(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135264
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】バルブブロック、及びそれを備えるマルチコントロール弁装置
(51)【国際特許分類】
F15B 11/00 20060101AFI20230921BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
F15B11/00 D
F16K27/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040390
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】大平 眞裕
(72)【発明者】
【氏名】川上 遼
(72)【発明者】
【氏名】山崎 好司
【テーマコード(参考)】
3H051
3H089
【Fターム(参考)】
3H051BB02
3H051CC01
3H089BB27
3H089GG02
3H089HH05
(57)【要約】
【課題】2つのチェック弁及び圧力補償弁が挿通されるブロック本体をコンパクトに構成することができるバルブブロックを提供する。
【解決手段】バルブブロックは、複数のバルブブロックが所定方向に並べられているマルチコントロール弁装置のバルブブロックであって、ブロック本体と、ブロック本体内を流れる作動液の一方向の流れを許容し且つ逆方向の流れを阻止する第1及び第2チェック弁と、ブロック本体内を流れる作動液の圧力を補償する圧力補償弁と、を備え、ブロック本体は、所定方向に直交する第1方向一方に面する第1側面を含み、第1チェック弁、第2チェック弁、及び圧力補償弁は、互いに並列するようブロック本体の第1側面から挿入されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバルブブロックが所定方向に並べられているマルチコントロール弁装置のバルブブロックであって、
ブロック本体と、
前記ブロック本体内を流れる作動液の一方向の流れを許容し且つ逆方向の流れを阻止する第1及び第2チェック弁と、
前記ブロック本体内を流れる作動液の圧力を補償する圧力補償弁と、を備え、
前記ブロック本体は、所定方向に直交する第1方向一方に面する第1側面を含み、
前記第1チェック弁、前記第2チェック弁、及び前記圧力補償弁は、互いに並列するよう前記ブロック本体の前記第1側面から挿入されている、バルブブロック。
【請求項2】
前記第1チェック弁は、前記圧力補償弁に対して、所定方向に直交し且つ第1方向と交差する第2方向に隣り合うように配置され、
前記第2チェック弁は、前記第1チェック弁に対して所定方向に隣り合うように配置されている、請求項1に記載のバルブブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体は、所定方向一方に面する主面と、前記第1チェック弁に繋がる第1入口ポートと、前記第2チェック弁に繋がる第2入口ポートとを更に含み、
前記第1入口ポート及び前記第2入口ポートは、前記ブロック本体の前記主面に形成されている、請求項1又は2に記載のバルブブロック。
【請求項4】
前記ブロック本体内を流れる作動液の流れる方向を制御する方向制御弁と、
前記ブロック本体は、所定方向に直交し且つ第1方向と交差する第2方向一方に面する第2側面とを更に含み、
前記方向制御弁は、前記ブロック本体の前記第2側面から挿入されている、請求項1又は2に記載のバルブブロック。
【請求項5】
前記ブロック本体は、所定方向一方に面する主面と、前記方向制御弁に繋がるタンクポートを更に含み、
前記タンクポートは、前記ブロック本体の前記主面に形成されている、請求項4に記載のバルブブロック。
【請求項6】
前記ブロック本体は、第2方向他方に面する第3側面と、前記方向制御弁に繋がる第1給排ポート及び第2給排ポートとを更に含み、
前記第1給排ポートは、前記第2側面に形成され、
前記第2給排ポートは、前記第1側面に形成されている、請求項4又は5に記載のバルブブロック。
【請求項7】
前記圧力補償弁に作用する前記方向制御弁の上流圧及び下流圧のうち下流圧をタンクに排出させる電磁リリーフ弁を更に備え、
前記方向制御弁は、前記第2側面から第2方向一方に突き出ており、
前記電磁リリーフ弁は、前記ブロック本体の前記第2側面に取り付けられている、請求項4乃至6の何れか1つに記載のバルブブロック。
【請求項8】
前記ブロック本体内を流れる作動液を排出する一対のリリーフ弁を更に備え、
前記ブロック本体は、第2方向他方に面する第3側面を含み、
前記方向制御弁は、前記第2側面から前記第3側面まで貫通し、前記第2側面及び前記第3側面から第2方向一方及び他方に夫々突き出ており、
前記一対のリリーフ弁の各々は、前記第2側面及び前記第3側面の各々に取り付けられている、請求項4乃至7の何れか1つに記載のバルブブロック。
【請求項9】
前記圧力補償弁に作用する前記方向制御弁の上流圧及び下流圧のうち下流圧をタンクに繋ぐ電磁リリーフ弁を更に備え、
前記一対のリリーフ弁の一方である第1リリーフ弁は、前記第2側面において前記方向制御弁より第1方向一方側に配置されし、
前記一対のリリーフ弁の他方である第2リリーフ弁は、前記第3側面において前記方向制御弁より第1方向他方側に配置され、
前記電磁リリーフ弁は、前記ブロック本体の前記第2側面において前記方向制御弁より第1方向他方側に配置されている請求項8に記載のバルブブロック。
【請求項10】
前記ブロック本体は、前記圧力補償弁が挿入される合流チャンバを更に含み、
前記第1チェック弁及び前記第2チェック弁は、前記合流チャンバに繋がり、前記合流チャンバへの一方向の作動液の流れを許容する、請求項1乃至9の何れか1つに記載のバルブブロック。
【請求項11】
