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特開2023-135392情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135392
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20230921BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040567
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】230128026
【弁護士】
【氏名又は名称】駒木 寛隆
(72)【発明者】
【氏名】池上 賢
(72)【発明者】
【氏名】上村 朋子
(72)【発明者】
【氏名】町田 佳士
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】患者に対して投与された薬剤に関するより詳細な情報を取得することを可能にする。
【解決手段】プログラムは、医療情報システム1に登録された患者を識別する患者識別情報と、前記患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、前記患者に対して処方された前記薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得する第1の工程と、前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得する第2の工程と、前記オーダー情報に対して、前記取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報50を生成する第3の工程と、前記生成された結合情報50を出力する第4の工程と、をコンピュータに実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療情報システムに登録された患者を識別する患者識別情報と、前記患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、前記患者に対して処方された前記薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得する第1の工程と、
前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得する第2の工程と、
前記オーダー情報に対して、前記取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報を生成する第3の工程と、
前記生成された結合情報を出力する第4の工程と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第1の工程においては、同一の処方箋により処方された少なくとも一つのオーダー情報を取得し、
前記第2の工程においては、前記少なくとも一つのオーダー情報の各々について、当該オーダー情報に含まれる、前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記投薬記録情報を取得し、
前記第3の工程においては、前記少なくとも一つのオーダー情報の各々に対して、当該少なくとも一つのオーダー情報の各々について取得された前記投薬記録情報のデータを付加してなる情報を前記結合情報として生成する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記患者識別情報により識別される患者と同一の患者についての前記投薬記録情報を取得する、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記薬剤識別情報により識別される薬剤と同一の薬剤の投与が記録された前記投薬記録情報を取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記日付情報により示される日から予め定められた日数が経過するまでの期間に投与が記録された前記投薬記録情報を取得する、請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1の工程においては、薬剤の投与方法を示す投与方法情報を更に含む前記オーダー情報を取得し、
前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記投与方法情報により示される投与方法と同一の投与方法による投与が記録された前記投薬記録情報を取得する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2の工程においては、前記投薬記録情報として、薬剤が投与された時刻である投薬時刻を含む情報を取得し、
前記第3の工程においては、前記オーダー情報に対して、前記投薬時刻を前記データとして付加して、前記結合情報を生成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2の工程においては、前記投薬記録情報として、薬剤の投与が開始された時刻及び終了した時刻である開始終了時刻を含む情報を取得し、
前記第3の工程においては、前記オーダー情報に対して、前記開始終了時刻を前記データとして付加して、前記結合情報を生成する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2の工程においては、前記投薬記録情報として、薬剤の投与量を含む情報を取得し、
