(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135393
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】設備制御システム、通信方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20230921BHJP
H04L 67/2869 20220101ALI20230921BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04L67/2869
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040568
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】酒見 隼也
(72)【発明者】
【氏名】杭 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】小伊勢 祥二
(72)【発明者】
【氏名】森田 一成
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048AA02
5K048BA07
5K048CA11
5K048DA02
5K048EB02
5K048HA01
5K048HA02
(57)【要約】
【課題】通信の自由度を拡大する技術を提供する。
【解決手段】設備制御システム1000には、有線の伝送線300を介してフリートポロジー接続される複数の端末を備えられる。複数の端末のうちの1つが親機100であり、複数の端末のうちの残りが子機200である。親機100から子機200への通信と、子機200から親機100への通信には、同一の通信方式が使用可能である。端末間の伝送線300の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線の伝送線を介してフリートポロジー接続される複数の端末を備え、
前記複数の端末のうちの1つが親機であり、前記複数の端末のうちの残りが子機であり、
前記親機から前記子機への通信と、前記子機から親機への通信には、同一の通信方式が使用可能であり、
前記端末間の前記伝送線の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている設備制御システム。
【請求項2】
前記端末間の前記伝送線には電圧信号が伝送される請求項1に記載の設備制御システム。
【請求項3】
前記端末間の前記伝送線に印加されるベース電圧は18V以上、かつ60V以下の範囲内に設定されている請求項2に記載の設備制御システム。
【請求項4】
前記電圧信号は、前記ベース電圧に対する所定の電圧変化により生成される請求項3に記載の設備制御システム。
【請求項5】
前記伝送線のインピーダンスは、30Ω以上、かつ200Ω以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の設備制御システム。
【請求項6】
前記子機は、前記伝送線を介して前記親機から電力供給される請求項1から5のいずれか1項に記載の設備制御システム。
【請求項7】
前記親機の出力電流の最大値は、2A以下である請求項6に記載の設備制御システム。
【請求項8】
前記伝送線を介して直接的に接続される前記親機と前記子機との間の最大線長が1000m以下であり、かつ前記親機と前記子機が直接的または間接的に接続される前記伝送線の総線長が3000m以下である請求項6または7に記載の設備制御システム。
【請求項9】
前記親機は、
前記伝送線を介して通信していない場合に、ベース電圧を出力するインダクタ部と、
前記伝送線を介して通信している場合に、信号の振幅を生成する抵抗部とを含む請求項5から8のいずれか1項に記載の設備制御システム。
【請求項10】
前記端末は、
出力すべき出力信号の送信波形を作成する波形成形部と、前記出力信号の少なくとも一部の周波数成分を除去する第1フィルタ部と、前記出力信号を増幅する第1増幅部とを含む送信回路と、
入力した入力信号の交流成分を抽出する抽出部と、前記入力信号の少なくとも一部の周波数成分を除去する第2フィルタ部と、前記入力信号を増幅する第2増幅部とを含む受信回路とを備える請求項1から9のいずれか1項に記載の設備制御システム。
【請求項11】
前記伝送線を介して接続される前記親機と前記子機との間に配置される増幅器をさらに備える請求項1から10のいずれか1項に記載の設備制御システム。
【請求項12】
前記親機に直列接続される前記増幅器の台数は、10台以下である請求項11に記載の設備制御システム。
【請求項13】
有線の伝送線を介してフリートポロジー接続される複数の端末を備え、前記複数の端末のうちの1つが親機であり、前記複数の端末のうちの残りが子機である設備制御システムにおける通信方法であって、