前記合流チャンバは、第1方向一方からに見て断面L字状に形成されており、
前記第1チェック弁、前記第2チェック弁、及び前記圧力補償弁は、第1方向他方に延在し、且つ前記合流チャンバの両端部分及び屈曲部分に夫々配置されている、請求項10に記載のバルブブロック。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1つに記載のバルブブロックを含む複数のバルブブロックを備え、
前記複数のバルブブロックが互いに隣接するように所定方向に並べられている、マルチコントロール弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバルブブロックが所定方向に並べられているマルチコントロール弁装置のバルブブロック、及びそれを備えるマルチコントロール弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械等の産業機械は、複数の油圧シリンダの各々への作動液の流れを制御するマルチコントロール弁装置を備えている。マルチコントロール弁装置としては、例えば特許文献1のようなマルチコントロール弁装置が知られている。特許文献1のマルチコントロール弁装置は、複数のバルブブロックが所定方向に並べられている。バルブブロックは、ブロック本体と方向制御弁とを備えている。方向制御弁は、ブロック本体に挿通されている。バルブブロックでは、方向制御弁を作動させることによって作動液の流れが制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のマルチコントロール弁では、バルブブロックにおいて方向制御弁以外に以下のような弁が備わっていることがある。例えば、バルブブロックは、2つのチェック弁と圧力補償弁とを備えている。バルブブロックでは、2つのチェック弁から流れてくる作動液が合流した後に圧力補償弁に導かれる。2つのチェック弁及び圧力補償弁は、ブロック本体に挿通されている。2つのチェック弁及び圧力補償弁が挿通されるブロック本体に関してコンパクトに構成されることが望まれている。
【0005】
そこで本発明は、2つのチェック弁及び圧力補償弁が挿通されるブロック本体をコンパクトに構成することができるバルブブロックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバルブブロックは、複数のバルブブロックが所定方向に並べられているマルチコントロール弁装置のバルブブロックであって、ブロック本体と、前記ブロック本体内を流れる作動液の一方向の流れを許容し且つ逆方向の流れを阻止する第1及び第2チェック弁と、前記ブロック本体内を流れる作動液の圧力を補償する圧力補償弁と、を備え、前記ブロック本体は、所定方向に直交する第1方向一方に面する第1側面を含み、前記第1チェック弁、前記第2チェック弁、及び前記圧力補償弁は、互いに並列するよう前記ブロック本体の前記第1側面から挿入されているものである。
【0007】
本発明に従えば、第1チェック弁、第2チェック弁、及び圧力補償弁は、互いに並列するようにブロック本体の第1側面から挿入されている。それ故、所定方向においてブロック本体をコンパクトに形成することができる。また、第1チェック弁、第2チェック弁、及び圧力補償弁が所定方向に隣接する他のバルブブロックに干渉することが抑制される。
【0008】
本発明のマルチコントロール弁装置は、前述するバルブブロックを含む複数のバルブブロックを備え、前記複数のバルブブロックが互いに隣接するように所定方向に並べられているものである。
【0009】
本発明に従えば、前述するような機能を有するマルチコントロール弁装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、2つのチェック弁及び圧力補償弁が挿通されるブロック本体をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のバルブブロックを備えるマルチコントロール弁装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明のバルブブロックを上方から見た斜視図である。
【
図3】
図2のバルブブロックに形成される液圧回路を示す回路図である。
【
図4】
図2のバルブブロックを正面から見た正面図である。
【
図5】
図2のバルブブロックを右側方から見た右側面図である。
【
図6】
図2のバルブブロックを左側方から見た左側面図である。
【
図7】
図2のバルブブロックの上方から見た平面図である。
【
図8】
図4のバルブブロックを切断線VIII-VIIIで切断して見た断面図である。
【
図9】
図4バルブブロックを切断線IX-IXで切断して見た断面図で
【
図10】
図7のバルブブロックを切断線X-Xで切断して見た断面図である。
【
図11】
図7のバルブブロックを切断線XI-XIで切断して見た断面図である。
【
図12】
図7のバルブブロックを切断線XII-XIIで切断して見た断面図である。ある。
【
図13】
図2のバルブブロックを下方から示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態のマルチコントロール弁装置1及びそれに備わるバルブブロック2について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明するマルチコントロール弁装置1及びバルブブロック2は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0013】
<マルチコントロール弁装置>
図1に示すマルチコントロール弁装置1は、建設機械等の産業機械を含む液圧機械に備わっている。マルチコントロール弁装置1は、作動液(例えば圧油又は水)の流れ(本実施形態において方向及び流量)を制御する。更に詳細に説明すると、マルチコントロール弁装置1は、複数のポンプ8L,8R(後述する