前記第3の工程においては、前記オーダー情報に対して、前記投与量を前記データとして付加して、前記結合情報を生成する、
請求項1から8のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
医療情報システムに登録された患者を識別する患者識別情報と、前記患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、前記患者に対して処方された前記薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得し、
前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得し、
前記オーダー情報に対して、前記取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報を生成し、
前記生成された結合情報を出力する、
制御部を備える、情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
医療情報システムに登録された患者を識別する患者識別情報と、前記患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、前記患者に対して処方された前記薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得する第1の工程と、
前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得する第2の工程と、
前記オーダー情報に対して、前記取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報を生成する第3の工程と、
前記生成された結合情報を出力する第4の工程と、
を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、診療行為の支援を行うための医療情報システムに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-11711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療情報システムでは、医師が患者に対して処方した薬剤等に関する情報と治療が行われた患者のバイタルデータ等が記録されることが一般的である。そこで、処方された薬剤等の情報と患者のバイタルデータ等の情報の組を含む学習用データセットを生成し、この学習用データセットを用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成することが考えられる。このような学習済みモデルを用いることで、薬剤等の情報とバイタルデータ等の情報を入力として、バイタル情報の変化を予測することができる。このような学習済みモデルは、患者の予後の予測を行い医師の治療計画の立案等の支援を行うこと等に利用することができる。
【0005】
しかし、従来の構成においては、患者に対して投与された薬剤に関する情報が十分でなく、患者の予後予測及び治療内容に関する統計的解析等を高い精度で行うことにつき改善の余地があった。
【0006】
本開示の目的は、患者に対して投与された薬剤に関するより詳細な情報を取得することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、医療情報システムに登録された患者を識別する患者識別情報と、前記患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、前記患者に対して処方された前記薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得する第1の工程と、前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得する第2の工程と、前記オーダー情報に対して、前記取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報を生成する第3の工程と、前記生成された結合情報を出力する第4の工程と、をコンピュータに実行させる。
【0008】
一実施形態として、前記第1の工程においては、同一の処方箋により処方された少なくとも一つのオーダー情報を取得し、前記第2の工程においては、前記少なくとも一つのオーダー情報の各々について、当該オーダー情報に含まれる、前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記投薬記録情報を取得し、前記第3の工程においては、前記少なくとも一つのオーダー情報の各々に対して、当該少なくとも一つのオーダー情報の各々について取得された前記投薬記録情報のデータを付加してなる情報を前記結合情報として生成する。
【0009】
一実施形態として、前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記患者識別情報により識別される患者と同一の患者についての前記投薬記録情報を取得する。
【0010】
一実施形態として、前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記薬剤識別情報により識別される薬剤と同一の薬剤の投与が記録された前記投薬記録情報を取得する。
【0011】
一実施形態として、前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記日付情報により示される日から予め定められた日数が経過するまでの期間に投与が記録された前記投薬記録情報を取得する。