前記親機から前記子機への通信と、前記子機から親機への通信には、同一の通信方式が使用可能であり、
前記端末間の前記伝送線の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている通信方法。
【請求項14】
請求項13に記載の通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設備制御技術に関し、特に複数の端末が接続される設備制御システム、通信方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具を制御する照明制御システムには管理装置と複数の制御装置とが含まれており、管理装置と制御装置は伝送線を介して互いに通信可能である。その際、管理装置から制御装置へは、データを示す電圧値を有する電圧信号が送信され、制御装置から管理装置へは、データを電流値を有する電流信号が送信される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
管理装置は、電圧信号を送信するための構成と、電流信号を受信するための構成を有し、制御装置は、電流信号を送信するための構成と、電圧信号を受信するための構成を有する。そのため、複数の制御装置間では通信できない。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、通信の自由度を拡大する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の設備制御システムは、有線の伝送線を介してフリートポロジー接続される複数の端末を備える。複数の端末のうちの1つが親機であり、複数の端末のうちの残りが子機であり、親機から子機への通信と、子機から親機への通信には、同一の通信方式が使用可能であり、端末間の伝送線の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている。
【0007】
本開示の別の態様は、通信方法である。この方法は、有線の伝送線を介してフリートポロジー接続される複数の端末を備え、複数の端末のうちの1つが親機であり、複数の端末のうちの残りが子機である設備制御システムにおける通信方法であって、親機から子機への通信と、子機から親機への通信には、同一の通信方式が使用可能であり、端末間の伝送線の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、通信の自由度を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例に係る設備制御システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2(a)-(b)は、
図1の設備制御システムにおける通信の概要を示す図である。
【
図4】
図1の親機、子機の別の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例は、マンション、アパート、ビル、住宅等の施設に設置される複数の照明器具等の機器を制御する設備制御システムに関する。設備制御システムは複数の端末を含み、複数の端末は伝送線により通信可能に接続される。複数の端末の1つが親機であり、複数の端末の残りが子機である。子機は、機器のような制御対象となる端末であり、親機は、子機を制御する端末である。このような設備制御システムにおいて、親機から子機への通信、子機から親機への通信、子機間の通信のような通信の自由度の拡大が望まれる。
【0012】
そのために、本実施例に係る設備制御システムでは、親機から子機への通信と、子機から親機への通信との両方において電圧信号が使用される。これを実現するために、親機と子機は、電圧信号を送信するための構成と、電圧信号を受信するための構成をいずれも有する。これにより、子機間の通信も可能になる。
【0013】
図1は、設備制御システム1000の構成を示す。設備制御システム1000は、親機100、子機200と総称される第1子機200aから第4子機200d、伝送線300、増幅器400と総称される第1増幅器400a、第2増幅器400bを含む。設備制御システム1000に含まれる子機200の数は「4」に限定されず、増幅器400の数は「2」に限定されない。親機100と子機200は「端末」と総称される。複数の端末は有線の伝送線300を介して接続される。
図1では、複数の端末がバス型トポロジーにより接続されているが、バス型トポロジーではなく、スター型トポロジー、リング型トポロジーであってもよい。つまり、複数の端末はフリートポロジー接続可能である。
【0014】
