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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135292
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20230921BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20230921BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20230921BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20230921BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20230921BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230921BHJP
【FI】
F21S43/20
F21V5/04 400
F21V5/04 650
F21S43/15
F21W103:00
F21W103:20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040428
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 忠信
(72)【発明者】
【氏名】星野 真也
(57)【要約】
【課題】配光の調整自由度を向上させることが可能な車両用灯具を提供する。
【解決手段】ランプ装置1は、発光素子2と、発光素子2からの光の一部を集光するフレネルレンズ6aと、フレネルレンズ6aの下方に配置され、発光素子2からの光の一部をフレネルレンズ6aからの光の下方に照射し、路面に投影する投影レンズ6bとを有するレンズユニット6を備えている。レンズユニット6は、フレネルレンズ6aと投影レンズ6bとを接続する中立面6cを有し、中立面6cは、フレネルレンズ6a及び投影レンズ6bのレンズ面と垂直な平板形状を有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸が水平方向に略平行な光源と、
前記光源からの光の一部を集光する第1レンズ部と、前記第1レンズ部の下方に配置され、前記光源からの光の一部を前記第1レンズ部からの光に対して下方に照射することで路面を照射する第2レンズ部とを有するレンズユニットと、を備え、
前記レンズユニットは、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部との間に位置し、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを接続する中立部を有し、
前記中立部は、水平方向に延在する平板形状を有していることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第2レンズ部は凸レンズである、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1レンズ部の焦点位置に前記光源を配置する、請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第1レンズ部はフレネルレンズである、請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第2レンズ部の焦点位置が前記光源の下方となるように前記第2レンズ部を配置するとともに、前記第2レンズ部の光軸が水平方向と平行となるように構成されている、請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記第2レンズ部の焦点位置に前記光源を配置するとともに、前記第2レンズ部の光軸が水平方向よりも下方に傾くように構成されている、請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記光源が設けられた平面から前記第2レンズ部までの最短距離が、前記平面から前記第1レンズ部までの最短距離よりも短くなるように、前記光源、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部が配置されている、請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記光源は、直線状に並べて配置された複数のランプを有し、
前記第1レンズ部は、複数のフレネルカット部が設けられたフレネルレンズとなっている、請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪車、二輪車等に用いられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二輪車用の車両用灯具として、光源装置からの光を内部レンズによって正面側と路面側の2方向に分離して照射可能なものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1の車両用灯具ユニットは、光源とレンズとを備えている。レンズの第1入射部には光源からの光の一部が入射し、第2入射部には光源から出射する光の残りの一部が入射する。
【0004】
レンズの第1出射部は、光源から出射して入射部に入射する光の一部を、鉛直方向と非平行な方向に出射する部位である。第1入射部は、光源の光軸と交わるとともに、光源側と反対側に凹状に湾曲した形状を有している。
【0005】
