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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135312
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/10 20060101AFI20230921BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20230921BHJP
【FI】
B60W30/10
B60W60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040458
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】黒田 聡
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA15
3D241BA41
3D241CE03
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA52Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB09Z
3D241DB12Z
3D241DC37Z
(57)【要約】
【課題】周回路を走行する自動運転車両の走行経路を効率的に生成すること。
【解決手段】制御装置10は、走行経路指示に基づき、全体経路を生成する全体経路生成部102と、全体経路に基づき、実際に車両が走行する目標経路をリアルタイムに生成する目標経路生成部103と、目標経路に基づき、車両の経路追従制御を行う追従制御部104と、を備え、全体経路生成部102は、全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、全体経路が予め定められた対象経路であるか否かを判定し、該対象経路である場合に限り、再度、同一の走行経路指示に基づき、全体経路を生成する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路指示に基づき、全体経路を生成する全体経路生成部と、
前記全体経路に基づき、実際に車両が走行する目標経路をリアルタイムに生成する目標経路生成部と、
前記目標経路に基づき、前記車両の経路追従制御を行う追従制御部と、を備え、
前記全体経路生成部は、
前記全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、前記全体経路が予め定められた対象経路であるか否かを判定し、該対象経路である場合に限り、再度、同一の前記走行経路指示に基づき、前記全体経路を生成する、制御装置。
【請求項2】
前記全体経路生成部は、
前記全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、前記車両がリアルタイムに走行している区間が、前記全体経路に含まれる区間であって予め定められた対象区間であるか否かを判定し、該対象区間である場合に限り、再度、同一の前記走行経路指示に基づき、前記全体経路を生成する、請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記車両が走行する各区間について、それぞれ区間を一意に特定する区間IDが設定されており、
前記全体経路生成部は、
前記車両がリアルタイムに走行している区間の区間IDと、前記対象区間の区間IDとが一致する場合に限り、再度、同一の前記走行経路指示に基づき、前記全体経路を生成する、請求項2記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、車両の自動運転に係る制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
出発地から目的地までの車両の走行経路を生成する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。生成した走行経路を自動運転制御に用いる場合には、例えば、走行経路指示に基づき全体経路(走行経路)を生成し、全体経路に基づきリアルタイムに目標経路を生成し、目標経路に基づき経路追従制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-38943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば自動運転車両が周回路を走行して耐久試験を行うような場合には、同一の経路を繰り返し走行することとなるが、無限長の自動運転ルートを設定することは、メモリの圧迫、システム内の通信の観点から難しい。このため、周回路を走行するような場合であっても、有限長の自動運転ルートを設定せざるを得ず、周回路を走行する場合の走行経路生成を効率的に実施することができていない。
【0005】
本発明の一態様は上記実情に鑑みてなされたものであり、周回路を走行する自動運転車両の走行経路を効率的に生成することができる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御装置は、走行経路指示に基づき、全体経路を生成する全体経路生成部と、全体経路に基づき、実際に車両が走行する目標経路をリアルタイムに生成する目標経路生成部と、目標経路に基づき、車両の経路追従制御を行う追従制御部と、を備え、全体経路生成部は、全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、全体経路が予め定められた対象経路であるか否かを判定し、該対象経路である場合に限り、再度、同一の走行経路指示に基づき、全体経路を生成する。
