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特開2023-135351高周波コイル装置及び高周波コイル装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135351
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】高周波コイル装置及び高周波コイル装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20230921BHJP
   G01N 24/08 20060101ALI20230921BHJP
   G01R 33/385 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
A61B5/055 351
A61B5/055 355
A61B5/055 311
A61B5/055 370
G01N24/08 520A
G01R33/385
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040513
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB34
4C096AD06
4C096AD10
4C096AD23
4C096BA05
4C096BB07
4C096CC32
4C096CD04
4C096DA01
(57)【要約】
【課題】高周波コイル装置の電力効率を下げずに、高精度な測定結果を得ること。
【解決手段】実施形態に係る高周波コイル装置は、磁気共鳴イメージング装置のボア内に配置される高周波コイル装置であって、取得部と、供給部と、制御部とを備える。取得部は、前記ボア内に置かれた被検体から生じた核磁気共鳴信号を取得する。供給部は、スイッチングレギュレータとリニアレギュレータとを含み、前記高周波コイル装置の構成要素へ電圧を供給する。制御部は、前記磁気共鳴イメージング装置の撮像シーケンスに基づいて、前記スイッチングレギュレータと前記リニアレギュレータとを選択的に駆動する。ここで、前記制御部は、前記核磁気共鳴信号が取得される期間を含む第1の期間では前記リニアレギュレータを駆動し、前記第1の期間以外の第2の期間では前記スイッチングレギュレータを駆動する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴イメージング装置のボア内に配置される高周波コイル装置であって、
前記ボア内に置かれた被検体から生じた核磁気共鳴信号を取得する取得部と、
スイッチングレギュレータとリニアレギュレータとを含み、前記高周波コイル装置の構成要素へ電圧を供給する供給部と、
前記磁気共鳴イメージング装置の撮像シーケンスに基づいて、前記スイッチングレギュレータと前記リニアレギュレータとを選択的に駆動する制御部とを備え、
前記制御部は、前記核磁気共鳴信号が取得される期間を含む第1の期間では前記リニアレギュレータを駆動し、前記第1の期間以外の第2の期間では前記スイッチングレギュレータを駆動する、
高周波コイル装置。
【請求項2】
前記撮像シーケンスは、前記磁気共鳴イメージング装置によって行われる高周波磁場の送信及び前記核磁気共鳴信号の取得を含むスキャンの実行を規定する、
請求項1に記載の高周波コイル装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記撮像シーケンスによって規定された前記高周波磁場の送信タイミング又は前記核磁気共鳴信号の取得期間に基づいて、前記第1の期間を設定する、
請求項2に記載の高周波コイル装置。
【請求項4】
前記磁気共鳴イメージング装置は、無線通信によって前記高周波コイル装置に前記撮像シーケンスを送信する第1の通信部を備える、
請求項1~3のいずれか一つに記載の高周波コイル装置。
【請求項5】
前記高周波コイル装置は、無線通信によって前記磁気共鳴イメージング装置に前記核磁気共鳴信号に基づく測定データを送信する第2の通信部をさらに備える、
請求項1~4のいずれか一つに記載の高周波コイル装置。
【請求項6】
前記無線通信は、前記核磁気共鳴信号の周波数より高い周波数を用いて行われる、
請求項4又は5に記載の高周波コイル装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の期間に加えて、前記測定データが送信される期間を含む第3の期間では前記リニアレギュレータを駆動し、前記第1の期間及び前記第3の期間以外の第4の期間では前記スイッチングレギュレータを駆動する、
請求項5に記載の高周波コイル装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記高周波コイル装置が前記磁気共鳴イメージング装置のボア内から外れた位置に配置された場合に、前記スイッチングレギュレータを駆動する、
請求項1~6のいずれか一つに記載の高周波コイル装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記高周波コイル装置が前記磁気共鳴イメージング装置のボア内から外れた位置に配置された場合に、前記第3の期間であれば、前記リニアレギュレータを駆動し、前記第3の期間でなければ、前記スイッチングレギュレータを駆動する、
請求項7に記載の高周波コイル装置。
【請求項10】
バッテリをさらに備え、
前記供給部は、前記バッテリからの電圧を前記構成要素へ供給する、
請求項1~9のいずれか一つに記載の高周波コイル装置。
【請求項11】
磁気共鳴イメージング装置のボア内に配置される高周波コイル装置の制御方法であって、
前記高周波コイル装置の取得部が、前記ボア内に置かれた被検体から生じた核磁気共鳴信号を取得するステップと、
前記高周波コイル装置の供給部が、スイッチングレギュレータとリニアレギュレータとを含み、前記高周波コイル装置の構成要素へ電圧を供給するステップと、
前記高周波コイル装置の制御部が、前記磁気共鳴イメージング装置の撮像シーケンスに基づいて、前記スイッチングレギュレータと前記リニアレギュレータとを選択的に駆動するステップとを含み、
前記制御部は、前記核磁気共鳴信号が取得される期間を含む第1の期間では前記リニアレギュレータを駆動し、前記第1の期間以外の第2の期間では前記スイッチングレギュレータを駆動する、