【0012】
一実施形態として、前記第1の工程においては、薬剤の投与方法を示す投与方法情報を更に含む前記オーダー情報を取得し、前記第2の工程においては、前記オーダー情報の前記投与方法情報により示される投与方法と同一の投与方法による投与が記録された前記投薬記録情報を取得する。
【0013】
一実施形態として、前記第2の工程においては、前記投薬記録情報として、薬剤が投与された時刻である投薬時刻を含む情報を取得し、前記第3の工程においては、前記オーダー情報に対して、前記投薬時刻を前記データとして付加して、前記結合情報を生成する。
【0014】
一実施形態として、前記第2の工程においては、前記投薬記録情報として、薬剤の投与が開始された時刻及び終了した時刻である開始終了時刻を含む情報を取得し、前記第3の工程においては、前記オーダー情報に対して、前記開始終了時刻を前記データとして付加して、前記結合情報を生成する。
【0015】
一実施形態として、前記第2の工程においては、前記投薬記録情報として、薬剤の投与量を含む情報を取得し、前記第3の工程においては、前記オーダー情報に対して、前記投与量を前記データとして付加して、前記結合情報を生成する。
【0016】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、医療情報システムに登録された患者を識別する患者識別情報と、前記患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、前記患者に対して処方された前記薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得し、前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得し、前記オーダー情報に対して、前記取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報を生成し、前記生成された結合情報を出力する、制御部を備える。
【0017】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、医療情報システムに登録された患者を識別する患者識別情報と、前記患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、前記患者に対して処方された前記薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得する第1の工程と、前記患者識別情報と、前記日付情報と、前記薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、前記患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得する第2の工程と、前記オーダー情報に対して、前記取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報を生成する第3の工程と、前記生成された結合情報を出力する第4の工程と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一実施形態によれば、患者に対して投与された薬剤に関するより詳細な情報を取得することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の一実施形態に係る医療情報システムの機能構成例を示す図である。
図2図1の情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3図1の情報処理装置が実行する処理内容の一例を示すフローチャートである。
図4図1のオーダー情報DBに記録されたオーダー情報の一例を示す図である。
図5図1の投薬記録情報DBに記録された投薬記録情報の一例を示す図である。
図6】オーダー情報に対応する投薬記録情報を推測する例を示す図である。
図7図4のオーダー情報と図5の投薬記録情報に基づき生成された結合情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面中、同一の構成又は機能を有する部分には、同一の符号を付している。本実施形態の説明において、同一の部分については、重複する説明を適宜省略又は簡略化する場合がある。
【0021】
(医療情報システム)
図1は、本開示の一実施形態に係る医療情報システム1の機能構成例を示す図である。図1に示すように、医療情報システム1は、情報処理装置10、オーダー情報DB20、及び投薬記録情報DB30を備える。情報処理装置10は、オーダー情報DB20及び投薬記録情報DB30とネットワークを介して互いに通信可能に接続される。
【0022】
オーダー情報DB20は、医師が患者に対して処方した薬剤に関する情報であるオーダー情報を記録するデータベース(DB)である。オーダー情報は、例えば、医療情報システム1に登録された患者を識別する患者識別情報と、患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、患者に対して処方された薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含んでもよいが、これら以外の情報を含んでもよい。
【0023】
投薬記録情報DB30は、患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す情報である投薬記録情報を記録するDBである。患者記録情報は、例えば、薬剤が投与された時刻である投薬時刻と、薬剤の投与が開始された時刻及び終了した時刻である開始終了時刻と、薬剤の投与量と、を含んでもよいが、これら以外の情報を含んでもよい。
