(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023135419
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】基板保持部材
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230921BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040616
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 正広
(72)【発明者】
【氏名】檜野 誠
(72)【発明者】
【氏名】北林 徹夫
(72)【発明者】
【氏名】下嶋 浩正
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA03
5F131CA06
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA04
5F131EB11
5F131EB14
5F131EB15
5F131EB16
5F131EB17
5F131EB28
5F131EB52
5F131EB53
5F131EB54
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB84
5F131EB87
(57)【要約】
【課題】シャフトを備える基板保持部材において、基板全体での温度分布の不均一さを抑制することができる基板保持部材を提供する。
【解決手段】
基板保持部材100は、セラミックス基材110を備えている。セラミックス基材110の上面111には、環状の環状凸部152と、複数の凸部156とが設けられている。セラミックス基材110の下面113には、円筒部131を有するシャフト130が接合されている。また、上面111の中央には、セラミックス基材110と同心である円形領域Scが設けられている。円形領域Scの直径Φcは、シャフト130の円筒部131の内径Φ1の0.7倍以上である。円形領域Scには複数の凸部156は配置されていない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、及び、前記上面と上下方向において対向する下面を有するセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に埋設された、又は、前記セラミックス基材の前記下面に配置された電極と、
前記セラミックス基材の前記下面に接合された円筒状のシャフトと、を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の前記上面の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
前記セラミックス基材の前記上面の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
前記セラミックス基材の前記上面の中央には、前記セラミックス基材と同心であって、且つ、直径が前記シャフトの内径の0.7倍以上である円形領域が設けられており、
前記円形領域には前記複数の凸部は配置されていない、又は、前記円形領域に配置された前記複数の凸部の前記上面からの高さは、前記円形領域の外側に配置された前記複数の凸部の前記上面からの高さの1/2以下であることを特徴とする、基板保持部材。
【請求項2】
前記円径領域の前記直径は、前記円筒部の最大の外径の1.5倍以下である請求項1に記載の基板保持部材。
【請求項3】
前記セラミックス基材は、前記セラミックス基材の内部に配置され、且つ、前記円径領域に開口を有する第1のガス流路を備えている請求項1又は2に記載の基板保持部材。
【請求項4】
前記セラミックス基材は、前記セラミックス基材の内部に配置され、且つ、前記円径領域の外側に開口を有する第2のガス流路を備えている請求項1~3のいずれか一項に記載の基板保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェハ等の基板を保持する基板保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウェハなどの基板を保持するシャフト付きの基板保持部材が開示されている。特許文献1に記載の基板保持部材は、上面に基板を載置する加熱面を有する、抵抗発熱体(ヒータ電極)を埋設した板状のセラミックス基体と、セラミックス基体の下面の中央に接合され、内部に抵抗発熱体に接続された給電ロッドを備えた管状の部材(シャフト)とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の基板保持部材においては、シャフトへの伝熱の影響により、シャフトの直上の領域における基板の温度が、シャフトの外側の領域における基板の温度と比較して、高くなるまたは低くなる傾向があり、基板全体での均熱性を得ることが困難であった。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、シャフトを備える基板保持部材において、基板全体での温度分布の不均一さを抑制することができる基板保持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、上面、及び、前記上面と上下方向において対向する下面を有するセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に埋設された、又は、前記セラミックス基材の前記下面に配置された電極と、
