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特開2023-135365ピッキングシステム、ピッキング方法、及びピッキングプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135365
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】ピッキングシステム、ピッキング方法、及びピッキングプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
B65G1/137 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040528
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】古屋 春仁
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC01
3F522GG04
3F522GG13
3F522GG45
3F522HH02
3F522HH13
3F522HH22
3F522HH36
3F522JJ01
3F522KK07
3F522LL58
(57)【要約】
【課題】ピッキング作業が完了した移載先載置体に対して、誤って物品が移載されることを回避する。
【解決手段】制御装置は、取出元エリアAsにある取出元載置体9sが、移載先エリアAdにある移載先載置体9dに移載するべきオーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体9fである場合には、移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出処理Podの実行開始以後に取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるように、取出元載置体供給装置1を制御して取出元載置体供給処理Pssを実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングシステムであって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給装置と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出装置と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出装置と、
前記取出元載置体供給装置、前記取出元載置体搬出装置、及び、前記移載先載置体搬出装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、前記取出元載置体供給装置を制御して取出元載置体供給処理を実行する、ピッキングシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記取出元載置体搬出処理を実行した後に、前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行する、請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
作業者によって操作される操作部を備え、
前記操作部は、前記移載先載置体への前記オーダー物品群の移載が完了した場合に前記作業者によって操作されるピッキング完了受付部と、前記取出元エリアにある前記取出元載置体から前記オーダー物品群に含まれる前記物品の取り出しが完了した場合に前記作業者によって操作される取出完了受付部と、を備え、
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記取出元載置体搬出処理を実行し、前記ピッキング完了受付部が操作されたことに基づいて前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行する、請求項2に記載のピッキングシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行する、請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
作業者によって操作される操作部を備え、
前記操作部は、前記取出元エリアにある前記取出元載置体から前記オーダー物品群に含まれる前記物品の取り出しが完了した場合に前記作業者によって操作される取出完了受付部を備え、
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行する、請求項4に記載のピッキングシステム。
【請求項6】
前記移載先載置体を前記移載先エリアに供給する移載先載置体供給装置を更に備え、
前記制御装置は、前記移載先載置体搬出処理と並行して、前記移載先エリアへ新たな前記移載先載置体を供給する移載先載置体供給処理を実行する、請求項1から5のいずれか一項に記載のピッキングシステム。
【請求項7】
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキング方法であって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給工程と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出工程と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出工程と、を備え、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する前記移載先載置体搬出工程の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、前記取出元載置体供給工程を実行する、ピッキング方法。
【請求項8】