【0024】
情報処理装置10は、オーダー情報DB20に記録されたオーダー情報と、投薬記録情報DB30に記録された投薬記録情報とに基づき、結合情報50を生成して出力する装置である。情報処理装置10は、例えば、PC(Personal Computer)、WS(Work Station)、又はタブレット等のコンピュータにより実現されるが、これらの装置に限られない。
【0025】
情報処理装置10は、第1取得部41、第2取得部42、生成部43、及び結合情報出力部44の機能要素を備える。第1取得部41は、オーダー情報DB20からオーダー情報を取得する。第2取得部42は、第1取得部41により取得されたオーダー情報に含まれる、患者識別情報と、日付情報と、薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を投薬記録情報DB30から取得する。生成部43は、第1取得部41により取得されたオーダー情報に対して、第2取得部42により取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報50を生成する。結合情報出力部44は、生成部43により生成された結合情報50を出力する。
【0026】
このように、情報処理装置10は、オーダー情報に対して、そのオーダー情報に対応する投薬記録情報に含まれるデータを付加して結合情報50を生成して出力する。結合情報50には、オーダー情報及び投薬記録情報のいずれか一方にしか含まれない、患者に対して投与された薬剤に関する情報が含まれる。すなわち、結合情報50は、既存の医療情報システムで取得されるオーダー情報及び投薬記録情報の各々単独の情報よりも、患者に対して投与された薬剤に関してより詳細な情報を有する。したがって、情報処理装置10によれば、既存の医療情報システムにおいて、患者に対して投与された薬剤に関するより詳細な情報を取得することが可能である。このような結合情報50と患者のバイタルデータ等の情報の組を含む学習用データセットを生成し、この学習用データセットを用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成することで、より精度の高い患者の予後予測を行うことができる。また、このような結合情報50を統計的に解析することで、より有用性ないし信頼性の高い情報を取得することが可能である。
【0027】
なお、機械学習において用いるバイタルデータは、例えば、脈拍数、体温、呼吸数、収縮期血圧、拡張期血圧、意識レベル、尿量、吸入中酸素濃度、血中酸素飽和度及び尿中酸素飽和度等の時系列的変化を示すデータとしてもよい。また、機械学習の際は、このようなバイタルデータに加えて、基本情報(例えば、年齢、性別、身長等)、入院中の処置の内容(例えば、挿管・機械的呼吸補助等)、検査情報(例えば、尿量、クレアチニン、Cl、ナトリウム、Ca等)等のデータも用いられてもよい。
【0028】
なお、本実施形態では、情報処理装置10、オーダー情報DB20、及び投薬記録情報DB30は、それぞれ別の装置により実現される例を説明するが、このような構成に限られない。例えば、オーダー情報DB20及び投薬記録情報DB30の少なくともいずれかは、情報処理装置10によって実現されてもよい。また、情報処理装置10、オーダー情報DB20、及び投薬記録情報DB30の少なくともいずれかが、複数の装置によって実現されてもよい。
【0029】
(情報処理装置)
図2は、図1の情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、及び出力部15を備える。なお、オーダー情報DB20及び投薬記録情報DB30は、情報処理装置10と同様に、制御部、記憶部、通信部、入力部、及び出力部を含んで構成されてよい。
【0030】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含む。制御部11は、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、デジタル信号処理装置(DSP:Digital Signal Processor)、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの任意の組合せを含んでよい。制御部11は、プロセッサに内蔵されるメモリ又はプロセッサとは独立したメモリを含んでよい。制御部11は、情報処理装置10の各部を制御しながら、情報処理装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0031】
記憶部12は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)である。RAMは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。記憶部12は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12には、情報処理装置10の動作に用いられるデータと、情報処理装置10の動作によって得られたデータとが記憶され得る。
【0032】