前記セラミックス基材の前記下面に接合された円筒状のシャフトと、を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の前記上面の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
前記セラミックス基材の前記上面の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
前記セラミックス基材の前記上面の中央には、前記セラミックス基材と同心であって、且つ、直径が前記シャフトの内径の0.7倍以上である円形領域が設けられており、
前記円形領域には前記複数の凸部は配置されていない、又は、前記円形領域に配置された前記複数の凸部の前記上面からの高さは、前記円形領域の外側に配置された前記複数の凸部の前記上面からの高さの1/2以下であることを特徴とする、基板保持部材が提供される。
【発明の効果】
【0007】
上記態様においては、セラミックス基材の外周部に環状の凸部が設けられているので、基板をセラミックス基材の上面に向かって吸着させたとき、基板の外縁部が変形することを抑制することができる。また、セラミックス基材の上面の円形領域Scにおいて、複数の凸部が配置されていない、又は、複数の凸部の高さが円形領域の外側にある外側領域に配置された複数の凸部の高さの1/2以下である。そのため、円形領域において、複数の凸部と基板とが接触する恐れがない。また、円形領域の直径は、シャフトの内径の0.7倍以上である。そのため、シャフトの直上において、基板にヒートスポットが発生することを抑制することができ、基板の温度の不均一を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、基板保持部材100の概略説明図である。
【
図2】
図2は、静電吸着用電極124の概略説明図である。
【
図4】
図4は、シャフト130を有する基板保持部材100の概略外観図である。
【
図5】(a)~(e)は、セラミックス基材110の製造方法の流れを示す図である。
【
図6】(a)~(d)は、セラミックス基材110の別の製造方法の流れを示す図である。
【
図7】
図7は、実施例2の基板保持部材100の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<基板保持部材100>
本発明の実施形態に係る基板保持部材100について、
図1を参照しつつ説明する。本実施形態に係る基板保持部材100は、シリコンウェハなどの半導体ウェハ(以下、単にウェハ10という)の加熱に用いられるセラミックスヒータである。なお、以下の説明においては、基板保持部材100が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向5が定義される。
図1に示されるように、本実施形態に係る基板保持部材100は、セラミックス基材110と、電極120(
図2、3参照)と、静電吸着用電極124(
図2参照)と、シャフト130と、給電線140(
図4参照)とを備える。
【0010】
セラミックス基材110は、直径12インチ(約300mm)の円形の板状の形状を有する部材であり、セラミックス基材110の上には加熱対象であるウェハ10が載置される。
図1に示されるように、セラミックス基材110の下面113は平坦な面とすることができる。あるいは、
図4に示されるように、セラミックス基材110の下面113にシャフト130との接合のための凸部114(以下、接合用凸部114と呼ぶ)を設けることができる。また、
図1に示されるように、セラミックス基材110の上面111は外周部に比べて中央が窪んだ凹状の曲面形状を有している。(但し、
図2、4においては図面の簡略化のため、セラミックス基材110の上面111を平坦な面として図示している。)例えば、本実施形態においては、セラミックス基材110の上面111の中央部分は外周部(外縁部)に比べて10μm低くなっている。セラミックス基材110の上面111には、環状の凸部152(以下、単に環状凸部152という)と、複数の凸部156とが設けられている。セラミックス基材110の内部には、後述の第1ガス流路164が形成されている。セラミックス基材110は、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成することができる。
【0011】
図1に示されるように、環状凸部152は、セラミックス基材110の上面111の外周部に配置された略円環状の凸部であり、上面111よりも上方に突出している。ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたとき、環状凸部152の上面152aはウェハ10の下面と当接する。つまり、環状凸部152は、ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたときに、上下方向5においてウェハ10と重なる位置に配置されている。
【0012】