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングプログラムであって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給処理を、取出元載置体供給装置に行わせる取出元載置体供給機能と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出処理を、取出元載置体搬出装置に行わせる取出元載置体搬出機能と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理を、移載先載置体搬出装置に行わせる移載先載置体搬出機能と、をコンピュータに実現させ、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、取出元載置体供給処理を実行する、ピッキングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダー情報により指定された種類及び数の物品からなるオーダー物品群を取出元載置体から取り出して移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングシステム、ピッキング方法、及びピッキングプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許第4048426号公報には、取出元載置体から移載先載置体に物品を移載するピッキング作業を行うための設備が開示されている。以下、背景技術の説明の欄において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された設備は、物品をパレット(2)に載置した状態で収納する物品収納棚(3)と、パレット(2)を搬送する各種搬送装置と、を備えている。物品を載置したパレット(2a)は、物品収納棚(3)からピッキング作業箇所(4)に搬送される。ピッキング作業箇所(4)では、同文献の図3に示すように、取出元載置体である複数のパレット(2a)から移載先載置体である空パレット(2c)に、必要数の物品が移載される。作業者は、移載すべき物品をパレット(2a)から空パレット(2c)に移載した後は、ピック完了釦(16)をON操作することにより当該パレット(2a)を再び物品収納棚(3)に戻す。作業者は、ピッキング作業箇所(4)の空パレット(2c)に必要数の物品が揃うまで、上記の作業を繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4048426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1に開示された設備では、作業者がピック完了釦(16)をON操作することにより、順次新たなパレット(2a)がピッキング作業箇所(4)に搬送され、当該ピッキング作業箇所(4)のパレット(2a)が順次入れ替えられる。そのため、移載先載置体である空パレット(2c)に対するピッキング作業が完了して当該空パレット(2c)に必要数の物品が揃った後に、作業者が、入れ替え後の新たなパレット(2a)から、ピッキング作業が完了した移載先載置体に対して誤って物品を移載する場合があり得る。
【0006】
上記実状に鑑みて、ピッキング作業が完了した移載先載置体に対して、誤って物品が移載されることを回避可能な技術の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るピッキングシステムは、
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングシステムであって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給装置と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出装置と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出装置と、
前記取出元載置体供給装置、前記取出元載置体搬出装置、及び、前記移載先載置体搬出装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、前記取出元載置体供給装置を制御して取出元載置体供給処理を実行する。
【0008】
本開示に係るピッキング方法は、
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキング方法であって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給工程と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出工程と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出工程と、を備え、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する前記移載先載置体搬出工程の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、前記取出元載置体供給工程を実行する。
【0009】
本開示に係るピッキングプログラムは、
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングプログラムであって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給機能と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出機能と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出機能と、をコンピュータに実現させ、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、取出元載置体供給処理を実行する。
【0010】
本構成によれば、最終物品が移載されてピッキング作業が完了した移載先載置体を搬出するための移載先載置体搬出処理(移載先載置体搬出工程)の実行開始以後に取出元エリアへ新たな取出元載置体が供給されるように、取出元エリアへ新たな取出元載置体を供給する取出元載置体供給処理(取出元載置体供給工程)が実行される。そのため、ピッキング作業が完了した移載先載置体が移載先エリアにあり且つ新たな取出元載置体が取出元エリアにある状態が継続することはない。従って、本構成によれば、ピッキング作業が完了した移載先載置体に対して、誤って別のオーダーに係る物品が移載されることを回避することができる。
【0011】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ピッキングシステムの概略平面図
図2】オーダー最終載置体を判定する場合の説明図
図3】取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体でない場合の処理を示す説明図
図4】取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体である場合の処理を示す説明図
図5】制御装置の処理手順を示すフローチャート
図6】第2実施形態において、制御装置の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
ピッキングシステムの第1実施形態について説明する。
【0014】
図1に示すように、ピッキングシステム100では、物品90が載置体9に載置された状態で搬送される。載置体9には、取出元載置体9sと移載先載置体9dとが含まれる。取出元載置体9sは、単一種類の複数の物品90からなる単一物品群Gsを載置するように構成されている。移載先載置体9dは、オーダー情報(α、β、γ…)により指定された種類及び数の物品90からなるオーダー物品群Goを載置するように構成されている。本明細書では、載置体9としてパレットを例示している。しかし、折り畳みコンテナや段ボール箱などの容器を載置体9として用いても良い。