通信部13は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェース、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)規格、若しくは5G(5th Generation)規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、又はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応したインタフェースである。通信部13は、情報処理装置10の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置10の動作によって得られるデータを送信する。情報処理装置10は、オーダー情報及び投薬記録情報を、通信部13を介して取得することができる。
【0033】
入力部14は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラ等の撮像機器、又はマイクロフォンである。入力部14は、情報処理装置10の動作に用いられるデータを入力するユーザの操作を受け付ける。入力部14は、情報処理装置10に備えられる代わりに、外部の入力機器として情報処理装置10に接続されてもよい。
【0034】
出力部15は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。出力部15は、情報処理装置10の動作によって得られるデータを出力する。出力部15は、情報処理装置10に備えられる代わりに、外部の出力機器として情報処理装置10に接続されてもよい。
【0035】
情報処理装置10の機能は、本実施形態に係るプログラムを、制御部11としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、図1を参照して説明した第1取得部41、第2取得部42、生成部43、及び結合情報出力部44等の、情報処理装置10の各機能要素は、ソフトウェアにより実現される。プログラムは、情報処理装置10の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを情報処理装置10として機能させる。すなわち、コンピュータは、プログラムに従って情報処理装置10の動作を実行することにより情報処理装置10として機能する。
【0036】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)、又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0037】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって処理を実行してもよい。プログラムは、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものを含む。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0038】
情報処理装置10の一部又は全ての機能が、制御部11としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、情報処理装置10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。例えば、図1を参照して説明した第1取得部41、第2取得部42、生成部43、及び結合情報出力部44の各々を別個の情報処理装置により実現してもよい。
【0039】
(情報処理方法)
図3は、図1の情報処理装置10が実行する処理内容の一例を示すフローチャートである。図3を参照して説明する情報処理装置10の動作は情報処理方法の一つに相当し得る。図3の各ステップの動作は、情報処理装置10の制御部11による制御に基づき実行され得る。
【0040】
ステップS1において、制御部11は、オーダー情報を取得する。具体的には、制御部11は、通信部13を介して、オーダー情報DB20からオーダー情報を取得する。オーダー情報は、例えば、レセプトデータとして診療報酬の請求のために電子カルテに記録された情報としてもよい。
【0041】
図4は、図1のオーダー情報DB20に記録されたオーダー情報の一例を示す図である。図4において、「患者ID」は、医療情報システム1に登録された患者を識別する患者識別情報の一例である。図4の例では、患者識別情報が数字により表されている(「1」)が、患者の氏名等のテキスト情報としてもよい。また、「患者ID」は、患者の氏名だけでなく、生年月日、医療施設の識別情報、統一施設における入院を識別する情報等と関連付けた情報としてもよい。
【0042】
「処方日付」は、患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報の一例である。「処方番号」は、医師による処方を識別する情報である。「処方番号」は、例えば、同一の処方箋に対して同一の番号が割り振られてもよい。図4の例では、患者「1」に対し、2021年12月27日において、2回の処方(処方番号「1」「2」)が行われている。処方番号「1」で識別される処方においては、「A(2mg/10mL/管)」及び「生理食塩水」が処方されている。処方番号「2」で識別される処方においては、「B(1mg/10mL/管)」が処方されている。「処方番号」は、同一患者に対し、時系列に従って増加するような番号が割り振られてもよい。
【0043】
「薬剤名称」は、患者に対して処方された薬剤の名称であり、患者に対して処方された薬剤を識別する薬剤識別情報の一例である。図4の例では、「薬剤名称」に、薬剤の名称の他、有効成分量、薬剤の容積、及び単位等を示す情報が含まれている。例えば、図4の例では、処方番号「2」の処方では、「B(1mg/10ml/管)」が処方されている。ここで、「B」は、薬剤の名称を示す情報である。「1mg」は、薬剤の有効成分量を示す情報である。「10ml」は、薬剤の容積を示す情報である。「管」は、薬剤の単位を示す情報である。図4の例では、薬剤の名称により薬剤が識別されているが、薬剤識別情報は、薬剤を識別する数値、日本標準商品分類番号、薬価基準収載医薬品コード、YJコード又は他の文字列等としてもよい。
