(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135350
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】支援情報表示装置、支援情報表示システム及び支援情報表示方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040512
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 宏尚
(72)【発明者】
【氏名】釣巻 久
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 明美
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AA20
4C096AB45
4C096CA25
4C096FC20
(57)【要約】
【課題】医用画像処理装置に関する作業の作業者に適切な支援情報を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る支援情報表示装置は、撮影部と、取得部と、表示部と、表示制御部とを備える。前記撮影部は、医用画像処理装置を撮影して撮影画像を生成する。前記取得部は、前記医用画像処理装置に関する作業者の作業を支援する支援情報を取得する。前記表示部は、前記支援情報を表示する。前記表示制御部は、前記撮影画像に基づいて前記表示部における前記支援情報の表示態様を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像処理装置を撮影して撮影画像を生成する撮影部と、
前記医用画像処理装置に関する作業者の作業を支援する支援情報を取得する取得部と、
前記支援情報を表示する表示部と、
前記撮影画像に基づいて前記表示部における前記支援情報の表示態様を決定する表示制御部と
を具備する支援情報表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記撮影画像に基づいて作業対象の位置を特定し、当該作業対象の位置に応じて前記表示部における前記支援情報の表示態様を決定する、
請求項1に記載の支援情報表示装置。
【請求項3】
前記医用画像処理装置は、磁気共鳴イメージング装置であり、
前記作業対象は、複数のシムポケットを有するシムトレイであり、
前記支援情報は、前記複数のシムポケットそれぞれを識別するための識別子と、当該複数のシムポケットそれぞれに配置するシムの数とを示す情報であり、
前記表示制御部は、前記複数のシムポケットそれぞれの位置に、前記識別子及びシムの数が重畳されるように前記支援情報の表示位置を決定する、
請求項2に記載の支援情報表示装置。
【請求項4】
前記撮影画像に基づいて前記シムトレイの形状を認識し、認識された形状に応じて前記シムトレイの向きを検知する検知部をさらに備える、請求項3に記載の支援情報表示装置。
【請求項5】
前記撮影画像に基づいて前記シムトレイを識別するための当該シムトレイに付されたマーカを認識し、認識されたマーカに対応するシムトレイを検知する検知部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記磁気共鳴イメージング装置に搭載される複数のシムトレイのうちの検知された前記シムトレイに関する前記支援情報を表示する表示態様を決定する、
請求項3又は請求項4に記載の支援情報表示装置。
【請求項6】
前記磁気共鳴イメージング装置は、前記シムトレイの取り外しを検知可能に構成されており、
前記表示制御部は、前記磁気共鳴イメージング装置に搭載される複数のシムトレイのうちの取り外しが検知された前記シムトレイに関する前記支援情報を表示する表示態様を決定する、
請求項3から請求項5のうちのいずれか一項に記載の支援情報表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記磁気共鳴イメージング装置に搭載される複数のシムトレイのうちの前記作業者の担当する範囲からの取り外しが検知された前記シムトレイに関する前記支援情報を表示する表示態様を決定する、
請求項6に記載の支援情報表示装置。
【請求項8】
前記医用画像処理装置は、被検体に関する医用画像を得る医用画像診断装置であり、
前記支援情報は、前記撮影画像及び前記医用画像診断装置で得られた前記医用画像に基づく、前記医用画像におけるノイズを低減するノイズ対策を示す情報である、
請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の支援情報表示装置。
【請求項9】
前記支援情報は、前記医用画像処理装置に搭載される複数の基盤のうちの少なくとも1の基盤に関する、当該基盤の前記医用画像処理装置における取り付け位置、当該基盤の設定及びコネクタの当該基盤における接続ポートのうちの少なくとも1つを示す情報である、請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載の支援情報表示装置。
【請求項10】
前記撮影画像のうちの前記医用画像処理装置の表示画面に含まれる個人情報の表示領域にマスク処理を施し、マスク処理後の当該撮影画像を出力する出力部をさらに備える、請求項1から請求項9のうちのいずれか一項に記載の支援情報表示装置。
【請求項11】
前記作業者により装着される眼鏡型のウェアラブルデバイスであって、
前記撮影部は、前記作業者の視線方向を撮影するように構成され、
前記表示部は、前記作業者の視野に前記支援情報を投影するように構成される、
請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載の支援情報表示装置。
【請求項12】
前記作業者の操作入力を受け付ける入力部と、
前記入力部に対する前記作業者の操作入力に応じて、被検体に関する医用画像の表示画面において前記被検体の個人情報の表示領域を表示する通常モードと、当該個人情報の表示領域を表示しない秘匿モードとを切り替える共有支援部と
を有する医用画像処理装置と、
請求項1から請求項11のうちのいずれか一項に記載の支援情報表示装置と
を備える支援情報表示システム。
【請求項13】
医用画像処理装置を撮影して撮影画像を生成することと、
前記医用画像処理装置に関する作業者の作業を支援する支援情報を取得することと、
前記支援情報を表示することと、
前記撮影画像に基づいて前記支援情報の表示態様を決定することと
を含む支援情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、支援情報表示装置、支援情報表示システム及び支援情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI)装置などの医用画像処理装置に関する据付作業やメンテナンス作業においては、そのハードウェアやシステムの複雑さのために専門的な知識や技術が要求される。このため、医用画像処理装置の据付や不具合の度に、専門的な知識や技術を有する作業者を現地に派遣している。
【0003】