また、レンズの第2出射部は、内部反射した光の少なくとも一部を路面に向けて出射する部位である。第2入射部は、レンズを光軸に沿って光源側から見たとき、第1入射部の周囲に位置している。これにより、2方向の照射機能を備える装置を実現している(特許文献1/段落0028、0040、0041、図6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-034309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のレンズは、第1出射部と第2出射部が連続した一体形状となっているため、製造時の精度要求が高く、配光の位置や大きさの調整が難しいという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、配光の調整自由度を向上させることが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の車両用灯具は、光軸が水平方向に略平行な光源と、 前記光源からの光の一部を集光する第1レンズ部と、前記第1レンズ部の下方に配置され、前記光源からの光の一部を前記第1レンズ部からの光に対して下方に照射することで路面を照射する第2レンズ部とを有するレンズユニットと、を備え、
前記レンズユニットは、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部との間に位置し、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを接続する中立部を有し、
前記中立部は、水平方向に延在する平板形状を有していることを特徴とする。
【0010】
本発明の車両用灯具は、光源とレンズユニットとを備えている。光源から出射された光の一部は、レンズユニットの第1レンズ部を通過する。この光は、出射方向の中心が水平方向よりやや下向きとなるが、後続車等に向けて光を照射する第1の信号灯として利用することができる。また、第1レンズ部の下方に配置された第2レンズ部は、光源からの光の一部を第1レンズ部からの光に対して下方に照射するため、その光は、路面を照射する第2の信号灯として利用することができる。
【0011】
中立部は、第1レンズ部と第2レンズ部とを接続し、水平方向に延在する平板である。このような構造とすることにより、第1レンズ部と第2レンズ部とは中立部で独立した光学系となり、機能が分割される。そのため、製造時に中立部の大きさ(長さ)を変更するだけで、第1レンズ部と第2レンズ部のそれぞれの位置を変更して、所望の位置に所望の大きさの配光を生成することができる。従って、本発明の車両用灯具は、配光の調整自由度が高い車両用灯具とすることができる。
【0012】
本発明の車両用灯具において、前記第2レンズ部は凸レンズであることが好ましい。
【0013】
第2レンズ部を凸レンズとすることで、光源からの光による像を拡大投影し、路面に大きな投影像を生成することができる。
【0014】
また、本発明の車両用灯具において、前記第1レンズ部の焦点位置に前記光源を配置することが好ましい。
【0015】
光源を第1レンズ部の焦点位置に配置すると、第1レンズ部の光軸と平行な方向に光を出射させることができる。また、光源が第2レンズ部の焦点位置からずれた位置にある場合、第2レンズ部を通過した光は、第1レンズ部からの光とはずれた方向に進むため、その方向に配光を生成することができる。
【0016】
また、本発明の車両用灯具において、前記第1レンズ部はフレネルレンズであることが好ましい。
【0017】
第1レンズ部をフレネルレンズとすることで、光源からの光の一部は第1レンズ部を通過して平行光に変換されるため、出射方向を遠方まで照射することができる。
【0018】
また、本発明の車両用灯具において、前記第2レンズ部の焦点位置が前記光源の下方となるように前記第2レンズ部を配置するとともに、前記第2レンズ部の光軸が水平方向と平行となるように構成されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、光源からの光は、斜め上方から第2レンズ部に入射する。また、第2レンズ部の光軸は水平方向と平行となるようにするため、第2レンズ部に入射した光を水平方向より下方に出射させることができる。
【0020】
また、本発明の車両用灯具において、前記第2レンズ部の焦点位置に前記光源を配置するとともに、前記第2レンズ部の光軸が水平方向よりも下方に傾くように構成されていることが好ましい。
【0021】
第2レンズ部の焦点位置に光源を配置した場合は、第2レンズ部の光軸が水平方向よりも下方に傾くようにする。これにより、第2レンズ部に入射した光を水平方向より下方に出射させることができる。
【0022】
また、本発明の車両用灯具において、前記光源が設けられた平面から前記第2レンズ部までの最短距離が、前記平面から前記第1レンズ部までの最短距離よりも短くなるように、前記光源、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部が配置されていることが好ましい。
【0023】
光源が設けられた平面から第2レンズ部までの最短距離が、当該平面から第1レンズ部までの最短距離よりも短くなるように配置することで、光源から第2レンズ部に入射する光量を増加させることができる。これにより、第2の信号灯の照射効率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の車両用灯具において、前記光源は、直線状に並べて配置された複数のランプを有し、前記第1レンズ部は、複数のフレネルカット部が設けられたフレネルレンズとなっていることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、光源は複数のランプから構成され、第1レンズ部は複数のフレネルカット部が設けられたフレネルレンズである。各フレネルカット部には、前記複数のランプからの光が相互に入射するため、均一で照度の高い発光態様とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係るランプ装置の正面図である。