高周波コイル装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、高周波コイル装置及び高周波コイル装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な分野で、目視できない物理現象を数値化・可視化するための測定技術が進歩している。例えば、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)の分野では、MRI装置の磁場中(撮像領域内)における被検体の微弱な核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)信号を高周波(Radio Frequency:RF)コイル装置によって捉え、エネルギ変換を経て画像データを取得することが行われている。ここで、一般的に、センシング素子で得られた電気信号の多くは、アナログ・デジタルコンバータ(以下A/Dコンバータ)によってデジタル化される。デジタル化されることにより、データの劣化を心配することなく、保存、伝送、変換などの処理を高速で実現することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-302710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、RFコイル装置の電力効率を下げずに、高精度な測定結果を得ることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るRFコイル装置は、MRI装置のボア内に配置されるRFコイル装置であって、取得部と、供給部と、制御部とを備える。取得部は、前記ボア内に置かれた被検体から生じたNMR信号を取得する。供給部は、スイッチングレギュレータとリニアレギュレータとを含み、前記RFコイル装置の構成要素へ電圧を供給する。制御部は、前記MRI装置の撮像シーケンスに基づいて、前記スイッチングレギュレータと前記リニアレギュレータとを選択的に駆動する。ここで、前記制御部は、前記NMR信号が取得される期間を含む第1の期間では前記リニアレギュレータを駆動し、前記第1の期間以外の第2の期間では前記スイッチングレギュレータを駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態の比較例に係るMRIシステムの動作原理を示す断面図である。
図2図2は、第1の実施形態の比較例に係るMRIシステムにおけるRFコイル装置の構成例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るMRIシステムの動作原理を示す断面図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るMRIシステムにおけるRFコイル装置の構成例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るMRIシステムのタイミングチャートを示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るMRIシステムにより実行される処理のフローチャートである。
図7図7は、第2の実施形態に係るMRIシステムのタイミングチャートを示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係るMRIシステムにより実行される処理のフローチャートである。
図9図9は、第3の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本願に係るRFコイル装置及びRFコイル装置の制御方法の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本願が開示する技術の実現手段としての一例であり、当該技術が適用される装置の構成や各種条件によって適宜に修正又は変更されうる。即ち、本願が開示する技術は、必ずしも以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが、本願が開示する技術の解決手段に必須のものとは限らない。
【0008】
まず、本願に係る実施形態の説明に先立ち、第1の実施形態の比較例に係るMRIシステムの動作原理について説明する。
【0009】
(第1の実施形態の比較例に係るMRIシステムの構成)
図1は、第1の実施形態の比較例に係るMRIシステムの動作原理を示す断面図である。
【0010】
例えば、図1に示すように、MRIシステムは、MRI装置101と、RFコイル装置105とを含む。
【0011】
MRI装置101は、円筒形にくり抜かれた空間部であるボア102を有し、ボア102内にMRI装置101の設置面と並行して非磁性のベッド103が置かれる。そして、ベッド103の上で患者となる被検体104を安静にした状態で、RFコイル装置105が、被検体104の測定箇所に巻き付けられて配置される。これにより、RFコイル装置105は、MRI装置101のボア102内に配置される。
【0012】
この状態で、MRI装置101は、静磁場(非図示)、傾斜磁場(非図示)、及び、ボア102の奥行方向に垂直な面内で回転する高周波磁場106を送信する。そして、RFコイル装置105は、高周波磁場106により被検体104から生じた微弱なNMR信号107を測定する。また、RFコイル装置105は、伝送線路108を介して、測定したNMR信号107をデジタル化した測定データをMRI装置101(又は画像処理装置(非図示))へ送信する。その後、MRI装置101(又は画像処理装置(非図示))において、送信された測定データが画像化される。
【0013】
図2は、第1の実施形態の比較例に係るMRIシステムにおけるRFコイル装置の構成例を示す図である。
【0014】
例えば、図2に示すように、RFコイル装置201は、センシング部202、A/Dコンバータ203、通信部204、制御部205、及び定電圧供給部206を備え、伝送線路207を介して、MRI装置101(又は画像処理装置(非図示))と接続される。
【0015】
センシング部202は、ボア102内に置かれた被検体104から生じたNMR信号107を取得する。具体的には、センシング部202は、並列接続された複数のコイルから構成され、被検体104から生じたNMR信号107が各コイルのループを貫くことで励起された電流値の変化をアナログ電気信号として測定することでNMR信号107を取得する。A/Dコンバータ203は、センシング部202により測定されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換して測定データを取得する。当該測定データは、測定結果として、通信部204によりMRI装置101(又は画像処理装置(非図示))へ送信される。
【0016】
制御部205は、伝送線路207及び通信部204を経由してMRI装置101(又は画像処理装置(非図示))より受信した、MRI装置101によって行われる傾斜磁場の印加、高周波磁場106の送信、及びNMR信号107の取得を含むスキャンの実行を規定した撮像シーケンスに基づいて、A/Dコンバータ203の駆動タイミングを、制御信号を用いて制御する。ここで、MRI装置101(又は画像処理装置(非図示))は、複数パターンの撮像シーケンスを設定、管理、及び選択可能である。
【0017】
定電圧供給部206は、MRI装置101から伝送線路207を経由して供給された電源を、各構成要素へ一定の電圧として供給する役割を担う。
【0018】
伝送線路207は、前述の測定データ、撮像シーケンス、及び電源の他に、MRI装置101(又は画像処理装置(非図示))から供給される、RFコイル装置201で使用されるクロック信号(非図示)等も伝送することが可能である。
【0019】
このような構成において、例えば、定電圧供給部206は、スイッチングレギュレータであるDC/DCコンバータ(以下、DCDC)や、リニアレギュレータである低ドロップアウト(Low Dropout)レギュレータ(以下、LDO)を使用して構成される。
【0020】
このうち、DCDCは、消費電力が低い(即ち、電圧変換効率が高い)反面、リップルや高調波ノイズが大きいといった特徴がある。一方、LDOは、消費電力が高い(即ち、電圧変換効率が低い)反面、リップルや高調波ノイズが小さいといった特徴がある。
【0021】