しかしながら、専門的な知識や技術を有する作業者には限りがあるという問題があった。一方で、経験の浅い作業者を現地に派遣する場合には、マニュアルを確認しながら作業したり、原因の特定に手間取ったりするなど、作業に時間を要する場合があった。また、現地に派遣された作業者とバックオフィスに配置された専門的な知識や技術を有する作業者とのやり取りにおいては、専門的な知識や技術を有する担当者の判断に必要な情報を現地に派遣された作業者が適切に提供できず、何度もやり取りが発生する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、医用画像処理装置に関する作業の作業者に適切な支援情報を提供することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る支援情報表示装置は、撮影部と、取得部と、表示部と、表示制御部とを備える。前記撮影部は、医用画像処理装置を撮影して撮影画像を生成する。前記取得部は、前記医用画像処理装置に関する作業者の作業を支援する支援情報を取得する。前記表示部は、前記支援情報を表示する。前記表示制御部は、前記撮影画像に基づいて前記表示部における前記支援情報の表示態様を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る支援情報表示システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置としての磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る支援情報表示装置としてのモバイル端末の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る医用ワークステーションの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る支援情報表示システムにおいて実行される、支援情報表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係るMRI装置の静磁場磁石の構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係るモバイル端末における支援情報の表示態様の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第3の実施形態に係る支援情報表示システムの構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置における通常モードの表示画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置における秘匿モードの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら各実施形態に係る支援情報表示装置、支援情報表示システム及び支援情報表示方法を説明する。なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る支援情報表示システム1の構成の一例を示す図である。支援情報表示システム1は、
図1に示すように、医用モダリティ5、モバイル端末7及び医用ワークステーション9を含む。医用モダリティ5及びモバイル端末7は、それぞれ医用ワークステーション9と通信可能に接続される。
【0010】
医用モダリティ5は、支援情報の対象の医用画像処理装置の一例である。本実施形態では、医用モダリティ5として磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置10を例示するが、これに限らない。
【0011】
支援情報の対象の医用画像処理装置は、MRI装置10の他の医用画像診断装置であってもよい。他の医用画像診断装置としては、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)装置、X線診断装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT-CT装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET-CT装置などの種々の医用画像診断装置があり得る。
【0012】
また、支援情報の対象の医用画像処理装置は、医用画像診断装置により得られた医用画像に対して各種の処理を施す医用ワークステーション9であってもよい。
【0013】
また、支援情報の対象は、医用画像処理装置に限らず、放射線治療装置や放射線治療計画装置などの他の医用モダリティであっても構わない。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置としてのMRI装置10の構成の一例を示す図である。MRI装置10は、静磁場中に配置された被検体Pに対して高周波磁場を照射する撮像により取得された磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する装置である。
【0015】
MRI装置10は、
図1に示すように、磁石架台111及び寝台121を有する。磁石架台111は、静磁場磁石112、傾斜磁場コイルユニット115及びRFコイル116を有する。
【0016】
なお、
図1は、磁石架台111の内部構成については、縦断面図にて例示する。なお、MRI装置10に、被検体P(例えば、人体)は含まれない。また、
図1に示す構成は一例であり、例えば、シーケンス制御回路135及びコンソール141の一部又は全部は、適宜統合して構成されてもよいし、適宜分離して構成されてもよい。例えば、MRI装置10は、MR撮影室に設置される。
【0017】
傾斜磁場コイルユニット115には、メインコイル113及びシールドコイル114が含まれている。また、MRI装置10は、傾斜磁場電源131、送信回路132、受信回路133、寝台制御回路134、シーケンス制御回路135及びコンソール141を有する。
【0018】
静磁場磁石112は、概略円筒形状を有し、被検体Pの撮像領域を含むボア(静磁場磁石112の円筒内部の空間)内に静磁場を発生する。静磁場磁石112は超伝導磁石でもよいし、永久磁石でもよい。
【0019】
また、静磁場磁石112には、被検体Pの撮像領域を含むボア内に発生する静磁場の均一性を調整するシムがそれぞれ配置された、複数のシムトレイT1~T30を有する(
図6及び
図7参照)。複数のシムトレイT1~T30それぞれは、独立して着脱可能に静磁場磁石112に取り付けられている。複数のシムトレイT1~T30それぞれは、鉄片などの強磁性体を用いた鉄シムがそれぞれ格納される、複数(
図7に示す例では15)のシムポケットを有する。なお、鉄シムに代えて、超電導ワイヤや銅ワイヤを用いたシムが利用されても構わない。
【0020】
なお、本実施形態では、静磁場磁石112に30本のシムトレイT1~T30が設けられる場合を例示するが、これに限らない。シムトレイの本数は、一例であり、MRI装置10のシステム構成などに依って適宜決定され得る。同様に、本実施形態では、15個のシムポケットが各シムトレイに設けられる場合を例示するが、これに限らない。各シムトレイに設けられるシムポケットの数は、一例であり、MRI装置10のシステム構成などに依って適宜決定され得る。
【0021】
なお、複数のシムトレイT1~T30それぞれの着脱がMRI装置10側から検知可能に構成されているとする。つまり、MRI装置10は、複数のシムトレイT1~T30それぞれについての取り外しを検知可能に構成されている。一例として、複数のシムトレイT1~T30それぞれは、磁石架台111と電気的に接続される。一例として、複数のシムトレイT1~T30それぞれは、磁石架台111と光学的に接続される。
【0022】
なお、複数のシムトレイT1~T30それぞれの着脱は、後述するモバイル端末7で得られた撮影画像に対する画像認識処理に基づいて検知されてもよい。この検知は、モバイル端末7で実施されてもよいし、医用ワークステーション9で実施されてもよい。
【0023】
なお、複数のシムトレイT1~T30それぞれの着脱は、モバイル端末7、医用ワークステーション9及びMRI装置10の少なくとも1つにおける、作業者による操作入力に基づいて検知されてもよい。
【0024】
なお、複数のシムトレイT1~T30それぞれには、シムトレイの位置及び向きを識別するためのマーカが付されていてもよい。また、複数のシムトレイT1~T30それぞれには、各シムトレイを識別するためのマーカが付されていてもよい。
【0025】
傾斜磁場コイルユニット115は、概略円筒形状を有し、静磁場磁石112の内側に防振ゴム等の支持構造により保持されている。傾斜磁場コイルユニット115は、傾斜磁場電源131から供給される電流により互いに直交する方向に傾斜磁場を印加(発生)するメインコイル113と、メインコイル113の漏洩磁場をキャンセルするシールドコイル114とを有する。
【0026】