【0015】
本開示に係るピッキングシステム100は、単一種類の複数の物品90からなる単一物品群Gsを載置していると共に取出元エリアAsに配置された取出元載置体9sから、オーダー情報(α、β、γ…)により指定された種類及び数の物品90からなるオーダー物品群Goを取り出して移載先エリアAdに配置された移載先載置体9dに移載するピッキング作業を行うためのシステムである。ピッキング作業では、単一物品群Gsを載置している取出元載置体9sから移載先載置体9dへの必要な物品90の移載を、複数の取出元載置体9s毎に繰り返し行うことにより、移載先載置体9dに、オーダー物品群Goに含まれる物品90を集める。なお、1つのオーダー物品群Goに含まれる複数の物品90を、複数の移載先載置体9dに分配して移載するようにしても良い。すなわち、複数の移載先載置体9dによって1つのオーダー物品群Goに含まれる複数の物品90が載置されるように構成されていても良い。
【0016】
図1に示すように、ピッキングシステム100は、取出元載置体9sが供給される取出元エリアAsと、移載先載置体9dが供給される移載先エリアAdと、取出元エリアAsに配置された取出元載置体9sから移載先エリアAdに配置された移載先載置体9dに物品90を移載するピッキング作業が行われるピッキングエリアApと、を備えている。ピッキングエリアApでは、作業者Wまたはロボット(不図示)によってピッキング作業が行われる。本実施形態において、ピッキングエリアApでは、作業者Wによってピッキング作業が行われる。なお、図示の例では、ピッキングシステム100は、取出元エリアAsに供給される取出元載置体9sが一時的に待機させられる待機エリアAwを更に備えている。
【0017】
取出元エリアAsと移載先エリアAdとは、互いに隣接して配置されている。ピッキングエリアApは、取出元エリアAs及び移載先エリアAdの双方に対して隣接して配置されている。本実施形態では、取出元エリアAsは、物品供給路R1(後述)の一部に配置されている。移載先エリアAdは、載置体供給路R3(後述)の一部に配置されている。すなわち本実施形態では、取出元エリアAsと移載先エリアAdとは、互いに異なる経路に配置されると共に、互いに隣接して配置されている。そして、ピッキングエリアApは、物品供給路R1及び載置体供給路R3の外部に配置されると共に、取出元エリアAs及び移載先エリアAdの双方に対して隣接して配置されている。
【0018】
ピッキングシステム100は、取出元載置体9sを取出元エリアAsに供給する取出元載置体供給装置1と、取出元エリアAsから取出元載置体9sを搬出する取出元載置体搬出装置2と、移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出装置4と、取出元載置体供給装置1、取出元載置体搬出装置2、及び、移載先載置体搬出装置4を制御する制御装置Cと、を備えている。
【0019】
本実施形態では、ピッキングシステム100は、移載先載置体9dを移載先エリアAdに供給する移載先載置体供給装置3を更に備えている。そして、制御装置Cは、取出元載置体供給装置1、取出元載置体搬出装置2、及び、移載先載置体搬出装置4に加えて、移載先載置体供給装置3を制御する。
【0020】
制御装置Cは、取出元載置体供給装置1を制御することで取出元載置体9sを取出元エリアAsに供給する取出元載置体供給処理Pss(取出元載置体供給工程)と、取出元載置体搬出装置2を制御することで取出元エリアAsから取出元載置体9sを搬出する取出元載置体搬出処理Pos(取出元載置体搬出工程)と、移載先載置体搬出装置4を制御することで移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出処理Pod(移載先載置体搬出工程)と、を実行するように構成されている。本実施形態では、制御装置Cは、移載先載置体供給装置3を制御することで移載先載置体9dを移載先エリアAdに供給する移載先載置体供給処理Psd(移載先載置体供給工程)を更に実行するように構成されている。制御装置Cは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各処理または各機能が実現される。
【0021】
本実施形態では、取出元載置体供給装置1は、コンベヤを用いて構成されている。取出元載置体供給装置1は、単一物品群Gsを載置した取出元載置体9sが取出元エリアAsに供給されるまでの経路である物品供給路R1を構成している。本実施形態では、ピッキングシステム100は、単一物品群Gsを載置した取出元載置体9sを複数保管する物品保管部5を備えている。そして、物品供給路R1は、物品保管部5から取出元エリアAsまでを繋ぐ経路の少なくとも一部を構成している。図示の例では、上述の待機エリアAwは、物品供給路R1における、取出元エリアAsよりも搬送方向(取出元載置体9sが搬送される方向)の上流側に配置されている。
【0022】
本実施形態では、取出元載置体搬出装置2は、コンベヤを用いて構成されている。取出元載置体搬出装置2は、ピッキング作業によって必要な物品90を取り出し終えた取出元載置体9sが再び物品保管部5に戻るまでの経路である戻り路R2を構成している。戻り路R2は、取出元エリアAsから物品保管部5までを繋ぐ経路の少なくとも一部を構成している。
【0023】
本実施形態では、移載先載置体供給装置3は、コンベヤを用いて構成されている。移載先載置体供給装置3は、物品90を載置していない空の載置体9が移載先エリアAdに供給されるまでの経路である載置体供給路R3を構成している。本実施形態では、ピッキングシステム100は、空の載置体9を複数保管する空載置体保管部6を備えている。そして、載置体供給路R3は、空載置体保管部6から移載先エリアAdまでを繋ぐ経路の少なくとも一部を構成している。
【0024】
本実施形態では、移載先載置体搬出装置4は、コンベヤを用いて構成されている。移載先載置体搬出装置4は、取出元載置体9sからのオーダー物品群Goの移載が完了した移載先載置体9d、すなわちピッキング作業が完了した移載先載置体9dが搬出される経路である搬出路R4を構成している。本実施形態では、ピッキングシステム100は、オーダー物品群Goを出荷するための出荷部7を備えている。図示の例では、出荷部7は、複数のオーダー情報(α、β、γ…)毎に配置されている。そして、搬出路R4は、移載先エリアAdから各出荷部7までを繋ぐ経路の少なくとも一部を構成している。
【0025】
出荷部7には、オーダー情報(α、β、γ…)に基づいてピッキングされたオーダー物品群Goが搬送される。本例では、「オーダー情報」には、物品90の種類や数の他、出荷先や出荷時間などの各種情報が含まれる。出荷部7に搬送されたオーダー物品群Goは、車両、船舶、航空機などの搬送手段によって、目的の出荷先へ搬送される。
【0026】