伝送線300には、例えばCPEV、FCPEV、AE線であるので、伝送線300のインピーダンスは、30Ω以上、かつ200Ω以下である。好ましくは40Ω~90Ωであり、より好ましくは60Ω~90Ωである。また、親機100から離れた子機200では、親機100からの電圧信号が減衰される。そのため、入力した電圧信号を増幅してから出力する増幅器400が、伝送線300を介して接続される親機100と子機200との間に配置される。親機100に直列接続される増幅器400の台数は、10台以下である。好ましくは、5台までとされる。直列接続では通信プロトコルと送受信回路、伝送線300での信号遅延から接続台数が決められる。一方、親機100に並列接続される増幅器400の台数は制限されない。
【0015】
伝送線300を介して直接的に接続される親機100と子機200との間の最大線長が1000m以下である。また、親機100と子機200が直接的または間接的に接続される伝送線300の総線長が3000m以下である。好ましくは最大線長が750m、総線長が2250mである。さらに、より好ましくは最大線長が500mであり、総線長が1500mである。線長は、伝送速度と供給電流とトレードオフな関係にある。
【0016】
図2(a)-(b)は、設備制御システム1000における通信の概要を示す。ここでは、親機100、第1子機200a、第2子機200bが示される。
図2(a)において親機100は、電圧信号を送信する。電圧信号は伝送線300を介して第1子機200a、第2子機200bに受信される。
図2(b)において第1子機200aは電圧信号を送信する。電圧信号は伝送線300を介して親機100に受信されるとともに、第2子機200bにも受信される。つまり、親機100から子機200への通信と、子機200から親機100への通信には、同一の通信方式が使用される。
【0017】
図3は、親機100、子機200の構成を示す。ここでは、親機100から子機200に電圧信号を送信する場合を想定する。親機100は、電源電圧110、インピーダンスアッパー120、制御回路130、送信回路140を含む。インピーダンスアッパー120は、インダクタ部122、抵抗部124を含み、送信回路140は、ローパスフィルタ142、トランジスタ144、抵抗部146、グランド148を含む。子機200は、ダイオードブリッジ210、インピーダンスアッパー212、電源回路214、制御回路230、受信回路250を含む。受信回路250は、DCカット252、ローパスフィルタ・増幅部254、コンパレータ256、ワンショットタイマ258を含む。
【0018】
電源電圧110は、端末間の伝送線300に印加されるベース電圧であり、ベース電圧は18V以上、かつ60V以下の範囲内に設定されている。好ましくは18V~30Vに設定される。ベース電圧の下限値は、子機200の動作電圧下限値と、親機100の最大供給電流×伝送線300の抵抗成分の電圧降下分とをもとに決められる。ベース電圧の上限値も同様である。親機100の供給電流の最大値を上げると、伝送線300による電圧降下が大きくなるので、電圧降下分だけベース電圧の上限値が大きくされる。
【0019】
制御回路130は、出力すべき出力信号の送信波形を作成する。送信波形は例えば矩形波である。制御回路130は、端末間の伝送線300の伝送速度を決める。伝送速度の上限値は、伝送線300の配線条件で決められる。端末間の伝送線300の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている。好ましくは10kbps~80kbps、より好ましくは30kbps~50kbpsとされる。
【0020】
ローパスフィルタ142は、出力信号の少なくとも一部の周波数成分、例えば高周波成分を除去する。ローパスフィルタ142は「第1フィルタ部」とも呼ばれる。ローパスフィルタ142は、高周波成分が除去された出力信号をトランジスタ144のベース端子に出力する。出力信号によりオン状態が維持されている間において、電源電圧110から、トランジスタ144と抵抗部146とを介してトランジスタ144に電流が流れる。その際、抵抗部124にも電流が流れることによって、インピーダンスアッパー120から出力される電圧が降下する。例えば、27Vが21Vに降下する。一方、出力信号によりオフ状態が維持されている間において、電源電圧110から、トランジスタ144と抵抗部146とを介してトランジスタ144に電流が流れない。その結果、出力信号の変動に応じて、電圧値が変動する電圧信号が親機100から送信される。電圧信号は、トランジスタ144における出力信号の増幅により生じた電圧変化であって、かつベース電圧に対する所定の電圧変化により生成される。このように、抵抗部124は、伝送線300を介して通信している場合に、電圧信号の振幅を生成する。トランジスタ144は「第1増幅部」とも呼ばれる。
【0021】