寝台121は、被検体Pが載置される天板122を備え、寝台制御回路134による制御の下、天板122を、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイルユニット115の空洞(撮像口)内へ挿入する。寝台制御回路134は、コンソール141による制御の下、寝台121を駆動して天板122を長手方向及び上下方向へ移動する。
【0027】
RFコイル116は、傾斜磁場コイルユニット115の内側に配置され、送信回路132からRFパルスの供給を受けて高周波磁場を発生する。また、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号を受信し、受信した磁気共鳴信号を受信回路133へ出力する。なお、RFコイル116は、送信コイルと受信コイルとに分かれて構成されるものでもよい。
【0028】
送信回路132は、シーケンス制御回路135の制御により、ラーモア周波数(磁気共鳴周波数とも称される)に変調された高周波パルスをRFコイル116に供給する。本実施形態では、ラーモア周波数(磁気共鳴周波数とも称される)に変調された高周波パルスを、RFパルス、あるいはRF信号と記載する場合もある。磁気共鳴周波数は、磁気共鳴対象の原子に応じた磁気回転比と静磁場の磁束密度とに応じてあらかじめ設定される。つまり、RF信号の周波数は、当該RF信号に基づく計測における計測対象の核種に応じて異なる。静磁場の磁束密度が1.5Tである場合、磁気共鳴周波数は、およそ64MHzである。また、静磁場の磁束密度が3Tである場合、磁気共鳴周波数は、およそ128MHzである。例えば、送信回路132は、発振部や位相選択部、周波数変換部、振幅変調部、RF(Radio Frequency)アンプなどを有する。
【0029】
発振部は、静磁場中における対象原子核に固有の共鳴周波数のRFパルスを発生する。発振部は、水晶振動子を用いた発振回路と倍周器などとを用いた水晶発振器に相当する。すなわち、水晶発振器は、水晶振動子の発振周波数を倍周器で整数倍した振動(システムクロック)を源振として構成された発振器である。なお、発振回路は、水晶振動子を用いることに限定されず、他の振動子が用いられてもよい。また、発振部は、処理回路142に設けられてもよいし、コンソール141に搭載されてもよい。このとき、発振部は、MRI装置10の制御全体に関する源振となる。
【0030】
位相選択部は、発振部によって発生したRFパルスの位相を選択する。周波数変換部は、位相選択部から出力されたRFパルスの周波数を変換する。
【0031】
振幅変調部は、周波数変換部から出力されたRFパルスの振幅を例えばsinc関数に従って変調する。
【0032】
RFアンプは、振幅変調部から出力された磁気共鳴周波数を有するRFパルスを増幅して、図示しないデュプレクサを介して、RFコイル116に供給する。例えば、RFアンプは、RFパルスを10数kW~数10kWに増幅する。
【0033】
受信回路133は、RFコイル116から出力される磁気共鳴信号を検出し、検出された磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを生成する。具体的には、受信回路133は、RFコイル116で受信された磁気共鳴信号をデジタル変換することによって磁気共鳴データを生成する。また、受信回路133は、生成された磁気共鳴データをシーケンス制御回路135へ送信する。
【0034】
シーケンス制御回路135は、コンソール141から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源131、送信回路132及び受信回路133を駆動することによって、パルスシーケンスを実行し、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場電源131がメインコイル113に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信回路132がRFコイル116に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信回路133が磁気共鳴信号を検出するタイミング等がパルスシーケンスとして定義される。例えば、シーケンス制御回路135は、プロセッサにより実現される。
【0035】
なお、シーケンス情報には、計測対象の核種やRFコイル116に供給するRFパルス(入力信号)の周波数が含まれていてもよい。
【0036】
さらに、シーケンス制御回路135は、傾斜磁場電源131、送信回路132及び受信回路133を駆動して被検体Pを撮像した結果、受信回路133から磁気共鳴データを受信すると、受信した磁気共鳴データをコンソール141へ転送する。
【0037】
また、送信回路132、受信回路133及び寝台制御回路134等も同様に、上記のプロセッサ等の電子回路により構成される。
【0038】
コンソール141は、MRI装置10を制御するコンピュータである。コンソール141は、MRI装置10の全体制御や、画像の生成等を行う。コンソール141は、処理回路142、記憶回路143、入力インタフェース144、ディスプレイ145及び通信回路146を有する。
【0039】
処理回路142は、ハードウェア資源として、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路142は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、支援機能1421を含む、MRI装置10の有する各機能を実行する。
【0040】
処理回路142は、MRI装置10の全体制御を行い、撮像や画像の生成、画像の表示等を制御する。例えば、処理回路142は、撮像条件(撮像パラメータ等)の入力をGUI上で受け付け、受け付けた撮像条件に従ってシーケンス情報を生成する。また、処理回路142は、生成したシーケンス情報をシーケンス制御回路135へ送信する。また、処理回路142は、シーケンス制御回路135から磁気共鳴データを受信し、受信した磁気共鳴データを記憶回路143に格納する。また、処理回路142は、k空間データを記憶回路143から読み出し、読み出したk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、画像を生成する。つまり、処理回路142は、静磁場中に配置された被検体Pに対して高周波磁場を照射する撮像により取得された磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する。
【0041】
支援機能1421において、処理回路142は、静磁場磁石112の複数のシムトレイT1~T30それぞれについての着脱を検知する。処理回路142は、取り外しが検知されたシムトレイを示す情報を医用ワークステーション9に通知する。
【0042】
記憶回路143は、処理回路142で使用される各種の情報を記憶する。具体的には、記憶回路143は、処理回路142によって受信された磁気共鳴データや、処理回路142によってk空間に配置されたk空間データ、処理回路142によって生成された画像データ等を記憶する。また、記憶回路143は、処理回路142により実行される各種のプログラムや各種の設定情報を記憶する。具体的には、記憶回路143は、撮像範囲の位置決めを支援するプログラム、磁気共鳴データの信号処理に係るプログラム等を記憶する。例えば、記憶回路143は、RAMやROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等で実現される。
【0043】
入力インタフェース144は、操作者(作業者)からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路142に出力する。例えば、入力インタフェース144は、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスである。また、コンソール141とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路142へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース144の例に含まれる。ここで、入力インタフェース144は、入力部の一例である。