【0007】
本発明の一態様に係る経路生成装置では、走行経路指示に基づく全体経路生成後において、該全体経路が所定の対象経路である場合、同一の走行経路指示に基づき再度同一の全体経路が生成される。このような構成によれば、対象経路を予め設定しておくことにより、生成済みの全体経路が対象経路である場合に、同一の走行経路指示を再読み込みして、同一の全体経路を容易に生成することができる。これにより、周回路を走行する場合のように同一の経路を繰り返し走行する場合において、生成する経路長を最低限に抑えてメモリの圧迫等を抑えながら、走行経路生成を効率的に行うことができる。
【0008】
全体経路生成部は、全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、車両がリアルタイムに走行している区間が、全体経路に含まれる区間であって予め定められた対象区間であるか否かを判定し、該対象区間である場合に限り、再度、同一の走行経路指示に基づき、全体経路を生成してもよい。このように、車両が走行する区間が対象区間である場合に限り走行経路指示の再読み込みが実施されることにより、例えば耐久試験の評価を行う区間以外の区間(対象区間)でのみ全体経路の再生成が行われる構成とすることができる。これにより、全体経路の再生成が、耐久試験の評価等に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0009】
車両が走行する各区間について、それぞれ区間を一意に特定する区間IDが設定されており、全体経路生成部は、車両がリアルタイムに走行している区間の区間IDと、対象区間の区間IDとが一致する場合に限り、再度、同一の走行経路指示に基づき、全体経路を生成してもよい。このように、区間にIDが設定されて、該IDの一致が判定されることにより、GPS等を用いずとも、走行している区間が対象区間であるか否かを判定することが可能になる。これにより、経路生成装置の汎用性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、周回路を走行する自動運転車両の走行経路を効率的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】自動運転車両の耐久試験を行う周回路を模式的に示す図である。
図2】本実施形態に係る自動運転システムが実施する処理を説明する図である。
図3】本実施形態に係る自動運転システムの構成例を示すブロック図である。
図4図3に示された制御装置により実行される制御手順を示すフローチャートである。
図5】制御装置により実行される周回路走行時の全体経路生成手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、自動運転車両の耐久試験を行う周回路500を示す図である。本実施形態では、自動運転車両が、図1に示されるような周回路500を繰り返し走行し、該自動運転車両の耐久試験を行う場合を例に、自動運転車両の効率的な走行経路生成について説明する。周回路500の詳細については後述する。
【0014】
図2は、本実施形態に係る自動運転システムが実施する処理の概要を説明する図である。図2に示されるように、本実施形態に係る自動運転システムは、走行経路指示に基づき全体経路(車両が走行する全体の経路)を生成し、該全体経路に基づき実際に車両が走行する目標経路をリアルタイムに生成し、目標経路に基づき車両の経路追従制御(自動運転制御)を行う。そして、本実施形態に係る自動運転システムでは、車両が所定の周回路を走行していると判断できる場合においては、上述した走行経路指示(既に生成している全体経路生成に係る走行経路指示)を再読み込みして、再度同一の全体経路を生成する。すなわち、本実施形態に係る自動運転システムでは、車両が周回路を走行しており、全体経路に変更がないと判断できる場合においては、走行経路指示の再読み込みによって、迅速且つ容易に全体経路を生成する(詳細は後述)。
【0015】
図3は、自動運転システム1の構成例を示すブロック図である。自動運転システム1は、車両に搭載されており、車両の自動運転を制御する。自動運転システム1は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信器20と、地図データベース30と、周辺状況センサ40と、車両状態センサ50と、通信装置60と、走行装置70と、制御装置10と、を備えている。
【0016】
GPS受信器20は、複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信信号に基づいて車両の位置及び方位を算出する。GPS受信器20は、算出した情報を制御装置10に送信する。
【0017】
地図データベース30は、道路における各レーンの境界位置を示す情報等を予め記憶しているデータベースである。地図データベース30は、例えば所定の記憶装置に格納されている。
【0018】
周辺状況センサ40は、車両の周囲の状況を検出する。周辺状況センサ40としては、例えば、ライダー、レーダー、カメラ等が用いられる。ライダーは、光を利用して車両の周囲の物標を検出する。レーダーは、電波を利用して車両の周囲の物標を検出する。カメラは、車両の周囲の状況を撮像する。周辺状況センサ40は、検出した情報を制御装置10に送信する。
【0019】