セラミックス基材110の上面111の、環状凸部152の内側には、同心円状に配置された複数の凸部156が設けられている。複数の凸部156はいずれも円柱形状を有している。本実施形態においては、セラミックス基材110の中央に位置する円形領域Scには凸部156は配置されておらず、円形領域Scの外側に位置する外側領域Soutに凸部156が配置されている。円形領域Scの直径Φcは、後述のシャフト130の円筒部131の内径Φ1の0.7倍以上にすることができる。また、円形領域Scの直径Φcは、シャフト130の円筒部131の最大外径Φ2の1.5倍以下にすることができる。本実施形態においては、円筒領域Scの直径Φcは、シャフト130の円筒部131の最大外径Φ2とほぼ同じである。
【0013】
環状凸部152の高さ(上面111からの上下方向5の長さ)は、5μm~2mmの範囲にすることができる。同様に、複数の凸部156の高さも、5μm~2mmの範囲にすることができる。なお、環状凸部152の高さを、複数の凸部156の高さと同じにすることができる。例えば、本実施形態においては、環状凸部152及び複数の凸部156の高さはいずれも150μmである。
【0014】
環状凸部152は、一定の幅であることが望ましく、0.1mm~10mmにすることができる。環状凸部152の上面152aの表面粗さRaは1.6μm以下にすることができる。複数の凸部156の上面156aの表面粗さRaは1.6μm以下にすることができる。なお、環状凸部152の上面152a、及び、複数の凸部156の上面156aの表面粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。例えば、本実施形態においては、環状凸部152の幅は3mmであり、環状凸部152の上面152a、及び、複数の凸部156の上面156aの表面粗さRaは0.4μmである。
【0015】
複数の凸部156の上面156aは、直径0.1mm~5mmの円形であることが好ましい。また、複数の凸部156の、各凸部156の離間距離は、1.5mm~30mmの範囲にすることができる。例えば、本実施形態においては、複数の凸部156の上面156aは、直径2mmの円形であり、各同心円状上に配置された複数の凸部156の離間距離は10mm~15mmに設定される。
【0016】
図1に示されるように、セラミックス基材110の内部には第1ガス流路164が形成されている。上面111の円径領域Scには、第1ガス流路164の4つの開口164aが開口している。円径領域Scにおいて、4つの開口164aは等間隔(90°間隔)で円状に配置されている。第1ガス流路164は、4つの開口164aからそれぞれ下方に延びた後、水平方向に延びて合流し、さらに下方に向かって延びている。第1ガス流路164の下端は、シャフト130の内部に形成された第2ガス流路168の上端に接合されている。
【0017】
第1ガス流路164は、セラミックス基材110の上面111とウェハ10の下面とによって画定される空間(間隙)にガスを供給するための流路として用いることができる。例えば、ウェハ10とセラミックス基材110との間の伝熱のための伝熱ガスを供給することができる。伝熱ガスとして、例えば、ヘリウム、アルゴンのような不活性ガスや、窒素ガスなどを用いることができる。伝熱ガスは、第1ガス流路164を通じて、100Pa~40000Paの範囲内で設定された圧力で供給される。また、環状凸部152の上面152aとウェハ10の下面との隙間から、環状凸部152の内側の間隙にプロセスガスが侵入してくる場合には、第1ガス流路164を介して、ガスを排気することができる。この際、排気圧を調整することによって間隙の外側の圧力と、間隙の内側の圧力の差圧を調節することができる。これにより、ウェハ10をセラミックス基材110の上面に向けて吸着させることができる。
【0018】
図2に示されるように、セラミックス基材110の内部には、静電吸着用電極124と、電極120(本発明の発熱体の一例)とが埋設されている。
図2に示されるように、静電吸着用電極124は2つの半円形状の電極124a、124bが所定の間隔(5mm)を隔てて向かい合うように配置されており、全体として略円形の形状を有している。静電吸着用電極124の外径は294mmである。
図3に示されるように、電極120は帯状に裁断された金属製のメッシュや箔である。電極120の外径は298mmである。電極120はセラミックス基材110の側面から露出しない。電極120の略中央には、給電線140(
図4参照)と接続される端子部121が設けられている。電極120はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金のワイヤーを織ったメッシュや箔等の耐熱金属(高融点金属)により形成されている。タングステン、モリブデンの純度は99%以上であることが好ましい。電極120の厚さは0.15mm以下である。なお、電極120の抵抗値を高くして、基板保持部材100の消費電流を低減させるという観点からは、ワイヤーの線径を0.1mm以下、電極120の厚さを0.1mm以下にすることが好ましい。また、帯状に裁断された電極120の幅は2.5mm~20mmであることが好ましく、5mm~15mmであることがさらに好ましい。本実施形態においては、電極120は、