【0044】
ディスプレイ145は、処理回路142による制御の下、撮像条件の設定や調整に係る入力を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、処理回路142によって生成された画像等を表示する。ディスプレイ145としては、種々の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。例えばディスプレイ145として、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(Organic Electro Luminescence Display:OELD)又はプラズマディスプレイが使用可能である。
【0045】
なお、ディスプレイ145は、如何なる場所に設けられてもよい。例えば、ディスプレイ145は、撮影室や操作室等に設けられてもよい。また、ディスプレイ145は、磁石架台111に設けられてもよい。また、ディスプレイ145は、デスクトップ型でもよいし、コンソール141の本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、ディスプレイ145として、1又は2以上のプロジェクタが用いられてもよい。
【0046】
通信回路146は、ネットワークを介して医用ワークステーション9などの外部装置と通信を行う。通信回路146は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等の通信インタフェースである。
【0047】
モバイル端末7は、医用画像処理装置に関する作業の作業者に支援情報をXR(Cross Reality)技術を用いて提供する可搬型の端末装置である。モバイル端末7は、例えば、作業者により装着される眼鏡型のウェアラブルデバイスである。モバイル端末7は、ユーザの視界に支援情報を重畳表示する。モバイル端末7は、支援情報表示装置の一例である。
【0048】
なお、本実施形態では、モバイル端末7としてARグラスを例示するが、これに限らない。モバイル端末7としては、ARグラスのような眼鏡型のHMD(Head Mounted Display)に限らず、コンタクトレンズ型のウェアラブルデバイスを用いてもよい。また、モバイル端末7としては、スマートフォンやタブレットPCなどの情報処理端末が利用されても構わない。
【0049】
なお、本実施形態では、主としてAR(Augmented Virtuality)技術が適用された支援情報表示システム1を例示するが、これに限らない。本実施形態に係る支援情報表示システム1には、ARに限らず、VR(Virtual Reality)やMR(Mixed Reality)、SR(Substitutional Reality)などの各種のXR技術を適用することができる。したがって、本実施形態において、ユーザの視界に支援情報を重畳表示するとは、ユーザの視野内に支援情報を表示又は投影することに限らず、ユーザの視界に対応する画像に支援情報を重畳表示することを含む。例えば、モバイル端末7の撮像装置76の撮像方向が作業者の視線方向であると見做せる場合、モバイル端末7で得られる撮影画像は、作業者の視界を表現する画像である。このため、VR技術が適用された支援情報表示システム1において、支援情報は、モバイル端末7で得られる撮影画像に重畳されてもよい。あるいは、支援情報表示システム1は、モバイル端末7により作業者の視線方向を検出し、MR撮影室に配置されたカメラなどの外部の撮像装置により当該視線方向に応じた撮影画像を取得又は合成可能に構成されていてもよい。
【0050】
図3は、第1の実施形態に係る支援情報表示装置としてのモバイル端末7の構成の一例を示す図である。モバイル端末7は、
図3に示すように、処理回路71、記憶回路72、入力インタフェース73、ディスプレイ74、通信回路75及び撮像装置76を有する。
【0051】
処理回路71は、ハードウェア資源として、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路71は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、シムトレイ検知機能711、支援情報取得機能712、撮影機能713及び表示制御機能714を含む、モバイル端末7の有する各機能を実行する。
【0052】
シムトレイ検知機能711において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像に基づいて、MRI装置10から取り外されたシムトレイの形状を認識し、認識された形状に応じてシムトレイの位置及び向きを検知する。例えば、処理回路71は、シムトレイの外形や寝台側の端部の形状(
図7参照)に基づいてシムトレイの位置及び向きを検知する。なお、シムトレイに位置及び向きを識別するためのマーカが付されている場合には、処理回路71は、当該マーカを認識することにより、シムトレイの位置及び向きを検知してもよい。シムトレイの形状又はマーカと、シムトレイの向きとの関係を示す情報は、予め記憶回路72に記憶されているとする。ここで、シムトレイ検知機能711を実現する処理回路71は、検知部の一例である。
【0053】
なお、シムトレイ検知機能711において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像を医用ワークステーション9に送信し、当該撮影画像に対する形状又はマーカの画像認識処理の結果を医用ワークステーション9から取得することにより、シムトレイの位置及び向きを検知してもよい。この場合、シムトレイの形状又はマーカと、シムトレイの向きとの関係を示す情報は、撮影画像とともに医用ワークステーション9に送信されてもよいし、予め医用ワークステーション9の記憶回路92に記憶されていてもよい。ここで、撮影機能713により得られた撮影画像を医用ワークステーション9に送信(出力)する支援情報取得機能712を実現する処理回路71は、出力部の一例である。
【0054】
なお、シムトレイ検知機能711において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像に基づいて、MRI装置10からのシムトレイの取り外しを検知してもよい。一例として、処理回路71は、撮影画像に対する形状又はマーカの画像認識処理に基づいて、MRI装置10から取り外されたシムトレイを検知してもよい。シムトレイの形状又はマーカと、シムトレイとの関係を示す情報は、予め記憶回路72に記憶されているとする。
【0055】
支援情報取得機能712において処理回路71は、MRI装置10に関する据付やメンテナンスなどの作業者による作業を支援する支援情報を医用ワークステーション9から取得する。MRI装置10の複数のシムポケットを有するシムトレイを作業対象とする調整作業の場合、支援情報は、MRI装置10から取り外されたシムトレイに関する、複数のシムポケットそれぞれを識別するための識別子と、当該複数のシムポケットそれぞれに配置するシムの数とを示す情報である。ここで、支援情報取得機能712を実現する処理回路71は、取得部の一例である。
【0056】
なお、MRI装置10からのシムトレイの取り外しがモバイル端末7においてシムトレイ検知機能711により検知される場合、支援情報取得機能712において処理回路71は、検知されたシムトレイを示す情報を医用ワークステーション9に送信する。ここで、検知されたシムトレイを示す情報を医用ワークステーション9に送信(出力)する支援情報取得機能712を実現する処理回路71は、出力部の一例である。そして、処理回路71は、当該シムトレイに対応する支援情報を医用ワークステーション9から取得する。
【0057】