ここで、上述したRFコイル装置201において、測定結果としての測定データを乱れなく得るためには、センシング部202で得られたアナログ電気信号がA/Dコンバータ203によってデジタル信号に変換される前にノイズが混入することを極力避けるべきである。しかし、定電圧供給部206がDCDCを使用する場合は、DCDCから発生される高調波ノイズがアナログ電気信号に重畳することで、測定データの信号対雑音比(S/N)が劣化しうる。一方、定電圧供給部206がLDOを使用する場合は、このような高調波ノイズが発生しないため、測定データには影響を与えない。
【0022】
さらに、NMR信号107を捉えるRFコイル装置201では、電力効率を下げずに、高精度な測定結果を得ることが望ましい。これについて、定電圧供給部206がDCDCを使用する場合は、電圧変換効率を高くすることができるが、上記のように、DCDCから発生する高調波ノイズによる測定データへの影響が課題となる。RFコイル装置201で得られたアナログ電気信号にノイズが混入してしまうことは、測定結果として得られるデジタル信号の乱れによる画像データのS/N劣化に直結するため、極力避ける必要がある。
【0023】
このようなことから、以下で説明する実施形態では、RFコイル装置の電力効率を下げずに、高精度な測定結果を得ることができるようにしている。
【0024】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。本実施形態では、RFコイル装置とMRI装置との間の通信が無線通信で行われる場合の例を説明する。
【0025】
近年、他の技術分野と同様、MRIの分野でも、デジタル化されたデータ/信号を無線通信で伝送する方式が期待されている。有線で接続されていた配線を無線化することにより、患者に近接して配置されるRFコイル装置にとって配置の自由度が高まることや、配線によって引き起こされる患者の熱傷を防止できることなどのメリットがある。一方で、無線化することによる影響は電源部分にも及び、RFコイル装置は内部の部品を駆動するためのバッテリを搭載する必要が生じる。
【0026】
無線通信を用いるRFコイル装置では、一般的にバッテリから供給される電圧は無線通信で用いる部品を駆動する電圧より高いため、電圧を安定化させるための電圧レギュレータが用いられる。ここでいう電圧レギュレータには、例えば、前述したリニアレギュレータであるLDOや、スイッチングレギュレータであるDCDCがある。
【0027】
このように、無線通信を用いるRFコイル装置は、バッテリから供給される電圧によって駆動するものであるため、MRI装置から大きな電源が供給される場合と比べて、電力効率を下げずに測定結果を得ることがより重要になる。
【0028】
(第1の実施形態に係るMRIシステムの構成)
図3は、第1の実施形態に係るMRIシステムの動作原理を示す断面図である。
【0029】
例えば、図3に示すように、本実施形態に係るMRIシステムは、MRI装置301と、RFコイル装置305とを含む。
【0030】
MRI装置301は、ボア302、及び無線通信部308を有し、ボア302内にMRI装置301の設置面と並行して非磁性のベッド303が置かれる。そして、ベッド303の上で被検体304を安静にした状態で、RFコイル装置305が、被検体304の測定箇所に巻き付けられて配置される。これにより、RFコイル装置305は、MRI装置301のボア302内に配置される。
【0031】
この状態で、MRI装置301は、静磁場(非図示)、傾斜磁場(非図示)、及び高周波磁場306を送信する。そして、RFコイル装置305は、高周波磁場306により被検体304から生じた微弱なNMR信号307を測定する。また、RFコイル装置305は、MRI装置301の無線通信部308と無線接続され、伝送線路309を介して、測定したNMR信号307をデジタル化した測定データをMRI装置301(又は画像処理装置(非図示))へ送信する。そして、送信された測定データが、MRI装置301(又は画像処理装置(非図示))において画像化される。
【0032】
ここで、無線通信部308は、例えば、MRI装置301の外装に固定され、ボア302内のRFコイル装置305と見通し外通信を行う。このとき、無線通信部308は、NMR信号307の周波数より高い周波数を用いて無線通信を行う。例えば、無線通信部308は、電磁波の回り込みを期待できる2.4GHz帯の無線LAN(Local Area Network)を用いて無線通信を行う。なお、無線通信部308によって用いられる無線通信の周波数帯域は、高周波磁場306が使用する周波数帯域である数十~数百MHz帯に重ならなければ良く、より高い周波数を用いる無線通信、例えば5GHz帯を用いる無線LANが用いられても良い。また、無線通信部308による無線通信の方法は、無線LANに限られず、ISM(Industrial Scientific and Medical)バンドを用いた無線通信や、サブミリ波、ミリ波、可視光を用いた無線通信が用いられても良い。ただし、高い周波数が用いられる場合は電磁波の直進性が増すため、無線通信部308は、MRI装置301と切り離して、RFコイル装置305と見通し内通信が可能となるように配置することが望ましい。
【0033】
図4は、第1の実施形態に係るMRIシステムにおけるRFコイル装置の構成例を示す図である。
【0034】
例えば、図4に示すように、RFコイル装置401は、センシング部402、A/Dコンバータ403、通信部404、制御部405、アンテナ406、バッテリ407、及び定電圧供給部408を備える。
【0035】
ここで、センシング部402及びA/Dコンバータ403は、図2に示したRFコイル装置201におけるセンシング部202及びA/Dコンバータ203と同様の機能を有する。即ち、センシング部402は、ボア302内に置かれた被検体304から生じたNMR信号307をアナログ電気信号として測定することでNMR信号307を取得する。また、A/Dコンバータ403は、センシング部402により測定されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換して測定データを取得する。当該測定データは、測定結果として、通信部404によりアンテナ406、及び、MRI装置301の無線通信部308を経由して、MRI装置301(又は画像処理装置(非図示))へ送信される。
【0036】
制御部405は、MRI装置301の無線通信部308、アンテナ406、及び通信部404を経由してMRI装置301(又は画像処理装置(非図示))より受信した、MRI装置301によって行われる傾斜磁場の印加、高周波磁場306の送信、及びNMR信号307の取得を含むスキャンの実行を規定した撮像シーケンスに基づいて、A/Dコンバータ403の駆動タイミングを、制御信号を用いて制御する。ここで、A/Dコンバータ403の駆動タイミングは、受動的に機能するセンシング部402に合わせて能動的に制御する。そのため、NMR信号307の取得に要する期間である取得期間は、ほぼA/Dコンバータ403の駆動期間に等しい。
【0037】
定電圧供給部408は、DCDC409とLDO410とを含み、RFコイル装置401の構成要素へ電圧を供給する。具体的には、定電圧供給部408は、バッテリ407からの電圧を変換してRFコイル装置401の各構成要素へ一定の電圧として供給する電圧変換部として機能し、DCDC409とLDO410は切り替え可能に(例えば並列接続で)構成される。
【0038】