端末間の伝送線300には電圧信号が伝送される。また、親機100の出力電流の最大値は、2A以下である。好ましくは1A以下、より好ましくは0.5A以下である。出力電流の最大値は、親機100に接続可能な子機200の数に依存する。例えば、最大値は、ベース電圧の上限値から伝送線300の抵抗成分での低下を差し引いた値が、子機200の動作電圧下限値になるように設定される。
【0022】
子機200のダイオードブリッジ210は全波整流回路であり、誤結線に対応する。インピーダンスアッパー212は低インピーダンス側、つまり電源回路214側への電圧信号の漏れをブロックする。電源回路214は、伝送線300を介して親機100から電力供給を受ける。電源回路214は、電力を子機200に供給する。DCカット252は、入力した電力信号である入力信号の交流成分を抽出する。ローパスフィルタ・増幅部254は、入力信号の少なくとも一部の周波数成分、例えば高周波成分を除去してから入力信号を増幅する。DCカット252は「抽出部」とも呼ばれ、ローパスフィルタ・増幅部254は、「第2フィルタ部」、「第2増幅部」とも呼ばれる。
【0023】
コンパレータ256は、ローパスフィルタ・増幅部254からの入力信号をパルス化するとともに、不要なノイズを除去する。ワンショットタイマ258は、伝送線300での歪みを補正する。これは、変動したパルス長を補正することに相当する。制御回路230は、ワンショットタイマ258からの入力信号を受けつける。
【0024】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0025】
図4は、親機100、子機200の別の構成を示す。ここでは、子機200から親機100に電圧信号を送信する場合を想定する。親機100は、電源電圧110、インピーダンスアッパー120、制御回路130、受信回路150を含む。受信回路150は、DCカット152、ローパスフィルタ・増幅部154、コンパレータ156、ワンショットタイマ158を含む。子機200は、ダイオードブリッジ210、インピーダンスアッパー212、電源回路214、制御回路230、送信回路240を含む。送信回路240は、ローパスフィルタ242、トランジスタ244、抵抗部246、グランド248を含む。
【0026】
親機100のインダクタ部122は、伝送線300を介して通信していない場合に、ベース電圧を子機200に出力する。子機200の制御回路230、ローパスフィルタ242、トランジスタ244、抵抗部246、グランド248は、
図3の制御回路130、ローパスフィルタ142、トランジスタ144、抵抗部146、グランド148と同様の動作を実行する。ローパスフィルタ242は「第1フィルタ部」とも呼ばれ、トランジスタ244は「第1増幅部」とも呼ばれる。
【0027】
親機100のDCカット152、ローパスフィルタ・増幅部154、コンパレータ156、ワンショットタイマ158、制御回路130は、
図3のDCカット252、ローパスフィルタ・増幅部254、コンパレータ256、ワンショットタイマ258、制御回路230と同様の動作を実行する。DCカット152は「抽出部」とも呼ばれ、ローパスフィルタ・増幅部154は、「第2フィルタ部」、「第2増幅部」とも呼ばれる。
【0028】
本実施例によれば、親機100から子機200への通信と、子機200から親機100への通信には、同一の通信方式が使用可能であるので、親機100と子機200との間の通信だけではなく、子機200間の通信も実行できる。また、親機100と子機200との間の通信だけではなく、子機200間の通信も実行されるので、通信の自由度を拡大できる。また、端末間の伝送線300の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されているので、通信を高速化できる。
【0029】
また、端末間の伝送線300には電圧信号が伝送されるので、親機100と子機200との構成を共通化できる。また、伝送線300に印加されるベース電圧は18V以上、かつ60V以下の範囲内に設定されるので、伝送線300を介しても子機200に電力を供給できる。また、電圧信号は、ベース電圧に対する所定の電圧変化により生成されるので、電圧値により情報を伝送できる。また、伝送線300のインピーダンスは、30Ω以上、かつ200Ω以下であるので、汎用的な伝送線300を使用できる。また、子機200は、伝送線300を介して親機100から電力供給されるので、伝送線300に子機200を接続すると子機200を使用できる。
【0030】
また、親機100の出力電流の最大値は2A以下であるので、伝送線300に接続された子機200に電力を供給できる。また、最大線長が1000m以下であり、かつ総線長が3000m以下であるので、施設に効率的に設置できる。また、通信していない場合にベース電圧を出力するインダクタ部122と、通信している場合に信号の振幅を生成する抵抗部124とを含むので、電圧信号を生成できる。また、増幅器400を含むので、伝送可能な距離を長くできる。また、親機100に直列接続される増幅器400の台数は10台以下であるので、信号遅延の影響を抑制できる。