図3参照)及び複数のアクチュエータ(図示せず)に接続されている。本実施形態において、マルチコントロール弁装置1は、2つのポンプ8L,8Rに接続されている。マルチコントロール弁装置1は、ポンプ8L,8Rから吐出される作動液の流れを制御することによって複数のアクチュエータに対して作動液を給排する。マルチコントロール弁装置1は、複数のバルブブロック2~7を備えている。本実施形態において、マルチコントロール弁装置1は、6つのバルブブロック2~7を備えている。なお、マルチコントロール弁装置1が備えるバルブブロックの数は、6つに限定されず、5つ以下又は7つ以上であってもよい。6つのバルブブロック2~7は、互いに隣接するように所定方向に並べて配置されている。5つのバルブブロック3~7は、例えば、以下のように構成されている。
【0014】
即ち、5つのバルブブロック3~7は、ブロック本体3a~7aと、方向制御弁3b~7bとを有している。ブロック本体3a~7aの各々は、例えば所定方向に厚みを有する直方体形状に形成されている。即ち、ブロック本体3a~7aは、所定方向に主面及び背面を有している。また、ブロック本体3a~7aは、所定方向に直交する第1方向及び第2方向に夫々側面を有している。第1方向及び第2方向は互いに交差している。本実施形態において、第1方向及び第2方向は互いに直交している。
図1において、所定方向は奥行き方向である。また、
図1において第1方向は高さ方向であり、第2方向は幅方向である。
【0015】
方向制御弁3b~7bの各々は、ポンプ8L,8R及びアクチュエータの各々に接続されている。方向制御弁3b~7bは、ポンプ8L,8Rからアクチュエータに流れる作動液の流れを制御する。方向制御弁3b~7bは、ブロック本体3a~7aの各々に挿通されている。より詳細に説明すると、方向制御弁3b~7bは、ブロック本体3aを第2方向に貫通している。方向制御弁3b~7bの両端部分の各々は、ブロック本体3a~7aの各々において第2方向両側面の各々から第2方向一方及び他方に突き出ている。方向制御弁3b~7bは、本実施形態において電磁式のスプール弁であって、例えば突き出た部分に電磁比例制御弁を有している。
【0016】
<バルブブロック>
本発明の実施形態であるバルブブロック2は、以下のように構成されている。即ち、バルブブロック2は、
図2に示すようにブロック本体11と、2つのチェック弁12,13と、圧力補償弁14とを備えている。また、バルブブロック2は、方向制御弁15と、電磁リリーフ弁16と、一対のリリーフ弁17,18とを更に備えている。以下において、所定方向は、
図2の高さ方向、第1方向は、
図2の奥行き方向、第2方向は、
図2の左右方向である。バルブブロック2は、2つのポンプ8L,8R及びアクチュエータ9(
図3参照)に接続されている。より詳細に説明すると、バルブブロック2は、他のバルブブロック3~7を介して2つのポンプ8L,8Rに接続されている。バルブブロック2では、2つのポンプ8L,8Rから導かれる作動液がブロック本体11内を夫々流れる。そして、ブロック本体11内において、2つのポンプ8L,8Rからの作動液が合流される。バルブブロック2は、合流した作動液のアクチュエータ9への流れを制御する。この際、バルブブロック2は、負荷に拘らず入力される制御信号に応じた流量の作動液をアクチュエータ9に供給する。以下では、
図3を参照しながらバルブブロック2に形成される液圧回路がまず説明される。
【0017】
ブロック本体11には、2つの入口ポート21,22、2つのタンクポート23,24、及び2つの給排ポート25,26が形成されている。更に、ブロック本体11には、後で詳述する通路41~48及び合流チャンバ31が形成されおり、ブロック本体11内を作動液が流れる。
【0018】
第1入口ポート21は、2つのポンプ8L,8Rのうちの一方のポンプ8Rに接続され、第2入口ポート22は、他方のポンプ8Lに接続されている。本実施形態において、2つの入口ポート21,22は、他のバルブブロック3a~7aに形成される通路(図示せず)を介して各ポンプ8L,8Rに接続されている。2つのタンクポート23,24は、タンク10に接続されている。本実施形態において、2つのタンクポート23,24もまた他のバルブブロック3a~7aに形成される通路を介してタンク10に接続されている。第1及び第2給排ポート25,26は、アクチュエータ9のポート9a,9bに接続されている。アクチュエータ9は、例えば液圧シリンダ9であって、給排ポート25,26の各々は、ヘッド側ポート9a及びロッド側ポート9bに夫々接続されている。但し、アクチュエータ9は、液圧モータであってもよい。なお、給排ポート25,26の各々は、ロッド側ポート9b及びヘッド側ポート9aに夫々接続されてもよい。
【0019】
ブロック本体11では、第1及び第2入口ポート21,22からブロック本体11に作動液が導入される。第1及び第2給排ポート25,26は、液圧シリンダ9に対して作動液を給排する。即ち、導入された作動液は、ブロック本体11内を流れて給排ポート25,26の一方を介して液圧シリンダ9に供給される。また、液圧シリンダ9では、給排ポート25,26の他方から作動液が排出される。排出される作動液は、ブロック本体11内を流れ、タンクポート23,24を介してタンク10に排出される。
【0020】
<チェック弁>
第1及び第2チェック弁12,13は、第1及び第2入口ポート21,22に夫々繋がっている。また、第1及び第2チェック弁12,13は、後で詳述する合流チャンバ31に繋がっている。第1及び第2チェック弁12,13は、ブロック本体11内を流れる作動液の一方向の流れを許容し且つ逆方向の流れを阻止する。より詳細に説明すると、第1チェック弁12は、第1入口ポート21から合流チャンバ31への一方向の流れを許容し、逆方向の流れを阻止する。他方、第2チェック弁13は、第2入口ポート22から合流チャンバ31への一方向の流れを許容し、逆方向の流れを阻止する。これにより、各入口ポート22から流れ込む作動液が合流チャンバ31にて合流する。
