記の実施形態を変形する例について説明する。
(1)アロマシール1の形状は円形の場合を例として説明したが、アロマシール1の形状は円形に限るものではなく、正方形、三角形、楕円形、その他種々の形状を採用することができる。
【0028】
(2)アロマシールカードACに8つのアロマシール1を配置したが、8つに限るものではなく、種々の数(例えば、6つ、5つ、4つ等々)のアロマシール1を配置することができる。また、アロマシールカードACのサイズはハガキサイズに限定されるものではなく、A4サイズやその他の種々のサイズ等も採用可能である。
【0029】
(3)不織布片7について、マスクに触れることで不織布片7に含浸させた液体がマスク側へ沁みていくことが想定されるため、不織布片7の表面のみに撥水又は撥油処理、若しくは同効果が期待できるフィルム等を積層したものを採用することもできる。
【0030】
(4)不織布片7から発散する芳香剤等の蒸発ガスの一部を、外部へ発散させるように構成してもよい。 この場合、例えば外周側領域4aの半分又は2/3だけをマスクに粘着させる構造とする。或いは、不織布片7の外周と円形穴5aの間において印刷媒体シール2に1又は複数の微小孔を形成する。
【0031】
(5)その他、当業者ならば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はその種の変更形態も包含するものである。
【符号の説明】
【0032】
AC アロマシールカード
1 アロマシール
2 印刷媒体シール
2A 印刷媒体シート
3 粘着層
4a 外周側領域
4b 中心側領域
5 剥離紙
6 合成樹脂製フィルム
7 不織布片
8 分断線
図1
図2
図3
図4