通信部404は、アンテナ406を介してMRI装置301の無線通信部308と無線通信を行うことにより、前述の測定データ、及び撮像シーケンスに加えて、RFコイル装置401で使用するクロック信号(非図示)を送受信する。このとき、通信部404は、NMR信号307の周波数より高い周波数を用いて無線通信を行う。ここで、測定データ、撮像シーケンス、及びクロック信号の相互干渉によるS/Nの劣化を避けるため、各々の通信は、異なるアンテナや周波数帯域を用いても良い。
【0039】
ここで、例えば、上述したセンシング部402、通信部404、制御部405、定電圧供給部408、無線通信部308は、それぞれ、上述した処理機能を有する処理回路によって実現される。この場合に、処理回路は、例えば、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。例えば、処理回路がASICである場合、処理機能が処理回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、処理回路は、処理部ごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つの処理回路として構成し、その処理機能を実現するようにしてもよい。さらに、図4における複数の構成要素を一つの処理回路へ統合して、その処理機能を実現するようにしてもよい。
【0040】
なお、本実施形態におけるセンシング部402は、取得部の一例である。また、本実施形態における通信部404は、第2の通信部の一例である。また、本実施形態における制御部405は、制御部の一例である。また、本実施形態における定電圧供給部408は、供給部の一例である。また、本実施形態における無線通信部308は、第1の通信部の一例である。
【0041】
このような構成において、本実施形態では、制御部405が、MRI装置301の撮像シーケンスに基づいて、DCDC409とLDO410とを選択的に駆動する。
【0042】
具体的には、制御部405は、センシング部402、及びA/Dコンバータ403によって、NMR信号307が取得される取得期間では高周波ノイズが小さいLDO410を駆動し、DCDC409を停止させる。また、制御部405は、取得期間以外の期間では電圧変換効率が高いDCDC409を駆動し、LDO410を停止させる。
【0043】
これにより、消費電力の観点において、有限なバッテリ407の電源容量を考慮した電力駆動を行うことが可能となる。
【0044】
(第1の実施形態に係るDCDCとLDOとの切り替えのタイミング)
図5は、第1の実施形態に係るMRIシステムのタイミングチャートを示す図である。
【0045】
具体的には、図5は、MRIのスピンエコー法におけるパルス系列と合わせて、本実施形態におけるMRI装置301、センシング部402、A/Dコンバータ403、LDO410、DCDC409、及び通信部404の動作のタイミングチャートを示す。なお、ここでは、MRIについての動作原理、及び画像取得に関する子細な説明は省略する。
【0046】
例えば、図5に示すように、MRI装置301は、高周波磁場(90度パルス)を照射し、一定期間(TE/2)の後に再度高周波磁場(180度パルス)を照射する。さらに、MRI装置301は、傾斜磁場(スライス)、傾斜磁場(位相エンコード)、及び傾斜磁場(リードアウト)を用いることで、高周波磁場(180度パルス)から一定期間(TE/2)の後にNMR信号307であるスピンエコーを取得可能となる。
【0047】
そして、RFコイル装置401の制御部405は、MRI装置301の撮像シーケンスによって規定された高周波磁場306の送信タイミング又はNMR信号307の取得タイミングに基づいて、スピンエコーの取得に要する取得期間を設定する。
【0048】
例えば、制御部405は、スピンエコーが測定可能となる撮像タイミングを、高周波磁場306の送信タイミングを規定した撮像シーケンスからTE/2(又はTE)を抽出して算出する。そして、制御部405は、算出した撮像タイミングに基づいて、スピンエコーの取得期間であるA/Dコンバータ403の駆動期間に合わせて、DCDC409、及びLDO410の切り替え制御を行う。ここで、撮像タイミング又は取得期間が、撮像シーケンスに含まれても良い。その場合には、制御部405は、撮像シーケンスに含まれる撮像タイミング又は取得期間に基づいて、切り替え制御を行う。
【0049】
具体的には、A/Dコンバータ403が駆動していない期間では、デジタル信号が生成されず、アナログ電気信号は破棄されるため、DCDC409を停止する期間を、取得期間に限定すれば良い。即ち、制御部405は、NMR信号307が取得される取得期間では高周波ノイズが小さいLDO410を駆動し、DCDC409を停止させる。また、制御部405は、取得期間以外の期間では電圧変換効率が高いDCDC409を駆動し、LDO410を停止させる。この場合に、取得期間は、第1の期間の一例である。また、取得期間以外の期間は、第2の期間の一例である。
【0050】
ここで、DCDC409からLDO410への切り替え時の電圧変動を避けるために、取得期間の開始タイミングから一定の早い時間オフセット(第1のオフセット)を設けても良い。同様に、LDO410からDCDC409への切り替え時の電圧変動を避けるために、取得期間の終了タイミングから一定の遅い時間オフセット(第2のオフセット)を設けても良い。当該時間オフセットは、例えば、制御部405によるA/Dコンバータ403の制御信号に含まれる。
【0051】
このように、時間オフセットを用いる場合、制御部405は、第1のオフセットから取得期間を経て第2のオフセットまでの期間では高調波ノイズが小さいLDO410を駆動し、DCDC409を停止させる。また、制御部405は、第1のオフセットから取得期間を経て第2のオフセットまでの期間以外の期間ではDCDC409を駆動し、LDO410を停止させる。
【0052】
これにより、電圧の安定性を向上しつつ、電力効率に配慮した制御を行うことが可能となる。
【0053】
なお、このタイミングチャートに記載の一連の処理は、撮像シーケンスに伴って規定回数繰り返されうる。また、本実施形態は、スピンエコー法に限らず、MRIに用いる全ての撮像方法(又は撮像シーケンス)に適用されうる。
【0054】
(第1の実施形態に係るMRIシステムによる処理の流れ)
図6は、第1の実施形態に係るMRIシステムにより実行される処理のフローチャートである。
【0055】
具体的には、図6は、本実施形態におけるMRI装置301、及びRFコイル装置401により実行される処理のフローチャートを示す。なお、ここでは、図6の説明に際し、図5に示したタイミングチャートを参照し、時間オフセット(第1のオフセット、及び第2のオフセット)を有効とする。また、MRI装置301とRFコイル装置401は、無線LANによって接続されている状態とし、無線LANの接続処理についての説明は省略する。
【0056】
例えば、図6に示すように、まず、MRI装置301が、撮像シーケンスを決定し(ステップS201)、決定した撮像シーケンスを、無線通信部308を介してRFコイル装置401に送信する(ステップS202)。
【0057】
続いて、RFコイル装置401の制御部405が、撮像シーケンスを受信すると、図5に示したタイミングチャートに基づいて、定電圧供給部408を制御する(ステップS203)。即ち、制御部405は、取得期間の開始から第1のオフセットだけ早めた時刻で、DCDC409を停止させ、LDO410を駆動する。