【0021】
<圧力補償弁>
圧力補償弁14は、合流チャンバ31に繋がっている。本実施形態において、圧力補償弁14は、合流チャンバ31に挿通されている。また、圧力補償弁14は、方向制御弁15に接続されている。圧力補償弁14は、ブロック本体11内を流れる作動液の圧力を補償する。より詳細に説明すると、圧力補償弁14は、後で詳述する方向制御弁15の前後差圧(即ち、上流圧と下流圧との差圧)が一定圧になるように開度を調整する。本実施形態において、圧力補償弁14は、方向制御弁15の上流圧と下流圧を互いに抗する方向に受ける。圧力補償弁14は、作用する上流圧と下流圧との差圧に応じて開度を調整する。
【0022】
<方向制御弁>
方向制御弁15は、圧力補償弁14の他に、タンクポート23及び2つの給排ポート25,26に繋がっている。方向制御弁15は、ブロック本体11内を流れる作動液の流れる方向を制御する。方向制御弁15は、例えば電磁式スプール弁であって、入力される制御信号に応じた方向にスプール15cが移動する。これにより、圧力補償弁14が2つの給排ポート25,26の一方に接続され、また他方がタンクポート23,24の何れかに接続される。本実施形態において、方向制御弁15は、第1給排ポート25をタンク10に繋ぐ際に第1給排ポート25と第1タンクポート23とを繋ぎ、第2給排ポート26をタンク10に繋ぐ際に第2給排ポート26と第2タンクポート24とを繋ぐ。また、方向制御弁15は、例えば電気式スプール弁である。方向制御弁15は、入力される制御信号に応じたストローク量でスプール15cを動かす。これにより、入力される制御信号に応じて方向制御弁15の開度が調整される。
【0023】
このように方向制御弁15は、入力される制御信号に応じて圧力補償弁14の接続先を給排ポート25,26の何れかに切換える。これにより、方向制御弁15は、入力される制御信号に応じた方向に作動液を液圧シリンダ9に供給することができる。そうすると、液圧シリンダ9が入力される制御信号に応じた方向に伸縮する。また、方向制御弁15は、入力される制御信号に応じて開度を調整することによって液圧シリンダ9の伸縮速度を制御する。
【0024】
<電磁リリーフ弁>
電磁リリーフ弁16は、圧力補償弁14及びタンクポート23に繋がっている。電磁リリーフ弁16は、圧力補償弁14に作用する方向制御弁15の下流圧をタンク10(本実施形態においてタンクポート23)に排出させる。より詳細に説明すると、電磁リリーフ弁16は、入力されるリリーフ信号に応じて圧力補償弁14に作用する方向制御弁15の下流圧をタンクポート23を介してタンク10に排出させる。これにより、電磁リリーフ弁16は、圧力補償弁14を強制的に閉じさせる。
【0025】
<リリーフ弁>
一対のリリーフ弁17,18は、方向制御弁15と給排ポート25,26の各々とを繋ぐ給排流路32,33に接続されている。一対のリリーフ弁17,18は、ブロック本体11内を流れる作動液をタンク10に排出する。より詳細に説明すると、第1リリーフ弁17は、方向制御弁15と第1給排ポート25とを繋ぐ第1給排流路32に接続されている。第1リリーフ弁17は、第1給排流路32の液圧が所定圧以上になると、第1給排流路32を第1タンクポート23に接続する。第2リリーフ弁18は、方向制御弁15と第2給排ポート26とを繋ぐ第2給排流路33に接続されている。第2リリーフ弁18は、第2給排流路33の液圧が所定圧以上になると、第2給排流路33を第2タンクポート24に接続する。
【0026】
<バルブブロックの液圧回路における作動液の流れ>
バルブブロック2では、方向制御弁15に制御信号が入力されると、制御信号に応じた方向にスプール15cが動かされる。これにより、圧力補償弁14が2つのポート25,26の何れかに接続される。例えば、圧力補償弁14が第1給排ポート25に接続され、また第2給排ポート26がタンクポート24に接続される。そうすると、2つの入口ポート21,22から導入される作動液が2つのチェック弁12.13を介して合流チャンバ31に流れる。合流チャンバ31の作動液は、合流チャンバ31から圧力補償弁14を介して方向制御弁15に導かれる。その後、作動液は、方向制御弁15から第1給排ポート25を介して液圧シリンダ9に供給される。これにより、液圧シリンダ9が作動する。この際、圧力補償弁14は、方向制御弁15の前後差圧を一定圧に保持する。また、方向制御弁15は制御信号に応じた開度に制御されている。それ故、液圧シリンダ9に作用する負荷にかかわらず制御信号に応じた流量の作動液が液圧シリンダ9に導かれる。これにより、制御信号に応じた速度で液圧シリンダ9を動かすことができる。
【0027】
<バルブブロックの構造>
以下では、ブロック本体11における各弁12~18の位置等、バルブブロック2の構造が説明される。ブロック本体11は、
図2に示すように第1乃至第3側面11a~11cを含んでいる。
図4に示す第1側面11aは、第1方向一方に面している。
図5に示す第2側面11bは、第2方向一方に面している。
図6に示す第3側面11cは、第2方向他方に面している。ブロック本体11は、他に主面11d及び背面11eを含んでいる。主面11dは、所定方向一方に面している。背面11eは、所定方向他方に面している。本実施形態において、ブロック本体11は、所定方向に厚みを有し且つ第2方向に長尺の直方体形状に形成されている。主面11dは、マルチコントロール弁装置1において隣接するバルブブロック3の主面(図示せず)に面している。更に、ブロック本体11では、第3側面11cの第1方向他方側の部分が切り欠かれている。これにより、ブロック本体11が軽量化されている。
【0028】