なお、MRI装置10からのシムトレイの取り外しがモバイル端末7において得られた撮影画像に基づいて医用ワークステーション9により検知される場合、支援情報取得機能712において処理回路71は、撮影画像を医用ワークステーション9に送信する。ここで、撮影画像を医用ワークステーション9に送信(出力)する支援情報取得機能712を実現する処理回路71は、出力部の一例である。そして、処理回路71は、当該撮影画像に基づいて検知されたシムトレイに対応する支援情報を医用ワークステーション9から取得する。
【0058】
なお、MRI装置10からのシムトレイの取り外しがモバイル端末7において受け付けた作業者の操作入力に基づいて医用ワークステーション9により検知される場合、支援情報取得機能712において処理回路71は、操作入力により指定されたシムトレイを示す情報を医用ワークステーション9に送信する。ここで、操作入力により指定されたシムトレイを示す情報を医用ワークステーション9に送信(出力)する支援情報取得機能712を実現する処理回路71は、出力部の一例である。そして、処理回路71は、当該シムトレイに対応する支援情報を医用ワークステーション9から取得する。
【0059】
撮影機能713において処理回路71は、撮像装置76により作業対象のMRI装置10を撮影して撮影画像を生成する。ここで、撮影機能713を実現する処理回路71は、撮影部の一例である。
【0060】
表示制御機能714において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像に基づいてディスプレイ74における支援情報の表示態様を決定する。具体的には、処理回路71は、撮影画像に基づいて作業対象のシムトレイの位置及び向きを特定し、当該作業対象の位置及び向きに応じてディスプレイ74における支援情報の表示態様を決定する。このとき、処理回路71は、ユーザの視界において、複数のシムポケットそれぞれの位置に、各シムポケットを識別する番号や記号などの識別子と、当該シムポケットに配置するシムの数とが重畳されるように支援情報の表示位置を決定する。ここで、表示制御機能714を実現する処理回路71は、表示制御部の一例である。
【0061】
記憶回路72は、処理回路71で使用される各種の情報を記憶する。具体的には、記憶回路72は、検知されたシムトレイの位置及び向きや、シムトレイの形状又はマーカと、シムトレイの向きとの関係を示す情報、撮像装置76により得られたMRI装置10の撮影画像のデータなどを記憶する。また、記憶回路72は、処理回路71により実行される各種のプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶回路143は、RAMやROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等で実現される。
【0062】
入力インタフェース73は、操作者(作業者)からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路71に出力する。例えば、入力インタフェース73は、モバイル端末7のフレームなどに設けられたタッチパネル、ボタン、スライダ等の選択、あるいは入力デバイスである。また、モバイル端末7とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路71へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース73の例に含まれる。ここで、入力インタフェース73は、入力部の一例である。
【0063】
ディスプレイ74は、表示制御機能714の制御下で作業対象に関する支援情報を表示する。具体的には、ディスプレイ74は、作業者の視野内に支援情報を表示又は投影することにより、ユーザの視界に支援情報を重畳表示するように構成されている。ディスプレイ74は、作業者の視野内に位置する表示領域に支援情報を表示してもよいし、作業者の眼球に向かって支援情報を投影してもよい。ここで、ユーザの視界に支援情報を重畳表示するディスプレイ74は、表示部の一例である。
【0064】
通信回路75は、ネットワークを介して医用ワークステーション9などの外部装置と通信を行う。通信回路75は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等の通信インタフェースである。
【0065】
撮像装置76は、例えば光学カメラである。撮像装置76は、モバイル端末7が作業者に装着された状態において、撮像方向が当該作業者の視線方向を向くように構成されている。また、撮像装置76は、撮像により撮影画像を生成する。つまり、撮像装置76は、作業者の視線方向を撮影可能に構成されている。なお、撮像装置76は、モバイル端末7とは別に、作業者の頭部や胸部などに装着されていても構わない。ここで、撮影機能713の制御下で作業対象のMRI装置10の撮像により撮影画像を生成する撮像装置76は、撮影部の一例である。
【0066】
図4は、第1の実施形態に係る医用ワークステーション9の構成の一例を示す図である。医用ワークステーション9は、
図4に示すように、処理回路91、記憶回路92及び通信回路93を有する。
【0067】
処理回路91は、ハードウェア資源として、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路91は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、調整機能911及び支援情報生成機能912を含む、医用ワークステーション9の有する各機能を実行する。
【0068】
調整機能911において処理回路91は、磁場計測の結果に基づき、各シムトレイについてのシム配置を決定する。具体的には、処理回路91は、磁場計測の結果に基づき、被検体Pの撮像領域を含むボア内に発生する静磁場の均一性を調整するために必要なシム配置を決定する。シム配置とは、シムトレイにおける複数のシムポケットそれぞれに格納するシムの数を示す。
【0069】
支援情報生成機能912において処理回路91は、MRI装置10から取り外されたシムトレイを示す情報をMRI装置10から取得する。また、処理回路91は、調整機能911により決定されたシム配置を取得する。そして、処理回路91は、検知されたシムトレイ、すなわちMRI装置10から取り外されたシムトレイに関するシム配置を支援情報として生成し、モバイル端末7へ送信する。
【0070】
なお、支援情報生成機能912において処理回路91は、モバイル端末7により得られた撮影画像を取得し、当該撮影画像に基づいてMRI装置10から取り外されたシムトレイを検知してもよい。
【0071】
なお、支援情報生成機能912において処理回路91は、モバイル端末7、医用ワークステーション9及びMRI装置10の少なくとも1つにおける、作業者による操作入力に応じた入力インタフェースの出力を取得し、当該出力に基づいてMRI装置10から取り外されたシムトレイを検知してもよい。
【0072】
なお、MRI装置10からのシムトレイの取り外しがモバイル端末7において検知される場合、支援情報生成機能912において処理回路91は、モバイル端末7により検知されたシムトレイを示す情報を取得する。
【0073】
なお、支援情報生成機能912において処理回路91は、モバイル端末7により得られた撮影画像を取得し、当該撮影画像に基づいてシムトレイの位置及び向きを検知してもよい。この場合、シムトレイの形状又はマーカと、シムトレイの向きとの関係を示す情報は、撮影画像とともにモバイル端末7から取得されてもよいし、予め記憶回路92に記憶されていてもよい。処理回路91は、支援情報とともに検知したシムトレイの位置及び向きをモバイル端末7に送信してもよいし、検知したシムトレイの位置及び向きに応じた、すなわち表示態様を含む支援情報を生成してもよい。
【0074】
ここで、図面を参照しつつ、第1の実施形態に係る支援情報の表示について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る支援情報表示システム1において実行される、支援情報表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6は、第1の実施形態に係るMRI装置10の静磁場磁石112の構成の一例を示す図である。