【0058】
続いて、取得期間において、RFコイル装置401のセンシング部402が、NMR信号307を取得し、A/Dコンバータ403が、NMR信号307をデジタル信号に変換して測定データを取得する(ステップS204)。この時、LDO410が動作しているため、高調波ノイズは発生せず、定電圧供給部408に起因する測定データへのノイズの混入は発生しない。
【0059】
続いて、RFコイル装置401の制御部405が、取得期間の終了から第2のオフセットが経過した時刻で、LDO410を停止させ、DCDC409を駆動する(ステップS205)。
【0060】
続いて、RFコイル装置401の通信部404が、A/Dコンバータ403から出力された測定データを、アンテナ406を介して、無線通信によりMRI装置301へ送信する(ステップS206)。
【0061】
その後、RFコイル装置401の制御部405が、撮像シーケンスによりNMR信号307の取得予定があるか否かを判定し、取得予定がある場合は(ステップS207,Yes)、上述したステップS203~S206の処理を規定回数繰り返す。一方、取得予定がない場合は(ステップS207,No)、制御部405は、上述した一連の処理を終了する。
【0062】
このように、第1の実施形態に係るMRIシステムは、撮像シーケンスに基づいて、測定データを取得している期間にLDO410を駆動し、DCDC409を停止させる。これにより、電力効率の低下を防ぎつつ、センシング部402で得られたNMR信号307をA/Dコンバータ403で取り込む期間に、DCDC409による高調波ノイズの混入を防ぎ、高精度な測定結果を得ることが可能となる。
【0063】
なお、上述した何れの処理においても、制御部405は、測定中断時や非常時等にRFコイル装置401がMRI装置301のボア302内から外れた位置に配置された場合に、撮像シーケンスに関わらず、LDO410を停止させ、DCDC409を駆動しても良い。MRIシステムの構成で示したように、RFコイル装置401がボア302内に配置されなければ被検体304の微弱なNMR信号307を測定できないため、これにより、省電力化を優先させることができる。
【0064】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態の一部を変更し、取得期間に加えて無線通信を考慮して、定電圧供給部を制御する場合の例を説明する。なお、以下では、第1の実施形態と異なる点について説明し、MRIシステムの構成等、第1の実施形態と同様の事項については説明を省略する。
【0065】
(第2の実施形態に係るDCDCとLDOとの切り替えのタイミング)
図7は、第2の実施形態に係るMRIシステムのタイミングチャートを示す図である。
【0066】
具体的には、図7は、MRIのスピンエコー法におけるパルス系列と合わせて、本実施形態におけるMRI装置301、センシング部402、A/Dコンバータ403、LDO410、DCDC409、及び通信部404の動作のタイミングチャートを示す。なお、ここでは、MRIについての動作原理、及び画像取得に関する子細な説明は省略する。
【0067】
例えば、通信部404が2.4GHz帯、及び5GHz帯の無線LANを使用する場合は、DCDC409に起因した高調波ノイズによって、5GHz帯への3次相互変調歪となって無線通信のS/Nを劣化させる要因となりうる。
【0068】
そこで、本実施形態では、制御部405は、スピンエコーの取得期間であるA/Dコンバータ403の駆動期間、及び、通信部404によってMRI装置301に測定データが送信される期間である送信期間に合わせて、DCDC409、及びLDO410の切り替え制御を行う。
【0069】
具体的には、DCDC409を停止する期間を、スピンエコーの取得期間以降、測定データの送信期間までとすれば良い。即ち、制御部405は、取得期間に加えて、送信期間では高周波ノイズが小さいLDO410を駆動し、DCDC409を停止させる。また、制御部405は、取得期間及び送信期間以外の期間では電圧変換効率が高いDCDC409を駆動し、LDO410を停止させる。この場合に、取得期間は、第1の期間の一例である。また、送信期間は、第3の期間の一例である。また、取得期間及び送信期間以外の期間は、第4の期間の一例である。
【0070】
ここで、DCDC409からLDO410への切り替え時の電圧変動を避けるために、取得期間の開始タイミングから一定の早い時間オフセット(第1のオフセット)を設けても良い。同様に、LDO410からDCDC409への切り替え時の電圧変動を避けるために、送信期間の終了タイミングから一定の遅い時間オフセット(第2のオフセット)を設けても良い。当該時間オフセットは、例えば、制御部405によるA/Dコンバータ403の制御信号に含まれる。ここで、送信期間は、例えば、通信部404から制御部405に測定データの残りの送信時間、又は送信終了の通知を行うことで設定する。
【0071】
このように、時間オフセットを用いる場合、制御部405は、第1のオフセットから取得期間及び送信期間を経て第2のオフセットまでの期間では高調波ノイズが小さいLDO410を駆動し、DCDC409を停止させる。また、制御部405は、第1のオフセットから取得期間及び送信期間を経て第2のオフセットまでの期間以外の期間ではDCDC409を駆動し、LDO410を停止させる。
【0072】
これにより、電圧の安定性を向上しつつ、電力効率に配慮した制御を行うことが可能となる。
【0073】
なお、制御部405は、取得期間と送信期間の間隔が十分に離れていると判断した場合に、一度LDO410からDCDC409へ切り替えても良い。
【0074】
(第2の実施形態に係るMRIシステムによる処理の流れ)
図8は、第2の実施形態に係るMRIシステムにより実行される処理のフローチャートである。
【0075】
具体的には、図8は、本実施形態におけるMRI装置301、及びRFコイル装置401により実行される処理のフローチャート例を示す。なお、ここでは、図8の説明に際し、図7に示したタイミングチャートを参照し、時間オフセット(第1のオフセット、及び第2のオフセット)を有効とする。また、MRI装置301とRFコイル装置401は無線LANによって接続されている状態とし、無線LANの接続処理についての説明は省略する。
【0076】
例えば、図8に示すように、まず、MRI装置301が、撮像シーケンスを決定し(ステップS401)、決定した撮像シーケンスを、無線通信部308を介してRFコイル装置401に送信する(ステップS402)。
【0077】
続いて、RFコイル装置401の制御部405が、撮像シーケンスを受信すると、図7に示したタイミングチャートに基づいて、定電圧供給部408を制御する(ステップS403)。即ち、制御部405は、取得期間の開始から第1のオフセットだけ早めた時刻で、DCDC409を停止させ、LDO410を駆動する。
【0078】
続いて、取得期間において、RFコイル装置401のセンシング部402が、NMR信号307を取得し、A/Dコンバータ403が、NMR信号307をデジタル信号に変換して測定データを取得する(ステップS404)。この時、LDO410が動作しているため、高調波ノイズは発生せず、定電圧供給部408に起因する測定データへのノイズの混入は発生しない。
【0079】