図7に示すように第1及び第2入口ポート21,22は、主面11dに形成されている。より詳細に説明すると、第1及び第2入口ポート21,22は、主面11dにおいて第2方向中間部分に形成され、且つ第1方向に互いに間隔をあけて配置されている。本実施形態において、第1及び第2入口ポート21,22は、主面11dにおいて第1方向他方側に寄せるように配置されている。隣接するバルブブロック3には、2つの入口ポート21,22の各々に対応させて配置されている2つの供給ポート(図示せず)が形成されている。それ故、バルブブロック2とバルブブロック3とを互いに隣接するように所定方向に並べることによって、2つの入口ポート21,22が2つの供給ポートに繋がる。これにより、2つのポンプ8L,8Rの各々が入口ポート21,22の各々に繋がる。また、ブロック本体11では、
図8及び
図9に示すように2つの入口ポート21,22の各々から入口側通路41,42が延びている。入口側通路41,42は、入口ポート21,22からL字状に屈曲した後、第1方向一方側に延在している。
【0029】
第1及び第2タンクポート23,24は、主面11dに形成されている。より詳細に説明すると、第1及び第2タンクポート23,24は、主面11dにおいて、第1方向他方側に寄せられ且つ第2方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、第1及び第2タンクポート23,24の各々は、本実施形態において2つの入口ポート21,22を結んだ線に対して第2方向一方側及び他方側に夫々配置されている。更に、第1及び第2タンクポート23,24は、所定方向に見た平面視で方向制御弁15に重なるように配置されている。2つのタンクポート23,24もまたバルブブロック3に形成される2つのタンク連通ポート(図示せず)に夫々対応するように配置されている。それ故、バルブブロック2とバルブブロック3とを互いに隣接するように所定方向に並べることによって、2つのタンクポート23,24が2つのタンク連通ポートを介してタンク10に繋がる。
【0030】
第1給排ポート25は、
図5に示すように第2側面11bに形成されている。より詳細に説明すると、第1給排ポート25は、第2側面11bにおいて第1方向一方側に形成されている。第2給排ポート26は、第1側面11aに形成されている。より詳細に説明すると、第2給排ポート26は、第1側面11aにおいて第2方向他方側に形成されている。2つの給排ポート25,26は、図示しない配管を介して液圧シリンダ9のヘッド側ポート9a及びロッド側ポート9bに夫々接続される。
【0031】
合流チャンバ31は、
図8及び
図9に示すようにブロック本体11において第1側面11a側に位置している。合流チャンバ31は、本実施形態において扁平状であって第1側面11aに平行に配置されている。合流チャンバ31は、
図10に示すように第1方向他方から見て断面L字状に形成されている。より詳細に説明すると、合流チャンバ31は、所定方向他方と第2方向一方に延在するL字状に形成されている。また、合流チャンバ31は、正面視で入口ポート21,22の手前側(即ち、第1方向一方側)に位置している。即ち、合流チャンバ31は、正面視で所定方向他方側であって第2方向一方側の部分が切り欠かれている。合流チャンバ31の両端部分31a,31b及び屈曲部分31cには、入口側通路41,42と制御弁通路43が接続されている。本実施形態において、合流チャンバ31の屈曲部分31c及び所定方向他方側の端部分31aの各々に入口側通路41,42が繋がり、第2方向一方側の端部分31bに制御弁通路43が繋がっている。なお、制御弁通路43は、方向制御弁15に繋がる通路であって、合流チャンバ31から第1方向他方に延在している。
【0032】
図4に示すように2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14は、互いに並列するよう第1側面11aから挿入されている。より詳細に説明すると、第1チェック弁12は、圧力補償弁14に第2方向に隣り合うように配置されている。第2チェック弁13は、第1チェック弁12に所定方向に隣り合うように配置されている。従って、2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14は、合流チャンバ31と同じくL字状に配置されている。なお、第1チェック弁12は、本実施形態において圧力補償弁14の第2方向他方側に配置されている。第2チェック弁13は、本実施形態において第1チェック弁12の所定方向他方側に配置されている。
【0033】
また、2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14は、第1側面11aから第1方向他方に延在している。更に2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14は、合流チャンバ31に対して以下のように配置されている。即ち、2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14は、
図10に示すように合流チャンバ31の両端部分31a,31b及び屈曲部分31cに夫々配置されている。より詳細に説明すると、第1チェック弁12は、合流チャンバ31の屈曲部分31cに挿通され、第2チェック弁13は、合流チャンバ31の所定方向他方側の端部分31aに挿通されている。圧力補償弁14は、合流チャンバ31の第2方向一方側の端部分31bに挿通されている。以下、2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14の構成が詳述される。
【0034】
2つのチェック弁12,13は、