車両状態センサ50は、車両の走行状態を検出する。車両状態センサ50としては、例えば、車速センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ、横加速度センサなどが例示される。車速センサは、車両の速度を検出する。舵角センサは、車両の操舵角を検出する。ヨーレートセンサは、車両のヨーレートを検出する。横加速度センサは、車両に作用する横加速度を検出する。車両状態センサ50は、検出した情報を制御装置10に送信する。
【0020】
通信装置60は、例えばV2X通信(車車間通信および路車間通信)を行う。具体的には、通信装置60は、他の車両との間でV2V通信(車車間通信)を行う。また、通信装置60は、周囲のインフラとの間でV2I通信(路車間通信)を行う。V2X通信を通して、通信装置60は、車両の周囲の環境に関する情報を取得することができる。通信装置60は、取得した情報を制御装置10に送信する。なお、通信装置60は、例えばV2X通信によって、外部より走行経路指示を受信してもよい。走行経路指示には、全体経路(車両が走行する全体の経路)が生成可能となる情報が含まれている。
【0021】
走行装置70は、操舵装置、駆動装置、制動装置、トランスミッション等を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジンや電動機が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
【0022】
制御装置10は、車両の自動運転を制御する自動運転制御を行う。制御装置10は、プロセッサ、記憶装置、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。制御装置10は、入出力インタフェースを通して各種情報を受け取る。そして、制御装置10は、受け取った情報に基づいて自動運転制御を行う。
【0023】
制御装置10は、機能ブロックとして、取得部101と、全体経路生成部102と、目標経路生成部103と、追従制御部104と、を備えている。これらの機能ブロックは、制御装置10のプロセッサが記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより実現される。制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。
【0024】
取得部101は、自動運転制御に必要な情報を取得する。取得部101による情報取得処理は、所定のサイクルで繰り返し実行される。取得部101は、GPS受信器20から車両の位置及び方位を取得する。取得部101は、地図データベース30から道路のレーンに関する情報等を取得する。取得部101は、周辺状況センサ40によって検出された車両の周囲の情報を取得する。取得部101は、車両状態センサ50によって検出された車両の状態を示す情報を取得する。取得部101は、通信装置60から走行経路指示等の情報を取得する。
【0025】
全体経路生成部102は、取得部101によって取得された情報(少なくとも走行経路指示を含む情報)に基づき、全体経路(車両が走行する全体の経路)を生成する。全体経路生成部102は、走行経路指示に加えて、車両の位置及び方位、道路のレーン等の情報、車両の周囲の情報、並びに、車両の状態を示す情報等を考慮して、全体経路を生成してもよい。
【0026】
目標経路生成部103は、全体経路生成部102によって生成された全体経路に基づき、実際に車両が走行する目標経路をリアルタイムに生成する。目標経路生成部103による目標経路生成は、車両が走行している間、所定のサイクルで繰り返し実行される。
【0027】
追従制御部104は、目標経路生成部103によって生成された目標経路に基づき、車両の経路追従制御を行う。追従制御部104は、従来から周知の追従制御技術を用いて、目標経路に追従して車両が走行するように、走行装置70に含まれる各装置を制御する。
【0028】
上述したように、本実施形態では、車両が、図1に示されるような周回路500を繰り返し走行し、該車両の耐久試験を行う。このように、車両が周回路500を走行する場合には、走行経路が変化しないため、一度生成した全体経路に係る走行経路指示を再読み込みすれば、迅速且つ容易に全体経路を生成することができる。
【0029】
そこで、本実施形態の制御装置10では、全体経路生成部102が、全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、全体経路が予め定められた対象経路(ここでは周回路500の経路)であるか否かを判定し、対象経路である場合に限り、再度、同一の走行経路指示を再読み込みして、同一の全体経路を生成する。
【0030】
また、全体経路生成部102は、車両がリアルタイムに走行している区間(レーン)が、全体経路に含まれる区間であって予め定められた対象区間であるか否かを判定し、対象区間である場合に限り、再度、同一の走行経路指示を再読み込みして、同一の全体経路を生成してもよい。すなわち、全体経路生成部102は、全体経路が予め定められた対象経路である場合であればいつでも走行経路指示の再読み込みを行うのではなく、車両が走行している区間が対象区間であるタイミングに限って、走行経路指示の再読み込みを行ってもよい。
【0031】
図1に示されるように、車両の耐久試験を行う周回路500においては、耐久試験の評価を行う区間である評価区間500a,500cと、耐久試験の評価を行わない区間である対象区間500b,500dとがある。評価区間500a,500cにおいて走行経路指示の再読み込み(全体経路の再生成)が行われると、耐久試験の評価に影響を及ぼすおそれがある。この点、耐久試験の評価を行わない区間である対象区間500b,500dにおいてのみ走行経路指示の再読み込み(全体経路の再生成)が行われることにより、走行経路指示の再読み込み(全体経路の再生成)が耐久試験の評価に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0032】