続いて、RFコイル装置401の通信部404が、A/Dコンバータ403から出力された測定データを、アンテナ406を介して、無線通信によりMRI装置301へ送信する(ステップS405)。この時も、LDO410が動作しているため、高調波ノイズは発生せず、定電圧供給部408に起因する測定データへのノイズの混入は発生しない。
【0080】
続いて、RFコイル装置401の制御部405が、送信期間の終了から第2のオフセットが経過した時刻で、LDO410を停止させ、DCDC409を駆動する(ステップS406)。
【0081】
その後、RFコイル装置401の制御部405が、撮像シーケンスによりNMR信号307の取得予定があるか否かを判定し、取得予定がある場合は(ステップS407,Yes)、上述したステップS403~S406の処理を規定回数繰り返す。一方、取得予定がない場合は(ステップS407,No)、制御部405は、上述した一連の処理を終了する。
【0082】
このように、第2の実施形態に係るMRIシステムは、撮像シーケンスに基づいて、測定データを取得している期間、及び測定データを送信している期間にLDO410を駆動し、DCDC409を停止させる。これにより、電力効率の低下を防ぎつつ、センシング部402で得られたNMR信号307をA/Dコンバータ403で取り込む期間に、DCDC409による高調波ノイズの混入を防ぎ、高精度な測定結果を得ることが可能となる。
【0083】
なお、第1の実施形態と同様に、上述した何れの処理においても、制御部405は、測定中断時や非常時等にRFコイル装置401がMRI装置301のボア302内から外れた位置に配置された場合に、撮像シーケンスに関わらず、LDO410を停止させ、DCDC409を駆動しても良い。MRIシステムの構成で示したように、RFコイル装置401がボア302内に配置されなければ被検体304の微弱なNMR信号307を測定できないため、これにより、省電力化を優先させることができる。
【0084】
ただし、ノイズの混入の観点からは、測定データを送信している期間は、LDO410を駆動し、DCDC409を停止させることが望ましい。即ち、制御部405は、RFコイル装置401がMRI装置301のボア302内から外れた位置に配置された場合に、送信期間であれば、LDO410を駆動し、DCDC409を停止させ、送信期間でなければ、DCDC409を駆動し、LDO410を停止させる。
【0085】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。上述した第1及び第2の実施形態では、MRI装置とRFコイル装置とを含むMRIシステムについて説明したが、本実施形態では、MRI装置が、上述した実施形態で説明したRFコイル装置を含む場合の例を説明する。
【0086】
図9は、第3の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す図である。
【0087】
例えば、図1に示すように、MRI装置900は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、傾斜磁場電源3、全身用RFコイル4、局所用RFコイル5、送信回路6、受信回路7、RFシールド8、架台9、寝台10、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14~17を備える。
【0088】
静磁場磁石1は、架台9が有するボア9a内の空間に静磁場を発生させる。具体的には、静磁場磁石1は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、その内周側に配置されたボア9a内の空間に静磁場を発生させる。例えば、静磁場磁石1は、超伝導磁石や永久磁石等である。ここでいう超伝導磁石は、例えば、液体ヘリウム等の冷却剤が充填された容器と、当該容器に浸漬された超伝導コイルとから構成される。
【0089】
傾斜磁場コイル2は、静磁場磁石1の内側に配置されており、架台9が有するボア9a内に傾斜磁場を発生させる。具体的には、傾斜磁場コイル2は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸それぞれに対応するXコイル、Yコイル及びZコイルを有している。Xコイル、Yコイル及びZコイルは、傾斜磁場電源3から供給される電流に基づいて、各軸方向に沿って線形に変化する傾斜磁場を発生させる。ここで、Z軸は、静磁場磁石1によって発生する静磁場の磁束に沿うように設定される。また、X軸は、Z軸に直交する水平方向に沿うように設定され、Y軸は、Z軸に直交する鉛直方向に沿うように設定される。ここで、X軸、Y軸及びZ軸は、MRI装置900に固有の装置座標系を構成する。
【0090】
傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2に電流を供給することで、上述した傾斜磁場を発生させる。具体的には、傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2のXコイル、Yコイル及びZコイルに個別に電流を供給することで、互いに直交するリードアウト方向、位相エンコード方向及びスライス方向それぞれに沿って線形に変化する傾斜磁場を発生させる。ここで、リードアウト方向に沿った軸、位相エンコード方向に沿った軸、及びスライス方向に沿った軸は、撮像の対象となるスライス領域又はボリューム領域を規定するための論理座標系を構成する。
【0091】
具体的には、リードアウト方向、位相エンコード方向及びスライス方向それぞれに沿った傾斜磁場は、静磁場磁石1によって発生する静磁場に重畳されることで、被検体Sから発生するNMR信号に空間的な位置情報を付与する。具体的には、リードアウト方向の傾斜磁場は、リードアウト方向の位置に応じてNMR信号の周波数を変化させることで、リードアウト方向の位置情報をNMR信号に付与する。また、位相エンコード方向の傾斜磁場は、位相エンコード方向の位置に応じてNMR信号の位相を変化させることで、位相エンコード方向の位置情報をNMR信号に付与する。また、スライス方向の傾斜磁場は、スライス方向の位置情報をNMR信号に付与する。例えば、スライス方向の傾斜磁場は、スライス断面の撮像(2D撮像)が行われる場合には、スライス断面の方向、厚さ及び枚数を決めるために用いられ、ボリュームデータの撮像(3D撮像)が行われる場合には、スライス方向の位置に応じてNMR信号の位相を変化させるために用いられる。
【0092】
全身用RFコイル4は、傾斜磁場コイル2の内周側に配置されており、架台9のボア9a内に配置された被検体SにRFパルス(励起パルス等)を印加し、当該RFパルスの影響によって被検体Sから発生するNMR信号(エコー信号等)を受信する。具体的には、全身用RFコイル4は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、送信回路6から供給されるRFパルス信号に基づいて、架台9のボア9a内に配置された被検体SにRFパルスを印加する。そして、全身用RFコイル4は、RFパルスの影響によって被検体Sから発生するNMR信号を受信し、受信したNMR信号を受信回路7へ出力する。例えば、全身用RFコイル4は、バードケージ型コイルや、TEM(Transverse Electromagnetic)コイルである。
【0093】