図11に示すように弁体12a,13aを夫々有している。弁体12a,13aは、2つのチェック弁12,13において第1側面11aから第1方向他方側に離れた先端側に位置している。より詳細に説明すると、弁体12a、13aは、合流チャンバ31において、入口側通路41,42の開口に対応させて配置されている。弁体12a,13aは、ばね12b,13bによって付勢されて入口側通路41,42の開口を閉じている。また、弁体12a,13aは、先端に対応する入口側通路41,42の液圧及び合流チャンバ31の液圧を互いに抗する方向に受けている。これにより、2つのチェック弁12,13は、合流チャンバ31への一方向の流れを許容し、逆方向の流れを阻止している。
【0035】
圧力補償弁14は、
図12に示すように弁体14aと、ケーシング14bとを有している。弁体14aは、第1側面11aから挿入され、第1方向他方に延在している。弁体14aの先端部分は、合流チャンバ31を突き抜けて制御弁通路43に挿通されている。これにより、弁体14aは、先端部分で制御弁通路43を閉じると共に先端部分に方向制御弁15の上流圧を受けている。弁体14aの基端側部分は、第1側面11aから突き出ている。ケーシング14bは、弁体14aの基端側部分を囲うように第1側面11aに取り付けられている。ケーシング14bには、ばね14cが収容されていうる。また、ケーシング14bには、後で詳述する下流圧導入通路48と図示しない弁体14a内にある内通路を介して方向制御弁15の下流圧が導かれている。それ故、弁体14aには、ばね14cの付勢力及び下流圧が方向制御弁15の上流圧に抗する方向に作用する。それ故、弁体14aが上流圧と下流圧とばね14cの付勢力とが釣り合う位置に移動する。そうすると、圧力補償弁14の開度が方向制御弁15の前後差圧に応じた開度に調整されるので、方向制御弁15の前後差圧がばね14cの付勢力に応じた一定圧に調整される。
【0036】
方向制御弁15は、
図8及び
図9に示すようにブロック本体11の第2側面11bから挿入されている。より詳細に説明すると、方向制御弁15は、第2側面11bから第3側面11cまでブロック本体11を第2方向に貫通している。本実施形態において、ブロック本体11において、スプール15cが第2側面11bから第3側面11cまで第2方向に貫通している。方向制御弁15において、スプール15cが平面視で2つのタンクポート23,24に重なるように配置されている。また、方向制御弁15は、第2側面11bから第2方向一方に突き出ている。更に、方向制御弁15は、第3側面11cから第2方向他方に突き出ている。方向制御弁15は、第2側面11b及び第3側面11cから突き出る部分に電磁比例制御弁15a,15bを有している。電磁比例制御弁15a,15bの各々は、入力される制御信号に応じたパイロット圧を出力する。これにより、スプール15cが第2方向一方及び他方に移動する。
【0037】
また、方向制御弁15には、制御弁通路43、2つの給排通路44,45、2つのタンク通路46,47、及び下流圧導入通路48が接続されている。制御弁通路43は、方向制御弁15の第2方向中間部分に繋がっている。より詳細に説明すると、制御弁通路43は、連通部分43aと延伸部分43bとを有している。連通部分43aは、ブロック本体11において圧力補償弁14と方向制御弁15と繋いでいる。延伸部分43bは、ブロック本体11において方向制御弁15から更に第1方向他方側に延伸している。延伸部分43bは、平面視で逆U字状に形成されている。即ち、延伸部分43bは、方向制御弁15に向かって折り返している。そして、延伸部分43bは、連通部分43aより第2方向他方側において方向制御弁15と繋がっている。延伸部分43bの内側には、平面視において第2入口ポート22が配置されている。
【0038】
2つの給排通路44,45は、ブロック本体11において制御弁通路43の更に第2方向外側に夫々形成されている。第1給排通路44は、方向制御弁15から第1方向一方及び他方に延在している。なお、第1給排通路44は、第1給排流路32の一部分であって、第1給排流路32においてブロック本体11に形成されている部分である。第1給排通路44は、第1方向一方側において第2側面11bに向かって屈曲しており、第1給排ポート25に繋がっている。第2給排通路45は、方向制御弁15から第1方向一方に延在しており、第2給排ポート26に繋がっている。なお、第2給排通路45は、第2給排流路33の一部分であって、第2給排流路33においてブロック本体11に形成されている部分である。
【0039】
2つのタンク通路46,47は、ブロック本体11において2つの給排通路44,45の更に第2方向外側に夫々形成されている。2つのタンク通路46,47は、方向制御弁15から主面11dに向かって(即ち、所定方向一方に)延在し、2つのタンクポート23,24の各々に繋がっている。より詳細に説明すると、2つのタンク通路46,47は、平面視でタンクポート23,24の各々に重なるように形成されている。また、第1タンク通路46は、ブロック本体11の第2側面11b側に位置しており、方向制御弁15から第1方向他方にも延在している。第2タンク通路47は、ブロック本体11の第3側面11c側に位置しており、方向制御弁15から第1方向一方にも延在している。
【0040】
図8に示す下流圧導入通路48は、方向制御弁15の第2方向中間部分に繋がっている。下流圧導入通路48は、ブロック本体11において方向制御弁15より背面11e側に形成され、第1方向に延在している。それ故、下流圧導入通路48は、ブロック本体11において、背面視で方向制御弁15、及び制御弁通路43等の他の通路と重ねて形成されている。下流圧導入通路48について更に詳細に説明すると、ブロック本体11には、方向制御弁15の第2方向中間部分であってスプール15cの周りに環状空間49が形成されている。環状空間49は、図示しないスプール15cの内通路を介して給排通路44,45に繋がっている。これにより、方向制御弁15の下流圧が環状空間49に導入されている。下流圧導入通路48は、環状空間49から背面11eに向かって立ち上がる。下流圧導入通路48は、立ち上がった先で第1方向一方及び第1方向他方に分岐している。下流圧導入通路48は、第1方向一方側において圧力補償弁14(本実施形態においてケーシング14b)に繋がっている。それ故、下流圧導入通路48は、圧力補償弁14に下流圧を供給する。なお、下流圧導入通路48の第1方向一方側部分は、合流チャンバ31の切り欠かれた部分を通っている。他方、下流圧導入通路48は、第1方向他方側において第2側面11bに近づくように傾斜している。