図3に示される形状に裁断されているが電極120の形状はこれには限られず、適宜変更しうる。なお、セラミックス基材110の内部には静電吸着用電極124と電極120とが両方とも埋設されていることには限られない。例えば、セラミックス基材110の内部には静電吸着用電極124と電極120とのいずれか一方のみが埋設されていてもよい。あるいは、電極120と静電吸着用電極124との少なくとも一方に加えて、セラミックス基材110の上方にプラズマを発生させるためのプラズマ電極が埋設されていてもよい。あるいは、電極120と静電吸着用電極124とに代えて、プラズマ電極が埋設されていてもよい。
【0019】
図1、4に示されるように、セラミックス基材110の下面113には、シャフト130が接続されている。上述のように、セラミックス基材110の下面113は平坦な面であってもよく(
図1参照)、セラミックス基材110の下面113にシャフト130との接合のための接合用凸部114が設けられていてもよい(
図4参照)。
図1に示されるように、シャフト130は中空の略円筒形状の円筒部131を有する。円筒部131の上端には円筒部131において最大の外径(Φ2)を有するフランジ部133が設けられている(
図1参照)。なお、
図4に示されるように、シャフト130は、円筒部131の下方に設けられた大径部132を有していてもよい。大径部132は、円筒部131の径よりも大きな径を有している。以下の説明において、円筒部131の長手方向をシャフト130の長手方向6として定義する。
図1、4に示されるように、基板保持部材100の使用状態において、シャフト130の長手方向6は上下方向5と平行である。
【0020】
なお、セラミックス基材110の下面113に接合用凸部114が形成されている場合には、接合用凸部114の形状は、接合されるシャフト130の円筒部131の上面の形状と同じであることが好ましく、接合用凸部114の直径は100mm以下であることが好ましい。接合用凸部114の高さ(下面113からの高さ)は、0.2mm以上であればよく、2mm以上であることが好ましい。特に高さの上限に制限はないが、製作上の容易さを勘案すると、接合用凸部114の高さは20mm以下であることが好ましい。また、接合用凸部114の下面は、セラミックス基材100の下面113に平行であることが好ましい。接合用凸部114の下面の表面粗さRaは1.6μm以下であればよい。なお、接合用凸部114の下面の表面粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。
【0021】
円筒部131の上面は、セラミックス基材110の下面113(接合用凸部114が設けられている場合には、接合用凸部114の下面)に固定されている。なお、シャフト130は、セラミックス基材110と同じように、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成されてもよい。あるいは、断熱性を高めるために、セラミックス基材110より熱伝導率の低い材料で形成されてもよい。
【0022】
図1、4に示されるように、シャフト130は中空の円筒形状を有しており、その内部(内径より内側の領域)には長手方向6に延びる貫通孔が形成されている。シャフト130の中空の部分(貫通孔)には、電極120に電力を供給するための給電線140(
図4参照)が配置されている。給電線140の上端は、電極120の中央に配置された端子部121(
図3参照)に電気的に接続されている。給電線140は、不図示のヒータ用電源に接続される。これにより、給電線140を介して電極120に電力が供給される。
【0023】
また、
図1に示されるように、シャフト130の円筒部131には、上下方向5に延びるガス流路168が形成されている。上述のように、ガス流路168の上端は第1ガス流路164の下端に接続されている。なお、ガス流路168は必ずしもシャフト130の円筒部131に形成されていなくてもよく、円筒部131の内径よりも内側の領域に別途ガス配管を設けることもできる。
【0024】
次に、基板保持部材100の製造方法について説明する。以下では、セラミックス基材110及びシャフト130が窒化アルミニウムで形成される場合を例に挙げて説明する。
【0025】
まず、セラミックス基材110の製造方法について説明する。
図5(a)に示されるように、窒化アルミニウム(AlN)粉末を主成分とする造粒粉Pをカーボン製の有床型501に投入し、パンチ502で仮プレスする。なお、造粒粉Pには、5wt%以下の焼結助剤(例えば、Y
2O
3)が含まれることが好ましい。次に、
図5(b)に示されるように、仮プレスされた造粒粉Pの上に、所定形状に裁断された電極120を配置する。なお、電極120は、加圧方向に垂直な面(有床型501の底面)に平行になるように配置される。このとき、Wのペレット又はMoのペレットを電極120の端子121(
図3参照)の位置に埋設してもよい。
【0026】
図5(c)に示されるように、電極120を覆うようにさらに造粒粉Pを有床型501に投入し、パンチ502でプレスして成形する。次に、
図5(d)に示されるように、電極120が埋設された造粒粉Pをプレスした状態で焼成する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。次に、