局所用RFコイル5は、撮像時に被検体Sとともに架台9のボア9a内に配置され、被検体Sから発生するNMR信号を受信する。具体的には、局所用RFコイル5は、被検体Sの部位ごとに用意されており、被検体Sの撮像が行われる際に撮像対象の部位の近傍に配置され、全身用RFコイル4によって印加されたRFパルスの影響によって被検体Sから発生するNMR信号を受信する。そして、局所用RFコイル5は、受信したNMR信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してNMRデータを生成し、生成したNMRデータを処理回路15に出力する。例えば、局所用RFコイル5は、サーフェスコイルや、複数のサーフェスコイルをコイルエレメントとして組み合わせて構成されたフェーズドアレイコイルである。
【0094】
送信回路6は、静磁場内に置かれた対象原子核に固有の共鳴周波数(ラーモア周波数)に対応するRFパルス信号を全身用RFコイル4に出力する。具体的には、送信回路6は、パルス発生器、RF発生器、変調器、及び増幅器を有する。パルス発生器は、RFパルス信号の波形を生成する。RF発生器は、共鳴周波数のRF信号を発生する。変調器は、RF発生器によって発生したRF信号の振幅をパルス発生器によって発生した波形で変調することで、RFパルス信号を生成する。増幅器は、変調器によって生成されたRFパルス信号を増幅して全身用RFコイル4に出力する。
【0095】
受信回路7は、全身用RFコイル4から出力されるNMR信号に基づいてNMRデータを生成し、生成したNMRデータを処理回路15に出力する。具体的には、受信回路7は、選択器、前段増幅器、位相検波器、及び、A/D変換器を備える。選択器は、全身用RFコイル4から出力されるNMR信号を選択的に入力する。前段増幅器は、選択器から出力されるNMR鳴信号を増幅する。位相検波器は、前段増幅器から出力されるNMR信号の位相を検波する。A/D変換器は、位相検波器から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換してNMRデータを生成し、生成したNMRデータを処理回路15に出力する。なお、ここで、受信回路7が行うものとして説明した各処理は、必ずしも全ての処理が受信回路7で行われる必要はなく、全身用RFコイル4で一部の処理(例えば、A/D変換器による処理等)が行われてもよい。
【0096】
RFシールド8は、傾斜磁場コイル2と全身用RFコイル4との間に配置されており、全身用RFコイル4によって発生するRFパルスから傾斜磁場コイル2を遮蔽する。具体的には、RFシールド8は、中空の略円筒状(円筒の中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、傾斜磁場コイル2の内周側の空間に、全身用RFコイル4の外周面を覆うように配置されている。
【0097】
架台9は、略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成された中空のボア9aを有し、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、全身用RFコイル4、及びRFシールド8を収容している。具体的には、架台9は、ボア9aの外周側に全身用RFコイル4を配置し、全身用RFコイル4の外周側にRFシールド8を配置し、RFシールド8の外周側に傾斜磁場コイル2を配置し、傾斜磁場コイル2の外周側に静磁場磁石1を配置した状態で、それぞれを収容している。ここで、架台9が有するボア9a内の空間は、撮像時に被検体Sが配置される撮像領域となる。
【0098】
寝台10は、被検体Sが載置される天板(ベッド)10aを備え、被検体Sの撮像が行われる際に、被検体Sが載置された天板10aを架台9のボア9a内へ移動する。例えば、寝台10は、天板10aの長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置されている。
【0099】
なお、ここでは、MRI装置900が、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2及び全身用RFコイル4それぞれが略円筒状に形成された、いわゆるトンネル型の構造を有する場合の例を説明するが、実施形態はこれに限られない。例えば、MRI装置900は、被検体Sが配置される撮像領域を挟んで対向するように一対の静磁場磁石、一対の傾斜磁場コイル及び一対のRFコイルが配置された、いわゆるオープン型の構造を有していてもよい。このようなオープン型の構造では、一対の静磁場磁石、一対の傾斜磁場コイル及び一対のRFコイルによって挟まれた空間が、トンネル型の構造におけるボアに相当する。
【0100】
入力インタフェース11は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インタフェース11は、処理回路17に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路17に出力する。例えば、入力インタフェース11は、撮像条件や関心領域(Region Of Interest:ROI)の設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース11は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース11の例に含まれる。
【0101】
ディスプレイ12は、各種情報を表示する。具体的には、ディスプレイ12は、処理回路17に接続されており、処理回路17から送られる各種情報のデータを表示用の電気信号に変換して出力する。例えば、ディスプレイ12は、液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等によって実現される。
【0102】
記憶回路13は、各種データを記憶する。具体的には、記憶回路13は、処理回路14~17に接続されており、各処理回路によって入出力される各種データを記憶する。例えば、記憶回路13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子やハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0103】
処理回路14は、寝台制御機能14aを有する。寝台制御機能14aは、制御用の電気信号を寝台10へ出力することで、寝台10の動作を制御する。例えば、寝台制御機能14aは、入力インタフェース11を介して、天板10aを長手方向、上下方向又は左右方向へ移動させる指示を操作者から受け付け、受け付けた指示に従って天板10aを移動するように、寝台10が有する天板10aの移動機構を動作させる。
【0104】
処理回路15は、収集機能15aを有する。収集機能15aは、処理回路17の撮像制御機能17bから出力される撮像シーケンスに基づいて、被検体Sのk空間データを収集する。具体的には収集機能15aは、処理回路17の撮像制御機能17bから出力される各種の撮像シーケンスに従って、傾斜磁場電源3、送信回路6、受信回路7及び局所用RFコイル5を駆動することで、NMRデータを収集する。ここで、撮像シーケンスは、傾斜磁場電源3が傾斜磁場コイル2に電流を供給するタイミング及び供給される電流の強さ、送信回路6が全身用RFコイル4にRFパルス信号を供給するタイミング及び供給されるRFパルス信号の強さ、受信回路7がNMR信号をサンプリングするタイミング等を規定した情報である。そして、収集機能15aは、受信回路7及び局所用RFコイル5から出力されるNMRデータを記憶回路13に記憶させる。このとき、記憶回路13に記憶されるNMRデータは、前述した各傾斜磁場によってリードアウト方向、位相エンコード方向及びスライス方向の各方向に沿った位置情報が付与されることで、2次元又は3次元のk空間を表すk空間データとして記憶される。