なお、車両が走行し得る経路(ルート)及び区間(レーン)については、予め経路(又は区間)を一意に特定するIDが設定されていてもよい。この場合、全体経路生成部102は、走行している全体経路に紐づいた走行経路IDと、対象経路に紐づいた対象経路IDとが一致する場合に、全体経路が対象経路であると判定することができる。また、全体経路生成部102は、車両がリアルタイムに走行している区間に紐づいた走行区間IDと、対象区間に紐づいた対象区間IDとが一致する場合に、車両が走行している区間が対象区間であると判定することができる。
【0033】
図4は、図3に示された制御装置10により実行される制御手順を示すフローチャートである。図4に示されるように、制御装置10では、走行経路指示に基づき全体経路が生成される(ステップS1)。つづいて、全体経路に基づき、実際に車両が走行する目標経路がリアルタイムに生成される(ステップS2)。つづいて、目標経路に基づき、車両の経路追従が実施される(ステップS3)。
【0034】
図5は、制御装置10により実行される周回路走行時の全体経路生成(ステップS1の詳細な処理)手順を示すフローチャートである。図5に示されるように、制御装置10では、最初に、走行している全体経路に紐づいた走行経路IDが、対象経路に紐づいた対象経路IDに一致しているか否かが判定される(ステップS101)。ステップS101において一致していないと判定された場合には、周回路走行時の全体経路生成手順からは外れるため、処理が終了する(通常の全体経路生成処理が実施される)。
【0035】
一方で、ステップS101において一致していると判定された場合には、車両がリアルタイムに走行している区間に紐づいた走行区間IDが、対象区間に紐づいた対象区間IDに一致しているか否かが判定される(ステップS102)。ステップS102において一致していないと判定された場合には、周回路走行時の全体経路生成タイミングとは異なるため、処理が終了する。
【0036】
一方で、ステップS102において一致していると判定された場合には、現在の走行している全体経路の生成に係る走行経路指示が再度読み込まれ(ステップS103)、現在と同一の全体経路が生成される(ステップS104)。そして、生成された全体経路が出力される(ステップS105)。ステップS105以降は、図4のステップS2以降の処理が実施される。
【0037】
次に、本実施形態に係る自動運転システム1に含まれる制御装置10の作用効果について説明する。
【0038】
本実施形態に係る制御装置10は、走行経路指示に基づき、全体経路を生成する全体経路生成部102と、全体経路に基づき、実際に車両が走行する目標経路をリアルタイムに生成する目標経路生成部103と、目標経路に基づき、車両の経路追従制御を行う追従制御部104と、を備え、全体経路生成部102は、全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、全体経路が予め定められた対象経路であるか否かを判定し、該対象経路である場合に限り、再度、同一の走行経路指示に基づき、全体経路を生成する。
【0039】
本実施形態に係る制御装置10では、走行経路指示に基づく全体経路生成後において、該全体経路が所定の対象経路である場合、同一の走行経路指示に基づき再度同一の全体経路が生成される。このような構成によれば、対象経路を予め設定しておくことにより、生成済みの全体経路が対象経路である場合に、同一の走行経路指示を再読み込みして、同一の全体経路を容易に生成することができる。これにより、周回路を走行する場合のように同一の経路を繰り返し走行する場合において、生成する経路長を最低限に抑えてメモリの圧迫等を抑えながら、走行経路生成を効率的に行うことができる。
【0040】
全体経路生成部102は、全体経路生成後の所定のタイミングにおいて、車両がリアルタイムに走行している区間が、全体経路に含まれる区間であって予め定められた対象区間であるか否かを判定し、該対象区間である場合に限り、再度、同一の走行経路指示に基づき、全体経路を生成してもよい。このように、車両が走行する区間が対象区間である場合に限り走行経路指示の再読み込みが実施されることにより、例えば耐久試験の評価を行う区間以外の区間(対象区間)でのみ全体経路の再生成が行われる構成とすることができる。これにより、全体経路の再生成が、耐久試験の評価等に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0041】
車両が走行する各区間について、それぞれ区間を一意に特定する区間IDが設定されており、全体経路生成部102は、車両がリアルタイムに走行している区間の区間IDと、対象区間の区間IDとが一致する場合に限り、再度、同一の走行経路指示に基づき、全体経路を生成してもよい。このように、区間にIDが設定されて、該IDの一致が判定されることにより、例えばGPSによる自己位置推定の精度が低い場合でも、走行している区間が対象区間であるか否かを判定することが可能になる。すなわち、ライダーや磁気マーカ―インフラを利用することや、指定の場所がわかる物標を認識することによって、区間IDが認識されて該IDの一致が判定されることにより、制御装置10の汎用性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0042】
10…制御装置、102…全体経路生成部、103…目標経路生成部、104…追従制御部。
図1
図2
図3
図4
図5