図5(e)に示されるように、端子121を形成するために、電極120までの止まり穴加工を行う。なお、ペレットを埋設した場合には、ペレットまでの止まり穴加工を行えばよい。さらに、第1ガス流路164の一部となる貫通孔を形成する。これにより、内部に第1ガス流路164が形成されたセラミックス基材110を作製することができる。この場合、電極120が第1ガス流路164から露出しないように、予め所定のニゲを設けておく。
【0027】
なお、セラミックス基材110は以下の方法によっても製造することができる。
図6(a)に示されるように、窒化アルミニウムの造粒粉Pにバインダーを加えてCIP成型し、円板状に加工して、窒化アルミニウムの成形体510を作製する。次に、
図6(b)に示されるように、成形体510の脱脂処理を行い、バインダーを除去する。
【0028】
図6(c)に示されるように、脱脂された成形体510に、電極120を埋設するための凹部511を形成する。成形体510の凹部511に電極120を配置し、別の成形体510を積層する。なお、凹部511は予め成形体510に形成しておいてもよい。次に、
図6(d)に示されるように、電極120を挟むように積層された成形体510をプレスした状態で焼成し、焼成体を作製する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。焼成体を作製した後の工程は、上述の工程と同様であるので、説明を省略する。
【0029】
このようにして形成されたセラミックス基材110の上面111に対して研削を行い、ラップ加工(鏡面研磨加工)を行う。さらに、上面111に対してサンドブラスト加工を行うことにより、上面111に複数の凸部156及び環状凸部152を形成する。セラミックス基材110の下面113には、下面113から突出した接合用の凸部114が設けられてもよい(
図4参照)。
【0030】
次に、シャフト130の製造方法及びシャフト130とセラミックス基材110との接合方法について説明する。まず、バインダーを数wt%添加した窒化アルミニウムの造粒粉Pを静水圧(1MPa程度)で成形し、成形体を所定形状に加工する。なお、シャフト130の外径は、30mm~100mm程度である。上述のように、シャフト130の円筒部131の端面には円筒部131において最大の外径を有するフランジ部133が設けられてもよい(
図1参照)。円筒部131の長さは例えば、50mm~500mmにすることができる。このとき、成形体に第2ガス流路168となる貫通孔を形成する。その後、成形体を窒素雰囲気中で焼成する。例えば、1900℃の温度で2時間焼成する。そして、焼成後に焼結体を所定形状に加工することによりシャフト130が形成される。円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113とを、1600℃以上、1MPa以上の一軸圧力下で、拡散接合により固定することができる。この場合には、セラミックス基材110の下面113の表面粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。また、円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113とを、接合剤を用いて接合することもできる。接合剤として、例えば、10wt%のY
2O
3を添加したAlN接合材ペーストを用いることができる。例えば、円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113との界面に上記のAlN接合剤ペーストを15μmの厚さで塗布し、上面111に垂直な方向(シャフト130の長手方向6)に5kPaの力を加えつつ、1700℃の温度で1時間加熱することにより、接合することができる。あるいは、円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113とを、ねじ止め、ろう付け等によって固定することもできる。
【実施例0031】
以下、本発明について実施例を用いて更に説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例に限定されない。
【0032】
[実施例1]
実施例1の基板保持部材100(
図1参照)について説明する。実施例1においては、5wt%の焼結助剤(Y
2O
3)を添加した窒化アルミニウム(AlN)を原料として、上述の作製方法により直径300mm、厚さ20mmのセラミックス基材110を作製した。上記実施形態と同様に、セラミックス基材110の上面111は外周部に比べて中央が窪んだ凹状の曲面形状を有しており、セラミックス基材110の上面111の中央部分は外周部(外縁部)に比べて10μm低い。セラミックス基材110の下面113には、接合用凸部114が設けられている。接合用凸部114の高さは2mmであり、外径は75mmである。接合用凸部114には、シャフト130の円筒部131が接合されている。円筒部131の最大外径は75mmである。
【0033】
図2に示される静電吸着用電極124がセラミックス基材110の上面111より深さ1mmの位置に埋設されている。静電吸着用電極124は双極の半円形状の電極124a、124bが所定の間隔(5mm)を隔てて向かい合うように配置されており、全体として略円形の形状を有している。静電吸着用電極124は、直径294mm、厚さ30μmのモリブデン箔に、中心を通る幅5mmの切り込みを入れることにより形成されている。さらに、電極120として、モリブデンメッシュ(線径0.1mm、メッシュサイズ#50、平織り)を