図6は、静磁場磁石112における各シムトレイの挿入口と、当該挿入口から着脱可能に挿入されたシムトレイとを例示する。ここでは、シムトレイT2が取り外される場合を例示する。
【0075】
例えば、X+側の複数(
図6に示す例では15)のシムトレイについては作業者Aがシム配置の作業を行い、X-側の複数(
図6に示す例では15)のシムトレイについては作業者Bがシム配置の作業を行うなど、複数の作業者が分担してシム配置の作業を行う場合もあり得る。なお、作業者の人数や作業者ごとのシムトレイの本数、複数のシムトレイの分割方法は、任意に設定されればよい。
【0076】
このため、支援情報生成機能912において処理回路91は、例えば作業者の操作入力に応じたモバイル端末7やMRI装置10からの出力に基づいて、作業者及び作業場所を特定する。また、処理回路91は、例えば作業者の操作入力に応じたモバイル端末7やMRI装置10からの出力に基づいて、各作業者が担当するシムトレイ、すなわち作業対象を特定する(S101)。
【0077】
その後、調整機能911において処理回路91は、作業者により実施された磁場計測の結果を取得する(S102)。そして、処理回路91は、磁場計測の結果に基づくシミュレーションにより各シムトレイについてのシム配置を決定する(S103)。
【0078】
支援情報生成機能912において処理回路91は、MRI装置10からのシムトレイの取り外しが検知されたとき、検知されたシムトレイ、すなわちMRI装置10から取り外されたシムトレイに関するシム配置を支援情報として生成する。また、処理回路91は、当該シムトレイのシム配置の作業を担当する作業者を特定し、当該作業者のモバイル端末7へ生成された支援情報を送信する。
【0079】
モバイル端末7の支援情報取得機能712において処理回路71は、支援情報を医用ワークステーション9から取得する。表示制御機能714において処理回路71は、シムトレイ検知機能711により検知されたシムトレイの位置及び向きに応じて、鉄シムの貼り付け位置を示す支援情報を作業者の視界に重畳表示する(S104)。
【0080】
図7は、第1の実施形態に係るモバイル端末7における支援情報の表示態様の一例を示す図である。
図7は、シムトレイT2を見ている作業者の視界200を模式的に示す。表示制御機能714において処理回路71は、
図7に示すように、作業者の視界200において、複数(
図7では15)のシムポケットそれぞれの位置に、各シムポケットを識別する識別子(
図7では番号)と、当該シムポケットに配置するシムの数とが重畳されるように支援情報の表示位置を決定する。
【0081】
その後、調整機能911において処理回路91は、作業者により実施された磁場計測の結果を取得する(S105)。そして、処理回路91は、磁場計測の結果に基づくシミュレーション結果に基づいて、シム配置の作業による静磁場の調整を終了するか否かを判定する(S106)。なお、S106の処理は、作業が必要なシムトレイのすべてに関して取り外し及び取り付けが検知されたか否かに基づいて判定されてもよい。この場合、S105の処理は実行されなくてもよい。調整終了すると判定されなかったとき(S106:No)、
図5の流れはS103の処理へ戻る。一方で、調整終了すると判定されたとき(S106:Yes)、
図5の流れは終了する。
【0082】
このように、本実施形態に係る支援情報表示システム1において、モバイル端末7は、撮影画像に基づいて作業対象の位置を特定し、当該作業対象の位置に応じてディスプレイ74における、MRI装置10に関する作業を支援する支援情報の表示態様を決定するように構成されている。具体的には、処理回路71は、撮影画像に基づいて作業対象のシムトレイの位置及び向きを特定し、当該作業対象の位置及び向きに応じて支援情報の表示態様を決定する。
【0083】
一例として、支援情報は、複数のシムポケットそれぞれを識別するための識別子と、当該複数のシムポケットそれぞれに配置するシムの数とを示す情報である。このとき、支援情報の識別子及びシムの数は、複数のシムポケットそれぞれの位置に重畳表示される。
【0084】
従来は、PCなどに表示されるシム配置の調整結果を見ながら鉄シムの配置を手で行っていた。しかしながら、調整結果がPCの画面に表示されている場合には、画面表示を見ることと、作業することとの繰り返しで効率が悪く、また、間違える可能性が高かった。シム配置を大きく間違えた場合には、静磁場が均一にならずに消磁が必要になる場合もあった。
【0085】
このような中、上記構成によれば、医用画像処理装置に関する作業の作業者に適切な支援情報を提供することができるため、作業者は、作業対象のシムトレイにおけるシム配置を容易に把握できる。したがって、実施形態に係る支援情報表示システム1によれば、作業におけるミスを低減し、また、作業に要する時間を低減することができる。
【0086】
また、重畳表示される支援情報は、MRI装置10に搭載される複数のシムトレイのうちの取り外しが検知されたシムトレイに関する。より具体的には、重畳表示される支援情報は、作業者の担当範囲からの取り外しが検知されたシムトレイに関する。これにより、実施形態に係る支援情報表示システム1においては、複数のシムトレイのうちの担当する範囲から取り外されたシムトレイに関する支援情報のみを、その作業者のモバイル端末7に表示することができる。これにより、作業対象とは異なる対象についての支援情報に応じて作業してしまうといったミスを抑制することができる。
【0087】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る支援情報表示装置、支援情報表示システム及び支援情報表示方法について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。
【0088】
第1の実施形態に係る支援情報表示システム1は、医用画像処理装置における据付作業やメンテナンス作業における、ハードウェアの設置作業や交換作業、設定作業、調整作業に対して適用することもできる。本実施形態では、MRI装置10に搭載された基盤を作業対象とする場合を例に支援情報表示システム1を説明する。
【0089】
作業対象をMRI装置10に搭載された基盤とする場合の医用画像処理装置に関する作業としては、MRI装置10に基盤を設置又は追加する設置作業や、設置された基盤を交換する交換作業、MRI装置10に設置された基盤の設定を行う設定作業、MRI装置10に設置された基盤の設定を調整又は変更する調整作業などがあり得る。
【0090】
支援情報取得機能712において処理回路71は、MRI装置10に搭載された基盤に関する作業を支援する支援情報を医用ワークステーション9から取得する。また、表示制御機能714において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像に基づいてディスプレイ74における支援情報の表示態様を決定する。
【0091】
一例として、MRI装置10に搭載された基盤に関する支援情報は、MRI装置10における基盤の取り付け位置を示す情報を含む。この場合、表示制御機能714において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像に基づいて基盤の取り付け位置を特定し、特定された取り付け位置に支援情報が重畳されるように支援情報の表示位置を決定する。MRI装置10における基盤の取り付け位置は、例えば、撮影画像に対する画像認識処理において、基盤の取り付け位置の形状又は基盤の取り付け位置に予め設けられたマーカを認識することにより特定することができる。なお、当該支援情報には、基盤の取り付け手順や取り付けに使用するツールや治具などの使い方、基盤を取り付ける向き、すなわちMRI装置10における基盤の取り付け方向などを示す情報が含まれていてもよい。
【0092】