【0041】
また、方向制御弁15の電磁比例制御弁15a,15bの各々には、詳しくは説明しないがブロック本体11に形成される圧源通路及びドレン通路(図示せず)が繋がっている。圧源通路は、図示しないパイロットポンプ等のパイロット圧源に繋がっており、電磁比例制御弁15a,15bにパイロット圧源を供給する。ドレン通路は、電磁比例制御弁15a,15bをドレン(即ち、タンク10)に繋いでいる。
【0042】
電磁リリーフ弁16は、
図5に示すように第2側面11bに取り付けられている。より詳細に説明すると、電磁リリーフ弁16は、第2側面11bにおいて方向制御弁15より第1方向他方側に配置されている。また、電磁リリーフ弁16は、第2側面11bにおいて所定方向他方側(即ち、背面11e側)に寄せて配置されている。電磁リリーフ弁16は、
図8に示すように第2側面11bから挿入されている。電磁リリーフ弁16は、第2方向他方に延在している。電磁リリーフ弁16は、先端部において下流圧導入通路48の第1方向他方側の部分に繋がっている。電磁リリーフ弁16は、中間部分において第1タンク通路46を介してタンクポート23に繋がっている。また、電磁リリーフ弁16は、第2側面11bから第2方向一方に突き出ている部分に電磁ソレノイド16aを有している。そして、電磁リリーフ弁16は、電磁ソレノイド16aにリリーフ信号が入力されると、図示しない弁体を動かす。これにより、下流圧導入通路48と第1タンクポート23とが繋がる。それ故、下流圧をタンク圧にすることができる。
【0043】
一対のリリーフ弁17,18は、
図5及び
図6に夫々示すように第2側面11b及び第3側面11cの各々に取り付けられている。より詳細に説明すると、第1リリーフ弁17は、
図5に示すように第2側面11bにおいて方向制御弁15より第1方向他方側に配置されている。また、第1リリーフ弁17は、第2側面11bにおいて所定方向一方側(即ち、主面11d側)に寄せて配置されている。より詳細に説明すると、第1リリーフ弁17は、第2側面11bにおいて電磁リリーフ弁16に隣接するように配置されている。第1リリーフ弁17は、
図9に示すように第2側面11bに挿入されている。第1リリーフ弁17は、第2方向他方に延在している。第1リリーフ弁17は、第1給排通路44の第1方向他方側の部分に繋がっている。また、第1リリーフ弁17は、第1タンク通路46を介してタンクポート23に繋がっている。第1リリーフ弁17は、第2側面11bから第2方向一方に突き出ているケーシング17aに図示しないばねを有している。第1リリーフ弁17は、ばねによって付勢される弁体17bが第1給排通路44を閉じている。そして、第1給排通路44の液圧が所定圧以上になると弁体17bが持ち上げられる。そうすると、第1給排通路44が開かれるので、第1給排通路44と第1タンクポート23とが繋がれる。これにより、第1給排通路44の液圧が所定圧未満に保持される。
【0044】
第2リリーフ弁18は、
図6に示すように第3側面11cにおいて方向制御弁15より第1方向一方側に配置されている。より詳細に説明すると、第2リリーフ弁18は、
図9に示すように第3側面11cに挿入されている。第2リリーフ弁18は、第2方向一方に延在している。第2リリーフ弁18は、第2給排通路45に繋がっている。第2リリーフ弁18は、第2タンク通路47を介してタンクポート23に繋がっている。また、第2リリーフ弁18は、第3側面11cから第2方向一方に突き出ているケーシング18aに図示しないばねを有している。第2リリーフ弁18は、ばねによって付勢される弁体18bが第2給排通路45を閉じている。そして、第2給排通路45の液圧が所定圧以上になると弁体17bが持ち上げられる。そうすると、第1給排通路44が開かれるので、第2給排通路45と第2タンクポート24とが繋がれる。これにより、第2給排通路45の液圧が所定圧未満に保持される。
【0045】
本実施形態のバルブブロック2では、第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14が互いに並列するようにブロック本体11の第1側面11aから挿入されている。それ故、所定方向においてブロック本体11をコンパクトに形成することができる。また第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14が所定方向に隣接するバルブブロック3に干渉することが抑制される。
【0046】
また、本実施形態のバルブブロック2では、第1側面11aにおいて第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14が互いに隣り合うように配置されている。それ故、第1側面11aにおいて第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14をコンパクトに配置することができる。
【0047】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、第1入口ポート21及び第2入口ポート22が主面11dに形成されている。それ故、2つの入口ポート21,22は、隣接するバルブブロック3に面するように配置される。これにより、隣接するバルブブロック3において2つの入口ポート21,22に対応させてポートを夫々形成することによって、前記ポートと入口ポート21,22を容易に繋ぐことができる。従って、前記ポートに2つの入口ポート21,22を繋ぐ際に別途配管等が必要ないので、バルブブロック2の部品点数が低減される。