本実施形態では、ピッキングシステム100は、作業者Wによって操作される操作部8を備えている。図示の例では、操作部8は、ピッキングエリアApに配置されている。
【0027】
操作部8は、取出元エリアAsにある取出元載置体9sからオーダー物品群Goに含まれる物品90の取り出しが完了した場合に作業者Wによって操作される取出完了受付部8sと、移載先載置体9dへのオーダー物品群Goの移載が完了した場合に作業者Wによって操作されるピッキング完了受付部8dと、を備えている。取出完了受付部8s及びピッキング完了受付部8dのうち少なくとも一方は、ボタンやレバーを用いて構成されていても良いし、モニタやタッチパネルに表示されたアイコンなどを用いて構成されていても良い。
【0028】
ここで、本開示に係るピッキングシステム100では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sが、移載先エリアAdにある移載先載置体9dに移載するべきオーダー物品群Goのうち最後に移載される最終物品90を載置しているオーダー最終載置体9f(図4参照)である場合には、移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出処理Podの実行開始以後に取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるように、取出元載置体供給装置1を制御して取出元載置体供給処理Pssを実行する。なお、「以後」には、その時点とそれより後の時点との双方が含まれる。そのため、新たな取出元載置体9sは、移載先載置体搬出処理Podの実行開始時点に、又は、移載先載置体搬出処理Podの実行開始時点よりも後の時点に、取出元エリアAsへ供給される(到達する)。
【0029】
このように、最終物品90が移載されてピッキング作業が完了した移載先載置体9dを搬出するための移載先載置体搬出処理Podの実行開始以後に取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるように、取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sを供給する取出元載置体供給処理Pssが実行される。そのため、ピッキング作業が完了した移載先載置体9dが移載先エリアAdにあり且つ新たな取出元載置体9sが取出元エリアAsにある状態が継続することはない。例えば、移載先載置体搬出処理Podの実行開始時点よりも後の時点に、取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるようにした場合には、ピッキング作業が完了した移載先載置体9dが移載先エリアAdにある状態で、新たな取出元載置体9sが取出元エリアAsに供給されることがない。従って、本開示に係るピッキングシステム100によれば、ピッキング作業が完了した移載先載置体9dに対して、誤って別のオーダー情報に係る物品90が移載されることを回避することができる。
【0030】
本実施形態では、制御装置Cは、オーダー物品群Goに含まれる物品90を集めるために必要な取出元載置体9sを特定し、複数の取出元載置体9sを特定した場合には、当該複数の取出元載置体9sのうち取出元エリアAsに最後に供給される取出元載置体9sをオーダー最終載置体9fと判定する。
【0031】
例えば図2は、オーダー情報αに係るオーダー物品群Goに含まれる物品90を集めるために必要な取出元載置体9sのリストを示している。図示の例では、オーダー情報αに係るオーダー物品群Goが、複数の取出元載置体A,B,Cのそれぞれに載置された物品90によって構成されている場合を示している。例えば、ピッキングエリアApに表示部を設け、当該表示部に上記リストを表示するようにしても良い。図2に示すリストは、取出元載置体Aからa個の物品90を取り出し、取出元載置体Bからb個の物品90を取り出し、取出元載置体Cからc個の物品90を取り出すことで、オーダー情報αに係るオーダー物品群Goに含まれる複数の物品90が集まることを意味している。
【0032】
図2に示す例では、制御装置Cは、オーダー情報αに係るオーダー物品群Goに含まれる物品90(本例では、複数の物品90)を集めるために必要な取出元載置体A,B,Cを特定する。取出元載置体A,B,Cのうち、取出元載置体Cが最初に取出元エリアAsに供給された場合には、作業者Wは、取出元載置体Cからc個の物品90を取り出して移載先載置体9dに移載する。そして、制御装置Cは、取出元載置体Cに対する作業が済んだ旨を記憶する。この旨は、作業者Wの操作によって記憶されても良い。図示の例では、取出元載置体Cに対する作業が済んだ後、リストにおける取出元載置体Cの欄に「済」が記入される(図2の中央図参照)。
【0033】
次に、残った取出元載置体A,Bのうち、取出元載置体Aが取出元エリアAsに供給された場合には、作業者Wは、取出元載置体Aからa個の物品90を取り出して移載先載置体9dに移載する。そして、制御装置Cは、取出元載置体Aに対する作業が済んだ旨を記憶する。図示の例では、取出元載置体Aに対する作業が済んだ後、リストにおける取出元載置体Aの欄に「済」が記入される(図2の右図参照)。
【0034】
そして、制御装置Cは、取出元載置体A,B,Cのうち作業が行われていない取出元載置体B(最後に残った取出元載置体B)をオーダー最終載置体9fと判定する。取出元載置体Bが取出元エリアAsに供給された場合には、作業者Wは、取出元載置体Bからb個の物品90を取り出して移載先載置体9dに移載する。これにより、オーダー物品群Goを構成する全ての物品90が移載先載置体9dに移載され、当該移載先載置体9dに対するピッキング作業が完了する。
【0035】
制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sが、オーダー最終載置体9fである場合とオーダー最終載置体9fでない場合とで、異なる処理を実行する。図3は、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fでない場合に制御装置Cが実行する処理を示している。図4は、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fである場合に制御装置Cが実行する処理を示している。なお、図3及び図4では、複数の載置体9それぞれの動きを区別し易いように、各載置体9に異なる番号(No.1~No.4)を付している。また、載置体9に載置されている物品90は省略している。
【0036】