【0105】
処理回路16は、生成機能16aを有する。生成機能16aは、処理回路15の収集機能15aによって収集された被検体Sのk空間データから画像を生成する。具体的には、生成機能16aは、処理回路15の収集機能15aによって収集されたk空間データを記憶回路13から読み出し、読み出したk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、2次元又は3次元の画像を生成する。そして、生成機能16aは、生成した画像を記憶回路13に記憶させる。
【0106】
処理回路17は、設定機能17aと、撮像制御機能17bとを有する。設定機能17aは、入力インタフェース11を介して操作者から撮像条件の入力を受け付け、入力された撮像条件に基づいて、被検体Sのk空間データを収集するための撮像シーケンスを生成する。撮像制御機能17bは、設定機能17aによって生成された撮像シーケンスを処理回路15に出力することで、処理回路15の収集機能15aにk空間データを収集させる。また、撮像制御機能17bは、処理回路16を制御することで、処理回路15の収集機能15aによって収集されたk空間データから画像を再構成させる。また、撮像制御機能17bは、操作者からの要求に応じて、記憶回路13に記憶されている画像を読み出し、読み出した画像をディスプレイ12に表示させる。
【0107】
ここで、例えば、処理回路14~17は、それぞれプロセッサによって実現される。この場合に、各処理回路が有する処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路13に記憶される。そして、各処理回路は、記憶回路13から各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各処理回路は、図9の各処理回路内に示された各機能を有することとなる。
【0108】
また、処理回路14~17は、それぞれが単一のプロセッサによって実現されるものに限られない。例えば、各処理回路は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、各処理回路が有する処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、上述した説明では、単一の記憶回路13が各処理機能に対応するプログラムを記憶することとしたが、実施形態はこれに限られない。例えば、複数の記憶回路が処理回路ごとに分散して配置され、各処理回路が個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0109】
このような構成のもと、本実施形態では、局所用RFコイル5が、第1又は第2の実施形態で説明したRFコイル装置401の構成を有する。即ち、局所用RFコイル5は、図4に示したセンシング部402、A/Dコンバータ403、通信部404、制御部405、アンテナ406、バッテリ407、及び定電圧供給部408を備える。
【0110】
また、本実施形態では、MRI装置900が、処理回路15の収集機能15aに接続された無線通信部908を有する。そして、局所用RFコイル5と処理回路15の収集機能15aとの間で、第1又は第2の実施形態と同様に、NMRデータ(測定データ)や撮像シーケンス、クロック信号等が送受信される。なお、本実施形態では、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14~17が、第1及び第2の実施形態で説明した画像処理装置に相当する。
【0111】
これにより、第3の実施形態に係るMRI装置900でも、第1及び第2の実施形態と同様に、電力効率の低下を防ぎつつ、センシング部402で得られたNMR信号307をA/Dコンバータ403で取り込む期間に、DCDC409による高調波ノイズの混入を防ぎ、高精度な測定結果を得ることが可能となる。
【0112】
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態では、RFコイル装置とMRI装置との間の通信が無線通信で行われる場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、上述した実施形態で説明したRFコイル装置の制御方法は、図1及び2に示した例のように、RFコイル装置とMRI装置との間の通信が伝送線路等を介した有線通信で行われる場合にも、同様に適用することが可能である。
【0113】
また、上述した実施形態では、定電圧供給部408が、DCDC409とLDO410とを有する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、スイッチングレギュレータが、リニアレギュレータと比べて電圧変換効率が高く、リニアレギュレータが、スイッチングレギュレータと比べて高調波ノイズが小さいという関係性があれば、他の種類のスイッチングレギュレータ及びリニアレギュレータが用いられてもよい。例えば、DCDC409に替えて、スイッチ素子のオン/オフを切り替えることによって出力電圧を制御するように構成された他のスイッチングレギュレータが用いられてもよい。このようなスイッチングレギュレータの例として、例えば、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御方式のコンバータ、パルス周波数変調(Pulse Frequency Modulation:PFM)制御方式のコンバータ等が挙げられる。また、例えば、LDO410に替えて、入力と出力との間に挿入された制御素子を制御することによって入力電圧と出力電圧との関係を線形に動作させるように構成された他のリニアレギュレータが用いられてもよい。
【0114】
また、上記説明では、「プロセッサ」が各処理機能に対応するプログラムを記憶回路から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで、各処理機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該処理機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成し、その処理機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を一つのプロセッサへ統合して、その処理機能を実現するようにしてもよい。
【0115】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0116】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、RFコイル装置の電力効率を下げずに、高精度な測定結果を得ることができる。
【0117】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
401 RFコイル装置
402 センシング部
405 制御部
407 バッテリ
408 定電圧供給部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9