【0048】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、方向制御弁15が第1側面11aと異なる第2側面11bから挿入されている。それ故、第1側面11aを広く使用することができるので、第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14の配置の自由度を向上させることができる。更には、第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14に繋がる通路41,42,43の自由度を向上させることができる。
【0049】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、タンクポート23.24が主面11dに形成されている。それ故、隣接するバルブブロック3に形成されるタンク通路(図示せず)を介してタンクポート23,24をタンク10に繋ぐことができる。これにより、タンクポート23,24を配管によってタンク10に直接接続する必要がない。これにより、バルブブロック2の部品点数が低減される。
【0050】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、第1給排ポート25が第2側面11bに形成され、且つ第2給排ポート26が第1側面11aに形成されている。それ故、2つの給排ポート25,26の各々に接続される配管の設計の自由度を向上させることができる。
【0051】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、電磁リリーフ弁16は、方向制御弁15が突き出る第2側面11bに取り付けられている。それ故、電磁リリーフ弁16が第2側面11bから突き出る寸法を抑えることによって、バルブブロック2の第2方向長さを抑えることができる。
【0052】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、一対のリリーフ弁17,18の各々は、方向制御弁15が突き出る第2側面11b及び第3側面11cの各々に取り付けられている。それ故、一対のリリーフ弁17,18が第2側面11b及び第3側面11cの各々から突き出る寸法を抑えることによって、バルブブロック2の第2方向長さを抑えることができる。
【0053】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、第2側面11bに第1リリーフ弁17及び電磁リリーフ弁16が配置され、第3側面11cにおいて第2リリーフ弁18が第1方向一方側に位置している。それ故、第2側面11bの第1方向他方側の部分において配置される弁をなくすことができる。これにより、第2側面11bの第1方向他方側の部分を切り欠くことができるので、ブロック本体11を軽量化することができる。
【0054】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、2つのチェック弁12,13は、合流チャンバ31に繋がり、合流チャンバ31への一方向の作動液の流れを許容する。それ故、2つのチェック弁12,13の各々に流れてくる作動液は、合流チャンバ31で合流し、その後圧力補償弁14に流れる。これにより、作動液が2つのチェック弁12,13の各々から合流する際の圧力損失を合流チャンバ31によって抑制することができる。また、バルブブロック2を鋳造する際、通路の場合に比べて合流チャンバの形成が容易である。
【0055】
更に、本実施形態のバルブブロック2では、第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14は、所定方向に延在し、且つ断面L字状の合流チャンバ31の両端部分31a,31b及び屈曲部分31cに夫々配置されている。それ故、第1チェック弁12、第2チェック弁13、及び圧力補償弁14がコンパクトに配置され、且つ合流チャンバ31がコンパクトに形成される。
【0056】
本実施形態のマルチコントロール弁装置1は、前述するような機能を有するマルチコントロール弁装置1を実現することができる。
【0057】
<その他の実施形態>
バルブブロック2は、2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14を含む6つの弁12~18の全てを必ずしも含んでいる必要はない。即ち、バルブブロック2は、少なくとも2つのチェック弁12,13及び圧力補償弁14を含んでいればよい。また、バルブブロック2では、電磁リリーフ弁16及び一対のリリーフ弁17,18の配置も前述するものに限定されない。更に、バルブブロック2では、合流チャンバ31を必ずしも備えている必要はない。即ち、2つのチェック弁12,13は、流路によって繋がっていてもよい。その他、バルブブロック2において、各ポート21~26の配置位置もまた前述する位置に限定されるものではない。また、バルブブロック2において、他のバルブブロックを所定方向他方側に配置すべく、他のバルブブロックの各ポートに繋がる種々のポート54~56が背面11eに形成されてもよい(
図13参照)。
【符号の説明】
【0058】
1 マルチコントロール弁装置
2 バルブブロック
3~7 バルブブロック
11 ブロック本体
11a 第1側面
11b 第2側面
11c 第3側面
11d 主面
12 第1チェック弁
13 第2チェック弁
14 圧力補償弁
15 方向制御弁
16 電磁リリーフ弁
17 第1リリーフ弁
18 第2リリーフ弁
21 第1入口ポート
22 第2入口ポート
23 第1タンクポート
24 第2タンクポート
25 第1給排ポート
26 第2給排ポート
31 合流チャンバ
31a 端部分
31b 端部分
31c 屈曲部分