図3に示すように、本実施形態では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9s(No.1)がオーダー最終載置体9fでない場合、取出元エリアAsから取出元載置体9s(No.1)を搬出する取出元載置体搬出処理Posと、取出元エリアAsに新たな取出元載置体9s(No.2)を供給する取出元載置体供給処理Pssと、を並行して実行する。これにより、取出元エリアAsからの取出元載置体9s(No.1)の搬出と並行して取出元エリアAsへの新たな取出元載置体9s(No.2)の供給が行われるため、次の取出元載置体9s(No.2)からの必要な物品90の取り出し作業を迅速に開始し易い。この場合、新たな取出元載置体9s(No.2)から移載先エリアAdにある移載先載置体9d(No.3)へ物品90が移載され、ピッキング作業が継続される。なお、複数の処理を並行して実行するとは、これら複数の処理を、それぞれの処理の実行期間が少なくとも一部で重複するように実行することを意味する。
【0037】
本実施形態では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9s(No.1)がオーダー最終載置体9fでない場合、取出完了受付部8s(図1参照)が操作されたことに基づいて取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを実行する。すなわち、作業者Wは、取出元エリアAsにある取出元載置体9s(No.1)からオーダー物品群Goに含まれる物品90の取り出しが完了した場合に、取出完了受付部8sを操作する。そして、制御装置Cは、取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを実行し、取出元エリアAsの取出元載置体9sを入れ替える(No.1→No.2)。その後、上述のように、取出元エリアAsの取出元載置体9s(No.2)から移載先エリアAdの移載先載置体9d(No.3)へ物品90を移載するピッキング作業が継続される。
【0038】
図4(a)(b)に示すように、本実施形態では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9s(No.1)がオーダー最終載置体9fである場合、取出元載置体搬出処理Posを実行した後に、移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する。具体的には、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podの実行開始以後に取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるように、移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する。このように移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体供給処理Pssとが並行して実行されるため、ピッキング作業が完了した移載先載置体9d(No.3)が移載先エリアAdに残ったままの状態で、取出元エリアAsに新たな取出元載置体9s(No.2)が供給されないようにすることができる。従って、ピッキング作業が完了した移載先載置体9d(No.3)に対して、誤って別のオーダー情報に係る物品90が移載されることを回避することができる。
【0039】
図4(b)に示すように、本実施形態では、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podと並行して、移載先エリアAdへ新たな移載先載置体9d(No.4)を供給する移載先載置体供給処理Psdを実行する。すなわち本例では、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podと移載先載置体供給処理Psdと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する。これにより、ピッキング作業が完了した移載先載置体9d(No.3)に対する物品90の誤移載を回避できると共に、移載先エリアAdに対する移載先載置体9dの入れ替えを迅速に行うことができる(No.3→No.4)。
【0040】
本実施形態では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9s(No.1)がオーダー最終載置体9fである場合、取出完了受付部8s(図1参照)が操作されたことに基づいて取出元載置体搬出処理Posを実行し(図4(a)参照)、ピッキング完了受付部8d(図1参照)が操作されたことに基づいて移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体供給処理Pssとを実行する(図4(b)参照)。すなわち、作業者Wは、移載先載置体9d(No.3)へのオーダー物品群Goの移載が完了した場合に、ピッキング完了受付部8dを操作する。そして、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体供給処理Pssとを実行する。本実施形態では、制御装置Cは、ピッキング完了受付部8dが操作されたことに基づいて、移載先載置体搬出処理Podと移載先載置体供給処理Psdと取出元載置体供給処理Pssとを実行する。これにより、ピッキング作業が完了した移載先載置体9d(No.3)が移載先エリアAdから搬出されると共に当該移載先エリアAdに新たな移載先載置体9d(No.4)が供給され、取出元エリアAsに新たな取出元載置体9s(No.2)が供給される(図4(b)参照)。
【0041】
図4(c)に示すように、制御装置Cが上記の一連の処理を終えた後は、取出元エリアAsに新たな取出元載置体9s(No.2)が配置されると共に、移載先エリアAdに新たな移載先載置体9d(No.4)が配置される。そして、別のオーダー情報に基づいて、新たな移載先載置体9d(No.4)に対する新たなピッキング作業が開始される。
【0042】
次に、制御装置Cが行う処理手順について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
図5に示すように、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fであるか否かを判定する(ステップ#11)。制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fであると判定した後(ステップ#11;Yes)、取出完了受付部8sが操作された場合には(ステップ#12;Yes)、取出元載置体搬出処理Posを実行する(ステップ#13)。制御装置Cは、その後、ピッキング完了受付部8dが操作された場合には(ステップ#14;Yes)、移載先載置体搬出処理Podと移載先載置体供給処理Psdと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する(ステップ#15)。
【0044】
一方、制御装置Cは、ステップ#11において、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fでないと判定した後(ステップ#11;No)、取出完了受付部8sが操作された場合には(ステップ#16;Yes)、取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する(ステップ#17)。