図3の形状に裁断したものを作製し、このような電極120を静電吸着用電極124の下方に埋設した。
【0034】
セラミックス基材110の上面111に、内径292mm、外径298mm、幅3mm、上面111からの高さ15μmの環状凸部152を形成した。セラミックス基材110の上面111の環状凸部152の内側の領域に、直径2mm、上面111からの高さ15μmの円柱形状の複数の凸部156を形成した。さらに、セラミックス基材110の上面111の中央の、直径70mmの円形領域Scにある複数の凸部156を削除する加工を行った。これにより、セラミックス基材110の上面111の外側領域Soutに複数の凸部156を形成した。実施例1の基板保持部材100においては、複数の凸部156は円径領域Scを除く外側領域Soutに同心円状に配置されている。なお、環状凸部152の上面152a及び凸部156の上面156aの表面粗さRaは、いずれも0.4μmとした。
【0035】
セラミックス基材110の内部に第1ガス流路164を形成した。上記実施形態と同様に、上面111の円径領域Scには、第1ガス流路164の4つの開口164aが開口している。第1ガス流路164の開口164aの直径は3mmである。4つの開口164aは、セラミックス基材110の中心から25mmの位置において等間隔(90°間隔)で円状に配置されている。
【0036】
このような形状の基板保持部材100をプロセスチャンバに設置した。プロセスチャンバ内に、プロセスガスとして窒素ガスを10Paの圧力で供給した。さらに、第1ガス流路164を通じて、ヘリウムガスを1333Pa(10Torr)の圧力に調節した。
【0037】
そして、以下の手順で基板保持部材100の温度評価を行った。まず、セラミックス基材110の上に温度評価用のシリコンウェハを載せ、電極124aに+500V、電極124bに-500Vの電圧を印加し、温度評価用のシリコンウェハを静電吸着した。基板保持部材100の電極120に不図示の外部電源を接続して50Wのヒータ電力を供給した。そして、上記の圧力でプロセスガスとしての窒素ガスと、伝熱ガスとしてのヘリウムガスとの圧力を調節した。その後、温度評価用のシリコンウェハの、外縁から1mmの領域を除く直径298mmの領域の温度分布を赤外線カメラで計測した。温度評価用のシリコンウェハの、直径298mmの領域における、最高温度と最低温度の差を温度差Δとした。また、温度評価用のシリコンウェハの、シャフト130と上下方向に重なる位置に、局所的なヒートスポットが発生するかどうかを評価した。なお、温度評価用のシリコンウェハの平均温度に対して、3.0℃以上高温になる領域があった場合に、ヒートスポットが発生したと判断した。温度評価用のシリコンウェハは、直径300mmのシリコンウェハの上面に厚さ30μmの黒体膜をコーティングしたものである。黒体膜とは、放射率(輻射率)が90%以上である膜であり、例えば、カーボンナノチューブを主原料とする黒体塗料をコーティングすることにより成膜することができる。実施例1において、第1ガス流路164に流れるヘリウムガスのガス流量は0.7sccmであった。なお、ヘリウムガスのガス流量はマスフローメータで調節した。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは1.9℃であった。また、温度評価用シリコンウェハに、ヒートスポットは見られなかった。
【0038】
[実施例2]
実施例2の基板保持部材100(
図7参照)について説明する。実施例1と同様の作製方法により直径300mm、厚さ20mmのセラミックス基材110を作製した。実施例2においては、セラミックス基材110の上面111は外周部に比べて中央が膨らんだ凸状の曲面形状を有しており、セラミックス基材110の上面111の中央部分は外周部(外縁部)に比べて30μm高い。実施例1と同様に、セラミックス基材110の下面113には、接合用凸部114が設けられている。接合用凸部114及びシャフト130の形状は実施例1と同様である。
【0039】
実施例2の基板保持部材100のセラミックス基材110には、静電吸着用電極124は埋設されておらず、実施例1と同様の電極120だけが埋設されている。
【0040】
セラミックス基材110の上面111に、内径292mm、外径298mm、幅3mm、上面111からの高さ150μmの環状凸部152を形成した。セラミックス基材110の上面111の環状凸部152の内側の領域に、直径2mm、上面111からの高さ150μmの円柱形状の複数の凸部156を形成した。セラミックス基材110の上面111の中央の、直径70mmの円形領域Scにおいて、複数の凸部156の高さが70μmとなるように複数の凸部156を加工した。これにより、セラミックス基材110の上面111の外側領域Soutに高さ150μmの複数の凸部156を形成し、円形領域Scに高さ70μmの複数の凸部156を形成した。実施例2の基板保持部材100においては、複数の凸部156は円径領域Sc及び外側領域Soutに同心円状に配置されている。なお、環状凸部152の上面152a及び凸部156の上面156aの表面粗さRaは、いずれも0.4μmとした。
【0041】
セラミックス基材110の内部に第2ガス流路165を形成した。実施例2においては、上面111の外側領域Soutに、第2ガス流路165の8つの開口165aが開口している。第2ガス流路165の開口165aの直径は3mmである。8つの開口165aは、セラミックス基材110の中心から125mmの位置において等間隔(45°間隔)で円状に配置されている。