一例として、MRI装置10に搭載された基盤に関する支援情報は、基盤の設定を示す情報を含む。具体的には、支援情報は、基盤の設定における作業対象及び設定値などの設定内容を示す情報を含む。例えば、基盤の設定における作業対象は、基盤に設けられたディップスイッチ(Dual In-line Package switch:DIP-SW)などである。この場合、表示制御機能714において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像に基づいてDIP-SWなどの作業対象の位置を特定し、特定された位置に支援情報が重畳されるように支援情報の表示位置を決定する。MRI装置10におけるDIP-SWなどの作業対象の位置は、例えば、撮影画像に対する画像認識処理において、基盤の設定における作業対象の形状や、基盤における当該作業対象の位置及び基盤の形状、当該作業対象の位置に予め設けられたマーカを認識することにより特定することができる。なお、当該支援情報には、当該作業対象に対する設定手順や設定に使用するツールや治具などの使い方、調整作業で使用するプローブの位置などを示す情報が含まれていてもよい。
【0093】
一例として、MRI装置10に搭載された基盤に関する支援情報は、コネクタの接続ポートを示す情報を含む。この場合、表示制御機能714において処理回路71は、撮影機能713により得られた撮影画像に基づいてコネクタの接続ポートの位置を特定し、特定されたコネクタの接続ポートの位置に支援情報が重畳されるように支援情報の表示位置を決定する。コネクタの接続ポートの位置は、例えば、撮影画像に対する画像認識処理において、コネクタの接続ポートの形状や、基盤におけるコネクタの接続ポートの位置及び基盤の形状、コネクタの接続ポートの位置に予め設けられたマーカを認識することにより特定することができる。なお、当該支援情報には、接続ポートへのコネクタの接続手順や接続に使用するツールや治具などの使い方を示す情報が含まれていてもよい。
【0094】
従来、MRI装置などの医用画像処理装置には、様々なシステムやハードウェアが搭載されているため、医用画像処理装置における据付作業やメンテナンス作業における、ハードウェアの設置作業や交換作業、設定作業、調整作業は、マニュアルを見て確認しながらの作業になり時間を要していた。また、設定だけ異なる複数枚の基盤を設置する場合もあり、基盤の交換等の作業において基盤の位置や設定、コネクタの接続ポート等を誤ってしまい、動作不良や部品の損傷が発生するなど、問題解決に時間を要してしまう場合もあった。また、基盤を設置した後に設定や調整を行う際に、プローブの位置や設定値等を間違えてしまうこともあった。
【0095】
このような中、本実施形態に係る支援情報表示システム1においては、モバイル端末7により得られた撮影画像に基づき、基盤などの作業対象に応じた位置に作業対象に関する支援情報が重畳表示される。この構成によれば、設置ミスや設定ミスを低減し、作業の効率化を図ることができる。
【0096】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る支援情報表示装置、支援情報表示システム及び支援情報表示方法について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。
【0097】
第1の実施形態では、鉄シムの貼り付け位置のオーバーレイ表示を行い、どこに鉄シムを貼るかを視覚的に指示することで、貼り間違いなどを減らすことができる支援情報表示システム1を説明したが、これに限らない。支援情報表示システム1は、医用画像診断装置で得られる医用画像におけるノイズ対策に関する作業に適用することもできる。
【0098】
図8は、第3の実施形態に係る支援情報表示システム1の構成の一例を示す図である。第3の実施形態に係る支援情報表示システム1において、医用ワークステーション9は、
図8に示すように、ネットワークNを介して通信可能に外部端末8に接続されている。なお、医用ワークステーション9に限らず、モバイル端末7がネットワークNを介して通信可能に外部端末8に接続されていてもよい。
【0099】
本実施形態に係る医用ワークステーション9の支援情報生成機能912において処理回路91は、モバイル端末7により得られた、MRI装置10のディスプレイ145における医用画像の表示画面を含む撮影画像を外部端末8へ出力する。なお、処理回路91は、モバイル端末7により得られた撮影画像とは別に、MRI装置10により得られた医用画像を外部端末8へ出力してもよい。また、処理回路91は、外部端末8により受け付けた指示情報を取得し、当該指示情報をモバイル端末7において表示するための支援情報を生成する。
【0100】
外部端末8は、バックオフィスなど、作業場所とは異なる場所において、専門的な知識や技術を有する有識者や熟練者(以下、担当者と記載する。)により使用されるコンピュータである。外部端末8は、モバイル端末7により得られた撮影画像を表示する。また、外部端末8は、支援者により入力された指示情報を医用ワークステーション9へ出力する。ここで、指示情報とは、MRI装置10により得られた医用画像を確認した支援者により入力される、医用画像に含まれるノイズの発生源や医用画像におけるノイズを低減するノイズ対策を示す情報である。
【0101】
従来、医用画像にノイズが含まれているような場合、医用画像を分析してノイズの発生源と思われるものを想定したり、測定によりノイズの発生源を特定したりしていた。しかしながら、作業者の経験からシールドやグランドの強化などを試行錯誤してノイズ対策を行う場合、作業者の経験によっては、ノイズ対策の作業に時間を要したり、ノイズ低減の効果が小さかったりする場合があった。また、現地に派遣された作業者が専門的な知識や技術を有する担当者に状況を共有する手段がタイムリーではなく、また、ノイズの発生源を特定して対策する作業には経験が要求されるため、担当者の判断に必要な情報を作業者が適切に提供できず、何度もやり取りが発生する場合があった。
【0102】
このような中、本実施形態に係る支援情報表示システム1においては、モバイル端末7により得られた、MRI装置10のディスプレイ145における医用画像の表示画面を含む撮影画像がリアルタイムで共有される。この構成によれば、作業環境にいる作業者の視界に、ノイズの発生源に合った測定方法などの指示情報に基づく支援情報を表示することができる。このため、作業者は、リアルタイムに熟練のエンジニアなどと情報共有し、的確な指示を受けることができる。つまり、速やかにノイズを特定し、その対策方法などをモバイル端末7の撮影画像を共有する熟練エンジニアなどの担当者から指示することにより、対策漏れや作業の効率化を図ることができる。
【0103】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る支援情報表示装置、支援情報表示システム及び支援情報表示方法について説明する。ここでは、主に第3の実施形態との相違点を説明する。
【0104】
なお、医用画像処理装置に搭載されたシステム、すなわちソフトウェアの不具合への対応作業においては、MRI装置10のディスプレイ145の表示画面(コンソール画面)がモバイル端末7により得られる撮影画像に含まれる場合があり得る。また、担当者への問い合わせや検討依頼のためにログ情報を表示させた表示画面など、コンソール画面を含む動画やコンソール画面のキャプチャ画像を担当者へ送信する場合もあり得る。
【0105】
しかしながら、医用画像を含む表示画面には患者情報、すなわち患者の個人情報が表示されるため、医用画像を含む表示画面をリアルタイムに担当者と共有することは困難であった。
【0106】
そこで、本実施形態では、MRI装置10に搭載されたソフトウェアの不具合への対応作業を例に、医用画像を含む表示画面において患者情報を秘匿可能に構成された支援情報表示システム1を説明する。
【0107】
図9は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置における通常モードの表示画面300の一例を示す図である。
図9は、医用画像の表示領域と、患者情報の表示領域とを含む表示画面を例示する。