【0044】
「容量」は、患者に対して処方された薬剤の容量である。「単位」は「容量」の単位である。例えば、処方番号「3」で識別される処方においては、「A(2mg/10mL/管)」が「1管」、及び「生理食塩水」が「15ml」だけ処方されている。
【0045】
オーダー情報は、図4に例示した情報以外の情報を含んでもよい。例えば、オーダー情報は、薬剤の投与方法を示す投与方法情報、「用法」等の項目の説明、処方日数等の情報を更に含んでもよい。
【0046】
ステップS1において、制御部11は、同一の処方箋により処方された少なくとも一つのオーダー情報を取得してもよい。例えば、制御部11は、図4の処方番号が「1」の2つのオーダー情報を取得してもよい。
【0047】
ステップS2において、制御部11は、オーダー情報に含まれる、患者識別情報、日付情報、及び薬剤識別情報の少なくともいずれかを用いて、オーダー情報に対応する投薬記録情報を取得する。具体的には、制御部11は、通信部13を介して、投薬記録情報DB30から投薬記録情報を取得する。投薬記録情報は、例えば、医師又は看護士等の医療従事者が入院患者に対して薬剤投与を行う際に入力した投薬の記録データとしてもよい。
【0048】
図5は、図1の投薬記録情報DB30に記録された投薬記録情報の一例を示す図である。図5において、「患者ID」は、医療情報システム1に登録された患者を識別する情報である。本実施形態に係る医療情報システム1においては、投薬記録情報の患者IDは、オーダー情報の患者IDと同一の情報の形式により示されるが、別の情報の形式により示されてもよい。
【0049】
「投薬日付」は、患者に対して薬剤が投与された日を示す情報である。「投薬時刻」は、患者に対して薬剤が投与された時刻を示す情報である。「薬剤名称」は、患者に対して処方された薬剤の名称である。本実施形態に係る医療情報システム1においては、投薬記録情報の薬剤名称は、オーダー情報の薬剤名称と同一の情報の形式により示されるが、別の情報の形式により示されてもよい。
【0050】
「値mL」は、患者に対してそれまでに投与された薬剤の量(容積)を示す情報である。「データ区分」は、薬剤投与のデータの種類を示す情報である。例えば、一定の時間をかけて持続的に投与する薬剤について、「データ区分」は、「開始」「終了」「継続」のいずれかとなるようにしてもよい。また、例えば、注射のように、一時に投与する薬剤について、「データ区分」は、「開始・終了」(開始と同時に終了)となるようにしてもよい。
【0051】
図5の例では、患者「1」に対し、2021年12月27日の時刻9:00に「A(2mg/10mL/管)」の投与が「開始」し、同日の時刻10:00までに「30mL」が投与されている。「A(2mg/10mL/管)」の投与は、同日の時刻10:00には「継続」しており、同日の時刻10:40に「終了」している。同日の時刻10:00~10:40の時間に投与された「A(2mg/10mL/管)」は「20mL」である。
【0052】
また、患者「1」に対しは、2021年12月27日の時刻10:30に「B(1mg/10mL/管)」が投与されている。「B(1mg/10mL/管)」は一時に投与する薬剤であるため、データ区分は「開始・終了」と示している。
【0053】
さらに、2021年12月28日には、患者「1」に対し、時刻9:00に「A(2mg/10mL/管)」の投与が「開始」し、同日の時刻9:30までに「15mL」が投与されている。「A(2mg/10mL/管)」の投与は、同日の時刻9:30には「継続」しており、同日の時刻9:50に「終了」している。同日の時刻9:30~9:50の時間に投与された「A(2mg/10mL/管)」は「10mL」である。
【0054】
投薬記録情報は、図5に例示した情報以外の情報を含んでもよい。例えば、投薬記録情報は、薬剤の投与方法、薬剤の処方単位、投与の速度(例えば、単位時間当たりの投与量)、投与量の積算値、備考、コメント等の情報を更に含んでもよい。例えば、薬剤の投与方法は、「投与方法情報」として「投与経路情報」と「投与時間情報」とを含んでもよい。ここで、「投与経路情報」は、例えば、「動脈内注射(IA)」、「持続動注(IACI)」、「点滴動注(IADI)」、「筋肉内注射(IM)」、「腹腔内注入(IP)」、「髄膜腔内注入(IT)」、「静脈注射(IV)」、「持続静注(IVCI)」、「点滴静注(IVDI)」、「中心静脈注射(CV)」、「点滴中心静脈注射(CVDI)」、「経口投与(PO)」、「皮下注射(SC)」、「皮内注射(ID)」、「持続皮下注射(SCCI)」等を含んでもよい。「投与時間情報」は、例えば、「時間」、「分」等の単位で時間を表示してもよい。なお、ここに説明した「投与方法情報」の構成は一例であり、これに限らない。
【0055】
図4図5を比較して分かるように、オーダー情報と投薬記録情報とはそれぞれ他方にない情報を含んでいる。例えば、オーダー情報には、医師が処方した薬剤の情報が含まれるが、その薬剤がいつどのような量だけ患者に投与されたかの情報は含まれない。投薬記録情報には患者に対して投薬された薬剤の情報が含まれるが、図5の例では「生理食塩水」が投与された記録がない。このようなオーダー情報と投薬記録情報の一方と、患者のバイタルデータ等の情報との組を含む学習用データセットを用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成しても、それにより取得される患者の予後予測の精度には限界があり得る。また、このようなオーダー情報と投薬記録情報の一方を統計的に解析しても、取得される情報の有用性ないし信頼性には限界があり得る。