【0042】
このような形状の基板保持部材100をプロセスチャンバに設置した。プロセスチャンバ内に、プロセスガスとしてアルゴンガスとヘリウムガスの混合ガスを26600Pa(200Torr)の圧力で供給した。また、第1ガス流路164を不図示の排気装置に接続した。このとき、第2ガス流路165を通じて、アルゴンガスを6650Pa(50Torr)の圧力に調節した。
【0043】
電極120に不図示の外部電源を接続して650Wのヒータ電力を供給し、実施例1と同様にして基板保持部材100の温度評価を行った。実施例2において、第2ガス流路165を流れるアルゴンガスのガス流量は1.0sccmであった。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは2.6℃であった。また、温度評価用シリコンウェハに、ヒートスポットは見られなかった。
【0044】
<実施形態の作用効果>
上記実施形態及び実施例1、2において、基板保持部材100は、セラミックス基材110を備えている。セラミックス基材110の上面111には、上面111の外周部に配置され、且つ、上面111よりも上方に突出した環状の環状凸部152と、環状凸部152の内側に配置され、且つ、上面111よりも上方に突出した複数の凸部156とが設けられている。セラミックス基材110の下面113には、円筒部131を有するシャフト130が接合されている。また、上面111の中央には、セラミックス基材110と同心である円形領域Scが設けられている。円形領域Scの直径Φcは70mmであり、シャフト130の円筒部131の内径Φ1(45mm)の0.7倍以上である。実施例1においては、円形領域Scには複数の凸部156は配置されていない。また、実施例2においては、円形領域Scにも複数の凸部156が配置されているが、円形領域Scに配置された複数の凸部156の高さ(70μm)は、円形領域Scの外側にある外側領域Soutに配置された複数の凸部156の高さ(150μm)の1/2以下である。
【0045】
セラミックス基材110の外周部に環状凸部152が設けられているので、ウェハ10をセラミックス基材110の上面に向かって吸着させたとき、ウェハ10の外縁部が変形することを抑制することができる。また、セラミックス基材110の上面111の円形領域Scにおいて、複数の凸部156が配置されていない、又は、複数の凸部156の高さが円形領域Scの外側にある外側領域Soutに配置された複数の凸部156の高さ(150μm)の1/2以下である。そのため、円形領域Scにおいて、複数の凸部156とウェハ10とが接触することがない。そのため、円形領域Scにおいては、伝熱ガスによる伝熱が行われ、さらに円形領域Scにおいて、複数の凸部156の上面156aから一定の輻射による熱伝達も起こりうる。しかしながら、ウェハ10とセラミックス基材110との接触による伝熱は行われない。さらに、上述のように、円形領域Scの直径Φcは70mmであり、シャフト130の円筒部131の内径Φ1(45mm)の0.7倍以上である。そのため、シャフト130の直上において、ウェハ10にヒートスポットが発生することを抑制することができ、ウェハ10の温度分布の不均一を抑制することができる。
【0046】
上記実施形態及び上記実施例1、2において、円筒部131は、接合用凸部114と接合される上端部分の外形が最大となっており、円筒部131の最大外径Φ2は75mmである。これに対して、円形領域Scの直径Φcは70mmであるので、シャフト130の円筒部131の最大外径Φ2の1.5倍以下である。そのため、円形領域Scがシャフト130の円筒部131に対して大きくなりすぎることがない。これにより、シャフト130の直上において、ウェハ10にヒートスポットが発生することを抑制することができ、ウェハ10の温度分布の不均一を抑制することができる。
【0047】
上記実施形態及び上記実施例1、2においては、上述のように、円形領域Scにおいて複数の凸部156とウェハ10とが接触しない。そのため、円形領域Scにおいては伝熱ガスによる伝熱が行われる。また、一定の輻射による熱伝達も行われる。円形領域Scにおいてウェハ10の下面と接触して支持する部材がないため、ウェハ10が下方に撓んで、ウェハ10の下面が複数の凸部156又はセラミックス基材110の上面111に不安定に接触することがある。このような場合には、特にシャフト130の直上において、ウェハ10の温度分布が不均一になる恐れがある。
【0048】
これに対して、上記実施形態及び上記実施例1においては、セラミックス基材110の内部には第1ガス流路164が形成され、第1ガス流路164の開口164aは円形領域Scに開口している。これにより、第1ガス流路164を介して円形領域Scとウェハ10とに囲まれた領域に対してガスを供給することができ、ガスの圧力によりウェハ10が下方に撓むことを抑制することができる。これにより、特にシャフト130の直上において、ウェハ10の温度分布が不均一になることを抑制することができる。
【0049】