図2図1のランプ装置の垂直方向(A-A線)の断面図である。
図3図2の領域Rの拡大図である。
図4図1のランプ装置の水平方向(B-B線)の断面図である。
図5図4の領域Sの拡大図である。
図6図1のランプ装置の水平方向(C-C線)の断面図である。
図7図6の領域Tの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下においては、本発明の好適な実施形態について説明するが、これらを適宜改変し、組合せてもよい。なお、以下の説明及び添付図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付して説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施形態に係るランプ装置1の正面図であり、図2図1のランプ装置1の垂直方向(A-A線)の断面図である。また、図4図1のランプ装置1の水平方向(B-B線)の断面図であり、図6図1のランプ装置1の水平方向(C-C線)の断面図である。
【0029】
図1に示されるランプ装置1は、主に二輪車、三輪車等の鞍乗り型車両の後方に配置されるテールライト、ウインカーランプとして利用される。以下では、ランプ装置1がバイクに搭載された、複数の発光部を有するテールライトである場合を例に説明する。
【0030】
図2の断面図(A-A線断面)に示すように、ランプ装置1は、ハウジング11の内部に発光素子2,4、回路基板3,5、レンズユニット6、インナーレンズ7a,7b等を備えている。ハウジング11の前面側は、アウターレンズ10で覆われている。なお、レンズユニット6の周辺は、部分的にエクステンション8により覆われている。
【0031】
回路基板3には、少なくとも1つの発光素子2が実装されている。回路基板3は、ハウジング11内で位置決めされ、固定されている。発光素子2の光軸は、水平方向とほぼ平行となるようにする。詳細は後述するが、本実施形態の回路基板3には、複数の赤色LEDで構成される発光素子2(本発明の「光源」)が設けられている。
【0032】
レンズユニット6は、図中の領域Rの部分にフレネルレンズ6aと投影レンズ(凸レンズ)6bとを有している。フレネルレンズ6aと投影レンズ6bとの間は、両者を接続する中立面6c(本発明の「中立部」)となっている。また、レンズユニット6の下方部分にフレネルレンズ6eが設けられている。レンズユニット6は、ハウジング11内のブラケット等(不図示)により固定されている。
【0033】
図3は、図2の領域Rの拡大図である。フレネルレンズ6a(本発明の「第1レンズ部」)は、発光素子2から出射される放射状の光を集光するレンズである。また、中立面6cを介してフレネルレンズ6aの下方の位置に、投影レンズ6b(本発明の「第2レンズ部」)が設けられている。投影レンズ6bは、発光素子2からの光による像を、フレネルレンズ6aからの光の下方に拡大投影する非球面レンズである。
【0034】
中立面6cは、フレネルレンズ6aと投影レンズ6bとを接続しており、水平方向(フレネルレンズ6aと投影レンズ6bの配置方向(Z軸方向)に垂直な横方向)に延在する平板形状を有している。このような構造とすることにより、フレネルレンズ6aと投影レンズ6bは発光素子2に対して独立した光学系となり、機能が分割される。
【0035】
図3に示すように、フレネルレンズ6aと投影レンズ6bの各々は、光の入射面が発光素子2に対向する平面形状を有している。レンズユニット6は、曲面状の2種類のレンズを連続して設けているレンズユニットと比較して、精度要求が低い。そのため、設計が容易で、製造コストを抑えることができる。
【0036】
レンズユニット6の製造設計時において、中立面6cの大きさ(長さ)を変更することにより、発光素子2(発光素子2が設けられた平面)からフレネルレンズ6aまでの焦点距離L1を変更可能である。また、中立面6cと、投影レンズ6bの下方の調整面6dの大きさ(長さ)を変更することにより、発光素子2(発光素子2が設けられた平面)から投影レンズ6bまでの焦点距離L2を変更可能である。このようにして、フレネルレンズ6a(前方照射方向)と、投影レンズ6b(路面照射方向)の各焦点距離の設定が個別に可能となる。
【0037】
フレネルレンズ6aを通過した光は、さらにインナーレンズ7a(図1参照)により拡大され、バイクの後方正面を照射する。フレネルレンズ6aを通過して外部に出射された光は、テール・ストップ用の第1の信号灯(図中の「Light1」)として利用される。
【0038】
本実施形態では、発光素子2をフレネルレンズ6aの焦点位置f1に配設している。これにより、フレネルレンズ6aの光軸(Y軸方向)と平行な方向に平行光を出射させることができる。なお、フレネルレンズ6aは上述の構成を基本とするが、信号灯として必要とする配光や他の光学部材との関係により、照射する光の光軸の調整や、光の集光度合の調整が適宜行われる。
【0039】
投影レンズ6bは、光軸が水平方向と平行になるように配置されている。投影レンズ6bを通過した光は、インナーレンズ7aとインナーレンズ7bの間の領域を通過して、バイクの後方の路面を照射する。投影レンズ6bを通過した光は、路面照射用の第2の信号灯(図中の「Light2」)として利用される。
【0040】