【0031】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の設備制御システム(1000)は、有線の伝送線(300)を介してフリートポロジー接続される複数の端末(100、200)を備える。複数の端末(100、200)のうちの1つが親機(100)であり、複数の端末(100、200)のうちの残りが子機(200)であり、親機(100)から子機(200)への通信と、子機(200)から親機(100)への通信には、同一の通信方式が使用可能であり、端末(100、200)間の伝送線(300)の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている。
【0032】
端末(100、200)間の伝送線(300)には電圧信号が伝送されてもよい。
【0033】
端末(100、200)間の伝送線(300)に印加されるベース電圧は18V以上、かつ60V以下の範囲内に設定されていてもよい。
【0034】
電圧信号は、ベース電圧に対する所定の電圧変化により生成されてもよい。
【0035】
伝送線(300)のインピーダンスは、30Ω以上、かつ200Ω以下であってもよい。
【0036】
子機(200)は、伝送線(300)を介して親機(100)から電力供給されてもよい。
【0037】
親機(100)の出力電流の最大値は、2A以下であってもよい。
【0038】
伝送線(300)を介して直接的に接続される親機(100)と子機(200)との間の最大線長が1000m以下であり、かつ親機(100)と子機(200)が直接的または間接的に接続される伝送線(300)の総線長が3000m以下であってもよい。
【0039】
親機(100)は、伝送線(300)を介して通信していない場合に、ベース電圧を出力するインダクタ部(122)と、伝送線(300)を介して通信している場合に、信号の振幅を生成する抵抗部(124)とを含んでもよい。
【0040】
端末(100、200)は、出力すべき出力信号の送信波形を作成する波形成形部(130、230)と、出力信号の少なくとも一部の周波数成分を除去する第1フィルタ部(142、242)と、出力信号を増幅する第1増幅部(144、244)とを含む送信回路(140、240)と、入力した入力信号の交流成分を抽出する抽出部(152、252)と、入力信号の少なくとも一部の周波数成分を除去する第2フィルタ部(154、254)と、入力信号を増幅する第2増幅部(154、254)とを含む受信回路(150、受信回路250)とを備えてもよい。
【0041】
伝送線(300)を介して接続される親機(100)と子機(200)との間に配置される増幅器(400)をさらに備えてもよい。
【0042】
親機(100)に直列接続される増幅器(400)の台数は、10台以下であってもよい。
【0043】
本開示の別の態様は、通信方法である。この方法は、有線の伝送線(300)を介してフリートポロジー接続される複数の端末(100、200)を備え、複数の端末(100、200)のうちの1つが親機(100)であり、複数の端末(100、200)のうちの残りが子機(200)である設備制御システム(1000)における通信方法であって、(100)から子機(200)への通信と、子機(200)から(100)への通信には、同一の通信方式が使用可能であり、端末(100、200)間の伝送線(300)の伝送速度が1kbps以上、かつ100kbps以下の範囲内に設定されている。
【0044】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0045】
100 親機、 110 電源電圧、 120 インピーダンスアッパー、 122 インダクタ部、 124 抵抗部、 130 制御回路、 140 送信回路、 142 ローパスフィルタ、 144 トランジスタ、 146 抵抗部、 148 グランド、 150 受信回路、 152 DCカット、 154 ローパスフィルタ・増幅部、 156 コンパレータ、 158 ワンショットタイマ、 200 子機、 210 ダイオードブリッジ、 212 インピーダンスアッパー、 214 電源回路、 230 制御回路、 240 送信回路、 242 ローパスフィルタ、 244 トランジスタ、 246 抵抗部、 248 グランド、 250 受信回路、 252 DCカット、 254 ローパスフィルタ・増幅部、 256 コンパレータ、 258 ワンショットタイマ、 300 伝送線、 400 増幅器、 1000 設備制御システム。