また、上記実施例2においては、セラミックス基材110の内部には第2ガス流路165が形成され、第2ガス流路165の開口165aは円形領域Scの外側に位置する外側領域Soutに開口している。これにより、第2ガス流路165を介して外側領域Soutとウェハ10とに囲まれた領域からガスを排気することができる。これにより、ウェハ10の外周領域において複数の凸部156によりウェハ10が安定に支持されるとともに、ガスの進入による伝熱の経時変化及びガスによるセラミックス基材110の上面111の腐食を抑制することができる。そのためウェハ10の形態が安定し円形領域Scにおけるウェハ10の撓みが抑制される。これにより、シャフト130の直上において、ウェハ10の温度分布が不均一になることを抑制することができる。
【0050】
<変更形態>
上述の実施形態は、あくまで例示に過ぎず、適宜変更しうる。例えば、セラミックス基材110、シャフト130の形状、寸法は上記実施形態のものには限られず、適宜変更しうる。また、環状凸部152の高さ、幅等の寸法、形状、上面の表面粗さRaの大きさは適宜変更しうる。また、複数の凸部156の高さ、上面156aの形状、上面156aの表面粗さRaの大きさは適宜変更しうる。
【0051】
例えば、複数の凸部156の上面156aの形状は必ずしも円形でなくてもよく、任意の形状にすることができる。なお、その場合においても、直径0.1mm~5mmの円と同程度の面積を有することが好ましい。また、上記説明において、複数の凸部156は同心円状に分布するように配置されていたが、本発明はそのような態様には限られない。凸部156が配置される位置及び/又は数は、用途、作用、機能に応じて適宜設定される。例えば、複数の凸部156がランダムな位置に分布するように配置されていてもよい。その場合であっても、複数の凸部156の、各凸部の離間距離は、1.5mm~30mmの範囲にあることが好ましい。
【0052】
上記実施形態及び実施例1、2においては、セラミックス基板110の上面111は、凸状の曲面又は凹状の曲面であったが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、セラミックス基板110の上面111が平坦な面であってもよい。また、セラミックス基板110の上面111の形状にかかわらず、セラミックス基材110の上面111の円形領域Scにおいて、複数の凸部156を削除するように加工してもよく、複数の凸部156の高さが円形領域Scの外側にある外側領域Soutに配置された複数の凸部156の高さの1/2以下となるように加工してもよい。なお、外側領域Soutに配置された複数の凸部156の高さが一様でない場合には、円形領域Scの外縁に隣接して形成されている凸部156の高さを複数の凸部156の高さとしてもよい。
【0053】
上記実施形態及び実施例1、2においては、電極120として、モリブデン、タングステン、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金を用いていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、モリブデン、タングステン以外の金属又は合金を用いることもできる。また、電極120は発熱体としてのヒータ電極であったが、電極120は必ずしも発熱体としてのヒータ電極である必要は無く、例えば、高周波電極であってもよい。
【0054】
上記実施形態においては、基板保持部材100は電極120を備えていたが、本発明はそのような態様には限られず、基板保持部材100は必ずしも電極120を備えていなくてもよい。また、基板保持部材100が電極120を備えている場合であっても、電極120は基板保持部材100のセラミックス基材110に埋設されていなくてもよい。例えば、電極120がセラミックス基材110の裏面113に貼付されていてもよい。
【0055】
上記実施形態及び実施例1、2において、セラミックス基材110の内部には、円形領域Scに4つの開口164aを有する第1ガス流路164又は外側領域Soutに8つの開口165aを有する第2ガス流路165が形成されていた。本発明はこのような態様に限定されず、適宜変更しうる。例えば、開口164a、165aの数、配置等は任意に変更することができる。また、セラミックス基材110の内部に、円形領域Scに開口164aを有する第1ガス流路164と、外側領域Soutに開口165aを有する第2ガス流路165とが形成されていてもよい。この場合において、第1ガス流路164と第2ガス流路165とが独立に設けられていてもよく、互いに連通していてもよい。
【0056】
また、シャフト130の円筒部131に、上下方向5に延びるガス流路168が形成されていなくてもよい。例えば、ガス流路168に代えて、円筒部131の中空の領域(給電線140が設けられている領域)に、別途ガスの配管を設けることもできる。
【0057】
以上、発明の実施形態及びその変更形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが請求の範囲の記載からも明らかである。
【0058】
明細書、及び図面中において示した製造方法における各処理の実行順序は、特段に順序が明記されておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるので無い限り、任意の順序で実行しうる。便宜上、「まず、」「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するわけではない。