図3に示すように、投影レンズ6bの焦点位置f2は、焦点位置f1の下方に存在する。仮に焦点f2に発光素子2を配設すると、投影レンズ6bの光軸(Y軸方向)と平行な方向に光が出射されてしまうため、焦点位置f1の発光素子2からの光を入射させている。このように、投影レンズ6bの焦点f2の位置が発光素子2の下方となるように投影レンズ6bを配置するとともに、投影レンズ6b部の光軸が水平方向と平行となるように構成されていることによって、発光素子2からの光の一部で車体後方の路面を照射させることができる。
【0041】
投影レンズ6bの変形例としては、焦点f1に発光素子2を配設し、投影レンズ6bの焦点が焦点f1と一致するようにする。そして、投影レンズ6bの中心軸を下方に傾けて、光軸が水平方向よりも下方に傾くように調整してもよい。このようにしても、発光素子2からの光の一部で車体後方の路面を照射させることができる。
【0042】
図2図3の例では、発光素子2は中立面6cとほぼ同じ高さにあるが、レンズユニット6の製造設計時において、調整面6dの大きさや起立角度を変更すれば、発光素子2に対する中立面6cの垂直方向(Z軸方向)の位置を変更可能である。
【0043】
図2図3の例では、製造上の理由により発光素子2の光軸に対して中立面6cが僅かに傾斜しているが、発光素子2の光軸に平行に中立面6cが構成されていてもよい。なお、図2図3に示すように、中立面6cを発光素子2とほぼ同じ高さに配置することで、フレネルレンズ6aと投影レンズ6bの各々に対し、ほぼ同じ量の光が取り込まれる。さらに、発光素子2に対して中立面6cの位置を上下方向に移動させることで、フレネルレンズ6aと投影レンズ6bの各々に分配する光量を変化させることができる。
【0044】
例えば、発光素子2に対して中立面6cを下方向にずらし、フレネルレンズ6aに入射する光を増加させれば、投影レンズ6bに入射する光は減少することになる。また、上述の距離L1,L2を変更することも、入射する光の光量に影響する。そのため、中立面6cの垂直方向、水平方向の位置を数ミリ単位でずらして照度試験を行うとよい。
【0045】
ハウジング11の下方(車体側)には、発光素子4が実装された回路基板5が配設されている(図2参照)。発光素子4から出射され、フレネルレンズ6eを通過して出射された光は、さらにインナーレンズ7b(図1参照)により拡散され、バイクの後方正面を照射する。そのため、テール・ストップ用の第1の信号灯として用いられる。
【0046】
次に、図4を参照して、ランプ装置1のB-B線断面について説明する。
【0047】
回路基板3には、複数の発光素子2が水平方向(X軸方向)に並べて配置されている。図4においては、レンズユニット6のフレネルレンズ6aの部分のみが見えている。
【0048】
図5は、図4の領域Sの拡大図である。領域S内の発光素子2は、複数の赤色のLED2a~2e(本発明の「ランプ」)で構成されている。LED2a~2eは水平方向(X軸方向)に等間隔で配置されている。
【0049】
フレネルレンズ6aは、LED2a~2eの正面側にそれぞれフレネルレンズカット部6a1~6a5が設けられている。発光素子2が設けられた回路基板3の端面から、フレネルレンズ6aの平坦な端面(入射面)までの距離L1は、フレネルレンズ6aの焦点距離とほぼ等しい。
【0050】
例えば、LED2bから出射された光は、主にフレネルレンズカット部6a2に入射するが、フレネルレンズカット部6a2の両脇のフレネルレンズカット部6a1,6a3にも入射する。フレネルレンズカット部6a1~6a3では、入射した光がそれぞれ平行光に変換され、拡散される。
【0051】
このように、各LED2a~2eからの光が、正面側のフレネルカット部及び隣接するフレネルカット部に相互に入射するため、水平方向に亘って第1の信号灯を均一で照度の高い、直線状の発光部とすることができる。
【0052】
次に、図6を参照して、ランプ装置1のC-C線断面について説明する。図6においては、レンズユニット6の投影レンズ6bの部分のみが見えている。図6及び後述する図7には発光素子2が表示されているが、実際は現れず、説明の便宜上示したものである。
【0053】
図7は、図6の領域Tの拡大図である。領域T内の発光素子2はLED2a~2eで構成され、投影レンズ6bはLED2a~2eの正面側にそれぞれ凸部6b1~6b5が設けられている。発光素子2が設けられた回路基板3の端面から、投影レンズ6bの平坦な端面(入射面)までの距離がL2であるが、距離L1と比較すると短い。
【0054】
このように、発光素子2が設けられた平面から投影レンズ6bまでの最短距離が、当該平面からフレネルレンズ6aまでの最短距離よりも短くなるように各部材を配置する。これにより、発光素子2から投影レンズ6bに入射する光の光量(取り込み量)を増加させることができる。従って、第2の信号灯の照射効率を向上させることができ、路面照射についても照度の高い発光部とすることができる。
【0055】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。本実施形態のランプ装置1は、ターンランプ等の他の信号灯用の車両用灯具としても利用可能である。また、ランプ装置1は、四輪車用の車両用灯具にも適用可能である。
【0056】
本実施形態のフレネルレンズ6a,6eの代わりに、魚眼フレネルレンズを用いてもよい。魚眼フレネルレンズを通過した光はX軸方向及びZ軸方向の何れにも制御可能であるため、インナーレンズ7a,7bは省略することもできる。
【符号の説明】
【0057】
1…ランプ装置、2,4…発光素子、2a~2e…LED、3,5…回路基板、6…レンズユニット、6a,6e…フレネルレンズ、6a1~6a5…フレネルレンズカット部、6b…投影レンズ、6b1~6b5…凸部、6c…中立面、6d…調整面、7a,7b…インナーレンズ、8…エクステンション、10…アウターレンズ、11…ハウジング。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7