【0056】
本実施形態に係る情報処理装置10は、オーダー情報から対応する投薬記録情報を推測し、両者を結合して結合情報50を生成する。前述のように、制御部11は、同一の処方箋により処方された少なくとも一つのオーダー情報を取得してもよい。ステップS2において、制御部11は、ステップS1で取得した少なくとも一つのオーダー情報の各々について、そのオーダー情報に含まれる、患者識別情報、日付情報、及び薬剤識別情報の少なくともいずれかを用いて、投薬記録情報を取得してもよい。例えば、制御部11は、ステップS1で取得した少なくとも一つのオーダー情報の各々について、そのオーダー情報に含まれる、患者識別情報、日付情報、及び薬剤識別情報の少なくともいずれかと同一の情報を含む投薬記録情報を対応する投薬記録情報として取得してもよい。
【0057】
図6は、オーダー情報に対応する投薬記録情報を推測する例を示す図である。例えば、ステップS1で、制御部11が、処方番号が「1」の2つのオーダー情報を取得したとする。この場合、取得したオーダー情報のうち、薬剤名称が「A(2mg/10mL/管)」のオーダー情報は、図6の「*」を付した3つの投薬記録情報と、患者識別情報(患者ID「1」)、日付情報(日付「2021/12/27」)、及び薬剤識別情報(薬剤名称「A(2mg/10mL/管)」)が同一である。そこで、制御部11は、図6の「*」を付した3つの投薬記録情報を、処方番号が「1」の2つのオーダー情報(薬剤名称「A(2mg/10mL/管)」及び「生理食塩水」)に対応する情報として取得する。
【0058】
なお、処方番号が「1」の2つのオーダー情報により示される薬剤の量は、A(2mg/10mL)が2管と生理食塩水30mLとで、合計50mL(=10mL×2+30mL)である。そして、図6の「*」を付した3つの投薬記録情報により示される薬剤の量は50mL(=30mL+20mL)である。制御部11は、このように処方された薬剤と投与された薬剤とで量が整合することにも基づいて、オーダー情報に対応する投薬記録情報を推測してもよい。例えば、制御部11は、投与された薬剤の量が処方された薬剤の量を上回る場合は、その投薬記録情報はオーダー情報に対応しないと判定してもよい。
【0059】
また、制御部11は、オーダー情報の日付情報により示される日から予め定められた日数(例えば、1日、2日、3日、等)が経過するまでの期間に投与が記録された投薬記録情報をオーダー情報に対応する投薬記録情報として推測してもよい。また、制御部11は、オーダー情報の日付情報よりも前の日に投与が「開始」された投薬記録情報は、そのオーダー情報に対応しないと判定してもよい。
【0060】
また、制御部11は、例えば、処方番号が小さいものからオーダー情報に対応する投薬記録情報を推測するようにしてもよい。また、制御部11は、オーダー情報に対応する投薬記録情報として、より投薬の時刻が早いものを優先的に、オーダー情報に対応する対応する投薬記録情報として推測してもよい。このようにすることで、制御部11は、同一の薬剤についての同日のオーダー情報が複数存在する場合に、オーダー情報と投薬記録情報とを適切に対応付けることができる。
【0061】
また、制御部11は、オーダー情報及び投薬記録情報の両方に薬剤の投与方法を示す投薬方法情報が含まれる場合、オーダー情報の投与方法情報と同一の投与方法による投与が記録された投薬記録情報をオーダー情報に対応する投与方法情報と推測してもよい。
【0062】
ステップS3において、制御部11は、ステップS1で取得したオーダー情報に対して、ステップS2で取得した投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報50を生成する。例えば、ステップS1において同一の処方箋により処方された少なくとも一つのオーダー情報を取得した場合、制御部11は、少なくとも一つのオーダー情報の各々に対して、そのオーダー情報について取得された投薬記録情報のデータを付加してなる情報を結合情報50として生成してもよい。例えば、制御部11は、オーダー情報に対し、投薬記録情報に含まれる、薬剤が投与された時刻である投薬時刻、薬剤の投与が開始された時刻及び終了した時刻である開始終了時刻、及び薬剤の投与量を付加することで結合情報50を生成してもよい。
【0063】
図7は、図4のオーダー情報と図5の投薬記録情報に基づき生成された結合情報50の一例を示す図である。図7は、図6の処方番号が「1」のオーダー情報と、それに対応すると推測される「*」を付した3つの投薬記録情報とに基づき生成された結合情報50の例を示している。図7において、「患者ID」、「処方日付」、「処方番号」、「薬剤名称」、「容量」、及び「単位」は、図4のオーダー情報に由来する情報である。「投薬日付」、「投薬時刻」、「値 mL」、及び「データ区分」は、投薬記録情報に由来する情報である。「薬剤と溶解/希釈液の総量」、「投薬成分量 mg」、及び「投薬成分速度 mg/h」は、オーダー情報に投薬記録情報を結合した結果新たに算出可能になった情報である。制御部11は、このように、オーダー情報に投薬記録情報を結合した結果、新たな項目が算出可能になった場合は、その算出結果を結合情報50に含めてもよい。
【0064】
ステップS4において、制御部11は、ステップS3において生成された結合情報50を出力する。具体的には、例えば、制御部11は、結合情報50を記憶部12に出力して記憶させたり、出力部15に表示出力したり、あるいは、通信部13を介して外部装置へ出力したりしてもよい。ステップS4の処理を終えると、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