図10は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置における秘匿モードの表示画面300の一例を示す図である。
図10は、医用画像の表示領域と、秘匿された患者情報の表示領域R1,R2とを含む表示画面を例示する。
【0108】
MRI装置10の支援機能1421において処理回路142は、
図9及び
図10に示すように、ディスプレイ145に表示される表示画面300を通常モードと秘匿モードとの間で遷移させるためのアイコン301を表示する。
【0109】
例えば、作業者は、医用画像を含む表示画面を担当者と共有する場合など、コンソール画面の患者情報を秘匿したい場合には、通常モードの表示画面300においてアイコン301を選択する。支援機能1421において処理回路142は、作業者による操作入力に応じた入力インタフェース144の出力に基づいて通常モードの表示画面300に表示されたアイコン301が選択されたことを検知したとき、表示画面300を通常モードから秘匿モードに切り替える。秘匿モードの表示画面300において、処理回路142は、
図10に示すように、表示領域R1,R2を非表示にする。ここで、本実施形態に係る支援機能1421を実現する処理回路142は、共有支援部の一例である。
【0110】
例えば、作業者は、医用画像を含む表示画面の担当者との共有が終了した後など、コンソール画面において患者情報を秘匿する必要がない場合には、秘匿モードの表示画面300においてアイコン301を選択する。支援機能1421において処理回路142は、作業者による操作入力に応じた入力インタフェース144の出力に基づいて秘匿モードの表示画面300に表示されたアイコン301が選択されたことを検知したとき、表示画面300を秘匿モードから通常モードに切り替える。通常モードの表示画面300において、処理回路142は、
図9に示すように、秘匿モードの表示画面300で秘匿される患者情報を表示する。
【0111】
なお、支援機能1421において処理回路142は、
図9及び
図10に示すように、秘匿モードへの遷移したとき、強調表示するなどアイコン301の表示態様を通常モードとは異ならせる。
【0112】
なお、通常モードと秘匿モードとの間の切り替えは、入力インタフェース144に対する操作入力に限らず、モバイル端末7の入力インタフェース73に対する操作入力に基づいて実現されてもよい。
【0113】
なお、モバイル端末7の支援情報取得機能712において処理回路71は、作業者によりコンソール画面の秘匿モードへの遷移が指示されたとき、撮影機能713により得られた撮影画像に対して、コンソール画面の患者情報の表示領域を切り抜く、あるいは当該表示領域を塗り潰すマスク処理を施す。マスク処理を施す領域は、コンソール画面における患者情報の表示領域の位置が固定されている場合など、その位置を予め記憶回路72などに記憶しておけばよい。また、処理回路71は、マスク処理後の撮影画像を外部端末8又は医用ワークステーション9へ送信(出力)する。ここで、マスク処理により秘匿モードを実現する構成において、支援情報取得機能712を実現する処理回路71は、出力部の一例である。
【0114】
なお、通常モードと秘匿モードとの間の切り替えは、モバイル端末7の入力インタフェース73に対する操作入力に限らず、秘匿モードの間におけるアイコン301の表示態様が撮影画像に基づいて認識されることにより実現されてもよい。また、マスク処理により秘匿モードを実現する構成においては、ディスプレイ145に患者情報が表示されていても構わない。
【0115】
このように、本実施形態に係る支援情報表示システム1においては、医用画像を含む表示画面において患者情報を秘匿可能である。このため、現地の作業者から開発者などの担当者への説明が困難なソフトウェアの不具合であっても、情報共有を早く確実に行うことができるため、適切な対処に繋げることができる。
【0116】
なお、上述の各実施形態に係る支援情報表示システム1は、適宜組合せ可能である。
【0117】
例えば、第2の実施形態に係る支援情報表示システム1において、医用画像におけるノイズの種類に応じてノイズ発生源の候補が選定可能であるとする。例えば、ノイズの種類と、ノイズ発生源の候補と、各候補に対する対策との対応が予め定められて記憶回路72,92などに記憶されていればよい。この場合、表示制御機能714において処理回路71は、撮影画像に含まれるノイズ発生源の候補の位置を、上述の実施形態と同様にして特定し、特定されたノイズ発生源の候補の位置に、その候補に対する対策などの支援情報を表示する。この構成によれば、ノイズの発生源の特定を容易として、作業の効率化を図ることができる。
【0118】
また、例えば、本実施形態に係る支援情報表示システム1において、熟練のエンジニアなどの担当者により入力された指示情報に基づいて、医用画像処理装置における据付作業やメンテナンス作業における、ハードウェアの設置作業や交換作業、設定作業、調整作業における支援情報が生成されてもよい。この構成によれば、熟練のエンジニアなどの担当者からコツを教わりながら作業することができるため、作業者は、安全、かつ、正確に交換作業を行うことができる。
【0119】
なお、上述の各実施形態に係る支援情報表示システム1において、モバイル端末7及び医用ワークステーション9は一体に構成されていてもよい。つまり、上述の医用ワークステーション9において実行される各種の処理は、モバイル端末7において実行されても構わない。
【0120】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、ASIC、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)等の回路を意味する。PLDは、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)を含む。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プログラムが保存された記憶回路は、コンピュータ読取可能な非一時的記録媒体である。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現してもよい。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1~
図4における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0121】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、医用画像処理装置に関する作業の作業者に適切な支援情報を提供することができる。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0123】
1 支援情報表示システム
10 MRI装置(医用画像処理装置)
111 磁石架台
112 静磁場磁石
113 メインコイル
114 シールドコイル
115 傾斜磁場コイルユニット
116 RFコイル
121 寝台
122 天板
131 傾斜磁場電源
132 送信回路
133 受信回路
134 寝台制御回路
135 シーケンス制御回路
141 コンソール
142 処理回路
1421 支援機能(取り外し検知部、共有支援部)
143 記憶回路
144 入力インタフェース(入力部)
145 ディスプレイ
146 通信回路
5 医用モダリティ(医用画像処理装置)
7 モバイル端末(支援情報表示装置)
71 処理回路
711 シムトレイ検知機能(検知部)
712 支援情報取得機能(取得部,出力部)
713 撮影機能(撮影部)
714 表示制御機能(表示制御部)
72 記憶回路
73 入力インタフェース(入力部)
74 ディスプレイ(表示部)
75 通信回路
76 撮像装置(撮影部)
9 医用ワークステーション(医用画像処理装置,支援情報表示装置)
91 処理回路
911 調整機能
912 支援情報生成機能
92 記憶回路
93 通信回路