【0045】
〔第2実施形態〕
次に、ピッキングシステム100の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fである場合での制御装置Cが行う処理が、上記第1実施形態と異なる。以下では、第2実施形態について、上記第1実施形態と異なる点を主に説明する。特に説明しない点については、上記第1実施形態と同様である。
【0046】
本実施形態では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fである場合、移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する。具体的には、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podの実行開始以後に取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるように、移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する。このように移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとが並行して実行されるため、ピッキング作業が完了した移載先載置体9dが移載先エリアAdに残ったままの状態で、取出元エリアAsに新たな取出元載置体9sが供給されないようにすることができる。従って、ピッキング作業が完了した移載先載置体9dに対して、誤って別のオーダー情報に係る物品90が移載されることを回避することができる。また、ピッキング作業が完了した移載先載置体9dを移載先エリアAdから搬出することと並行して、新たな取出元載置体9sが取出元エリアAsに供給されるため、次のオーダー物品群Goについてのピッキング作業を迅速に開始し易い。
【0047】
本実施形態では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fである場合、取出完了受付部8sが操作されたことに基づいて移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを実行する。すなわち、作業者Wは、移載先載置体9dへのオーダー物品群Goの移載が完了した場合に、ピッキング完了受付部8dではなく、取出完了受付部8sを操作する。そして、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podと取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを実行する。なお、本実施形態では、操作部8がピッキング完了受付部8dを備えていなくても良い。
【0048】
次に、制御装置Cが行う処理手順について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
図6に示すように、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fであるか否かを判定する(ステップ#21)。制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fであると判定した後(ステップ#21;Yes)、取出完了受付部8sが操作された場合には(ステップ#22;Yes)、移載先載置体搬出処理Podと移載先載置体供給処理Psdと取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する(ステップ#23)。
【0050】
一方、制御装置Cは、ステップ#21において、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fでないと判定した後(ステップ#21;No)、取出完了受付部8sが操作された場合には(ステップ#24;Yes)、取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを並行して実行する(ステップ#25)。
【0051】
〔ピッキング方法およびピッキングプログラム〕
上記において第1実施形態及び第2実施形態を例示して説明したピッキングシステム100によれば、ピッキング作業が完了した移載先載置体9dに対して、誤って物品90が移載されることを回避できる。上記で説明したピッキングシステム100の構成は、ピッキング方法やピッキングプログラムにも用いることができる。
【0052】
すなわち、ピッキング方法は、単一種類の複数の物品90からなる単一物品群Gsを載置していると共に取出元エリアAsに配置された取出元載置体9sから、オーダー情報により指定された種類及び数の物品90からなるオーダー物品群Goを取り出して移載先エリアAdに配置された移載先載置体9dに移載するピッキング作業を行うための方法である。
【0053】
このピッキング方法は、取出元載置体9sを取出元エリアAsに供給する取出元載置体供給工程と、取出元エリアAsから取出元載置体9sを搬出する取出元載置体搬出工程と、移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出工程と、を備えている。そして、ピッキング方法では、取出元エリアAsにある取出元載置体9sが、移載先エリアAdにある移載先載置体9dに移載するべきオーダー物品群Goのうち最後に移載される最終物品90を載置しているオーダー最終載置体9fである場合には、移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出工程の実行開始以後に取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるように、取出元載置体供給工程を実行する。本開示に係るピッキング方法では、移載先載置体9dを移載先エリアAdに供給する移載先載置体供給工程を更に実行する。
【0054】
また、ピッキングプログラムは、単一種類の複数の物品90からなる単一物品群Gsを載置していると共に取出元エリアAsに配置された取出元載置体9sから、オーダー情報により指定された種類及び数の物品90からなるオーダー物品群Goを取り出して移載先エリアAdに配置された移載先載置体9dに移載するピッキング作業を行うためのプログラムである。
【0055】