【0065】
以上のように、情報処理装置10の制御部11は、医療情報システム1に登録された患者を識別する患者識別情報と、患者に対して薬剤が処方された日を示す日付情報と、患者に対して処方された薬剤を識別する薬剤識別情報と、を含むオーダー情報を取得する。制御部11は、患者識別情報と、日付情報と、薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、患者に対して実際に投与された薬剤の記録を示す投薬記録情報を取得する。制御部11は、オーダー情報に対して、取得された投薬記録情報に含まれるデータを付加して、結合情報50を生成し、生成された結合情報50を出力する。
【0066】
このように、情報処理装置10は、既存の医療情報システムで取得されるオーダー情報及び投薬記録情報の各々単独の情報よりも、患者に対して投与された薬剤に関してより詳細な情報を有する結合情報50を生成して出力する。したがって、情報処理装置10によれば、既存の医療情報システムにおいて、患者に対して投与された薬剤に関するより詳細な情報を取得することが可能である。例えば、このような結合情報50とバイタルデータ等を用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成することで、薬剤投与に対応してどのようにバイタルデータ等が変化するかを高い精度で予測することができる。このような学習済みモデルは、集中治療室(ICU:Intensive Care Unit)等の緊迫した医療現場において、患者の予後予測を適切に行い、医師の治療計画の立案等を効果的に支援することを可能にする。
【0067】
また、制御部11は、同一の処方箋により処方された少なくとも一つのオーダー情報を取得してもよい。制御部11は、少なくとも一つのオーダー情報の各々について、当該オーダー情報に含まれる、患者識別情報と、日付情報と、薬剤識別情報と、の少なくともいずれかを用いて、投薬記録情報を取得してもよい。制御部11は、少なくとも一つのオーダー情報の各々に対して、当該少なくとも一つのオーダー情報の各々について取得された投薬記録情報のデータを付加してなる情報を結合情報50として生成してもよい。このように、同一の「処方番号」等により識別される同一の処方箋により処方されたオーダー情報を一括して取り扱うことで、オーダー情報と投薬記録情報とを適切に対応付けることが可能である。
【0068】
また、制御部11は、オーダー情報の患者識別情報により識別される患者と同一の患者についての投薬記録情報を取得してもよい。あるいは、制御部11は、オーダー情報の薬剤識別情報により識別される薬剤と同一の薬剤の投与が記録された投薬記録情報を取得してもよい。あるいは、制御部11は、オーダー情報の日付情報により示される日から予め定められた日数が経過するまでの期間に投与が記録された投薬記録情報を取得してもよい。あるいは、制御部11は、薬剤の投与方法を示す投与方法情報を更に含むオーダー情報を取得し、オーダー情報の投与方法情報により示される投与方法と同一の投与方法による投与が記録された投薬記録情報を取得してもよい。このように、制御部11は、患者識別情報、薬剤識別情報、日付情報、及び投与方法情報等を用いることで、オーダー情報と投薬記録情報とを適切に対応付けることが可能である。
【0069】
また、制御部11は、投薬記録情報として、薬剤が投与された時刻である投薬時刻を含む情報を取得し、オーダー情報に対して、投薬時刻をデータとして付加して、結合情報50を生成してもよい。あるいは、制御部11は、投薬記録情報として、薬剤の投与が開始された時刻及び終了した時刻である開始終了時刻を含む情報を取得し、オーダー情報に対して、開始終了時刻をデータとして付加して、結合情報50を生成してもよい。あるいは、制御部11は、投薬記録情報として、薬剤の投与量を含む情報を取得し、オーダー情報に対して、投与量をデータとして付加して、結合情報50を生成してもよい。このように、制御部11は、投薬時刻、開始終了時刻、投与量等の情報をオーダー情報に付加して結合情報50を生成することで、より有用な情報を含む結合情報50を出力することができる。
【0070】
また、制御部11は、オーダー情報に投薬記録情報を結合した結果、薬剤及び希釈液の総量、投薬成分量、投薬成分速度等の新たな項目が算出可能になった場合は、その算出結果を結合情報50に含めてもよい。このような新たに算出可能になった項目を結合情報50に含めることで、より有用な情報を含む結合情報50を出力することができる。
【0071】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックは統合されてもよいし、又は1つのブロックは分割されてもよい。フローチャートに記載の複数のステップは、記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行されてもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 医療情報システム
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 出力部
20 オーダー情報DB
30 投薬記録情報DB
41 第1取得部
42 第2取得部
43 生成部
44 結合情報出力部
50 結合情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7