このピッキングプログラムは、取出元載置体9sを取出元エリアAsに供給する取出元載置体供給処理を、取出元載置体供給装置1に行わせる取出元載置体供給機能と、取出元エリアAsから取出元載置体9sを搬出する取出元載置体搬出処理を、取出元載置体搬出装置2に行わせる取出元載置体搬出機能と、移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出処理を、移載先載置体搬出装置4に行わせる移載先載置体搬出機能と、をコンピュータに実現させる。そして、ピッキングプログラムは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sが、移載先エリアAdにある移載先載置体9dに移載するべきオーダー物品群Goのうち最後に移載される最終物品90を載置しているオーダー最終載置体9fである場合には、移載先エリアAdから移載先載置体9dを搬出する移載先載置体搬出処理の実行開始以後に取出元エリアAsへ新たな取出元載置体9sが供給されるように、取出元載置体供給処理を実行する。本開示に係るピッキングプログラムでは、移載先載置体9dを移載先エリアAdに供給する移載先載置体供給処理を、移載先載置体供給装置3に行わせる移載先載置体供給機能も、更にコンピュータに実現させる。ピッキングプログラムは、例えば、当該ピッキングプログラムを記録した記録媒体(光ディスクやフラッシュメモリ等の、コンピュータが読み取り可能な記録媒体)により提供され、或いは、通信ネットワークを介して提供される。そして、提供されたピッキングプログラムは、コンピュータが参照可能な記憶装置に記憶される。本実施形態では、制御装置C(具体的には、制御装置Cが備える演算処理装置)が「コンピュータ」として機能する。
【0056】
〔その他の実施形態〕
次に、ピッキングシステム、ピッキング方法、及びピッキングプログラムのその他の実施形態について説明する。
【0057】
(1)上記の実施形態では、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fでない場合、取出元エリアAsから取出元載置体9sを搬出する取出元載置体搬出処理Posと、取出元エリアAsに新たな取出元載置体9sを供給する取出元載置体供給処理Pssと、を並行して実行する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置Cは、取出元エリアAsにある取出元載置体9sがオーダー最終載置体9fでない場合であっても、取出元載置体搬出処理Posと取出元載置体供給処理Pssとを異なる時期に実行しても良い。
【0058】
(2)上記の実施形態では、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podと並行して、移載先エリアAdへ新たな移載先載置体9dを供給する移載先載置体供給処理Psdを実行する例について説明した。しかし、制御装置Cは、移載先載置体搬出処理Podと移載先載置体供給処理Psdとを異なる時期に実行しても良い。
【0059】
(3)上記の実施形態では、作業者Wが操作部8を操作することに基づいて、取出元載置体供給処理Pss、取出元載置体搬出処理Pos、移載先載置体供給処理Psd、及び移載先載置体搬出処理Podの各処理が実行される例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、作業者Wの意思を介することなく、制御装置Cが自動的に各処理を実行しても良い。この場合、操作部8は不要である。
【0060】
(4)上記の実施形態では、取出元載置体供給装置1、取出元載置体搬出装置2、移載先載置体供給装置3、及び移載先載置体搬出装置4が、コンベヤを用いて構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上記の各装置は、上下方向に沿って載置体9を搬送するリフタや、水平軸まわりに載置体9を周回させるように搬送する搬送装置など、複数の載置体9を同じ経路で連続して搬送する装置であれば良い。
【0061】
(5)上記の実施形態では、ピッキングシステム100が、移載先載置体9dを移載先エリアAdに供給する移載先載置体供給装置3を更に備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ピッキングシステム100は、移載先載置体供給装置3を備えていなくても良い。この場合、例えば作業者Wによって、移載先エリアAdに移載先載置体9dが供給されても良い。
【0062】
(6)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0063】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明したピッキングシステム、ピッキング方法、及びピッキングプログラムについて説明する。
【0064】
本開示に係るピッキングシステムは、
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングシステムであって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給装置と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出装置と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出装置と、
前記取出元載置体供給装置、前記取出元載置体搬出装置、及び、前記移載先載置体搬出装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、前記取出元載置体供給装置を制御して取出元載置体供給処理を実行する。
【0065】
本構成によれば、最終物品が移載されてピッキング作業が完了した移載先載置体を搬出するための移載先載置体搬出処理(移載先載置体搬出工程)の実行開始以後に取出元エリアへ新たな取出元載置体が供給されるように、取出元エリアへ新たな取出元載置体を供給する取出元載置体供給処理(取出元載置体供給工程)が実行される。そのため、ピッキング作業が完了した移載先載置体が移載先エリアにあり且つ新たな取出元載置体が取出元エリアにある状態が継続することはない。従って、本構成によれば、ピッキング作業が完了した移載先載置体に対して、誤って別のオーダーに係る物品が移載されることを回避することができる。
【0066】
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記取出元載置体搬出処理を実行した後に、前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行する、と好適である。
【0067】
本構成によれば、取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体でない場合、取出元エリアからの取出元載置体の搬出と並行して取出元エリアへの新たな取出元載置体の供給が行われるため、次の取出元載置体からの必要な物品の取り出し作業を迅速に開始し易い。また、取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体である場合、移載先エリアからの移載先載置体の搬出と並行して取出元エリアへの新たな取出元載置体の供給が行われるため、次のオーダー物品群についてのピッキング作業を迅速に開始し易い。
【0068】
作業者によって操作される操作部を備え、
前記操作部は、前記移載先載置体への前記オーダー物品群の移載が完了した場合に前記作業者によって操作されるピッキング完了受付部と、前記取出元エリアにある前記取出元載置体から前記オーダー物品群に含まれる前記物品の取り出しが完了した場合に前記作業者によって操作される取出完了受付部と、を備え、
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記取出元載置体搬出処理を実行し、前記ピッキング完了受付部が操作されたことに基づいて前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行する、と好適である。
【0069】
本構成によれば、取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体であるか否かに応じて、作業者の操作に基づき、移載先載置体搬出処理、取出元載置体搬出処理、及び取出元載置体供給処理を適切に実行することができる。
【0070】
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを並行して実行する、と好適である。
【0071】
本構成によれば、取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体でない場合、取出元エリアからの取出元載置体の搬出と並行して取出元エリアへの新たな取出元載置体の供給が行われるため、次の取出元載置体からの必要な物品の取り出し作業を迅速に開始し易い。また、取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体である場合、移載先エリアからの移載先載置体の搬出と並行して取出元エリアからの取出元載置体の搬出と取出元エリアへの新たな取出元載置体の供給とが行われるため、次のオーダー物品群についてのピッキング作業を迅速に開始し易い。
【0072】
作業者によって操作される操作部を備え、
前記操作部は、前記取出元エリアにある前記取出元載置体から前記オーダー物品群に含まれる前記物品の取り出しが完了した場合に前記作業者によって操作される取出完了受付部を備え、
前記制御装置は、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体でない場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行し、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が前記オーダー最終載置体である場合、前記取出完了受付部が操作されたことに基づいて前記移載先載置体搬出処理と前記取出元載置体搬出処理と前記取出元載置体供給処理とを実行する、と好適である。
【0073】
本構成によれば、取出元エリアにある取出元載置体がオーダー最終載置体であるか否かに応じて、作業者の操作に基づき、移載先載置体搬出処理、取出元載置体搬出処理、及び取出元載置体供給処理を適切に実行することができる。
【0074】
前記移載先載置体を前記移載先エリアに供給する移載先載置体供給装置を更に備え、
前記制御装置は、前記移載先載置体搬出処理と並行して、前記移載先エリアへ新たな前記移載先載置体を供給する移載先載置体供給処理を実行する、と好適である。
【0075】
本構成によれば、移載先エリアに対する移載先載置体の入れ替えを迅速に行うことができる。
【0076】
本開示に係るピッキング方法は、
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキング方法であって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給工程と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出工程と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出工程と、を備え、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する前記移載先載置体搬出工程の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、前記取出元載置体供給工程を実行する。
【0077】
本開示に係るピッキングプログラムは、
単一種類の複数の物品からなる単一物品群を載置していると共に取出元エリアに配置された取出元載置体から、オーダー情報により指定された種類及び数の前記物品からなるオーダー物品群を取り出して移載先エリアに配置された移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングプログラムであって、
前記取出元載置体を前記取出元エリアに供給する取出元載置体供給処理を、取出元載置体供給装置に行わせる取出元載置体供給機能と、
前記取出元エリアから前記取出元載置体を搬出する取出元載置体搬出処理を、取出元載置体搬出装置に行わせる取出元載置体搬出機能と、
前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理を、移載先載置体搬出装置に行わせる移載先載置体搬出機能と、をコンピュータに実現させ、
前記取出元エリアにある前記取出元載置体が、前記移載先エリアにある前記移載先載置体に移載するべき前記オーダー物品群のうち最後に移載される最終物品を載置しているオーダー最終載置体である場合には、前記移載先エリアから前記移載先載置体を搬出する移載先載置体搬出処理の実行開始以後に前記取出元エリアへ新たな前記取出元載置体が供給されるように、取出元載置体供給処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示に係る技術は、オーダー情報により指定された種類及び数の物品からなるオーダー物品群を取出元載置体から取り出して移載先載置体に移載するピッキング作業を行うためのピッキングシステム、ピッキング方法、及びピッキングプログラムに利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
100 :ピッキングシステム
1 :取出元載置体供給装置
2 :取出元載置体搬出装置
3 :移載先載置体供給装置
4 :移載先載置体搬出装置
8 :操作部
8d :ピッキング完了受付部
8s :取出完了受付部
9 :載置体
9d :移載先載置体
9s :取出元載置体
9f :オーダー最終載置体
90 :物品
Go :オーダー物品群
Gs :単一物品群
Ad :移載先エリア
As :取出元エリア
C :制御装置
W :作業者
Pod :移載先載置体搬出処理
Pos :取出元載置体搬出処理
Psd :移載先載置体供給処理
Pss :取出元載置体供給処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6